足用マッサージユニット
【課題】ふくらはぎから足先にかけての広範囲の側面に対して、充分なストレッチを施すことのできる足用マッサージユニットを提供する。
【解決手段】ふくらはぎ用マッサージユニットの左右一対の各凹部の左右側面、に配備された側面エアバッグにおいて、左右何れか一方の側面エアバッグを膨張させると共に、足先用マッサージユニットの左右一対の各凹部の左右側壁、に配備された側面エアバッグ50において、ふくらはぎ用マッサージユニットの膨張した側面エアバッグとは左右反対側の側面エアバッグ50を膨張させ、ふくらはぎから足先の側面に対して踝を中心としたストレッチを施すようにした。
【解決手段】ふくらはぎ用マッサージユニットの左右一対の各凹部の左右側面、に配備された側面エアバッグにおいて、左右何れか一方の側面エアバッグを膨張させると共に、足先用マッサージユニットの左右一対の各凹部の左右側壁、に配備された側面エアバッグ50において、ふくらはぎ用マッサージユニットの膨張した側面エアバッグとは左右反対側の側面エアバッグ50を膨張させ、ふくらはぎから足先の側面に対して踝を中心としたストレッチを施すようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ふくらはぎや足先をマッサージする足用マッサージユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
被施療者の足先及びふくらはぎをマッサージする足用マッサージユニットが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、被施療者がふくらはぎを挿入し、マッサージを受けるふくらはぎ用マッサージユニットと、足裏及び足の甲(以下「足先」という)を挿入し、マッサージを受ける足先用マッサージユニットが一体に構成されてベース上に前後に傾動可能に支持され、被施療者は、椅子に腰掛けた状態だけでなく、寝転んだ状態でもマッサージを受けることができる足用マッサージユニットが示されている。
【0004】
また特許文献2には、被施療者がふくらはぎを挿入し、マッサージを受けるふくらはぎ用マッサージユニットと、足先を挿入し、マッサージを受ける足先用マッサージユニットが別体に構成されて、椅子の座部の前方に連結された足用マッサージユニットが示されている。そして、ふくらはぎを固定した状態で、足先を左右交互に移動させて、ふくらはぎから足首部にかけての側面にストレッチを施せるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−136534公報
【特許文献2】特開2006−6579公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の足用マッサージユニットは、ふくらはぎから足先の側面にかけてストレッチを施す技術は開示されていない。
【0007】
特許文献2の足用マッサージユニットは、ふくらはぎから足首部にかけての側面にストレッチを施せるようになっているが、ふくらはぎが固定されているので、ストレッチというより、足首部における左右の回動運動に近く、ふくらはぎから足先にかけての広範囲の側面に対して、充分なストレッチを施すことはできない。
【0008】
本発明は、ふくらはぎから足先にかけての広範囲の側面に対して、充分なストレッチを施すことのできる足用マッサージユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の足用マッサージユニットは、被施療者のふくらはぎが挿入される左右一対の凹部を有し、各凹部の左右側面に圧縮空気が給排気されるふくらはぎ用側面エアバッグを配備し、該側面エアバッグの膨張、収縮によって、被施療者のふくらはぎをマッサージするふくらはぎ用マッサージユニットと、
被施療者の足先が挿入される左右一対の凹部を有し、各凹部の左右側壁に圧縮空気が給排気される足先用側面エアバッグを配備し、該側面エアバッグの膨張、収縮によって、被施療者の足先をマッサージする足先用マッサージユニットと、
前記ふくらはぎ用マッサージユニットと足先用マッサージユニットの前記側面エアバッグの膨張、収縮を制御する制御部を具え、
制御部は、ふくらはぎ用マッサージユニットの各凹部の前記側面エアバッグにおいて、左右何れか一方の側面エアバッグを膨張させると共に、足先用マッサージユニットの各凹部の前記側面エアバッグにおいて、ふくらはぎ用マッサージユニットの膨張した側面エアバッグとは左右反対側の側面エアバッグを膨張させ、ふくらはぎから足先の側面に対して踝を中心としたストレッチを施すようにしたものである。
【0010】
そして、ふくらはぎから足先の側面に対して踝を中心とした前記ストレッチは、ふくらはぎ用マッサージユニットと足先用マッサージユニットの各凹部の前記側面エアバッグを左右交互に膨張させて、左右交互にストレッチを施すようにするのが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ふくらはぎ用マッサージユニットの各凹部の左右何れか一方
の側面エアバッグを膨張させながら、足先用マッサージユニットの各凹部の側面
エアバッグの、ふくらはぎ用マッサージユニットの膨張した側面エアバッグとは
左右反対側の側面エアバッグを膨張させることにより、踝に対してふくらはぎと
足先が夫々左右反対方向に移動しようとし、その結果、ふくらはぎから足先にか
けての広範囲の側面に対して、踝を中心としたストレッチを充分に施すことがで
きるものである。
【0012】
そして、膨張させるふくらはぎ用マッサージユニットと足先用マッサージユニットの各凹部の側面エアバッグを左右交互に膨張させることにより、ふくらはぎから足先にかけての左右の側面に対して、左右交互に踝を中心としたストレッチを施すことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の足用マッサージユニットを、マッサージ本体が起立した状態で斜め前方から見た斜視図である。
【図2】足用マッサージユニットに、被施療者が膝よりも下の部分を挿入した状態を示す説明図である。
【図3】足用マッサージユニットの凹みに沿う縦断面図である。
【図4】図3の線A−Aに沿う縦断面図である。
【図5】図3の線A−Aに沿う断面図であって、第1エアバッグ及び第2エアバッグが膨張したときにふくらはぎに作用する力の方向を示している。
【図6】指圧手段の指圧子を突出させて、指圧子による指圧マッサージを行なっている状態を示す足用マッサージユニットの縦断面図である。
【図7】エアポンプとエアバッグとの配管と、制御部の電気的接続を示す説明図である。
【図8】足用マッサージユニットを正面から見た図で、全てのエアバッグが収縮しているところを模式的に示す。
【図9】足用マッサージユニットを正面から見た図で、ふくらはぎから足先にかけての内側側面に対してストレッチを行なっているときのエアバッグの様子を模式的に示す。
【図10】足用マッサージユニットを正面から見た図で、ふくらはぎから足先にかけての外側側面に対してストレッチを行なっているときのエアバッグの様子を模式的に示す。
【図11】図8の状態における右足の様子を示す。
【図12】図9の状態における右足の様子を示す。
【図13】図10の状態における右足の様子を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明の足用マッサージユニット(10)を、マッサージ本体(11)が起立した状態で斜め前方から見た斜視図、図2は、本発明の足用マッサージユニット(10)に、被施療者が椅子等に腰掛けて膝よりも下の脚部分(ふくらはぎと足先を総称している)を挿入してマッサージを受けている使用例を示す説明図である。図2において脚部分を太い実線で示している。また、図3は、足用マッサージユニット(10)について、被施療者が脚部分を挿入する凹み(17)に沿う縦断面図、図4は、図3の線A−Aに沿う断面図である。
【0015】
図2に示すように、足用マッサージユニット(10)に被施療者が膝よりも下の脚部分を挿入した状態で足先の向く方向を以下「前」とする。
【0016】
図1乃至図4に示すように、足用マッサージユニット(10)は、被施療者がふくらはぎを挿入し、マッサージを受けるふくらはぎ用マッサージユニット(20)と、被施療者が足裏及び足の甲(足先)を挿入し、マッサージを受ける足先用マッサージユニット(60)が一体に構成されたマッサージ本体(11)と、該マッサージ本体(11)を支持するベース(14)から構成される。マッサージ本体(11)とベース(14)は、図3に示すように、一方に設けられたローラ(15)に、他方に設けられた円弧状レール(12)が転動可能に嵌まり、マッサージ本体(11)が、ベース(14)に対して前後に傾動可能とした構成を例示できる。この構成とすることで、被施療者は、椅子に腰掛けた状態だけでなく、寝転んだ状態で、マッサージ本体(11)を後ろ向きに傾動させてマッサージを受けることができる。
【0017】
マッサージ本体(11)には、前側に左右一対の略L字型の凹み(17)が形成されている。各凹み(17)は、被施療者のふくらはぎを挿入する凹部(21)と、該凹部(21)の下端側から前方に向けて延びる足先を挿入する凹部(61)から構成される。
【0018】
凹部(21)は、後端の底面(22)と、該底面(22)の左右から前方に向けて立設された側面(26)(26)を有する。ふくらはぎを凹部(21)に挿入したとき、ふくらはぎの裏側が底面(22)に当り、ふくらはぎの左右側部が側面(26)(26)と対向する。
【0019】
凹部(21)の左右各側面(26)(26)には、後述するとおり、夫々ふくらはぎ用側面エアバッグ(30)(30)が配備されており、底面(22)には、1又は複数の指圧用突起(24)(24)が突設されている。指圧用突起(24)は、凹部底面(22)の左右方向に幅広で、前方に向けて縮径した三角柱の如き形状(図3、図4参照)を例示できる。
【0020】
また、凹部(61)は、凹部(21)の底面(22)から前方に向けて連続して延びる底壁(62)と、凹部(21)の側面(26)(26)から前方に向けて連続して延びる側壁(66)(66)を有する。足先を凹部(61)に挿入したとき、足裏が底壁(62)に当り、足先の側面や甲が側壁(66)(66)と対向する。
【0021】
凹部(61)の底壁(62)には、足裏を指圧マッサージする指圧子(72)(図6参照)を出没させる公知の指圧手段(70)が、図示省略するモータの駆動力によって回転するネジ軸(74)のネジ推力により、足裏に沿って前後方向に移動可能に配備されており、側壁(66)(66)には、夫々足先用側面エアバッグ(50)が配備されている。指圧子(72)の出没は、エアバッグやモータ等により行なうことができる。実施例ではエアバッグ(76)(図7参照)により行なっている。指圧子(72)は、底壁(62)に設けた前後方向に延びる長孔(図示せず)より出没し、且つ長孔に沿って前後方向に移動する。
【0022】
ベース(14)には、エアバッグ(30)(50)(76)に圧縮空気を送給するエアポンプ(18)や、エアポンプ(18)とエアバッグ(30)(50)(76)を連繋する電磁弁(91)〜(97)(図7参照)が配備される。また、ベース(14)には、足用マッサージユニット(10)の各種制御を行なう制御部(80)(図7参照)等も配備され、操作部(82)(図1参照)の操作に基づいて、エアバッグ(30)(50)(76)の膨張、収縮を制御してふくらはぎ、足先等にマッサージを施したり、指圧手段(70)を駆動して、足裏に指圧マッサージを施すことができる。
【0023】
ふくらはぎ用側面エアバッグ(30)(30)は、図3及び図4に示すように、側面(26)の底面(22)側に配備された第1エアバッグ(31)と、側面(26)の凹部(21)開口側に配備された第2エアバッグ(37)から構成することができる。第1エアバッグ(31)及び第2エアバッグ(37)は、夫々ブロー成型により作製することができ、夫々、膨張時の押圧効果を高めるために、図4に示すように、ひだ状の膨張部(32)(38)が形成されている。
【0024】
第1エアバッグ(31)及び第2エアバッグ(37)は、夫々凹部(21)への取付用の耳片(33)(39)が周面に突設されており、各耳片(33)(39)を凹部(21)にネジ止めすることにより、凹部(21)に取り付けることができる。耳片(33)(39)によりネジ止めすることで、直接凹部(21)にエアバッグ(31)(37)を貼着した場合に比べて、エアバッグ(31)(37)の膨張、収縮の際の自由度を高めることができる。
【0025】
凹部(21)の左右側面(26)(26)に取り付けられた各第1エアバッグ(31)は、図3に示すように、夫々、1つのエアバッグを凹部(21)の長手方向に沿う複数の室(34a)(34b)(34c)に分割して構成することができる。各室(34a)(34b)(34c)は、互いに空気が送給可能となるように、隣り合う室どうしが連通路(35)(35)によって連通されており、エア流路(36)に連繋されている。エア流路(36)は、エアホース(図示せず)に接続されてベース(14)側に延び、各第1エアバッグ(31)(31)は、夫々電磁弁(91)(92)(図7参照)を介してエアポンプ(18)に連繋されている。
【0026】
第1エアバッグ(31)の上側の2つの室(34a)(34b)は、被施療者のふくらはぎの側部から裏側をマッサージするように配置しており、第1エアバッグ(31)の最も下側に位置する室(34c)は、被施療者のくるぶしからくるぶしの後方をマッサージするように配置している。
【0027】
これにより、第1エアバッグ(31)に圧縮空気を送給し、各室(34a)(34b)(34c)を膨張させたときに、図5に示すように、ふくらはぎの側面から裏側にかかる部分に効果的な押圧マッサージが施されると共に、くるぶし近傍にも効果的な押圧マッサージが施される。図5で凹部(21)内に円で示した部分がふくらはぎを示している。
【0028】
第2エアバッグ(37)は、図3及び図4に示すように、凹部(21)の長手方向に沿う細長い形状とすることができる。
【0029】
第2エアバッグ(37)を膨張させることにより、被施療者のふくらはぎの側部から前側を押圧マッサージすることができる。また、第2エアバッグ(37)の膨張により、図5に示すように、ふくらはぎは、凹部(21)の底面(22)に押し付けられるため、ふくらはぎの裏側が指圧用突起(24)(24)に当り、ふくらはぎ裏側に指圧マッサージを施すことができる。
【0030】
また、図5に示すように、第2エアバッグ(37)の膨張状態を保持することで、被施療者のふくらはぎを凹部(21)から浮き上がることなく保持することができるので、この状態で、第1エアバッグ(31)を膨張させると、第1エアバッグ(31)による押圧力が逃げることなくふくらはぎに伝わり、押圧マッサージ効果を更に高めることができる。
【0031】
なお、第2エアバッグ(37)は、エア流路(36')を介してエアホース(図示せず)に接続されてベース(14)側に延び、凹部(21)の左右側面(26)(26)に取り付けられた各第2エアバッグ(37)(37)は、夫々電磁弁(93)(94)(図7参照)を介してエアポンプ(18)に連繋されている。
【0032】
第1エアバッグ(31)と第2エアバッグ(37)は、図に示すように、一部が重なるように配置することが望ましい。これにより、第1エアバッグ(31)と第2エアバッグ(37)を同時に膨張させたときに、両エアバッグ(31)(37)による手で包み込むような異なる方向からの効果的なふくらはぎマッサージを施すことができる。
【0033】
凹部(61)の左右側壁(66)(66)に配備される各足先用側面エアバッグ(50)は、膨張すると、被施療者の足先の側面や甲を押圧してマッサージすることができる。また、膨張状態を保持することで、足先を凹部(61)から浮き上がることなく保持することができるので、指圧手段(70)による指圧力を逃げることなく足裏に伝えることができ、指圧効果を更に高めることができる。
【0034】
各足先用エアバッグ(50)も、図示しないエアホース、及び電磁弁(95)(96)(図7参照)を介してエアポンプ(18)に連繋されている。
【0035】
図7は、エアポンプ(18)とエアバッグ(91)〜(97)との配管と、制御部(80)との電気的接続を示す説明図である。左右の第1エアバッグ(31)(31)は夫々電磁弁(91)(92)を介してエアポンプ(18)と接続され、左右の第2エアバッグ(37)(37)は夫々電磁弁(93)(94)を介してエアポンプ(18)と接続され、左右の足先用側面エアバッグ(50)(50)は夫々電磁弁(95)(96)を介してエアポンプ(18)と接続され、また指圧手段であるエアバッグ(76)は電磁弁(97)を介してエアポンプ(18)と接続されている。各電磁弁(91)〜(97)は、開弁することにより、各エアバッグをエアポンプ(18)と連通させてエアバッグを膨張させ、閉じることにより、各エアバッグを大気中と連通させて排気して収縮させる。
【0036】
エアポンプ(18)や各電磁弁(91)〜(97)は、マイコンより構成される制御部(80)によってその動作が制御される。制御部(80)へは操作部(82)からの入力信号が入力される。なお図7では、実線が配管系統を示し、破線が電気回路系統を示す。
【0037】
各電磁弁を制御部(80)の信号に基づき開閉することにより、対応するエアバッグを膨張、収縮させ、ふくらはぎや足先の側面や甲を押圧してマッサージを施したり、指圧手段(70)を動作させて足裏に指圧マッサージを施す。
【0038】
本発明の特徴は、ふくらはぎ用マッサージユニット(20)の側面エアバッグ(30)や足先用マッサージユニット(60)の側面エアバッグ(50)の動作に工夫をすることにより、ふくらはぎから足先にかけての広範囲の側面に対して、踝を中心としたストレッチを充分に施すことができるようにするもので、以下図8乃至図12に基づいて説明する。
【0039】
図8は、足用マッサージユニットを正面から見た図で、全てのエアバッグが収縮しているところを模式的に示す。
【0040】
この状態から、図9のようにふくらはぎ用マッサージユニット(20)の左右の第1エアバッグ(31)(31)のうち、外側に配置された第1エアバッグ(31)を電磁弁(91)を開いて膨張させると共に、足先用マッサージユニット(60)の左右の側面エアバッグ(50)(50)のうち、ふくらはぎ用マッサージユニット(20)で膨張した外側の第1エアバッグ(31)とは左右反対側、即ち内側に配置された側面エアバッグ(50)を電磁弁(96)を開いて膨張させる。
【0041】
この結果、左右の脚部分の踝より上方のふくらはぎの側面は内側向きの力(図12で矢印Aで示す)を受け、踝より下方の足先の側面は外側向きの力(図12で矢印Bで示す)を受け、全体としてふくらはぎから足先に至る広範囲の内側の側面に対して、踝を中心としたストレッチを充分に施すことができる。図11、図12は右足の状態を示し、図11は、全てのエアバッグが収縮しているときの状態を示す。これに対して図12は、図9のようにエアバッグが膨張し、ふくらはぎから足先に至る広範囲の内側の側面に対して、踝を中心としたストレッチが施されている様子を表している。
【0042】
これとは反対に、図10のようにふくらはぎ用マッサージユニット(20)の左右の第1エアバッグ(31)(31)のうち、内側に配置された第1エアバッグ(31)を電磁弁(92)を開いて膨張させると共に、足先用マッサージユニット(60)の左右の側面エアバッグ(50)(50)のうち、ふくらはぎ用マッサージユニット(20)で膨張した内側の第1エアバッグ(31)とは左右反対側、即ち外側に配置された側面エアバッグ(50)を電磁弁(95)を開いて膨張させる。
【0043】
この結果、左右の脚部分の踝より上方のふくらはぎの側面は外側向きの力(図13で矢印Cで示す)を受け、踝より下方の足先の側面は内側向きの力(図13で矢印Dで示す)を受け、全体としてふくらはぎから足先に至る広範囲の外側の側面に対して、踝を中心としたストレッチを充分に施すことができる。図13は、この時の右足の状態を示し、ふくらはぎから足先に至る広範囲の外側の側面に対して、踝を中心としたストレッチが施されている様子を表している。
【0044】
なお図7において、二つ並んで示された各エアバッグ(31)(31)、(37)(37)、(50)(50)のうち、左側の各エアバッグ(31)(37)(50)が、外側に位置するエアバッグで、右側の各エアバッグ(31)(37)(50)が、内側に位置するエアバッグを表す。
【0045】
このように、ふくらはぎ用マッサージユニット(20)と足先用マッサージユニット(60)で左右反対側の側面エアバッグを膨張させることによって、ふくらはぎから足先に至る広範囲の側面に対して、充分なるストレッチを施すことができる。
【0046】
なお各エアバッグは布製のカバー(19)(図8〜図10参照)で覆われているが、図2〜図6においては、このカバーを省略している。
【0047】
以上の実施例では、ふくらはぎから足先に至る広範囲の側面に対して、ストレッチを施す際に、ふくらはぎ用マッサージユニット(20)の側面エアバッグ(30)の第1エアバッグ(31)のみ膨張させるようにしたが、第2エアバッグ(37)をも膨張させてもよい。このようにすれば、ふくらはぎの側面に対してより強い押し圧力が加わるので、より強いストレッチを施すことができる。
【0048】
また、第1エアバッグ(31)は収縮させたままで、第1エアバッグ(31)の代わりに、第2エアバッグ(37)を膨張させても同様のストレッチ効果を果たすことができる。
【0049】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【0050】
例えば、第1エアバッグ(31)を複数の室(34a)(34b)(34c)に分割して、各室を連通させて同時に膨張収縮するようにしているが、各室を独立させて、夫々別個に膨張収縮させることもできる。この場合膨張させる室の数や位置によって、ふくらはぎ側面に作用させる押し圧力を調整でき、ストレッチの強さを調整できるという効果がある。
【0051】
またエアバッグに対する凹み(17)の長手方向の分割は、第1エアバッグ(31)のみならず、第2エアバッグ(37)や足先用側面エアバッグ(50)に対して施してもよい。そして分割した室の膨張させる数や位置を変えて、ストレッチの強さを調整することもできる。
【0052】
また、第1エアバッグ(31)と第2エアバッグ(37)を連通させて、同時に膨張収縮させるようにしてもよい。勿論第1エアバッグ(31)と第2エアバッグ(37)をまとめて一つの大きなエアバッグとすることも可能であるが、一つの大きなエアバッグよりも分割した方が、全体を万遍なく押圧できるというメリットがある。
【0053】
また足用マッサージユニット(10)は、ふくらはぎ用マッサージユニット(20)と足先用マッサージユニット(60)を一体的に構成したが、分離型にしてもよいことは勿論である。また足用マッサージユニット(10)を単独で用いてもよいし、椅子の座部の前方に配置して椅子型マッサージ機の構成要素の一つとしてもよい。
【符号の説明】
【0054】
(10) 足用マッサージユニット
(20) ふくらはぎ用マッサージユニット
(21) ふくらはぎが挿入される凹部
(30) ふくらはぎ用側面エアバッグ
(61) 足先が挿入される凹部
(50) 足先用側面エアバッグ
(60) 足先用マッサージユニット
(80) 制御部
(31) 第1エアバッグ
(37) 第2エアバッグ
【技術分野】
【0001】
本発明は、ふくらはぎや足先をマッサージする足用マッサージユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
被施療者の足先及びふくらはぎをマッサージする足用マッサージユニットが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、被施療者がふくらはぎを挿入し、マッサージを受けるふくらはぎ用マッサージユニットと、足裏及び足の甲(以下「足先」という)を挿入し、マッサージを受ける足先用マッサージユニットが一体に構成されてベース上に前後に傾動可能に支持され、被施療者は、椅子に腰掛けた状態だけでなく、寝転んだ状態でもマッサージを受けることができる足用マッサージユニットが示されている。
【0004】
また特許文献2には、被施療者がふくらはぎを挿入し、マッサージを受けるふくらはぎ用マッサージユニットと、足先を挿入し、マッサージを受ける足先用マッサージユニットが別体に構成されて、椅子の座部の前方に連結された足用マッサージユニットが示されている。そして、ふくらはぎを固定した状態で、足先を左右交互に移動させて、ふくらはぎから足首部にかけての側面にストレッチを施せるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−136534公報
【特許文献2】特開2006−6579公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の足用マッサージユニットは、ふくらはぎから足先の側面にかけてストレッチを施す技術は開示されていない。
【0007】
特許文献2の足用マッサージユニットは、ふくらはぎから足首部にかけての側面にストレッチを施せるようになっているが、ふくらはぎが固定されているので、ストレッチというより、足首部における左右の回動運動に近く、ふくらはぎから足先にかけての広範囲の側面に対して、充分なストレッチを施すことはできない。
【0008】
本発明は、ふくらはぎから足先にかけての広範囲の側面に対して、充分なストレッチを施すことのできる足用マッサージユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の足用マッサージユニットは、被施療者のふくらはぎが挿入される左右一対の凹部を有し、各凹部の左右側面に圧縮空気が給排気されるふくらはぎ用側面エアバッグを配備し、該側面エアバッグの膨張、収縮によって、被施療者のふくらはぎをマッサージするふくらはぎ用マッサージユニットと、
被施療者の足先が挿入される左右一対の凹部を有し、各凹部の左右側壁に圧縮空気が給排気される足先用側面エアバッグを配備し、該側面エアバッグの膨張、収縮によって、被施療者の足先をマッサージする足先用マッサージユニットと、
前記ふくらはぎ用マッサージユニットと足先用マッサージユニットの前記側面エアバッグの膨張、収縮を制御する制御部を具え、
制御部は、ふくらはぎ用マッサージユニットの各凹部の前記側面エアバッグにおいて、左右何れか一方の側面エアバッグを膨張させると共に、足先用マッサージユニットの各凹部の前記側面エアバッグにおいて、ふくらはぎ用マッサージユニットの膨張した側面エアバッグとは左右反対側の側面エアバッグを膨張させ、ふくらはぎから足先の側面に対して踝を中心としたストレッチを施すようにしたものである。
【0010】
そして、ふくらはぎから足先の側面に対して踝を中心とした前記ストレッチは、ふくらはぎ用マッサージユニットと足先用マッサージユニットの各凹部の前記側面エアバッグを左右交互に膨張させて、左右交互にストレッチを施すようにするのが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ふくらはぎ用マッサージユニットの各凹部の左右何れか一方
の側面エアバッグを膨張させながら、足先用マッサージユニットの各凹部の側面
エアバッグの、ふくらはぎ用マッサージユニットの膨張した側面エアバッグとは
左右反対側の側面エアバッグを膨張させることにより、踝に対してふくらはぎと
足先が夫々左右反対方向に移動しようとし、その結果、ふくらはぎから足先にか
けての広範囲の側面に対して、踝を中心としたストレッチを充分に施すことがで
きるものである。
【0012】
そして、膨張させるふくらはぎ用マッサージユニットと足先用マッサージユニットの各凹部の側面エアバッグを左右交互に膨張させることにより、ふくらはぎから足先にかけての左右の側面に対して、左右交互に踝を中心としたストレッチを施すことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の足用マッサージユニットを、マッサージ本体が起立した状態で斜め前方から見た斜視図である。
【図2】足用マッサージユニットに、被施療者が膝よりも下の部分を挿入した状態を示す説明図である。
【図3】足用マッサージユニットの凹みに沿う縦断面図である。
【図4】図3の線A−Aに沿う縦断面図である。
【図5】図3の線A−Aに沿う断面図であって、第1エアバッグ及び第2エアバッグが膨張したときにふくらはぎに作用する力の方向を示している。
【図6】指圧手段の指圧子を突出させて、指圧子による指圧マッサージを行なっている状態を示す足用マッサージユニットの縦断面図である。
【図7】エアポンプとエアバッグとの配管と、制御部の電気的接続を示す説明図である。
【図8】足用マッサージユニットを正面から見た図で、全てのエアバッグが収縮しているところを模式的に示す。
【図9】足用マッサージユニットを正面から見た図で、ふくらはぎから足先にかけての内側側面に対してストレッチを行なっているときのエアバッグの様子を模式的に示す。
【図10】足用マッサージユニットを正面から見た図で、ふくらはぎから足先にかけての外側側面に対してストレッチを行なっているときのエアバッグの様子を模式的に示す。
【図11】図8の状態における右足の様子を示す。
【図12】図9の状態における右足の様子を示す。
【図13】図10の状態における右足の様子を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明の足用マッサージユニット(10)を、マッサージ本体(11)が起立した状態で斜め前方から見た斜視図、図2は、本発明の足用マッサージユニット(10)に、被施療者が椅子等に腰掛けて膝よりも下の脚部分(ふくらはぎと足先を総称している)を挿入してマッサージを受けている使用例を示す説明図である。図2において脚部分を太い実線で示している。また、図3は、足用マッサージユニット(10)について、被施療者が脚部分を挿入する凹み(17)に沿う縦断面図、図4は、図3の線A−Aに沿う断面図である。
【0015】
図2に示すように、足用マッサージユニット(10)に被施療者が膝よりも下の脚部分を挿入した状態で足先の向く方向を以下「前」とする。
【0016】
図1乃至図4に示すように、足用マッサージユニット(10)は、被施療者がふくらはぎを挿入し、マッサージを受けるふくらはぎ用マッサージユニット(20)と、被施療者が足裏及び足の甲(足先)を挿入し、マッサージを受ける足先用マッサージユニット(60)が一体に構成されたマッサージ本体(11)と、該マッサージ本体(11)を支持するベース(14)から構成される。マッサージ本体(11)とベース(14)は、図3に示すように、一方に設けられたローラ(15)に、他方に設けられた円弧状レール(12)が転動可能に嵌まり、マッサージ本体(11)が、ベース(14)に対して前後に傾動可能とした構成を例示できる。この構成とすることで、被施療者は、椅子に腰掛けた状態だけでなく、寝転んだ状態で、マッサージ本体(11)を後ろ向きに傾動させてマッサージを受けることができる。
【0017】
マッサージ本体(11)には、前側に左右一対の略L字型の凹み(17)が形成されている。各凹み(17)は、被施療者のふくらはぎを挿入する凹部(21)と、該凹部(21)の下端側から前方に向けて延びる足先を挿入する凹部(61)から構成される。
【0018】
凹部(21)は、後端の底面(22)と、該底面(22)の左右から前方に向けて立設された側面(26)(26)を有する。ふくらはぎを凹部(21)に挿入したとき、ふくらはぎの裏側が底面(22)に当り、ふくらはぎの左右側部が側面(26)(26)と対向する。
【0019】
凹部(21)の左右各側面(26)(26)には、後述するとおり、夫々ふくらはぎ用側面エアバッグ(30)(30)が配備されており、底面(22)には、1又は複数の指圧用突起(24)(24)が突設されている。指圧用突起(24)は、凹部底面(22)の左右方向に幅広で、前方に向けて縮径した三角柱の如き形状(図3、図4参照)を例示できる。
【0020】
また、凹部(61)は、凹部(21)の底面(22)から前方に向けて連続して延びる底壁(62)と、凹部(21)の側面(26)(26)から前方に向けて連続して延びる側壁(66)(66)を有する。足先を凹部(61)に挿入したとき、足裏が底壁(62)に当り、足先の側面や甲が側壁(66)(66)と対向する。
【0021】
凹部(61)の底壁(62)には、足裏を指圧マッサージする指圧子(72)(図6参照)を出没させる公知の指圧手段(70)が、図示省略するモータの駆動力によって回転するネジ軸(74)のネジ推力により、足裏に沿って前後方向に移動可能に配備されており、側壁(66)(66)には、夫々足先用側面エアバッグ(50)が配備されている。指圧子(72)の出没は、エアバッグやモータ等により行なうことができる。実施例ではエアバッグ(76)(図7参照)により行なっている。指圧子(72)は、底壁(62)に設けた前後方向に延びる長孔(図示せず)より出没し、且つ長孔に沿って前後方向に移動する。
【0022】
ベース(14)には、エアバッグ(30)(50)(76)に圧縮空気を送給するエアポンプ(18)や、エアポンプ(18)とエアバッグ(30)(50)(76)を連繋する電磁弁(91)〜(97)(図7参照)が配備される。また、ベース(14)には、足用マッサージユニット(10)の各種制御を行なう制御部(80)(図7参照)等も配備され、操作部(82)(図1参照)の操作に基づいて、エアバッグ(30)(50)(76)の膨張、収縮を制御してふくらはぎ、足先等にマッサージを施したり、指圧手段(70)を駆動して、足裏に指圧マッサージを施すことができる。
【0023】
ふくらはぎ用側面エアバッグ(30)(30)は、図3及び図4に示すように、側面(26)の底面(22)側に配備された第1エアバッグ(31)と、側面(26)の凹部(21)開口側に配備された第2エアバッグ(37)から構成することができる。第1エアバッグ(31)及び第2エアバッグ(37)は、夫々ブロー成型により作製することができ、夫々、膨張時の押圧効果を高めるために、図4に示すように、ひだ状の膨張部(32)(38)が形成されている。
【0024】
第1エアバッグ(31)及び第2エアバッグ(37)は、夫々凹部(21)への取付用の耳片(33)(39)が周面に突設されており、各耳片(33)(39)を凹部(21)にネジ止めすることにより、凹部(21)に取り付けることができる。耳片(33)(39)によりネジ止めすることで、直接凹部(21)にエアバッグ(31)(37)を貼着した場合に比べて、エアバッグ(31)(37)の膨張、収縮の際の自由度を高めることができる。
【0025】
凹部(21)の左右側面(26)(26)に取り付けられた各第1エアバッグ(31)は、図3に示すように、夫々、1つのエアバッグを凹部(21)の長手方向に沿う複数の室(34a)(34b)(34c)に分割して構成することができる。各室(34a)(34b)(34c)は、互いに空気が送給可能となるように、隣り合う室どうしが連通路(35)(35)によって連通されており、エア流路(36)に連繋されている。エア流路(36)は、エアホース(図示せず)に接続されてベース(14)側に延び、各第1エアバッグ(31)(31)は、夫々電磁弁(91)(92)(図7参照)を介してエアポンプ(18)に連繋されている。
【0026】
第1エアバッグ(31)の上側の2つの室(34a)(34b)は、被施療者のふくらはぎの側部から裏側をマッサージするように配置しており、第1エアバッグ(31)の最も下側に位置する室(34c)は、被施療者のくるぶしからくるぶしの後方をマッサージするように配置している。
【0027】
これにより、第1エアバッグ(31)に圧縮空気を送給し、各室(34a)(34b)(34c)を膨張させたときに、図5に示すように、ふくらはぎの側面から裏側にかかる部分に効果的な押圧マッサージが施されると共に、くるぶし近傍にも効果的な押圧マッサージが施される。図5で凹部(21)内に円で示した部分がふくらはぎを示している。
【0028】
第2エアバッグ(37)は、図3及び図4に示すように、凹部(21)の長手方向に沿う細長い形状とすることができる。
【0029】
第2エアバッグ(37)を膨張させることにより、被施療者のふくらはぎの側部から前側を押圧マッサージすることができる。また、第2エアバッグ(37)の膨張により、図5に示すように、ふくらはぎは、凹部(21)の底面(22)に押し付けられるため、ふくらはぎの裏側が指圧用突起(24)(24)に当り、ふくらはぎ裏側に指圧マッサージを施すことができる。
【0030】
また、図5に示すように、第2エアバッグ(37)の膨張状態を保持することで、被施療者のふくらはぎを凹部(21)から浮き上がることなく保持することができるので、この状態で、第1エアバッグ(31)を膨張させると、第1エアバッグ(31)による押圧力が逃げることなくふくらはぎに伝わり、押圧マッサージ効果を更に高めることができる。
【0031】
なお、第2エアバッグ(37)は、エア流路(36')を介してエアホース(図示せず)に接続されてベース(14)側に延び、凹部(21)の左右側面(26)(26)に取り付けられた各第2エアバッグ(37)(37)は、夫々電磁弁(93)(94)(図7参照)を介してエアポンプ(18)に連繋されている。
【0032】
第1エアバッグ(31)と第2エアバッグ(37)は、図に示すように、一部が重なるように配置することが望ましい。これにより、第1エアバッグ(31)と第2エアバッグ(37)を同時に膨張させたときに、両エアバッグ(31)(37)による手で包み込むような異なる方向からの効果的なふくらはぎマッサージを施すことができる。
【0033】
凹部(61)の左右側壁(66)(66)に配備される各足先用側面エアバッグ(50)は、膨張すると、被施療者の足先の側面や甲を押圧してマッサージすることができる。また、膨張状態を保持することで、足先を凹部(61)から浮き上がることなく保持することができるので、指圧手段(70)による指圧力を逃げることなく足裏に伝えることができ、指圧効果を更に高めることができる。
【0034】
各足先用エアバッグ(50)も、図示しないエアホース、及び電磁弁(95)(96)(図7参照)を介してエアポンプ(18)に連繋されている。
【0035】
図7は、エアポンプ(18)とエアバッグ(91)〜(97)との配管と、制御部(80)との電気的接続を示す説明図である。左右の第1エアバッグ(31)(31)は夫々電磁弁(91)(92)を介してエアポンプ(18)と接続され、左右の第2エアバッグ(37)(37)は夫々電磁弁(93)(94)を介してエアポンプ(18)と接続され、左右の足先用側面エアバッグ(50)(50)は夫々電磁弁(95)(96)を介してエアポンプ(18)と接続され、また指圧手段であるエアバッグ(76)は電磁弁(97)を介してエアポンプ(18)と接続されている。各電磁弁(91)〜(97)は、開弁することにより、各エアバッグをエアポンプ(18)と連通させてエアバッグを膨張させ、閉じることにより、各エアバッグを大気中と連通させて排気して収縮させる。
【0036】
エアポンプ(18)や各電磁弁(91)〜(97)は、マイコンより構成される制御部(80)によってその動作が制御される。制御部(80)へは操作部(82)からの入力信号が入力される。なお図7では、実線が配管系統を示し、破線が電気回路系統を示す。
【0037】
各電磁弁を制御部(80)の信号に基づき開閉することにより、対応するエアバッグを膨張、収縮させ、ふくらはぎや足先の側面や甲を押圧してマッサージを施したり、指圧手段(70)を動作させて足裏に指圧マッサージを施す。
【0038】
本発明の特徴は、ふくらはぎ用マッサージユニット(20)の側面エアバッグ(30)や足先用マッサージユニット(60)の側面エアバッグ(50)の動作に工夫をすることにより、ふくらはぎから足先にかけての広範囲の側面に対して、踝を中心としたストレッチを充分に施すことができるようにするもので、以下図8乃至図12に基づいて説明する。
【0039】
図8は、足用マッサージユニットを正面から見た図で、全てのエアバッグが収縮しているところを模式的に示す。
【0040】
この状態から、図9のようにふくらはぎ用マッサージユニット(20)の左右の第1エアバッグ(31)(31)のうち、外側に配置された第1エアバッグ(31)を電磁弁(91)を開いて膨張させると共に、足先用マッサージユニット(60)の左右の側面エアバッグ(50)(50)のうち、ふくらはぎ用マッサージユニット(20)で膨張した外側の第1エアバッグ(31)とは左右反対側、即ち内側に配置された側面エアバッグ(50)を電磁弁(96)を開いて膨張させる。
【0041】
この結果、左右の脚部分の踝より上方のふくらはぎの側面は内側向きの力(図12で矢印Aで示す)を受け、踝より下方の足先の側面は外側向きの力(図12で矢印Bで示す)を受け、全体としてふくらはぎから足先に至る広範囲の内側の側面に対して、踝を中心としたストレッチを充分に施すことができる。図11、図12は右足の状態を示し、図11は、全てのエアバッグが収縮しているときの状態を示す。これに対して図12は、図9のようにエアバッグが膨張し、ふくらはぎから足先に至る広範囲の内側の側面に対して、踝を中心としたストレッチが施されている様子を表している。
【0042】
これとは反対に、図10のようにふくらはぎ用マッサージユニット(20)の左右の第1エアバッグ(31)(31)のうち、内側に配置された第1エアバッグ(31)を電磁弁(92)を開いて膨張させると共に、足先用マッサージユニット(60)の左右の側面エアバッグ(50)(50)のうち、ふくらはぎ用マッサージユニット(20)で膨張した内側の第1エアバッグ(31)とは左右反対側、即ち外側に配置された側面エアバッグ(50)を電磁弁(95)を開いて膨張させる。
【0043】
この結果、左右の脚部分の踝より上方のふくらはぎの側面は外側向きの力(図13で矢印Cで示す)を受け、踝より下方の足先の側面は内側向きの力(図13で矢印Dで示す)を受け、全体としてふくらはぎから足先に至る広範囲の外側の側面に対して、踝を中心としたストレッチを充分に施すことができる。図13は、この時の右足の状態を示し、ふくらはぎから足先に至る広範囲の外側の側面に対して、踝を中心としたストレッチが施されている様子を表している。
【0044】
なお図7において、二つ並んで示された各エアバッグ(31)(31)、(37)(37)、(50)(50)のうち、左側の各エアバッグ(31)(37)(50)が、外側に位置するエアバッグで、右側の各エアバッグ(31)(37)(50)が、内側に位置するエアバッグを表す。
【0045】
このように、ふくらはぎ用マッサージユニット(20)と足先用マッサージユニット(60)で左右反対側の側面エアバッグを膨張させることによって、ふくらはぎから足先に至る広範囲の側面に対して、充分なるストレッチを施すことができる。
【0046】
なお各エアバッグは布製のカバー(19)(図8〜図10参照)で覆われているが、図2〜図6においては、このカバーを省略している。
【0047】
以上の実施例では、ふくらはぎから足先に至る広範囲の側面に対して、ストレッチを施す際に、ふくらはぎ用マッサージユニット(20)の側面エアバッグ(30)の第1エアバッグ(31)のみ膨張させるようにしたが、第2エアバッグ(37)をも膨張させてもよい。このようにすれば、ふくらはぎの側面に対してより強い押し圧力が加わるので、より強いストレッチを施すことができる。
【0048】
また、第1エアバッグ(31)は収縮させたままで、第1エアバッグ(31)の代わりに、第2エアバッグ(37)を膨張させても同様のストレッチ効果を果たすことができる。
【0049】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【0050】
例えば、第1エアバッグ(31)を複数の室(34a)(34b)(34c)に分割して、各室を連通させて同時に膨張収縮するようにしているが、各室を独立させて、夫々別個に膨張収縮させることもできる。この場合膨張させる室の数や位置によって、ふくらはぎ側面に作用させる押し圧力を調整でき、ストレッチの強さを調整できるという効果がある。
【0051】
またエアバッグに対する凹み(17)の長手方向の分割は、第1エアバッグ(31)のみならず、第2エアバッグ(37)や足先用側面エアバッグ(50)に対して施してもよい。そして分割した室の膨張させる数や位置を変えて、ストレッチの強さを調整することもできる。
【0052】
また、第1エアバッグ(31)と第2エアバッグ(37)を連通させて、同時に膨張収縮させるようにしてもよい。勿論第1エアバッグ(31)と第2エアバッグ(37)をまとめて一つの大きなエアバッグとすることも可能であるが、一つの大きなエアバッグよりも分割した方が、全体を万遍なく押圧できるというメリットがある。
【0053】
また足用マッサージユニット(10)は、ふくらはぎ用マッサージユニット(20)と足先用マッサージユニット(60)を一体的に構成したが、分離型にしてもよいことは勿論である。また足用マッサージユニット(10)を単独で用いてもよいし、椅子の座部の前方に配置して椅子型マッサージ機の構成要素の一つとしてもよい。
【符号の説明】
【0054】
(10) 足用マッサージユニット
(20) ふくらはぎ用マッサージユニット
(21) ふくらはぎが挿入される凹部
(30) ふくらはぎ用側面エアバッグ
(61) 足先が挿入される凹部
(50) 足先用側面エアバッグ
(60) 足先用マッサージユニット
(80) 制御部
(31) 第1エアバッグ
(37) 第2エアバッグ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被施療者のふくらはぎが挿入される左右一対の凹部を有し、各凹部の左右側面に圧縮空気が給排気されるふくらはぎ用側面エアバッグを配備し、該側面エアバッグの膨張、収縮によって、被施療者のふくらはぎをマッサージするふくらはぎ用マッサージユニットと、
被施療者の足先が挿入される左右一対の凹部を有し、各凹部の左右側壁に圧縮空気が給排気される足先用側面エアバッグを配備し、該側面エアバッグの膨張、収縮によって、被施療者の足先をマッサージする足先用マッサージユニットと、
前記ふくらはぎ用マッサージユニットと足先用マッサージユニットの前記側面エアバッグの膨張、収縮を制御する制御部を具え、
制御部は、ふくらはぎ用マッサージユニットの各凹部の前記側面エアバッグにおいて、左右何れか一方の側面エアバッグを膨張させると共に、足先用マッサージユニットの各凹部の前記側面エアバッグにおいて、ふくらはぎ用マッサージユニットの膨張した側面エアバッグとは左右反対側の側面エアバッグを膨張させ、ふくらはぎから足先の側面に対して踝を中心としたストレッチを施すようにした足用マッサージユニット。
【請求項2】
ふくらはぎ用マッサージユニットの各凹部の前記側面エアバッグは、凹部側面の底面側に配備された第1エアバッグと、凹部側面の開口側に配備された第2エアバッグから構成され、ふくらはぎから足先の側面に対して踝を中心とした前記ストレッチを施す際は、第1エアバッグと第2エアバッグの少なくとも一方を膨張させるようにした請求項1に記載の足用マッサージユニット。
【請求項3】
前記第1エアバッグ又は第2エアバッグの少なくとも一方は、長手方向に複数の室に分割され、ふくらはぎから足先の側面に対して踝を中心とした前記ストレッチを施す際は、長手方向に分割された前記室のうち少なくとも一つの室を膨張させるようにした請求項2に記載の足用マッサージユニット。
【請求項4】
ふくらはぎから足先の側面に対して踝を中心とした前記ストレッチは、ふくらはぎ用マッサージユニットと足先用マッサージユニットの各凹部の前記側面エアバッグを左右交互に膨張させて、左右交互にストレッチを施すようにした請求項1乃至3の何れかに記載の足用マッサージユニット。
【請求項1】
被施療者のふくらはぎが挿入される左右一対の凹部を有し、各凹部の左右側面に圧縮空気が給排気されるふくらはぎ用側面エアバッグを配備し、該側面エアバッグの膨張、収縮によって、被施療者のふくらはぎをマッサージするふくらはぎ用マッサージユニットと、
被施療者の足先が挿入される左右一対の凹部を有し、各凹部の左右側壁に圧縮空気が給排気される足先用側面エアバッグを配備し、該側面エアバッグの膨張、収縮によって、被施療者の足先をマッサージする足先用マッサージユニットと、
前記ふくらはぎ用マッサージユニットと足先用マッサージユニットの前記側面エアバッグの膨張、収縮を制御する制御部を具え、
制御部は、ふくらはぎ用マッサージユニットの各凹部の前記側面エアバッグにおいて、左右何れか一方の側面エアバッグを膨張させると共に、足先用マッサージユニットの各凹部の前記側面エアバッグにおいて、ふくらはぎ用マッサージユニットの膨張した側面エアバッグとは左右反対側の側面エアバッグを膨張させ、ふくらはぎから足先の側面に対して踝を中心としたストレッチを施すようにした足用マッサージユニット。
【請求項2】
ふくらはぎ用マッサージユニットの各凹部の前記側面エアバッグは、凹部側面の底面側に配備された第1エアバッグと、凹部側面の開口側に配備された第2エアバッグから構成され、ふくらはぎから足先の側面に対して踝を中心とした前記ストレッチを施す際は、第1エアバッグと第2エアバッグの少なくとも一方を膨張させるようにした請求項1に記載の足用マッサージユニット。
【請求項3】
前記第1エアバッグ又は第2エアバッグの少なくとも一方は、長手方向に複数の室に分割され、ふくらはぎから足先の側面に対して踝を中心とした前記ストレッチを施す際は、長手方向に分割された前記室のうち少なくとも一つの室を膨張させるようにした請求項2に記載の足用マッサージユニット。
【請求項4】
ふくらはぎから足先の側面に対して踝を中心とした前記ストレッチは、ふくらはぎ用マッサージユニットと足先用マッサージユニットの各凹部の前記側面エアバッグを左右交互に膨張させて、左右交互にストレッチを施すようにした請求項1乃至3の何れかに記載の足用マッサージユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−162253(P2010−162253A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−8333(P2009−8333)
【出願日】平成21年1月19日(2009.1.19)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月19日(2009.1.19)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】
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