説明

足部マッサージ装置

【課題】利用者の足部、とくに足裏のマッサージを効果的に行なえるようにした足部マッサージ装置を提供することにある。
【解決手段】利用者の足部をマッサージする足部マッサージ装置であって、
上面に前後方向に沿う一対の凹部4が幅方向に所定間隔で形成された装置本体1と、凹部の底部に前後方向に所定間隔で露出して設けられ装置本体内に収容されたソレノイド12によって上下方向に繰り返して駆動されることで凹部に載置された利用者の足部裏面をマッサージする複数の作動子13と、凹部の両側面に設けられ圧縮空気が供給されることで凹部に載置された利用者の足部両側をマッサージするエアーバック5とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は利用者がたとえば椅子など座った状態で足部をマッサージすることができる足部マッサージ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種の足部マッサージ装置としては特許文献1に示される構成のものが知られている。すなわち、マッサージ装置は筐体を有し、この筐体の上面には幅方向に所定間隔で離間した一対の凹部が前後方向に沿って形成されている。
【0003】
上記凹部の両側内面にはエアーバックが設けられ、底部には指圧突起が設けられている.したがって、利用者が上記凹部に足部を載置すれば、足部の両側が上記エアーバックによって押圧されてマッサージされ、足部裏面が上記指圧突起によってマッサージされることになる。
【特許文献1】特開2004−216071号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、上記指圧突起は圧縮空気が供給されることで膨張し、排出されることで収縮するエアセルによって上下方向に繰り返して駆動するようにしていた。しかしながら、指圧突起をエアセルによって駆動すると、そのエアセルに対する圧縮空気の供給・排出の繰り返し速度を高速化することが難しい。
そのため、利用者が指圧突起から足部裏面に受けるマッサージが弱くなり、マッサージ効果が十分に得られないということがある。
【0005】
しかも、指圧突起をエアセルによって駆動すると、指圧突起に利用者の足部の荷重が加わることによっても指圧突起の動作が弱められるから、そのことによってもマッサージ効果が低下するということがある。
【0006】
この発明は、利用者が足部裏面に速い繰返し速度で、強いマッサージを受けることができるようにした足部マッサージ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、利用者の足部をマッサージする足部マッサージ装置であって、
上面に前後方向に沿う一対の凹部が幅方向に所定間隔で形成された装置本体と、
上記凹部の底部に前後方向に所定間隔で露出して設けられ上記装置本体内に収容されたソレノイドによって上下方向に繰り返して駆動されることで上記凹部に載置された利用者の足部裏面をマッサージする複数の作動子と、
上記凹部の両側面に設けられ圧縮空気が供給されることで上記凹部に載置された利用者の足部両側をマッサージするエアーバックと
を具備したことを特徴とする足部マッサージ装置にある。
【0008】
上記ソレノイドは上記装置本体内に弾性ベルトによって弾性的に変位可能に取付けられていることが好ましい。
【0009】
上記ソレノイドは上記装置本体内に弾性ベルトによって弾性的に変位可能に吊り下げられて設けられていることが好ましい。
【0010】
複数の作動子のうち、上記凹部に載置された利用者の足部裏面の土踏まずに対応する前後方向中央部に位置する作動子は、他の作動子よりも上方へ突出して設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、凹部に設けられた利用者の足部裏面をマッサージする作動子を、ソレノイドによって駆動するようにしたから、その駆動速度を上昇させてマッサージ効果を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、この発明の一実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1乃至図3に示す足部マッサージ装置は装置本体1を備えている。この装置本体1は上面が開口した下部筐体2と、下面が開口した上部筐体3とを、これらの開口面を合わせて連結固定されてなる。
【0013】
上記上部筐体3の上面には幅方向に所定間隔で離間した一対の凹部4が前後方向全長にわたって形成されている。凹部4の内底面は、図3に示すよう前端側から後端側に向かって高くなる傾斜面に形成されている。上記凹部4の内面両側には前後方向に対して2つに分割されたエアーバック5が設けられている。つまり、1つの凹部4には4つのエアーバック5が設けられている。
【0014】
図2に示すように、上記エアーバック5は上記装置本体1の内部に設けられたエアーポンプを含む圧縮空気の供給機構6によって圧縮空気の供給と排出が行なわれるようになっている。圧縮空気が供給されると、上記エアーバック5は膨張する。それによって、上記凹部4に利用者が足部F(図1に一方の足部だけを鎖線で示す)を載置すれば、その足部Fの両側がエアーバック5によって押圧されてマッサージされるようになっている。
【0015】
なお、エアーバック5は、圧縮空気が供給されて膨張したときに、上記凹部4の深さ方向下方から上方に向かって凹部4の内方へ大きく突出するよう形成されている。それによって、エアーバック5が膨張したとき、凹部4に載置された足部Fが上方へ押し出されるのが防止されている。
【0016】
図1に示すように、上記凹部4の底壁には3つの開口部11が前後方向に対して所定間隔で形成されている。各開口部11には、図2と図4に示すようにソレノイド12によって上下方向に繰り返して駆動される作動子13が突出している。
【0017】
上記ソレノイド12はケース14によって保持されている。このケース14は、図4に示すようにU字状の保持片15と、この保持片15の上面にねじ16によって取付けられた平板状の上部片17とからなる。そして、上記作動子13が取付けられた、上記ソレノイド12のプランジャ12aが上記上部片17から突出している。
上記作動子13は上面が球状曲面に形成され、その上面には図示しないが半球形状の複数の突起が突設されている。
【0018】
上記ケース13の上面、つまり上記上部片17の上面には、この上部片17よりも長尺な帯状の弾性ベルト18が中途部を上記保持片14の上面と上記上部片17との間に挟まれて取付けられている。弾性ベルト18はゴムや伸縮性の繊維にゴムをコーティングしたものなどのように荷重に対して伸縮する構造であればよく、その構造はとくに限定されるものでない。
【0019】
上記弾性ベルト18の上記上部片17から突出した両端部は、上記上部筐体3の上記凹部4を形成した底壁の外面に突設されたボス部20にねじ20aによって取付けられた取付け片19によって固定されている。つまり、上記ソレノイド12は上記上部筐体3に弾性ベルト18によって弾性的に上下方向に変位可能に吊り下げられている。それによって、上記ソレノイド12は上記装置本体1内に、この装置本体1に対して非接触状態で設けられている。
【0020】
各凹部4の前後方向中央のソレノイド12を上部筐体3に取付けた弾性ベルト18は、他の2つのソレノイド12を取付けた弾性ベルト18よりも短尺に設定されている。それによって、長手方向中央に位置するソレノイド12のプランジャ12aに設けられた作動子13は、他のソレノイド12の作動子13よりも図3にhで示す寸法だけ上方へ大きく突出している。
【0021】
長手方向中央に位置する作動子13が他の作動子13よりも凹部4の内底面から上方へ大きく突出していると、利用者が凹部4に足部Fを載置したとき、その作動子13が足部Fの上方に向かって凹んだ土踏まずに良好に当たることになる。なお、他の2つの作動子13の一方は足部Fの指の部分に当たり、他方の作動子は踵の部分に当たるようになっている。
【0022】
図1と図5に示すように、上記上部筐体3の上面の一対の凹部4の間の部分には操作部21が設けられている。この操作部21には複数、この実施の形態では3つの操作釦22が設けられている。これら操作釦22を選択的にオン−オフ操作すると、上記エアーバック5への給排気の強弱や上記ソレノイド12による作動子13の上下動の強弱などを選択的に設定できるようになっている。
なお、上部筐体3の凹部4の内面を含む表面は伸縮性を有する布地27(図5に示す)によって被覆されている。
【0023】
上記構成の足部マッサージ装置によれば、利用者がマッサージを受けるために足部Fを凹部4に載置し圧縮空気の供給機構6を作動させれば、エアーバック5に対して圧縮空気の供給と排出が所定間隔で、かつ設定された圧力で繰り返して行なわれる。
【0024】
それによって、各凹部4の両側内面に設けられたそれぞれ4つのエアーバック5が膨張と収縮を繰り返すことで、利用者は足部Fの両側が繰り返して押圧されるから、それによって足部Fに揉みによるマッサージを受けることができる。
【0025】
上記供給機構6を作動させると同時、ソレノイド12を作動させる。それによって、ソレノイド12のプランジャ12aが上下方向に往復駆動されるから、プランジャ12aに設けられた作動子13が図2と図3に実線と鎖線で示す範囲で上下方向に変位し、利用者の足部Fの下面が繰り返して叩かれることになる。つまり、利用者は足部の下面に叩きによるマッサージを受けることができる。
【0026】
ソレノイド12によってプランジャ12a、つまり作動子13を往復駆動させる速度は、従来のようにエアセルに圧縮空気の供給と排気を繰り返して作動させる場合に比べて速くすることができる。そのため、作動子13によって足裏に叩きによるマッサージを効率よく、しかも効果的に行なうことができる。
【0027】
上記作動子13が設けられた各ソレノイド12は弾性ベルト18によって凹部4の底壁の外面に保持されている。そのため、作動子13が足部Fの荷重によって押圧されても、ソレノイド12を作動させたときに作動子13が弾性ベルト18を弾性変形させながら上下方向に往復駆動され易い、つまり上下方向に振動し易いから、作動子13に足部Fの荷重が加わって、作動子13によるマッサージ効果が低減することがほとんどない。
【0028】
しかも、ソレノイド12は弾性ベルト18によって装置本体1内に吊り下げられ、この装置本体1とは非接触状態となっている。そのため、ソレノイド12が作動することで発生する振動は弾性ベルト18が弾性的に伸縮することによって吸収されるため、装置本体1に伝わり難いから、ソレノイド12を作動させることで、装置本体1が大きく振動するということもない。
【0029】
それによって、利用者は足部Fにソレノイド12によって駆動される作動子13によってマッサージを効果的に受けることができるばかりか、装置本体1が大きくずれ動くようなこともない。
【0030】
各凹部4の中央に位置する作動子13、つまり利用者の足部Fの上方へ最も大きく凹んだ土踏まずに対応する作動子13は、他の作動子13よりも上方に大きく突出するよう設けられている。そのため、3つの作動子13は足部Fの裏面にほぼ同じ強さで当たるから、足裏全体をほぼ同じ強さで叩くことができる。つまり、土踏まずの部分も有効にマッサージすることができる。
【0031】
上記一実施の形態では各凹部の前後方向に沿って3つの作動子を設けるようにしたが、作動子の数は3つの限られず、4つ以上であってもよく、その数は限定されるものでない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】この発明の一実施の形態を示す足部マッサージ装置の平面図。
【図2】上記マッサージ装置の幅方向に沿う縦断面図。
【図3】上記マッサージ装置の前後方向に沿う縦断面図。
【図4】作動子を作動させるソレノイドの取付け構造を示す図。
【図5】上記マッサージ装置の斜視図。
【符号の説明】
【0033】
1…装置本体、2…下部筐体、3…上部筐体、4…凹部、5…エアーバック、12…ソレノイド、12a…プランジャ、13…作動子、14…ケース、18…弾性ベルト。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の足部をマッサージする足部マッサージ装置であって、
上面に前後方向に沿う一対の凹部が幅方向に所定間隔で形成された装置本体と、
上記凹部の底部に前後方向に所定間隔で露出して設けられ上記装置本体内に収容されたソレノイドによって上下方向に繰り返して駆動されることで上記凹部に載置された利用者の足部裏面をマッサージする複数の作動子と、
上記凹部の両側面に設けられ圧縮空気が供給されることで上記凹部に載置された利用者の足部両側をマッサージするエアーバックと
を具備したことを特徴とする足部マッサージ装置。
【請求項2】
上記ソレノイドは上記装置本体内に弾性ベルトによって弾性的に変位可能に取付けられていることを特徴とする請求項1記載の足部マッサージ装置。
【請求項3】
上記ソレノイドは上記装置本体内に弾性ベルトによって弾性的に変位可能に吊り下げられて設けられていることを特徴とする請求項1記載の足部マッサージ装置。
【請求項4】
複数の作動子のうち、上記凹部に載置された利用者の足部裏面の土踏まずに対応する前後方向中央部に位置する作動子は、他の作動子よりも上方へ突出して設けられていることを特徴とする請求項1記載の足部マッサージ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−183550(P2009−183550A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−27854(P2008−27854)
【出願日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願人】(000010032)フランスベッド株式会社 (95)
【Fターム(参考)】