説明

距離測定装置、距離測定方法、距離測定プログラム、および記録媒体

【課題】本発明の距離測定装置の目的は、一般的なスピーカとマイクを用いた場合や雑音環境下でも高精度な距離推定を実現することである。
【解決手段】本発明の距離測定装置は、信号発生部、生成信号可聴音除去フィルタ部、マイク信号可聴音除去フィルタ部、インパルス応答計算部、ピーク検出部を備え、スピーカとマイクを用いて距離を測定する。生成信号可聴音除去フィルタ部は、信号発生部が生成した信号から可聴音成分を除去し、出力する。マイク信号可聴音除去フィルタ部は、マイクからの信号から可聴音成分を除去する。インパルス応答計算部は、生成信号可聴音除去フィルタ部の出力信号とマイク信号可聴音除去フィルタ部の出力信号からインパルス応答を求める。ピーク検出部は、インパルス応答計算部の出力からピークを検出し、生成信号可聴音除去フィルタ部から信号が出力されてからピークまでの時間を求め、距離情報を求める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スピーカとマイクを用いて距離を測定する距離測定装置、距離測定方法、距離測定プログラム、および記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビ会議システムなどで、話者の位置を特定し臨場感のある通信を実現するために超音波を用いた距離計測装置が提案されている(非特許文献1)。図1は、従来の距離測定装置の構成例であり、図2は各構成部での信号の様子を示す図である。従来の距離測定装置900は、40kHz発信部910、パルス生成部920、スイッチ部930、整流平滑化部940、閾値比較部950、カウンタ部960から構成される。また、距離測定装置900は、超音波センサ送信機970と超音波センサ受信機980に接続されている。
【0003】
距離測定装置900は、超音波センサ送信機970から出力された超音波が、超音波センサ受信機980に到達するまでの時間を計測し、その時間に音速を乗じて距離を求めている。送信する超音波は40kHzなどの単一周波数を極わずかな時間だけパルス状に出力したものである。超音波センサ受信機で受信された信号のレベルが、あらかじめ設定した閾値を越えた場合に、超音波を受信したとして検出する。超音波を送信した時刻から、受信を検出した時刻までの時間が超音波の伝搬時間であり、この時間に音速を乗じれば距離が計算できる。
【0004】
次に、距離測定装置900の具体的な動作について説明する。40kHz発信部910は、図2(A)のように40kHzの正弦波若しくは矩形波を連続的に生成し、出力する。パルス生成部920は、図2(B)のように短時間(数10〜数100ms)の矩形パルスを生成する。スイッチ部930は、パルス生成部920でパルスが生成されている間のみON状態にし、40kHz発信部910の出力を通過させ、超音波センサ送信機970に送る。パルスが生成されていないときはOFF状態であり、40kHz発信部910の出力は通過しない。超音波センサ送信機970は、スイッチ部930を通過した40kHz発信部910の出力(図2(C))を、空間に放出する。
【0005】
超音波センサ受信機980は、超音波信号を受信し、図2(D)に示すような信号を出力する。整流平滑化部940は、超音波センサ受信機980の出力を全波整流し、時間平滑化し、図2(E)のような信号を得る。閾値比較部950は、あらかじめ定められた閾値と整流平滑化部940の出力とを比較し、整流平滑化部940の出力が閾値を超えている場合に、受信信号があることを示す信号(例えば、図2(F)に示す信号)を出力する。カウンタ部960は、パルス生成部920で生成されたパルスの立ち上がりで、カウンタのカウントをスタートし、閾値比較部950が受信信号があることを示す信号を出力したときにカウントをストップする。カウンタの値から求まる時間に音速を乗じることで超音波センサ送信機970と超音波センサ受信機980との距離が求められる。
【0006】
従来の距離測定装置の場合、超音波センサ送信機970または超音波センサ受信機980を話者が利用するマイクの周辺に置き(若しくはマイクに備えさせ)、カメラ近傍に超音波センサ受信機980または超音波センサ送信機970を配置することで、カメラからマイクまでの距離や方向を検出していた。そして、これらの情報を、臨場感を持たせることや、カメラの向きやズーム制御などに利用していた。
【非特許文献1】小田英了, 小林和則, 穂刈治英, 島田正治, “超音波を用いた位置推定”, 日本工業出版, 計測技術, 1998年12月, pp.50-54.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の従来の距離測定装置では、超音波用の送信機と受信機を用いることを前提としていたため、距離測定のためだけの送信機と受信機が必要であった。このように専用の送信機と受信機とを用いた場合、超音波素子の過渡特性や空間を伝搬する時の減衰などによる測定誤差をある程度予測可能であり、測定誤差の削減が可能であった。一方、超音波用の送信機と受信機の代わりに一般的なスピーカとマイクを用いた場合、測定誤差がどの程度生じるかが予測できないため、測定誤差の削減ができず、大きな測定誤差を生じる問題があった。
【0008】
また、従来の距離測定装置では、超音波の立ち上がり部分のみを用いているので、雑音がある場合には、その影響によって立ち上がり部分のレベルが変化し、大きな誤差になることもあった。
本発明の距離測定装置の目的は、一般的なスピーカとマイクを用いた場合や雑音環境下でも高精度な距離推定を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の距離測定装置は、信号発生部、生成信号可聴音除去フィルタ部、マイク信号可聴音除去フィルタ部、インパルス応答計算部、ピーク検出部を備え、スピーカとマイクを用いて距離を測定する。信号発生部は、20kHz以上の帯域を含む信号を生成する。生成信号可聴音除去フィルタ部は、信号発生部が生成した信号から可聴音成分を除去し、スピーカに供給する信号を出力する。マイク信号可聴音除去フィルタ部は、マイクからの信号から可聴音成分を除去する。インパルス応答計算部は、生成信号可聴音除去フィルタ部の出力信号とマイク信号可聴音除去フィルタ部の出力信号からインパルス応答を求める。ピーク検出部は、インパルス応答計算部の出力からピークを検出し、生成信号可聴音除去フィルタ部から信号が出力されてからピークまでの時間を求め、距離情報を求める。
【0010】
可聴音混合部を生成信号可聴音除去フィルタ部とスピーカとの間に配置してもよい。可聴音混合部は、生成信号可聴音除去フィルタ部からの出力に、入力された可聴音の信号を付加し、スピーカに供給する信号を出力する。また、マイクからの信号から可聴音成分のみを取り出す可聴音通過フィルタ部も備えてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の距離測定装置によれば、送信信号と受信信号からインパルス応答を求め、その結果からスピーカとマイクの距離を求めるので、一般的なスピーカとマイクでも高精度に距離を測定できる。また、雑音がある環境でも信号の放出時間を長くすることで高精度に距離を測定できる。
【0012】
さらに、人の話す声を可聴音混合部で重畳し、マイクで受信した音から音声を可聴音通過フィルタ部で取り出すこともできるので、スピーカやマイクの周辺に距離測定用の構成部を追加しなくても、スピーカから話者までの距離が把握しやすい。特に、会議中にマイク(話者)が移動したような場合でも距離の変化が分かる。また、従来の距離測定装置では、超音波用の送信機と受信機を用いていたため、送信信号が1種類に限定され、同時に複数の距離を測定することはできなかった。しかし、本発明の距離測定装置では一般的なスピーカとマイクを用いるので、複数のスピーカから相関のない信号を放出すれば、同時に複数の距離を測定できる。複数のスピーカからの距離が分かれば、マイク(話者)の位置も分かる。したがって、会議中にマイク(話者)が移動したような場合でも、追従できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下では、説明の重複を避けるため同じ機能を有する構成部や同じ処理を行う処理ステップには同一の番号を付与し、説明を省略する。
[第1実施形態]
図3に第1実施形態の距離測定装置の機能構成例を、図4にこの距離測定装置の処理フローを示す。図5は距離測定装置100の各構成部での信号の様子を示す図である。距離測定装置100は、信号発生部110、生成信号可聴音除去フィルタ部120、マイク信号可聴音除去フィルタ部130、インパルス応答計算部140、ピーク検出部150を備え、スピーカ10とマイク20を用いて距離を測定する。
【0014】
信号発生部110は、M系列信号、TSP信号、白色雑音など20kHz以上の帯域にも成分を持つ信号を生成する(S110)。図5(A)は、信号発生部110からの出力信号のイメージである。所定の時間、一定の信号を発生している。また、発生した信号の周波数成分は可聴域(一般的には20kHz以下)から超音波域(一般的には20kHz以上)の範囲に及んでいる。生成信号可聴音除去フィルタ部120は、信号発生部110が生成した信号から可聴音成分(20kHz以下)を除去し、スピーカ10に供給する信号を出力する(S120)。図5(B)は、生成信号可聴音除去フィルタ部120の出力信号のイメージである。信号発生部110が生成した信号から可聴音成分(20kHz以下)が除去されている。スピーカ10は供給された信号を放出し、マイク20はその音を受信する。図5(C)は、マイク20からの出力信号のイメージである。マイクには人の声なども入力されるので、図5(C)に示したように可聴域の音も含まれており、時間的に強度が変化する。
【0015】
マイク信号可聴音除去フィルタ部130は、マイク20からの信号から可聴音成分(20kHz以下)を除去する(S130)。図5(D)はマイク信号可聴音除去フィルタ部130からの出力信号のイメージを示している。可聴音成分を除去することで、時間的にほぼ一定な強度の信号となる。インパルス応答計算部140は、生成信号可聴音除去フィルタ部120の出力信号とマイク信号可聴音除去フィルタ部130の出力信号からインパルス応答を求める(S140)。図5(E)はインパルス応答計算部140からの出力のイメージである。なお、インパルス応答の計算方法としては、非特許文献(大賀寿郎、山崎芳男、金田豊、“音響システムとディジタル処理”、電子情報通信学会、1995年、pp.158-160.)に示されているとおり、音源のパワースペクトルと音源・受音点間のクロスパワースペクトルから周波数伝送特性を求めフーリエ逆変換により計算する方法などが知られている。
【0016】
例えば、インパルス応答計算部140は、図6のような構成とすればよい。この例では、インパルス応答計算部140は、生成信号周波数領域変換手段141、マイク信号周波数領域変換手段142、共役手段143、乗算手段144、逆周波数領域変換手段145から構成される。生成信号周波数領域変換手段141の出力をA、マイク信号周波数領域変換手段142の出力をB、スピーカ10とマイク20の間のインパルス応答をHとすると、B=HAの関係が成り立つ。このとき、共役手段143の出力はAである(ただし、“”は共役であることを示す。)。したがって、乗算手段144の出力はBAである。つまり、HAAである。逆周波数領域変換手段145は、乗算手段144の出力を時間領域に変換する。乗算手段144の出力のAAの部分は、生成信号可聴音除去フィルタ部120からの出力Aのパワースペクトルなので、時間領域で考えるとHとHAAとは振幅が異なるだけでピークの位置は同じである。本発明ではピークの位置が分かればよいので、AAで除算しなくても、図6の構成で十分である。
【0017】
ピーク検出部150は、インパルス応答計算部140の出力からピークを検出し、生成信号可聴音除去フィルタ部120から信号が出力されてからピークまでの時間を求め、距離情報を求める(S150)。図5(E)の時刻t=0からピークまでの時間がスピーカ10からマイク20までの音の伝搬時間である。音速v(m/s)は、温度(摂氏)T度を用いて、v=331.5+0.61Tとなる。会議室の温度を20度程度と仮定し、音速344(m/s)として伝搬時間に乗算し、距離を求めてもよい。あるいは、スピーカ10とマイク20との間に温度センサを配置し、その温度から音速を求め、伝搬時間に乗算してもよい。
【0018】
距離測定装置100によれば、送信信号と受信信号からインパルス応答(若しくはインパルス応答とピークの位置が一致する信号)を求め、その結果からスピーカとマイクの距離を求めるので、一般的なスピーカとマイクでも高精度に距離を測定できる。また、雑音がある環境でも信号の放出時間を長くすることで高精度に距離を測定できる。
さらに、信号発生部110、生成信号可聴音除去フィルタ部120、スピーカ10、インパルス応答計算部140、ピーク検出部150を複数個備え、複数のスピーカから相関のない信号を放出すれば、1つのマイクで同時に複数の距離を測定できる。そして、1つのマイクと複数のスピーカとの距離が分かるので、スピーカの位置が既知の場合(スピーカが固定されている場合など)にはマイクの位置が検出できる。
【0019】
[変形例]
図6の共役手段143は、生成信号周波数領域変換手段141の出力Aの共役を求めたが、共役手段143の代わりに共役手段143’を備えてもよい。この場合はマイク信号周波数領域変換手段142の出力Bの共役を求めることになるため、乗算手段144の出力はBAである。つまり、HAである。この場合も、逆周波数領域変換手段145からの出力信号のピークの位置はインパルス応答のピークの位置と同じである。したがって、第1実施形態と同じ効果が得られる。
【0020】
[第2実施形態]
図7に第2実施形態の距離測定装置の機能構成例を、図8にこの距離測定装置の処理フローを示す。距離測定装置200は、可聴音混合部160と可聴音通過フィルタ部170も備えられている点が距離測定装置100と異なる。可聴音混合部160は、生成信号可聴音除去フィルタ部120からの出力に、入力された可聴音(人の音声など)の信号を付加し、スピーカ10に供給する信号を出力する(S160)。また、可聴音通過フィルタ部170は、マイクからの信号から可聴音成分(音声信号など)のみを取り出す(S170)。
【0021】
距離測定装置200は、人の話す声を可聴音混合部160で重畳し、マイク20で受信した音から音声を可聴音通過フィルタ部170で取り出すことができるので、スピーカ10やマイク20の周辺に距離測定用の構成部を追加しなくても、スピーカ10からマイク20(話者は、一般的にはマイク20の近傍にいる)までの距離が把握できる。特に、会議中に話者が移動したような場合でも、通常はマイクも一緒に移動するため、マイクの位置を把握することで話者までの距離が分かる。さらに、本発明の場合、第1実施形態の効果として示したように、複数のスピーカから相関のない信号を放出すれば、1つのマイクで同時に複数の距離を測定できるので、マイクの位置(話者の位置)も追従できる。
【0022】
[第3実施形態]
本実施形態では、オーバーサンプリングを行う場合の構成例を示す。オーバーサンプリングを行うためには、距離測定装置100(図3)または距離測定装置200(図7)のインパルス応答計算部140を、図9に示すインパルス応答計算部140’に置き換えればよい。インパルス応答計算部140’は、オーバーサンプリング手段146を乗算手段144と逆周波数領域変換手段145との間に備える点が、インパルス応答計算部140(図6)と異なる。それ以外の構成部は距離測定装置100や距離測定装置200と同じである。オーバーサンプリング手段146は、乗算手段144から出力された信号にオーバーサンプリングしたい周波数分だけ0を追加する。例えば、N倍のオーバーサンプリングを行うのであれば、乗算手段144から出力された信号のサンプリング周波数の半分の周波数をFとすると、Fより大きくNF以下の周波数領域を追加し、その値を全て0にして出力する。逆周波数領域変換手段145がこの信号を時間領域に変換すると、サンプリング周波数が上がったインパルス応答が得られる。このような処理によって距離分解能が高くなり、より高精度な距離測定が可能となる。
【0023】
[第4実施形態]
本実施形態では、ダウンサンプリングを行う場合の構成例を示す。図10に、本実施形態の距離測定装置の機能構成例を示す。距離測定装置300は、生成信号可聴音除去フィルタ部120とインパルス応答計算部140との間に生成信号ダウンサンプリング部180を備えることと、マイク信号可聴音除去フィルタ部130とインパルス応答計算部140との間にマイク信号ダウンサンプリング部190を備えることが、距離測定装置100(図3)または距離測定装置200(図7)と異なる。生成信号ダウンサンプリング部180は、生成信号可聴音除去フィルタ部120の出力信号からMサンプルおきに1サンプルを抽出して出力する。マイク信号ダウンサンプリング部190は、マイク信号可聴音除去フィルタ部130の出力信号からMサンプルおきに1サンプルを抽出して出力する。周期Mは、全帯域幅と超音波領域の帯域幅の比で求めることができる。例えば、(サンプリング周波数)/(超音波領域の帯域幅×2)で計算できる。このようにダウンサンプリングすることで信号のサンプル数が減るので、インパルス応答計算部の演算量を削減できる。
【0024】
[実験例]
図11と図12は、距離測定装置100(図3)を用いた実験の結果を示している。スピーカには直径約5cm、奥行き(スピーカの外周部と中心部の差)約1cmの一般的なスピーカを使用している。図11(A)は、マイクをスピーカから約20cmの位置に置いたときのインパルス応答計算部140からの出力信号を、横軸を距離に換算して示した図である。図11(B)は、マイクをスピーカから約5mの位置に置いたときのインパルス応答計算部140からの出力信号を、横軸を距離に換算して示した図である。これらの図から、スピーカとマイクとの距離が測定できていることが分かる。
【0025】
図12は、スピーカとマイクの距離を変更しながら測定点ごとに10回ずつ測定した結果として、測定誤差の平均と分散を示している。横軸が測定点でのスピーカとマイクの距離を示しており、縦軸が誤差を示している。各測定点での点は誤差の平均値、バーは誤差の標準偏差を示している。誤差の平均、誤差の標準偏差ともに5mm程度であり、スピーカの直径(約5cm)と比較して十分に小さいことが分かる。したがって、十分高精度に測定できることが分かる。
【0026】
図13に、コンピュータの機能構成例を示す。なお、本発明の距離測定装置は、コンピュータ2000の記録部2020に、本発明の各構成部としてコンピュータ2000を動作させるプログラムを読み込ませ、制御部2010、入力部2030、出力部2040などを動作させることで、コンピュータに実行させることができる。また、コンピュータに読み込ませる方法としては、プログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録しておき、記録媒体からコンピュータに読み込ませる方法、サーバ等に記録されたプログラムを、電気通信回線等を通じてコンピュータに読み込ませる方法などがある。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】従来の距離測定装置の構成例を示す図。
【図2】従来の距離測定装置の各構成部での信号の様子を示す図。
【図3】第1実施形態の距離測定装置の機能構成例を示す図。
【図4】第1実施形態の距離測定装置の処理フローを示す図。
【図5】第1実施形態の距離測定装置の各構成部での信号の様子を示す図。
【図6】インパルス応答計算部の機能構成例を示す図。
【図7】第2実施形態の距離測定装置の機能構成例を示す図。
【図8】第2実施形態の距離測定装置の処理フローを示す図。
【図9】第3実施形態のインパルス応答計算部の機能構成例を示す図。
【図10】第4実施形態の距離測定装置の機能構成例を示す図。
【図11】マイクをスピーカから所定の位置に置いたときのインパルス応答計算部からの出力信号を、横軸を距離に換算して示した図。
【図12】スピーカとマイクの距離を変更しながら測定点ごとに10回ずつ測定した結果として、測定誤差の平均と分散を示す図。
【図13】コンピュータの機能構成例を示す図。
【符号の説明】
【0028】
10 スピーカ 20 マイク
100 距離測定装置 110 信号発生部
120 生成信号可聴音除去フィルタ部 130 マイク信号可聴音除去フィルタ部
140 インパルス応答計算部 141 生成信号周波数領域変換手段
142 マイク信号周波数領域変換手段 143 共役手段
144 乗算手段 145 逆周波数領域変換手段
146 オーバーサンプリング手段 150 ピーク検出部
160 可聴音混合部 170 可聴音通過フィルタ部
180 生成信号ダウンサンプリング部 190 マイク信号ダウンサンプリング部
200 距離測定装置 300 距離測定装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピーカとマイクを用いて距離を測定する距離測定装置であって、
20kHz以上の帯域を含む信号を生成する信号発生部と、
前記信号発生部が生成した信号から可聴音成分を除去し、前記スピーカに供給する信号を出力する生成信号可聴音除去フィルタ部と、
前記マイクからの信号から可聴音成分を除去するマイク信号可聴音除去フィルタ部と、
前記生成信号可聴音除去フィルタ部の出力信号と前記マイク信号可聴音除去フィルタ部の出力信号からインパルス応答を求めるインパルス応答計算部と、
前記インパルス応答計算部の出力からピークを検出し、前記生成信号可聴音除去フィルタ部から信号が出力されてから前記ピークまでの時間を求め、距離情報を求めるピーク検出部
を備える距離測定装置。
【請求項2】
請求項1記載の距離測定装置であって、
前記生成信号可聴音除去フィルタ部と前記スピーカとの間に配置され、前記生成信号可聴音除去フィルタ部からの出力に、入力された可聴音の信号を付加し、前記スピーカに供給する信号を出力する可聴音混合部も備える
ことを特徴とする距離測定装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の距離測定装置であって、
前記マイクからの信号から可聴音成分のみを取り出す可聴音通過フィルタ部も備える
ことを特徴とする距離測定装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の距離測定装置であって、
前記インパルス応答計算部は、
前記生成信号可聴音除去フィルタ部の出力信号を周波数領域に変換する生成信号周波数領域変換手段と、
前記マイク信号可聴音除去フィルタ部の出力信号を周波数領域に変換するマイク信号周波数領域変換手段と、
前記生成信号周波数領域変換手段の出力または前記マイク信号周波数領域変換手段の出力のいずれかの共役を求める共役手段と、
前記生成信号周波数領域変換手段の出力と前記マイク信号周波数領域変換手段の出力の共役の積、または前記生成信号周波数領域変換手段の出力の共役と前記マイク信号周波数領域変換手段の出力の積を求める乗算手段と、
前記乗算手段の出力を時間領域に変換する逆周波数領域変換手段と
を有することを特徴とする距離測定装置。
【請求項5】
請求項4記載の距離測定装置であって、
前記インパルス応答計算部は、
前記乗算手段と前記逆周波数領域変換手段との間に配置され、前記乗算手段からの出力に0を付加しオーバーサンプリングするオーバーサンプリング手段も有し、
前記逆周波数領域変換手段は、前記オーバーサンプリング手段の出力を時間領域に変換する
ことを特徴とする距離測定装置。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかに記載の距離測定装置であって、
前記生成信号可聴音除去フィルタ部と前記インパルス応答計算部との間に配置され、前記生成信号可聴音除去フィルタ部の出力信号からMサンプルおきに1サンプルを抽出して出力する生成信号ダウンサンプリング部と、
前記マイク信号可聴音除去フィルタ部と前記インパルス応答計算部との間に配置され、前記マイク信号可聴音除去フィルタ部の出力信号からMサンプルおきに1サンプルを抽出して出力するマイク信号ダウンサンプリング部
も備え、
前記インパルス応答計算部は、前記生成信号ダウンサンプリング部の出力信号とマイク信号ダウンサンプリング部の出力信号からインパルス応答を求める
ことを特徴とする距離測定装置。
【請求項7】
スピーカとマイクを用いて距離を測定する距離測定方法であって、
20kHz以上の帯域を含む信号を生成する信号発生ステップと、
前記信号生成ステップで生成した信号から可聴音成分を除去し、前記スピーカに供給する信号を出力する生成信号可聴音除去フィルタステップと、
前記マイクからの信号から可聴音成分を除去するマイク信号可聴音除去フィルタステップと、
前記生成信号可聴音除去フィルタステップの出力信号と前記マイク信号可聴音除去フィルタステップの出力信号からインパルス応答を求めるインパルス応答計算ステップと、
前記インパルス応答計算ステップの出力からピークを検出し、前記生成信号可聴音除去フィルタステップの信号が出力されてから前記ピークまでの時間を求め、距離情報を求めるピーク検出ステップ
を有する距離測定方法。
【請求項8】
請求項7記載の距離測定方法であって、
前記生成信号可聴音除去フィルタステップからの出力に、入力された可聴音の信号を付加し、前記スピーカに供給する信号を出力する可聴音混合ステップと、
前記マイクからの信号から可聴音成分のみを取り出す可聴音通過フィルタステップも 有することを特徴とする距離測定方法。
【請求項9】
請求項1〜6のいずれかに記載の距離測定装置としてコンピュータを動作させる距離測定プログラム。
【請求項10】
請求項9記載の距離測定プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate