説明

路面側溝に開口する円形水路などへの粗大ゴミの流入防止用繊維層構造物

【課題】 道路の縁石ぎわの路面側溝から粗大ゴミが円形水路の呑口に流入しないようにし、かつ、難燃性、発光性あるいは反射性である繊維層構造物を提供する。
【解決手段】 道路2の縁石3ぎわの路面側溝4に開口する流入口7を有する円形水路ブロック5において、この流入口7に嵌め込んで適用して円形水路6へ道路2に落下している粗大ゴミが雨水に伴われて流入しない様にするための、難燃性処理、発光性処理あるいは反射性処理されているポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、アクリル系樹脂あるいはポリエステル系樹脂などの繊維層からなる、絡み合った網目構造8の合成樹脂製品9である可撓性の立体構造物10からなる流入防止用の繊維層構造物1である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、歩道と車道からなる道路の縁石ぎわの路面側溝へ、雨水などに伴われて道路上の粗大ゴミを含む種々の夾雑物が路面側溝の下部の円形水路の流入口すなわち呑口から雨水とともに流入して円形水路内で堆積して詰まらせない様にするために、路面側溝に開口する流入口に嵌着して使用する粗大ゴミの流入防止用の繊維層構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、道路の縁石ぎわの路面側溝の下部には、通常、連続した流入口を有する円形水路が敷設されており、雨水がこの円形水路に流入して流れる様になっている。ところで、道路ぎわの林や森から落ち葉や枯れ枝が道路上に落下してきたり、走行中の車両から不用意に様々な夾雑物が落とされる。その結果、これらの落ち葉や枯れ枝やその他の様々な夾雑物が道路上に散らかっている。したがって、道路上に雨が降ると、これらの落ち葉や枯れ枝やその他の様々な夾雑物は雨水に伴われて道路の縁石ぎわの路面側溝に流れつき、路面側溝下部の円形水路の流入口から円形水路に雨水とともに流入して流され、円形水路を詰まらせたり、あるいは円形水路から汚水桝に流入してその機能を阻害する。
【0003】
ところで、道路の縁石ぎわの路面側溝は、縁石ぎわの路側帯が縁石側でやや深い水平面を形成し、この水平面から緩やかな傾斜面で上昇して車道につながって、車道と平行に延在している。この路面側溝の縁石ぎわには、縁石ぎわに連続的に開口する細長い流入口を有し、この流入口の下部に流入口よりも幅広の通水路である円形水路が車道と平行に配設されている。したがって、この車道に雨が降ると、車道の雨水は路面側溝に流入し、さらに、路面側溝に連続して開口する流入口から下部の円形水路に流入する。しかし、これらの円形水路の流入口には、グレーティングを有するものもあるが、道路が自動車専用道路などでは、自動車のタイヤの幅よりも狭い幅狭の流入口には、グレーティングなどの蓋を設けておらず、そのまま開口されたものも多い。また、この開口されたものに後からグレーティングを設置するとすれば、グレーティングは鋳物で重量があるとはいえ、車が高速走行すると跳ね上がって事故を招く危険がある。強度や重量は安全とも関係するので、安易な軽量化はできず、搬送にはコストがかかるほか、設置時にはボルトで固定して連結するといった配慮が求められることとなる。とりわけ、グレーティングを円形水路の細幅な溝に適用するときには、軽量となるため、設置にボルト固定などの手間を要することとなっている。また、既設の円形水路に後付けでグレーティングを設置するには、流入口のサイズ幅に合わせて専用のグレーティングを用意する必要があるところ、そもそもが開口を予定しているだけに固定係止具やグレーティングを取り付けられる形状になっていないものもあり、そのままでは適用できないこともある。
【0004】
さて、このような自動車専用道路などの円形水路の流入口は幅が5cm〜6cm程度の幅狭の溝状の流入口であり、この流入口は円形水路の長さ方向にわたって設けられている。このために、道路面にたまった土砂やゴミや夾雑物が縁石ぎわの路面側溝から円形水路中に流入して円形水路の内部に堆積する問題がある。
【0005】
この様に土砂やゴミや夾雑物が流入して堆積した円形水路では、従来は、堆積してたまった土砂やゴミや夾雑物のうち、流入口の開口部から掻き出しうるゴミや夾雑物などは掻き出し、掻き出し得ない土砂などはホースから水を放水して順次、円形水路の下流の桝に洗い流す作業を行っていた。しかし、現在では、これらの洗い流し作業は高圧洗浄車による高圧洗浄で清掃するのが一般的になってきている。したがって、このような高圧洗浄による清掃が取り入れられると、上記したような連続した流入口の開口部から掻き出し、さらに掻き出し得ない土砂などをホースで下流の桝に洗い流す方法などの従来の清掃は必要がなくなっている。
【0006】
ところで、このような土砂やゴミや夾雑物が流入口から円形水路に落下しない様に、円形水路の流入口に設ける透水性の円形水路用甲蓋が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この円形水路用甲蓋は、自然石またはセラミックス粒体などの大径骨材の周囲を小径骨材、例えばJIS規定の珪砂7号などの骨材の硬質微粒物で均一に取り囲み、エポキシ樹脂で接着して形成した透水性多孔盤からなっている。すなわち、このものは大径骨材どうしは多数の硬質微粒物および高分子樹脂を介して互いに一部が密着した状態にあり、小径の骨材の間に無数の非常に小さな透水孔を形成している。しかし、このものは剛体であり、円形水路の取水孔部の大きさと合致した大きさとし無ければ、たとえ断面形状を楔形状としても取水孔部の目的高さ位置に固定できない。
【0007】
さらに、円形水路用に関するものではないが、アスファルト等で舗装された通常の道路面に関するものとして、次のものが開発されている。すなわち、不透水であるアスファルト路面からなる道路では、降雨時に路面は滞水による通行障害や車両の走行による滞水の飛散障害が生じていた。そこで、これ等の障害を除去するため、アスファルト舗装の一部を掘削して設けた長孔に立体網状体を装着し、さらに、この立体網状体を側溝や排水桝等に連結して、路面の降雨水を集めて排水可能とした立体網状体が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0008】
さらに、上記の不透水のアスファルト舗装と異なって、透水性のアスファルト舗装の道路の路側帯に設置して降雨水を集水して排水するものとして、溶融合成樹脂線條を相互に絡み合わせて融着してパイプ状に形成したパイプよりなる排水材を、路側帯の透水性のアスファルト舗装内に直接に設置し、この排水材にて透水性のアスファルト舗装内に浸透した雨水を直接に集水し、さらに、この排水材を所定の間隔で設置された集水桝に繋いで、雨水を集水桝に排除するものが提案がされている(例えば、特許文献3参照。)。
【0009】
さらに、上記した排水材として使用する、ヘチマロン(商品名)やアスコンドレーン(商品名)と称する透水性舗装に用いるポリプロピレン製の三次元立体網状体からなる透水性の棒状体または筒状体の導水管が紹介されている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0010】
これらの特許文献2や特許文献3あるいは非特許文献1の集排水材は、高い耐圧性能を有しているとされているが、素材が合成樹脂線條からなるものであるので、コンクリート製の円形水路のような耐圧強度は有しておらず、したがって車の走行する道路において、これらの三次元立体網状体の集排水材は、コンクリート製の円形水路などとして直接に利用し得るものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平11−131579号公報
【特許文献2】特開2007−113380号公報
【特許文献3】特開2007−120272号公報
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】http://www.shinko−nylon.co.jp
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明が解決しようとする課題は、道路の縁石ぎわの路面側溝に流入口すなわち呑口を有する円形水路において、降雨時の雨水などに伴われて路面上の土石や枯れ葉や木片、あるいは車両から落下したロープなどの粗大ゴミを含む夾雑物が路面側溝に流入し、さらに、これらの中の粗大ゴミが路面側溝から路面側溝に開口する円形水路の呑口に雨水とともに流入しない様にするとともに、これらの呑口の大きさに多少の差異があっても自在に目的位置に容易に嵌め込んで使用することができる、粗大ゴミの流入防止用の透水性で高い空隙率を有する網目構造の立体構造物で、かつ、難燃性、発光性あるいは反射性である繊維層構造物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
課題を解決するための本発明の手段は、請求項1の発明では、道路の縁石ぎわの路面側溝に呑口を有する円形水路の該呑口に嵌め込んで使用するための絡み合った網目構造の合成樹脂製品である可撓性の立体構造物からなることを特徴とする粗大ゴミの円形水路への流入防止用の繊維層構造物である。
【0015】
請求項2の発明では、絡み合った網目構造の合成樹脂製品は、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル系樹脂あるいはポリエステル系樹脂などの合成樹脂製品からなる絡み合った網目構造の可撓性の立体構造物であることを特徴とする請求項1の手段の粗大ゴミの円形水路への流入防止用の繊維層構造物である。
【0016】
請求項3の発明では、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、アクリル系樹脂あるいはポリエステル系樹脂などの合成樹脂製品からなる絡み合った網目構造の可撓性の立体構造物は難燃材による難燃処理されていることを特徴とする請求項2の手段の粗大ゴミの円形水路への流入防止用の繊維層構造物である。
【0017】
請求項4の発明では、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、アクリル系樹脂あるいはポリエステル系樹脂などの合成樹脂製品からなる絡み合った網目構造の可撓性の立体構造物は難燃処理に代えて夜光塗料による発光処理されていることを特徴とする請求項3の手段の粗大ゴミの円形水路への流入防止用の繊維層構造物である。
【0018】
請求項5の発明では、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、アクリル系樹脂あるいはポリエステル系樹脂などの合成樹脂製品からなる絡み合った網目構造の可撓性の立体構造物は夜光塗料による発光処理に代えて照明反射材による反射処理されていることを特徴とする請求項5の手段の粗大ゴミの円形水路への流入防止用の繊維層構造物である。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の発明では、本発明の粗大ゴミの流入防止用のフィルター作用のある絡み合った網目構造の合成樹脂製品である繊維層構造物は可撓性を有するので、道路わきの路面側溝に有する円形水路の流入口のスリット内の目的高さ位置に繊維層構造物を嵌め込んで容易に装着でき、また可撓性ゆえにスリットから外れにくい。また、この繊維層構造物により枯れ葉や木片などまたはトラックなどの車両から落されたロープやその他の積載物、あるいは車両から路面に投げ捨てられた煙草の吸殻やジュースの空缶や空きビンなどの粗大ゴミの夾雑物が円形水路へ流入しない様にできる。一方、絡み合った網目構造の合成樹脂製品の表面により流入できずに残された粗大ゴミはスィーパーの吸引により路面清掃が容易にできる。これらの結果、円形水路には粗大ゴミの流入が無く、細かい砂や小さなゴミだけが落下して溜まっているので、これらは高圧洗浄車による高圧洗浄で迅速に清掃することができる。
【0020】
請求項2の発明では、絡み合った網目構造の可撓性の立体構造物はポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、アクリル系樹脂あるいはポリエステル系樹脂などの合成樹脂製品からなるので、一体成形によって、あるいはこれらの合成樹脂製品を繊維状として互いに絡ませて固着することによって絡み合った網目構造の可撓性の立体構造物を容易に得ることができる。請求項3の発明では、合成樹脂の網目構造の可撓性の立体構造物の繊維の表面は難燃処理されているので、火のついた煙草が路面にポイ捨てされて、車道わきの路面側溝に設けられた網目構造の可撓性の立体構造物の表面の繊維に触れても燃え広がることが無く、安心である。請求項4の発明では、網目構造の可撓性の立体構造物の表面の繊維は夜光塗料により発光処理されているので、また請求項5の発明では、網目構造の可撓性の立体構造物の表面の繊維は照明反射材による反射処理されているので、夜間に車両で走行しても車道脇の路面側溝の呑口の部分が車道を走行中の車両から光って見えるので路肩部分を確認しながら安全に走行できる。この様に本発明の手段は優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の絡み合った網目構造の可撓性の立体構造物からなる繊維層構造物を示す図である。
【図2】本発明の絡み合った網目構造の可撓性の立体構造物と、呑口がスリットタイプの円形水路のプレキャストコンクリート製品である円形水路ブロックに上記の立体構造物を嵌合する状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の円形水路ブロックのスリットタイプの呑口へ絡み合った網目構造の可撓性の立体構造物を嵌合した状態を示す斜視図である。
【図4】スリットタイプの呑口へ絡み合った網目構造の可撓性の立体構造物を嵌合した円形水路ブロックの短手側の端面を示す図である。
【図5】本発明の絡み合った網目構造の可撓性の立体構造物と、呑口がグレーティング受付タイプの円形水路ブロックへ立体構造物を嵌合する状態を示す斜視図である。
【図6】本発明の円形水路ブロックのグレーティング受付タイプの呑口へ絡み合った網目構造の可撓性の立体構造物を嵌合した状態を示す斜視図である。
【図7】図5のグレーティング受付タイプの呑口へ絡み合った網目構造の可撓性の立体構造物を嵌合した円形水路ブロックの短手側の端面の図である。
【図8】歩道と車道の境界の歩道縁石および縁石ぎわの車道の路面側溝に平行な流入口である円形水路の呑口を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明を実施するための形態について、表および図面を参照して説明する。先ず、本発明の第1の実施の形態では、繊維層構造物1は、図1に示す可撓性の立体構造物10の絡み合った網目構造8からなっており、砂や土片を含む泥水は通過し得るが、枯葉や木片や石やその他の車両から落とされた煙草の吸殻や飲料用のビンや缶、あるいはロープや袋や布類などは通過し得ない。これらの繊維層構造物1の素材はポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル系樹脂あるいはポリエステル系樹脂などの合成樹脂製品9からなっているので無機質の素材に比して軽量で搬送し易い。さらに、これらの合成樹脂製品9の絡み合った網目構造8は、合成樹脂製品9からなる径が1mm前後の繊維体を絡み合わせて網目にしたものである。この繊維体の網目の重なりあった部分は、合成樹脂製品9が熱可塑性であるものでは熱融着によって、または熱可塑性あるいは熱硬化性を問わず接着剤による接着で一体化して製造されている。したがって、この絡み合った網目構造8の全体は可撓性であり、しかも立体構造物10の形状は維持し続け得るものとなっている。この網目構造8の合成樹脂製品9は鋭利な刃物で切断して、適用する円形水路6の呑口である流入口7に嵌まり込む形状とすることができる。
【0023】
第2の実施の形態では、図8に示す様に、道路2の歩道2bの端縁である縁石3ぎわに流入口7を有する路面側溝4が車道2aの路側帯にあり、この路面側溝4の下部には、路面側溝4と同方向に延びる、図2に示す円形水路6を内部に有する円形水路ブロック5を敷設している。この図2に示す、円形水路6の呑口である流入口7(以下、流入口7を「呑口7」ともいう。)に、図1に示す、絡み合った網目構造8からなる合成樹脂製品9である可撓性の立体構造物10からなる繊維層構造物1が嵌め込まれている。ところで、図8に示す様に、道路2に雨が降ると、車道2aに落ちている種々のゴミが雨水などに伴われて路面側溝4に流れてくる。これらの種々のゴミのうち、粗大ゴミが路面側溝4の下部の円形水路6の呑口7から円形水路6に流入しない様に、図3に示す様に、絡み合った網目構造8からなる合成樹脂製品9である可撓性の立体構造物10からなる繊維層構造物1が円形水路プレキャストコンクリート製品すなわち円形水路ブロック5の円形水路6の呑口7に嵌め込まれている。図4に円形水路ブロック5の短手側の端面から見た形状を示し、円形水路6の上部中央にスリットタイプの呑口7aがある。この円形水路ブロック5の上面はスリットタイプの呑口7の両側の部分で路面側溝4を形成している。この路面側溝4は、図4では水平であるが、呑口7に向って例えば6%の傾斜で低下して呑口7に水が流入し易くしてもよい。さらに呑口7の形状は、路面側溝4側の呑口7の入口幅が例えば60mmと広く、円形水路6側の呑口7の出口幅が50mmとやや狭く、楔形に形成されている。この様に呑口7aの形状は楔形であるので、繊維層構造物1である立体構造物10は円形水路6に落ち込むことが防止されている。ただし、本発明の繊維層構造物1である立体構造物10は可撓性であるので、多少大きさが大きくても呑口7の中の適宜高さ位置に押し込むことができ、溝幅の違う呑口への適用性の幅が大きい。また、立体構造物10は可撓性であるので、一旦押し込まれるとその高さ位置に継続して保持される。
【0024】
第3の実施の形態では、図2に示す円形水路ブロック5のスリットタイプの呑口7aに代えて、図5に示すグレーティングタイプの呑口7bからなる呑口7である。この呑口7は、上部がグレーティングの形状であり、その下部の形がスリット形状であり、全体でアルファベットの大文字のTの形状からなっている。そこで、このグレーティングタイプの呑口7bに適用する繊維層構造物1である可撓性の立体構造物10の形状は、図5に示す様にグレーティングの形状の厚みの薄い形状をしており、図2に示すスリットタイプの厚みの厚い形状のものとは相違している。図6に示す様に、絡み合った網目構造8からなる合成樹脂製品9である可撓性の立体構造物10からなる繊維層構造物1が、円形水路ブロック5の円形水路6の呑口7の上部のグレーティングを嵌合する部分に、嵌め込まれている。図7に円形水路ブロック5の短手側の端面から見た形状を示し、円形水路6の上部中央にはグレーティングタイプの呑口7bがある。この円形水路ブロック5の上面はグレーティングタイプの呑口7の両側の部分で路面側溝4を形成している。この路面側溝4は図7では水平であるが、呑口7に向って例えば6%の傾斜で低下して呑口7に水が流入し易くしてもよい。このグレーティングタイプの呑口7bからなる呑口7の場合は、繊維層構造物1である立体構造物10は、グレーティングを載置する部分にグレーティングに替わって載置されているので、円形水路6に落ち込むことはない。
【0025】
第4の実施の形態では、第1の実施の形態における繊維構造物1のポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、アクリル系樹脂あるいはポリエステル系樹脂などの合成樹脂製品9からなる絡み合った網目構造8の可撓性の立体構造物10は絡み合った網目構造8の繊維の表面に難燃性の薬品を施すかあるいは合成樹脂製品9を形成する樹脂に添加して難燃処理を施し、難燃性樹脂の繊維層構造物1に形成している。これらの難燃性の薬品としては、例えケイ酸アルカリをビヒクルとして水に溶解し、これにクレー、タルクなどの無機質顔料を加えたもので、さらに顔料中に酸化アンチモンSb23加えて防火性を増したものなどである。したがって、車道2aを走行中の車両や歩道2bを歩行している人から火のついた煙草などが捨てられ、これが路面側溝4の呑口7に嵌合されている絡み合った網目構造8の合成樹脂製品9である繊維層構造物1に触れても着火することが防止されているので安全であり、長期の使用に耐えることができる。
【0026】
第5の実施の形態は、第4の実施の形態の難燃処理に代えて、夜光塗料による発光処理が施されている。すなわち、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、アクリル系樹脂あるいはポリエステル系樹脂などの合成樹脂製品9からなる絡み合った網目構造8の可撓性の立体構造物10の表面の繊維層に、夜光塗料による発光処理が施されている。したがって、暗闇の中の車道2aを走行中の車両から路面側溝4の路側帯を容易に確認でき安全に走行することができる。
【0027】
第6の実施の形態は、第5の実施の形態の発光処理に代えて、照明反射材による反射処理が施されている。すなわち、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、アクリル系樹脂あるいはポリエステル系樹脂などの合成樹脂製品9からなる絡み合った網目構造8の可撓性の立体構造物10の表面の繊維層に、照明反射材例えば、ガラス粉末を絡み合った網目構造8の可撓性の立体構造物10の表面に塗着するなどで反射処理が施されている。したがって、暗闇の中の車道2aを走行中の車両のライトがこの立体構造物10の表面に照射されると、反射して車両の運転手から路面側溝4の路側帯を容易に確認でき、安全に走行することができる。
【符号の説明】
【0028】
1 繊維層構造物
2 道路
2a 車道
2b 歩道
3 縁石
4 路面側溝
5 円形水路ブロック
6 円形水路
7 流入口(呑口)
7a スリットタイプの呑口
7b グレーティングタイプの呑口
8 絡み合った網目構造
9 合成樹脂製品
10 可撓性の立体構造物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路の縁石ぎわの路面側溝に流入口を有する円形水路の流入口に嵌め込んで適用するための絡み合った網目構造の合成樹脂製品である可撓性の立体構造物からなることを特徴とする粗大ゴミの円形水路への流入防止用の繊維層構造物。
【請求項2】
絡み合った網目構造の合成樹脂製品は、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、アクリル系樹脂あるいはポリエステル系樹脂などの合成樹脂製品からなる絡み合った網目構造の可撓性の立体構造物であることを特徴とする請求項1に記載の粗大ゴミの円形水路への流入防止用の繊維層構造物。
【請求項3】
ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、アクリル系樹脂あるいはポリエステル系樹脂などの合成樹脂製品からなる絡み合った網目構造の可撓性の立体構造物は難燃材による難燃性処理されていることを特徴とする請求項2に記載の粗大ゴミの円形水路への流入防止用の繊維層構造物。
【請求項4】
ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、アクリル系樹脂あるいはポリエステル系樹脂などの合成樹脂製品からなる絡み合った網目構造の可撓性の立体構造物は難燃性処理に代えて夜光塗料による発光性処理されていることを特徴とする請求項3に記載の粗大ゴミの円形水路への流入防止用の繊維層構造物。
【請求項5】
ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、アクリル系樹脂あるいはポリエステル系樹脂などの合成樹脂製品からなる絡み合った網目構造の可撓性の立体構造物は夜光塗料による発光処理に代えて照明反射材による反射性処理されていることを特徴とする請求項5に記載の粗大ゴミの円形水路への流入防止用の繊維層構造物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−87553(P2012−87553A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−235814(P2010−235814)
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【出願人】(000161817)ケイコン株式会社 (37)
【Fターム(参考)】