説明

路面標示線用ペイント塗布装置

【課題】必要十分な厚みで路面標示線を塗布する路面標示線用ペイント塗布装置を提供する。
【解決手段】路面42上への路面標示線128の塗布に際してその路面42に対して平行を成す下端縁96bを有する第1ブレード部材96と、その第1ブレード部材96に隣接して設けられ、路面42上への路面標示線128の塗布に際してその路面42に対して非平行を成す下端縁98bを有する第2ブレード部材98と、その第2ブレード部材98に対して第1ブレード部材96を上下方向に昇降させる昇降装置100とを、備え、開口126から流出させられた路面標示線用ペイント46が、第1ブレード部材96の下端縁96b及び第2ブレード部材98の下端縁98bの少なくとも一方によりならされて路面42上に塗布されるように構成されたものであることから、必要十分な厚みで路面標示線128を塗布するペイント塗布装置10を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路面標示線を路面上に塗布する路面標示線用ペイント塗布装置に関し、特に、必要十分な厚みで路面標示線を塗布するための改良に関する。
【背景技術】
【0002】
ペイント貯留装置から供給される流動状態の路面標示線用ペイントを受け入れるホッパを備え、そのホッパに受け入れられた路面標示線用ペイントをスリット状の開口から流出させてその開口の長さに対応する幅寸法の路面標示線を路面上に塗布する形式の路面標示線用ペイント塗布装置が知られている。例えば、特許文献1に記載された道路区画線用ペイント塗布装置がそれである。この技術によれば、一定の速度でホッパが上下させられ且つスリット状の開口が開閉されると共に、ホッパが下降位置に位置させられるとホッパのスリット状の開口が直ちに自動的に開かれるので、ホッパの上下運動及びスリット状の開口の開閉動作にばらつきがなくなり、道路区画線の端部の位置、形状、厚みのばらつきなく、道路区画線を路面状に容易に形成することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2966283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記路面標示線用ペイント塗布装置による路面標示線の塗布の形態としては、例えば舗装したばかりの路面上に新たに路面標示線を塗布する形態の他、摩耗等により経年劣化した古い路面標示線上に新たな路面標示線を塗り重ねる形態がある。しかし、前述したような従来の技術では、摩耗等により周縁(例えば、中央線の場合には車両の走行車線に接する両側縁)が磨り減った古い路面標示線上に新しい路面標示線を塗り重ねる場合、古いペイントが残っている中央部に新たなペイントを十分に塗布することができず、所望の品質が得られないおそれがあった。特に、塗布されたペイント上にガラスビーズを散布する形式の路面標示線用ペイント塗布装置では、新たなペイントが十分に塗布されていない中央部にはガラスビーズがうまく付着せず、これを避けるためにペイントを二度塗りしなければならない場合があった。この弊害を解消するために中央部を含め全体を厚くすることを考えると、ペイントが過多となる周縁からそのペイントが垂れ落ち、規定の幅寸法の路面標示線を塗布することができないという新たな弊害を生じさせる。このため、必要十分な厚みで路面標示線を塗布する路面標示線用ペイント塗布装置の開発が求められていた。
【0005】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、必要十分な厚みで路面標示線を塗布する路面標示線用ペイント塗布装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
斯かる目的を達成するために、本発明の要旨とするところは、ペイント貯留装置から供給される流動状態の路面標示線用ペイントを受け入れるホッパを備え、そのホッパに受け入れられた路面標示線用ペイントをスリット状の開口から流出させてその開口の長さに対応する幅寸法の路面標示線を路面上に塗布する形式の路面標示線用ペイント塗布装置であって、前記路面上への路面標示線の塗布に際してその路面に対して平行を成す下端縁を有する第1ブレード部材と、その第1ブレード部材に隣接して設けられ、前記路面上への路面標示線の塗布に際してその路面に対して非平行を成す下端縁を有する第2ブレード部材と、その第2ブレード部材に対して前記第1ブレード部材を上下方向に昇降させる昇降装置とを、備え、前記スリット状の開口から流出させられた路面標示線用ペイントが、前記第1ブレード部材の下端縁及び前記第2ブレード部材の下端縁の少なくとも一方によりならされて前記路面上に塗布されるように構成されたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
このようにすれば、前記路面上への路面標示線の塗布に際してその路面に対して平行を成す下端縁を有する第1ブレード部材と、その第1ブレード部材に隣接して設けられ、前記路面上への路面標示線の塗布に際してその路面に対して非平行を成す下端縁を有する第2ブレード部材と、その第2ブレード部材に対して前記第1ブレード部材を上下方向に昇降させる昇降装置とを、備え、前記スリット状の開口から流出させられた路面標示線用ペイントが、前記第1ブレード部材の下端縁及び前記第2ブレード部材の下端縁の少なくとも一方によりならされて前記路面上に塗布されるように構成されたものであることから、例えば摩耗等により経年劣化した古い路面標示線上に新たな路面標示線を塗り重ねる場合において、その古い路面標示線の残り具合に応じて前記第1ブレード部材と第2ブレード部材との相対位置を変更することで、前記路面標示線用ペイントをならすドクターブレードに対応する構成を前記古い路面標示線の形状に適したものとすることができる。すなわち、必要十分な厚みで路面標示線を塗布する路面標示線用ペイント塗布装置を提供することができる。
【0008】
ここで、好適には、前記第2ブレード部材の下端縁は、幅方向中央に向かうにつれて前記路面との距離が漸増する弧状部を備えたものである。このようにすれば、例えば車道の中央線等、摩耗等により両側縁が磨り減った古い路面標示線上に新たな路面標示線を塗り重ねる場合において、その古い路面標示線の形状に合わせて必要十分な厚みで新たな路面標示線を塗布することができる。
【0009】
また、好適には、前記スリット状の開口から流出させられた路面標示線用ペイント上にガラスビーズを散布するガラスビーズ散布装置を備えたものである。このようにすれば、例えば摩耗等により経年劣化した古い路面標示線上に新たな路面標示線を塗り重ねる場合において、塗布された新たなペイント上に好適にガラスビーズを付着させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施例である路面標示線用ペイント塗布装置の全体構成を説明する側面図である。
【図2】図1に示す路面標示線用ペイント塗布装置の平面図である。
【図3】図1に示す路面標示線用ペイント塗布装置におけるホッパ付近の構成を詳しく説明するために一部の構成を切断して示す図である。
【図4】図3を矢印IVで示す方向に視た図であり、第1ブレード部材及び第2ブレード部材付近の構成を詳しく説明する図である。
【図5】図1に示す路面標示線用ペイント塗布装置の昇降装置により第1ブレード部材の第2ブレード部材に対する上下方向の相対位置が変更される様子を説明する図であり、第1ブレード部材が最下位置とされた状態を示している。
【図6】図1に示す路面標示線用ペイント塗布装置の昇降装置により第1ブレード部材の第2ブレード部材に対する上下方向の相対位置が変更される様子を説明する図であり、第1ブレード部材が最上位置とされた状態を示している。
【図7】図1に示す路面標示線用ペイント塗布装置の昇降装置により第1ブレード部材の第2ブレード部材に対する上下方向の相対位置が変更される様子を説明する図であり、第1ブレード部材が図5及び図6に示す状態の中間位置とされた状態を示している。
【図8】図1に示す路面標示線用ペイント塗布装置におけるホッパの底部にスリット状の開口が形成された状態において、路面上に路面標示線が塗布される様子を説明する図である。
【図9】図1に示す路面標示線用ペイント塗布装置により路面上に塗布された路面標示線の一例を示す厚み方向の断面図であり、摩耗等により経年劣化した古い路面標示線上に新たな路面標示線を塗り重ねた状態を示している。
【図10】図9に示す本実施例との比較のため、摩耗等により経年劣化した古い路面標示線上に従来の技術により新たな路面標示線を塗り重ねた状態を例示する厚み方向の断面図である。
【図11】本発明の他の実施例である路面標示線用ペイント塗布装置に好適に設けられる第2ブレード部材の構成を説明する図であり、第1ブレード部材が最下位置とされた状態を示している。
【図12】本発明の他の実施例である路面標示線用ペイント塗布装置に好適に設けられる第2ブレード部材の構成を説明する図であり、第1ブレード部材が最上位置とされた状態を示している。
【図13】図11及び図12に示す路面標示線用ペイント塗布装置により路面上に塗布された路面標示線の一例を示す厚み方向の断面図であり、摩耗等により経年劣化した古い路面標示線上に新たな路面標示線を塗り重ねた状態を示している。
【図14】本発明の他の実施例である路面標示線用ペイント塗布装置に備えられた昇降装置の構成を例示する図である。
【図15】図14に示す路面標示線用ペイント塗布装置における第1ブレード部材及び第2ブレード部材付近の構成を詳しく説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明の一実施例である路面標示線用ペイント塗布装置10(以下、ペイント塗布装置10という)の全体構成を説明する側面図であり、図2は、そのペイント塗布装置の平面図である。このペイント塗布装置10は、左右1対の前輪12と1個の後輪14とによって支持された車体16を備えている。この車体16上には、LPG(Liquefied Petroleum Gas:液化石油ガス)ボンベ18と、ガラスビーズ(無色透明の球状ガラス)を収容するガラスビーズ収容箱20と、路面標示線用ペイントの粉体状原料を収容し且つ図示しないLPGバーナによってその原料を加熱することにより流動性の路面標示線用ペイントを貯留すると共にその流動性の路面標示線用ペイントを開閉操作レバー24によって開かれる開閉扉26から案内樋28を介して流下させる塗料溶融釜22と、ハンドル30とが、設けられている。すなわち、本実施例においては、上記塗料溶融釜22が流動状態の路面標示線用ペイントを貯留するペイント貯留装置に相当する。このペイント塗布装置10は、上記ハンドル30を把持しつつ図1に白抜矢印で示す進行方向(前進方向)に手押しされることで移動させられる手押し式の装置であるが、エンジンからの駆動トルクを利用して走行する自走式の装置であってもよい。
【0013】
上記ペイント塗布装置10の前進方向右側の側面には、上記塗料溶融釜22の開閉扉26から案内樋28を介して流下させられる流動性路面標示線用ペイントを受け入れるホッパ32と、そのホッパ32内に受け入れられた流動性路面標示線用ペイントを所定長さのスリット状の開口から流出させるためにその開口を開閉するシャッタ機構34とが、設けられている。また、上記ガラスビーズ収容箱20からホース36を介して流下させられるガラスビーズを、上記前輪12乃至後輪14の回転に連動して上記スリット状の開口の長さよりも所定寸法大きい幅寸法で散布する散布器38が設けられている。ここで、上記ホース36における上記ハンドル30側端部には、上記ガラスビーズ収容箱20と上記ホース36との間を開閉する開閉装置が設けられている。また、開閉操作レバー40で前輪12の回転に連動した連結装置の操作により上記散布器38の散布が停止させられるように構成されている。すなわち、本実施例においては、上記ガラスビーズ収容箱20、ホース36、散布器38、及び開閉操作レバー40が上記スリット状の開口から流出させられた路面標示線用ペイント上にガラスビーズを散布するガラスビーズ散布装置に相当する。
【0014】
また、前記ペイント塗布装置10の前進方向前側には、路面42に予め描かれた案内線に沿って路面標示線用ペイントが塗布されるように、その車体16を前進させる線引き作業中にはその案内線に一致させるための案内ロッド44が設けられている。この案内ロッド44は、前記車体16側の端部を支点として回動可能に設けられたものである。そして、線引き作業が行われない場合には、収納や運搬等の便宜上、手動操作により上記案内ロッド44が図1の破線で示す位置まで引き起こされるように構成されている。
【0015】
図3は、前記ホッパ32付近の構成を詳しく説明するために一部の構成を切断して示す図である。この図3に示すように、前記ホッパ32は上端が開口する容器形状を成すものであり、前記塗料溶融釜22から供給される流動状態の路面標示線用ペイント46がその内部に受け入れられるようになっている。また、前記ホッパ32よりも路面42側に僅かに突き出すことにより作業中にはその路面42と接触させられる1対の側板48が前記ホッパ32の両側面に固定されている。また、前記ホッパ32の底部であって上記1対の側板48の間に位置する部分には、前記スリット状の開口の一部を構成する固定側シャッタ部材52と、その固定側シャッタ部材52の下端面に当接させられる可動側シャッタ部材54を備えてその固定側シャッタ部材52に対して接近乃至離隔する方向の移動可能に設けられたスライド板56とが、設けられている。また、前記散布器38から散布されたガラスビーズを跳ね返すことで、そのガラスビーズが前記ホッパ32等の部材に付着するのを防止すると共に、そのホッパ32から流出した路面標示線上にガラスビーズを好適に散布するためのカバー部材50が前記ホッパ32の背面側(ペイント塗布装置10の進行方向後側)に設けられている。
【0016】
上記スライド板56には、1対の係合ピン58が前記ペイント塗布装置10の幅方向すなわちそのペイント塗布装置10の前進方向に対して左右方向に突設されている。また、前記ホッパ32を半周するU字状部60と、そのU字状部60の両端から直角な方向に伸びて上記1対の係合ピン58と係合する、切欠62が先端に形成された1対の係合部64とを備えた回動部材66が、上記U字状部60と係合部64との連結部分において図3に太い破線矢印で示すように支持ピン68まわりに回動可能に設けられている。
【0017】
図1に示すように、前記ペイント塗布装置10の前進方向右側の側面には、前記ホッパ32におけるスリット状の開口を開閉するためのシャッタ開閉レバー70が前記車体16側の端部を支点として回動可能に設けられている。また、そのシャッタ開閉レバー70の支点付近に連結された出力ロッド72と、上記回動部材66におけるU字状部60とが、リンク部材74を介して連結されている。斯かる構成により、上記シャッタ開閉レバー70が上昇方向に操作(回動)されることにより前記スライド板56が接近位置に位置させられると、図3に示すように前記固定側シャッタ部材52と可動側シャッタ部材54との間のスリット状の開口が閉じられ、前記ホッパ32内の路面標示線用ペイント46は流出させられない状態となる。一方、上記シャッタ開閉レバー70が下降方向に操作(回動)されることにより前記スライド板56が離隔位置に位置させられると、後述する図8に示すように前記固定側シャッタ部材52と可動側シャッタ部材54との間にスリット状の開口126が形成され、前記ホッパ32内の路面標示線用ペイント46が路面42上に流出させられる状態となる。なお、斯かるスリット状の開口126は、前記1対の側板48の間隔寸法、すなわち前記路面42に塗布される路面標示線用ペイントの幅寸法に対応する。
【0018】
図3に示すように、前記ペイント塗布装置10の進行方向前部には、前記ホッパ32を支持するための水平な支持軸76が車幅方向に設けられている。そして、前記ペイント塗布装置10の進行方向に対して直角な上記支持軸76を第1軸心としてその第1軸心を中心に回転することにより前記ホッパ32を上下方向に移動可能に支持する一方、そのホッパ32の前記路面42に対する接触状態では前記スリット状の開口が常時その路面42と平行となるように前記ホッパ32を上記支持軸76と直角方向の揺動中心軸78を第2軸心としてその第2軸心を中心に揺動可能に支持するホッパ支持機構80が設けられている。
【0019】
上記ホッパ支持機構80は、前記ホッパ32から前記ペイント塗布装置10の進行方向前方へ突設された揺動中心軸78と、上記支持軸76によって回転可能に支持された支持レバー82と、その支持レバー82の先端部に設けられて上記揺動中心軸78を回転可能に嵌め入れる嵌合筒84とを、備えている。上記支持レバー82は、相互の長手方向に相対移動可能な基端側部材86及び先端側部材88と、それら基端側部材86及び先端側部材88の相対位置を調節するための長さ調節ねじ装置90と、それら基端側部材86及び先端側部材88の相対位置を固定する固定ねじ92とを備え、その全長が必要に応じて調節できるようになっている。また、前記ホッパ32内の路面標示線用ペイント46の固化を防止するためにそのホッパ32を加熱するLPGバーナ94が設けられている。
【0020】
また、図3に示すように、前記固定側シャッタ部材52に対して前記ペイント塗布装置10の進行方向後部には、前記スリット状の開口から流出させられた路面標示線用ペイント46をならして厚みを調整するドクターブレード(doctor blade)に対応する第1ブレード部材96及び第2ブレード部材98が前記固定側シャッタ部材52に隣接して設けられている。これら第1ブレード部材96及び第2ブレード部材98は、好適には、図3等に示すように前記ペイント塗布装置10の進行方向に関して上記第1ブレード部材96が後方、上記第2ブレード部材98が前方となるように設けられている。すなわち、前記ペイント塗布装置10の進行方向前方から後方に向けて前記前記固定側シャッタ部材52、第2ブレード部材98、第1ブレード部材96の順に相互に隣接して設けられている。以下、図4乃至図7等を参照して斯かる第1ブレード部材96及び第2ブレード部材98の構成を詳述する。
【0021】
図4は、図3を矢印IVで示す方向に視た図であり、上記第1ブレード部材96及び第2ブレード部材98付近の構成を詳しく説明する図である。上記第2ブレード部材98は、前記固定側シャッタ部材52に例えばボルト等の締結具によって固定されており、その固定側シャッタ部材52に対する相対位置が変更不能とされている。換言すれば、前記1対の側板48が路面42に摺接させられることによりその路面42との相対的な位置関係が定まるようになっている。
【0022】
また、図4に示すように、前記第2ブレード部材98に対して前記第1ブレード部材96を上下方向に昇降させる昇降装置100が設けられている。この昇降装置100は、叉状(二股状)とされた側の両端がボルト104により前記第1ブレード部材96に固定されたU字状部材102を備え、そのU字状部材102における股座に穿設された雌ねじ穴106に、雄ねじ108が螺合されている。この雄ねじ108は、前記ホッパ32と一体的に設けられた台座110に形成された貫通穴112に挿通されると共に、その上側端部にハンドル114がその雄ねじ108に対する相対回転不能に設けられている。また、上記U字状部材102から上側に向けて突出して1対のガイドロッド116が設けられ、上記台座110に形成された1対の貫通穴118にそれぞれ挿通されている。また、後述する図5乃至図7等に示すように、前記第1ブレード部材96には、上下方向に長手状を成す1対の長穴120が形成されており、ボルト122を緩めて装着した状態で前記第1ブレード部材96の前記第2ブレード部材98に対する上下方向の相対移動を可能とする一方、そのボルト122が締められることでそれら第1ブレード部材96及び第2ブレード部材98の相対位置が固定されるようになっている。
【0023】
以上のように構成された昇降装置100において、上記ハンドル114が図4に太い破線矢印で示すようにその軸心まわりに回転させられると、上記雌ねじ穴106と雄ねじ108とが相互に螺合させられていることによりその雄ねじ108に対して上記U字状部材102が上下方向に移動させられる。これにより、前記第1ブレード部材96が図4に破線矢印で示す上昇方向乃至下降方向に移動させられ、その第1ブレード部材96の前記第2ブレード部材98に対する上下方向の相対位置が変更される。なお、上記U字状部材102の最下位置(第1ブレード部材96の最下位置)においてそのU字状部材102が当接させられるストッパ124が設けられており、前記第1ブレード部材96が下がりすぎて路面42に接触しないように構成されている。
【0024】
図5乃至図7は、前記昇降装置100により前記第1ブレード部材96の前記第2ブレード部材98に対する上下方向の相対位置が変更される様子を説明する図であり、図5は前記第1ブレード部材96が最下位置とされた状態、図6は前記第1ブレード部材96が最上位置とされた状態、図7は前記第1ブレード部材96が図5及び図6に示す状態の中間位置とされた状態をそれぞれ示している。図5乃至図7に示すように、前記第1ブレード部材96の下端縁96bは、前記路面42上への路面標示線の塗布に際してその路面42に対して平行を成すように構成されている。ここで、路面標示線の塗布対象となる路面42は通常アスファルト等から成るものであり、その表面は必ずしも平坦ではないため、その路面42に対して平行を成すとは、およそ平行とみなせる程度の位置関係を言うものであり、必ずしも数学的な平行を意味するものではない。
【0025】
また、前記第2ブレード部材98の下端縁98bは、前記路面42上への路面標示線の塗布に際してその路面42に対して非平行を成すように構成されている。この第2ブレード部材98の下端縁98bは、好適には、図5乃至図7等に示すように、幅方向中央に向かうにつれて前記路面42との距離が漸増する弧状部98aを備えたものである。この弧状部98aは、例えばその中央において下端縁98bの最下端との距離dが3mm程度に構成されたものであり、その両端に例えば10mm程度の前記路面42と平行を成す部分を余すものであるが、幅方向の両端までが弧状部98aとされたものであってもよい。また、この弧状部98aは、必ずしも円弧乃至楕円弧の一部を成すものでなくともよく、幅方向中央に向かうにつれて前記路面42との距離が漸増する構成を成すものであればその形状は問わない。
【0026】
図5に示すように、前記第1ブレード部材96が最下位置とされた状態においては、前記第2ブレード部材98の下端縁98bにおける弧状部98aは、正面視において前記第1ブレード部材96によって隠される。すなわち、前記第2ブレード部材98の下端縁98bにおける弧状部98aの全てが前記第1ブレード部材96の下端縁96bよりも上側となるような相対位置関係とされる。また、図6に示すように、前記第1ブレード部材96が最上位置とされた状態においては、前記第2ブレード部材98の下端縁98bにおける弧状部98aは、正面視において前記第1ブレード部材96の下側に露出される。すなわち、前記第2ブレード部材98の下端縁98bにおける弧状部98aの全てが前記第1ブレード部材96の下端縁96bよりも下側となるような相対位置関係とされる。また、図7に示すように、前記第1ブレード部材96が図5及び図6に示す状態の中間位置とされた状態においては、前記第2ブレード部材98の下端縁98bにおける弧状部98aは、正面視においてその一部(中央部)が前記第1ブレード部材96によって隠されると共に、残りの部分(両端部)がその第1ブレード部材96の下側に露出される。すなわち、前記第2ブレード部材98の下端縁98bにおける弧状部98aの中央部が前記第1ブレード部材96の下端縁96bよりも上側となると共に、その両端部がその第1ブレード部材96の下端縁96bよりも下側となるような相対位置関係とされる。
【0027】
図8は、前記ホッパ32の底部にスリット状の開口126が形成された状態において、前記路面42上に路面標示線128が塗布される様子を説明する図である。この図8に示すように、前記シャッタ開閉レバー70の操作により前記固定側シャッタ部材52と可動側シャッタ部材54との間にスリット状の開口126が形成された状態において、前記ペイント塗布装置10が図8に白抜矢印で示す進行方向(前進方向)に移動させられることで、前記ホッパ32内の路面標示線用ペイント46が上記スリット状の開口126から路面42上に流出させられ、その開口126の長さに対応する幅寸法の路面標示線128が路面42上に塗布される。この際、前記第1ブレード部材96及び第2ブレード部材98の少なくとも一方がその路面標示線128をならして厚みを調整するドクターブレードとして機能する。すなわち、上記スリット状の開口126から流出させられた路面標示線用ペイント46が、前記第1ブレード部材96の下端縁96b及び前記第2ブレード部材98の下端縁98bの少なくとも一方によりならされて前記路面42上に塗布されるように構成されている。
【0028】
例えば、図5に示す状態すなわち前記第1ブレード部材96が最下位置とされた状態においては、前記第2ブレード部材98の下端縁98bにおける弧状部98aの全てが前記第1ブレード部材96の下端縁96bよりも上側となるような相対位置関係となっている。従って、専ら前記第1ブレード部材96がドクターブレードとして機能し、上記スリット状の開口126から流出させられた路面標示線用ペイント46が、前記第1ブレード部材96の下端縁96bによりならされて前記路面42上に塗布される。
【0029】
また、図6に示す状態すなわち前記第1ブレード部材96が最上位置とされた状態においては、前記第2ブレード部材98の下端縁98bにおける弧状部98aの全てが前記第1ブレード部材96の下端縁96bよりも下側となるような相対位置関係とされている。従って、専ら前記第2ブレード部材98がドクターブレードとして機能し、前記スリット状の開口126から流出させられた路面標示線用ペイント46が、前記第2ブレード部材98の下端縁98bによりならされて前記路面42上に塗布される。
【0030】
また、図7に示す状態すなわち前記第1ブレード部材96が図5及び図6に示す状態の中間位置とされた状態においては、前記第2ブレード部材98の下端縁98bにおける弧状部98aの中央部が前記第1ブレード部材96の下端縁96bよりも上側となると共に、その両端部がその第1ブレード部材96の下端縁96bよりも下側となるような相対位置関係とされている。従って、前記第1ブレード部材96及び第2ブレード部材98が相補的にドクターブレードとして機能し、前記スリット状の開口126から流出させられた路面標示線用ペイント46が、前記第1ブレード部材96の下端縁96b及び前記第2ブレード部材98の下端縁98bのうち第1ブレード部材96の下端縁96bよりも下方に位置する部分によりならされて前記路面42上に塗布される。
【0031】
図9は、前記ペイント塗布装置10により前記路面42上に塗布された路面標示線128の一例を示す厚み方向(紙面奥行き方向が路面標示線128の延伸方向)の断面図であり、摩耗等により経年劣化した古い路面標示線130上に新たな路面標示線128を塗り重ねた状態を示している。この図9は、前記第1ブレード部材96及び第2ブレード部材98が図7に示すような相対位置関係とされた状態において塗布された路面標示線128を例示しており、その塗布に際してドクターブレードとして機能した前記第1ブレード部材96及び第2ブレード部材98を破線で示している。古い路面標示線130が車道に引かれた中央線等である場合には、図9に示すようにその路面標示線130において車両の走行車線に接する両側縁が摩耗等により磨り減り、中央部の厚みが比較的厚く残ることが考えられる。そのような古い路面標示線130上に新しい路面標示線128を塗り重ねる場合、従来の技術すなわち路面42上への路面標示線の塗布に際してその路面42に対して平行を成す下端縁を有するブレード部材のみを備えた路面標示線用ペイント塗布装置による新たなペイントの塗布では、例えば図10に示すように古いペイントが残っている中央部に新たなペイントを十分に塗布することができず、その中央部において新たな路面標示線128の厚みが不十分なものとなることが考えられる。このように一部の厚みが不十分となった場合、前記ペイント塗布装置10のように塗布されたペイント上にガラスビーズを散布する形式の装置では、新たなペイントが十分に塗布されていない中央部にはガラスビーズがうまく付着せず、所望の品質が得られないおそれがある。
【0032】
一方、図9に示す例すなわち本実施例のペイント塗布装置10による新たなペイントの塗布では、例えば前記第1ブレード部材96及び第2ブレード部材98を図7に示すような相対位置関係とした状態で塗布を行うことで、古い路面標示線130のペイントが比較的厚く残っている中央部にも新たなペイントを十分に塗布することができる。すなわち、前記スリット状の開口126から流出させられた路面標示線用ペイント46が、前記第1ブレード部材96の下端縁96b及び前記第2ブレード部材98の下端縁98bのうち第1ブレード部材96の下端縁96bよりも下方に位置する部分によりならされて前記路面42上に塗布されることで、幅方向中央部においては前記第1ブレード部材96が前記第2ブレード部材98に対して上方向に移動させられた分だけドクターブレードが高くなり、その中央部に例えば1.5mm程度の十分な厚み寸法を確保できる。このため、新たな路面標示線128の幅方向に渡って比較的均等な厚みで、前記散布器38から散布されるガラスビーズを付着させる上で十分なペイントを塗布することができる。
【0033】
また、古い路面標示線130に関して、中央部に図9に示す例よりも厚く古いペイントが残っている場合には、前記第1ブレード部材96を前記第2ブレード部材98に対して図7に示す相対位置関係よりも引き上げることで対応できる。すなわち、残存している古い路面標示線130の厚み等の態様に合わせて、前記昇降装置100により前記第2ブレード部材98に対する前記第1ブレード部材96の上下方向の相対位置を調整することで、古い路面標示線130上に必要十分な厚みで新たな路面標示線128を塗布することができる。また、新たに舗装された路面42上に路面標示線128を塗布する場合には、図5に示すように前記第1ブレード部材96を最下位置とすることで好適な塗布を実現できる。
【0034】
このように、本実施例によれば、前記路面42上への路面標示線128の塗布に際してその路面42に対して平行を成す下端縁96bを有する第1ブレード部材96と、その第1ブレード部材96に隣接して設けられ、前記路面42上への路面標示線128の塗布に際してその路面42に対して非平行を成す下端縁98bを有する第2ブレード部材98と、その第2ブレード部材98に対して前記第1ブレード部材96を上下方向に昇降させる昇降装置100とを、備え、前記スリット状の開口126から流出させられた路面標示線用ペイント46が、前記第1ブレード部材96の下端縁96b及び前記第2ブレード部材98の下端縁98bの少なくとも一方によりならされて前記路面42上に塗布されるように構成されたものであることから、例えば摩耗等により経年劣化した古い路面標示線130上に新たな路面標示線128を塗り重ねる場合において、その古い路面標示線130の残り具合に応じて前記第1ブレード部材96と第2ブレード部材98との相対位置を変更することで、前記路面標示線用ペイント46をならすドクターブレードに対応する構成を前記古い路面標示線130の形状に適したものとすることができる。すなわち、必要十分な厚みで路面標示線128を塗布するペイント塗布装置10を提供することができる。
【0035】
また、前記第2ブレード部材98の下端縁98bは、幅方向中央に向かうにつれて前記路面42との距離が漸増する弧状部98aを備えたものであるため、例えば車道の中央線等、摩耗等により両側縁が磨り減った古い路面標示線130上に新たな路面標示線128を塗り重ねる場合において、その古い路面標示線130の形状に合わせて必要十分な厚みで新たな路面標示線128を塗布することができる。
【0036】
また、前記スリット状の開口126から流出させられた路面標示線用ペイント46上にガラスビーズを散布するガラスビーズ散布装置としての前記ガラスビーズ収容箱20、ホース36、散布器38、及び開閉操作レバー40を備えたものであるため、例えば摩耗等により経年劣化した古い路面標示線130上に新たな路面標示線128を塗り重ねる場合において、塗布された新たなペイント上に好適にガラスビーズを付着させることができる。
【0037】
続いて、本発明の他の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明において、実施例相互に共通する部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
【実施例2】
【0038】
図11及び図12は、前記第2ブレード部材98の代替として前記ペイント塗布装置10に好適に設けられる他の第2ブレード部材132の構成を説明する図であり、図11は前記第1ブレード部材96が最下位置とされた状態、図12は前記第1ブレード部材96が最上位置とされた状態をそれぞれ示している。図11及び図12に示すように、本実施例の第2ブレード部材132の下端縁132bは、前記路面42上への路面標示線の塗布に際してその路面42に対して非平行を成すように構成されており、幅方向の一端(本実施例においてはペイント塗布装置10の前進方向に向かって右側)から他端(本実施例においてはペイント塗布装置10の前進方向に向かって左側)に向って前記路面42との距離が漸増するように構成されている。換言すれば、上記第2ブレード部材132の下端縁132bは、前記路面42に対して所定の角度で左上がりに傾斜するように構成されている。
【0039】
図13は、上記第2ブレード部材132を備えたペイント塗布装置10により前記路面42上に塗布された路面標示線128の一例を示す厚み方向の断面図であり、摩耗等により経年劣化した古い路面標示線130上に新たな路面標示線128を塗り重ねた状態を示している。この図13は、前記第1ブレード部材96及び第2ブレード部材132が図12に示すような相対位置関係とされた状態において塗布された路面標示線128を例示している。古い路面標示線130が車道に引かれた歩道との境界線等である場合には、図13に示すようにその路面標示線130において車両の走行車線に接する片側(図13では右側)縁が摩耗等により磨り減り、他方(図13では左側)に向けて厚みが比較的厚く残ることが考えられる。このような場合において、例えば前記第1ブレード部材96及び第2ブレード部材132を図12に示すような相対位置関係とした状態で塗布を行うことで、古い路面標示線130のペイントが比較的厚く残っている歩道側の部分にも新たなペイントを十分に塗布することができる。
【実施例3】
【0040】
図14は、前記ペイント塗布装置10に、前記第2ブレード部材98に対して前記第1ブレード部材96を自動で上下方向に昇降させる昇降装置134を適用した構成例を説明する図である。また、図15は、斯かる構成における前記第1ブレード部材96及び第2ブレード部材98付近の構成を詳しく説明する図である。図14に示すように、本実施例の昇降装置134は、前記雄ねじ108を軸心まわりに回転させることにより前記第1ブレード部材96の前記第2ブレード部材98に対する上下方向の相対位置を調整するサーボモータ等のアクチュエータ136を備えている。また、本実施例において、前記第1ブレード部材96は、その両端が前記1対の側板48の内側に設けられた案内溝138に嵌め入れられることにより、それら側板48乃至前記第2ブレード部材98に対する上下方向の相対移動可能に設けられている。また、上記昇降装置134は、前記第1ブレード部材96の下端縁96bと前記路面42との距離d2を検出するためにその第1ブレード部材96の幅方向中央部に設けられたセンサ140と、上記アクチュエータ136の作動を制御する電子制御装置142とを、備えている。なお、図14及び図15に示す例では、説明の便宜状センサ140が前記第1ブレード部材96の中央部に直接取り付けられた構成を示しているが、例えば塗布に際してペイントが流れ出てくる後方を避けて前方に取り付ける等、その取付位置は適宜設定される。
【0041】
以上のように構成された昇降装置134では、上記センサ140により検出された前記第1ブレード部材96の下端縁96bと前記路面42との距離d2を表す信号が上記電子制御装置142に供給されるようになっている。そして、その電子制御装置142は、上記センサ140により検出される距離d2が予め定められた例えば1.5mm程度の所定距離となるように上記アクチュエータ136の作動をフィードバック制御する。換言すれば、前記第1ブレード部材96の中央部における下端縁96bと前記路面42との距離d2を、予め定められた所定距離に維持する制御を行う。ここで、摩耗等により経年劣化した古い路面標示線130上に新たな路面標示線128を塗り重ねる態様において、上記センサ140は前記第1ブレード部材96の下端縁96bとその古い路面標示線130の表面との距離d2を検出する。従って、その距離d2が予め定められた所定距離となるように上記アクチュエータ136の作動をフィードバック制御することで、新たな路面標示線128の幅方向に渡って比較的均等な厚みでペイントを塗布することができる。
【0042】
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
【0043】
例えば、前述の実施例において、前記第1ブレード部材96及び第2ブレード部材98は、前記ペイント塗布装置10の進行方向に関して前記第1ブレード部材96が後方、前記第2ブレード部材98が前方となるように設けられたものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば前記ペイント塗布装置10の進行方向に関して前記第1ブレード部材96が前方、前記第2ブレード部材98が後方となるように設けられたものであってもよい。
【0044】
また、前述の実施例において、前記ペイント塗布装置10は、前記スリット状の開口126から流出させられた路面標示線用ペイント46をならすドクターブレードとして機能する第1ブレード部材96及び第2ブレード部材98を備えたものであったが、これら2枚のブレード部材に加えて第3のブレード部材を備えたものであってもよい。斯かる態様においては、前記第2ブレード部材98に対して前記第1ブレード部材96を上下方向に昇降させる昇降装置100等に加えて、前記第2ブレード部材98に対して上記第3のブレード部材を上下方向に昇降させる昇降装置が設けられる。
【0045】
また、前述の実施例では、前記シャッタ機構34の一部を成す固定側シャッタ部材52と、前記第2ブレード部材98とが別体の部材として構成されたものであったが、これらが単一の部材として一体に構成されたものであってもよい。すなわち、前記スリット状の開口126の一部を構成すると共に、前記路面42上への路面標示線128の塗布に際してその路面42に対して非平行を成す下端縁を有する第2ブレード部材が、前記第1ブレード部材96に隣接して設けられたものであってもよい。
【0046】
また、前述の実施例において、前記昇降装置100、134は、雌ねじ穴106及び雄ねじ108を備え、その雄ねじ108が雌ねじ穴106に対して軸心まわりに回転させられることにより前記第2ブレード部材98に対して前記第1ブレード部材96を上下方向に昇降させるものであったが、例えばその第1ブレード部材96を前記第2ブレード部材98に対して上下方向に昇降させる油圧シリンダを備え、その油圧シリンダに供給される油圧を制御することにより前記第1ブレード部材96及び第2ブレード部材98の上下方向の相対位置を変更(調整)するものであってもよい。
【0047】
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0048】
10:路面標示線用ペイント塗布装置
20:ガラスビーズ収容箱
22:塗料溶融釜(ペイント貯留装置)
32:ホッパ
36:ホース
38:散布器
40:開閉操作レバー
42:路面
46:路面標示線用ペイント
96:第1ブレード部材
96b:下端縁
98、132:第2ブレード部材
98a:弧状部
98b、132b:下端縁
100、134:昇降装置
126:開口
128:路面標示線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペイント貯留装置から供給される流動状態の路面標示線用ペイントを受け入れるホッパを備え、該ホッパに受け入れられた路面標示線用ペイントをスリット状の開口から流出させて該開口の長さに対応する幅寸法の路面標示線を路面上に塗布する形式の路面標示線用ペイント塗布装置であって、
前記路面上への路面標示線の塗布に際して該路面に対して平行を成す下端縁を有する第1ブレード部材と、
該第1ブレード部材に隣接して設けられ、前記路面上への路面標示線の塗布に際して該路面に対して非平行を成す下端縁を有する第2ブレード部材と、
該第2ブレード部材に対して前記第1ブレード部材を上下方向に昇降させる昇降装置と
を、備え、
前記スリット状の開口から流出させられた路面標示線用ペイントが、前記第1ブレード部材の下端縁及び前記第2ブレード部材の下端縁の少なくとも一方によりならされて前記路面上に塗布されるように構成されたものである
ことを特徴とする路面標示線用ペイント塗布装置。
【請求項2】
前記第2ブレード部材の下端縁は、幅方向中央に向かうにつれて前記路面との距離が漸増する弧状部を備えたものである請求項1に記載の路面標示線用ペイント塗布装置。
【請求項3】
前記スリット状の開口から流出させられた路面標示線用ペイント上にガラスビーズを散布するガラスビーズ散布装置を備えたものである請求項1又は2に記載の路面標示線用ペイント塗布装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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