説明

身体の一部に圧迫処置を施すための装置、システムおよび方法

身体の一部に圧迫治療を施すための装置は、少なくとも部分的に身体の一部を取り囲むように構成された圧迫部材(20)、および圧迫部材を締め付けて身体の一部に圧迫力をもたらすように構成された作動ユニット(10)を備える。作動ユニットは、活物質アクチュエータを有している。そのような装置を備えるシステムおよびその治療上、美容上、非治療上の使用および作動の方法も開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、身体の一部に圧迫処置を施すための装置に関する。また、この開示は、そのような装置を備える圧迫処置のためのシステム、およびそのような装置を用いた圧迫処置に関する。
【0002】
さらに、この開示は、圧迫処置のための装置に用いることができるアクチュエータばかりでなく、ストラップで対象物の周りを締め付ける他の用途に関する。
【背景】
【0003】
圧迫療法は、深部静脈血栓(DVT)、血管障害、循環疾患、浮腫、(カウンターパルセーションによって治療される)心臓病、リンパ水腫、火傷および塞栓症といった、これらには限定されない多くの症状の治療および/または予防に用いることができる。他の用途の分野は、ストレス治療、マッサージ治療、血圧監視、人工装具のための調整機構、およびG(重力加速度)の力に曝されるパイロットあるいはレースカードライバの身体に血液が鬱血することを防止するためのスーツである。
【0004】
米国特許公開第2004/0073146号公報は、深部静脈血栓の発症リスクを減少させるべく四肢の血流を改良するための携帯機器を開示している。この装置は、四肢の周囲に巻き付けられるストラップと、圧迫力を四肢に負荷するべく往復運動によってストラップを引っ張る構造のモータを有したハウジングとを備えている。
【0005】
この米国特許公開第2004/0073146号公報のモータは電磁気タイプであり、重量に対する出力の比率が小さく、したがって非常にかさばる装置である。開示されているモータと動力伝達要素の低い効率との組み合わせると、バッテリ寿命が短くなる。さらにまた、この装置は、往復運動の時間よりも長い時間にわたって圧力を維持するための複雑なロック機構を必要とする。また、従来の電磁気モータのトルク特性により、この技術を用いたコンパクトな形態で深部静脈血栓を予防するために必要な力を満たすことは困難である。さらにまた、往復運動が中間機構によって生み出され、かつ患者毎に組織の機構が異なるため、ストラップによって患者に負荷される実際の出力はほとんどあるいは全く制御されない。
【0006】
米国特許公開第2002/0173735号公報は、心臓病あるいは循環器疾患における体外性カウンターパルセーション療法のための装置を開示している。この装置は、患者の四肢に巻き付けるカフを備えている。このカフの端部は、そのアクチュエータの電気的な活性化が締め付けを生じさせるように互いに取り付けられる。アクチュエータは、往復運動を典型的に供給するソレノイドアクチュエータとすることができる。
【0007】
米国特許公開第2002/0173735号公報の装置は、往復運動の期間よりも長い期間にわたって力を保持するようにソレノイドアクチュエータを作ることができず、低い周波数あるいは静的な動きをもたらすためには非常に高い電流が必要となるため、ショックの負荷にのみ適している。また、この装置は、重量に対する出力の比率が小さく、結果として重い装置となる。さらにこの装置は、カフをしっかりと取り付ける必要があるため、小さな動きしか供給することができない。
【0008】
さらに、ソレノイドアクチュエータは小さな動きしか供給できないため、カフをしっかりと取り付ける必要がある。アクチュエータの動きの制約もまた、患者の組織の順応性に打ち勝ってかなりの力のレベルに到達するために患者に負荷することができる実際の力を制限する。
【0009】
米国特許第6,494,852号公報は、制御装置からの流体を供給する管路に連結されている膨張可能なセルを有したスリーブを備えた、携帯して歩行できる空気圧式の圧迫装置を開示している。
【0010】
米国特許第6,494,852号公報に開示されているような空気圧作動の使用もまた、重量に対する出力の比率が小さく、結果として大きな装置になる。さらに、圧縮空気を周囲に排気することによる各収縮サイクル毎のエネルギの浪費に加えて、それらのコンプレッサ、弁、アキュムレータ、管路およびブラダ膨張に多くのエネルギを浪費するため、この空気圧式装置の効率は低い。したがって、そのような装置は、必要以上に大きいパワーユニットを必要とし、バッテリ寿命が短くなる。空気圧式ブラダの使用もまた、大きく、患者の四肢の周りの呼吸できない衣類に帰結する。
【0011】
身体の一部の周りに巻き付けることが意図されている活物質から構成されたストラップあるいはカフを有した圧迫装置が、米国特許第5,997,465号公報、米国特許第6,123,681号公報、米国特許第6,198,204号公報、欧州特許公開第1324403号公報、米国特許公開2004/0167375号公報、国際公開2004/093763号公報、および米国特許公開2005/0043657号公報に示されている。これらの装置は、一般に大量の活物質を必要とし、したがって、現時点では高いコストの用途にのみ適している。また、これらの文献に示されているいくつかの概念は、大規模な生産において達成することができない、あるいは公知の材料では多くの起動サイクルにわたって維持することができない特性の活物質を必要とする。
【0012】
従来技術の構成は、それぞれ活物質の特性に過度の負荷をもたらす。この材料は、大きく変化する幾何学的形状および組織の順応性により、ストロークおよび力の極端な組合せを患者に作用させることが求められる。したがって、この装置は過剰な材料あるいはきわめて高性能な材料を必要とし、高コストな装置および実際的な装置における信頼性および安全性の問題の増加につながる。
【0013】
したがって、身体の一部に圧迫治療を施すための改善された装置が必要である。
【発明の概要】
【0014】
この開示の一つの目的は、従来技術の短所の一部あるいは全てを排除しあるいは少なくとも緩和する、身体の一部に圧迫療法を施すための装置を提供することにある。
【0015】
一つの特定の目的は、重量に対する出力の比率が改善された、身体の一部に圧迫療法を施すための装置を提供することにある。
【0016】
さらに他の目的は、適切なコストで製造することができる、身体の一部に圧迫療法を施すための装置を提供することにある。
【0017】
さらに他の目的は、歩行可能な治療に適したバッテリ寿命の長い装置を提供することにある。さらに他の目的は、圧迫療法を施す安全で使いやすい手段を提供することにある。
【0018】
さらに他の目的は、非常にコンパクトに作ることができて、身体の一部から外側への高さが低い圧迫療法のための装置を提供することにある。
【0019】
上述した目的は、添付の独立請求項の装置、システムおよび方法によって完全にあるいは部分的に満たされる。実施形態は、添付の従属請求項、以下の説明、および添付の図面に述べられている。
【0020】
第1の態様によると、身体の一部に圧迫療法を施すための装置が提供される。この装置は、身体の一部を少なくとも部分的に取り囲むように構成された圧迫部材(圧搾部材、圧縮部材、加圧部材)と、この圧迫部材を締め付けて身体の一部に圧迫力を負荷するように構成された作動ユニットとを備える。この作動ユニットは、活物質アクチュエータ(活物質アクチュエータ、活性物質アクチュエータ)を有している。「活物質(活性物質、作動材料)」は、エネルギ貯蔵機構の間に強い(他の一般的な材料において認められる連結に対して強い)連結をもたらす材料(物質)であると理解される。より詳しくは、この開示における「活物質(活性物質、作動材料)」という用語は、電気的、化学的または熱的なエネルギー貯蔵機構と、機械的なエネルギー貯蔵機構との間の(電気機械的、熱機械的、電気温度機械的、あるいは電気化学機械的な)力強い連結をもたらす材料(物質)をカバーすることが意図されている。
【0021】
そのような材料は研究団体によって分類されてきた。一般的に、そのような活物質は以下のグループ、電気活性ポリマー、電気活性セラミックおよび結晶、形状記憶材料に分類される。
【0022】
電気活性ポリマー(EAP)は、強誘電体、圧電体、電歪、エレクトレット、液晶エラストマ、マクスウェル応力活性エラストマおよびその複合体といった、電場により活性化される材料を含む。電気活性ポリマーはまた、電気化学的に活性化される導電性ポリマー、イオンポリマ金属複合体(IPMC)、カーボンナノチューブ、および電気活性ポリマーゲルを含む。このタイプの材料は、Bar-Cohen Y. (editor) : Electroactive Polymer (EAP) Actuators as Artificial Muscles: Reality, Potential, and Challenges, 2nd Edition, SPIE Press, Bellingham, 2004.に説明されかつ特徴づけられている。
【0023】
電気活性セラミックスおよび結晶は、圧電性、電歪および圧電性のセラミックポリマー複合体、磁歪材料、および単一結晶材料を含む。このタイプの材料は、Moulson A.J., Herbert J.M. : Electroceramics: Materials, Properties, Applications, 2nd Edition, John Wiley & Sons, West Sussex, 2003.に説明されかつ特徴づけられている。
【0024】
形状記憶材料は、温度によりあるいは磁場により活性化する形状記憶合金、および形状記憶ポリマーを含む。このタイプの材料は、Otsuka K., Wayman CM.: Shape Memory Materials, Cambridge University Press, Cambridge, 1999.において説明されかつ特徴づけられている。
【0025】
この急激に進化する分野においては、新しい材料が絶えず発見されあるいは設計されることが認められる。新しい活物質アクチュエータは、異例の性能を有する、そのような新しい材料から作成することができる。これにより、本出願の実施形態は、そのような進歩したアクチュエータ(および増加した出力、電力密度、あるいは運動速度から得られる利益)で実施することができる。
【0026】
活物質アクチュエータを用いることにより、低コストで製造することができ、かつ充分な出力性能を有した、コンパクトな圧迫装置を提供することができる。
【0027】
作動ユニットは、段階的に圧迫部材を締め付けるように構成することができる。段階的な締め付けにより、圧迫部材は、充分な運動をもたらすために反復される非常に小さい運動が可能なアクチュエータを利用することができる。
【0028】
この装置において、グリップ部材は、周期運動を実行するためにアクチュエータに接続することができる。また、グリップ部材は、圧迫部材に接続された可動部材に係合するように構成することもできる。周期運動は、例えば非対称とすること、楕円形とすること、実質的に円形とすること、実質的な往復運動とすることができる。
【0029】
可動部材は、周期運動の第1の部分の間にグリップ部材と共に動くことができ、かつ周期運動の第2の部分の間にグリップ部材に対して動くことができる。これにより、周期運動の第1の部分の間には、グリップ部材と可動部材との間に全くあるいはごくわずかな相対運動(滑り)しかなく、かつ周期運動の第2の部分の間には、グリップ部材と可動部材との間に滑りが生じあるいは完全に解放される。
【0030】
周期運動の第1の部分の間には、グリップ部材は可動部材と力を伝達する係合状態にあり、かつ周期運動の第2の部分の間には、力を伝達する係合状態が排除されあるいは実質的に減少する。
【0031】
この装置は、可動部材およびグリップ部材を互いの方に向けて付勢する手段をさらに備えることができる。そのような付勢手段は、作動ユニットの出力性能を増大させることができるが、例えばばねあるいは他の弾性要素の形態を取ることができる。
【0032】
グリップ部材には耐摩耗性のコーティングを設けることができる。そのようなコーティングそれ自体は、当業者に公知である。
【0033】
グリップ部材には、グリップを強化するためのコーティングを設けることができる。そのようなコーティングそれ自体は、当業者に公知である。
【0034】
作動ユニットは、第2のアクチュエータおよび第2のグリップ部材をさらに備えることができる。第1のグリップ部材および第2のグリップ部材は、協調させることができ、同時にあるいは交互に作動する。
【0035】
グリップ部材および第2のグリップ部材は、可動部材の対向する面上に配置することができる。
【0036】
代わりにあるいは補足として、グリップ部材および第2のグリップ部材は、可動部材の同一の面上に配置することもできる。
【0037】
周期運動の周波数は、約1〜200Hz、約0.2〜20kHz、あるいは約20kHz〜1MHzの範囲にある。
【0038】
可動部材の一方向の運動をもたらすための修正手段をさらに備えることができる。そのような修正手段は、グリップ部材と可動部材との間の滑りを低下させあるいは排除することにより、出力性能を増大させることができる。
【0039】
第1の原理によると、アクチュエータは、可動部材が移動可能な方向と平行に延びる動作領域を有することができ、可動部材は実質的な平面あるいはアクチュエータに対向してわずかに曲がる部分を有し、かつ、グリップ部材は可動部材に向かってアクチュエータから突出する。
【0040】
動作領域は、アクチュエータのうちの運動をもたらす部分である。
【0041】
第1実施形態においては、増幅手段を活物質の形態によってもたらすことができる。
【0042】
アクチュエータは少なくとも2つの電極組を備えることができ、各電極組はアクチュエータの活物質領域に作動的に接続されて個別に制御可能であり、かつアクチュエータの活物質領域はグリップ部材に作動的に接続される。
【0043】
電極組は、可動部材の運動方向を制御するために制御可能である。
【0044】
1番目の電極組は可動部材を第1の方向に移動させるべく制御可能であり、かつ、2番目の電極組は可動部材を第2の反対な方向に移動させるべく駆動可能である。
【0045】
アクチュエータは、少なくとも1つの有利な共振あるいは反共振周波数を有しており、かつ電極組の少なくとも1つは、この有利な共振あるいは反共振周波数において駆動可能である。
【0046】
修正手段は、グリップ部材に設けることができるが、グリップ部材が可動部材に対して可動な周期運動の一部の間には、身体の一部および圧迫部材を含むシステムによって対抗力がもたらされる距離よりも長いある距離だけ第1の方向に可動であり、かつ、周期運動の前記部分の間に可動部材を第2の反対な方向に動かすことができる。
【0047】
第2の実施形態において、修正手段は、少なくとも2つのグリップ部材を有している作動ユニットによってもたらすことができ、かつ各グリップ部材は、それぞれの周期運動を実行するために個別に制御可能である。
【0048】
この実施形態において、グリップ部材は、それぞれの周期運動の間に遅延して駆動されるように構成され、いかなる時点においても、グリップ部材のうち少なくとも一つが可動部材と力を伝達する係合状態にあるようにする。
【0049】
第2の原理によると、活物質は、増幅手段を介してグリップ部材に接続することができる。
【0050】
増幅手段は、導波部(波案内部)および/または波形成部(波整形)、若しくは等価な構造を有している。
【0051】
活物質および増幅手段は、活物質に負荷される第1の駆動周波数がグリップ部材の周期運動のうち第1の方向をもたらし、かつ、活物質に負荷される第2の異なる駆動周波数がグリップ部材の周期運動のうち第2の反対な方向をもたらすように構成することができる。
【0052】
修正手段はグリップ部材によってもたらされてもよく、グリップ部材が可動部材に対して可動な周期的運動の一部の間に、身体の一部および圧迫部材を含むシステムによって対抗力がもたらされる距離よりも長いある距離だけ第1の方向に可動であり、周期運動の前記部分の間に、前記対抗力によって可動部材を第2の反対な方向に動かすことができる。
【0053】
第3実施形態において、増幅手段は、グリップ部材および作動ユニットのハウジングまたはフレームに接続された共振ホーンを有することができる。
【0054】
アクチュエータは、共振ホーンの外縁に設けることができる。例えば、アクチュエータは、共振ホーンの節に設けることができる。
【0055】
共振ホーンは、グリップ部材に向かってテーパ状となっている(先細りしていく)断面を有することができる。
【0056】
第4実施形態において、増幅手段は、アクチュエータからグリップ部材に延びるフィンあるいはアームを有することができる。
【0057】
少なくとも2つのフィンが、アクチュエータから各グリップ部材へと延びることができる。
【0058】
第3の原理によると、可動部材には、グリップ部材と正方向に噛み合うための手段を設けることができる。そのような正方向の係合は、修正手段をもたらすことができる。
【0059】
正方向に噛み合う手段は、可動部材の運動方向と平行な方向に延びるラチェット構造を有することができる。
【0060】
正方向に噛み合う手段は、少なくとも2つの平行なラチェット構造を有することができる。
【0061】
第5の実施形態において、ラチェット構造は、グリップ部材と相互に作用するように構成された少なくとも一つの噛み合い面を具備している、順番に配置された複数の歯を有することができる。
【0062】
隣り合う二つの噛み合い面は、アクチュエータの最大ストロークより短い距離の間隔を開けて配置することができる。
【0063】
アクチュエータは、可動部材の意図された動く方向と平行な方向にグリップ部材を動かすように構成された第1の動作領域と、可動部材から離間する方向にグリップ部材を動かすように構成された第2の動作領域と、を有することができる。第1の動作領域は、可動部材の意図された動く方向と平行な方向において第1の速度で、かつ、第2の実質的に反対な方向においてより速い第2の速度で、グリップ部材を動かすように構成することができる。第2の速度は、圧迫された身体の一部からの抗力にもかかわらず、可動部材をその意図された方向に移動させるのに十分に構成することができる。
【0064】
グリップ部材および可動部材は、第1および第2の運動の間に、互いの方に向かって付勢されることができる。
【0065】
第6実施形態において、各フックを有している各グリップ部材は、各ラチェット構造と相互に作用するように構成されるようにしてもよい。
【0066】
グリップ部材は、いつの時点においてもその少なくとも一つが関連するラチェット構造と力を伝達する係合状態にあるように、各周期運動の間に遅延して駆動されるように構成することができる。
【0067】
第4の原理によると、可動部材はその意図された運動方向と実質的に平行に延びるガイド部材を有し、グリップ部材はガイド部材との解放可能な係合のために制御可能で第1および第2の長手方向に間隔を開けて配置された締付部材を有し、グリップ部材は締付部材の間で延びる長手方向運動部材をさらに有し、長手方向運動部材はガイド部材と平行な方向において制御可能に伸縮するように構成することができる。
【0068】
締付部材および長手方向運動部材は、個々に制御可能とすることができる。締付部材および長手方向運動部材は、以下の状態において駆動可能である。
a)それによって両方の締付部材がガイド部材に対して力を伝達する状態となる係止状態
b)それによって締付部材のうちの1番目がガイド部材に対して力を伝達する状態にあって、締付部材のうちの2番目がスペースの壁に対して可動であり、かつ、長手方向運動部材が膨張しかつ収縮する第1の運動状態
c)それによって締付部材のうちの2番目がガイド部材に対して力を伝達する状態にあり、締付部材のうちの1番目がガイド部材に対して可動であり、かつ、長手方向運動部材が膨張しかつ収縮する第2の運動状態
【0069】
第5の原理によると、アクチュエータは、可動部材の意図された方向と実質的に平行な平面内の成分を含む往復運動をグリップ部材に行わせるように構成することができ、それによって修正手段は、往復運動の第1の部分の間にグリップ部材と可動部材の間に高い摩擦をもたらしてグリップ部材をその平面内において第1の方向に動かし、かつ往復運動の第の部分の間にグリップ部材と可動部材の間に低い摩擦をもたらしてグリップ部材が第2の反対の方向に動かすために設けられる。
【0070】
修正手段は、グリップ部材と可動部材との間に設けることができる。
【0071】
修正手段は、アクチュエータが固定的に取り付けられるベース部材と可動部材との間に設けることができる。
【0072】
修正手段72は、傾斜したミクロ繊維(微細繊維)を有することができる。
【0073】
修正手段は、傾斜したミクロ繊維と相互作用するように構成されたラチェット構造を有することができる。
【0074】
この装置は、修正手段を少なくとも部分的に解放するための手段を選択的に備え、第1および第2の方向の両方においてグリップ部材と可動部材との間の相対運動を可能にすることができる。
【0075】
第6の原理によると、作動ユニットは、身体の一部と、圧迫部材あるいはこの圧迫部材に接続されている接続部材と、の間の半径方向の距離を制御するように構成することができる。
【0076】
作動ユニットは、圧迫部材あるいは接続部材のうち周囲方向(外周方向)に間隔を開けて配置されている2つの間を延びる取り付けベースを有し、かつ、取り付けベースと、圧迫部材あるいはこの圧迫部材に接続されている接続部材と、の間の半径方向の距離を制御するための、制御可能に曲がることができるアクチュエータ要素を設けることができる。
【0077】
ラチェット機構は、アクチュエータ要素の縁部との相互作用のために取り付けベース上に設けることができる。
【0078】
アクチュエータ要素の対向縁部が各ラチェット構造と係合し、かつアクチュエータ要素の中央部分が圧迫部材あるいは接続部材と係合するようにすることができる。
【0079】
一実施形態においては、可動部材を圧迫部材に組み込むことができる。
【0080】
一実施形態においては、可動部材を圧迫部材と単一片として形成することができる。
【0081】
一実施形態においては、可動部材を圧迫部材に固定的に取り付けることができる。
【0082】
他の実施形態においては、可動部材を接続部材によって圧迫部材に接続することができる。
【0083】
他の実施形態においては、可動部材を圧迫部材に解放可能に取り付けることができる。
【0084】
第7の原理によると、可動部材は実質的に中心軸の回りに回転可能に構成された回転可能部分を有することができ、グリップ部材はこの回転可能部分の面に作用するように構成される。
【0085】
グリップ部材は、中心軸からある距離において回転可能部分の面に係合するように構成することができ、スピンドルはその中心軸の回りに回転可能でありかつ、その回転可能な部分に接続され、圧迫部材またはこの圧迫部材に接続されている接続部材をそのスピンドル上に巻き付けることができる。
【0086】
単一の圧迫部材または単一の接続部材を、スピンドル上に巻き付けることができる。
【0087】
2つあるいは2つより多くの圧迫部材または接続部材は、スピンドル上に巻き付けることができ、かつ、中心軸から本質的に異なる方向に延び出る。
【0088】
回転可能な部分およびスピンドル部材の有効直径を異ならせることができる。
【0089】
少なくとも2つの回転可能な部分をスピンドルに接続することができ、かつ、各アクチュエータは回転可能部分と相互作用するように構成することができる。
【0090】
回転可能な部分は、実質的にスピンドルの各端部に配置することができる。
【0091】
増幅手段は、活物質の形態構造によって提供される。
【0092】
アクチュエータは、少なくとも2つの電極組を有し、各電極組はアクチュエータの活物質領域に作動的に接続されて個別に制御可能であり、かつアクチュエータの活物質領域をグリップ部材に作動的に接続することができる。
【0093】
電極組の1番目は、可動部材を第1の方向に移動させるために制御可能であり、かつ、2番目の電極組は、可動部材を第2の反対な方向に移動させるために駆動可能である。
【0094】
アクチュエータは、少なくとも1つの有利な共振周波数あるいは反共振周波数を有することができ、電極組の少なくとも1つをその有利な共振周波数あるいは反共振周波数で駆動することができる。
【0095】
作動ユニットは、個別に駆動可能な2つのアクチュエータを有することができる。
【0096】
アクチュエータは、異なる位相で駆動することができる。
【0097】
アクチュエータのうちの少なくとも一つを、可動部材に対して鋭角に配置することができる。
【0098】
少なくとも一つのアクチュエータは、少なくとも1つの有利な共振周波数あるいは反共振周波数を有しており、かつアクチュエータの電極組の少なくとも1つをその有利な共振周波数あるいは反共振周波数で駆動することができる。
【0099】
第8の原理によると、アクチュエータは、ホーン励起タイプモータ、定在波回転モータ、移動進行波モータおよび超音波モータより構成されるグループから選択されるモータを有することができ、圧迫部材あるいはこの圧迫部材に接続された接続部材をスピンドル上に巻き付けることができる。そのようなモータは、回転モータとすることができる。
【0100】
モータは、動力伝達機構を介してスピンドルに接続することができる。
【0101】
単一の圧迫部材あるいは単一の接続部材をスピンドル上に巻き付けるようにしてもよい。2つあるいは2つより多くの圧迫部材あるいは接続部材は、スピンドル上に巻き付けることができ、かつ中心軸から本質的に異なる方向に延び出るようにしてもよい。
【0102】
モータの回転可能な出力部分は、スピンドルと同軸とすることができる。
【0103】
圧迫部材は、主として1つ若しくは複数の受動的な材料から形成することができる。
【0104】
しかしながら、そのような受動的な材料は、例えば弾性的、圧迫可能、堅固あるいは可撓性とすることができる。
【0105】
作動ユニットの少なくとも一つを身体の一部と平行な方向に配置することができるとともに、圧迫部材はこの少なくとも一つの作動ユニットから実質的に垂直な方向に延びることができる。
【0106】
作動ユニットは、異なる方向に延びる2つの圧迫部材または身体の一部を少なくとも部分的に取り巻いている単一の圧迫部材の2つの端部を、締め付けるように構成することができる。
【0107】
少なくとも2つの作動ユニットを並列に配置し、各作動ユニットが少なくとも一つの圧迫部材を締め付けるように構成することができる。
【0108】
作動ユニットは、それらを反対方向に引っ張ることによって圧迫部材を締め付けるように構成することができる。
【0109】
第2の態様によると、身体の一部に圧迫療法を施すための装置が提供される。この装置は、身体の一部を少なくとも部分的に取り囲むように構成されるとともに、身体の一部に段階的に圧迫力を負荷するように構成された作動ユニットを備える。この作動ユニットは活物質、すなわち、電気的にあるいは電気化学的な刺激を受けるとその幾何学的な特性を変える材料のアクチュエータを有する。
【0110】
活物質アクチュエータは、外周方向(周囲方向、円周方向)に膨張可能(伸長可能)および収縮可能である
【0111】
活物質は、その収縮速度より速い膨張速度を有することができる。作動ユニットは、実質的に円周方向において互いに相対移動可能な第1および第2の部分を有しており、第1の部分にラチェット構造を設け、かつ第2の部分にグリップ部材を設けることができる。
【0112】
作動ユニットは、2つのグリップ部材を有することができ、各グリップ部材はラチェット構造と相互に作用し、かつ各ラチェット構造は個別に制御可能とすることができる。
【0113】
グリップ部材は、いつの時点においてもその少なくとも一つが関連するラチェット構造と力を伝達する係合状態にあるように、各周期運動の間に遅延して駆動されるように構成することができる。
【0114】
グリップ部材は、第2の部分の最も外側の縁部に配置することができる。
【0115】
ラチェット構造およびグリップ部材は、互いの方に向けて付勢されることができる。
【0116】
グリップ部材は、ラチェット構造に係合して身体の一部に対する圧迫力を維持するように構成された、曲がることができる要素を制御するための第2のアクチュエータを有することができる。
【0117】
アクチュエータおよび曲がることができる要素は、2層構造を形成することができる。
【0118】
曲がることができる要素は、実質的に第2の部分の外縁部を封じ込めるように配置することができる。
【0119】
曲がることができる要素は、活物質アクチュエータと単一片として形成することができる。
【0120】
ラチェット構造と接触するように設計された曲がることができる要素の一部に、グリップあるいは摩耗を改善するコーティングを設けることができる。
【0121】
この装置は、身体の一部の周りのスリーブを形成するように寸法決めしかつ構成することができる。
【0122】
この装置は、その縁部を互いに接続してスリーブを形成するための接続手段が設けられている対向縁部を有した、シートとして形成することができる。作動ユニットと、もし有れば圧迫部材が作動層を形成することができる。この装置は、作動層と身体の一部との間に配置されたセンサ層、このセンサ層あるいは作動層と身体の一部との間に配置された内側層、および作動層の外側に配置された外側層、のうちの少なくとも一つを有することができる。
【0123】
内側層およびセンサ層を一体化して使い捨て層を形成することができる。
【0124】
そのような使い捨て層は、機械的および/または電気的に作動層に接続するための手段を有することができる。そのような使い捨て層は、この使い捨て層から作動層あるいは装置の外側にある制御装置に信号を伝達するための手段を有することができる。
【0125】
第3の態様によると、上述した装置と、この装置に接続されるとともにこの装置に制御信号をもたらすように構成された制御装置と、を備えるシステムが提供される。
【0126】
このシステムにおいては、装置が少なくとも一つのセンサ要素を有しているセンサ層を備え、制御装置がこのセンサからのフィードバック信号を受け入れるように構成することができる。制御ユニットは、少なくとも部分的に装置に組み込むことができる。
【0127】
第4の態様によると、深部静脈血栓(DVT)、血管障害、循環障害、浮腫、心臓病、リンパ水腫および塞栓より構成されるグループから選択される状態を治療および/または防止するための身体の一部に圧迫処置を施すための装置の使用が提供される。
【0128】
第5の態様によると、G(重力加速度)の力にさらされる人物の身体の一部における鬱血を防止しあるいは打ち消すための、身体の一部に圧迫処置を施すための装置の使用が提供される。
【0129】
第6の態様によると、ストレス治療、マッサージ治療、血圧監視、あるいは人工器官の適合調整機構のための、身体の一部に圧迫処置を施すための装置の使用がもたらされる。
【0130】
第7の態様によると、身体の一部に圧迫処置を施すための装置の非治療上の使用がもたらされる。
【0131】
第8の態様によると、上述した身体の一部に圧迫処置を施すための装置の非医学的な使用がもたらされる。そのような非医学的な目的の実施例には、セリュライトの低減および乳房強化のような美容整形療法が含まれる。非医学的な療法の他の実施例には、リラクゼーションを目的とするマッサージ処置が含まれる。
【0132】
第9の態様によると、身体の一部に圧迫処置を施すための装置を作動させる方法であって、身体の一部を取り囲んでいる部材を締め付けて身体の一部に圧迫力を負荷し、この部材に接続されるとともに活物質アクチュエータを有している装置の作動ユニットを制御して圧迫力を段階的に負荷する方法がもたらされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0133】
図1a〜図1dは、各身体の一部2の周りに配置された圧迫装置1を模式的に示している。図示されている身体の一部は、例示にすぎない。脚部、下腿、上腿、下腕、上腕、胴、腹部、その他といった任意の所望の身体の一部にフィットするようにこの圧迫装置を形成できることは理解される。各圧迫装置1が備えている作動ユニット10は、例えば外部電源(図示せず)、制御装置(図示せず)あるいは、監視装置(図示せず)との接続のためのコネクタ12を有することができる。また、図示されているものは、圧迫装置2の外側の織物13である。さらにまた、この圧迫装置1は、身体の一部の周りに巻き付けるシートの形態とすることができ、(ベルクロ(登録商標)のような)フックおよびループ装置、ジッパー、ボタン、糸、粘着テープ、その他の形態とすることができる取付構造11によって、その縁部を互いに接続することができる。他の選択肢として、この圧迫装置は、被らせて装着するスリーブ、すなわち取付け構造を有しないスリーブの形態とすることができる。
【0134】
図1a〜図1bに示されている実施形態においては単一の作動ユニット10が設けられているが、図1c〜図1dに示されている実施形態においては、2つの作動ユニット10が並列に設けられ、これらの作動ユニット10の間には電子機器部分17が配置されている。
【0135】
図2は、圧迫装置の一実施形態におけるいくつかの構成要素を模式的に示す分解斜視図である。図2に示されている実施形態においては、圧迫装置が外側層13と内側層16を備えている。明瞭さのために、電子機器、バッテリ、ケーブル、再充電ユニット、その他は図2には示されていない。
【0136】
外側層13および内側層16の間に配置されているアクチュエータ層14は、1つ若しくは複数の作動ユニット10と、場合によっては1つ若しくは複数の圧迫部材20とを有している。
【0137】
作動ユニットおよび圧迫部材は、後述する実施形態のいずれかに基づいて設計することができる。そのような実施形態の組合せもまた提供することができる。
【0138】
図2に示されている実施形態においては、3つの作動ユニット10が、身体の一部2(図1)と並列に延びる選択的な可撓性の基板21上に配置されている。圧迫部材20a、20bは、アクチュエータ10から延びて、これらの圧迫部材を使用するときに少なくとも部分的に身体の一部2(図1)を取り囲むようになっている。
【0139】
さらにまた、アクチュエータ層14と身体の一部2との間に選択的なセンサ層15を設けることができる。このセンサ層は、1つ若しくは複数のセンサあるいはセンサ配列30を有し、治療上の必要に応じて、例えば圧力(例えば、表面圧あるいは血圧)、温度、流れ(例えば血流)を測定するために用いることができる。
【0140】
センサ層のセンサは、圧迫装置を使用する間にフィードバックを出力するために、制御装置に接続することができる。
【0141】
外側層13は、圧迫装置2に魅力的な外観を与えるために、かつ例えば流体、塵、垢等の外部環境から圧迫装置2を保護するために選択することができる。
【0142】
また、外側層には、ボタン等のような1以上の入力装置、及び/又は、ディスプレイや表示ランプ等のような1以上の出力装置を備えるユーザインタフェースを、設けることができる。
【0143】
内側層16は、アクチュエータ層と身体の一部2との間に滑らかな変化(つなぎ)をもたらすように選択することができる。また、内側層16は、流体、塵、垢等から圧迫装置を保護するように選択することができる。また、内側層は、滲出液を吸収するように選択することができる。内側層は、例えば使い捨ての靴下あるいは吸収材料として提供することができる。
【0144】
異なる機能を奏するいくつかの層から内側層を構成するとともに、その幾つかを使い捨て及び/又は交換可能とすることも認められる。
【0145】
1つ若しくは複数の層を互いに一体化することができる。例えば、内側層をセンサ層と一体化することができるし、外側層をアクチュエータ層と一体化することができるし、かつセンサを例えば圧迫部材の内側に一体化する、すなわちアクチュエータ層と一体化することができる。他の方法として、アクチュエータ層と内側層、また選択的にセンサ層を一体化することができる。さらに他の方法として、選択的に取り外し可能で再利用可能な部分を形成している作動ユニットと全ての層とを一体化することができる。
【0146】
上述したように、作動ユニット10は活物質アクチュエータ(活性物質アクチュエータ、作動材料アクチュエータ)を有している。活物質(活性物質、作動材料)の例には、圧電セラミックス、電歪セラミックス、磁歪素子、磁場活性型記憶合金、および強誘電性ポリマー(例えば圧電型、電歪型、マクスウェル応力型およびその複合体)が含まれる。
【0147】
活物質の更なる実例には、導電性ポリマー、カーボンナノチューブ、イオン導電性高分子金属複合体および温度活性型形状記憶樹脂が含まれる。
【0148】
活物質のさらに他の実例には、ゲル、形状記憶ポリマー(温度あるいはpH活性型)が含まれる。
【0149】
作動ユニットは、所望の圧迫ストロークを少なくとも2つ、好ましくは多数の運動周期あるいは段階で機能するアクチュエータによって生じさせるべく、圧迫部材を段階的に締め付ける構成とすることができる。
【0150】
例えば、圧電セラミックス、電歪セラミックス、および磁歪素子は、所望の圧迫ストロークを生じさせるために10〜数十万のサイクル(周期)あるいはステップ(段階)を用いることができる。
【0151】
形状記憶合金、導電性ポリマー、イオン導電性高分子金属複合体、およびいくつかの強誘電体ポリマーは、所望の圧迫ストロークを生じさせるために数百から数千のサイクル(周期)あるいはステップ(段階)を用いることができる。
【0152】
いくつかの強誘電体ポリマーおよび導電性ポリマーは、所望された圧迫ストロークを生じるさせために数十から数百の(周期)あるいはステップ(段階)を用いることができる。
【0153】
一般的に、2つのサイクルあるいはステップの間の圧力差はごくわずかであるから、既存のフィードバック機構を単純化するためには多数のステップ(段階)が望ましい。
【0154】
さらにまた、アクチュエータの周期的な挙動の観点から、身体の一部の周りに圧迫部材20を締め付けるための運動を提供するために修正手段(調整手段)が必要となり得る。さもなければ、圧迫部材は、アクチュエータの作動周波数に対応する周波数で、かつきわめて小さい事実上効果のない振幅で、その下にある身体の一部を圧迫するために単に前後に動く。いくつかの実施形態において、この修正手段は、非対称あるいは楕円形の運動を奏するアクチュエータによってもたらすことができる。例えば、非対称の運動は、アクチュエータの形態によってもたらすこともできるし、曲げ、積み重ね、シンバル、複数DOFアクチュエータによって提供することができる。選択的に、運動を生じさせるために2つあるいはより多くのアクチュエータの位相をずらして並列に作動させることもできるが、その場合はアクチュエータを対称形とすることができる。
【0155】
また、修正手段は、例えば多数の電極、非対称形のアクチュエータ、連成モード、進行波あるいは並列アクチュエータを用いて、活物質を共振あるいは反共振振動モードで駆動することにより提供することができる。
【0156】
アクチュエータとグリップ部材の間に、非対称あるいは楕円形の運動を実行するインタフェース機構を設けることができる。インタフェース機構は、例えばそれに適当な形状を与えることによって、共振あるいは反共振モードで使用することができる。インタフェース機構はまた、運動を増幅させるために用いることができる。
【0157】
また、位相をずらしつつ並列に作動する多数のアクチュエータを用いることができる。
【0158】
さらにもう一つの変形例は、グリップ部材あるいは可動部材に微小なあるいはメソスケールのラチェットを設けることである。また、前進あるいは後退運動のための第1のアクチュエータと、グリップ部材と可動部材との間の相互作用を制御するための第2のアクチュエータとを設けることができる。
【0159】
「跳び歩く(ホッピング、hopping)」アクチュエータの使用が、ホッピング周波数(跳び歩きの周波数)が身体および圧迫部材の動特性より高い周波数であることを必要とすることは認められる。その結果、伝達される力がほとんどないアクチュエータの作動周期の一部の間に、圧迫部材が作動ユニットに対し不意に動く(滑る)ことはない。
【0160】
また、静かな作動を所望する場合、跳び歩きの周波数(ホッピング周波数)は20kHz以上でなければならない。
【0161】
低い跳び歩き周波数(低いホッピング周波数)は、慣性による係止構造との組み合わせによって滑りを防止する。
【0162】
「2重締め付け(double clamping)」は、2つあるいはより多くのアクチュエータの協調した作動によって提供することができるが、少なくとも一つのアクチュエータがいかなるときも可動部材を保持する。
【0163】
本願明細書に開示されている実施形態は、摩擦係合あるいは正方向の噛み合いによる、パワーダウン時の戻り止めを提供する。すなわち、それらは、動力が付加されたときに作動し、動力が付加されないときに可動部材を保持する。したがって、アクチュエータは運動の間に動力を消費するだけである。
【0164】
圧迫部材は、一般的に薄い、選択的に空気を通すハーネスあるいはストラップであり、身体の一部の形状に適応するのに十分なだけの可撓性および/または湾曲性、屈曲性を有する。選択的に、圧迫部材を弾力性とすることができる。
【0165】
特に身体の一部の一方の側に一つの作動ユニットだけがある場合、圧迫部材20は、一つが作動ユニットの作動によって動き、一つが身体の一部に対して実質的に静止している2つの層を備えることができる。望ましくは、身体の一部に対して剪断力を伝達しないように、層の間の摩擦は小さくなければならない。その代わりに、圧迫部材が内側層16に対して低い摩擦を呈することもできる。
【0166】
選択的に、圧迫部材は、身体の一部の輪郭に合致するように形作ることができる。
【0167】
圧迫部材20の上にあるいはそれに接続して取り付け構造11を設けることができる。
【0168】
圧迫部材20は、異なるサイズあるいは長さで設けることができるし、異なるサイズの身体の一部にフィットするように交換することができる。
【0169】
また、圧迫部材20の剛性は、意図する用途に合わせて選択することができるが、深部静脈血栓症の予防および他の高速あるいは衝撃タイプの圧迫治療の場合にはより固くし、VLUあるいはリンパ浮腫のようなより疑似的な静止圧迫療法のためには固くなくする。
【0170】
内側層13及び/又は外側層16、並びに、選択的なセンサ層15と共に、圧迫部材20は、低コストの材料から製造することができるし、殺菌のためにあるいは寿命/性能との妥協のために使い捨てのパッケージに組み込むことができる。
【0171】
ここで、説明を作動ユニット10の異なる実施形態に向ける。
【0172】
以下の実施形態のほとんどは、電場で活性化する(すなわち強誘電性)材料が意図されているが、他のタイプの活物質を用いて提供することができる。例えば、電気化学的に活性化されるポリマーの変形例は、いくつかのサイクルにわたる信頼できる作動を保証するために、電解質および対向電極を必要とする。温度で活性化される記憶材料は、加熱源(電気抵抗あるいは流体/空気供給システム)およびヒートシンク、流体の供給あるいはペルティエ装置のような冷却手段を必要とする。
【0173】
これらの装置は、材料の膨張(伸張)/収縮特性に起因してわずかに相違する。例えば、ポリマーおよびセラミックは、励起されると、多くの場合に主軸に沿って伸張し他の軸に沿って収縮するが、その一方で記憶合金は収縮するように作ることができる。駆動信号は、電圧、電流、作動周波数および波形の点で異なる。いくつかの材料、例えば記憶合金は、それらを最初の構造に戻すために付勢ばねを必要とする。そのようなばねは、アクチュエータに直接実装し、あるいは実施形態に示すように付勢ばねとして二重にすることができる。
【0174】
いくつかの開示した実施形態においては、アクチュエータは圧迫部材を直接引っ張ることができる。しかしながら、このことは必ず必要という訳ではなく、時には望ましくない。それに代えて、圧迫部材に取り付けられあるいは取り付け可能であり、その他の部分がアクチュエータと相互に作用する接続部材を設けることができる。このことは、アクチュエータの接触領域に滲出液が侵入することを防止するために望ましい。また、接続部材を用いることは、アクチュエータと圧迫部材との間でエネルギーを変換し、身体およびアクチュエータの動特性によりマッチし、寿命を改善し、あるいは圧迫部材を使い捨てとしつつアクチュエータおよびその接続部材の再利用を可能にするために望ましい。
【0175】
全ての実施形態において、ユーザー及び/又はアクチュエータを過大な力から保護するために機械的な「ヒューズ」を設けることができる。そのようなヒューズの実例は、予め設計された破壊強度を有している織物であるフックおよびループタイプのファスナー、ボタンあるいは迅速解放スナップのような一般的に用いるファスナー、あるいはその応力歪み挙動にプラトー(plateau、横ばい期)を有する超弾性/塑性の織物/材料である。そのような織物および材料は、医療的な圧迫の分野の当業者にとって公知である。
【0176】
それに代えて、圧迫部材が可動部材上に作用させる力がグリップ部材と可動部材との間の摩擦力を超えたときにスリップするように、グリップ部材および可動部材を設計することにより、機械的なヒューズを提供することができる。
【0177】
図3は、図1a〜図1d、図2および図4に示したように構成することができる、第1実施形態の作動ユニット100の模式的な断面図である。非限定的な実施形態として、この実施形態は、複数の電極を有した共振活物質を用いて提供することができる。そのような装置において、修正(rectification)は摩擦界面によって達成される。作動ユニット100は、圧迫装置1の全体あるいは一部に沿って、断面に対して垂直な方向に延びることができる。
【0178】
この作動ユニット100はハウジング107a,107bを有しているが、ハウジングの第1の部分107aは可撓性の基板102を保持しており、その上にアクチュエータ101が配置されている。アクチュエータは、アクチュエータからハウジングの第2の部分107bに向かって突出するグリップ部材106を有している。ハウジングの第2の部分は付勢ばね103を保持している。
【0179】
可動部材120は、圧迫部材に組み込みあるいは接続することができるが、付勢ばね103とグリップ部材106との間に固定されている。可撓性の基板102は、グリップ部材106を可動部材120に向かって追加的に付勢するように構成することができる。
【0180】
アクチュエータ101は、別個の増幅機構ではなく組み込まれた増幅作用を有する、共振活物質として提供することができる。2つの電極組104、105を用いることにより、アクチュエータ101およびグリップ部材106には、それ自体は公知の方法により、参照符号R1およびR2で示されているような二次元の動きを与えることができる。電極間の位相は、グリップ部材の動きの方向(R1あるいはR2)および速度を制御するために用いることができる。また、両方の電極組104、105が駆動される場合は、それらが個々に励起される場合よりも電力密度はより高くなる。
【0181】
アクチュエータをどの様に設けるかの詳細は、米国特許第6,765,335号、米国特許公開第2002/0074901号、および米国特許第6,870,304号に見出すことができる。なお、それらの内容の全体がこの参照によって本願明細書に組み込まれるものとする。
【0182】
この実施形態の出力性能は、主として付勢ばね、平面を湾曲させる運動の達成可能な振幅、および可動部材120およびアクチュエータ101の等価な弾力性によって決定される。また、高強度の可撓性の基板102を設けることは、活物質のための支持をもたらすことによって出力性能を増大させ、より良好な音響品質およびより高い疲労強度は、活物質を損傷させることなしに把持部材と可動部材との間のより大きな付勢力を可能にする。これはまた、共振作動のための振動波の形成を可能にする。
【0183】
これにより、可動部材120の動き方向(D1あるいはD2)は、グリップ部材106の動き(R1あるいはR2)によって制御される。
【0184】
図4は、圧迫装置が取り付けられた身体の一部2の模式的な断面図である。図示の便宜上、この圧迫装置は、4つの作動ユニット100a、100b、200、300、400、500、600、700、800、1000、1300、200’、900、1100および1200を備えるが、それらはこの開示に説明されているものから任意に選択することができる。
【0185】
第1の作動ユニット装置は、図4の上部に設けられている。この装置は、可撓性の基板21上に配置されるとともに圧迫部材20と一体化しあるいはそれに接続された各可動部材に接続されている、2つの単一方向アクチュエータユニット100a、100b、200、300、400、500、600、700、800、1000、1300を有している。アクチュエータユニット100a,100bは、圧迫部材を締め付ける方向D1に各圧迫部材20を引っ張る。
【0186】
第2の作動ユニット装置が図4の左下部に設けられている。この装置は2方向作動ユニット200’、900、1100、すなわち2つの圧迫部材20を同時に引っ張るように構成された作動ユニットを有している。また、この作動ユニットは、可撓性の基板21に取り付けることができる。
【0187】
第3の作動ユニット装置が図4の右下部に設けられている。この装置は、半径方向DRに拡がることによって1つあるいは2つの圧迫部材20を引っ張ることができる、半径方向に拡がる作動ユニット1200を有している。
【0188】
この作動ユニットはまた、可撓性の基板1221上に取り付けることができる。
【0189】
さらに、図4には、圧迫装置の2つの縁部を接続してスリーブを形成するとともに、圧迫装置のサイズを調整するために用いることができる取り付け装置11が示されている。
【0190】
圧迫装置には、必要に応じて、一つあるいは複数の作動ユニット装置を設け得ることが認められる。
【0191】
図5a〜図5cは、第2実施形態の作動ユニット200を模式的に示している。グリップ部材206と、圧迫部材220あるいは圧迫部材220に接続された接続部材が巻き付けられるスピンドル209との間に動力伝達機構208が設けられている。図5a〜図5cのアクチュエータは、圧電セラミックスのような、例えば複数の電極が設けられた積重ねあるいはバルク材料の形態の、適切な共振あるいは反共振周波数で駆動される共振活物質を用いることができる。図5aは、作動ユニット200の片側半分を示しているが、それは対称軸Lに対して左右対称である。電極組204、205および付勢ばね203を有するアクチュエータ201は、図3の実施形態と同様に、ハウジング207内に設けることができる。
【0192】
しかしながら、圧迫部材220に直接作用するグリップ部材206に代えて、グリップ部材206は、ホイール208あるいはディスク形状の構造の接触表面210に作用する。したがって、ホイール208は可動部材を形成している。接触表面210は、ホイールの外周に設けることができる。それによって、より小さい直径を有しているスピンドル209は、ホイール208に対し共通な軸線の回りに固定的に接続して一体に回転させることができる。したがって接触表面210とスピンドルとの間の比率が、動力伝達機構のギア比を構成する。
【0193】
図5bは、単一方向作動ユニット200を示し、図5cは2つの圧迫部材220a,220bを引っ張る2方向作動ユニット200を示している。
【0194】
ホイール208あるいは少なくとも接触表面210は、セラミックあるいは金属のような耐磨耗性の材料から作ることができる。
【0195】
作動ユニット200、200’には、スピンドル209の異なる端部に配置されたホイールに作用する、単一のアクチュエータあるいは2つのアクチュエータを設けることができる。電極組の間の位相は、運動および速度の方向を決定するために用いることができる。
【0196】
スピンドルではない他の伝達機構を用いることができる。
【0197】
例えば、図5a〜図5cのアクチュエータは、米国特許第6,765,335号、米国特許公開第2002/0074901号あるいは米国特許第6,870,304号を参照し、図3のそれと同様に設計することができる。なお、これらの文献の内容の全体が、この参照によって本願明細書に組み込まれるものとする。
【0198】
図6aおよび図6bは、第3実施形態の作動ユニット300の一部を模式的に示しているが、そのアクチュエータは、共振ホーンあるいはアクチュエータの複数の振動モードあるいは連結された振動モードを用いる共振運動増幅機構として提供することができる。
【0199】
図6aおよび図6bにおいて、ハウジングは明瞭さのために取り外されている。一対のアクチュエータ301a、301bは、作動ユニット300のハウジングあるいはフレームに対する各固定ポイント311と共に構成されて、例えば金属のあるいは音響的な損失が低いポリマーのマイクロ成型ホーンである増幅構造312に接続されている。このホーンは、作動ユニット300のハウジングあるいはフレームに対する1つ若しくは複数の更なる固定ポイントを有することができる。
【0200】
さらにまた、増幅構造312には、圧迫部材あるいはそれに接続される接続部材である可動部材320と相互作用する、グリップ部材306を設けることができる。グリップ部材306と可動部材320との間に摩擦力をもたらすように、固定ポイント313と可動部材320との間に付勢ばね303を配置することができる。グリップ部材306および/または可動部材320には、クロム、セラミックあるいは工学的なポリマーコーティングのような耐摩耗性コーティングを設けることができる。また、グリップ部材306及び/又は可動部材320には、摩擦を改善するコーティングあるいは表面構造を設けることができる。グリップ部材306を前進させあるいは後退させる動き(R1、R2)および可動部材320の対応する前進(締め付け)D1あるいは後退(解放)D2の動きを増幅構造312がもたらすようにするために、アクチュエータ301a、301bは予め定められた周波数で駆動することができる。
【0201】
大きな力の達成を可能とするために、アクチュエータは、図6aに示したように共振ホーン312のサイドノード(側方静止部、side nodes)に配置されなければならない。また、グリップ部材の動きの非対称性は、可動部材に対して傾斜するとともに動きD1の意図する方向と平行かつ垂直な成分の両方を有しているグリップ部材の力ベクトルを可動部材に向けることによって出力性能を強化する。
【0202】
それぞれが可動部材320に対向する二つのアクチュエータを設けることにより、追加の出力性能を提供することができる。
【0203】
図5a〜図5c、図9および図17を参照して説明したように、グリップ部材306が伝達機構に作用するように、増幅構造312を配置することもまた可能である。そのような伝達機構は出力性能をさらに増大させることができる。
【0204】
この構造のために適切な励磁周波数は、共振ホーン構造の形態に大きく依存する。グリップ部材の横方向および横断方向の動きは、周波数の関数として決定することができる。その関数は、翻って、共振ホーンの形状、固定ポイント、アクチュエータの入力および機械的な特性によって決定することができる。特にホーン形状は、増幅の達成可能なレベルに対する主要な効果を有する。ホーンの形状がグリップ部材に向かって狭まっているので、材料内の振動の振幅はこの狭まりによって増大する。それによって、最大振動振幅をグリップ部材において達成し、結果として得られる力の出力を最大とすることができる。一般的に、個々の設計のパラメータを最適化するためにコンピュータシュミレーションが必要である。
【0205】
図6aおよび図6bに示されているホーンは、製造の準備ができた実施形態ではないので、グリップ部材に対する傾斜の勾配、ホーンの各脚部の角度、アクチュエータおよび固定ポイントの配置、固定ポイントにおける材料(取り付け方法)の選択、必要なグリップ部材のサイズと波チャネリングを最大にする金型輪郭の全般的な均衡、および製造公差の熟慮について最適化する必要がある。
【0206】
図6aおよび図6bの実施形態のための好ましいアクチュエータには、電場活性ポリマー材料、セラミック/結晶材料、磁歪材料、あるいは磁場活性記憶材料が含まれる。
【0207】
アクチュエータの動きの図示された方向DAは、単に一つの選択肢であり、上述したように最適化する必要がある。
【0208】
図7a〜図7cは、第4実施形態の作動ユニット400を模式的に示しているが、それは図6aおよび図6bを参照して説明したものと同様なアクチュエータとすることができる。
【0209】
この実施形態において、作動装置400は、可動部材406が動くことになっている平面と実質的に平行な平面内に延びるハウジング407と、1つ若しくは複数のアクチュエータ401とを備えている。可動部材420に対向しているアクチュエータの表面から、複数のグリップ部材406が突出し、それによって各増幅構造412が各グリップ部材406とアクチュエータとの間に設けられている。図4bおよび図4cに示されているように、アクチュエータは可動部材420の一方または両方の側面に配置することができる。
【0210】
アクチュエータは、付勢ばね403によって可動部材420に向けて付勢することができるとともに、図3および図5a〜図5cに開示されているものと同様に電極404、405および414を設けることができる。
【0211】
図7cを参照すると、増幅構造412は、例えばこの増幅構造の曲げ運動によって第1の運動成分B1をグリップ部材406にもたらすように設計することができる。さらにまた、この増幅構造412は、例えばこの増幅構造412の膨張運動によって第2の運動成分E1をグリップ部材にもたらすように設計することができる。
【0212】
電極404、405に負荷する駆動周波数および/または位相を制御し、B1およびD1の振動運動を同調させずに組み合わせることにより、可動部材420の前進運動(R1、D1)あるいは後退運動(R2、D2)をもたらすことができるが、B1とE1との間の位相ずれおよびB1とE1の振幅は周波数の関数である。その関数は、共振ホーンの形状、固定ポイントおよび機械的な特性によって決定することができる。
【0213】
図7a〜図7cの実施形態によって大きな力を達成するためには、グリップ部材406の数を最大にしなければならない。実際には、製造の公差が、商業的に現実性のあるコストで設けることができるグリップ部材の数を制限することになる。
【0214】
図6aおよび図6bと図7a〜図7cに示されている構造は、小さな輪郭の設計内に可能な限り多くの活物質を配置するので、高い出力性能を維持しながら、きわめて薄いアクチュエータの提供を可能とする。例えば、図6aおよび図6bと図7a〜図7cに示されているアクチュエータは、厚みが3〜6ミリメートル、身体の一部と平行な方向に30〜40ミリメートルの長さで製造することができる。例えば、米国特許第6,870,304号のアクチュエータ構造では、これを達成することができない。その中の加振源が押動機構に対し、常に横断方向に構成されているからである。したがって、米国特許第6,870,304号のアクチュエータは、例えば図5a〜図5cを参照して本願明細書に記載されているような伝達機構を必要とする。
【0215】
図8aおよび図8bは、第5実施形態の作動ユニット500を模式的に示している。この実施形態において、作動ユニット500はハウジング507を備えており、その内部に共振進行波回転モータ、定在波回転モータ、移動進行波モータ、一般的な回転超音波モータ、あるいは同様のモータ501が配置される。そのようなモータは、当業者には公知である。モータ501の出力軸(図示せず)は、スピンドル取付515a、515bの間に配置されているスピンドル509に対し、伝達機構518を介して接続されている。スピンドルは、図5a〜図5cと同様に配置することができる。
【0216】
図8aおよび図8bの伝達機構は、モータの出力軸に接触する第1の歯車と、この第1の歯車とある角度をなして接触しつつスピンドル509に接続された第2の歯車とを有している。歯車は一つの選択肢であり、摩擦車は伝達機構のための他の選択肢である。
【0217】
モータ501の回転方向(R1あるいはR2)に応じて、圧迫部材520をスピンドルに巻き付け(D1)あるいは巻き解く(D2)ことができる。モータの回転方向および速度は、励起されたロータ部分との間の位相、すなわち進行波速度によって制御することができる。
【0218】
図8aおよび図8bにおいて言及するモータはまた、十分に高いトルクをもたらすことができるならば、スピンドル軸に直接取り付けることができる。
【0219】
超音波モータの更なる説明については、Toshiiku, S., Kenjo T.: An Introduction to Ultrasonic Motors, Clarendon Press, Oxford, 1993.を参照されたい。
【0220】
図9は、第6実施形態の作動ユニット600の一部を模式的に示している。この実施形態においては、図5a〜図5cを参照して説明したものと同様に、一組の別々のアクチュエータ601a、601bが、ホイール608に対して傾斜して、好ましくは鋭角をなしつつ各方向毎に配置されている。ホイール608が接続されているスピンドル609上に、圧迫部材620、あるいはそれに接続された接続部材を巻き付けることができる。したがって、第1のアクチュエータ601aを活性化させると、グリップ部材606が参照符号R1で示される方向に動き、それによって圧迫部材620が参照符号D1で示される方向に動く。逆に、第2のアクチュエータ601bを駆動することにより、グリップ部材606が反対方向R2に動き、かつ圧迫部材620が反対方向D2に動く。あるいは、アクチュエータを異なる位相で駆動して同様の効果をもたらすことができる。アクチュエータは、それぞれ積み重ね構造であるいはバルクアクチュエータとして提供することができるが、それぞれ第1の縦方向の共振あるいは反共振周波数で駆動することができる。
【0221】
アクチュエータ601a、601bは、弾性マウント603を用いてハウジング607に取り付けることができる。
【0222】
アクチュエータはまた、曲げおよび縦方向の振動の組合せを各アクチュエータにおいて確立することができるように、多数の電極組を有することができる。このことは、より制御された楕円運動がグリップ部材によって発生できるようにする。
【0223】
図10a〜図10dは、第7実施形態の作動ユニット700を模式的に示している。この実施形態においては、作動ユニット700が備えているハウジング707a、707bを通って、あるいはその内側で、圧迫部材720あるいはそれに接続されている接続部材がスライド可能となっている。圧迫部材720には、少なくとも2つ、好ましくは複数の噛み合い表面722aと実質的に同じ数の傾斜表面722bとを有するラチェット構造722を設けることができる。噛み合い表面722aの全ては、同じ方向、典型的には係止効果を達成する方向D2に向けることができる。
【0224】
アクチュエータは、第1および第2のアクチュエータ部分701a,701bを有し得るが、圧迫部材720の一方あるいは両方の表面上に配置することができる。第1のアクチュエータ部分701aは、細長い断面形状を有して圧迫部材720に対し鋭角をなすとともに、活性化すると伸長して噛み合い表面722aと係合し、それによって参照符号D1で示されている方向に圧迫部材720を押動する。アクチュエータの最も外側の部分は、ラチェット構造722と相互作用するように構成されたグリップ部材706を形成することができる。
【0225】
アクチュエータ701a、701bおよび圧迫部材720は、付勢ばね703a、703bにより、互いの方に向けて付勢することができる。第2のアクチュエータ部分701bは、選択的なものであるが、グリップ部材706をラチェット構造722との係合から離間させるべく、アクチュエータを湾曲させるために配置することができる。
【0226】
図10b〜図10dは、図10aに示されている作動ユニット700の動きの順序を示している。
【0227】
図10bに示されている第1段階においては、第1のアクチュエータ部分701aが好ましくはゆっくりと伸張してラチェット構造722の噛み合い表面に接触し、ラチェット構造722および圧迫部材720を方向DA1に動かす。図10cに示されている第2段階においては、第1のアクチュエータ部分701aが第1段階における伸長速度より速い速度で収縮し、第1段階において係合した噛み合い表面の右側の噛み合い表面に係合する。したがって、グリップ部材は矢印DA2で示される方向に動く。典型的に、この段階の速度は、身体の一部および圧迫部材によって作り出されるこのシステムの第1の固有モードより高くなければならない。
【0228】
典型的に、この第2段階における最大段階時間は、圧迫部材および身体の一部によって作り出されるこのシステムに付随する応答時間より短くなければならない。圧迫部材が身体の一部に比較してかなり固い用途においては、身体の一部の弾性的な回復が最も短い許容段階時間を決定する。圧迫部材が身体の一部に比較してかなり柔らかい用途においては、圧迫部材の弾性的な回復が最も短い許容段階時間を決定する。
【0229】
好ましくは、この段階のための段階時間は、適切な圧迫動力学および全体の効率を確実なものとするために、圧迫部材および身体の一部によって作り出されるこのシステムの回復時間の5%以下である。
【0230】
第1および第2の段階は、圧迫部材720を肉眼で見てD1方向に前進させるために反復する。
【0231】
図10dに示されている第三段階においては、第2のアクチュエータ701bが活性化すると、グリップ部材がラチェット構造722から離間し、それによって圧迫部材のD2方向の自由な運動が可能となる。それによって、グリップ部材が矢印DA3で示される方向に動く。
【0232】
第1および第2のアクチュエータ部分は2層構造として配置することができ、それによって第2のアクチュエータ部分701bの作動による曲げ運動の達成が可能となる。第1および第2のアクチュエータ部分の運動は、各部分の応力を減少させて性能を高めるために協調させることができる。アクチュエータ部分701a,701bのそのような協調運動はまた装置の作動を滑らかにし、それによって部品の寿命を延ばし、ハウジングに対する段階的な振動の伝達を減少させ、あるいは可聴騒音を減少させる。
【0233】
第2段階への急速な復帰は、使用するアクチュエータのタイプに応じた異なる方法で提供することができる。電場で活性化される材料は短絡させることができる。導電性ポリマーに急速に逆電圧を負荷し、かつ温度で活性化する記憶合金は急速に加熱することができる。
【0234】
ラチェット構造722は、ナノあるいはメソスケールで圧迫部材あるいは接続部材に直接モールド成形することができる。ラチェット構造は、修正および高い出力の性能を提供する。
【0235】
図10aから図10dに関して説明したアクチュエータは、先に述べたものよりも、典型的に約100ミクロン乃至約1ミリメートルあるいはそれ以上大きな段階を取ることができる。それはまた、より多くの活物質あるいはより大きいエネルギー密度の材料を必要とする。そのような実施形態は、同程度の出力を達成するために、前述した実施形態よりも多くの活物質あるいはより大きいエネルギー密度の材料を必要とするにもかかわらず、グリップ部材およびグリップ部材のより長い寿命、(ポリマーおよびエラストマのような高い摩擦材料の選択を可能とする)グリップ部材の低い作動応力、より静かな作動(20kHz未満で駆動することができる)、低い製造公差の要求、グリップ部材の運動のより一層の制御、およびグリップ部材と接続部材との間に強い噛み合い表面を用い能力に起因する潜在的により高いグリップ力といった、共振駆動のアプローチにいくつかの大きな利点を有している。
【0236】
図10a〜図10dで説明したような一対の協調する作動ユニットは、協調する段階的な係合をもたらすように構成することができる。
【0237】
図11は、第8実施形態の作動ユニット800を模式的に示している。図12は、図11の作動ユニットの駆動信号を模式的に示している。この実施形態は、より高い引張力を必要とする用途のために図3を参照して説明したものに類似している。可撓性の基板802を有している作動ユニット800は、上側ハウジング807a内に配置されて、個々に駆動可能な2つのあるいはより多くのアクチュエータ801a,801bを支持している。グリップ部材806a,806bは、圧迫部材あるいはそれに接続された接続部分とすることができる可動部材820に向かって、各アクチュエータから突出している。
【0238】
グリップ部材806a、806bに向かって可動部材820を付勢するために、付勢ばね803a、803bを下側ハウジング807bに設けることができる。可撓性の基板802によって追加の付勢をもたらすことができる。
【0239】
代わりの構造においては、付勢ばね803a、803bを他のグループのアクチュエータに置き換えることができる。その作動は、より強い力を実現できる点を除いて、付勢ばねを有するケースに同様である。そのような状況において、圧迫部材820に対向して配置された対向するアクチュエータは、対向するアクチュエータの各組あるいは対向するグリップ部材が圧迫部材820をグリップしかつ解放するように、互いに同調して駆動される。加えて、そのような他の実施形態において、圧迫部材820には、アクチュエータを向いているその表面の両方にラチェットに類似したテクスチャーを設けることができる。
【0240】
この実施形態においては、例えば、各アクチュエータ801a,801bの各電極組804a、805a、805a、805bへの信号S804a、S805a、S804b、S805bを示す図12に図示したように、位相の遅延あるいは遅滞Pと共にアクチュエータ801a、801bを駆動することができる。
【0241】
各アクチュエータ801a、801b、第1の電極組804a、804bを活性化すると、参照符号R1に対応するグリップ部材の動きを生じさせることができ、可動部材820の締め付け動きD1に帰着する。
【0242】
各アクチュエータ801a、801bの第2の電極組805a、805bを活性化すると、参照符号R2対応するグリップ部材の動きを生じさせることができ、可動部材820の解放動きD2に帰着する。
【0243】
したがって、いつの時点においても、グリップ部材806a、806bの少なくとも一つが可動部材820に力を伝達しつつ接触するようにアクチュエータを制御することができる。これより、グリップ部材806a、806bは可動部材820上を「歩く」ことができる。
【0244】
グリップ部材806a、806bは、図25a〜図25b、図26a〜26e、図27a〜図27lあるいは図28a〜図28fに示したように、非対称なマイクロリブ付きあるいはV字型とすることができる。また、可動部材820には、グリップ部材806a、806bの構造と相互作用するマイクロリブ付の構造を設けることができる。あるいは、静的な保持力を生じさせるために静止摩擦に依存することができる。
【0245】
作動ユニットは、圧迫負荷の要求に合わせて引張力および復元力を調製するために、それ自体を非対称に作ることができる。一般的に、圧迫負荷は大きな復元力を必要としないから、活物質の大半を圧迫の引張り段階に用いることによって引張力を最大とし、かつ復帰ストロークのために適切な(低い出力レベルの)運動を維持しつつ活物質の量を最小化することができる。
【0246】
高い出力性能は協調する段階的な運動によって得ることができ、それによって一つのグリップ部材が常に可動部材と接触する。また、高強度の可撓性の基板102を用いると活物質の支持によって出力性能が増大し、より良好な音響品質、およびより高い疲労強度が得られ、活物質を傷めることなしにグリップ部材と可動部材との間のより大きな付勢力が可能となる。このこともまた、共振作動のための振動波の形成を可能にする。
【0247】
また、境界面の静止摩擦特性と付勢力との組み合せは、変更可能な機械的なヒューズとして用いることができる。外部からの力がグリップ部材と圧迫部材との間の境界面で持続可能な最大の力を上回ると、それはスリップし始める。この機械的なヒューズは、特別なレベルの機械の安全性をユーザーにもたらし、及び/又は、アクチュエータユニットの内部要素を保護する手段として用いることができる。
【0248】
図13a〜図13cは、第9実施形態の作動ユニット900を模式的に示している。本実施形態においては、可動部材、すなわち圧迫部材920a、920bあるいはそれに接続された接続部材に、ラチェット構造あるいは一連の穿孔922が設けられている。
【0249】
グリップ部材906は、ベース治具921から延びるフックの形態とすることができるが、このフックは各アクチュエータ901a、901bによって湾曲可能かつ伸張/収縮可能である。したがって、アクチュエータは、グリップ状態と非グリップ(あるいは再配置)状態との間でグリップ部材を制御するための湾曲アクチュエータと、引張運動あるいは再配置運動をもたらす伸張アクチュエータとから構成される。グリップ部材の外側部分には、ラチェット構造あるいは穿孔922との相互作用のために、フックあるいは正方向に係合する装置の他のタイプが形成されている。
【0250】
このラチェット構造は、可動部材の運動方向と平行な方向に延びるとともに、少なくとも2つ、あるいは3つ、若しくはより多数の平行なラチェット構造から構成することができる。
【0251】
グリップ部材は、いつの時点においても、少なくとも一つのグリップ部材が関連付けられているラチェット構造と力を伝達する噛み合い状態にあるように、それぞれの周期的運動の間に遅延して駆動されるように構成することができる。例えば、グリップ部材の伸張を制御するアクチュエータを180度の位相遅れで駆動し、グリップ部材の湾曲を制御するアクチュエータを90度の位相遅れで駆動することができる。好ましくは、形付けられた(すなわち非正弦波の)波形を用いる。したがって、可動部材は常に積極的に締め付けられることになる。これにより、図13cを参照すると、作動ユニット900一方の側で可動部材920aに係合している一対のグリップ部材906は、R1およびR1’で示されている運動を実行することができるが、R1およびR1’は180度(すなわち周期の半分)だけ遅延させることができる。同様に、作動ユニット900の他の側面上にあるグリップ部材906は、同様の運動を実行することができる。図13cにおいて、後退運動がR2およびR2’によって示されているが、R2およびR2’は180度(すなわち周期の半分)だけ遅延させることができる。
【0252】
グリップ部材906は、ハウジング907a、907bの内側スペースの中に配置することができる。電気化学的に活性化されるポリマーアクチュエータのための電解質は、このスペース内に配置することができる。加えて、対向電極は、ガイド部材907a、907bの内側の壁に沿って印刷することができる。
【0253】
図13a〜図13cの作動ユニットは、複列形あるいは単列形として、すなわち1つあるいは2つの可動部材920a、920b上に作用するように設けることができる。
【0254】
作動ユニット900によって与えられる積極的なグリップは出力性能を高める。
【0255】
この場合の代替案は、グリップ部材906を、アクチュエータ901の最も外側の端部にあるいはそこから形成された単なる受動片とすることである。この意味で、それはアクチュエータに接合されるフック類似の構造とすることができるが、アクチュエータの端部において受動的な材料に孔をあけあるいは押し出した一片とすることもできる。グリップ部材はまた、その上にアクチュエータが製造される可撓性の基板とすることができ、かつ端部は基板上にモールド成形されあるいは製造の間に基板上に個別に蒸着される。
【0256】
図13a〜図13cの作動ユニットは、ポリマーおよび記憶合金タイプの活物質に最も応用し易い。与圧の欠如および引張力の必要性が、引張り応力を受けたときにひびが入り得るセラミックタイプの活物質の使用を否定するからである。圧迫部材のラチェット機構は、それらの数および間隔によってアクチュエータの自然なクリープに対応する。
【0257】
図14a〜図14gは、第10実施形態の作動ユニット1000を模式的に示している。この作動ユニットは、第1の圧迫部材と、他の圧迫部材20に接続されて第1の接続部材とは反対方向に延びるガイド部材1023とに接続された、可動部材1020を備えている。ガイド部材は、溝あるいは任意の断面の他の管状構造から構成されて、可動部材の運動の意図された方向と実質的に平行に延び、それによってグリップ部材は溝あるいは管状構造の内側で動くことができる。
【0258】
可動部材1020に接続されたグリップ部材は、長手方向に間隔を開けて配置された第1および第2の締付部材1006a、1006bを有しており、ガイド部材1023との係脱自在な噛み合いのために制御可能である。
【0259】
図14a〜図14gに示されている実施形態において、締付部材1006a、1006bは、運動方向に対する横断方向に個々に制御可能に伸張自在かつ縮小自在であり、グリップ部材を可動部材にロックするためにガイド部材、例えば溝の内壁に係合することができるようになっている。
【0260】
グリップ部材は、締付部材の間に延びる長手方向運動部材1006cを更に有することができる。この長手方向運動部材1006cは、運動方向と平行な方向において制御可能に伸張自在かつ縮小自在である。締付部材1006a、1006bおよび長手方向移動部材1006cを制御するためのケーブル1024を、この構造に含めることができる。
【0261】
あるいは、ガイド部材が軌道若しくはガイドレールを有し、それによって締付部材は完全にあるいは部分的に軌道若しくはガイドレールを取り囲む。
【0262】
図14aの作動ユニット1000は、締付部材およびガイド部材上にテクスチャーを設けることによって、高い出力性能をもたらすことができる。そのようなテクスチャーを設けることは、一体となったアクチュエータユニットの製造における最終ステップとして容易に実行することができる。テクスチャー化はまた、ガイド部材のうち締付部材を向いた表面に適用することができる。一つの締付部材がガイド部材との接触を常に維持しているという事実によって、出力性能が改善される。
【0263】
作動ユニット1000は、以下の通りに作動することができる。図14bを参照すると、第1の締付部材1006aは係合していないが、第2の締付部材1006bは係合している。図14cを参照すると、長手方向移動部材1006cは伸張している。第2の締付部材1006bは係合したままである。図14dを参照すると、第1の締付部材1006aが係合している。第2の締付部材1006bは係合したままである。図14eを参照すると、第1の締付部材1006aは係合しているが、第2の締付部材1006は係合していない。図14fを参照すると、長手方向移動部材1006cは収縮している。第1の締付部材1006aは係合したままである。図14gを参照すると、両方の締付部材1006a、1006bが係合しており、それによってアクチュエータは図示のように距離Dだけ移動している。
【0264】
図14a〜図14gに関して概説した原理を用いると、電力がなくなるとロックするようにすることができる。ガイド部材と締付部材との間の静摩擦を用いることができるし、あるいはそれに代えて、ガイド部材および/または締付部材にラチェット構造を設けることができる。ポリマーアクチュエータあるいはセラミックのものを用いて、この装置を比較的静かなものとすることもできる。
【0265】
長手方向部材が収縮(図14b〜図14gに描かれているように作動している間に伸張するのでなく収縮する(締めつける))タイプの場合には、締付部材のための作動の順序は図14b〜図14gに示したものを反対にしたものとなる。
【0266】
アクチュエータ1006a、1006b,1006cを一体なブロックとして製作することが好ましい。その場合、長手方向運動部材1006cと第1および第2の締付部材1006a、1006bのための電極組は、アクチュエータをレイヤー化するプロセスの間に自動的に印刷することができる。一体なブロックはまた固定ポイント1012における補強をあまり必要としないので、製造プロセスの結果として自動的に接続される。
【0267】
図14a〜図14gの実施形態は、締付部材の変更なしには、セラミックタイプの長手方向アクチュエータにあまり適さない。その理由は概ね、長手方向モードで作動するセラミックタイプアクチュエータは、厳しい製造公差なしには、ガイド部材を解放するための充分なストロークをもたらすことができない点にある。セラミックタイプアクチュエータの場合、締付部材は、実際に、作動の間にガイド部材を解放するために充分なストローク長さを生じさせるバイモルフ素子とすることができる。
【0268】
セラミックタイプのアクチュエータに代わるものとしては、単一結晶アクチュエータが長手方向モードに充分なストロークを達成して、締付部材がガイド部材に係合しかつ解放するようすることができる。
【0269】
図14a〜図14gのアプローチは、全般的にポリマーアクチュエータに応用することが可能である。電気化学的に活性化されるポリマーアクチュエータの場合、アクチュエータ1006の周りのスペースには適切な電解質が充填される。作動の間における電解質からポリマーへのイオンの迅速な進入と排出およびその逆の動作を容易にするために、対向電極をガイド部材の内側表面に印刷し、かつ穿孔あるいは長手方向溝を長手方向部材に形成することができる。そのような溝の詳細な設計は、特定の設計における最大の作動速度、応力および引張性能を決定するためのコンピュータシュミレーションおよび実験的な確証によって最も容易となる。
【0270】
それらが接続する締付アクチュエータ1006aあるいは1006bまたは溝の表面は、ハウジングの軌道に負荷することができるグリップ力を増大させるべく、図24〜図28に従ってミクロ成形された隆起を有するようにモデル化することができる。したがって、アクチュエータのグリップ力は、単純に滑らかな軌道およびクランプ表面から得られるものを超えて増大させることができる。そのようなラチェットパターンの間隔は、主たるアクチュエータ部分1006cの最大ストローク長さ未満でなければならない
【0271】
図15aおよび図15bは、第11実施形態の作動ユニット1100を模式的に示している。この実施形態において、取付ハーネス1126に取り付けられているアクチュエータ1101は、可動部材1120a,1120bの運動D1の意図された方向と実質的に平行な平面内の成分を有する往復運動をグリップ部材1106に実行させるように構成することができる。可動部材1120a,1120bは、図15aおよび図15bに示したように、2つのアクチュエータ1101の間、あるいはアクチュエータ1101と取付ベース1121との間に締め付けることができる。
【0272】
グリップ部材1106と可動部材1120a,1120bの間には、グリップ部材が平面内で第1の方向(DP)に移動するときに往復運動の第1の部分の間にグリップ部材1106と可動部材1120a,1120bとの間に強い摩擦を提供するとともに、グリップ部材が第2の反対方向に移動するときに往復運動の第2の部分(DS)の間にグリップ部材1106と可動部材1120a,1120bとの間に弱い摩擦をもたらす、修正装置1125a、1125bを設けることができる。これにより、ストロークの第1の部分(DP)の間に、修正装置は可動部材1120a、1120bがグリップ部材1106の運動に追従するようにする一方、ストロークの第2の部分の間に、修正装置は可動部材1120a、1120bがグリップ部材1106に対してスリップするようにする。取付ベースおよびアクチュエータは、互いの方に向けてわずかに付勢されることができる。
【0273】
そのような修正装置は、取付ベース1121と可動部材との間に配置することができる。
【0274】
修正装置の例として、傾斜したあるいは非対称のあるいは傾斜したミクロ繊維をあげることができる。非限定的な実施例には合成樹脂あるいは、金属の針状フィラメントが含まれる。傾斜した舌片あるいは隆起を設けることができる。アクチュエータは、積極的な正味の運動を保証するために、修正装置の係合/解放距離よりも長く移動する必要がある。
【0275】
特に適したアクチュエータ材料には、強誘電性あるいは導電性ポリマーのいずれかに分類される電気活性ポリマー、形状記憶合金、あるいは圧電性の結晶若しくはセラミックが含まれる。圧電性のものは、例えば図3に示したように、付勢ばねを設ける必要がある。ポリマーの場合には、可動部材に対して平行にレイヤー化させた、圧延されたアクチュエータ、アクチュエータの配列、あるいは多層アクチュエータから構成される。
【0276】
アクチュエータは、取付けハーネス上に取り付けた単一のアクチュエータとすることができる。あるいは、取付けハーネス、取付ベースおよびアクチュエータは、モールド成形しあるいは一緒に組み立てることができる。
【0277】
グリップ部材と取付ベース1121との間に可動部材1120a、1120bを締め付ける付勢力Fは、それ自体は周知の方法で負荷することができる。
【0278】
図15aに示した作動ユニット1100は、可動部材1120a、1120bの制御された解放をもたらさない一方向の装置とすることができる。
【0279】
図15bに示したように、図15aの作動ユニット1100は、可動部材1120a,1120bの解放を制御できる作動ユニット1100’に変更することができる。このことは、作動すると修正装置1125a、1125bが少なくとも部分的に可動部材1120a,1120bを解放するようにする、例えばピンセット機構のような装置1127、1128を設けることによって達成することができ、それによって解放運動を含むあらゆる方向の運動が可能となる。そのようなピンセット機構は、付勢力Fを軽減することができ、及び/又は、アクチュエータ1101が取付ベース1121から分離するように作用する。
【0280】
解放を可能にする他の選択肢は、例えば折りたたみ機構によって、グリップ部材を可動部材から離間させることである。
【0281】
あるいは、修正装置は、グリップ部材および取付ベース1121にではなく、可動部材1120a、1120b上に設けることもできる。
【0282】
他の選択肢においては、修正装置1125a、1125bのミクロ繊維を活物質を湾曲させるアクチュエータから組み立てることができる。活性化すると、それらはグリップ部材1106および可撓性の基板1121内に後退し、それによってアクチュエータ1101を可動部材1120a、1120bから解放する。可動部材の制御された後退を望む場合には、活物質のミクロ繊維およびアクチュエータの運動を協調させることができる。
【0283】
この設計の出力性能は、修正機構の係合/解放距離の比率、アクチュエータのストローク長さ、およびアクチュエータの出力性能によって決定される。直接的な付勢機構の必要が無いので、適切な係合をわずかな付勢によって達成することができるから、この作動機構の効率はきわめて高いものとなる。
【0284】
さらに修正手段は、傾斜したミクロ繊維と相互作用するように構成されたラチェット構造を有することができる。そのようなラチェット構造は、ミクロ繊維との相互作用による正方向の噛み合いをもたらすために、ミクロ繊維に対向する表面上に配置することができる。
【0285】
図16は、第12実施形態の作動ユニット1200を模式的に示している。この作動ユニット1200は、身体の一部2と可動部材(圧迫部材1220あるいは圧迫部材に接続された接続部材)との間の半径方向の距離DR(図4)を制御する構成とされている。この実施形態において、圧迫部材は身体の一部を取り巻き、かつ作動ユニットは身体の一部と圧迫部材との間に配置されている。活性化すると、作動ユニットは、局所的に圧迫部材を押動して身体の一部から離間させ、それによって圧迫部材を効果的に締め付ける。
【0286】
作動ユニットは、可動部材1220のうち外周方向(周囲方向、円周方向)に間隔を開けて配置された部分の間に配置された取付ベース1221を有することができる。半径方向の距離DRを制御するために、制御可能に湾曲可能なアクチュエータ要素1201を、左右対称の線Lに沿って、取付ベース1221と可動部材1220との間に設けることができる。アクチュエータ要素の中央部分1201は可動部材1220の内側を圧迫することができる。アクチュエータ要素1201の縁部あるいは先端は、取付ベース上に配置されあるいは一体化されたラチェット構造1222と相互に作用する。アクチュエータ1201には、締め付けられた状態(P2)あるいは解放された状態(P1)に向かって適切に付勢することができるばね1230を追加することができる。また、取付ベース1221の最も外側の縁部にばね要素1231を設けることができる。この最も外側のばね要素は、可動部材1220に向かう半径方向の成分を有した力をもたらすように構成される。そのようなばね要素は、力の伝達と変形の比率を改善し、性能をさらに高める。
【0287】
図16の作動ユニット1200は、以下の通りに作動する。図16の上部に示されている緩んだ状態P1において、アクチュエータ要素1201の縁部は、ラチェット構造1222の最も外側の部分と係合している。アクチュエータ要素1221は、起動するとばね1230と共に湾曲し、その中央部分を左右対称の線Lに沿って半径方向に動かして取付ベース1221から離間させる。湾曲すると、アクチュエータ要素の縁部は、反対方向への動きを防止するラチェット構造1222に沿って移動する。
【0288】
締め付けた状態P2の作動ユニット1200を示している図16の下部を着目すると、正味の締め付け効果△Pが達成されていることが判る。
【0289】
図16の実施形態は、跳び歩くアクチュエータ(飛び跳ねるアクチュエータ、ホッピングアクチュエータ)として作動するが、2つのアクチュエータ1201を並列に配置して個別に制御することもできる。このプロセスは、圧迫部材を解放するために逆転させることもできる。
【0290】
あるいは、図16の作動ユニット1200を解放するために、反対方向の跳び歩き運動を用いることもできるし、別個の解放機構を設けることもできる。
【0291】
例えば、作動ユニットの制御された後退は、多数の構成された電極組を有するアクチュエータを用いて達成することができる。両方の電極組の協調する動作は、時計回りのあるいは反時計回りの方向を有したラチェット構造1222とアクチュエータ1201との接触箇所に楕円形の運動を作り出すことができる。全体的に、この実施形態の運動は、慣性(跳び歩き)構造のために図10b〜図10dに記載したものと同様である。
【0292】
このアプローチは、セラミックのような予圧を必要とする活物質のために極めて有用である。それはまた、そのような伸張によって達成される特性の強化を維持するべく、伸長状態にある可撓性の基板にそれらを接着するために、いくつかのポリマーアクチュエータにとって有用である。一つの実施例は強誘電性ポリマーであるが、そのような予めの伸張の間にポリマーチェーンが一列に並ぶので、絶縁破壊強度は大きく増加する。
【0293】
図17は、第13実施形態の作動ユニット1300を模式的に示しているが、それは図5a〜図5cあるいは図9に開示した実施形態の実用的な適用である。図17の作動ユニット1300は、可動部材1320のための1つ若しくは2つの開口を有したハウジング1307を備えている。図17には一つの可動要素だけが示されているが、2つあるいはより多くの部材を設け得ることは認められる。各アクチュエータ1301、付勢ばね1303、電極組1304、1305、およびグリップ部材1306を備えるアクチュエータ構造が示されている。アクチュエータ1301は、取付ブラケット1340の取付点1311によって取り付けることができる。作動ユニット1300の中央部分には、各グリップ部材1306と相互作用する各接触面1310を具備している、各ホイール1308の間で延びるスピンドル1309が設けられている。これにより、ホイール1308が、グリップ部材1306からスピンドル1309への伝達機構1318を形成している。
【0294】
図17の実施形態においては、そのノード(振動が最小な点あるいは線)においてのみ取付ブラケット1340に固定されている、すなわち励起した活物質部分のノードと取付点1311とが一致している、アクチュエータの活物質の部分によって、高い出力性能をもたらすことができる。このことは、最大振動速度をもたらすとともに、ハウジングの製造公差を低減させる。また、取付けブラケット1340は、ホイール1308に向かって付勢される可撓性のハーネスとすることができる。
【0295】
図18は、第14実施形態の作動ユニット1400を模式的に示している。この実施形態においては、各第1作動ユニット1401aが身体の一部2を部分的に取り囲んでいる。第1作動ユニット1401は、第1アクチュエータ1401aに接続されたグリップ部材1406とラチェット構造1422との間の相互作用によって、身体の一部2に段階的に圧迫力をもたらすように構成されている。図18に示されている実施形態は、一つのグリップ部材が常にラチェット構造と係合するとともに他のグリップ部材がラチェット構造に対して動くように協調するグリップ部材が並列に作動する、図11および図13a〜図13cに関して説明したものと同様に作動することができる。
【0296】
一つのグリップ部材が常にラチェット構造と係合しているという事実は、高い出力性能をもたらす。
【0297】
また、その受動的な状態において引張るとともにその能動的な状態において伸張するように、図18〜図20の装置を構成することにより、この装置は電力が供給されないときにセルフロックするので、それによって電力消費が減少する。
【0298】
第1のアクチュエータ1401aは、外周方向(周囲方向)に伸縮自在とすることができる。すなわち、長さが可変であり、かつ身体の一部の周りに巻き付けられる。第1のアクチュエータ1401aは、第1の端部あるいは縁部に、電子機器やコネクタその他を収容しているハウジング1407に取り付けることができる。第1のアクチュエータ1401aは、第2の端部あるいは縁部においてラチェット構造1422に係合している。
【0299】
各第1アクチュエータ1401aと身体の一部との間にある内側層1445は、第1の端部あるいは縁部がハウジング1407に取り付けられ、かつ第2の端部あるいは縁部には他の内側層への取付けのための取付装置1411が設けられている。ラチェット構造1422は、内側層1445の第2の端部あるいは縁部の近傍に配置されている。このラチェット構造1422は、第1のアクチュエータ1401aを向いた噛み合い表面を有することができる。
【0300】
第1アクチュエータ1401aの第2の端部には、ラチェット構造1422と相互作用する第2アクチュエータ1401bを有したグリップ部材1406を配置することができる。グリップ部材1406は、第1アクチュエータ1401aの第2の端部に取り付けることができ、かつ第1アクチュエータ1401aの第1の端部に向かって延びる。さらにまた、このグリップ部材は、ラチェット構造に向かって第1のアクチュエータ1401aから離れて湾曲することができ、第1のアクチュエータ1401aをラチェット構造1422に係止するべくラチェット構造の噛み合い表面に係合する突出縁部を形成している。グリップ部材1406の湾曲は、グリップ部材1406と共に2層構造を形成する第2のアクチュエータ1401bによってもたらすことができる。
【0301】
グリップ部材の外側で、第1のアクチュエータ1401aの外側と内側層1445とを接続しているものはカバー構造1442であり、ラチェット構造1422に向かってグリップ部材を付勢する付勢部材としの役割を果たす。
【0302】
図19aおよび図19bは、グリップ部材1406の第1の設計を示している。先端ばね1443は、第1のアクチュエータ1401aの縁部と先端ばね1443との間に設けられた補強構造1441とともに、前記縁部を取り囲むように構成されている。第2のアクチュエータ1401bは、グリップ部材の内側に配置されて湾曲可能な2層構造をもたらしている。
【0303】
図20aおよび図20bは、グリップ部材1406の第2の設計を示している。第2のアクチュエータは、少なくとも部分的に第1のアクチュエータ1401aの凹部内に設けられている。第2のアクチュエータ1401bは湾曲可能に製造され、その一端は前記凹部内に取り付けられ、その他端にはグリップ部材1406が設けられている。
【0304】
図20aおよび図20bの構造においては、第2のアクチュエータ1401bおよび第1のアクチュエータ1401aの両方を、活物質の単一片から組み立てることができる。この一体化されたユニットは、第1のアクチュエータおよび第2のアクチュエータのための多数の電極パターンを有することができる。第2のアクチュエータのための信号ワイヤは、第1のアクチュエータの内側層に沿ってハウジング1407内の基板への経路を定めることができる。グリップ部材1406は、活物質に接着された追加の要素から構成し、耐摩耗性コーティングを有し、あるいは活物質自体の拡張部分とすることもできるが、電極を持たないために活性化しない。加えて、補強領域1441は、最も簡単には電極を持たない活物質とすることができるが、活性化しない。第2のアクチュエータ層の内部電極を、第1のアクチュエータを通過しあるいは沿わせて第2のアクチュエータのための信号配線に接続するために、単純なブスバー1444を用いることができる。このように、構造の全体は、組立に必要なものを減少させる自動化された方法で製造することができる。加えて、この構造においては、アクチュエータの電気接続の全てをハウジング内に製造することができるとともに、全ての電気配線を環境から密封することができる。
【0305】
伸張する代わりに収縮する第1のアクチュエータを有する構造においては、非活性化するとカバー構造1442がアクチュエータをその最初の状態に復帰させる。この意味において、グリップ部材は作動サイクルのオフ位相の間に圧迫部材に沿って前進し、作動サイクルの活性化位相の間に圧迫レベルが高まる。そのような作動サイクルは、記憶合金の実施形態に見ることができる。
【0306】
この実施形態は、ポリマーおよび形状記憶材料に適している。特に、形状記憶材料にきわめて適している。その理由は、形状記憶材料が、漏れ得る電解質あるいは孔開きし得る薄いデリケートな誘電層を必要とせず、きわめて丈夫で周囲環境の損耗に耐えることができるからである。また、この実施形態は、形状記憶材料による加熱サイクルの間の急速な圧迫および冷却サイクルの間の緩慢な復帰を可能とする。記憶材料の衝撃加熱をフルに活用し、それによって(ECPあるいは衝撃深部静脈血栓症の治療に適した)極めて急速な圧迫発生速度を達成し、かつ第1のアクチュエータに与えられた長さである最大ストロークを作動サイクル毎に達成することができる。最後に、この構造は、圧迫力を維持しつつパワーダウンすることができるので、作動するときにだけ活物質に電力を与えれば良い。このようにして、かなり高い圧迫デューティサイクルを必要とする用途における全体的な装置の効率は、温度活性記憶材料あるいはより非効率なポリマー材料を用いるとしても、比較的高いレベルに維持することができる。
【0307】
図18〜図20bの作動ユニット1400は、以下の通りに作動する。
【0308】
最初に、圧迫装置を身体の一部の周りに配置し、内側層1445の第2の縁部をファスナー1411によって接続し、それによって圧迫装置は身体の一部の周りに心地よくフィットする。
【0309】
選択的な第2段階として、グリップ部材1406を、ラチェット構造1422のうちハウジング1407に最も近い部分に係合させる。
【0310】
第3段階として、第1のアクチュエータ1401aを活性化させて伸張させ、それによってラチェット構造1422のうちハウジング1407から最も遠くに位置する端部に向けてグリップ部材1406を移動させる。
【0311】
第1のアクチュエータ1401aが伸張すると、グリップ部材1406は、傾斜表面を越えて押動されて、ラチェット構造1422の次の噛み合い表面に係合する。あるいは、グリップ部材をラチェット構造との係合から解放させるとともに次の噛み合い表面に再び係合させるために、第2のアクチュエータ1401bを用いることができる。
【0312】
図21は圧迫装置の要素を模式的に示すブロック図である。図21に示した設計方針によると、制御装置1501によって制御される活物質アクチュエータ1502は、運動修正装置1505を介して圧迫部材1507と相互作用するように構成することができる。選択的に、活物質アクチュエータ1503と運動修正装置1505との間に、運動増幅機構1504を設けることができる。また、選択的に、図5a〜図5c、図8aおよび図8b、図9のように、運動修正装置1505と圧迫部材1507との間に伝達機構1506を設けることができる。また、選択的に、活物質アクチュエータ1502を、もしあれば、増幅運動機構1504に向かって、あるいは運動修正装置1505に向かって付勢するための付勢要素1503を設けることができる。
【0313】
図22は、他の実施形態の圧迫装置の要素を模式的に示すブロック図である。図22に示した設計方針によると、制御装置1601によって制御される第1のアクチュエータ1602は、運動修正装置1605を介して圧迫部材1607と相互作用するように構成することができる。選択的に、第1のアクチュエータ1602の運動修正装置1605との係合を制御するために、係合/解放アクチュエータ1608を設けることができる。この係合/解放アクチュエータ1608もまた、制御装置1601によって制御することができる。選択的に、活物質アクチュエータ1602を修正装置1605に向かって付勢するために、付勢要素1603を設けることができる。
【0314】
図23は、さらに他の実施形態の圧迫装置の要素を模式的に示すブロック図である。この設計方針において、並列に作動する2つのアクチュエータ1702a、1702bの組を制御装置1701が制御するが、各アクチュエータに各付勢要素1703a,1703bを設けることができる。アクチュエータ1702a,1702bの組は、運動修正装置1705を介して圧迫部材1707に係合する。
【0315】
図24aおよび図24bは、第1実施形態のグリップ部材の設計を模式的に示しているが、グリップ部材1806は、アクチュエータに対向する側面1850から可動部材に対向する側面1851に向かってテーパ状である。
【0316】
図25aおよび図25bは、第2実施形態のグリップ部材の設計を模式的に示しているが、グリップ部材は図24aおよび図24bのようにテーパ状であるが矢印の形状となっている。その先端部分は、どの縁部も可動部材に引っかかることがなく、かつ締め付けの間に可動部材を真っ直ぐなままとするべく可動部材上に望ましい力を維持するために、その向きを定めることができる。
【0317】
図26a〜図26eは、第3実施形態のグリップ部材の設計を模式的に示しているが、グリップ部材2006はアクチュエータに対向する側面2050から可動部材に対向する側面2051に向かってテーパ状であり、かつ後者の側面には図26b〜図26eのうち任意のパターンの微少リブが設けられている。図26b〜図26eから判るように、図24aおよび図24bと図25aおよび図25bに示されているグリップ部材の設計を微少リブと組み合わせて、グリップ部材上にラチェット構造を設けることができる。ラチェット構造に非対称の歯を設けることにより、可動部材上のグリップを更に高めることができる。V字形はラチェット構造からの粒子(塵、垢)の除去を容易にし、かつ音響的な減衰をもたらす。
【0318】
図27a〜図27iは、さらに他のグリップ部材の設計を模式的に示しているが、その全てが、可動部材に向かい合って右から左への主方向に移動することが意図されている。グリップ部材には、図27a、図27b、図27d、図27f、図27gおよび図27iに示したように、主方向に延びる芯合わせ溝2760を設けることができる。そのような芯合わせ溝2760は、に可動部材の運動方向を制御して逸脱を回避するために用いることができるし、グリップ部材および/または可動部材に設けることもできる。基本的に、グリップ部材と可動部材との間の相対運動が意図された方向に従うことを保証するために、任意の相互作用する芯合わせ構造をグリップ部材および可動部材(ホイールあるいはストラップに関係なく)に設けることができる。
【0319】
芯合わせ溝2760は、圧迫サイクルの間の芯合わせを維持するために、圧迫部材あるいは可動部材の表面上の適合構造とともに用いることができる。あるいは、そのような設計は、グリップ部材の表面と有利な方法で相互に作用するために、圧迫部材あるいは可動部材の表面上にパターン化することができる。グリップ部材および圧迫部材上の適合パターンは、(2つの表面の積極的な係合によって)境界面の出力性能を高め、各ストロークの間における芯合わせを維持し、作動ユニットに対する圧迫部材の中心合わせを維持するために用いることができる。
【0320】
エンボス加工された整列部材2761は、圧迫サイクルの間の芯合わせを維持するために、グリップ部材の表面上の適合構造とともに用いることができる。
【0321】
図28a〜図28fは、グリップ部材のさらに他の設計を模式的に示している。
【0322】
圧迫治療装置の圧迫部材に使用するアクチュエータについて説明してきたが、そのようなアクチュエータには、シートベルトの締付け、強力なケーブル駆動、ケーブル巻上げ機構、連続シート処理設備、調節可能なベルト駆動締付システム、調節可能な流量制限器、ぜんどうポンプ、その他といった、さらなる適用領域がある。
【0323】
注目されることは、噛み合い表面(図10a〜図10d、図13a〜図13c、図16、図18、図19aおよび図19b、図20aおよび図20b)が生じる実施形態においては、2つの隣接するロック表面の間の間隔は、アクチュエータの最大利用可能ストローク長さよりも短くすることができることである。いくつかの実施形態においては、力が小さい状況(小さい圧迫)下においてはアクチュエータが各ストローク毎に複数のロック表面の上を踏み越えるが、圧迫部材を身体の一部の周りに締め付けて(圧迫レベルがを増加すると)(圧迫部材からの力の増加によって)アクチュエータの歩幅がより小さくなるものの、完全なアクチュエータストローク毎に少なくとも一つのステップが作り出されるためには結果として得られるロック表面の間隔が依然として充分であるように、ロック表面の間隔をアクチュエータの利用可能なストローク長さの一部分に設定することができる。これにより、この構造の出力能力を制限する一つの手段は、ロック表面の間隔と利用できるアクチュエータストローク長さとの間の比率の設計である。少なくとも1ステップ前進するために必要な力がアクチュエータの能力を上回るときには、修正が失われ、かつ圧迫部材はもはや前進することができない。
【0324】
本願明細書に開示したアクチュエータは、ある対象物の周りにストラップを締め付けあるいはストラップを引張る、あらゆる用途に用いることができることは認められる。これにより、本願明細書の開示は、身体の一部の圧迫治療のための装置ばかりでなくストラップを締め付けあるいは引張るためのいかなる装置によっても限定されることがない。
【図面の簡単な説明】
【0325】
【図1a】図1a〜図1dは圧迫装置を取り付けた身体の一部を模式的に示す図。
【図1b】図1a〜図1dは圧迫装置を取り付けた身体の一部を模式的に示す図。
【図1c】図1a〜図1dは圧迫装置を取り付けた身体の一部を模式的に示す図。
【図1d】図1a〜図1dは圧迫装置を取り付けた身体の一部を模式的に示す図。
【図2】圧迫装置の一実施形態における構成要素の模式的な分解斜視図。
【図3】第1実施形態の作動ユニットの模式的な断面図。
【図4】圧迫装置を取り付けた身体の一部の模式的な断面図。
【図5a】図5a〜図5cは、第2実施形態の作動ユニットを模式的に示す図。
【図5b】図5a〜図5cは、第2実施形態の作動ユニットを模式的に示す図。
【図5c】図5a〜図5cは、第2実施形態の作動ユニットを模式的に示す図。
【図6a】図6aおよび図6bは第3実施態様の作動ユニットの一部を模式的に示す図。
【図6b】図6aおよび図6bは第3実施態様の作動ユニットの一部を模式的に示す図。
【図7a】図7a〜図7cは第4実施形態の作動ユニットを模式的に示す図。
【図7b】図7a〜図7cは第4実施形態の作動ユニットを模式的に示す図。
【図7c】図7a〜図7cは第4実施形態の作動ユニットを模式的に示す図。
【図8a】図8a〜図8bは第5の実施形態の作動ユニットを模式的に示す図。
【図8b】図8a〜図8bは第5の実施形態の作動ユニットを模式的に示す図。
【図9】図9は、作動装置の部分に関して模式的に示すに第6の実施形態。
【図10a】図10a〜図10dは、第7実施形態の作動ユニットを模式的に示す図。
【図10b】図10a〜図10dは、第7実施形態の作動ユニットを模式的に示す図。
【図10c】図10a〜図10dは、第7実施形態の作動ユニットを模式的に示す図。
【図10d】図10a〜図10dは、第7実施形態の作動ユニットを模式的に示す図。
【図11】第8実施形態の作動ユニットを模式的に示す図。
【図12】図12は、図11の作動ユニットのための駆動信号を模式的に示す図。
【図13a】図13a〜図13cは、第9実施形態の作動ユニットを模式的に示す図。
【図13b】図13a〜図13cは、第9実施形態の作動ユニットを模式的に示す図。
【図13c】図13a〜図13cは、第9実施形態の作動ユニットを模式的に示す図。
【図14a】図14a〜図14gは、第10実施形態の作動ユニットを模式的に示す図。
【図14b】図14a〜図14gは、第10実施形態の作動ユニットを模式的に示す図。
【図14c】図14a〜図14gは、第10実施形態の作動ユニットを模式的に示す図。
【図14d】図14a〜図14gは、第10実施形態の作動ユニットを模式的に示す図。
【図14e】図14a〜図14gは、第10実施形態の作動ユニットを模式的に示す図。
【図14f】図14a〜図14gは、第10実施形態の作動ユニットを模式的に示す図。
【図14g】図14a〜図14gは、第10実施形態の作動ユニットを模式的に示す図。
【図15a】図15aおよび図15bは、第11実施形態の作動ユニットを模式的に示す図。
【図15b】図15aおよび図15bは、第11実施形態の作動ユニットを模式的に示す図。
【図16】第12実施形態の作動ユニットを模式的に示す図。
【図17】第13実施形態の作動ユニットを模式的に示す図。
【図18】第14実施形態の作動ユニットを模式的に示す図。
【図19a】図19aおよび図19bは、第14実施形態の作動ユニットの部品を模式的に示す図。
【図19b】図19aおよび図19bは、第14実施形態の作動ユニットの部品を模式的に示す図。
【図20a】図20aおよび図20bは、第14実施形態の作動ユニットの変形例の部品を模式的に示す図。
【図20b】図20aおよび図20bは、第14実施形態の作動ユニットの変形例の部品を模式的に示す図。
【図21】圧迫装置の要素を模式的に示すブロック図。
【図22】他の実施形態の圧迫装置の要素を模式的に示すブロック図。
【図23】さらに他の実施形態の圧迫装置の要素を模式的に示すブロック図。
【図24a】図24aおよび図24bは、第1実施形態のグリップ部材の設計を模式的に示す図。
【図24b】図24aおよび図24bは、第1実施形態のグリップ部材の設計を模式的に示す図。
【図25a】図25aおよび図25bは、第2実施形態のグリップ部材の設計を模式的に示す図。
【図25b】図25aおよび図25bは、第2実施形態のグリップ部材の設計を模式的に示す図。
【図26a】図26a〜図26eは、第3実施形態のグリップ部材および/または可動部材の設計を模式的に示す図。に第三実施態様。
【図26b】図26a〜図26eは、第3実施形態のグリップ部材および/または可動部材の設計を模式的に示す図。に第三実施態様。
【図26c】図26a〜図26eは、第3実施形態のグリップ部材および/または可動部材の設計を模式的に示す図。に第三実施態様。
【図26d】図26a〜図26eは、第3実施形態のグリップ部材および/または可動部材の設計を模式的に示す図。に第三実施態様。
【図26e】図26a〜図26eは、第3実施形態のグリップ部材および/または可動部材の設計を模式的に示す図。に第三実施態様。
【図27a】図27a〜図27lはグリップ部材および/または可動部材の他の設計を模式的に示す図。
【図27b】図27a〜図27lはグリップ部材および/または可動部材の他の設計を模式的に示す図。
【図27c】図27a〜図27lはグリップ部材および/または可動部材の他の設計を模式的に示す図。
【図27d】図27a〜図27lはグリップ部材および/または可動部材の他の設計を模式的に示す図。
【図27e】図27a〜図27lはグリップ部材および/または可動部材の他の設計を模式的に示す図。
【図27f】図27a〜図27lはグリップ部材および/または可動部材の他の設計を模式的に示す図。
【図27g】図27a〜図27lはグリップ部材および/または可動部材の他の設計を模式的に示す図。
【図27h】図27a〜図27lはグリップ部材および/または可動部材の他の設計を模式的に示す図。
【図27i】図27a〜図27lはグリップ部材および/または可動部材の他の設計を模式的に示す図。
【図27j】図27a〜図27lはグリップ部材および/または可動部材の他の設計を模式的に示す図。
【図27k】図27a〜図27lはグリップ部材および/または可動部材の他の設計を模式的に示す図。
【図27l】図27a〜図27lはグリップ部材および/または可動部材の他の設計を模式的に示す図。
【図28a】図28a〜図28fは、グリップ部材および/または可動要素の他の設計を模式的に示す図。
【図28b】図28a〜図28fは、グリップ部材および/または可動要素の他の設計を模式的に示す図。
【図28c】図28a〜図28fは、グリップ部材および/または可動要素の他の設計を模式的に示す図。
【図28d】図28a〜図28fは、グリップ部材および/または可動要素の他の設計を模式的に示す図。
【図28e】図28a〜図28fは、グリップ部材および/または可動要素の他の設計を模式的に示す図。
【図28f】図28a〜図28fは、グリップ部材および/または可動要素の他の設計を模式的に示す図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体の一部に圧迫処置を施すための装置であって、
前記身体の一部を少なくとも部分的に取り囲むように構成された圧迫部材と、
前記圧迫部材を締め付けて前記身体の一部に圧迫力を加えるように構成された作動ユニットと、を備え、
前記作動ユニットは、活物質アクチュエータを有する
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記作動ユニットは、前記圧迫部材を段階的に締め付けるように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載した装置。
【請求項3】
周期運動を実行するために前記アクチュエータにグリップ部材が接続され、
前記グリップ部材は、前記圧迫部材に接続された可動部材と係合するように構成されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載した装置。
【請求項4】
前記可動部材は、周期運動の第1の部分の間に前記グリップ部材と共に動くことが可能であり、かつ、周期運動の第2の部分の間に前記グリップ部材に対して動くことが可能である
ことを特徴とする請求項3に記載した装置。
【請求項5】
前記グリップ部材は、周期運動の前記第1の部分の間、力を伝達するようにして前記可動部材と係合しており、
周期運動の前記第2の部分の間、係合における前記力の伝達はなくなる又は実質的に少なくなる
ことを特徴とする請求項3に記載した装置。
【請求項6】
前記可動部材および前記グリップ部材を互いの方に向けて付勢する手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載した装置。
【請求項7】
前記グリップ部材に耐摩耗性コーティングが設けられている
ことを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載した装置。
【請求項8】
前記グリップ部材にグリップを強化するためのコーティングが設けられている
ことを特徴とする請求項3乃至7のいずれかに記載した装置。
【請求項9】
前記作動ユニットが、第2のアクチュエータと第2のグリップ部材とをさらに有する
ことを特徴とする請求項3乃至8のいずれかに記載した装置。
【請求項10】
前記グリップ部材および前記第2のグリップ部材が、前記可動部材の対向する面上に配置されている
ことを特徴とする請求項9に記載した装置。
【請求項11】
前記グリップ部材および前記第2のグリップ部材が、前記可動部材の同一の面上に配置されている
ことを特徴とする請求項9または10に記載した装置。
【請求項12】
周期運動の周波数が約1〜200Hz、約0.2〜20kHz、または、約20kHz〜1MHzの範囲にある
ことを特徴とする請求項3乃至11のいずれかに記載した装置。
【請求項13】
前記可動部材の一方向の運動をもたらすための修正手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項3乃至12のいずれかに記載した装置。
【請求項14】
前記アクチュエータは、前記可動部材が移動可能な方向と平行に延びる動作領域を含み、
前記可動部材は、実質的な平らな部分、または、前記アクチュエータに対向してわずかに曲がる部分を有し、
前記グリップ部材は、前記可動部材に向かって前記アクチュエータから突出している
ことを特徴とする請求項3乃至13のいずれかに記載した装置。
【請求項15】
前記活物質の形態によって増幅手段が設けられている
ことを特徴とする請求項14に記載した装置。
【請求項16】
前記アクチュエータが、少なくとも二つの電極の組を有しており、
各電極の組は、前記アクチュエータの活物質の領域に作動的に接続されるとともに個別に制御可能であり、
前記アクチュエータの活物質の領域は、前記グリップ部材に作動的に接続されている
ことを特徴とする請求項15に記載した装置。
【請求項17】
前記電極の組は、前記可動部材の運動の方向を調整すべく制御可能である
ことを特徴とする請求項16に記載した装置。
【請求項18】
前記電極の組のうちの第1の電極の組は、前記可動部材を第1の方向に移動させるべく制御可能であり、
第2の電極の組は、前記可動部材を反対の第2の方向に移動させるべく駆動可能である
ことを特徴とする請求項17に記載した装置。
【請求項19】
前記アクチュエータは、少なくとも一つの好ましい共振周波数または反共振周波数を有し、
前記電極の組の少なくとも一つは、前記好ましい共振周波数または前記反共振周波数で駆動可能である
ことを特徴とする請求項15乃至18のいずれかに記載した装置。
【請求項20】
請求項13に記載の装置と請求項14〜19のいずれかに記載の装置とを組み合わせた装置であって、
前記グリップ部材によって前記調整手段が設けられ、
前記グリップ部材が前記可動部材に対して可動な周期的運動の一部の間に、身体の一部および前記圧迫部材を含むシステムによって対抗力がもたらされる距離よりも長いある距離だけ第1の方向に可動であり、周期的な運動の前記一部の間に、前記可動部材を反対の第2の方向に動かすことができる
ことを特徴とする装置。
【請求項21】
前記作動ユニットは、少なくとも二つのグリップ部材を有しており、
各グリップ部材は、それぞれの周期運動を実行するために個別に制御可能である
ことを特徴とする請求項14乃至16のいずれかに記載した装置。
【請求項22】
前記グリップ部材は、それぞれの周期運動間に遅延が生じるようにして駆動されるよう、構成され、
いかなる時点においても、前記グリップ部材の少なくとも一つが、力を伝達するようにして前記可動部材と係合している
ことを特徴とする請求項21に記載した装置。
【請求項23】
前記活物質は増幅手段を介して前記グリップ部材に接続されている
ことを特徴とする請求項3乃至13のいずれかに記載した装置。
【請求項24】
前記増幅手段は導波部および/または波形成部を有する
ことを特徴とする請求項23に記載した装置。
【請求項25】
前記活物質に適用される第1の駆動周波数によって、前記グリップ部材の周期運動の第1の方向がもたらされ、かつ、前記活物質に適用される第2の異なる駆動周波数によって、前記グリップ部材の周期運動のうち第2の反対な方向がもたらされるように、前記活物質および前記増幅手段が構成されている
ことを特徴とする請求項23または24に記載した装置。
【請求項26】
請求項13に記載した装置と請求項23〜25のいずれかに記載した装置とを組み合わせた装置であって、
前記修正手段は、前記グリップ部材によって設けられ、
前記グリップ部材が前記可動部材に対して可動な周期的運動の一部の間には、身体の一部および前記圧迫部材を含むシステムによって対抗力がもたらされる距離よりも長いある距離だけ第1の方向に可動であり、周期的な運動の前記一部の間には、前記可動部材を反対の第2の方向に動かすことができる
ことを特徴とする装置。
【請求項27】
前記増幅手段は共振ホーンを有し、
前記共振ホーンは、前記グリップ部材および作動ユニットのハウジングまたはフレームに接続されている
ことを特徴とする請求項23乃至26のいずれかに記載した装置。
【請求項28】
前記アクチュエータは、前記共振ホーンの外縁部に設けられている
ことを特徴とする請求項27に記載した装置。
【請求項29】
前記アクチュエータは、前記共振ホーンのノードに設けられている
ことを特徴とする請求項27または28に記載した装置。
【請求項30】
前記共振ホーンが、前記グリップ部材に向かってテーパ状となっている断面を有する
ことを特徴とする請求項27乃至29のいずれかに記載した装置。
【請求項31】
前記増幅手段が、前記アクチュエータから前記グリップ部材に延びるフィンまたはアームを有する
ことを特徴とする請求項23乃至26のいずれかに記載した装置。
【請求項32】
少なくとも二つのフィンが前記アクチュエータから各グリップ部材に延びている
ことを特徴とする請求項31に記載した装置。
【請求項33】
前記可動部材に前記グリップ部材と正方向に噛み合うための手段が設けられている
ことを特徴とする請求項3乃至13のいずれかに記載した装置。
【請求項34】
前記正方向に噛み合う手段は、前記可動部材の運動方向と平行な方向に延びるラチェット構造を有する
ことを特徴とする請求項33に記載した装置。
【請求項35】
前記正方向に噛み合う手段は、少なくとも二つの平行なラチェット構造を有する
ことを特徴とする請求項34に記載した装置。
【請求項36】
前記ラチェット構造は、連続して並べられた複数の歯を有し、
各歯は、前記グリップ部材と相互作用するように構成された少なくとも一つの噛み合い面を含む
ことを特徴とする請求項34または35に記載した装置。
【請求項37】
隣り合う二つの噛み合い面は、前記アクチュエータの最大ストロークより短い距離だけ離間して配置されている
ことを特徴とする請求項36に記載した装置。
【請求項38】
前記アクチュエータは、前記可動部材の意図された動く方向と平行な方向に前記グリップ部材を動かすように構成された第1の動作領域と、前記可動部材から離間する方向に前記グリップ部材を動かすように構成された第2の動作領域と、を有する
ことを特徴とする請求項36に記載した装置。
【請求項39】
前記可動部材の意図された動く方向と平行な方向に第1の速度で前記グリップ部材を動かし、かつ、第2の実質的に反対な方向により速い第2の速度で前記グリップ部材を動かすように、前記第1動作領域が構成されている
ことを特徴とする請求項38に記載した装置。
【請求項40】
圧迫された身体の一部からの抗力にもかかわらず前記可動部材をその意図された方向に移動させるのに十分となるにように、前記第2の速度は適合されていることを特徴とする請求項39に記載した装置。
【請求項41】
前記グリップ部材および前記可動部材は、前記第1の運動の間および第2の運動の間に、互いの方に向けて付勢される
ことを特徴とする請求項36乃至40のいずれかに記載した装置。
【請求項42】
各グリップ部材は、それぞれフックを有し、各ラチェット構造と相互に作用するように構成されている
ことを特徴とする請求項35に記載した装置。
【請求項43】
前記グリップ部材は、それぞれの周期運動間に遅延が生じるようにして駆動されるよう、構成され、いかなる時点においても、前記グリップ部材の少なくとも一つが関連するラチェット構造と力を伝達するようにして係合している
ことを特徴とする請求項42に記載した装置。
【請求項44】
前記可動部材は、その意図された運動方向と実質的に平行に延びるガイド部材を有し、
前記グリップ部材は、長手方向に離間して配置された第1および第2の締付部材であって、前記ガイド部材との解放可能な係合するように制御可能な第1および第2の締付部材を有し、
前記グリップ部材は、前記締付部材の間に延びる長手方向運動部材をさらに有し、
前記長手方向運動部材は、前記ガイド部材と平行な方向において制御可能に伸長しかつ収縮することができる
ことを特徴とする請求項3乃至13のいずれかに記載した装置。
【請求項45】
前記締付部材および前記長手方向運動部材は、個別に制御可能である
ことを特徴とする請求項44に記載した装置。
【請求項46】
前記締付部材および前記長手方向運動部材は、
a)両方の締付部材がガイド部材に対して力を伝達する状態にある係止状態と、
b)前記締付部材のうちの1番目の締付部材が前記ガイド部材に対して力を伝達する状態にあり、前記締付部材のうちの2番目の締付部材が前記スペースの壁に対して可動であり、かつ、前記長手方向運動部材が膨張または収縮される第1の運動状態と、
c)前記締付部材のうちの2番目の締付部材が前記ガイド部材に対して力を伝達する状態にあり、前記締付部材のうちの1番目の締付部材が前記ガイド部材に対して可動であり、かつ、前記長手方向運動部材が膨張または収縮される第2の運動状態と、
において駆動可能である
ことを特徴とする請求項45に記載した装置。
【請求項47】
前記アクチュエータは、前記可動部材の意図された動く方向と実質的に平行な平面内の成分を有する往復運動を、前記グリップ部材に行わせるように構成され、
前記グリップ部材が前記平面内において第1方向に移動する前記往復運動の第1部分の期間に、前記グリップ部材と前記可動部材との間に高い摩擦をもたらすとともに、前記グリップ部材が反対の第2方向に移動する前記往復運動の第2部分の期間に、前記グリップ部材と前記可動部材との間に低い摩擦をもたらすために、前記修正手段が設けられる
ことを特徴とする請求項13に記載した装置。
【請求項48】
前記修正手段が、前記グリップ部材と前記可動部材の間に設けられている
ことを特徴とする請求項47に記載した装置。
【請求項49】
前記修正手段が、前記可動部材とベース部材との間に設けられ、
前記ベース部材には、前記アクチュエータが固定的に取り付けられている
ことを特徴とする請求項47または48に記載した装置。
【請求項50】
前記修正手段が傾斜した微小繊維を有する
ことを特徴とする請求項47乃至49のいずれかに記載した装置。
【請求項51】
前記修正手段は、前記傾斜した微小繊維と相互作用するように構成されたラチェット構造を有している
ことを特徴とする請求項50に記載した装置。
【請求項52】
前記修正手段を少なくとも部分的に解放するための手段をさらに備え、前記第1および第2の方向の両方において前記グリップ部材と前記可動部材との間の相対運動を可能にするようになっている
ことを特徴とする請求項47乃至51のいずれかに記載した装置。
【請求項53】
前記可動部材は、前記圧迫部材と一体化されている
ことを特徴とする請求項3乃至52のいずれかに記載した装置。
【請求項54】
前記可動部材は、前記圧迫部材と単一片として形成されている
ことを特徴とする請求項53に記載した装置。
【請求項55】
前記可動部材は、前記圧迫部材に固定的に取り付けられている
ことを特徴とする請求項53に記載した装置。
【請求項56】
前記可動部材は、接続部材によって圧迫部材に接続されている
ことを特徴とする請求項3乃至52のいずれかに記載した装置。
【請求項57】
前記可動部材は、前記圧迫部材に着脱自在に取り付けられている
ことを特徴とする請求項3乃至52のいずれかに記載した装置。
【請求項58】
前記作動ユニットは、身体の一部と、圧迫部材または圧迫部材に接続された接続部材と、の間の半径方向の距離を制御するように構成されている
ことを特徴とする請求項1あるいは2に記載した装置。
【請求項59】
前記作動ユニットは、前記圧迫部材または前記接続部材のうちの周囲方向に離間して配置された二つ部分の間を延びる取付ベースを有し、
制御可能に曲がることができるアクチュエータ要素が設けられ、前記取付ベースと、前記圧迫部材または前記圧迫部材に接続された接続部材と、の間の半径方向の距離を制御する
ことを特徴とする請求項58に記載した装置。
【請求項60】
前記アクチュエータ要素の縁部との相互作用のために、前記取付ベース上にラチェット機構が設けられている
ことを特徴とする請求項59に記載した装置。
【請求項61】
アクチュエータ要素の両縁部が各ラチェット構造と係合するとともに、前記アクチュエータ要素の中央部分が前記圧迫部材または前記接続部材と係合する
ことを特徴とする請求項60に記載した装置。
【請求項62】
前記可動部材は、実質的に中心軸線を中心として回転可能に構成された回転可能な部分を有し、
前記グリップ部材は、前記回転可能な部分の面に作用するように構成されている
ことを特徴とする請求項3乃至13のいずれかに記載した装置。
【請求項63】
前記グリップ部材は、中心軸線からある距離において前記回転可能な部分の面に係合するように構成されており、
スピンドルが、前記回転可能な部分に連結され、前記中心軸線の回りを回転可能となっており、
前記圧迫部材、または、前記圧迫部材に接続された前記接続部材は、前記スピンドル上に巻き取り可能である
ことを特徴とする請求項62に記載した装置。
【請求項64】
単一の圧迫部材または単一の接続部材が前記スピンドル上に巻き取り可能である
ことを特徴とする請求項63に記載した装置。
【請求項65】
二以上の圧迫部材または接続部材が、前記スピンドル上に巻き取り可能であるとともに、前記中心軸線から本質的に異なる方向に延びている
ことを特徴とする請求項63に記載した装置。
【請求項66】
前記回転可能な部分の有効直径および前記スピンドル部材の有効直径は異なる
ことを特徴とする請求項63乃至65のいずれかに記載した装置。
【請求項67】
少なくとも二つの回転可能な部分が前記スピンドルに接続され、
各アクチュエータは前記回転可能な部分と相互に作用するように構成されている
ことを特徴とする請求項62乃至66のいずれかに記載した装置。
【請求項68】
前記回転可能な部分は、実質的に前記スピンドルの各端部に配置されている
ことを特徴とする請求項67に記載した装置。
【請求項69】
前記増幅手段が活物質の形態によってもたらされている
ことを特徴とする請求項62乃至68のいずれかに記載した装置。
【請求項70】
前記アクチュエータは、少なくとも二つの電極の組を有し、
各電極の組は、前記アクチュエータの活物質の領域に作動的に接続されるとともに個別に制御可能であり、
前記アクチュエータの前記活物質の領域は、前記グリップ部材に作動的に接続されている
ことを特徴とする請求項69に記載した装置。
【請求項71】
前記電極の組の1番目は、前記可動部材を第1の方向に移動させるべく制御可能であるとともに、2番目の電極の組は、前記可動部材を反対の第2の方向に移動させるべく駆動可能である
ことを特徴とする請求項70に記載した装置。
【請求項72】
前記アクチュエータは、少なくとも一つの有利な共振周波数または反共振周波数を有し、
前記電極の組の少なくとも一つは、前記有利な共振周波数または反共振周波数において駆動可能である
ことを特徴とする請求項69乃至71のいずれかに記載した装置。
【請求項73】
前記作動ユニットは、個別に駆動可能な二つのアクチュエータを有する
ことを特徴とする請求項62乃至68のいずれかに記載した装置。
【請求項74】
前記アクチュエータは異なる位相で駆動可能である
ことを特徴とする請求項73に記載した装置。
【請求項75】
前記アクチュエータの少なくとも一つが前記可動部材に対し鋭角に配置されている
ことを特徴とする請求項73または74に記載した装置。
【請求項76】
前記アクチュエータの少なくとも一つが少なくとも一つの有利な共振周波数または反共振周波数を有し、
前記アクチュエータの電極の組の少なくとも一つが前記有利な共振周波数または反共振周波数で駆動可能である
ことを特徴とする請求項73乃至75のいずれかに記載した装置。
【請求項77】
前記活物質は、前記増幅手段を介して前記グリップ部材に接続されている
ことを特徴とする請求項62乃至68のいずれかに記載した装置。
【請求項78】
前記増幅手段は導波部および/または波形成部を有する
ことを特徴とする請求項77に記載した装置。
【請求項79】
前記アクチュエータは、ホーン励起タイプモータ、定在波回転モータ、移動進行波モータおよび超音波モータより構成されるグループから選択されるモータを有し、
前記モータはスピンドル作動的に接続され、
前記圧迫部材、または、前記圧迫部材に接続された前記接続部材は、前記スピンドル上に巻き取り可能である
ことを特徴とする請求項1あるいは2に記載した装置。
【請求項80】
前記モータは、動力伝達機構を介して前記スピンドルに接続されている
ことを特徴とする請求項79に記載した装置。
【請求項81】
単一の圧迫部材または単一の接続部材が、前記スピンドル上に巻き取り可能である
ことを特徴とする請求項79または80に記載した装置。
【請求項82】
二以上の圧迫部材または接続部材は、前記スピンドル上に巻き取り可能であるとともに、前記スピンドルから本質的に異なる方向に延びている
ことを特徴とする請求項79または80に記載した装置。
【請求項83】
前記モータの回転可能な出力部分が前記スピンドルと同軸である
ことを特徴とする請求項79に記載した装置。
【請求項84】
前記圧迫部材は、主として一以上の受動材料から形成されている
ことを特徴とする請求項1乃至83のいずれかに記載した装置。
【請求項85】
前記作動ユニットの少なくとも一つが身体の一部と平行な方向に配置され、
前記圧迫部材は、前記少なくとも一つの作動ユニットから実質的に垂直な方向に延びている
ことを特徴とする請求項1乃至84のいずれかに記載した装置。
【請求項86】
前記作動ユニットは、異なる方向に延びている二つの圧迫部材または身体の一部を少なくとも部分的に取り巻いている単一の圧迫部材の2つの端部を締め付けるように構成されている
ことを特徴とする請求項1乃至85のいずれかに記載した装置。
【請求項87】
少なくとも二つの作動ユニットが並列に配置され、
各作動ユニットは少なくとも一つの圧迫部材を締め付けるように構成されている
ことを特徴とする請求項1乃至86のいずれかに記載した装置。
【請求項88】
前記作動ユニットは、前記圧迫部材を反対方向に引っ張ることによって前記圧迫部材を締め付けるように構成されている
ことを特徴とする請求項86または87に記載した装置。
【請求項89】
身体の一部に圧迫処置を施すための装置であって、
前記身体の一部を少なくとも部分的に取り囲むように構成された圧迫部材を備え、
前記圧迫部材は、前記身体の一部に段階的に圧迫力を加えるように構成され、
前記圧迫部材は活物質アクチュエータを有する
ことを特徴とする装置。
【請求項90】
前記活物質アクチュエータは、周囲方向に膨張可能および収縮可能である
ことを特徴とする請求項89に記載した装置。
【請求項91】
前記活物質の膨張速度は、前記活物質の収縮速度よりも速い
ことを特徴とする請求項89あるいは90に記載した装置。
【請求項92】
作動ユニットは、実質的に周囲方向において互いに相対移動可能な第1の部分および第2の部分を有し、
前記第1の部分にラチェット構造が設けられ、
前記第2の部分にグリップ部材が設けられている
ことを特徴とする請求項89乃至91のいずれかに記載した装置。
【請求項93】
前記グリップ部材は、前記第2の部分の最も外側の縁部に配置されている
ことを特徴とする請求項92に記載した装置。
【請求項94】
前記ラチェット構造および前記グリップ部材は互いの方に向けて付勢されている
ことを特徴とする請求項92あるいは93に記載した装置。
【請求項95】
前記グリップ部材は、曲がることができる要素を制御するための第2のアクチュエータを有し、
前記曲がることができる要素は、前記ラチェット構造に係合して前記身体の一部に対する圧迫力を維持するように構成されている
ことを特徴とする請求項92乃至94のいずれかに記載した装置。
【請求項96】
前記アクチュエータおよび前記曲がることができる要素は、二層構造を形成している
ことを特徴とする請求項95に記載した装置。
【請求項97】
前記曲がることができる要素は、前記第2の部分の外縁部を実質的に取り囲むように構成されている
ことを特徴とする請求項95または96に記載した装置。
【請求項98】
前記曲がることができる要素は、前記活物質アクチュエータと単一片として形成されている
ことを特徴とする請求項95あるいは96に記載した装置。
【請求項99】
前記曲がることができる要素のうちの前記ラチェット構造と接触するように設計された部分に、グリップを改良する層および/または摩耗を改良する層が設けられている
ことを特徴とする請求項98に記載した装置。
【請求項100】
前記作動ユニットは二つのグリップ部材を有し、
各グリップ部材のラチェット構造に対する相互作用は個別に制御可能である
ことを特徴とする請求項92乃至99のいずれかに記載した装置。
【請求項101】
前記グリップ部材は、それぞれの周期運動間に遅延が生じるようにして駆動されるよう、構成され、いかなる時点においても、前記グリップ部材の少なくとも一つが関連するラチェット構造と力を伝達するようにして係合している
ことを特徴とする請求項100に記載した装置。
【請求項102】
身体の一部を取り囲むスリーブを形成するように寸法決めされかつ構成されている
ことを特徴とする請求項1乃至101のいずれかに記載した装置。
【請求項103】
前記装置は、対向縁部を有したシートとして形成され、
前記対向縁部には、前記縁部を互いに接続して前記スリーブを形成するための接続手段が設けられている
ことを特徴とする請求項102に記載した装置。
【請求項104】
前記作動ユニットと、もし有れば圧迫部材と、が作動層を形成し、
前記装置は、前記作動層と前記身体の一部との間に配置されたセンサ層と、前記センサ層または作動層と身体の一部との間に配置された内側層と、前記作動層の外側に配置された外側層と、のうちの少なくとも一つを有する
ことを特徴とする請求項1乃至103のいずれかに記載した装置。
【請求項105】
前記内側層および前記センサ層が一体化されて使い捨て層を形成している
ことを特徴とする請求項104に記載した装置。
【請求項106】
前記使い捨て層は、機械的および/または電気的に作動層に接続するための手段を有する
ことを特徴とする請求項105に記載した装置。
【請求項107】
前記使い捨て層は、前記使い捨て層から、前記作動層または前記装置の外部にある前記制御装置へ、信号を伝達するための手段を有する
ことを特徴とする請求項105または106に記載した装置。
【請求項108】
前記活物質は、電気活性ポリマー、電気活性セラミックまたは結晶材料、形状記憶材料、あるいは、これらの材料に類似した特性を有する材料から、構成されている
ことを特徴とする請求項1乃至107のいずれかに記載した装置。
【請求項109】
請求項1乃至108のいずれかに記載した装置と、
前記装置に接続され、前記装置に制御信号をもたらすように構成された制御装置と、を備える
ことを特徴とするシステム。
【請求項110】
少なくとも一つのセンサ要素を有するセンサ層を備え、
前記制御装置は、前記センサからのフィードバック信号を受けるように構成されている
ことを特徴とする請求項109に記載したシステム。
【請求項111】
前記制御装置が、少なくとも部分的に前記装置と一体化されている
ことを特徴とする請求項109または110に記載したシステム。
【請求項112】
請求項1乃至108のいずれかに記載された身体の一部に圧迫処置を施すための装置の使用であって、
深部静脈血栓(DVT)、血管障害、循環障害、浮腫、心臓病、リンパ水腫および塞栓より構成されるグループから選択される状態を、治療または防止するための使用。
【請求項113】
請求項1乃至108のいずれかに記載された身体の一部に圧迫処置を施すための装置の使用であって、
高重力にさらされる人物の身体の一部における鬱血を、防止または打ち消すための使用。
【請求項114】
請求項1乃至108のいずれかに記載された身体の一部に圧迫処置を施すための装置の使用であって、
ストレス治療、マッサージ治療、血圧監視、あるいは、人工器官の適合調節機構のための使用。
【請求項115】
請求1乃至108のいずれかに記載された身体の一部に圧迫処置を施すための装置の非治療上の使用。
【請求項116】
請求1乃至108のいずれかに記載された身体の一部に圧迫処置を施すための装置の、非医学的な目的のための使用。
【請求項117】
身体の一部に圧迫処置を施す装置を作動方法であって、
前記身体の一部を取り囲んでいる部材を締め付けて前記身体の一部に圧迫力を加え、
前記部材に接続されるとともに活物質アクチュエータを有する前記装置の作動ユニットを制御して、前記圧迫力を段階的に加える
ことを特徴とする方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図1d】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9】
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【図10a】
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【図10b】
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【図10c】
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【図10d】
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【図11】
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【図12】
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【図13a】
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【図13b】
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【図13c】
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【図14a】
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【図14b】
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【図14c】
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【図14d】
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【図14e】
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【図14f】
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【図14g】
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【図15a】
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【図15b】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19a】
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【図19b】
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【図20a】
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【図20b】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24a】
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【図24b】
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【図25a】
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【図25b】
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【図26a】
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【図26b】
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【図26c】
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【図26d】
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【図25e】
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【図27a】
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【図27b】
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【図27c】
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【図27d】
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【図27e】
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【図27f】
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【図27g】
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【図27h】
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【図27i】
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【図27j】
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【図27k】
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【図27l】
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【図28a】
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【図28b】
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【図28c】
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【図28d】
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【図28e】
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【図28f】
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【公表番号】特表2009−523043(P2009−523043A)
【公表日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−549765(P2008−549765)
【出願日】平成18年1月13日(2006.1.13)
【国際出願番号】PCT/EP2006/000276
【国際公開番号】WO2007/079777
【国際公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(507117935)エスエムエム メディカル アーベー (3)
【Fターム(参考)】