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身体清拭タオル
説明

身体清拭タオル

【課題】重ね折り時のシート体の馴染みが良く、折り曲げ部側を薄く偏平状にきると共に折り重ね時の端部同士の重なりを良好にでき、ロール状に巻いた場合でもその巻き径を小さくでき、しかもシート体のバラケを防止しながら容易且つ能率的に製造できるようにする。
【解決手段】タオル形状のシート体5を長手方向Aに折り重ねて、気密性を有する包装袋4により密封する。シート体5はセルロース繊維製の連続繊維不織布5a等であり、長手方向Aの引張強度が短手方向Bよりも小で、長手方向Aの伸び率が短手方向Bよりも大である。またシート体5は目付けが25g/m2 〜100g/m2 で、短手方向Bの長さが長手方向Aの長さの1/3〜1/8倍である。シート体5は長手方向Aの略中央で複数回二つ折り状に折り重ねている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タオル形状のシート体を気密性を有する包装袋に密封してなる包装型身体清拭タオル及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
使い捨て式の包装型身体清拭タオル、例えばウェットシートには、手指、顔、首筋等の清拭用に使用されるハンカチサイズのおしぼりの他に、1,000cm2 以上の面積を有し、乳幼児、病人、老人等の被介護者の身体の広い面積の部分の清拭用に使用される濡れタオルがある(特許文献1)。
【0003】
これらのおしぼり、濡れタオルは、通常、パルプ、綿又は合成繊維製の不織布、織布等のシート体を用い、このシート体を適当な大きさに折り重ねロール状に巻いた状態で、不透湿性又はガスバリア性を有する包装袋により包装し密封されている。そして、使用に際して、包装袋を開封してロール状のシート体を取り出すようになっている。
【特許文献1】特開平9−294689号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ハンカチサイズ程度の小判サイズのおしぼりは、比較的面積が小さいため、ロール状に巻いた状態で包装袋により密封しても、さほど包装形態が大きくならず高能率で容易に製造することが可能である。
【0005】
しかし、目付けが25g/m2 以上で面積が1,000cm2 以上の大判のタオル形状をしたシート体になると、このシート体を長手方向の略中央で複数回折り重ねてロール状に巻いても、重ね折りしたときの馴染みが悪いために折り曲げ部側が厚さ方向に大きく膨らんで、ロール状に巻いたときの巻き径が非常に大きくなったり、折り重ね回数が増えるに伴って折り曲げ部と反対側の端部同士がうまく重なり合わなくなったりする等の問題がある。
【0006】
これは、従来のタオル織り技術にも要因があるが、使用者がシート体を自分の背中にたすき掛け状に当てて擦ったり拭いたりできるように、シート体の長手方向の引張強度を短手方向よりも大にし、長手方向の伸びを短手方向よりも小さくしていることに要因がある。
【0007】
このため長手方向の引張強度が短手方向よりも大のシート体の場合には、それ自体のコシに抗してシート体を折り重ねることになるが、長手方向のコシが非常に強いため、シート体の折り曲げ部側が薄く偏平な状態にならず厚さ方向に膨らむことになる。その結果、ロール状に巻いたときの巻き径が非常に大きくなったり、折り重ね回数が増えるに従って端部同士がうまく重なり合わなくなったりする傾向がある。
【0008】
一方、一人では入浴できない病人、老人等の被介護者を対象とする清拭タオルには、厚手のシート体を用い、しかも大きな面積を有するものが希望される傾向になる。
【0009】
従って、例えば1,500cm2 〜5,000cm2 の面積を有する大判サイズの身体清拭タオルになれば、ロール状の巻き径が非常に大きなものとなり、当然、包装後の形も非常に大きなものとなる。その結果、製造時の折り重ね工程、巻き工程でシート体がバラケ易く、また包装も困難になる等の理由から生産性が著しく低下し、しかも包装袋の材料費、輸送費が嵩む等、あらゆる面でコスト高になる欠点がある。
【0010】
本発明は、従来のこのような課題に鑑み、重ね折り時のシート体の馴染みが良く、折り曲げ部側を薄く偏平状にきると共に折り重ね時の端部同士の重なりを良好にでき、仮にロール状に巻いた場合でもその巻き径を小さくでき、しかもシート体のバラケを防止しながら容易且つ能率的に製造でき生産性が著しく向上する上に、製造コスト、物流コストを低減できる包装型身体清拭タオル及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る包装型身体清拭タオルは、タオル形状のシート体5を長手方向Aに折り重ねて、気密性を有する包装袋4により密封してなるものであって、前記シート体5の長手方向Aの引張強度が短手方向Bよりも小であり、長手方向Aの伸び率が短手方向Bよりも大であることを特徴とするものである。
【0012】
前記シート体5は目付けが25g/m2 〜100g/m2 であり、短手方向Bの長さが長手方向Aの長さの1/3〜1/8倍であることが望ましい。また前記シート体5は長手方向Aの略中央で複数回二つ折り状に折り重ねることが望ましい。前記シート体5は不織布であり、該不織布は短手方向Bに略連続する略凸状の横筋目9を長手方向Aに所定の間隔をおいて多数有するものでもよい。
【0013】
前記不織布は水流絡合法により造られたものであって、略全体に格子状又は網目状の凹凸模様を有するものでもよい。前記シート体5はセルロース繊維製の連続繊維不織布5aであることが望ましい。前記シート体5は長手方向Aの長さが60cm〜120cm、短手方向Bの長さが25cm〜60cmの大判タオル形状であることが望ましい。前記シート体5を長手方向Aに折り重ねて短手方向Bに巻いたロール体2とし、該ロール体2の巻き径Cと長さDとを略同じにしてもよい。
【0014】
前記シート体5は液体を含浸してもよい。前記液体は精製水に柑橘種子抽出物と抗菌性保湿剤とを配合した混合配合液剤であり、前記抗菌性保湿剤は1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオールの1種又は複数種であって、アルコール(1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオールを除く)と殺菌剤とパラペンとを含まないものであることが望ましい。
【0015】
本発明に係る包装型身体清拭タオルの製造方法は、長手方向Aの引張強度が短手方向Bよりも小で長手方向Aの伸び率が短手方向Bよりも大であるタオル形状のシート体5を前記長手方向Aに折り重ねて前記短手方向Bにロール状に巻き、気密性を有する包装袋4により密封してなる包装型身体清拭タオルの製造に際して、原反シート15を原反長手方向に送りながら該原反シート15を原反幅方向に複数回折り重ねる折り重ね工程16〜18と、折り重ね後の折り重ね原反シート19を前記原反シート15の原反幅よりも短い長さで原反幅方向に裁断する裁断工程20と、裁断後の折り重ねシート体21をロール状に巻く巻き工程22とを経て製造するものである。ロール状に巻いたロール体2に液体を含浸させる液体含浸工程23を含むこともある。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、シート体5の長手方向Aの引張強度が短手方向Bよりも小であり、長手方向Aの伸び率が短手方向Bよりも大であるため、重ね折り時のシート体5の馴染みが良く、折り曲げ部側を薄く偏平状にきると共に折り重ね時の端部同士の重なりを良好にできる。従って、仮にロール状に巻いた場合でもその巻き径を小さくでき、しかもシート体5のバラケを防止しながら容易且つ能率的に製造できるため、従来に比較して生産性が著しく向上する上に、製造コスト、物流コストを低減できる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図10は本発明に係る使い捨て式の包装型身体清拭タオルとその製造方法との第1の実施形態を例示する。
【0018】
この包装型身体清拭タオル1は、図1〜図3に示すようにロール体2に所要の液体を含浸させた清拭タオル3を、気密性、即ち不透湿性又はガスバリア性を有する包装袋4により密封包装したものであって、図4(a)(b)に示すように、所定のタオル形状に裁断されたシート体5を、その長手方向Aの略中央部で複数回、例えば3回程度折り重ねた後、巻き径Cと軸心方向の長さDとが略同じとなるようにロール状に巻いてロール体2とし、これに液体を含浸させた清拭タオル3を包装袋4により包装している。
【0019】
シート体5に含浸すべき含浸液については、適宜処方液を使用すればよい。包装袋4は包装材を縦方向のシール部6及び横方向のシール部7でシールして構成され、また横方向のシール部7に開封用の切り込み部8が設けられている。
【0020】
なお、包装袋4は不透湿性又はガスバリア性を有し、開封時に容易に破断できるものであれば、単体フィルム又は複合フィルムの何れを使用してもよい。例えば、ポリプロピレン延伸フィルムと未延伸ポリプロピレンフィルムとをラミネート加工したもの、或いはアルミ箔の片面又は両面にポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等の合成樹脂フィルムをラミネートしたもの等が適当である。
【0021】
シート体5には、目付けが25g/m2 〜100g/m2 程度の不織布、特にコットン、レーヨン等のセルロース繊維製又はセルロース繊維を含む連続繊維不織布5aが用られており、乾燥状態、液体の含浸状態の何れにおいても、長手方向Aの引張強度が短手方向Bよりも小さく、長手方向Aの伸び率が短手方向Bよりも大になっている。
【0022】
シート体5に用いる連続繊維不織布5aは、図4(a)(b)、及び図4(a)の部分拡大図である図5に示すように、多数の繊維束によりシート体5の短手方向Bに略連続する略凸状の横筋目9が形成され、その各横筋目9同士が少数の繊維束からなる縦筋目10を介してシート体5の長手方向Aに所定の間隔をおいて接続されている。従って、シート体5は、図4、図5に示すように、多数の横筋目9と縦筋目10とにより縦横の網目状の凹凸模様が前面に形成され、その横筋目9及び縦筋目10の繊維数の違いにより、横筋目9間を縦筋目10で接続する長手方向Aの引張強度が横筋目9のある短手方向Bよりも小であり、また長手方向Aの伸び率が短手方向Bよりも大となっている。
【0023】
このシート体5に用いる連続繊維不織布5aは、例えばスパンボンド法により繊維ウエブ11(図6参照)を形成し、その後に水流絡合法により繊維ウエブ11の繊維同士を絡ませて製造されている。スパンボンド法による繊維ウエブ形成工程では、溶融状態の原料樹脂を溶出ノズルから直接溶出した後、紡糸手段により適当な繊維数に紡糸して連続長繊維のフリース11を形成する。
【0024】
水流絡合法による繊維の絡合工程では、図6に示すように繊維ウエブ11を縦横の網目模様を有する網目スクリーン12によりその長手方向に送りながら、網目スクリーン12上の高圧水噴射管13から繊維ウエブ11に対して高圧水を柱状噴射して繊維を絡ませ、その後、乾燥手段14に通して乾燥させる。
【0025】
このようにして製造された連続繊維不織布5aは、網目スクリーン12の網目形状に応じて、多数の繊維の繊維束である縦繊維と、これよりも少数の繊維の繊維束である横繊維が縦横の網目状に絡まり合って縦横の凹凸模様を形成したものとなり、全体として柔軟でドレープ性に富み、毛羽立ちの少ないものとなっている。なお、このセルロース繊維製の連続繊維不織布5aには、例えば旭化成(株)製の「ベンリーゼ」を用いることができる。
【0026】
シート体5は、図8にシート体5を重ね書きして示すように、この連続繊維不織布5aの原反シート15を用いて、その原反シート15の原反幅方向がシート体5の長手方向Aとなり、原反シート15の原反長手方向がシート体5の短手方向Bとなるように裁断したものである。
【0027】
シート体5の長手方向A及び短手方向Bの比率は、一般的には短手方向Bの長さが長手方向Aの長さの1/3〜1/8倍程度が適当である。シート体5の使い勝手を考えると、例えば大判タオル形状のシート体5の場合であれば、長手方向Aの長さが60cm〜120cm程度、短手方向Bの長さが25cm〜60cm程度が適当である。
【0028】
この包装型身体清拭タオル1は、連続繊維不織布5aの原反シート15を原反長手方向に送りながら、図7、図8に示すような製造工程を経て製造する。この製造工程は、原反シート15を原反幅方向の中央で順次二つ折り状に折り重ねて折り重ね原反シート19とする第1〜第3折り重ね工程16〜18と、その折り重ね原反シート19を原反幅よりも短い長さで原反幅方向に裁断して折り重ねシート体21とする裁断工程20と、その折り重ねシート体21を短手方向Bにロール状に巻いてロール体2とする巻き工程22と、そのロール体2に液体を含浸させる液体含浸工程23と、液体含浸後のロール体2を包装袋4により密封状に包装して製品24とする包装工程25とから構成されている。
【0029】
包装型身体清拭タオル1の製造に際しては、連続繊維不織布5aの原反シート15を原反ロール35から繰り出して原反長手方向に送る。なお、長手方向Aの寸法が100cm、短手方向Bの寸法が30cmのタオル形状のシート体5の場合であれば、原反幅100cmの原反シート15を使用する。
【0030】
また原反シート15を原反長手方向の所定間隔おきに幅方向に裁断して、原反シート15の幅方向がシート体5の長手方向Aとなるシート体5とする関係から、原反シート15は原反長手方向の引張強度が原反幅手方向の引張強度よりも大きく、また原反長手方向の伸び率が原反幅方向の伸び率よりも小さいものを用いる。
【0031】
第1折り重ね工程16では、図8、図9に示すように原反ロール35から繰り出された原反幅100cmの原反シート15を折り重ね手段(図示省略)に通して、この第1折り重ね手段により、原反幅方向の両端の耳部が略一致するように、原反シート15を原反幅方向の略中央で二つ折り状に折り重ねて二つ折り体15aとする(図9(a)(b)参照)。同様に第2折り重ね工程17、第3折り重ね工程18の折り重ね手段(図示省略)に順次通して、夫々の折り重ね後の両端が略揃うように幅方向の略中央で二つ折り状に順次折り重ねて四つ折り体15b、八つ折り体15cとする(図9(b)〜(d)参照)。これによって当初の原反幅100cmから幅12cm前後の八つ折り状態の折り重ね原反シート19ができる(図9(d)参照)。なお、折り重ね手段は何れも公知のものを使用可能である。
【0032】
このように原反長手方向の引張強度が原反幅手方向の引張強度よりも大きく、原反長手方向の伸び率が原反幅方向の伸び率よりも小さい原反シート15を使用することにより、各折り重ね工程16〜18で原反シート15をその幅方向の中央で複数回折り重ねる際に、折り曲げ部26〜28が薄い偏平状となるように原反シート15を容易に折り重ねることができ、また幅方向の両端の不揃いを防止できる。
【0033】
裁断工程20では、図8に示すように折り重ね原反シート19を一対の裁断ロール29間に通して略30cm間隔で順次裁断する。これによって1枚のシート体5をその長手方向Aの略中央で3回繰り返して二つ折り状に折り重ねた、長さ30cmの折り重ねシート体21ができる。また折り重ね原反シート19を裁断して折り重ねシート体21としているため、原反シート15をそのままの状態で裁断する場合に比較して小型の裁断ロール29を使用できる。しかも折り重ね原反シート19を裁断するため、原反シート15を裁断した後に折り重ねる場合に比較して、一連の工程を能率的に行うことができる。
【0034】
巻き工程22では、図8、図10に示すように、相対向して配置された一対の巻きベルト30,31と、この一対の巻きベルト30,31間の入口32側に折り重ねシート体21の一端部側を挿入する挿入具34とを使用し、裁断後の折り重ねシート体21を短手方向Bにロール状に巻いロール体2とする。一対の巻きベルト30,31は入口32側が狭く、出口33側がロール体2の巻き径Cに応じて広くなるように配置され、互いに逆方向に連続的に回動するように駆動されている。
【0035】
そして、裁断後の折り重ねシート体21の先端部が巻きベルト30,31の入口32側に跨がった状態になると、挿入具34により折り重ねシート体21の先端側の中間部を巻きベルト30,31間の入口32へと二つ折り状に折り曲げながら挿入する(図9(e)、図10参照)。折り重ねシート体21の先端側が二つ折り状になって巻きベルト30,31の入口32側に挿入されると、両巻きベルト30,31の相対速度差により、入口32側から出口33側へと移動する間に二つ折り状の折り重ねシート体21を、その二つ折り先端部を中心にロール状に巻いて行く。そして、巻き径Cが長さDと略同じのロール体2となるように巻いた後、そのロール体2を出口33側から送りコンベア36上へと排出する。
【0036】
両巻きベルト30,31の内、二つ折り状の折り重ねシート体21の短い側に対応する巻きベルト31が上側へと回動し、長い側に対応する巻きベルト30が下側へと回動するため、折り重ねシート体21はその短い側が内側となるように巻かれて行く。なお、両巻きベルト30,31の回動方向は逆でもよい。また入口32側から出口33側へと順方向に回動する巻きベルト30と、これに対向して配置された固定の案内部材との間で折り重ねシート体21をロール状に巻いてもよい。
【0037】
液体含浸工程23では、図8に示すように、送りコンベア36の上方のノズル37からロール体2に対して所定の液体を噴出させて、ロール体2にその液体を含浸させる。包装工程25では、不透湿性又はガスバリア性を有する包装材を連続的に送りながら、その包装材でロール体2を包み込んで縦方向及び横方向にシールをし、その横方向のシール部7で包装材を順次切断して、ロール体2を包装袋4により密封状に包装した製品24の包装型身体清拭タオル1とする。
【0038】
使用に際しては、包装型身体清拭タオル1の包装袋4を切り込み部8から破断し開封して清拭タオル3のロール体2を取り出す。そして、このロール体2を巻き戻して適宜大きさに広げた後、その清拭タオル3により被介護者の身体を清拭する。
【0039】
このような構成の清拭タオル3では、次のような利点がある。即ち、長手方向Aの引張強度が短手方向Bよりも小であり、長手方向Aの伸び率が短手方向Bよりも大であるシート体5を使用しており、このシート体5を長手方向Aに折り重ねてロール状に巻く際に、引張強度が小さく伸び率が大きい方向にシート体5を折り重ねて行く。
【0040】
このため目付けが25g/m2 以上と厚く、しかも面積が3000cm2 という大判タオル形状のシート体5であるにも拘わらず、シート体5を重ね折りしたときの馴染みが良く、しかも両端部同士を容易に揃えることができる。また折り重ね状態での幅方向の両端の嵩張りがなく全体を薄く折り重ねることができるため、ロール状に巻く際のシート体5のバラケ等を容易に防止でき、その後の包装も容易にでき、従来に比較して生産性が著しく向上する。また巻き径Cも小さくできることから、包装袋4の材料費、その後の輸送費その他の物流コストを低減でき、大幅な低コスト化を図ることができる。
【0041】
また折り重ねシート体21を短手方向B、即ち引張強度が大であり伸び率が小である短手方向Bに巻いているため、シート体5を長手方向Aに巻く場合に比較して、巻き工程22でロール状に巻く際の潰れ等を容易に防止でき、仕上がりを良好にできる。しかも、巻きぐせが付き難く、使用に際し清拭タオル3をロール状から巻き戻して広げる場合にも、長手方向Aに巻いたものに比較して容易に巻き戻すことができる。
【0042】
更に従来のタオル地は、背中をタスキ掛けで擦る等の使用者個人の使用勝手等を考慮して、長手方向Aの引張強度を大にしているが、介護者が被介護者の身体清拭用として使用するこの種の使い捨てタオルの場合には、シート体5の長手方向Aの引張強度を短手方向Bよりも小とし、長手方向Aの伸び率を短手方向Bよりも大とすることによって、使用上、何等の問題も生じない。
【0043】
むしろ個人的な使用に比して使い捨てタオルの使用機会が非常に多い介護者にとっては、製造コストの低減による利点の他、折り重ねシート体21をロール状に巻いて液体を含浸した清拭タオル3を包装袋4により密封しており、包装袋4を開封すれば清潔な状態で直ちに清拭タオル3を使用できること、しかも製品24の小型化に伴い保管、運搬を容易にできること等から、従来に比して利便性が著しく向上する利点がある。
【0044】
図11は本発明の第2の実施形態を例示する。折り重ね工程16〜18でシート体5を複数回にわたって二つ折り状に折り重ねる場合、図11(a)〜(d)に示すように、左折り、右折りと交互に向きを変えながら折り重ねてもよい。このようにすれば、一方向にのみ折り重ねる場合に比較して、原反シート15の蛇行を容易に防止できる。
【0045】
図12は本発明の第3の実施形態を例示する。折り重ね工程16〜18でシート体5を複数回にわたって二つ折り状に折り重ねる場合、図12(a)から(b)、(b)から(c)に示すようにシート体5の幅方向の両側を夫々内側へと順次折り重ね、その後に(d)に示すように二つ折り状に折り重ねてもよい。この場合には、1回当たりの折り重ね量を少なくできる。なお、両側から内側へと折り重ねる場合、一方を折り畳んでから他方を折り畳むようにしてもよい。
【0046】
図13は本発明の第4の実施形態を例示する。折り重ねシート体21を短手方向Bに巻いた場合の巻き径Cは、図13に示すようロール体2の長さDよりも小さくしてもよい。逆に崩れない程度であれば、ロール体2の巻き径Cを長さDよりも大にしてもよい。
【0047】
図14は本発明の第5の実施形態を例示する。この包装型身体清拭タオル1は、シート体5の短手方向Bに長い帯状の折り重ねシート体21を、その中間で二つ折り状に折り畳む等して矩形体38の清拭タオル3とし、この清拭タオル3を包装袋4により密封したものである。このようにシート体5を矩形状に折り畳んで液体を含浸させてもよい。従って、包装型身体清拭タオル1はロール状以外のものでもよい。
【0048】
図15は本発明の第6の実施形態を例示する。シート体5は、長手方向Aの引張強度が短手方向Bよりも小で、長手方向Aの伸び率が短手方向Bよりも大であれば、図14に示すように筋目39,40が斜め方向に交差して菱形模様を構成する綾織り状のセルロース繊維製の連続不織布を使用してもよい。
【0049】
因みに筋目9,10が縦横模様(図4参照)をなすコットン、レーヨン製の連続繊維不織布5aを用いて、図16に示す通りの実施例1〜6の6種類の製品を試作し、またシート体5に含浸させるべき身体清拭液は、図17の表に示す通りの処方液を使用した。なお、身体清拭液の含浸量は、使い易さを考慮すれば、シート体5の重量の200〜600重量%が適当である。
【0050】
実施例1〜6の何れの場合にも、折り重ね工程16〜18、巻き工程22でのシート体5の馴染みが良く、所期の製品に仕上げることができた。
【0051】
以上、本発明の各実施形態について詳述したが、各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、シート体5に含浸させるべき液体については、手指、顔、首、足等に使用されるウエットティッシュの処方である殺菌消毒剤入り、抗菌剤入り、又は化粧品としての保湿剤、ローション、乳液等を含む概念処方液剤を使用してもよい。
【0052】
シート体5に、次の混合配合液剤を含浸してもよい。即ち、精製水に柑橘種子抽出物と抗菌性保湿剤とを配合した混合配合液剤であり、その抗菌性保湿剤が1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオールの1種又は複数種であり、アルコール(1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオールを除く)と殺菌剤とパラペンとを含まないものである。
【0053】
柑橘種子抽出物はグレープフルーツ種子から抽出したエキス成分であることが望ましい。また混合配合液剤に占める柑橘種子抽出物と抗菌性保湿剤との総量が1.00重量%以下であることが望ましい。
【0054】
シート体5は、長手方向Aの引張強度が短手方向Bよりも小であり、長手方向Aの伸び率が短手方向Bよりも大であるものであれば、どのような不織布又は織布を使用してもよい。従って、不織布を使用する場合には、連続繊維不織布5aであることが望ましいが、連続繊維不織布5a以外の短繊維不織布等でもよい。短繊維不織布としては、例えばコットン繊維、化学繊維(ポリエステル、レーヨン等)、パルプの何れか1つで構成したもの、何れか2つ混ぜて構成したもの、又は全てを混ぜて構成したもの等がある。更にコットン繊維、化学繊維、パルプ等の短繊維と連続繊維(長繊維)とを併用した不織布でもよい。
【0055】
また実施例では、連続繊維の繊維ウエブ11を使用して、その繊維を水流絡合法により絡合させるようにしているが、繊維ウェブ11が連続繊維、短繊維の何れであるか関係なく水流絡合法を採用することが可能である。勿論、水流絡合法は繊維の絡合法の一例にに過ぎず、水流絡合法以外の各種の絡合法を採ってもよい。
【0056】
不織布の繊維を水流絡合法により絡合させる場合、その不織布の地模様は網目スクリーン12の網目形状に応じたものとなる。しかし、不織布の地模様は、筋目が縦横に交差する縦横の凹凸模様(図5参照)、斜めに交差する綾織り状の凹凸模様(図15参照)に限られるものではなく、その他の模様(例えば格子模様等)でもよい。また不織布は表裏に
格別の模様を有しない無模様でもよい。シート体5は、不織布、不織布にエンボス加工を施したものでもよい。
【0057】
シート体5に対する液体の含浸性を考慮すると、シート体5はセルロース繊維製であることが望ましいが、セルロース繊維以外のものを使用してもよい。更にシート体5は目付けが25g/m2 〜100g/m2 であることが望ましいが、これ以外の秤量のものでもよい。
【0058】
タオル形状のシート体5は、短手方向Bの長さを長手方向Aの長さの1/3〜1/8倍程度とすることが望ましい。また大判タオル形状のシート体5の場合には、例えば長手方向Aの長さが60cm〜120cm、短手方向Bの長さが25cm〜60cm程度が適当である。しかし、これらの比率、寸法である必要はなく、身体清拭用とは云え、特定の清拭部位を対象とするものは、その清拭部位に適した比率、寸法にすればよい。
【0059】
シート体5を折り重ねる場合、長手方向Aの略中央で複数回(例えば2〜5回程度)二つ折り状に折り重ねるのが一般的であるが、長手方向Aの略中央以外の位置で折り畳んでもよいし、二つ折り以外の三つ折り状に折り畳んでもよい。
【0060】
シート体5を包装袋4内にロール体2として密封する場合、巻き径Cと長さDが略同じとなるようにシート体5をロール状に巻いてもよいし、両者の何れか一方が他方よりも小さくなるように巻いてもよい。
【0061】
包装袋4内のシート体5に所定の清拭液体を含浸する湿式の包装タオルの他、ドライ状態で包装袋4に封入しておき、使用時にシートに水その他の清拭液体を含浸させる乾式の包装タオルにおいても同様に実施することが可能てある。清拭液体は水でもよい。
【0062】
湿式の包装タオルを製造する場合、液体を含浸させる液体含浸工程23は、第1の実施形態のようにロール状に巻いた後に行ってもよいし、巻く前の段階で行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す包装型身体清拭タオルの斜視図である。
【図2】同断面図である。
【図3】同清拭タオルの斜視図である。
【図4】(a)はシート体の平面図、(b)はその正面図である。
【図5】図4(a)の部分拡大図である。
【図6】同不織布製造時の説明図である。
【図7】同製造工程のブロック図である。
【図8】同製造工程の斜視図である。
【図9】同製造工程の説明図である。
【図10】同巻き工程の説明図である。
【図11】本発明の第2の実施形態を示す折り重ね工程の説明図である。
【図12】本発明の第3の実施形態を示す折り重ね工程の説明図である。
【図13】本発明の第4の実施形態を示す清拭タオルの斜視図である。
【図14】本発明の第5の実施形態を示す清拭タオルの斜視図である。
【図15】本発明の第6の実施形態を示す要部の背面図である。
【図16】本発明の実施例を示す表である。
【図17】本発明の実施例を示す表である。
【符号の説明】
【0064】
4 包装袋
5 シート体
5a 連続繊維不織布
2 ロール体
9 横筋目
15 原反シート
16〜18 折り重ね工程
19 折り重ね原反シート
20 裁断工程
21 折り重ねシート体
23 液体含浸工程
A 長手方向
B 短手方向
C 巻き径
D 長さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タオル形状のシート体(5)を長手方向(A)に折り重ねて、気密性を有する包装袋(4)により密封してなる包装型身体清拭タオルであって、前記シート体(5)の長手方向(A)の引張強度が短手方向(B)よりも小であり、長手方向(A)の伸び率が短手方向(B)よりも大であることを特徴とする包装型身体清拭タオル。
【請求項2】
前記シート体(5)は目付けが25g/m2 〜100g/m2 であり、短手方向(B)の長さが長手方向(A)の長さの1/3〜1/8倍であることを特徴とする請求項1に記載の包装型身体清拭タオル。
【請求項3】
前記シート体(5)を長手方向(A)の略中央で複数回二つ折り状に折り重ねていることを特徴とする請求項1又は2に記載の包装型身体清拭タオル。
【請求項4】
前記シート体(5)は不織布であり、該不織布は短手方向(B)に略連続する略凸状の横筋目(9)を長手方向(A)に所定の間隔をおいて多数有することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の包装型身体清拭タオル。
【請求項5】
前記不織布は水流絡合法により造られており、略全体に格子状又は網目状の凹凸模様を有することを特徴とする請求項4に記載の包装型身体清拭タオル。
【請求項6】
前記シート体(5)はセルロース繊維製の連続繊維不織布(5a)であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の包装型身体清拭タオル。
【請求項7】
前記シート体(5)は長手方向(A)の長さが60cm〜120cm、短手方向(B)の長さが25cm〜60cmの大判タオル形状であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の包装型身体清拭タオル。
【請求項8】
前記シート体(5)を長手方向(A)に折り重ねて短手方向(B)に巻いたロール体(2)とし、該ロール体(2)の巻き径(C)と長さ(D)とを略同じにしたことを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の包装型身体清拭タオル。
【請求項9】
前記シート体(5)は液体を含浸していることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の包装型身体清拭タオル。
【請求項10】
前記液体は精製水に柑橘種子抽出物と抗菌性保湿剤とを配合した混合配合液剤であり、前記抗菌性保湿剤は1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオールの1種又は複数種であって、アルコール(1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオールを除く)と殺菌剤とパラペンとを含まないものであることを特徴とする請求項9に記載の包装型身体清拭タオル。
【請求項11】
長手方向(A)の引張強度が短手方向(B)よりも小で長手方向(A)の伸び率が短手方向(B)よりも大であるタオル形状のシート体(5)を前記長手方向(A)に折り重ねて前記短手方向(B)にロール状に巻き、気密性を有する包装袋(4)により密封してなる包装型身体清拭タオルの製造に際して、原反シート(15)を原反長手方向に送りながら該原反シート(15)を原反幅方向に複数回折り重ねる折り重ね工程(16〜18)と、折り重ね後の折り重ね原反シート(19)を前記原反シート(15)の原反幅よりも短い長さで原反幅方向に裁断する裁断工程(20)と、裁断後の折り重ねシート体(21)をロール状に巻く巻き工程(22)とを含むことを特徴とする包装型身体清拭タオルの製造方法。
【請求項12】
ロール状に巻いたロール体(2)に液体を含浸させる液体含浸工程(23)を含むことを特徴とする請求項11に記載の包装型身体清拭タオルの製造方法。。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−196477(P2012−196477A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−123133(P2012−123133)
【出願日】平成24年5月30日(2012.5.30)
【分割の表示】特願2007−179498(P2007−179498)の分割
【原出願日】平成19年7月9日(2007.7.9)
【出願人】(504373864)明広商事株式会社 (43)
【Fターム(参考)】