説明

身体的制約を示すユーザが関与する通信を適応させるための方法ならびに関連するコア・ネットワークおよびサービス

方法は、サービス・コア・ネットワーク(CR)を備えた通信ネットワーク内で通信を適応させることに取り組む。この方法は、ユーザのプロファイル(ネットワークのサービスの加入者である)に、少なくとも1つの身体的制約を表す情報フィールドを追加するステップと、ユーザ・プロファイルによって所与の身体的制約が示されているユーザが関与する通信に関してシグナリング・メッセージが受信される場合、その身体的制約を表すヘッダを前記シグナリング・メッセージに追加するステップとからなる。したがって、前記ユーザとの通信に関与する通信装置(T1)は、前記シグナリング・メッセージを受信するときはいつでも、ユーザが影響を受けており、それを望むならば、身体的制約に基づいて、ユーザとの通信のタイプおよび/または少なくとも1つのパラメータを適応させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IMS(「IP Multimedia Subsystem:IPマルチメディア・サブシステム」)など、いわゆるサービス・コア・ネットワークを備える通信ネットワークに関する。
【背景技術】
【0002】
当業者には知られているように、IMSネットワークなどのサービス・コア・ネットワークは、(潜在的にIP接続性を提供する)通信ネットワーク事業者によって、加入しているユーザ(すなわち加入者)に特定のサービスを提供するために開発されてきた。たとえば、IMSサービス・コア・ネットワーク(またはドメイン)は、ユーザが(移動、固定、無線に拘らず)その通信端末の画面上に発呼側ユーザの個人のウェブページを表示し、改良型の音声通信サービス、IPマルチメディア・サービスまたはインスタント・メッセージング・サービスを有し、あるいはユーザが呼び出されるときはいつでもその端末うちのいくつかに発信音を鳴らせることを可能にすることができる。これらのサービス(IMS)の実装は一般に、SIPシグナリング・プロトコル(「Session Initiation Protocol:セッション開始プロトコル」)を使用して行われる。
【0003】
ユーザの通信端末をサービス・コア・ネットワーク(またはドメイン)、潜在的にはIMSネットワークに接続することは、GPRS、3G(UMTS)、(W)CDMA、HSDPA、FOMAネットワークなど、パケット交換すなわち「PS」と呼ばれる移動ネットワークのアクセス・ネットワーク、あるいはADSLネットワークなど、陸線ネットワークのアクセス・ネットワーク、あるいはIEEE規格802.11a、ETSI HiperLAN/2、Wi−Fi(IEEE 802.11g)またはWiMAX(具体的には802.16とHiperMan規格のグルーピング)に準拠したネットワークなど、無線ローカル・エリア・ネットワークまたはWLANアクセス・ネットワークによって行われることを想起されたい。
【0004】
サービス(またはドメイン)コア・ネットワーク、潜在的にはIMSネットワークを有する通信ネットワークの一部のユーザは、他者と通信する選択肢を著しく減少させる1つまたは複数の身体的制約(すなわち障害や身体的な能力欠如)を有する。したがって、目が見えない人は、他者からその人に送信されたメッセージを読むことができず、耳が聞こえない人は、電話会話に参加することも、着信音で警告を受けることもできず、電話送受器を取ることができない人は、別の人からの通話に応答することができず、インターフェース(キーボードまたはマウス)を使用して英数字を入力できない人は、インスタント・メッセージであってよいテキストベースのメッセージにアクセスすることも、テキストベースのこうしたメッセージに応答することもできない。
【0005】
身体的制約を考慮に入れるために、特定の端末の特定の動作設定を適応させることができる。したがって、ユーザの移動(またはセルラ)端末を、別の人がユーザと連絡を取ろうとするときはいつでも、発信音を鳴らすのではなく振動するように、あるいはテキストベースのメッセージを特定の文字フォント(たとえばより大きいフォント)で表示するように構成することが可能である。しかし、これらの構成(または適応)は、依然として非常に限られており、とりわけ局所的であり、したがって身体的制約を有するユーザの端末だけに明示的には制限されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】RFC23.002、3GPP
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、その状況を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのために、本発明は、サービス・コア・ネットワークを備えた通信ネットワーク内で通信を適応させることに取り組む方法を提案し、この方法は、
−ユーザ・プロファイル(ネットワークのサービスの加入者)に、少なくとも1つの身体的制約を表す情報フィールドを追加するステップと、
−ユーザ・プロファイルが所与の身体的制約を表しているユーザが関与する通信に関してシグナリング・メッセージが受信される場合、ユーザとの通信に関与する通信装置がそのシグナリング・メッセージを受信するときはいつでも、ユーザが影響を受けており、それを望むならば、身体的制約に基づいてユーザとの通信のタイプおよび/または少なくとも1つのパラメータを適応させるように、その身体的制約を表すヘッダをそのシグナリング・メッセージに追加するステップとからなる。
【0009】
本発明の方法は、他の特性を備えてもよく、この他の特性は、別々に有することも、組み合わせて有することもあり、具体的には、
−それぞれの適応は(少なくとも)、たとえば、画面上に表示されるテキストのフォント・サイズを大きくすること、音声データをテキスト・データに変換すること、テキスト・データを音声データに変換すること、発信音呼出しモードから振動呼出しモードに切り換えること、および電話通信ではなく、テキストベースのメッセージ、潜在的にはインスタント・メッセージを使用することから選ぶことができ、
−あらゆる身体的制約は(少なくとも)たとえば視覚障害、盲目、聴覚障害、難聴、麻痺、ならびに電話を取ることおよび/または英数字を入力することができないことから選ぶことができ、
−コア・ネットワークがIMSであるときはいつでも、1つまたは複数の身体的制約を表すヘッダを、それが備えるS−CSCFモジュール内でシグナリング・メッセージに追加してよい。
【0010】
本発明は、
−具体的には少なくとも1つの身体的制約を表す情報フィールドを備えるユーザ・プロファイル(ネットワークのサービスの加入者)を格納するためのユーザ情報記憶手段と、
−ユーザ・プロファイルによって所与の身体的制約が表されているユーザが関与する通信に関するシグナリング・メッセージを受信するときはいつでも、その身体的制約を表すヘッダをそのシグナリング・メッセージに追加する役割を担う中間シグナリング・メッセージ処理装置とを備える、通信ネットワークのためのサービス・コア・ネットワークをも提案する。
【0011】
本発明のコア・ネットワークは、別々に有することも、組み合わせて有することもある他の特性を備えてよく、具体的には、
−あらゆる身体的制約は(少なくとも)たとえば視覚障害、盲目、聴覚障害、難聴、麻痺、ならびに電話を取ることおよび/または英数字を入力することができないことから選ぶことができ、
−シグナリング・メッセージに追加されたあらゆるヘッダは、そのメッセージを受信した、またユーザ・プロファイルによって所与の身体的制約が表されているユーザとの通信に関与する通信装置が、ユーザが影響を受けており、それを望むならば、その身体的制約に基づいてそのユーザとの通信のタイプおよび/または少なくとも1つのパラメータを適応させることを可能にするためのものであってよく、
−それぞれの適応は(少なくとも)、たとえば、画面上に表示されるテキストのフォント・サイズを大きくすること、音声データをテキストベースのデータに変換すること、テキストベース・データを音声データに変換すること、発信音呼出しモードから振動呼出しモードに切り換えること、および電話通信ではなく、テキストベースのメッセージ、潜在的にはインスタント・メッセージを使用することから選ぶことができ、
−それがIMSである場合はいつでも、中間シグナリング・メッセージ処理装置は、S−CSCFモジュールであってよい。
【0012】
本発明は、それだけに限らないが、IMSサービス・コア・ネットワーク(またはIMSドメイン)に特によく適している。
【0013】
本発明の他の特性および利点は、以下の詳細な説明および添付の図面を詳しく見ると明らかになり、図面では、唯一の図が、アクセス・ネットワークに結合されており、HSSモジュールと、S−CSCFである本発明による追加のサーバとを備えたIMSコア・ネットワークを非常に概略的かつ機能的に示している。図面は、本発明を完全なものにするだけでなく、必要であれば、それを定義するのにも役立ち得る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の方法と実施するための通信ネットワークを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の目的は、1つまたは複数の身体的制約を示すサービス・コア・ネットワーク(またはドメイン)のユーザに属する通信端末が関与する通信を適応させることを可能にすることである。
【0016】
以下では、例示的な非限定的な例として、ユーザが、IMSサービス(またはドメイン)コア・ネットワークに結合された通信ネットワークのサービスの加入者であると仮定する。しかし、本発明は、このタイプのサービス・コア・ネットワークに限定されない。
【0017】
さらに、以下では、サービス・コア・ネットワーク(またはIMSドメイン)CRは、アクセス・ネットワークRAとは独立にしか考慮されず、このRAを介して、CRは、通信端末Ti(i=1〜3)に接続されてよい。任意のタイプのアクセス・ネットワークRAが、本発明によるIMSコア・ネットワーク(またはドメイン)CRと、(固定または移動(または携帯型))通信端末Tiと、特に移動(またはセルラ)の無線アクセス・ネットワークとの間の接続を保証することができ、この無線アクセス・ネットワークは、GPRS、3G(UMTS)、(W)CDMA、HSDPA、FOMAネットワークなど、パケット交換すなわちPSネットワーク、またはxDSLネットワークなどの陸線通信ネットワークのアクセス・ネットワーク、あるいは無線ローカル・エリアの無線アクセス・ネットワーク(WLAN(「Wireless Local Area Network:無線ローカル・エリア・ネットワーク」−IEEE規格802.11、Wi−FiおよびETSI HiperLAN/2規格)やBluetooth(IEEE 802.15)、WiMAX(IEEE 802.16、ETSI HiperMAN)およびZigbee)ネットワークの間の接続を保証することができる。
【0018】
本明細書では、用語「通信端末」Tiは、データまたは信号(潜在的には無線信号)を別の通信装置と交換するために、サービス・コア・ネットワーク(ここではIMS)CRに結合された通信ネットワークの少なくとも1つのアクセス・ネットワークRAに接続できる通信装置を指す。したがって、それは、たとえば陸線または移動(またはセルラ)電話、通信携帯情報端末(すなわちPDA)、または通信装置を備えたデスクトップまたは携帯型コンピュータであってよい。
【0019】
この唯一の図は、通信ネットワークのアクセス・ネットワークRAが(直接またはゲートウェイを介して)接続されるIMSサービス・コア・ネットワーク(またはドメイン)CRを概略的に示している。
【0020】
3GPPのウェブサイトで入手可能な3GPP組織からの仕様書RFC 23.002において具体的になされているように、IMSコア・ネットワークCRのコンポーネントは、当業者にはよく知られているので、本明細書では、詳細には述べられない。そうではなく、本発明を理解するのに役立ち得るIMSコア・ネットワークCRモジュールのいくつかの特徴について、念のため、以下に繰り返し述べられる。
【0021】
IMSコア・ネットワークCRは、加入ユーザが、それが属するネットワークに接続され、あるいは潜在的には、「ローミング」中の場合、訪問先のネットワークに接続されるときはいつでも、特定のIMSサービスにアクセスすることを可能にする。
【0022】
IMSコア・ネットワークは、具体的には、P−CSCF(「Proxy−Call Session Control Function:プロキシ呼セッション制御機能」)モジュールと、S−CSCF(「Serving−Call Session Control Function:サービング呼セッション制御機能」)モジュールと、I−CSCF(「Interrogating−Call Session Control Function:問合せ呼セッション制御機能」)モジュールと、アプリケーション・サーバ・グループGSAとを備える。
【0023】
P−CSCFモジュールは、IMSセッション制御モジュールである。それは、加入ユーザの端末TiのためのIMSコア・ネットワークCRとの第1の接触点である。このP−CSCFモジュールは、SIPプロトコル(「セッション開始プロトコル」)を使用してメッセージがルーティングされることを保証するCSCF機能を備える。一般に、また特に、それは、セキュリティ機能、ユーザ・プレーン制御機能、SIP圧縮機能、請求識別子生成機能、加入者識別ステートメント機能、加入者のパブリック・アドレスとIPアドレスを一致させるための機能、およびS−CSCFと呼ばれる別のセッション制御モジュールとのルーティングを管理するための機能を保証する。
【0024】
S−CSCFモジュールは、IMSコア・ネットワークCRによって提供されたIMSサービスの入口を構成する。そのために、グループGSAの1つまたは複数のアプリケーション・サーバに接続される。それは、加入者を認証し、IMSコア・ネットワークCRの加入ユーザの端末Tiが接続されるP−CSCFモジュールのアドレスを格納する役割を担う。
【0025】
セッション制御モジュールまたはI−CSCFモジュールは、ユーザがIMSサービスへの加入を行ったIMSコア・ネットワークに属するS−CSCFモジュール(「受信側」と呼ばれる)への通信端末Tiの登録を開始する役割を担う。それは、IMSコア・ネットワークCR内のIMSサービスの加入者がどこに位置するかを探す役割をも担う。そのために、それは一般に、それ自体のものに加えて、他のオペレータのIMSコア・ネットワーク(またはドメイン)に、より具体的にはS−CSCFモジュールに接続される。
【0026】
グループGSAのアプリケーション・サーバは、特定のIMSサービスを提供する役割を担う。たとえば、そのうちの1つのサーバは音声サーバであり、別のサーバは電子メール・サーバであり、別のサーバはインスタント・メッセージング(IM:instant messaging)サーバであり、別のサーバは、1つまたは複数のウェブサイトのウェブページへのアクセスを提供する役割を担うインターネット・サーバ(またはウェブサーバ)であり、別のサーバは、IMSコア・ネットワークCRのユーザに関する情報(連絡先のリスト(またはグループ)、ユーザ・プロファイル、アクセスおよびプレゼンス許可など)を提供する役割を担うリレーショナル・データ・サーバ、潜在的にはXDMS(「XMLデータ管理サーバ」)である。音声サーバ、電子メール・サーバ、インスタント・メッセージング・サーバおよびウェブサーバなど、これらのアプリケーション・サーバの一部は、通信端末Tiとの通信に参加するように構成される。
【0027】
本発明は、IMSコア・ネットワークCRに加入しており、少なくとも1つの身体的制約を示す少なくとも1人のユーザが関与する通信を適応させるための新しい方法を実施することを提案する。
【0028】
本明細書では、用語「身体的制約」は、ユーザが有する、または他と通信する選択肢を制限することがあるいずれかのタイプの障害または物理的な能力欠如を指す。したがって、たとえば、非網羅的かつ非限定的には、それは、視覚障害、盲目、聴覚障害、難聴、肢(特に上肢)の麻痺、あるいは送受器を取ることおよび/またはヒューマン・マシン・インターフェース(キーボードまたはマウス)で英数字を入力することができないことであり得る。
【0029】
本発明の方法はまず、ユーザ・プロファイル(IMSコア・ネットワークCRの加入者)に、少なくとも1つの身体的制約を示す、能力フィールドと呼ばれる情報フィールドを追加するステップからなる。
【0030】
IMSコア・ネットワーク内で、ユーザ・プロファイルを定義するデータは一般に、HSS(「Home Subscriber Server:ホーム加入者サーバ」)と呼ばれるユーザ情報記憶モジュール(または加入データベース)に格納される。したがって、HSSモジュールMS内に能力情報フィールドを格納することがここでは有利である。
【0031】
この能力情報フィールドは、ユーザがそれをIMSコア・ネットワークCRに登録するときはいつでも、ユーザの要求により入力されることに留意されたい。
【0032】
次いで、本発明の方法は、IMSコア・ネットワークCRが、ユーザ・プロファイルによって(能力情報フィールド内に)(少なくとも)1つの所与の身体的制約が示されているユーザが関与する通信に関するシグナリング・メッセージを受信するときはいつでも、その身体的制約を表すヘッダをそのシグナリング・メッセージに追加することからなる。
【0033】
このヘッダ追加は、IMSコア・ネットワークCRの中間のネットワーク装置(「プロキシ」装置)SPによって行われてよい。IMSコア・ネットワークでは、シグナリング・メッセージはSIPである。したがって、中間ネットワーク装置SPは、たとえば、当業者がSIPプロキシと呼ぶものである。たとえば、それは、S−CSCFモジュールであってよい。
【0034】
したがって、通信装置が、記録された(少なくとも)1つの身体的制約を示すユーザとの通信にそれが関与し、その身体的制約を表すヘッダが追加されたシグナリング・メッセージをユーザが受信するときはいつでも、それがこの適応を実施する役割を担っている装置であり、またユーザがこの適応を実施することを望むならば、ユーザとの通信のタイプおよび/または少なくとも1つのパラメータを身体的制約に基づいて適応させることができる。
【0035】
追加されたヘッダ内に表された少なくとも1つの身体的制約に基づいて通信を適応させる必要があり得る任意のタイプの通信装置がここでは関係していることに留意されたい。したがって、それは、ユーザの通信端末Tiであることに加えて、アプリケーション・サーバなどのネットワーク要素または装置であってもよい。通信の適応に関与する通信装置は、実施する適応のタイプによって変化することを理解されたい。単一の通信では、複数の(少なくとも2つの)適応が実行されてよく、この複数の適応は複数の異なる通信装置(または要素)の介入を潜在的に必要とし得ることに留意されたい。
【0036】
適応は一般に、呼び出されている加入ユーザに一般に関することに留意されたい。しかし、それは、通信を開始する加入ユーザに関することもある。
【0037】
実施できる適応は、具体的には、画面上に表示されるテキストの文字フォント・サイズを大きくするステップと、音声データをテキスト・データに変換する(「音声−テキスト」)ステップと、テキスト・データを音声データに変換する(「テキスト−音声」)ステップと、発信音呼出しモードから振動呼出しモードに切り換えるステップと、電話通信ではなく、テキストベースのメッセージ、潜在的にはインスタント・メッセージを使用するステップとを(非限定的かつ非網羅的に)含み得る。
【0038】
したがって、ユーザが難聴であり、音声(電話)通信に関与するときはいつでも、適応は、ユーザに意図された音声データを、ユーザの通信端末の画面上に表示されるテキスト・データに変換すること、またはチャット・スタイルのインスタント・メッセージング通信を提案することからなってよい。これらの状況では、適応は、たとえば、x−CSFモジュール、アプリケーション・サーバまたは通信端末Tiなど、通信装置内で実施することができる。さらに、発信音呼出しモードは、ユーザ自身の通信端末Ti内で、振動呼出しモードに切り換えることができる。
【0039】
ユーザが聴覚障害を有しており、音声(電話)通信に関与するときはいつでも、適応は、ユーザの通信端末Tiのスピーカの出力音量を実質的に増加させ、またはチャット・スタイルのインスタント・メッセージング通信を提案することからなってよい。この状況では、適応は、たとえば、x−CSFモジュール、アプリケーション・サーバまたは通信端末Tiなどの通信装置内で行うことができる。さらに、発信音呼出しモードは、ユーザ自身の通信端末Ti内で振動呼出しモードに切り換えることができる。
【0040】
ユーザが盲目であり、テキストベースの通信(メッセージング、潜在的にはインスタント・メッセージング)に関与するときはいつでも、適応は、ユーザに宛てられたテキスト・データを、ユーザの通信端末のスピーカを使用して配布される音声データに変換すること、または音声(電話)通信を提案することからなってよい。これらの状況では、適応は、たとえば、x−CSFモジュール、アプリケーション・サーバ、通信端末Tiなど、通信装置内で行うことができる。
【0041】
ユーザが視覚障害を有しており、テキストベースの通信(メッセージング、潜在的にはインスタント・メッセージング)に関与するときはいつでも、適応は、ユーザの通信端末Tiの画面上に表示されるテキストの文字フォント・サイズを大きくすること、あるいは音声(電話)通信を提案することからなってよい。この状況では、適応は、たとえば、x−CSFモジュール、アプリケーション・サーバ、通信端末Tiなど、通信装置内で行うことができる。
【0042】
ユーザに麻痺があり、あるいはユーザが送受器を取ること、および/またはヒューマン・マシン・インターフェース(キーボードまたはマウス)を用いて英数字を入力することができないことを示しており、テキストベースの通信(メッセージング、潜在的にはインスタント・メッセージング)に関与するときはいつでも、適応は、ユーザに宛てられたテキスト・データを、ユーザの通信端末のスピーカによって配布される音声データに変換すること、あるいは音声(電話)通信を提案することからなってよい。これらの状況では、適応は、たとえば、x−CSFモジュール、アプリケーション・サーバまたは通信端末Tiなど、通信装置内で行うことができる。
【0043】
通信の適応を可能にするために、通信装置は適応情報を有し、この適応情報は、それ自体に特有であり、通信装置がメモリなどの記憶手段に格納する。この適応情報は、たとえば、異なる身体的制約と、行われる通信適応との間の突合せを示すテーブルに含まれてよい。
【0044】
適応は、身体的制約を示すユーザの端末Tiから取られて、別の人に宛てられた(それぞれ)音声データ(またはテキスト・データ)を、その人とそのユーザの間で確立された通信が(それぞれ)メッセージング(または電話)通信であるときはいつでも、(それぞれ)テキスト・データ(または音声データ)に変換することを潜在的に可能にすることもできることに留意されたい。
【0045】
中間装置SPは、電子回路、ソフトウェア(またはコンピューティング)モジュール、あるいは回路とソフトウェアの組合せの形で構築してよい。
【0046】
本発明は、サービス・コア・ネットワークの諸実施形態、または上述された通信を適応させる方法に限定されるのではなく、当業者が下記の特許請求の範囲のフレームワーク内で考慮できるすべての変形体を包含するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービス・コア・ネットワーク(CR)を備えた通信ネットワーク内で通信を適応させるための方法であって、前記ネットワークのサービスの加入者であるユーザのプロファイルに、少なくとも1つの身体的制約を表す情報フィールドを追加するステップと、ユーザ・プロファイルによって所与の身体的制約が表されているユーザが関与する通信に関してシグナリング・メッセージが受信される場合、前記身体的制約を表すヘッダを前記シグナリング・メッセージに追加するステップとからなり、したがって、前記ユーザとの前記通信に関与する通信装置が前記シグナリング・メッセージを受信するときはいつでも、前記ユーザが影響を受けており、それを望むならば、前記身体的制約に基づいて前記ユーザとの前記通信のタイプおよび/または少なくとも1つのパラメータを適応させることを特徴とする方法。
【請求項2】
それぞれの適応が、少なくとも、画面上に表示されるテキストの文字フォント・サイズを大きくすること、音声データをテキスト・データに変換すること、テキスト・データを音声データに変換すること、発信音呼出しモードから振動呼出しモードに変換すること、および電話通信ではなく、テキスト・メッセージ、潜在的にはインスタント・メッセージを使用することを備えるグループから選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
それぞれの身体的制約が、少なくとも視覚障害、盲目、聴覚障害、難聴、ならびに電話を取ることおよび/または英数字を入力することができないことを備えるグループから選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
身体的制約を表すヘッダを前記シグナリング・メッセージに追加するステップがS−CSCFモジュール(SP)内で行われてよいことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
通信ネットワークのためのサービス・コア・ネットワーク(CR)であって、i)少なくとも1つの身体的制約を表す情報フィールドを備える、前記ネットワークのサービスの加入者であるユーザのプロファイルを格納できるユーザ情報記憶手段(MS)と、ii)ユーザ・プロファイルによって所与の身体的制約が示されているユーザが関与する通信に関してシグナリング・メッセージを受信するときはいつでも、前記身体的制約を表すヘッダを前記シグナリング・メッセージに追加するように構成された中間シグナリング・メッセージ処理装置(SP)とを備えることを特徴とするサービス・コア・ネットワーク。
【請求項6】
それぞれの身体的制約が、少なくとも視覚障害、盲目、聴覚障害、難聴、ならびに電話を取ることおよび/または英数字を入力することができないことを備えるグループから選択されることを特徴とする、請求項5に記載のコア・ネットワーク。
【請求項7】
シグナリング・メッセージに追加されたあらゆるヘッダが、前記メッセージを受信し、ユーザ・プロファイルによって所与の身体的制約が示されているユーザとの通信に関与する通信装置が、ユーザが影響を受けており、それを望むならば、前記身体的制約に応じて前記ユーザとの前記通信のタイプおよび/または少なくとも1つのパラメータを適応させることを可能にできることを特徴とする、請求項5または6に記載のコア・ネットワーク。
【請求項8】
それぞれの適応が、少なくとも、画面上に表示されるテキストの文字フォント・サイズを大きくすること、音声データをテキスト・データに変換すること、テキスト・データを音声データに変換すること、発信音呼出しモードから振動呼出しモードに変換すること、および電話通信ではなく、テキスト・メッセージ、潜在的にはインスタント・メッセージを使用することを備えるグループから選択されることを特徴とする、請求項7に記載のコア・ネットワーク。
【請求項9】
前記中間シグナリング・メッセージ処理装置がS−CSCFモジュールであることを特徴とする、請求項5乃至8のいずれか1項に記載のコア・ネットワーク。

【図1】
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【公表番号】特表2011−501628(P2011−501628A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−531561(P2010−531561)
【出願日】平成20年10月13日(2008.10.13)
【国際出願番号】PCT/FR2008/051854
【国際公開番号】WO2009/056717
【国際公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.ZIGBEE
【出願人】(391030332)アルカテル−ルーセント (1,149)
【Fターム(参考)】