身長成長促進のための刺激部を備えた機能性履物
本発明は、歩行中に加えられる力を用いて、身長の成長に役立つ足裏の踵部と足首の特定の部位に物理的刺激と電気刺激が同時に伝達されるようにして、成長板を刺激する機能性履物に関する。この機能性履物は、足の踵から足首に至る足の後部を支持する履物のヒールカウンタに設置され、足首の後部の凹みに対応する形状をして足首刺激部が密着するようにする足首密着部材と;アウトソールの内部から前記足首密着部材にわたって設置され、足首踝の後部の凹み部分である足首刺激部に、歩行中に足によって加えられる力を用いて物理的刺激を伝達する足首刺激部材と;足裏の後部の中央部に相当するアウトソール内に設置され、足裏の後部の中央に該当する踵刺激部に、アウトソールより相対的な高硬度をもって、加えられる力による荷重刺激が伝達されるようにする踵刺激部材と;アウトソールの内部に設置されて電源を発生させる電源発生装置と、足首刺激部および/または踵刺激部に設けられる電源発生点とからなる電気刺激部材と;を含んでなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、履物に係り、さらに詳しくは、歩行中に加えられる力を用いて、身長の成長に役立つ足裏の踵の部分と足首の特定の部位に物理的刺激と電気的刺激が同時に伝達されるようにして成長板を刺激する、身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ヒトの成長は細胞の増殖と肥大による身体サイズまたは身長の増加を意味し、身長が成長するというのは骨と骨周辺の筋肉が一緒に成長することである。ここで、ヒトの身長が成長することを骨の観点からみると、脊椎と呼ばれる背骨と脚骨の長骨が最も大きい役割を果たす。特に、脚骨は、脳下垂体前葉から分泌される成長ホルモンが、膝と足首の股関節にある骨端軟骨または成長板と呼ばれる部位を刺激することにより細胞分裂を生じさせ、その長さが増加し、結果として身長の成長が実現される。
【0003】
このような成長のためには適当な運動による成長板の適切な刺激が効果的であると広く知られており、実際、縄飛びやバスケットボールなどのジャンプ動作による刺激は成長板の細胞分裂を活性化させて骨の成長を促進することができると知られている。前記ジャンプ動作は、足裏の刺激、特に踵の刺激によって膝の成長板を刺激するとともに、足首関節の刺激によっても成長板を刺激する。このように直接的な衝撃刺激による膝関節の成長板刺激以外にも、足首、特に踝付近部位の物理的指圧も身長の成長に役立つと知られている。これは東洋医学で伝えられる反射灸療法によるものである。すなわち、足の各部位が人体内部の各器官に連結されており、足の特定部位を指圧することにより人体の内部器官が影響を受ける。よって、前記踝付近を刺激すると、膝関節の成長板に刺激を与えて成長ホルモンの分泌を促進することにより成長に役立つと知られている。この以外にも、脚全体による刺激やストレッチングなどが身長の成長に役立つと知られている。このように足裏の特定部位の刺激、前記踝付近部位の指圧およびストレッチングなど、足に加えられる適切な刺激が成長板を刺激して成長が促進できるということが知られた後、多くの装置が開発されて使用されている。
【0004】
例えば韓国特許公開公報10−2005−116030号には、人工重力による骨成長促進装置が開示されている。このような装置は、人体の成長板に一定の刺激を与えて成長の促進に役立つ装置であるが、高価であり、一定の場所で固定的に使用される装置として広く日常的な用途に用いられるには多くの制約が伴う。
【0005】
これとは異なり、ストレッチングなどの刺激を行うことはできないが、足裏の刺激および踝付近の刺激などによって膝関節の成長板を刺激して身長の成長に役立つ履物が開示されている。履物は、日常的に用いられるものなので、前記履物に設置された付加機能によって成長板を刺激して身長の成長に役立つものである。韓国登録実用新案公報(登録番号20−409793号)には足と足首に位置する反射灸および成長板の物理的、化学的な刺激による身長成長促進用履物が開示されており、韓国公開特許公報(10−2005−94369号)には脳下垂体に関与する反射灸および成長板の刺激による身長成長促進用履物が開示されている。
【0006】
前記技術によれば、足の親指位置に相当する部位に突起が設けられ、足首の踝付近に支持部を設置して刺激する構造で出来ている。このような構造の下では、突起による親指の指圧効果だけでなく、踝付近に位置した支持部による指圧効果は殆どない実情である。すなわち、歩行の際に足によって加えられる力は、足裏を介して地面に伝達されるので、足の側面部位に該当する踝付近には何の指圧効果も加えられない。よって、成長板の刺激が行われないという問題点がある。
【0007】
これとは異なり、韓国特許公報(登録番号10−512534号)によれば、内部に空気が充填された加圧部を加圧するにつれて、空気移動によって踝の下の成長板を刺激する構造で出来ている。前述した構造の下でも、やはり次の問題点がある。
【0008】
前記構造の下で踝付近の成長板部位刺激が碌に行われなくなる。すなわち、踝付近に位置した刺激地点は、図1に示すように、踝の下ではなく、踝の水平後部約1〜1.5cm程度と踵骨の垂直上方部位とが交差する部位であって、足首の後部の凹み部位に該当し、反射療法上、太谿または崑崙と命名された部位に位置する(以下では、足首の後部の刺激地点を、叙述の便宜上、足首刺激部(a)という。)。前記技術において、空気圧による膨張では前記足首刺激部を円滑に刺激することができなくなる。前記足首刺激部(a)は、上述したように凹んだ部位であって、履物の後部の面に直接当接しなくなる。前記足首刺激部(a)を刺激するためには、前記刺激部位が一定の間隔をもって前後方向に遊動しなければならないが、上述した構造では単純膨張だけが行われ、前後遊動が行われないため、直接刺激効果を発揮することができないという問題点がある。
【0009】
また、上述した従来の技術では、足首刺激部(a)の刺激に主眼点を置いたが、実際刺激が碌に行われないうえ、足裏の踵であれば、刺激部分(以下では、踝刺激部(b)という。)による直接衝撃を加えることができないため、実際膝関節の成長板刺激が碌に行われないという問題点がある。
【0010】
前記構造とは異なり、韓国公開特許公報(10−2005−39686号)によれば、履物のアウトソールの硬度を異ならせて足裏による直接衝撃によって成長板を刺激する構造を示している。特に、ミッドソールの硬度を強くして、足裏全体が受ける衝撃を強くする構造を取っているが、前述した構造下では、履物の着用感が著しく低下するという問題点がある。何よりも、足裏面全体の衝撃よりは踵刺激部(b)の衝撃による成長板の直接刺激が効果的であるにも拘らず、単純に全体硬度を向上させ、刺激転移部材および刺激分散部材などによって踵刺激部(b)に衝撃を伝達するが、実際刺激転移部材、刺激分散部材および踵骨骨棘防止部材の役割が不明瞭であるという問題点がある。このような構造の下では、足首刺激部(a)は全く刺激がなされないので、成長板は効果的に刺激がなされないという問題点がある。
【0011】
上述したように、従来の履物では、効果的に足首刺激部(a)と踝刺激部(b)による物理的刺激が碌になされないため、実質的な成長板の刺激がなされなないという問題点がある。
【0012】
一方、このように単純な物理的刺激による成長板刺激以外にも、東洋医学では内分泌系刺激を用いた成長板の刺激を用いることもある。すなわち、針を用いて経穴点を刺激することにより、成長板の刺激がなされるようにして、身長の成長に役立つ治療として用いられているが、履物では、針療法などの内分泌系刺激療法を直接用いることができないという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためのもので、その目的は、足首刺激部に正確に物理的刺激が行われる履物を提供することにある。
【0014】
本発明の他の目的は、足首刺激部と踝刺激部に同時に正確に物理的刺激を加えることにより、成長板刺激による身長の成長にさらに役立つ履物を提供することにある。
【0015】
本発明の別の目的は、電気的刺激によって内分泌系を刺激することにより成長板を刺激する履物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、本発明は、足の踵から足首に至る足の後部を支持する履物のヒールカウンタに設置され、足首の後部の凹みに対応する形状に設けられ、足首の後部が密着するようにする足首密着部材と;履物のアウトソールの内部から前記足首密着部材にわたって設置され、足首の踝後部の凹み部分である足首刺激部に、歩行中に足により加えられる力を用いて物理的刺激を伝達する足首刺激部材と;足裏の後部の中央部に相当する履物のアウトソール内に設置され、足裏の後部の中央に該当する踵刺激部に、アウトソールより相対的な高硬度をもって、加えられる力による荷重刺激が伝達されるようにする踵刺激部材と;を含んでなり、加えられる荷重による足裏の後部の踵刺激部と足首の後部の足首刺激部への物理的刺激が行われる、履物を提供する。
【0017】
前記足首密着部材は、空気注入によるエアバック、弾性を有する高分子材料、ゴム材料および合成繊維のいずれか一つからなり、足首後部の凹みに対応する形状に設けられる。また、前記足首密着部材は、足首を覆う履物甲皮の上端縁部に沿って設置され、足首との密着のために伸縮性材質で出来ている締付帯の形をし、足首の後部の凹み部位が履物の内面に密着するようにする。
【0018】
前記足首刺激部材は、アウトソールの内部に設置されるドーナツ状のエアバックと、前記エアバックの両側に連通して足首密着部材の外側部分にわたって設置され、端部が足首の踝後部の足首刺激部に備えられた指圧刺激材とを含んでなり、加えられる力によって、エアバックの収縮による気体移動を用いて指圧刺激材の端部が足首刺激部を刺激する。また、前記足首刺激部材は、弾性を有する高分子材料からなり、中央部分に空いている空間部を有し、中央上側から両側へ行くほど下方にラウンドされており、荷重によって収縮する弾性本体と、前記本体の両端から上方にラウンドされており、端部が水平内側に傾いて足首刺激部に接する刺激片とを含んでなり、荷重による本体の収縮によって刺激片が水平方向に移動して足首刺激部を刺激する。また、前記踵刺激部材は、前記エアバックまたは弾性本体の中央の空間に設置され、履物のアウトソールの硬度より高い硬度を有する。
【0019】
一方、本発明は、履物のアウトソール内に設置され、電源を発生させる電源発生装置と、足首刺激部および/または踵刺激部に設けられる電源発生点とからなる電気刺激部材をさらに含んでなり、前記足首刺激部および/または踵刺激部に電気刺激がさらに強く加えられるようにする履物を提供する。
前記電源発生装置は、踵刺激部材の内部に設置される低周波発生源、または踵刺激部材の内部に設置されて電源を供給するためのバッテリーと、前記バッテリーから供給される電気を数〜数百マイクロアンペアの微細電流に変換させる微細電流発生源とからなる電源発生部、または加えられる圧力に応じて電圧と微細電流が発生する圧電素子から構成される。
【0020】
前述した構成によれば、足首刺激部と踵刺激部に正確な物理的刺激と同時に電気的刺激が加えられ、成長板が一層効率よく刺激されることにより、身長の成長に役立つことができる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明によれば、身長成長のための刺激部位である足首の後部と踵部分に物理的刺激と電気的刺激が同時に伝達されるので、成長板の刺激による身長成長が促進されるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】足の形状を示す図である。
【図2】本発明に係る履物を示す図である。
【図3】本発明に係る履物の主要構成要素を示す分解斜視図である。
【図4】本発明に係る足首密着部材を示す図である。
【図5】本発明に係る足首刺激部材を示す図である。
【図6】本発明に係る踵刺激部材が設置された状態を示す概略断面図である。
【図7】本発明に係る踵刺激部材および電気刺激部材を示す斜視図である。
【図8】本発明に係る電源発生装置の電気回路図である。
【図9】本発明に係る履物の作動を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に添付図面を参照しながら、本発明に係る履物をより詳細に説明する。図2は本発明に係る履物の一実施例を示す図、図3は本発明に係る履物の分解斜視図である。
【0024】
図2および図3に示すように、本発明は、履物100の後部であるヒールカウンタ130に設置され、足首刺激部(a)が履物の内面に密着するようにする足首密着部材10と、加えられる外力によって足首刺激部(a)を直接刺激する足首刺激部材20と、加えられる外力によって直接踵刺激部(b)を刺激する踵刺激部材30と、加えられる外力を用いて足首刺激部(a)および/または踵刺激部(b)を電気的に刺激する電気刺激部材40とを含んでなる。
【0025】
まず、図4を参照して足首密着部材10について説明する。
【0026】
図4は本発明に係る足首密着部材を示す図である。上述したように、身長成長のために成長板を刺激するための足首刺激部(a)は、凹んだ部位であって、通常の履物100の構造では履物のヒールカウンタ130の内面に完全には密着しない。よって、足首刺激部(a)を履物の内面に密着させるためには、足首の後部、特に足首刺激部(a)の形状に対応する足首密着部材10が履物のヒールカウンタ130に設置されるようにする。
【0027】
このような足首密着部材10は様々な方式で構成できる。
【0028】
図4の(a)に示すように、足首密着部材10はエアバック10aの形で構成してもよい。このように構成される場合、エアバック10a自体がある程度弾性を持つので、使用者が履物を着用した場合、足首の凹み形状に沿って足首に密着させることができる。一方、これとは異なり、外部に別途のエア注入口10a’を構成し、使用者が外部からエアを注入することができるようにすることも可能である。この場合、エア注入口10a’は、履物甲皮120を介して設置されるようにする。よって、履物着用の後、使用者が外部からエア注入口10’部位をポンピングすることにより、前記エアバック10aからなる足首密着部材10が足首部位に完全に密着するまでエアを注入することができる。
【0029】
これとは異なり、図4の(b)に示すように、比較的自由な変形性を有する高分子材料またはゴム材料10bから、足首の凹み部分に対応する適切な形状の足首密着部材10を構成してもよい。高分子材料としてシリコンを用いる場合、前記シリコンはある程度弾性を持つので、使用者が履物を着用したとき、足首密着部材10は足首刺激部(a)の凹み部位に完全に密着できる。一方、前記足首密着部材10は、ふかふかとしたパッド形態の繊維材質から構成してもよい。この場合、足首の形状に対応するように製作することにより、やはり足首との密着を実現することができる。この場合、図示した図面には一つの足首密着部材から構成されているが、本実施例では、足首密着部材は、エアバックとは異なり成形品からなるので、両側足首刺激部にそれぞれ対応する2つの部分に分けられる。
【0030】
一方、前述したように足首刺激部(a)の凹み形状に対応する構造とは異なり、図4の(c)に示すように、締付帯10cタイプの足首密着部材10を使用してもよい。すなわち、前記締付帯10cは、履物の甲皮120を成す部位のうち、ヒールカウンタ130の上端縁部130aの周りに沿って設置されるようにすることにより、使用者が履物を着用した後、締付帯10cを締め付けて足首の周りに完全に密着させる。このような締付帯10cは、ゴムまたはスプリングなどの伸縮性材質で出来ており、履物着用の後、弾性力によって足首の周りに完全に密着させることも可能である。これとは異なり、締付帯10cの両端に締結片10c’を形成し、使用者が前記締付帯10cの両端締結片10c’を調節して締結させることにより、足首の周りに完全に密着させることも可能である。このような締付帯10cは、上述した図4の(a)と図4の(b)の構造と同様に、足首刺激部(a)の凹み部位に直接密着させるよりは、甲皮120の上端に沿って締め付けることにより、足首の周りに密着させて足が全体的に履物に密着するようにする構造をとっている。勿論、このような締付帯10cを、上述したエアバックまたは高分子材料などからなる足首密着部材10a、10bと同時に使用することも可能である。この場合には、足首密着部材10a、10bによって足首の凹み部分に密着すると同時に、締付帯10cによって甲皮の上端縁部が締め付けられることにより、足首部分との完全な密着およびに堅固性が実現できる。
【0031】
次に、図5を参照して本発明に係る足首刺激部材について説明する。
【0032】
前記足首刺激部材20は、上述した足首刺激部(a)に直接刺激を与える部材であって、使用者が履物を着用した後、加えられる圧力によって足首刺激部(a)を直接刺激するように構成されている。図5の(a)に示すように、足首刺激部材20は、弾性材質のプラスチックから出来ており、加えられる圧力によって収縮する弾性本体22と、前記収縮長さだけ膨張して足首刺激部(a)を刺激する刺激片24とを含んでなる。前記弾性本体22は、中央部分が開口しており、中央部分から両側に行くほど下方にラウンドされており、前記ラウンドされた両端部から上方に刺激片24が連結されている。一方、前記刺激片24は、垂直上方に形成されるのではなく、弾性本体22に連結される下端より、足首刺激部(a)に接触して刺激する刺激点24aを備えた上端部分が内側に傾くように斜めに形成されている。したがって、足裏によって弾性本体22の表面に圧力が加えられると、弾性本体22の表面が下方に押圧されることにより、その押圧力によって刺激片24の刺激点24aが水平内側に移動して足首刺激部(a)を刺激することが可能な構造が達成できる。前述した構造では、材質による弾性変形の度合いによって刺激片の刺激点の動き程度が異なる。通常、履物着用の際に、足首刺激部(a)が位置した足首踵部は、凹み部分および甲皮の内面とは、足の形態によって異なるが約0.2〜0.5mm程度のマージンを持つ。よって、刺激片24の端部に設けられた刺激点24aの水平移動距離が前記マージンより大きくなければ、足首刺激部(a)の直接刺激がなされない。この距離は、通常の弾性材質のプラスチックからなる前記足首刺激部材20では十分達成できる距離である。
【0033】
前記弾性本体22は、裏の踵部が位置するアウトソールに埋設され、前記刺激片24は甲皮120の内面に沿って位置するようにする。上述した足首密着部材10を備えた場合、前記足首密着部材10の外面に刺激片24が設置されるようにする。この場合には、足首密着部材10によって刺激片24の刺激点24aが足首刺激部(a)に接触した状態を維持することができるので、歩行または飛びなどによって圧力が加えられる場合、刺激片24の刺激点24aが足首刺激部(a)をそのまま集中的に刺激することができる。足首密着部材10が設置されていない場合には、前記刺激片24は履物甲皮120の内壁に沿って設置されるようにする。この場合には、前記弾性本体22および刺激片24の弾性がより大きいものに製作する。すなわち、足首密着部材10がない場合、足首刺激部(a)が完全に甲皮120の内壁に密着しないこともあるので、より大きい弾性を有する足首刺激部材20を用いることにより、足首刺激部(a)を刺激することができるようにするためである。
【0034】
一方、前記足首刺激部材20の弾性本体22の中央部分は空いた空間が設けられるようにする。この部分は後述する踵刺激部材30が位置する部位である。上述したように、踵刺激部(b)と足首刺激部(a)が同時に刺激されると、成長板が効率よく刺激されるので、前記空間部分に踵刺激部材30が設置されて踵刺激部(b)を刺激する。以下、これについて後述する。
【0035】
次に、足首刺激部材20の他の実施例を説明する。
【0036】
図5の(b)に示すように、内部に気体が充填されたドーナツ形状の本体エアバック22’と、前記本体エアバック22’の両側に沿って足首刺激部(a)まで上方に延設され、内部に空気移動通路を有する指圧刺激材24とが備えられている。この場合、本体エアバック22’がドーナツ形状を維持するようにして、中央部分を空いた空間として残すことは、後述する踵刺激部材30が設置されるようにするためである。したがって、加えられる圧力によって前記本体エアバック22’が収縮し、前記収縮する量だけの空気が移動して指圧刺激材24’の刺激点24a’が足首刺激部(a)を刺激することができる。一方、前記指圧刺激材24’の端部に設けられた刺激点24a’は、空気移動による膨張によって足首刺激部(a)を刺激する役割を果たすもので、足首刺激部(a)側に膨張できるように柔軟な材質から構成されるべきである。
【0037】
一方、別途の図面として示してはいないが、足首刺激部材20の別の実施例としては、上述した弾性材である柔軟な材質からなる足首密着部材10の端部に結合する刺激片24から構成することもできる。すなわち、比較的硬いプラスチックなどの材質からなる刺激片24を、足首刺激部(a)の位置する足首密着部材10の端部に結合させることにより、前記足首密着部材10と刺激片24が足首刺激部材20の役割を果たす。この場合には、履物を履いて歩行する場合、足首刺激部(a)が足首密着部材10の弾性によって密着するので、端部の刺激片24が足首刺激部に直接接触し、特に歩行による足の動き、すなわち足の踵から足裏の前部に踏み出す歩行パターンが自然な足首曲げを誘導し、これによる足首部分の曲げによって、端部に結合した刺激片24が足首刺激部(a)を直接圧迫して刺激する。
【0038】
以上述べたように、足首刺激部材20は、歩行によって加えられる力、垂直荷重または足首曲げなどによって足首刺激部を直接刺激するものであれば、本実施例以外にも多様な形態で実現可能であろう。
【0039】
次に、本発明に係る踵刺激部材30について説明する。
【0040】
図6は本発明に係る踵刺激部材が設置された状態を示す概略断面図、図7は本発明に係る踵刺激部材および電気刺激部材を示す斜視図である。
【0041】
図6および図7に示すように、前記踵刺激部材30は、足裏の踵が接面する部位に設置されるもので、一般なアウトソール材質よりは硬い材質で出来ており、前記足首刺激部材20の中央の空いた空間に設置されるようにする。前記踵刺激部材30の垂直高さは、上述した足首刺激部材20の収縮前の最上端高さよりはやや低くなるようにするが、これは足首刺激部材20の円滑な作動のためである。すなわち、踵に圧力が加えられる場合、前記圧力に応じて足首刺激部材20の本体面の収縮が行われなければならないので、ある程度収縮するように踵刺激部材30を低く形成する。もし同一の高さで形成される場合、加えられる圧力に応じて踵刺激部材30に先に応力が集中するので、足首刺激部材20の円滑な収縮が行われなくなる。また、あまり過度な衝撃量は、身体に副作用をもたらすので、足首刺激部材20の収縮は適切な衝撃吸収能力を保有し、中央部分の踵刺激部(b)にのみ適切な刺激が行われるようにし、前記集中した刺激が成長板の刺激に繋がるようにすることが適当である。したがって、足首刺激部材20の円滑な作動と同時に適切な衝撃量が踵刺激部(b)に伝達されるようにするために、踵刺激部材30は、やや低い高さを有し、一般なアウトソール材質よりは強度が多少強いプラスチックなどの別途の部材で形成する。
【0042】
上述したように、足首刺激部材20を足首密着部材10と刺激片24から構成する場合には、踵刺激部材30の周りに沿って多少高くエアバックが設置されるようにする。これは、踵刺激部材30に加えられる衝撃を緩和するためである。すなわち、上述したように、足首密着部材10と刺激片24から足首部材20を構成する場合、垂直荷重による力ではなく、歩行中の足首の曲げによる力を用いて足首刺激部(a)を刺激する。したがって、垂直荷重による力はそのまま踵刺激部材30に伝達されるので、過度な歩行などによる衝撃を緩和するために、踵刺激部材30の周りに沿って多少高くエアバックが設置されるようにすることが好ましい。よって、垂直荷重による力は、まず、エアバックを介して緩衝され、エアバックがある程度収縮した後で踵刺激部材30に伝達されるようにする。勿論、アウトソールが衝撃を吸収することが可能な場合には、別途のエアバックなしで直ちに踵刺激部材30を設置することも可能であろう。
【0043】
次に、本発明に係る電気刺激部材40について説明する。
【0044】
電気刺激部材40は、足首刺激部(a)および/または踵刺激部(b)に電気的な刺激が行われるようにして、成長板をより円滑に刺激する役割を果たす。上述したように、身長成長のために、針などを経穴点に挿して内分泌系を活性化させることによる成長板の刺激方法などが使用されるが、このような目的を達成するために、履物内で電気刺激が行われるようにするのである。
【0045】
一般に、治療目的で、低周波や微細電流などが別途の装置として開発されて使用されている。このような低周波または微細電流による電気的刺激が足首刺激部(a)または踵刺激部(b)に直接伝達されるようにして、物理的刺激だけでなく、電気的刺激が加わって成長板の刺激がより円滑に行われるようにする。本発明に係る電気刺激部材40は、電源が供給されるようにする電源発生装置42と、供給される電気を足首刺激部(a)に直接伝達するために、上述した足首刺激部材20の刺激片24または指圧刺激材24’の端部に形成された刺激点24a、24a’に伝導性材質から構成される電源発生点44とを含んでなる。勿論、踵刺激部材30の上面に電源発生点44が備えられるようにして、踵刺激部(b)に電気刺激が行われるようにすることもできる。したがって、前記電源発生装置42から供給される電気によって電源発生点44を介して足首刺激部(a)と踵刺激部(b)に直接電気刺激を加えることができる。
【0046】
一方、前記電気刺激部材40の電源発生のための電源発生装置42が低周波の場合、低周波発生源を前記踵刺激部材30の内面に設置することが好ましい。よって、前記踵刺激部材30は、ケースの形状をし、電源発生装置42の設置場所であると同時に、アウトソールより強い硬度による踵刺激部材30の役割を果たすことができる。前記低周波発生源は、汎用的な通常の装置なので、その詳細な説明を省略する。但し、前記低周波発生源から発生する低周波は、数mAの比較的高い電流を用いるので、長時間使用は好ましくない。したがって、タイマーを用いて適切な時間だけ作動するようにすることがよく、作動メカニズムは使用者が手動で操作するようにし、あるいは足裏に加えられる圧力によってオン/オフ作動するようにすればよい。
【0047】
次に、前記電気刺激部材40による微細電流を用いる場合について説明する。微細電流は、マイクロアンペア程度の電流であって、通常数十〜数百マイクロアンペアの大きさである。このような量の電流は人体内で有益な役割を果たすものと知られており、人体内部自体でも約60マイクロアンペアの微細電流が流れると知られている。このような微細電流は現在治療目的で様々に用いられている。例えば、東洋医学では針を経穴点に挿し、微細電流を流して治療することもある。
【0048】
前述した微細電流を足首刺激部(a)または踵刺激部(b)に伝達するようにするための電源発生装置42としては、バッテリーを用いてもよく、圧電センサを用いてもよい。
【0049】
次に、電源発生装置42としてバッテリーを用いる場合について説明する。前記バッテリーを用いる場合、バッテリーの容量に応じて定格電圧と電流は固定されている。よって、微細電流を発生させるために、バッテリーから供給される電流を微細電流に変換させる微細電流発生源が必要である。このために、図8には本発明に係る電源発生装置42の電気回路図を示している。図8に示すように、コンデンサC、抵抗R1、R2、トランジスタTrおよび可変抵抗VRを用いて微細電流を発生させるか、あるいは電源発生点44自体の内部抵抗によって微細電流を通電させる。このような微細電流の通電は、歩行または飛びなどの際に足裏に加えられる圧力によってスイッチがオン/オフされるように構成すればよい。このような構成を持つ電気刺激部材40の電源発生装置42を上述した踵刺激部材30の内部に設置することにより、踵刺激部材30に加えられる圧力によってスイッチが作動するように構成する。したがって、加えられる圧力によって踵刺激部材30が踵刺激部を刺激する物理的刺激、および電気刺激部材40による微細電流の通電を用いた電気的刺激を同時に行うことができる。
【0050】
一方、電源発生装置42として圧電素子を用いて微細電流を発生させる場合について説明する。
【0051】
圧電素子は、外部から圧力が加えられたとき、圧力によって電流および電圧を発生させる素子であって、現在広く用いられている。このような圧電素子によって発生する電流および電圧の量は、基本的に、外部から加えられる外力に比例して増加するが、材質、素子の大きさおよび形態によって異なる。電圧は数V〜数千Vの瞬間電圧形成が可能であるが、通常、電流の量は極めて微々たる。よって、本発明で要求される微細電流を発生させるために、圧電素子は、単層ではなく、数十〜数百層が積層された形態を成し、これにより数十〜数百マイクロアンペアの微細電流の生成が可能になる。
【0052】
一般に、数〜数十Vの電圧と数十〜数百マイクロアンペアの微細電流を発生させるために使用される圧電素子は、PZT系圧電セラミックであって、PbO2、TiO2、ZrO2などの原料を配合して製造される。このようなセラミック厚膜を必要に応じて積層することにより、所望の物性値を有する圧電素子を製作する。
【0053】
圧電素子の電流生成原理について簡略に説明すると、圧電素子は、加えられる力によって電荷を発生させ、一側の面は陽に帯電し、反対側の面は陰に帯電することにより、両側面間に電位差が発生する。各表面の総電荷量qは電荷移動変位xに比例し、このxは加えられた力に比例する。
【0054】
q=kx=SF
ここで、kは定数、Sは電荷感度である。この電荷感度は物質によって異なる。物質の特性、大きさによって総電荷量が決定されるので、加えられる力によって一定の電流が増加するが、ある程度以上の力では一定の電流が生成される。
【0055】
発生した電圧は、印加された圧力、すなわち加えられた力に比例し、電圧感度も物質によって異なり、物質の特性および大きさによって電圧の変化幅は異なるが、加えられる力に比例して電圧は増加し続ける。したがって、加えられる力による電流と電圧の大きさおよび特性は、具体的な実験によって解明されるが、これを理論的に説明すると、圧電セラミックの圧電特性のうち物質による圧電係数があり、この「圧電係数」は単位面積当りの印加荷重による電荷量をいう。この値は次の数式で表される。
【0056】
圧電係数(Q−電荷量、A=力を受ける面積、F=力)
よって、d33値は圧電体に加えた力によって発生する電荷量である。
一般に、体重50kgのヒトが歩いたり走ったりするとき、履物の踵に加えられる重さは1.5倍〜3倍まで増大するとするとき、一般に歩く場合には約75kgの重さが加えられる。この際、圧電体に加えられる力は、
F=ma=75kg×9.8m/s2=750N
d33=1300pC/NのPZT系圧電セラミックに750Nの力を加えるときに発生する電荷量は、
1300pC/N×750N=9.75×10−7C
履物の踵が地面に接して力が加えられる時間は、通常0.5秒〜1秒であるが、1秒と仮定すると、
I=0.975μAであり、0.5秒の場合には2倍なので、1.950μAである。
したがって、(1)体重60kgのヒトが歩くとき、重さは約75kgであり時間は約1秒の場合には、1枚の厚膜からなる圧電体では0.975μAの電流が発生し、(2)体重60kgのヒトが走るとき、重さは約150kgであり時間は約0.5秒の場合には、圧電体では2.94μAの電流が発生する。
よって、前記圧電係数値を有する圧電セラミックを100層積層する場合には、電流値は100倍増加するので、その値は、歩くときは97.5μA、走るときは294μAになる。
前記電流値から電圧を計算すると、
V=IRにおいて(圧電体自体の抵抗は約90,000Ω)、
歩くときは97.5μA×90,000Ω=8.78Vになり、
走るときは294μA×90,000Ω=26.46Vになる。
前記計算は理論的な値なので、実際アクチュエータ製作の際には100%の特性を示してはいないが、体重60kgのヒトの場合、理論的には、
電流は約90μA〜約300μA、
電圧は約8V〜約26Vの値を持つ。
したがって、このような事項を考慮すると、ヒトが履物を履いて歩いたり走ったりする場合、微細電流の発生量が数十〜数百であり、この際の電圧は数V〜数十Vである。
前述したような圧電素子を電源発生装置42として用いる場合、前記圧電素子は踵刺激部材30の内部に設置すればよい。したがって、踵刺激部材30によって加えられる圧力に比例して圧電素子による電流と電圧が発生し、踵刺激部材30自体は前記圧力による刺激を踵刺激部(b)にそのまま伝達する効果も同時に達成できる。
上述したように、本発明で要求される電源発生装置42は、低周波または微細電流を発生させる装置であって、履物の内部に設置されるものではあるが、履物の構造上、空間的な限界によって踵刺激部材30の内部に設置することが好ましい。勿論、装置の小型化によってさらに軽量化、小型化する場合には、他の位置も不可能ではないが、踵刺激部材30の内部に設置されることにより、様々な利点、例えば空間の狭小化の解消および外部衝撃からの保護などが発生する。
一方、上述した足首刺激部(a)または踵刺激部(b)の端部に設けられる電源発生点44は、電気が通じる金属などであればよい。このような電源発生点44は、足首刺激部材20の刺激点24a、24a’または踵刺激部材の上面に金属片の接着または金属材料の塗布などの様々な方法で形成させることができる。前記電源発生装置42と電源発生点44との間が電気的に連結されるようにすればよい。すなわち、踵刺激部材30が、電源発生装置42を内蔵したケースの役割を果たすので、前記ケースの内部から外部の適切なところに電気導線を形成し、前記電気導線46が電源発生点44と連結されるようにすればよい。足首刺激部材20の刺激点24a、24a’に電源発生点44を形成する場合には、上述した足首刺激部材20の指圧刺激部材24’または刺激片24の外面または内面に導線を形成して前記電源発生点44を介して電気が通じるようにする。踵刺激部材30の上面に電源発生点44を形成する場合には、前記踵刺激部材内の電源発生装置42から前記踵刺激部材の上面へ電気的に連結されるようにすればよい。したがって、前記足首刺激部(a)と踵刺激部(b)は外力により発生する物理的刺激と電気的刺激の二重刺激を受けることになる。その結果、成長板がより円滑に刺激できる。
次に添付図面を参照しながら、本発明の一実施例に係る機能性履物の作動過程について説明する。
図9は本発明に係る履物の作動を示す図である。図9の左側図は履物を着用した状態で足が押圧される前の状態であり、図9の右側図は履物を着用した状態で足が押圧された後の状態を示す。図9の左側図に示すように、使用者が履物を着用した状態で履物のヒールカウンタ130を反復的に押してエア注入口10a’を介してエアが注入されるようにする。前記過程によって足首密着部材10のエアバック内に空気が流入し、流入した前記空気によってエアバックが膨張することにより、足首刺激部(a)の凹み部位にエアバックが密着できる。この場合、前記足首密着部材10の外面に沿って足首刺激部材20が備えられているので、前記足首刺激部材20の刺激片24の端部に設けられた刺激点24aは足首刺激部に接面した状態をなす。
前述したように足首密着部材10のセッティングが完了した後、図9の右側図に示すように、履物を履いて歩行または飛びなどの日常生活を行う。歩行または飛びなどによって足裏に圧力が加えられる場合、踵に加えられる圧力によって足首刺激部材20の弾性本体22が収縮する。前記弾性本体22の収縮度合いによって、両側に位置した刺激片24が動き、これにより前記刺激片24の端部に設けられた刺激点24aが足首刺激部(a)を刺激する。
前記弾性本体22の収縮は、踵の足裏面が踵刺激部材30の上面に到達するまでのみ行われ得る。前記足裏による圧力は踵刺激部材30に及ぼす。この場合、前記踵刺激部材30はアウトソールの硬度より高い硬度なので、踵刺激部(b)に該当する部位は相対的にさらに多くの刺激を受け、前記刺激は踵刺激部に伝達される。
一方、前記踵刺激部材30の内部に圧電素子が設置されているので、前記踵刺激部材30に加えられる圧力に応じて圧電素子から電流および電圧が発生する。前記発生した電圧および電流は、足首刺激部材20の端部刺激点に設けられた電源発生点を介して足首刺激部(a)に直接電気刺激を与え、踵刺激部材30の上面に設けられた電源発生点を介しては踵刺激部(b)に直接電気刺激を与える。したがって、前記足首刺激部(a)と前記踵刺激部(b)には物理的刺激と電気刺激が同時に伝達される。このような刺激は、直ちに足首、膝軟骨の成長板にさらに多くの刺激を与えて成長ホルモンの分泌を促進する。
歩行によって踵が持ち上げられながら力が除去される場合には、足首刺激部材20、踵刺激部材30および電気刺激部材40に加えられる圧力がないので、何の刺激も行われなくなる。したがって、歩行中に踵に瞬間的に加えられる力によって足首刺激部(a)および踵刺激部(b)に物理的刺激と電気刺激が循環的且つ反復的に行われることにより、自然な刺激伝達が反復できる。
以上では、足首密着部材10がエアバックの場合を示しているが、上述したように弾性材質からなる場合には別途のエアバック注入過程なしでも履物着用と同時に弾性材質が踵の形状に応じて密着する。また、足首刺激部材20もエアバック形態の場合には、圧力による空気移動によって足首刺激部材20が作動することは当たり前である。
次に、本発明の別の実施例を簡略に説明する。本実施例では、前記足首密着部材として締付帯を用いた場合を示し、電源発生装置としてバッテリーを用いた場合を示す。
締付帯によって履物の上端縁部が足首の周りを完全に覆い被せる形態をなす。この場合、大抵は足首刺激部(a)が履物甲皮の内面にある程度密着する。ところが、足首の後部が弱いヒトなどの使用者は、足首刺激部(a)が甲皮の内面に完全に密着しないこともある。
この場合にも足裏によって圧力が加えられると、前記足首刺激部材の収縮によって刺激片または指圧刺激材の水平移動は十分0.5mm以上行われるので、前記足首刺激部(a)に十分な刺激が伝達できる。前記踵刺激部材に加えられる圧力に応じて接点スイッチがターンオンされることにより、微細電流が足首刺激部(a)と踵刺激部(b)に伝達できる。圧力が解除される場合にはスイッチがさらにターンオフされることにおり、電源供給は中断され、物理的刺激も行われなくなる。
別の実施例としては、足首刺激部材20が単純に足首密着部材10の端部に結合した刺激片24の場合には、足に加えられる垂直荷重よりは歩行パターンによる物理的な力によって足首刺激部(a)が刺激を受ける。すなわち、図9に示した足首刺激部材20は、垂直荷重による力が足首刺激部の両側面に伝達されて足首刺激部(a)を刺激する形で出来ているが、足首密着部材10の端部に結合した刺激片24を用いる場合には、垂直荷重によって側面に伝達できる力がない代わりに、歩行による足首の曲げによって足首刺激部を刺激することができる。
これをさらに詳しく説明すると、足首密着部材10の弾性によって刺激片24が足首刺激部(a)に接面した状態を成す。この際には、単純に足首密着部材10の弾性および材質に応じて刺激片24が足首刺激部(a)を刺激する度合いが決定され、一定の力で足首刺激部(a)を刺激している状態である。この状態で歩行を行う場合、足を踏み出す形態は足の踵から足裏の前部に踏み出す形態を成す。この際、足裏の前部に踏み出す瞬間には正姿勢で立っているときより、足首は前方への曲げが発生し、前記曲げによって、足密着部材10の端部に結合した刺激片24は足首刺激部(a)にさらに密着することにより、足首刺激部(a)をさらに刺激することができる。この場合、踵刺激部材だけでなく、電気刺激部材によって刺激片24を介して電気刺激が行われるのは勿論である。
以上説明したように、本発明では、歩行中に加えられる力によって足首刺激部と踵刺激部に物理的刺激と電気的刺激を同時に行うので、実施例で具体的に全ての場合を示さなくても、本発明で要求する様々な形態が可能なのは自明であろう。
【符号の説明】
【0057】
10:足首密着部材
10a:エアバック
10b:高分子材料(ゴム材料)
10c:締付帯
10c’:締結片
10a’:エア注入口
20:足首刺激部材
22:弾性本体
22’:本体エアバック
24:刺激片
24a、24a’:刺激点
24’:指圧刺激材
30:踵刺激部材
40:電気刺激部材
42:電源発生装置
44:電源発生点
46:電気導線
100:履物
120:甲皮
130:ヒールカウンタ
130a:縁部
【技術分野】
【0001】
本発明は、履物に係り、さらに詳しくは、歩行中に加えられる力を用いて、身長の成長に役立つ足裏の踵の部分と足首の特定の部位に物理的刺激と電気的刺激が同時に伝達されるようにして成長板を刺激する、身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ヒトの成長は細胞の増殖と肥大による身体サイズまたは身長の増加を意味し、身長が成長するというのは骨と骨周辺の筋肉が一緒に成長することである。ここで、ヒトの身長が成長することを骨の観点からみると、脊椎と呼ばれる背骨と脚骨の長骨が最も大きい役割を果たす。特に、脚骨は、脳下垂体前葉から分泌される成長ホルモンが、膝と足首の股関節にある骨端軟骨または成長板と呼ばれる部位を刺激することにより細胞分裂を生じさせ、その長さが増加し、結果として身長の成長が実現される。
【0003】
このような成長のためには適当な運動による成長板の適切な刺激が効果的であると広く知られており、実際、縄飛びやバスケットボールなどのジャンプ動作による刺激は成長板の細胞分裂を活性化させて骨の成長を促進することができると知られている。前記ジャンプ動作は、足裏の刺激、特に踵の刺激によって膝の成長板を刺激するとともに、足首関節の刺激によっても成長板を刺激する。このように直接的な衝撃刺激による膝関節の成長板刺激以外にも、足首、特に踝付近部位の物理的指圧も身長の成長に役立つと知られている。これは東洋医学で伝えられる反射灸療法によるものである。すなわち、足の各部位が人体内部の各器官に連結されており、足の特定部位を指圧することにより人体の内部器官が影響を受ける。よって、前記踝付近を刺激すると、膝関節の成長板に刺激を与えて成長ホルモンの分泌を促進することにより成長に役立つと知られている。この以外にも、脚全体による刺激やストレッチングなどが身長の成長に役立つと知られている。このように足裏の特定部位の刺激、前記踝付近部位の指圧およびストレッチングなど、足に加えられる適切な刺激が成長板を刺激して成長が促進できるということが知られた後、多くの装置が開発されて使用されている。
【0004】
例えば韓国特許公開公報10−2005−116030号には、人工重力による骨成長促進装置が開示されている。このような装置は、人体の成長板に一定の刺激を与えて成長の促進に役立つ装置であるが、高価であり、一定の場所で固定的に使用される装置として広く日常的な用途に用いられるには多くの制約が伴う。
【0005】
これとは異なり、ストレッチングなどの刺激を行うことはできないが、足裏の刺激および踝付近の刺激などによって膝関節の成長板を刺激して身長の成長に役立つ履物が開示されている。履物は、日常的に用いられるものなので、前記履物に設置された付加機能によって成長板を刺激して身長の成長に役立つものである。韓国登録実用新案公報(登録番号20−409793号)には足と足首に位置する反射灸および成長板の物理的、化学的な刺激による身長成長促進用履物が開示されており、韓国公開特許公報(10−2005−94369号)には脳下垂体に関与する反射灸および成長板の刺激による身長成長促進用履物が開示されている。
【0006】
前記技術によれば、足の親指位置に相当する部位に突起が設けられ、足首の踝付近に支持部を設置して刺激する構造で出来ている。このような構造の下では、突起による親指の指圧効果だけでなく、踝付近に位置した支持部による指圧効果は殆どない実情である。すなわち、歩行の際に足によって加えられる力は、足裏を介して地面に伝達されるので、足の側面部位に該当する踝付近には何の指圧効果も加えられない。よって、成長板の刺激が行われないという問題点がある。
【0007】
これとは異なり、韓国特許公報(登録番号10−512534号)によれば、内部に空気が充填された加圧部を加圧するにつれて、空気移動によって踝の下の成長板を刺激する構造で出来ている。前述した構造の下でも、やはり次の問題点がある。
【0008】
前記構造の下で踝付近の成長板部位刺激が碌に行われなくなる。すなわち、踝付近に位置した刺激地点は、図1に示すように、踝の下ではなく、踝の水平後部約1〜1.5cm程度と踵骨の垂直上方部位とが交差する部位であって、足首の後部の凹み部位に該当し、反射療法上、太谿または崑崙と命名された部位に位置する(以下では、足首の後部の刺激地点を、叙述の便宜上、足首刺激部(a)という。)。前記技術において、空気圧による膨張では前記足首刺激部を円滑に刺激することができなくなる。前記足首刺激部(a)は、上述したように凹んだ部位であって、履物の後部の面に直接当接しなくなる。前記足首刺激部(a)を刺激するためには、前記刺激部位が一定の間隔をもって前後方向に遊動しなければならないが、上述した構造では単純膨張だけが行われ、前後遊動が行われないため、直接刺激効果を発揮することができないという問題点がある。
【0009】
また、上述した従来の技術では、足首刺激部(a)の刺激に主眼点を置いたが、実際刺激が碌に行われないうえ、足裏の踵であれば、刺激部分(以下では、踝刺激部(b)という。)による直接衝撃を加えることができないため、実際膝関節の成長板刺激が碌に行われないという問題点がある。
【0010】
前記構造とは異なり、韓国公開特許公報(10−2005−39686号)によれば、履物のアウトソールの硬度を異ならせて足裏による直接衝撃によって成長板を刺激する構造を示している。特に、ミッドソールの硬度を強くして、足裏全体が受ける衝撃を強くする構造を取っているが、前述した構造下では、履物の着用感が著しく低下するという問題点がある。何よりも、足裏面全体の衝撃よりは踵刺激部(b)の衝撃による成長板の直接刺激が効果的であるにも拘らず、単純に全体硬度を向上させ、刺激転移部材および刺激分散部材などによって踵刺激部(b)に衝撃を伝達するが、実際刺激転移部材、刺激分散部材および踵骨骨棘防止部材の役割が不明瞭であるという問題点がある。このような構造の下では、足首刺激部(a)は全く刺激がなされないので、成長板は効果的に刺激がなされないという問題点がある。
【0011】
上述したように、従来の履物では、効果的に足首刺激部(a)と踝刺激部(b)による物理的刺激が碌になされないため、実質的な成長板の刺激がなされなないという問題点がある。
【0012】
一方、このように単純な物理的刺激による成長板刺激以外にも、東洋医学では内分泌系刺激を用いた成長板の刺激を用いることもある。すなわち、針を用いて経穴点を刺激することにより、成長板の刺激がなされるようにして、身長の成長に役立つ治療として用いられているが、履物では、針療法などの内分泌系刺激療法を直接用いることができないという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためのもので、その目的は、足首刺激部に正確に物理的刺激が行われる履物を提供することにある。
【0014】
本発明の他の目的は、足首刺激部と踝刺激部に同時に正確に物理的刺激を加えることにより、成長板刺激による身長の成長にさらに役立つ履物を提供することにある。
【0015】
本発明の別の目的は、電気的刺激によって内分泌系を刺激することにより成長板を刺激する履物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、本発明は、足の踵から足首に至る足の後部を支持する履物のヒールカウンタに設置され、足首の後部の凹みに対応する形状に設けられ、足首の後部が密着するようにする足首密着部材と;履物のアウトソールの内部から前記足首密着部材にわたって設置され、足首の踝後部の凹み部分である足首刺激部に、歩行中に足により加えられる力を用いて物理的刺激を伝達する足首刺激部材と;足裏の後部の中央部に相当する履物のアウトソール内に設置され、足裏の後部の中央に該当する踵刺激部に、アウトソールより相対的な高硬度をもって、加えられる力による荷重刺激が伝達されるようにする踵刺激部材と;を含んでなり、加えられる荷重による足裏の後部の踵刺激部と足首の後部の足首刺激部への物理的刺激が行われる、履物を提供する。
【0017】
前記足首密着部材は、空気注入によるエアバック、弾性を有する高分子材料、ゴム材料および合成繊維のいずれか一つからなり、足首後部の凹みに対応する形状に設けられる。また、前記足首密着部材は、足首を覆う履物甲皮の上端縁部に沿って設置され、足首との密着のために伸縮性材質で出来ている締付帯の形をし、足首の後部の凹み部位が履物の内面に密着するようにする。
【0018】
前記足首刺激部材は、アウトソールの内部に設置されるドーナツ状のエアバックと、前記エアバックの両側に連通して足首密着部材の外側部分にわたって設置され、端部が足首の踝後部の足首刺激部に備えられた指圧刺激材とを含んでなり、加えられる力によって、エアバックの収縮による気体移動を用いて指圧刺激材の端部が足首刺激部を刺激する。また、前記足首刺激部材は、弾性を有する高分子材料からなり、中央部分に空いている空間部を有し、中央上側から両側へ行くほど下方にラウンドされており、荷重によって収縮する弾性本体と、前記本体の両端から上方にラウンドされており、端部が水平内側に傾いて足首刺激部に接する刺激片とを含んでなり、荷重による本体の収縮によって刺激片が水平方向に移動して足首刺激部を刺激する。また、前記踵刺激部材は、前記エアバックまたは弾性本体の中央の空間に設置され、履物のアウトソールの硬度より高い硬度を有する。
【0019】
一方、本発明は、履物のアウトソール内に設置され、電源を発生させる電源発生装置と、足首刺激部および/または踵刺激部に設けられる電源発生点とからなる電気刺激部材をさらに含んでなり、前記足首刺激部および/または踵刺激部に電気刺激がさらに強く加えられるようにする履物を提供する。
前記電源発生装置は、踵刺激部材の内部に設置される低周波発生源、または踵刺激部材の内部に設置されて電源を供給するためのバッテリーと、前記バッテリーから供給される電気を数〜数百マイクロアンペアの微細電流に変換させる微細電流発生源とからなる電源発生部、または加えられる圧力に応じて電圧と微細電流が発生する圧電素子から構成される。
【0020】
前述した構成によれば、足首刺激部と踵刺激部に正確な物理的刺激と同時に電気的刺激が加えられ、成長板が一層効率よく刺激されることにより、身長の成長に役立つことができる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明によれば、身長成長のための刺激部位である足首の後部と踵部分に物理的刺激と電気的刺激が同時に伝達されるので、成長板の刺激による身長成長が促進されるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】足の形状を示す図である。
【図2】本発明に係る履物を示す図である。
【図3】本発明に係る履物の主要構成要素を示す分解斜視図である。
【図4】本発明に係る足首密着部材を示す図である。
【図5】本発明に係る足首刺激部材を示す図である。
【図6】本発明に係る踵刺激部材が設置された状態を示す概略断面図である。
【図7】本発明に係る踵刺激部材および電気刺激部材を示す斜視図である。
【図8】本発明に係る電源発生装置の電気回路図である。
【図9】本発明に係る履物の作動を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に添付図面を参照しながら、本発明に係る履物をより詳細に説明する。図2は本発明に係る履物の一実施例を示す図、図3は本発明に係る履物の分解斜視図である。
【0024】
図2および図3に示すように、本発明は、履物100の後部であるヒールカウンタ130に設置され、足首刺激部(a)が履物の内面に密着するようにする足首密着部材10と、加えられる外力によって足首刺激部(a)を直接刺激する足首刺激部材20と、加えられる外力によって直接踵刺激部(b)を刺激する踵刺激部材30と、加えられる外力を用いて足首刺激部(a)および/または踵刺激部(b)を電気的に刺激する電気刺激部材40とを含んでなる。
【0025】
まず、図4を参照して足首密着部材10について説明する。
【0026】
図4は本発明に係る足首密着部材を示す図である。上述したように、身長成長のために成長板を刺激するための足首刺激部(a)は、凹んだ部位であって、通常の履物100の構造では履物のヒールカウンタ130の内面に完全には密着しない。よって、足首刺激部(a)を履物の内面に密着させるためには、足首の後部、特に足首刺激部(a)の形状に対応する足首密着部材10が履物のヒールカウンタ130に設置されるようにする。
【0027】
このような足首密着部材10は様々な方式で構成できる。
【0028】
図4の(a)に示すように、足首密着部材10はエアバック10aの形で構成してもよい。このように構成される場合、エアバック10a自体がある程度弾性を持つので、使用者が履物を着用した場合、足首の凹み形状に沿って足首に密着させることができる。一方、これとは異なり、外部に別途のエア注入口10a’を構成し、使用者が外部からエアを注入することができるようにすることも可能である。この場合、エア注入口10a’は、履物甲皮120を介して設置されるようにする。よって、履物着用の後、使用者が外部からエア注入口10’部位をポンピングすることにより、前記エアバック10aからなる足首密着部材10が足首部位に完全に密着するまでエアを注入することができる。
【0029】
これとは異なり、図4の(b)に示すように、比較的自由な変形性を有する高分子材料またはゴム材料10bから、足首の凹み部分に対応する適切な形状の足首密着部材10を構成してもよい。高分子材料としてシリコンを用いる場合、前記シリコンはある程度弾性を持つので、使用者が履物を着用したとき、足首密着部材10は足首刺激部(a)の凹み部位に完全に密着できる。一方、前記足首密着部材10は、ふかふかとしたパッド形態の繊維材質から構成してもよい。この場合、足首の形状に対応するように製作することにより、やはり足首との密着を実現することができる。この場合、図示した図面には一つの足首密着部材から構成されているが、本実施例では、足首密着部材は、エアバックとは異なり成形品からなるので、両側足首刺激部にそれぞれ対応する2つの部分に分けられる。
【0030】
一方、前述したように足首刺激部(a)の凹み形状に対応する構造とは異なり、図4の(c)に示すように、締付帯10cタイプの足首密着部材10を使用してもよい。すなわち、前記締付帯10cは、履物の甲皮120を成す部位のうち、ヒールカウンタ130の上端縁部130aの周りに沿って設置されるようにすることにより、使用者が履物を着用した後、締付帯10cを締め付けて足首の周りに完全に密着させる。このような締付帯10cは、ゴムまたはスプリングなどの伸縮性材質で出来ており、履物着用の後、弾性力によって足首の周りに完全に密着させることも可能である。これとは異なり、締付帯10cの両端に締結片10c’を形成し、使用者が前記締付帯10cの両端締結片10c’を調節して締結させることにより、足首の周りに完全に密着させることも可能である。このような締付帯10cは、上述した図4の(a)と図4の(b)の構造と同様に、足首刺激部(a)の凹み部位に直接密着させるよりは、甲皮120の上端に沿って締め付けることにより、足首の周りに密着させて足が全体的に履物に密着するようにする構造をとっている。勿論、このような締付帯10cを、上述したエアバックまたは高分子材料などからなる足首密着部材10a、10bと同時に使用することも可能である。この場合には、足首密着部材10a、10bによって足首の凹み部分に密着すると同時に、締付帯10cによって甲皮の上端縁部が締め付けられることにより、足首部分との完全な密着およびに堅固性が実現できる。
【0031】
次に、図5を参照して本発明に係る足首刺激部材について説明する。
【0032】
前記足首刺激部材20は、上述した足首刺激部(a)に直接刺激を与える部材であって、使用者が履物を着用した後、加えられる圧力によって足首刺激部(a)を直接刺激するように構成されている。図5の(a)に示すように、足首刺激部材20は、弾性材質のプラスチックから出来ており、加えられる圧力によって収縮する弾性本体22と、前記収縮長さだけ膨張して足首刺激部(a)を刺激する刺激片24とを含んでなる。前記弾性本体22は、中央部分が開口しており、中央部分から両側に行くほど下方にラウンドされており、前記ラウンドされた両端部から上方に刺激片24が連結されている。一方、前記刺激片24は、垂直上方に形成されるのではなく、弾性本体22に連結される下端より、足首刺激部(a)に接触して刺激する刺激点24aを備えた上端部分が内側に傾くように斜めに形成されている。したがって、足裏によって弾性本体22の表面に圧力が加えられると、弾性本体22の表面が下方に押圧されることにより、その押圧力によって刺激片24の刺激点24aが水平内側に移動して足首刺激部(a)を刺激することが可能な構造が達成できる。前述した構造では、材質による弾性変形の度合いによって刺激片の刺激点の動き程度が異なる。通常、履物着用の際に、足首刺激部(a)が位置した足首踵部は、凹み部分および甲皮の内面とは、足の形態によって異なるが約0.2〜0.5mm程度のマージンを持つ。よって、刺激片24の端部に設けられた刺激点24aの水平移動距離が前記マージンより大きくなければ、足首刺激部(a)の直接刺激がなされない。この距離は、通常の弾性材質のプラスチックからなる前記足首刺激部材20では十分達成できる距離である。
【0033】
前記弾性本体22は、裏の踵部が位置するアウトソールに埋設され、前記刺激片24は甲皮120の内面に沿って位置するようにする。上述した足首密着部材10を備えた場合、前記足首密着部材10の外面に刺激片24が設置されるようにする。この場合には、足首密着部材10によって刺激片24の刺激点24aが足首刺激部(a)に接触した状態を維持することができるので、歩行または飛びなどによって圧力が加えられる場合、刺激片24の刺激点24aが足首刺激部(a)をそのまま集中的に刺激することができる。足首密着部材10が設置されていない場合には、前記刺激片24は履物甲皮120の内壁に沿って設置されるようにする。この場合には、前記弾性本体22および刺激片24の弾性がより大きいものに製作する。すなわち、足首密着部材10がない場合、足首刺激部(a)が完全に甲皮120の内壁に密着しないこともあるので、より大きい弾性を有する足首刺激部材20を用いることにより、足首刺激部(a)を刺激することができるようにするためである。
【0034】
一方、前記足首刺激部材20の弾性本体22の中央部分は空いた空間が設けられるようにする。この部分は後述する踵刺激部材30が位置する部位である。上述したように、踵刺激部(b)と足首刺激部(a)が同時に刺激されると、成長板が効率よく刺激されるので、前記空間部分に踵刺激部材30が設置されて踵刺激部(b)を刺激する。以下、これについて後述する。
【0035】
次に、足首刺激部材20の他の実施例を説明する。
【0036】
図5の(b)に示すように、内部に気体が充填されたドーナツ形状の本体エアバック22’と、前記本体エアバック22’の両側に沿って足首刺激部(a)まで上方に延設され、内部に空気移動通路を有する指圧刺激材24とが備えられている。この場合、本体エアバック22’がドーナツ形状を維持するようにして、中央部分を空いた空間として残すことは、後述する踵刺激部材30が設置されるようにするためである。したがって、加えられる圧力によって前記本体エアバック22’が収縮し、前記収縮する量だけの空気が移動して指圧刺激材24’の刺激点24a’が足首刺激部(a)を刺激することができる。一方、前記指圧刺激材24’の端部に設けられた刺激点24a’は、空気移動による膨張によって足首刺激部(a)を刺激する役割を果たすもので、足首刺激部(a)側に膨張できるように柔軟な材質から構成されるべきである。
【0037】
一方、別途の図面として示してはいないが、足首刺激部材20の別の実施例としては、上述した弾性材である柔軟な材質からなる足首密着部材10の端部に結合する刺激片24から構成することもできる。すなわち、比較的硬いプラスチックなどの材質からなる刺激片24を、足首刺激部(a)の位置する足首密着部材10の端部に結合させることにより、前記足首密着部材10と刺激片24が足首刺激部材20の役割を果たす。この場合には、履物を履いて歩行する場合、足首刺激部(a)が足首密着部材10の弾性によって密着するので、端部の刺激片24が足首刺激部に直接接触し、特に歩行による足の動き、すなわち足の踵から足裏の前部に踏み出す歩行パターンが自然な足首曲げを誘導し、これによる足首部分の曲げによって、端部に結合した刺激片24が足首刺激部(a)を直接圧迫して刺激する。
【0038】
以上述べたように、足首刺激部材20は、歩行によって加えられる力、垂直荷重または足首曲げなどによって足首刺激部を直接刺激するものであれば、本実施例以外にも多様な形態で実現可能であろう。
【0039】
次に、本発明に係る踵刺激部材30について説明する。
【0040】
図6は本発明に係る踵刺激部材が設置された状態を示す概略断面図、図7は本発明に係る踵刺激部材および電気刺激部材を示す斜視図である。
【0041】
図6および図7に示すように、前記踵刺激部材30は、足裏の踵が接面する部位に設置されるもので、一般なアウトソール材質よりは硬い材質で出来ており、前記足首刺激部材20の中央の空いた空間に設置されるようにする。前記踵刺激部材30の垂直高さは、上述した足首刺激部材20の収縮前の最上端高さよりはやや低くなるようにするが、これは足首刺激部材20の円滑な作動のためである。すなわち、踵に圧力が加えられる場合、前記圧力に応じて足首刺激部材20の本体面の収縮が行われなければならないので、ある程度収縮するように踵刺激部材30を低く形成する。もし同一の高さで形成される場合、加えられる圧力に応じて踵刺激部材30に先に応力が集中するので、足首刺激部材20の円滑な収縮が行われなくなる。また、あまり過度な衝撃量は、身体に副作用をもたらすので、足首刺激部材20の収縮は適切な衝撃吸収能力を保有し、中央部分の踵刺激部(b)にのみ適切な刺激が行われるようにし、前記集中した刺激が成長板の刺激に繋がるようにすることが適当である。したがって、足首刺激部材20の円滑な作動と同時に適切な衝撃量が踵刺激部(b)に伝達されるようにするために、踵刺激部材30は、やや低い高さを有し、一般なアウトソール材質よりは強度が多少強いプラスチックなどの別途の部材で形成する。
【0042】
上述したように、足首刺激部材20を足首密着部材10と刺激片24から構成する場合には、踵刺激部材30の周りに沿って多少高くエアバックが設置されるようにする。これは、踵刺激部材30に加えられる衝撃を緩和するためである。すなわち、上述したように、足首密着部材10と刺激片24から足首部材20を構成する場合、垂直荷重による力ではなく、歩行中の足首の曲げによる力を用いて足首刺激部(a)を刺激する。したがって、垂直荷重による力はそのまま踵刺激部材30に伝達されるので、過度な歩行などによる衝撃を緩和するために、踵刺激部材30の周りに沿って多少高くエアバックが設置されるようにすることが好ましい。よって、垂直荷重による力は、まず、エアバックを介して緩衝され、エアバックがある程度収縮した後で踵刺激部材30に伝達されるようにする。勿論、アウトソールが衝撃を吸収することが可能な場合には、別途のエアバックなしで直ちに踵刺激部材30を設置することも可能であろう。
【0043】
次に、本発明に係る電気刺激部材40について説明する。
【0044】
電気刺激部材40は、足首刺激部(a)および/または踵刺激部(b)に電気的な刺激が行われるようにして、成長板をより円滑に刺激する役割を果たす。上述したように、身長成長のために、針などを経穴点に挿して内分泌系を活性化させることによる成長板の刺激方法などが使用されるが、このような目的を達成するために、履物内で電気刺激が行われるようにするのである。
【0045】
一般に、治療目的で、低周波や微細電流などが別途の装置として開発されて使用されている。このような低周波または微細電流による電気的刺激が足首刺激部(a)または踵刺激部(b)に直接伝達されるようにして、物理的刺激だけでなく、電気的刺激が加わって成長板の刺激がより円滑に行われるようにする。本発明に係る電気刺激部材40は、電源が供給されるようにする電源発生装置42と、供給される電気を足首刺激部(a)に直接伝達するために、上述した足首刺激部材20の刺激片24または指圧刺激材24’の端部に形成された刺激点24a、24a’に伝導性材質から構成される電源発生点44とを含んでなる。勿論、踵刺激部材30の上面に電源発生点44が備えられるようにして、踵刺激部(b)に電気刺激が行われるようにすることもできる。したがって、前記電源発生装置42から供給される電気によって電源発生点44を介して足首刺激部(a)と踵刺激部(b)に直接電気刺激を加えることができる。
【0046】
一方、前記電気刺激部材40の電源発生のための電源発生装置42が低周波の場合、低周波発生源を前記踵刺激部材30の内面に設置することが好ましい。よって、前記踵刺激部材30は、ケースの形状をし、電源発生装置42の設置場所であると同時に、アウトソールより強い硬度による踵刺激部材30の役割を果たすことができる。前記低周波発生源は、汎用的な通常の装置なので、その詳細な説明を省略する。但し、前記低周波発生源から発生する低周波は、数mAの比較的高い電流を用いるので、長時間使用は好ましくない。したがって、タイマーを用いて適切な時間だけ作動するようにすることがよく、作動メカニズムは使用者が手動で操作するようにし、あるいは足裏に加えられる圧力によってオン/オフ作動するようにすればよい。
【0047】
次に、前記電気刺激部材40による微細電流を用いる場合について説明する。微細電流は、マイクロアンペア程度の電流であって、通常数十〜数百マイクロアンペアの大きさである。このような量の電流は人体内で有益な役割を果たすものと知られており、人体内部自体でも約60マイクロアンペアの微細電流が流れると知られている。このような微細電流は現在治療目的で様々に用いられている。例えば、東洋医学では針を経穴点に挿し、微細電流を流して治療することもある。
【0048】
前述した微細電流を足首刺激部(a)または踵刺激部(b)に伝達するようにするための電源発生装置42としては、バッテリーを用いてもよく、圧電センサを用いてもよい。
【0049】
次に、電源発生装置42としてバッテリーを用いる場合について説明する。前記バッテリーを用いる場合、バッテリーの容量に応じて定格電圧と電流は固定されている。よって、微細電流を発生させるために、バッテリーから供給される電流を微細電流に変換させる微細電流発生源が必要である。このために、図8には本発明に係る電源発生装置42の電気回路図を示している。図8に示すように、コンデンサC、抵抗R1、R2、トランジスタTrおよび可変抵抗VRを用いて微細電流を発生させるか、あるいは電源発生点44自体の内部抵抗によって微細電流を通電させる。このような微細電流の通電は、歩行または飛びなどの際に足裏に加えられる圧力によってスイッチがオン/オフされるように構成すればよい。このような構成を持つ電気刺激部材40の電源発生装置42を上述した踵刺激部材30の内部に設置することにより、踵刺激部材30に加えられる圧力によってスイッチが作動するように構成する。したがって、加えられる圧力によって踵刺激部材30が踵刺激部を刺激する物理的刺激、および電気刺激部材40による微細電流の通電を用いた電気的刺激を同時に行うことができる。
【0050】
一方、電源発生装置42として圧電素子を用いて微細電流を発生させる場合について説明する。
【0051】
圧電素子は、外部から圧力が加えられたとき、圧力によって電流および電圧を発生させる素子であって、現在広く用いられている。このような圧電素子によって発生する電流および電圧の量は、基本的に、外部から加えられる外力に比例して増加するが、材質、素子の大きさおよび形態によって異なる。電圧は数V〜数千Vの瞬間電圧形成が可能であるが、通常、電流の量は極めて微々たる。よって、本発明で要求される微細電流を発生させるために、圧電素子は、単層ではなく、数十〜数百層が積層された形態を成し、これにより数十〜数百マイクロアンペアの微細電流の生成が可能になる。
【0052】
一般に、数〜数十Vの電圧と数十〜数百マイクロアンペアの微細電流を発生させるために使用される圧電素子は、PZT系圧電セラミックであって、PbO2、TiO2、ZrO2などの原料を配合して製造される。このようなセラミック厚膜を必要に応じて積層することにより、所望の物性値を有する圧電素子を製作する。
【0053】
圧電素子の電流生成原理について簡略に説明すると、圧電素子は、加えられる力によって電荷を発生させ、一側の面は陽に帯電し、反対側の面は陰に帯電することにより、両側面間に電位差が発生する。各表面の総電荷量qは電荷移動変位xに比例し、このxは加えられた力に比例する。
【0054】
q=kx=SF
ここで、kは定数、Sは電荷感度である。この電荷感度は物質によって異なる。物質の特性、大きさによって総電荷量が決定されるので、加えられる力によって一定の電流が増加するが、ある程度以上の力では一定の電流が生成される。
【0055】
発生した電圧は、印加された圧力、すなわち加えられた力に比例し、電圧感度も物質によって異なり、物質の特性および大きさによって電圧の変化幅は異なるが、加えられる力に比例して電圧は増加し続ける。したがって、加えられる力による電流と電圧の大きさおよび特性は、具体的な実験によって解明されるが、これを理論的に説明すると、圧電セラミックの圧電特性のうち物質による圧電係数があり、この「圧電係数」は単位面積当りの印加荷重による電荷量をいう。この値は次の数式で表される。
【0056】
圧電係数(Q−電荷量、A=力を受ける面積、F=力)
よって、d33値は圧電体に加えた力によって発生する電荷量である。
一般に、体重50kgのヒトが歩いたり走ったりするとき、履物の踵に加えられる重さは1.5倍〜3倍まで増大するとするとき、一般に歩く場合には約75kgの重さが加えられる。この際、圧電体に加えられる力は、
F=ma=75kg×9.8m/s2=750N
d33=1300pC/NのPZT系圧電セラミックに750Nの力を加えるときに発生する電荷量は、
1300pC/N×750N=9.75×10−7C
履物の踵が地面に接して力が加えられる時間は、通常0.5秒〜1秒であるが、1秒と仮定すると、
I=0.975μAであり、0.5秒の場合には2倍なので、1.950μAである。
したがって、(1)体重60kgのヒトが歩くとき、重さは約75kgであり時間は約1秒の場合には、1枚の厚膜からなる圧電体では0.975μAの電流が発生し、(2)体重60kgのヒトが走るとき、重さは約150kgであり時間は約0.5秒の場合には、圧電体では2.94μAの電流が発生する。
よって、前記圧電係数値を有する圧電セラミックを100層積層する場合には、電流値は100倍増加するので、その値は、歩くときは97.5μA、走るときは294μAになる。
前記電流値から電圧を計算すると、
V=IRにおいて(圧電体自体の抵抗は約90,000Ω)、
歩くときは97.5μA×90,000Ω=8.78Vになり、
走るときは294μA×90,000Ω=26.46Vになる。
前記計算は理論的な値なので、実際アクチュエータ製作の際には100%の特性を示してはいないが、体重60kgのヒトの場合、理論的には、
電流は約90μA〜約300μA、
電圧は約8V〜約26Vの値を持つ。
したがって、このような事項を考慮すると、ヒトが履物を履いて歩いたり走ったりする場合、微細電流の発生量が数十〜数百であり、この際の電圧は数V〜数十Vである。
前述したような圧電素子を電源発生装置42として用いる場合、前記圧電素子は踵刺激部材30の内部に設置すればよい。したがって、踵刺激部材30によって加えられる圧力に比例して圧電素子による電流と電圧が発生し、踵刺激部材30自体は前記圧力による刺激を踵刺激部(b)にそのまま伝達する効果も同時に達成できる。
上述したように、本発明で要求される電源発生装置42は、低周波または微細電流を発生させる装置であって、履物の内部に設置されるものではあるが、履物の構造上、空間的な限界によって踵刺激部材30の内部に設置することが好ましい。勿論、装置の小型化によってさらに軽量化、小型化する場合には、他の位置も不可能ではないが、踵刺激部材30の内部に設置されることにより、様々な利点、例えば空間の狭小化の解消および外部衝撃からの保護などが発生する。
一方、上述した足首刺激部(a)または踵刺激部(b)の端部に設けられる電源発生点44は、電気が通じる金属などであればよい。このような電源発生点44は、足首刺激部材20の刺激点24a、24a’または踵刺激部材の上面に金属片の接着または金属材料の塗布などの様々な方法で形成させることができる。前記電源発生装置42と電源発生点44との間が電気的に連結されるようにすればよい。すなわち、踵刺激部材30が、電源発生装置42を内蔵したケースの役割を果たすので、前記ケースの内部から外部の適切なところに電気導線を形成し、前記電気導線46が電源発生点44と連結されるようにすればよい。足首刺激部材20の刺激点24a、24a’に電源発生点44を形成する場合には、上述した足首刺激部材20の指圧刺激部材24’または刺激片24の外面または内面に導線を形成して前記電源発生点44を介して電気が通じるようにする。踵刺激部材30の上面に電源発生点44を形成する場合には、前記踵刺激部材内の電源発生装置42から前記踵刺激部材の上面へ電気的に連結されるようにすればよい。したがって、前記足首刺激部(a)と踵刺激部(b)は外力により発生する物理的刺激と電気的刺激の二重刺激を受けることになる。その結果、成長板がより円滑に刺激できる。
次に添付図面を参照しながら、本発明の一実施例に係る機能性履物の作動過程について説明する。
図9は本発明に係る履物の作動を示す図である。図9の左側図は履物を着用した状態で足が押圧される前の状態であり、図9の右側図は履物を着用した状態で足が押圧された後の状態を示す。図9の左側図に示すように、使用者が履物を着用した状態で履物のヒールカウンタ130を反復的に押してエア注入口10a’を介してエアが注入されるようにする。前記過程によって足首密着部材10のエアバック内に空気が流入し、流入した前記空気によってエアバックが膨張することにより、足首刺激部(a)の凹み部位にエアバックが密着できる。この場合、前記足首密着部材10の外面に沿って足首刺激部材20が備えられているので、前記足首刺激部材20の刺激片24の端部に設けられた刺激点24aは足首刺激部に接面した状態をなす。
前述したように足首密着部材10のセッティングが完了した後、図9の右側図に示すように、履物を履いて歩行または飛びなどの日常生活を行う。歩行または飛びなどによって足裏に圧力が加えられる場合、踵に加えられる圧力によって足首刺激部材20の弾性本体22が収縮する。前記弾性本体22の収縮度合いによって、両側に位置した刺激片24が動き、これにより前記刺激片24の端部に設けられた刺激点24aが足首刺激部(a)を刺激する。
前記弾性本体22の収縮は、踵の足裏面が踵刺激部材30の上面に到達するまでのみ行われ得る。前記足裏による圧力は踵刺激部材30に及ぼす。この場合、前記踵刺激部材30はアウトソールの硬度より高い硬度なので、踵刺激部(b)に該当する部位は相対的にさらに多くの刺激を受け、前記刺激は踵刺激部に伝達される。
一方、前記踵刺激部材30の内部に圧電素子が設置されているので、前記踵刺激部材30に加えられる圧力に応じて圧電素子から電流および電圧が発生する。前記発生した電圧および電流は、足首刺激部材20の端部刺激点に設けられた電源発生点を介して足首刺激部(a)に直接電気刺激を与え、踵刺激部材30の上面に設けられた電源発生点を介しては踵刺激部(b)に直接電気刺激を与える。したがって、前記足首刺激部(a)と前記踵刺激部(b)には物理的刺激と電気刺激が同時に伝達される。このような刺激は、直ちに足首、膝軟骨の成長板にさらに多くの刺激を与えて成長ホルモンの分泌を促進する。
歩行によって踵が持ち上げられながら力が除去される場合には、足首刺激部材20、踵刺激部材30および電気刺激部材40に加えられる圧力がないので、何の刺激も行われなくなる。したがって、歩行中に踵に瞬間的に加えられる力によって足首刺激部(a)および踵刺激部(b)に物理的刺激と電気刺激が循環的且つ反復的に行われることにより、自然な刺激伝達が反復できる。
以上では、足首密着部材10がエアバックの場合を示しているが、上述したように弾性材質からなる場合には別途のエアバック注入過程なしでも履物着用と同時に弾性材質が踵の形状に応じて密着する。また、足首刺激部材20もエアバック形態の場合には、圧力による空気移動によって足首刺激部材20が作動することは当たり前である。
次に、本発明の別の実施例を簡略に説明する。本実施例では、前記足首密着部材として締付帯を用いた場合を示し、電源発生装置としてバッテリーを用いた場合を示す。
締付帯によって履物の上端縁部が足首の周りを完全に覆い被せる形態をなす。この場合、大抵は足首刺激部(a)が履物甲皮の内面にある程度密着する。ところが、足首の後部が弱いヒトなどの使用者は、足首刺激部(a)が甲皮の内面に完全に密着しないこともある。
この場合にも足裏によって圧力が加えられると、前記足首刺激部材の収縮によって刺激片または指圧刺激材の水平移動は十分0.5mm以上行われるので、前記足首刺激部(a)に十分な刺激が伝達できる。前記踵刺激部材に加えられる圧力に応じて接点スイッチがターンオンされることにより、微細電流が足首刺激部(a)と踵刺激部(b)に伝達できる。圧力が解除される場合にはスイッチがさらにターンオフされることにおり、電源供給は中断され、物理的刺激も行われなくなる。
別の実施例としては、足首刺激部材20が単純に足首密着部材10の端部に結合した刺激片24の場合には、足に加えられる垂直荷重よりは歩行パターンによる物理的な力によって足首刺激部(a)が刺激を受ける。すなわち、図9に示した足首刺激部材20は、垂直荷重による力が足首刺激部の両側面に伝達されて足首刺激部(a)を刺激する形で出来ているが、足首密着部材10の端部に結合した刺激片24を用いる場合には、垂直荷重によって側面に伝達できる力がない代わりに、歩行による足首の曲げによって足首刺激部を刺激することができる。
これをさらに詳しく説明すると、足首密着部材10の弾性によって刺激片24が足首刺激部(a)に接面した状態を成す。この際には、単純に足首密着部材10の弾性および材質に応じて刺激片24が足首刺激部(a)を刺激する度合いが決定され、一定の力で足首刺激部(a)を刺激している状態である。この状態で歩行を行う場合、足を踏み出す形態は足の踵から足裏の前部に踏み出す形態を成す。この際、足裏の前部に踏み出す瞬間には正姿勢で立っているときより、足首は前方への曲げが発生し、前記曲げによって、足密着部材10の端部に結合した刺激片24は足首刺激部(a)にさらに密着することにより、足首刺激部(a)をさらに刺激することができる。この場合、踵刺激部材だけでなく、電気刺激部材によって刺激片24を介して電気刺激が行われるのは勿論である。
以上説明したように、本発明では、歩行中に加えられる力によって足首刺激部と踵刺激部に物理的刺激と電気的刺激を同時に行うので、実施例で具体的に全ての場合を示さなくても、本発明で要求する様々な形態が可能なのは自明であろう。
【符号の説明】
【0057】
10:足首密着部材
10a:エアバック
10b:高分子材料(ゴム材料)
10c:締付帯
10c’:締結片
10a’:エア注入口
20:足首刺激部材
22:弾性本体
22’:本体エアバック
24:刺激片
24a、24a’:刺激点
24’:指圧刺激材
30:踵刺激部材
40:電気刺激部材
42:電源発生装置
44:電源発生点
46:電気導線
100:履物
120:甲皮
130:ヒールカウンタ
130a:縁部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アウトソールの内部から履物甲皮のヒールカウンタにわたって設置され、足首の踝後部の凹み部分である足首刺激部に、歩行中に足によって加えられる力を用いて物理的刺激を伝達する足首刺激部材と;
足裏の後部の中央部に相当するアウトソールの内部に設置され、足裏の後部の中央に該当する踵刺激部に、アウトソールより相対的な高硬度をもって、加えられる力による荷重刺激が伝達されるようにする踵刺激部材と;
アウトソールの内部に設置されて電源を発生させる電源発生装置と、前記足首刺激部および/または前記踵刺激部に設けられる電源発生点とからなる電気刺激部材と;を含んでなり、
前記足首刺激部および/または前記踵刺激部に、歩行中に加えられる荷重による物理的刺激と電気的刺激が与えられることを特徴とする、身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項2】
前記足首刺激部材は、
アウトソールの内部に設置されるドーナツ形状のエアバックと、
前記エアバックの両側に連通し、端部が足首の踝後部に位置する足首刺激部に備えられた指圧刺激材とを含んでなり、
加えられる力によって、エアバックの収縮による気体移動を用いて指圧刺激材の端部が足首刺激部を刺激することを特徴とする、請求項1に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項3】
前記踵刺激部材は、前記エアバックの中央の空いた空間に設置され、アウトソールの硬度より高硬度を有することを特徴とする、請求項2に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項4】
前記踵刺激部材は、前記エアバックの収縮前の高さより多少低く設置されることを特徴とする、請求項3に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項5】
前記足首刺激部材は、
弾性を有する高分子材料からなり、中央部分に空いている空間部を有し、中央上側から両側に行くほど下方にラウンドされており、荷重によって収縮する弾性本体と、
前記本体の両端から上方にラウンドされており、端部が水平内側に傾いて足首刺激部に接する刺激片とを含んでなり、
荷重による前記本体の収縮によって前記刺激片が水平方向に移動して前記足首刺激部を刺激することを特徴とする、請求項1に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項6】
前記踵刺激部材は、前記本体の中央の空間部に設置され、履物アウトソールの硬度より高硬度を有することを特徴とする、請求項5に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項7】
前記踵刺激部材は、前記エアバックの収縮前の高さより多少低く設置されることを特徴とする、請求項6に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項8】
前記足首刺激部材は、
弾性を有する高分子材料からなり、前記足首刺激部が位置する部位の履物甲皮上に設置される足首密着部材と、
前記足首密着部材の端部に設置され、前記足首密着部材より高強度を有する合成樹脂材からなる刺激片とを含んでなり、
歩行による足首の曲げによって前記刺激片が前記足首刺激部を刺激することを特徴とする、請求項1に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項9】
前記踵刺激部材は、踵が接するアウトソールの後方に設置され、前記アウトソールの硬度より高硬度を有することを特徴とする、請求項8に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項10】
前記踵刺激部材は、
前記踵刺激部材の高さより高く形成され、前記踵刺激部材の周りに沿って設置されて垂直荷重によって収縮するエアバックをさらに含むことを特徴とする、請求項8に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項11】
前記電源発生装置は、前記踵刺激部材の内部に設置される低周波発生源であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項12】
前記低周波発生源は、前記踵刺激部材に加えられる圧力によってスイッチがターンオンまたはオフされることを特徴とする、請求項11に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項13】
前記低周波発生源は、オン/オフ調節のためのスイッチ部が甲皮の外面上に備えられることにより、調節が行われることを特徴とする、請求項12に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項14】
前記電源発生装置は、
前記踵刺激部材の内部に設置され、電源を供給するためのバッテリーと、
前記バッテリーから供給される電気を数〜数百マイクロアンペアの微細電流に変換させる微細電流発生源とを含んでなり、微細電流による刺激が行われることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項15】
前記電源発生装置は、前記足首刺激部材により加えられる圧力によって作動するスイッチ部を備え、
前記微細電流発生源は、コンデンサ、抵抗、トランジスタおよび可変抵抗からなり、あるいは足首刺激部および/または足首刺激部の端部に設けられた電源発生点自体の内部抵抗によって微細電流が通電することを特徴とする、請求項14に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項16】
前記電源発生装置は、
前記踵刺激部材の内部に設置され、加えられる圧力に応じて電圧と微細電流が発生する圧電素子からなることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項17】
足の踵から足首に至る足の後部を支持する履物のヒールカウンタに設置され、足首の後部の凹みに対応する形状をして足首刺激部が密着するようにする足首密着部材と、
アウトソールの内部から前記足首密着部材にわたって設置され、足首の踝後部の凹み部分である足首刺激部に、歩行中に足によって加えられる力を用いて物理的刺激を伝達する足首刺激部材と、
足裏の後部の中央部に相当するアウトソールの内部に設置され、足裏の後部の中央に該当する踵刺激部に、アウトソールより相対的な高硬度をもって、加えられる力による荷重刺激が伝達されるようにする踵刺激部材とを含んでなり、
加えられる荷重によって足裏の後部の踵刺激部および足首の後部の足首刺激部に物理的刺激が与えられることを特徴とする、身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項18】
前記足首密着部材は、空気注入によるエアバックからなることを特徴とする、請求項17に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項19】
前記足首密着部材は、空気注入口が履物の甲皮外部に設けられ、使用者による空気注入に応じて足首との密着調節が行われることを特徴とする、請求項18に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項20】
前記足首密着部材は、弾性を有する高分子材料、ゴム材料および合成繊維のいずれか一つからなり、足首の後部の凹みに対応する形状をして足首の後部が密着するようにすることを特徴とする、請求項17に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項21】
前記足首密着部材は、
足首を覆う履物甲皮の上端縁部に沿って設置され、足首との密着のために伸縮性材質で出来ている締付帯からなることを特徴とする、請求項17に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項22】
前記締付帯は、履物の上端縁部の両端部に締結片が備えられることにより密着の度合いが調節されることを特徴とする、請求項21に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項23】
前記足首密着部材は、
足首を覆う履物甲皮の上端縁部に沿って設置され、伸縮性材質で出来ている締付帯と、
履物のヒールカウンタに設置され、足首の後部の凹みに対応する形状をして足首の後部が密着するようにする足首密着部材とを含んでなることを特徴とする、請求項17に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項24】
前記足首刺激部材は、
弾性を有する高分子材料からなり、足首刺激部が位置する部位の履物甲皮上に設置される足首密着部材と、
前記足首密着部材の端部に設置され、前記足首密着部材より高い強度を有する合成樹脂材からなる刺激片とを含んでなり、
歩行による足首の曲げによって前記刺激片が前記足首刺激部を刺激することを特徴とする、請求項17〜23のいずれか1項に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項25】
前記踵刺激部材は、踵が接するアウトソールの後方に設置され、アウトソールの硬度より高い硬度を有することを特徴とする、請求項24に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項26】
前記踵刺激部材は、
前記踵刺激部材の高さより高く形成され、前記踵刺激部材の周りに沿って設置されて垂直荷重によって収縮するエアバックをさらに含むことを特徴とする、請求項25に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項27】
前記足首刺激部材は、
アウトソールの内部に設置されるドーナツ形状のエアバックと、
前記エアバックの両側に連通して足首密着部材の外側部にわたって設置され、端部が足首の踝後部の足首刺激部に備えられた指圧刺激材とを含んでなり、
加えられる力によって、エアバックの収縮による気体移動を用いて指圧刺激材の端部が足首刺激部を刺激することを特徴とする、請求項17〜23のいずれか1項に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項28】
前記踵刺激部材は、前記エアバックの中央の空間部に設置され、アウトソールの硬度より高い硬度を有することを特徴とする、請求項27に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項29】
前記踵刺激部材は、前記エアバックの収縮前の高さより多少低く設置されることを特徴とする、請求項18に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項30】
前記足首刺激部材は、
弾性を有する高分子材料からなり、中央部分に空いた空間部を有し、中央上側から両側に行くほど下方にウランドされており、荷重によって収縮する弾性本体と、
前記本体の両端から上方にラウンドされており、端部が水平内側に傾いて足首刺激部に接する刺激片とを含んでなり、
荷重による前記本体の収縮によって前記刺激片が水平方向に移動して前記足首刺激部を刺激することを特徴とする、請求項17〜23のいずれか1項に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項31】
前記踵刺激部材は、前記弾性本体の中央の空間部に設置され、アウトソールの硬度より高硬度を有することを特徴とする、請求項30に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項32】
前記踵刺激部材は、前記弾性本体の収縮前の高さより多少低く設置されることを特徴とする、請求項31に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項33】
前記アウトソールの内部に設置され、電源を発生させる電源発生装置と、
前記足首刺激部および/または前記踵刺激部に設けられる電源発生点とからなる電気刺激部材をさらに含み、
前記足首刺激部および/または前記踵刺激部に電気刺激が与えられることを特徴とする、請求項25、26、28、29、31および32のいずれか1項に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項34】
前記電源発生装置は、前記踵刺激部材の内部に設置される低周波発生源であることを特徴とする、請求項33に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項35】
前記低周波発生源は、前記踵刺激部材に加えられる圧力によってスイッチがターンオン/オフされることを特徴とする、請求項34に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項36】
前記低周波発生源は、
オン/オフ調節のためのスイッチ部が甲皮の外面上に備えられることにより調節が行われることを特徴とする、請求項35に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項37】
前記電源発生装置は、
前記踵刺激部材の内部に設置され、電源を供給するためのバッテリーと、
前記バッテリーから供給される電気を数〜数百マイクロアンペアの微細電流に変換させる微細電流発生源とを含んでなり、
微細電流による刺激が行われることを特徴とする、請求項33に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項38】
前記電源発生装置は、前記足首刺激部材により加えられる圧力によって作動するスイッチ部を備え、
前記微細電流発生源は、コンデンサ、抵抗、トランジスタおよび可変抵抗からなり、あるいは前記足首刺激部および/または前記踵刺激部の端部に設けられた電源発生点自体の内部抵抗によって微細電流が通電することを特徴とする、請求項37に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項39】
前記微細電流発生源は、
数〜数十Vの電圧と数〜数百マイクロアンペアの電流を発生させることを特徴とする、請求項36に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項40】
前記電源発生装置は、
前記踵刺激部材の内部に設置され、加えられる圧力に応じて電圧と微細電流が発生する圧電素子からなることを特徴とする、請求項33に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項41】
前記圧電素子は、足により加えられる垂直荷重に応じて数〜数十Vの電圧と数〜数百マイクロアンペアの電流を発生させることを特徴とする、請求項40に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項42】
足の踵から足首に至る足の後部を支持する履物のヒールカウンタに設置され、足首の後部の凹みに対応する形状をして足首後部が密着するようにする足首密着部材と;
アウトソールの内部から前記足首密着部材にわたって設置され、足首の踝後部の凹み部分である足首刺激部に、歩行中に足によって加えられる力を用いて物理的刺激を伝達する足首刺激部材と;
足裏の後部の中央部に相当するアウトソールの内部に設置され、アウトソールの後部の中央に該当する踵刺激部に、アウトソールより相対的な高い硬度をもって、加えられる力による荷重刺激が伝達されるようにする踵刺激部材と;
前記踵刺激部の内部に設置されて電源を発生させる電源発生装置と、前記足首刺激部および/または前記踵刺激部に設けられる電源発生点からなる電気刺激部材と;を含んでなり、
前記足首刺激部および/または前記踵刺激部に荷重による物理的刺激と電気刺激が同時に加えられることを特徴とする、身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項1】
アウトソールの内部から履物甲皮のヒールカウンタにわたって設置され、足首の踝後部の凹み部分である足首刺激部に、歩行中に足によって加えられる力を用いて物理的刺激を伝達する足首刺激部材と;
足裏の後部の中央部に相当するアウトソールの内部に設置され、足裏の後部の中央に該当する踵刺激部に、アウトソールより相対的な高硬度をもって、加えられる力による荷重刺激が伝達されるようにする踵刺激部材と;
アウトソールの内部に設置されて電源を発生させる電源発生装置と、前記足首刺激部および/または前記踵刺激部に設けられる電源発生点とからなる電気刺激部材と;を含んでなり、
前記足首刺激部および/または前記踵刺激部に、歩行中に加えられる荷重による物理的刺激と電気的刺激が与えられることを特徴とする、身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項2】
前記足首刺激部材は、
アウトソールの内部に設置されるドーナツ形状のエアバックと、
前記エアバックの両側に連通し、端部が足首の踝後部に位置する足首刺激部に備えられた指圧刺激材とを含んでなり、
加えられる力によって、エアバックの収縮による気体移動を用いて指圧刺激材の端部が足首刺激部を刺激することを特徴とする、請求項1に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項3】
前記踵刺激部材は、前記エアバックの中央の空いた空間に設置され、アウトソールの硬度より高硬度を有することを特徴とする、請求項2に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項4】
前記踵刺激部材は、前記エアバックの収縮前の高さより多少低く設置されることを特徴とする、請求項3に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項5】
前記足首刺激部材は、
弾性を有する高分子材料からなり、中央部分に空いている空間部を有し、中央上側から両側に行くほど下方にラウンドされており、荷重によって収縮する弾性本体と、
前記本体の両端から上方にラウンドされており、端部が水平内側に傾いて足首刺激部に接する刺激片とを含んでなり、
荷重による前記本体の収縮によって前記刺激片が水平方向に移動して前記足首刺激部を刺激することを特徴とする、請求項1に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項6】
前記踵刺激部材は、前記本体の中央の空間部に設置され、履物アウトソールの硬度より高硬度を有することを特徴とする、請求項5に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項7】
前記踵刺激部材は、前記エアバックの収縮前の高さより多少低く設置されることを特徴とする、請求項6に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項8】
前記足首刺激部材は、
弾性を有する高分子材料からなり、前記足首刺激部が位置する部位の履物甲皮上に設置される足首密着部材と、
前記足首密着部材の端部に設置され、前記足首密着部材より高強度を有する合成樹脂材からなる刺激片とを含んでなり、
歩行による足首の曲げによって前記刺激片が前記足首刺激部を刺激することを特徴とする、請求項1に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項9】
前記踵刺激部材は、踵が接するアウトソールの後方に設置され、前記アウトソールの硬度より高硬度を有することを特徴とする、請求項8に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項10】
前記踵刺激部材は、
前記踵刺激部材の高さより高く形成され、前記踵刺激部材の周りに沿って設置されて垂直荷重によって収縮するエアバックをさらに含むことを特徴とする、請求項8に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項11】
前記電源発生装置は、前記踵刺激部材の内部に設置される低周波発生源であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項12】
前記低周波発生源は、前記踵刺激部材に加えられる圧力によってスイッチがターンオンまたはオフされることを特徴とする、請求項11に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項13】
前記低周波発生源は、オン/オフ調節のためのスイッチ部が甲皮の外面上に備えられることにより、調節が行われることを特徴とする、請求項12に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項14】
前記電源発生装置は、
前記踵刺激部材の内部に設置され、電源を供給するためのバッテリーと、
前記バッテリーから供給される電気を数〜数百マイクロアンペアの微細電流に変換させる微細電流発生源とを含んでなり、微細電流による刺激が行われることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項15】
前記電源発生装置は、前記足首刺激部材により加えられる圧力によって作動するスイッチ部を備え、
前記微細電流発生源は、コンデンサ、抵抗、トランジスタおよび可変抵抗からなり、あるいは足首刺激部および/または足首刺激部の端部に設けられた電源発生点自体の内部抵抗によって微細電流が通電することを特徴とする、請求項14に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項16】
前記電源発生装置は、
前記踵刺激部材の内部に設置され、加えられる圧力に応じて電圧と微細電流が発生する圧電素子からなることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項17】
足の踵から足首に至る足の後部を支持する履物のヒールカウンタに設置され、足首の後部の凹みに対応する形状をして足首刺激部が密着するようにする足首密着部材と、
アウトソールの内部から前記足首密着部材にわたって設置され、足首の踝後部の凹み部分である足首刺激部に、歩行中に足によって加えられる力を用いて物理的刺激を伝達する足首刺激部材と、
足裏の後部の中央部に相当するアウトソールの内部に設置され、足裏の後部の中央に該当する踵刺激部に、アウトソールより相対的な高硬度をもって、加えられる力による荷重刺激が伝達されるようにする踵刺激部材とを含んでなり、
加えられる荷重によって足裏の後部の踵刺激部および足首の後部の足首刺激部に物理的刺激が与えられることを特徴とする、身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項18】
前記足首密着部材は、空気注入によるエアバックからなることを特徴とする、請求項17に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項19】
前記足首密着部材は、空気注入口が履物の甲皮外部に設けられ、使用者による空気注入に応じて足首との密着調節が行われることを特徴とする、請求項18に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項20】
前記足首密着部材は、弾性を有する高分子材料、ゴム材料および合成繊維のいずれか一つからなり、足首の後部の凹みに対応する形状をして足首の後部が密着するようにすることを特徴とする、請求項17に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項21】
前記足首密着部材は、
足首を覆う履物甲皮の上端縁部に沿って設置され、足首との密着のために伸縮性材質で出来ている締付帯からなることを特徴とする、請求項17に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項22】
前記締付帯は、履物の上端縁部の両端部に締結片が備えられることにより密着の度合いが調節されることを特徴とする、請求項21に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項23】
前記足首密着部材は、
足首を覆う履物甲皮の上端縁部に沿って設置され、伸縮性材質で出来ている締付帯と、
履物のヒールカウンタに設置され、足首の後部の凹みに対応する形状をして足首の後部が密着するようにする足首密着部材とを含んでなることを特徴とする、請求項17に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項24】
前記足首刺激部材は、
弾性を有する高分子材料からなり、足首刺激部が位置する部位の履物甲皮上に設置される足首密着部材と、
前記足首密着部材の端部に設置され、前記足首密着部材より高い強度を有する合成樹脂材からなる刺激片とを含んでなり、
歩行による足首の曲げによって前記刺激片が前記足首刺激部を刺激することを特徴とする、請求項17〜23のいずれか1項に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項25】
前記踵刺激部材は、踵が接するアウトソールの後方に設置され、アウトソールの硬度より高い硬度を有することを特徴とする、請求項24に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項26】
前記踵刺激部材は、
前記踵刺激部材の高さより高く形成され、前記踵刺激部材の周りに沿って設置されて垂直荷重によって収縮するエアバックをさらに含むことを特徴とする、請求項25に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項27】
前記足首刺激部材は、
アウトソールの内部に設置されるドーナツ形状のエアバックと、
前記エアバックの両側に連通して足首密着部材の外側部にわたって設置され、端部が足首の踝後部の足首刺激部に備えられた指圧刺激材とを含んでなり、
加えられる力によって、エアバックの収縮による気体移動を用いて指圧刺激材の端部が足首刺激部を刺激することを特徴とする、請求項17〜23のいずれか1項に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項28】
前記踵刺激部材は、前記エアバックの中央の空間部に設置され、アウトソールの硬度より高い硬度を有することを特徴とする、請求項27に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項29】
前記踵刺激部材は、前記エアバックの収縮前の高さより多少低く設置されることを特徴とする、請求項18に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項30】
前記足首刺激部材は、
弾性を有する高分子材料からなり、中央部分に空いた空間部を有し、中央上側から両側に行くほど下方にウランドされており、荷重によって収縮する弾性本体と、
前記本体の両端から上方にラウンドされており、端部が水平内側に傾いて足首刺激部に接する刺激片とを含んでなり、
荷重による前記本体の収縮によって前記刺激片が水平方向に移動して前記足首刺激部を刺激することを特徴とする、請求項17〜23のいずれか1項に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項31】
前記踵刺激部材は、前記弾性本体の中央の空間部に設置され、アウトソールの硬度より高硬度を有することを特徴とする、請求項30に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項32】
前記踵刺激部材は、前記弾性本体の収縮前の高さより多少低く設置されることを特徴とする、請求項31に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項33】
前記アウトソールの内部に設置され、電源を発生させる電源発生装置と、
前記足首刺激部および/または前記踵刺激部に設けられる電源発生点とからなる電気刺激部材をさらに含み、
前記足首刺激部および/または前記踵刺激部に電気刺激が与えられることを特徴とする、請求項25、26、28、29、31および32のいずれか1項に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項34】
前記電源発生装置は、前記踵刺激部材の内部に設置される低周波発生源であることを特徴とする、請求項33に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項35】
前記低周波発生源は、前記踵刺激部材に加えられる圧力によってスイッチがターンオン/オフされることを特徴とする、請求項34に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項36】
前記低周波発生源は、
オン/オフ調節のためのスイッチ部が甲皮の外面上に備えられることにより調節が行われることを特徴とする、請求項35に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項37】
前記電源発生装置は、
前記踵刺激部材の内部に設置され、電源を供給するためのバッテリーと、
前記バッテリーから供給される電気を数〜数百マイクロアンペアの微細電流に変換させる微細電流発生源とを含んでなり、
微細電流による刺激が行われることを特徴とする、請求項33に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項38】
前記電源発生装置は、前記足首刺激部材により加えられる圧力によって作動するスイッチ部を備え、
前記微細電流発生源は、コンデンサ、抵抗、トランジスタおよび可変抵抗からなり、あるいは前記足首刺激部および/または前記踵刺激部の端部に設けられた電源発生点自体の内部抵抗によって微細電流が通電することを特徴とする、請求項37に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項39】
前記微細電流発生源は、
数〜数十Vの電圧と数〜数百マイクロアンペアの電流を発生させることを特徴とする、請求項36に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項40】
前記電源発生装置は、
前記踵刺激部材の内部に設置され、加えられる圧力に応じて電圧と微細電流が発生する圧電素子からなることを特徴とする、請求項33に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項41】
前記圧電素子は、足により加えられる垂直荷重に応じて数〜数十Vの電圧と数〜数百マイクロアンペアの電流を発生させることを特徴とする、請求項40に記載の身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【請求項42】
足の踵から足首に至る足の後部を支持する履物のヒールカウンタに設置され、足首の後部の凹みに対応する形状をして足首後部が密着するようにする足首密着部材と;
アウトソールの内部から前記足首密着部材にわたって設置され、足首の踝後部の凹み部分である足首刺激部に、歩行中に足によって加えられる力を用いて物理的刺激を伝達する足首刺激部材と;
足裏の後部の中央部に相当するアウトソールの内部に設置され、アウトソールの後部の中央に該当する踵刺激部に、アウトソールより相対的な高い硬度をもって、加えられる力による荷重刺激が伝達されるようにする踵刺激部材と;
前記踵刺激部の内部に設置されて電源を発生させる電源発生装置と、前記足首刺激部および/または前記踵刺激部に設けられる電源発生点からなる電気刺激部材と;を含んでなり、
前記足首刺激部および/または前記踵刺激部に荷重による物理的刺激と電気刺激が同時に加えられることを特徴とする、身長成長促進のための刺激部材を備えた機能性履物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4(a)】
【図4(b)】
【図4(c)】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9(a)】
【図9(b)】
【図2】
【図3】
【図4(a)】
【図4(b)】
【図4(c)】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9(a)】
【図9(b)】
【公表番号】特表2010−500099(P2010−500099A)
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−523720(P2009−523720)
【出願日】平成19年8月8日(2007.8.8)
【国際出願番号】PCT/KR2007/003813
【国際公開番号】WO2008/018751
【国際公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(509034177)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月8日(2007.8.8)
【国際出願番号】PCT/KR2007/003813
【国際公開番号】WO2008/018751
【国際公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(509034177)
【Fターム(参考)】
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