説明

車上テント装置兼用ルーフボックス

【課題】従来の車上テント装置を設置した車においては、キャンプなどで実際に使用する際にシラフやマットや椅子などの嵩張る荷物を雨を避けて搬送する必要があり、また実際の普段の生活においても買い物時などにおいて時々あるが、車に積めなかったり車内が邪魔になる問題を解決することを課題としている。
【解決手段】車のルーフ上にテント装置を設置可能にすると同時に、当該テント装置の内側にテントの防水シートの端部を固定した中平板を設け当該中平板を上げるか或いは下げる方法でテント装置を敷設する構造にすることによって、通常のテントとして使用しない時にはルーフボックスとして車上テント装置の中に荷物を容易に出し入れ可能にする手段を採用した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車などの車上テント装置兼用ルーフボックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車のルーフ上に取り付けたテント装置は、公知の技術であり、例えば特許文献1には、図1に示すテント装置が提案されており、図1において、下部がフラットで箱状の本体1と、この本体1を覆うカバー2とが、片側の端部で蝶番3によって回動可能に結合され、開口部を防水シート5で覆い、取付金具4などによって自動車のルーフに後付タイプで結合して設置する構成となっており、また特許文献2には、同様で先付タイプの自動車上のテント装置が提案されている。
【0003】
当該特許文献1、2のテント装置においては、優れた利便性を有する反面、滅多にしか行くことのないキャンプなど単一の目的だけしか使用しないにもかかわらず常時自動車に取り付けたままにしておくと燃費が悪くなることなどの大きなムダがあり、普段は取り外しておいて使用する直前に取り付けるという方法を採用したいが、当該テント装置が嵩張って重く、取り付けが著しく面倒なことや、都市部などの通常の使用者の場合、車の保管場所などに狭い空間しか確保できないために取り外したテント装置の保管場所がないことや保管中に傷を付けてしまうなどの問題があった。
【0004】
また、本発明者が出願している特許文献3で図2に示すような車上テント装置の上をキャリア装置にして、荷物の運送や展望台などとして多目的に利用可能にすることによって車に常時取り付けやすい構成が提案されているが、当該テント装置の場合、キャリア装置で荷物を運搬する際には風雨に晒されるために使用が限定される問題があった。
【0005】
従来の車上のテント装置を設置した車においては、特にキャンプなどで利用する際に布団やマットなどの濡れては困る多くの荷物を風雨を避けて運搬しなければならないが保管場所がなかったり車内で邪魔になるなどの問題があった。なお前記特許文献1、2、3の構成のテント装置において,当該テント装置の内側に荷物を収納して運搬することは可能であり、一部利用されていたのではあるが、当該特許の構成は、このような目的が考慮されていないために、シートの内側に収納しなければならないことから収納する際にテントのシートが邪魔になって荷物の出し入れが著しく手間取るという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許公開2000−27493号公報
【特許文献2】特許公開2003−341366号公報
【特許文献3】特許公開2008−94287号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の車上テント装置を設置した車においては、キャンプなどで実際に使用する際にシラフやマットや椅子などの嵩張る荷物を雨を避けて搬送する必要があり、また実際の普段の生活においても時々あるが、車に積めなかったり車内で邪魔になる問題を解決することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、車のルーフ上にテント装置を設置可能にすると同時に、当該テント装置の内側にテントの端部を固定した中平板を設け当該中平板をテント装置本体のフック部に架けるなどで敷設する構造にすることによって、テントとして使用しない時には、通常のルーフボックスと全く同じに荷物を出し入れ可能にする手段を採用した。
【発明の効果】
【0009】
前記手段の採用によってキャンプなどで、テント装置として就寝などに使用できると同時にルーフボックスとして風雨を避けて多くの荷物の搬送が容易にできることや普段の買い物などの生活においても利用しやすいことから使用頻度が著しく高まり、従来のテント装置を常時取り付けておくムダなどの問題も解決できると同時に、利便性と使い勝手の著しい向上を図れるなどの優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】従来法に係る車用テント装置の側面図である。
【図2】従来法に係るルーフキャリア兼用テント装置の側面図である。
【図3】本発明に係る装置のテント使用時の概略の構成を示す側面図である。
【図4】本発明に係る一実施態様の製造段階におけるテントユニットの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図3は、本発明における後付タイプの車用テント装置の一実施例の使用状態の概略の構成を示す側面図であるが、図3において底部がフラットで箱状の本体1と、この本体1を覆うカバー2とが、片側の端部で蝶番3によって回動可能に結合され、開口部をテント用の防水シート5で覆う構成の自動車のテント兼用ルーフボックスにおいて中平板6の外周部と本体1の内周部にテントとして所定寸法に加工された防水シート5が蚊などの小さな虫などが入らないように密着的に固定されており、通常のルーフボックスとしての使用時には、本体1の底部と中平板6の間に防水シート5が薄く折りたたんで封入され、中平板6の上に荷物を収納する形態となっており、テントとして使用する場合には、中平板6を図3の矢印の方向に上げて当該中平板6の端部をバネで付勢されているフック部7などにワンタッチで引っ掛けて吊るすことによってテントを敷設する構成となっている。
【0012】
図3の実施例においては、テントとして使用する場合に中平板6を上げてカバー2に固定して使用する構成となっているが、本発明においては、この構成に限定されるものではなく、普段のルーフボックスとして使用する場合においては、カバー2と中平板6の間に防水シート5が折り畳んで封入して使用し、テントとして試用する場合には、中平板6を下げてテントを敷設する構成であっても差し支えなく、この構成の採用によって、ルーフボックスに積載する荷物から落下するゴミやほこりなどの影響を少なくできるなどの効果を奏する。
【0013】
図4は本発明の車用ルーフボックスにおける製造方法の一実施例を示す概略の側面図であるが、上平板8と下平板9とを蝶番3で固定し、当該上平板8と下平板9が蝶番を介して開く際の開口部をテント用の防水シート5で密着的に覆う構成のテントユニットを製造し、このテントユニットをルーフボックスに収納して、普段はルーフボックスの下部又は上部に収納しておいてキャンプなどで必要な時にテントとして使用可能にする構成を採用してもよく、この方法の採用によって重い本体やカバーに直接テント用の防水シートを取り付ける際の製造が面倒な問題を解決でき、またテント装置が破損した場合にテントユニットだけを取り出して修理が容易にできることやテントユニットを別に購入して簡単に入れ替えできることや通常のルーフボックスの改造が容易にできるなどの効果を奏する。
【0014】
本発明において、本体1、カバー2、中平板などには、木材、樹脂、金属、或いはそれらの複合材料などが使用可能であるが、強度や耐久性や軽量化や見栄えなどの面から繊維強化ポリエステル樹脂製などのFRP製が適性があり、また本体1とカバー2とが、蝶番3を介してカバーが上下動する構成を示したが、これに限定されるものではなく、例えばカバーが地面と平行に上がる形式であっても差支えなく、この方法は製造において面倒な面があるが、テントとして使用する場合にテント内が広くて使い勝手が極めて良好な効果があり、また前記の実施例においては、後付タイプのテント装置を主に記載したが、先付タイプの車一体型のテント装置も本発明の範囲内にある。
【符号の説明】
【0015】
1 本体 2 カバー
3 蝶番 4 取付金具
5 防水シート 6 中平板
7 フック部 8 上平板
9 下平板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車のルーフ上に本体1と当該本体1より僅かに大きく相応して被さるカバー2を設置し、カバー2が上下方向に開閉し、開口部を防水シート5で覆う構成の車上テント装置において、当該テント装置の内側に中平板6が設けられ、当該中平板6の外周部と本体1の上側周部にテントとして所定寸法に加工された防水シート5の端部が固定され、ルーフボックスとしての使用時には、本体1と中平板6の間に防水シート5が折り畳まれて封入固定され、中平板6の上部に荷物を収納する態様となっており、テントとして使用する場合には、中平板6を上げて当該中平板6をカバーに吊るして、本体1の上に使用者が乗って使用する形式のテントを敷設する態様となっていることを特徴とする車上テント装置兼用ルーフボックス。
【請求項2】
車のルーフ上に本体1と当該本体1より僅かに大きく相応して被さるカバー2を設置し、カバー2が上下方向に開閉し、開口部を防水シート5で覆う構成の車上テント装置において、当該テント装置の内側に中平板6が設けられ、当該中平板6の外周部とカバー2の下側周部にテントとして所定寸法に加工された防水シート5の端部が固定され、ルーフボックスとしての使用時には、カバー2と中平板6の間に防水シート5が折り畳んで封入固定され、中平板6の下に荷物を収納する態様となっており、テントとして使用する場合には、中平板6を下げて当該中平板6を本体2の床に接して、当該中平板6の上に使用者が乗って使用する形式のテントを敷設する態様となっていることを特徴とする車上テント装置兼用ルーフボックス。
【請求項3】
上平板8と下平板9とを上下に開閉可能に固定し、当該上平板8と下平板9が開く際の開口部を防水シート5で覆う構成のテントユニットを製造し、当該テントユニットをルーフボックス内に収納して、テントとして使用可能にすることを特徴とする請求項1,2記載の実施態様の車上テント装置兼用ルーフボックス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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