説明

車両のシートベルト装置

【課題】車体のルーフ部の後端部の下方に後席シートのシートバックが配置された車両において、後席シート乗員をシートベルトで良好に拘束可能なシートベルト装置を提供する。
【解決手段】後席シート10用のシートベルト21を巻き取るリトラクタ22をルーフ部3に配設すると共に、リトラクタ22から後方に引き出されたシートベルト21を前方に方向変換させるベルトアンカ23と、該ベルトアンカ23をシートベルト使用時にルーフ部3の後端部4から下方に離間した位置に配置するベルトアンカ支持手段50とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の乗員保護用のシートベルト装置の構造に関し、車両の安全技術の分野に属する。
【背景技術】
【0002】
車両には、シートに着座する乗員を保護するためのシートベルト装置が備えられる。その場合に、3人が着座可能な後席シートの中央席用のものとしては、従来2点式のものが多かったが、近年3点式のものも利用されている。その場合に、中央席の場合、シートベルトを巻き取るリトラクタを車体側部に収納するのが困難であり、そのため後席シート自体に組み込む場合もあるが、この場合、後席シートの構造変更が必要となり、またコストも高くなるという問題がある。
【0003】
この問題に対処可能なものとして、例えば、特許文献1、2には、リトラクタを後席シート上方のルーフ部に配設して、シートベルトをリトラクタから後方に引き出すと共に、後方に引き出されたシートベルトを前方に方向変換させるベルトアンカを前記ルーフ部における後席シートの後方となる位置に配設したものが開示されている。このような構造によれば、ベルトアンカで方向変換されて後席シート乗員の後方から前方に延びるシートベルトは、該乗員の肩部に当接した後、胸部及び腹部に沿って下方に延び、先端等に設けられたタングがシートクッション等に設けられたバックルに固定され、これにより、乗員が後席シートに拘束されることとなる。また、シートベルトにおけるベルトアンカと乗員の肩部当接部との間の部分の傾斜角(車体側方視で上下方向に対して為す角)を、乗員を良好に拘束可能な程度に大きな傾斜角とすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−198756号公報
【特許文献2】特開2005−41287号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えばデザイン上の理由により車室の後面部を大きく前傾させる場合があるが、この場合、ルーフ部の後端部がシートバックの直上方に位置することとなって、その結果、該後端部にベルトアンカを設けた場合でも、前記傾斜角を十分に確保できない場合がある(図7参照)。
【0006】
そこで、本発明は、ルーフ部の後端部の下方に後席シートのシートバックが配置されるような場合でも、後席シート乗員をシートベルトで良好に拘束可能なシートベルト装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明は、次のように構成したことを特徴とする。
【0008】
まず、本願の請求項1に記載の発明は、車体のルーフ部の後端部の下方に後席シートのシートバックが配設された車両のシートベルト装置であって、前記後席シート用のシートベルトを巻き取るリトラクタが前記ルーフ部に配設されていると共に、前記リトラクタから後方に引き出されたシートベルトを前方に方向変換させるベルトアンカと、該ベルトアンカをシートベルト使用時に前記ルーフ部の後端部から下方に離間した位置に配置するベルトアンカ支持手段とが設けられていることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の車両のシートベルト装置において、前記ベルトアンカ支持手段は、前記ベルトアンカを、前記ルーフ部の後端部から下方に離間し、かつ前記ルーフ部の後端部よりも後方の位置に配置することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項1または請求項2に記載の車両のシートベルト装置において、前記ベルトアンカ支持手段は、前記ベルトアンカを、使用時に、前記ルーフ部の後端部から下方に離間した下方使用位置と、不使用時に、該下方使用位置よりも上方の上方退避位置との間で移動可能に構成されていると共に、該ベルトアンカ支持手段を構成する部材は、下端位置が、ベルトアンカが上方退避位置にあるときに、下方使用位置にあるときよりも上方に移動するように構成されていることを特徴とする。
【0011】
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項3に記載の車両のシートベルト装置において、前記ベルトアンカ支持手段は、略車体上下方向に延び、下端部に前記ベルトアンカが取り付けられたスライド部材と、前記ルーフ部の後端部近傍に設けられ、該スライド部材を略上下方向にスライド可能に支持する支持部材とを有し、前記スライド部材を下方にスライドさせることにより、前記ベルトアンカが下方使用位置に配置され、前記スライド部材を上方にスライドさせることにより、上方退避位置まで上昇するように構成されていることを特徴とする。
【0012】
また、請求項5に記載の発明は、前記請求項3に記載の車両のシートベルト装置において、前記ルーフ部の後端部の前部の下面は後下りに傾斜しており、前記ベルトアンカ支持手段は、一端部が前記ルーフ部の後端部の前部の下面に沿って揺動可能に支持され、他端部に前記ベルトアンカが取り付けられたアーム部材を有し、該アーム部材を揺動させて前記他端部側が後方となるように略前後方向に指向させることにより、該アーム部材が後下りに傾斜して、前記ベルトアンカが下方使用位置に配置され、前記アーム部材を揺動させて車幅方向に指向させることにより、該アーム部材がほぼ水平となり、前記ベルトアンカが上方退避位置まで上昇するように構成されていることを特徴とする。
【0013】
また、請求項6に記載の発明は、前記請求項4または請求項5に記載の車両のシートベルト装置において、前記ベルトアンカが下方使用位置にあるときに、前記スライド部材またはアーム部材のベルトアンカ側の部位を前記ルーフ部に連結する連結手段が設けられていることを特徴とする。
【0014】
また、請求項7に記載の発明は、前記請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の車両のシートベルト装置において、前記後席シートは、車幅方向に3名以上の乗員が並んで着座可能とされており、前記シートベルトは、車幅方向両端の乗員を除く乗員用のものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
次に、本発明の効果について説明する。
【0016】
まず、請求項1に記載の発明によれば、ベルトアンカ支持手段により、ルーフ部の後端部の前方に配設されたリトラクタから後方に引き出されたシートベルトを前方に方向変換させるベルトアンカが、シートベルト使用時に前記ルーフ部の後端部から下方に離間した位置に配置されることとなる。したがって、図7(本発明の具体例の一例である)に示すように、本発明によれば、ルーフ部の後端部に直接ベルトアンカを取り付けた場合(従来)と比べ、ベルトアンカ位置が下方に移動することとなり、その結果、ルーフ部の後端部の下方に後席シートのシートバックが配置されているような場合でもシートベルトにおけるベルトアンカと後席シート乗員の肩部当接部との間の部分の傾斜角を大きくすることができる。すなわち、乗員を後席シートに良好に拘束することができる。
【0017】
また、請求項2に記載の発明によれば、前記ベルトアンカ支持手段は、前記ベルトアンカを、前記ルーフ部の後端部から下方に離間し、かつ前記ルーフ部の後端部よりも後方の位置に配置するようになっているので、前記傾斜角を一層大きくして、乗員を一層良好に拘束することができる。また、ルーフ部の後端部の下方に配設された後席シートに着座する乗員の後方にベルトアンカを配設できるため、乗員の頭上空間の妨げにならず、室内空間を有効に使用できる。
【0018】
また、請求項3に記載の発明によれば、前記ベルトアンカ支持手段は、前記ベルトアンカを、使用時に、前記ルーフ部の後端部から下方に離間した下方使用位置と、不使用時に、該下方使用位置よりも上方の上方退避位置との間で移動可能に構成されていると共に、該ベルトアンカ支持手段を構成する部材は、下端位置が、ベルトアンカが上方退避位置にあるときに、下方使用位置にあるときよりも上方に移動するように構成されているから、シートベルトの不使用時には、前記ベルトアンカ及び該支持手段を構成する部材を、上方退避位置及び上方位置に移動させることにより、これらの部材が後方視界の妨げとなるのを防止することができる。
【0019】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明を具体化したものであり、該請求項4に記載の発明によれば、略車体上下方向に延びて下端部に前記ベルトアンカが取り付けられたスライド部材を、前記ルーフ部の後端部近傍に設けられて該スライド部材を略上下方向にスライド可能に支持する支持部材に沿って下方にスライドさせることにより、前記ベルトアンカが前記ルーフ部の後端部から下方に離間した位置に配置され、前記スライド部材を上方にスライドさせることにより、前記ベルトアンカが上方退避位置まで上昇することとなる。
【0020】
すなわち、前記ベルトアンカ、及び該支持手段を構成する部材を、上方退避位置及び上方位置と、下方使用位置及び下方位置との間で移動させるための手段を、スライド構造という簡単な構造で実現することができる。
【0021】
また、請求項5に記載の発明も、請求項3に記載の発明を具体化したものであり、該請求項5に記載の発明によれば、前記ルーフ部の後端部の前部の後下りに傾斜する下面に一端部が前記ルーフ部の後端部の前部の下面に沿って揺動可能に支持され、他端部に前記ベルトアンカが取り付けられたアーム部材を、前記他端部側が後方となるように略前後方向に指向させることにより、該アーム部材が後下りに傾斜して、前記ベルトアンカが前記リアヘッダから下方に離間した位置に配置され、前記アーム部材を前記ルーフ部の後端部の前部の下面に沿って車幅方向に指向させることにより、該アーム部材がほぼ水平となって下端が上方に移動すると共に、前記ベルトアンカが上方退避位置まで上昇することとなる。
【0022】
すなわち、前記ベルトアンカ、及び該支持手段を構成する部材を、上方退避位置及び上方位置と、下方使用位置及び下方位置との間で移動させるための手段を、揺動構造という簡単な構造で実現することができる。
【0023】
また、請求項6に記載の発明によれば、前記ベルトアンカが下方使用位置にあるときに、前記スライド部材またはアーム部材のベルトアンカ側の部位を前記ルーフ部に連結する連結手段が設けられているから、前記スライド部材またはアーム部材におけるベルトアンカ側の部位にベルトアンカを介して引っ張り荷重が作用したときに、該荷重を受け止めることができる。
【0024】
また、請求項7に記載の発明によれば、前記後席シートは車幅方向に3名以上の乗員が並んで着座可能とされている場合に、車体の側部を利用してシートベルト装置を設けられない中央側の乗員(車幅方向両端の乗員を除く乗員)用のものとして好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の形態に係るシートベルト装置を有する車両の側面図である。
【図2】同車両の平面図である(ルーフトリムや車体構成部材は省略しまたは仮想線で示している)。
【図3】ベルトアンカが上方退避位置にあるときにおける図2のA−A線による断面図である。
【図4】図3のB矢視図である。
【図5】ベルトアンカが下方使用位置にあるときにおける図2のA−A線による断面図である。
【図6】図3のC−C断面図である。
【図7】本発明の効果の説明図である。
【図8】本発明の第2の実施の実施の形態に係るシートベルト装置についての図3相当の図である。
【図9】同図5相当の図である。
【図10】本発明の第3の実施の実施の形態に係るシートベルト装置についての図3相当の図である。
【図11】同図5相当の図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態に係るシートベルト装置を有する車両の側面図である。
【図13】同車両の平面図である(ルーフトリムや車体構成部材は省略し、または仮想線で示している)。
【図14】ベルトアンカが上方退避位置にあるときにおける図13のD−D線による断面図である(一部、D−D線以外の位置において破断させている)。
【図15】ベルトアンカが下方使用位置にあるときにおける図13のD−D線による断面図である(一部、D−D線以外の位置において破断させている)。
【図16】図17のF−F拡大断面図である(上方退避位置のとき)。
【図17】図15のE矢視図である。
【図18】図17のG−G拡大断面図である。
【図19】連結機構の分解斜視図である。
【図20】図17のH−H拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態に係る車両のシートベルト装置 について説明する。
【0027】
図1、図2に示すように、第1の実施の形態に係る車両1は、ハッチバックタイプの車両であり、車体の後面部には、バックドア2が設けられている。バックドア2(車体後面部)の前方には、後席シート10が配設されている。その場合に、前記バックドア2は大きく前傾しており、その結果、車体のルーフ部3の後端が相対的に前方に移動し、後席シート10のシートバック11は車体のルーフ部3の後端部を構成するリアヘッダ4の下方に位置している。
【0028】
後席シート10は車幅方向に3名の乗員が並んで着座可能な幅を有していると共に、各乗員毎にシートベルト装置が備えられている。その場合に、各シートベルト装置はいずれも3点式のものであるが、以下、車幅方向中央席10C用のシートベルト装置20について詳しく説明する。
【0029】
このシートベルト装置20は、乗員を拘束するための帯状のシートベルト21と、前記ルーフ部3のリアヘッダ4の前方に設けられ、シートベルト21の一端側を巻き取るリトラクタ22と、該リトラクタ22の後方に設けられ、該リトラクタ22から後方に引き出されたシートベルト21を前方に方向転換させるベルトアンカ23と、シートベルト21の先端部(他端部)に設けられた先端タング24と、シートベルト21における前記ベルトアンカ23と先端タング24との間に摺動可能に設けられた中間タング25と、前記後席シート10のシートクッション12の中央席10C部分の一側方に設けられ、前記先端タング24が係合される先端タング用バックル26と、前記中央席10Cのシートクッション12の中央席10C部分の他側方に設けられ、前記中間タング25が係合される中間タング用バックル27とを有している。そして、乗員が後席シート10の中央席10Cに着座した状態において、前記先端タング24と先端タンク用バックル26とを係合させ、かつ前記中間タング25と中間タング用バックル27とを係合させることにより、ベルト21における前記一端側と中間タング25との間のショルダベルト部21aが乗員の肩部から胸部に当接して乗員の上体が拘束され、前記先端タンク24と中間タング25との間のラップベルト部21bにより乗員の腰部が拘束されるようになっている。
【0030】
ここで、シートベルト装置20についてさらに詳しく説明する前に、本車両1のルーフ部3の後部の構造について説明しておくと、図3に示すように、ルーフ部3はルーフパネル31を有していると共に、該ルーフ部3の後端部を構成するリアヘッダ4は、前記ルーフパネル31、リアヘッダインナパネル32、及びリアヘッダレインフォスメント33,34等により、車体の左右のルーフサイド部間で車幅方向に延びる閉断面体として構成されている。その場合に、前記リアヘッダインナパネル32は、前部32a側が後ろ下りに傾斜する一方で、後部32b側は、ほぼ水平とされている。これは、例えば、車室後部の車室高さを確保しつつ、後方視界を確保することを目的としている。
【0031】
次に、シートベルト装置20を構成するリトラクタ22について説明すると、図3、図4に示すように、該リトラクタ22は、車体のルーフ部4と、ルーフ部4の車内側に配設されたルーフトリム41との間の空間に配置され、前記リアヘッダインナパネル32の前部に固定されている(図示していないが、例えば、ボルト・ナット等により固定される)。また、前記ルーフトリム41には、前記リトラクタ22の下方において開口41aが形成されていると共に、該開口41aには枠状のベゼル42が取り付けられ、リトラクタ22から後方に引き出されたシートベルト21は、前記ベゼル42の開口を介して車室内に導入され、前記ベルトアンカ23までさらに後方に延びている。
【0032】
ここで、本実施の形態においては、前記ベルトアンカ23が、ベルトアンカ支持機構50を介して前記ルーフ部3の後端部(リアヘッダ4)から下方に離間した位置に配置可能に構成されている。
【0033】
このベルトアンカ支持機構50は、リアヘッダ3の前部の下面の下方において、下端側が前記ルーフトリム41に形成された孔部41bを貫通して、前傾姿勢で略車体上下方向に延び、下端部に前記ベルトアンカ23がボルト・ナットにより取り付けられた四角筒状のスライド部材51と、該スライド部材51を略上下方向にスライド可能に支持する四角筒状部52a、及び該四角筒状部の両側部に沿って設けられた取付面部52bにおいて前記リアヘッダ4のインナパネル32の前部下面にボルト・ナットで固定されたスライド支持部材52とを有し、使用時に、前記スライド部材51を下方にスライドさせることにより、前記ベルトアンカ23を図5に示す下方使用位置に配置し、不使用時に、前記スライド部材51を上方にスライドさせることにより、前記ベルトアンカ23を図3に示す上方退避位置まで上昇させることが可能に構成されている。
【0034】
その場合に、前記ベルトアンカ23を前記図3、図5に示すように上方退避位置と下方使用位置とに固定する固定手段、換言すれば前記スライド部材51を上方退避位置に対応する上方位置と下方使用位置に対応する下方位置とに固定する固定手段は、図6にもあわせて示すように、スライド支持部材52の四角筒状部52aの前面部52c及び後面部52dの上下方向中間付近に対向させて形成された孔部52e,52eと、スライド部材51の前面部51a及び後面部51bの上下方向中間付近、及び上端近傍にそれぞれ対向させて形成された孔部51c,51c,51d,51dと、ルーフトリム41に、前記スライド支持部材52の孔部52e,52eに対応させて形成された孔部41c(枠状のベゼル43が取り付けられている)を介して前記各孔部に挿通された挿通ピン53と、該挿通ピン53の前端に固着された操作ボタン54と前記スライド支持部材52の四角筒状部52aの前面部52cとの間に介装されたバネ55とを有している。なお、挿通ピン53の後端部(上端部)には、図6からわかるように、折り返し係合部53aが設けられていると共に、スライド部材51及びスライド支持部材52の各後面部51b,52dには、前記孔部51c,51d,52eの近傍においてそれぞれ、前記折り返し係合部53aに係合可能な係合孔部51e,51j,52f(51jは図示されていないが、51dに対して、51cと51eとの関係と同関係となる位置に設けられている)が設けられており、前記操作ボタン54を押下していないときには、前記バネ55の付勢力により前記挿通ピン53が実線で示すように位置してその折り返し係合部53aが前記係合孔部51e,52fに係合し、これにより、スライド部材51がスライド支持部材52に対してロックされるようになっている。一方、前記バネ55の付勢力に抗して操作ボタン54を押下すると、挿通ピン53が仮想線で示すように位置して折り返し係合部53aと係合孔部51e,52fとの係合が解除され、これにより、スライド部材51をスライド支持部材52に対してスライドさせるすることが可能になっている。
【0035】
また、本実施の形態においては、前記ベルトアンカ23が下方使用位置にあるときに、前記スライド部材51のベルトアンカ23側の部位を、図5に示すように、前記ルーフ部3のリアヘッダ4(後端部)に連結する連結機構60が設けられており、以下、詳しく説明する。
【0036】
図3により説明すると、前記スライド部材51の後面部51bの下部には切り欠き51fが形成されていると共に、この切り欠き51f部分に、上端側を中心として前後に揺動可能に支持され、かつ先端部に係合部61aが形成された第1揺動部材61が設けられている。また、該第1揺動部材61の上端部とスライド部材51との間には、該第1揺動部材61を図3において反時計回り方向に付勢する(すなわち押し縮められた)バネ62が設けられている。なお、このとき、第1揺動部材61は、スライド支持部材52の後面部52dの下端部に当接しており、これにより、該第1揺動部材61の反時計回り方向の揺動が規制されている。一方、スライド部材51を下方位置にスライドさせると、第1揺動部材61とスライド支持部材52の後面部52dの下部との当接が解除され、これにより、第1揺動部材61が図5に示す位置まで反時計回り方向に揺動することとなる。他方、スライド部材51を下方位置側から上方位置に移動させると、第1揺動部材61の上部側からスライド支持部材52の後面部52dの下部に当接することにより、該第1揺動部材61が図3に示す位置まで時計回り方向に揺動し、スライド部材51内に格納されることとなる。なお、スライド部材51における後面部51bの切欠51f部分には、第1揺動部材61のそれ以上の反時計回り方向の揺動を規制するストッパ51gが設けられている。
【0037】
また、前記リアヘッダ4のリアヘッダインナパネル32の後部32bの後端部近傍には、孔部32cが設けられていると共に、第2揺動部材63と、該第2揺動部材63を支持する揺動支持部材64とが配設されている。図4にもあわせて示すように、第2揺動部材63は、揺動支持部材64の左右の側壁部64a,64a間に後端側を中心として前後に揺動可能に支持されており、先端部には係合部63aが形成されている。また、第2揺動部材63の上縁部と支持部材64の上面部64bから立ち上がる縦壁部64cとの間には、該第2揺動部材63を図3において時計回り方向に付勢するバネ65が設けられている。なお、第2揺動部材63は、先端側が揺動支持部材64の上面部64bに当接しており、これにより、該第2揺動部材63の反時計回り方向のそれ以上の揺動が規制されている。
【0038】
また、連結機構60には、この第2揺動部材63を、スライド部材51の上下スライドに連動させて揺動させる連動手段が設けられている。この連動手段は、前記揺動支持部材64の縦壁部64cとスライド支持部材52の取付面部52bの下端に突出して形成された支持壁部52hとの間に設けられたチューブ66と、該チューブ66に挿通されると共に、一端が前記スライド部材51の取付面部の下端に形成された支持部51hに固定され、他端が前記第2揺動部材63の後端部に連結されたワイヤ部材67とを有し、前記スライド部材51が上方位置にあるときには、前記ワイヤ部材67における第2揺動部材63側が揺動支持部材64の縦壁部64c側において弛み、その結果、第2揺動部材63は、バネ65の付勢力により、先端側が揺動支持部材64の上面部61bに当接してほぼ前後に指向し、ルーフトリム41面とほぼ同高さで収納されるようになっている。一方、スライド部材51が下方位置にあるときには、第2揺動部材63の後端側が、前記バネ65の付勢力に抗してワイヤ部材67により引かれ、これにより、第2揺動部材63が反時計回り方向に揺動して、図5に示すようにほぼ上下方向に指向すると共に、該第2揺動部材63の係合部63aと、スライド部材61側の先に係合位置まで立ち上がっている第1揺動部材61の係合部61aとが係合するようになっている。すなわち、前記スライド部材51のベルトアンカ23側の部位が、第1、第2揺動部材61,63及び揺動支持部材64を介してリアヘッダ4のインナパネル32に連結されることとなる。なお、揺動支持部材64には、第2揺動部材63が図5に示す位置よりも反時計回り方向に揺動するのを規制するストッパ64dが設けられている。
【0039】
次に、第1の実施の形態に係るシートベルト装置の作用、効果について説明する。
【0040】
まず、ベルトアンカ支持機構50により、ルーフ部3の後端部を構成するリアヘッダ4の前方に配設されたリトラクタ22から後方に引き出されたシートベルト21を前方に方向変換させるベルトアンカ23を、シートベルト使用時に、前記ルーフ部3の後端部から下方に離間した位置に配置することができる。したがって、図7に示すように、ルーフ部の後端部に直接ベルトアンカを取り付けた場合(従来)と比べ、ベルトアンカ位置が下方に移動し、その結果、ルーフ部の後端部の下方に後席シートのシートバックが配置されているような場合でもシートベルトにおけるベルトアンカと後席シート乗員の肩部当接部との間の部分の傾斜角が大きくなる。すなわち、乗員を後席シートに良好に拘束することができるようになる。
【0041】
また、前記ベルトアンカ支持機構50は、前記ベルトアンカ23を、使用時に、前記ルーフ部3の後端部から下方に離間した下方使用位置と、不使用時に、該下方使用位置よりも上方の上方退避位置との間で移動可能に構成されていると共に、該ベルトアンカ支持機構50を構成するスライド部材51は、ベルトアンカ23が上方退避位置にあるときに、下端位置が、前記下方使用位置に対応する下方位置よりも上方の上方位置に移動するように構成されているから、シートベルト21の不使用時には、前記ベルトアンカ23、及び該支持機構50を構成する部材を、上方退避位置及び上方位置に移動させることにより、これらの部材が後方視界の妨げとなるのを防止することができる。また、車内の美観に対する影響を少なくすることができる。
【0042】
また、前記ベルトアンカ23、及び該支持機構50を構成する部材を、上方退避位置と、下方使用位置との間で移動させるための機構を、スライド機構という簡単な構造で実現することができる。
【0043】
また、前記ベルトアンカ23が下方使用位置にあるときに、前記スライド部材51のベルトアンカ23側の部位を前記ルーフ部4のリアヘッダ4に連結する連結機構50が設けられているから、前記スライド部材51におけるベルトアンカ23側の部位にベルトアンカ23を介して引っ張り荷重が作用したときに、該荷重を受け止めることができる。
【0044】
また、前記後席シート10は車幅方向に3名以上の乗員が並んで着座可能とされているが、本シートベルト装置は、車体の側部を利用してシートベルト装置を設けられない中央席10C用のものとして好適に利用することができる。
【0045】
次に、連結機構60の構造を変更したものについて、第2、第3の実施の形態として説明する。なお、第1の実施の形態と同一または類似のものについては、第1の実施の形態と同一の符号を用いて説明する。
【0046】
第2の実施の形態に係る連結機構60′においては、図8に示すように、スライド部材51側には第1の実施の形態における第1揺動部材及びこれに付随する部材が設けられていない。一方、スライド部材51′の後面部51b′の下部側に係合孔部51m′が設けられている。また、揺動支持部材64′、第2揺動部材63′、及び連動手段の構造は、第1の実施の形態とほぼ同様の構造とされているが、第2揺動部材63′は、揺動中心から前方部分の長さが第1の実施の形態よりも長くされており、これにより、第2揺動部材63′が揺動したときに、図9に示すように第2揺動部材63′の係合部63a′が下方位置までスライドしたスライド部材51′の前記係合孔部51m′に係合するようになっている。
【0047】
第2の実施の形態に係る連結機構60によれば、スライド部材51′側の構造を簡素化しつつ、前記スライド部材51′のベルトアンカ23側の部位を前記ルーフ部3のリアヘッダ4に連結して、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0048】
次に、第3の実施の形態について説明する。この第3の実施の形態に係る連結機構60″においては、図10に示すように、リアヘッダ4側には第1の実施の形態における第2揺動部材及び揺動支持部材が設けられていないが、リアヘッダインナパネル32″の後部に係合孔部32h″が設けられている。したがって、スライド部材の上下スライドに第2揺動部材の揺動を連動させる連動手段も設けられていない。一方、スライド部材51″側の第1揺動部材61″及びこれに付随する部材は、第1の実施の形態とほぼ同様の構造とされているが、該第1揺動部材61″は、揺動中心から下方部分の長さが第1の実施の形態よりも長くされており、第1揺動部材61″が揺動したときに、図11に示すように第1揺動部材61″の係合部61a″が前記インナパネル32″の係合孔部32h″に係合するようになっている。
【0049】
第3の実施の形態によれば、リアヘッダ4側の構造を簡素化しつつ、前記スライド部材51″のベルトアンカ23側の部位を前記ルーフ部3のリアヘッダ4に連結して、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0050】
次に、第4の実施の形態について説明する。
【0051】
第4の実施の形態に係るシートベルト装置においては、ベルトアンカ支持機構が、第1〜第3の実施の形態のスライド機構とは異なる構造により構成されている。すなわち、第4の実施の形態においては、図12、図13に示すように、ベルトアンカ支持機構70は、前記ルーフ部3のリアヘッダ4に、実線で示す位置と仮想線で示す位置との間で揺動可能に支持されると共に他端部にベルトアンカ23が取り付けられたアーム部材71を有している。
【0052】
詳しく説明すると、アーム部材71は、図14に示すように、一端部が前記ルーフ部3のリアヘッダ4のリアヘッダインナパネル32の前部32aの下面に、ボルト72A(頭部がリアヘッダインナパネル32に溶着されている),ナット72Bで構成される軸72を中心として揺動可能に支持されている。ここで、リアヘッダ4のリアヘッダインナパネル32の前部32aは、後下りに傾斜しており、その結果、前記軸72も後傾している。したがって、シートベルト使用時に、アーム部材71を揺動させて図15に示すように他端部側(ベルトアンカ23が取り付けられている側)が後方となるように略前後方向に指向させると、該アーム部材71が後下りに傾斜して、前記ベルトアンカ23が後方使用位置に配置され、シートベルト不使用時に、前記アーム部材71を揺動させて車幅方向に指向させると、図16にも示すように、該アーム部材71がほぼ水平となって他端部側が上方に移動し、前記ベルトアンカ23が上方退避位置まで上昇するようになっている。
【0053】
ここで、図17に示すように、リトラクタ22と、下方使用位置のベルトアンカ23との中間付近において、ルーフトリム41には孔部41dが設けられていると共に、図18にも示すように、リアヘッダ4のインナパネル32にはベルトガイド部材73が固定されており、シートベルト21はこのベルトガイド部材73及び前記孔部41dを介して車室内に導入されるようになっている。
【0054】
次に、前記ベルトアンカ23を上方退避位置と下方使用位置とに固定する固定手段、換言すればアーム部材71を下方使用位置に対応する下方位置と上方退避位置に対応する上方位置に固定する固定手段について説明する。
【0055】
まず、前記ベルトアンカ23を上方退避位置に保持する固定手段から説明すると、図16、図17に示すように、該アーム部材71を車幅方向に指向させた状態(すなわち上方退避位置に対応する上方位置)において、アーム部材71の先端部が位置する箇所にはルーフトリム41に保持部材74がクリップ等により取り付けられていると共に、該保持部材74の後部には溝部74aが形成され、該溝部74aと前記アーム部材71の先端側とが嵌合可能に構成されている。すなわち、アーム部材71を上方位置に保持して、ベルトアンカ23を上方退避位置に位置させることが可能となっている。
【0056】
一方、前記ベルトアンカ23を下方使用位置に保持する固定手段(連結機構80、請求項6の連結手段に対応する)は、以下のように構成されている。すなわち、図15、図17、図19に示すように、前記アーム部材71の先端部には、該部材71と同方向に延び、上端部に折り曲げ係合部75aが形成されたレバー部材75が、前後方向に揺動可能に支持されている。なお、レバー部材75とアーム部材71との間に、レバー部材75をアーム部材71側に引き寄せるリターンスプリングを設けてもよい。また、該アーム部材71を前後方向に指向させた状態(すなわち下方使用位置に対応する下方位置)において、前記レバー部材75の折り曲げ係合部75aの上方となる位置には、保持部材76が設けられている。この保持部材76は、図20にも示すように、ルーフトリム41よりも下方に突出させてリアヘッダインナパネル32に固定されていると共に、前記レバー部材75の折り曲げ係合部75aに係合可能な係合溝部76aを有している。そして、前記アーム部材71を矢印Xで示すように上方位置側へ揺動させつつ、前記レバー部材75を後方(上方)に揺動させて、上方からレバー部材75の折り曲げ係合部75aを係合溝部76aに係合させることにより、レバー部材75が、すなわちアーム部材71が下方位置で保持される、すなわちベルトアンカ23が下方使用位置に配置されるようになっている。なお、図17、図19からわかるように、保持部材76を囲むように枠状のベゼル77が設けられていると共に、該ベゼル77の下端は、図15、図20からわかるように、保持部材76の下端よりも低くされており、これにより、例えば金属材で構成された保持部材76と乗員との当接を回避可能なようになっている。
【0057】
以上のように、第4の実施の形態に係るシートベルト装置によれば、前記ルーフ部4のリアヘッダ4後端部のインナパネル32の後下りに傾斜する前部下面に一端部が該下面に沿って揺動可能に支持され、他端部に前記ベルトアンカ23が取り付けられたアーム部材71を、前記他端部側が後方となるように略前後方向に指向させることにより、該アーム部材71が後下りに傾斜して、前記ベルトアンカ23が前記リアヘッダ4から下方に離間した位置に配置され、前記アーム部材71を前記ルーフ部3のリアヘッダ4の前部に沿って車幅方向に指向させることにより、該アーム部材71がほぼ水平となり、前記ベルトアンカ23が上方退避位置まで上昇することとなる。
【0058】
すなわち、簡単な構造で、シートベルト装着時には、ベルトアンカ23を下方使用位置に配置することができると共に、シートベルト非装着時には、前記ベルトアンカ23、及び該支持機構70を構成するアーム部材71等を、上方退避位置に移動させて、後方視界の妨げとなるのを防止することができる。
【0059】
なお、前記第1〜第4の実施の形態においては、ベルトアンカ支持機構は、ルーフ部の後端部(リアヘッダ)から直下方に離間した位置にベルトアンカを配置可能に構成されているが、スライド部材やアーム部材の長さを長くすることにより、前記ルーフ部の後端部から下方に離間し、かつ前記ルーフ部の後端部よりも後方の位置に配置することも可能である(請求項2に対応する)。これによれば、前記傾斜角を一層大きくして、乗員を一層良好に拘束することができる。また、ルーフ部の後端部の下方に配設された後席シートに着座する乗員の後方にベルトアンカを配設できるため、乗員の頭上空間の妨げにならず、室内空間を有効に使用できる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明によれば、車体のルーフ部の後端部の下方に後席シートのシートバックが配置されるような場合でも、後席シート乗員をシートベルトで良好に拘束可能なシートベルト装置を提供することができ、自動車産業に広く利用可能である。
【符号の説明】
【0061】
1 車両
3 ルーフ部
4 リアヘッダ(ルーフ部の後端部)
32 インナパネル
32a インナパネルの前部(リアヘッダの前部の下面)
10 後席シート
10C 中央席
11 シートバック
20 シートベルト装置
21 シートベルト
22 リトラクタ
23 ベルトアンカ
50 ベルトアンカ支持機構(ベルトアンカ支持手段)
51 スライド部材
52 スライド支持部材(支持部材)
60 連結機構(連結手段)
70 ベルトアンカ支持機構(ベルトアンカ支持手段)
71 アーム部材
80 連結機構(連結手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体のルーフ部の後端部の下方に後席シートのシートバックが配設された車両のシートベルト装置であって、
前記後席シート用のシートベルトを巻き取るリトラクタが前記ルーフ部に配設されていると共に、
前記リトラクタから後方に引き出されたシートベルトを前方に方向変換させるベルトアンカと、該ベルトアンカをシートベルト使用時に前記ルーフ部の後端部から下方に離間した位置に配置するベルトアンカ支持手段とが設けられていることを特徴とする車両のシートベルト装置。
【請求項2】
前記請求項1に記載の車両のシートベルト装置において、
前記ベルトアンカ支持手段は、前記ベルトアンカを、前記ルーフ部の後端部から下方に離間し、かつ前記ルーフ部の後端部よりも後方の位置に配置することを特徴とする車両のシートベルト装置。
【請求項3】
前記請求項1または請求項2に記載の車両のシートベルト装置において、
前記ベルトアンカ支持手段は、前記ベルトアンカを、使用時に、前記ルーフ部の後端部から下方に離間した下方使用位置と、不使用時に、該下方使用位置よりも上方の上方退避位置との間で移動可能に構成されていると共に、
該ベルトアンカ支持手段を構成する部材は、下端位置が、ベルトアンカが上方退避位置にあるときに、下方使用位置にあるときよりも上方に移動するように構成されていることを特徴とする車両のシートベルト装置。
【請求項4】
前記請求項3に記載の車両のシートベルト装置において、
前記ベルトアンカ支持手段は、略車体上下方向に延び、下端部に前記ベルトアンカが取り付けられたスライド部材と、前記ルーフ部の後端部近傍に設けられ、該スライド部材を略上下方向にスライド可能に支持する支持部材とを有し、前記スライド部材を下方にスライドさせることにより、前記ベルトアンカが下方使用位置に配置され、前記スライド部材を上方にスライドさせることにより、上方退避位置まで上昇するように構成されていることを特徴とする車両のシートベルト装置。
【請求項5】
前記請求項3に記載の車両のシートベルト装置において、
前記ルーフ部の後端部の前部の下面は後下りに傾斜しており、
前記ベルトアンカ支持手段は、一端部が前記ルーフ部の後端部の前部の下面に沿って揺動可能に支持されると共に他端部に前記ベルトアンカが取り付けられたアーム部材を有し、該アーム部材を揺動させて前記他端部側が後方となるように略前後方向に指向させることにより、該アーム部材が後下りに傾斜して、前記ベルトアンカが後方使用位置に配置され、前記アーム部材を揺動させて車幅方向に指向させることにより、該アーム部材がほぼ水平となり、前記ベルトアンカが上方退避位置まで上昇するように構成されていることを特徴とする車両のシートベルト装置。
【請求項6】
前記請求項4または請求項5に記載の車両のシートベルト装置において、
前記ベルトアンカが下方使用位置にあるときに、前記スライド部材またはアーム部材のベルトアンカ側の部位を前記ルーフ部に連結する連結手段が設けられていることを特徴とする車両のシートベルト装置。
【請求項7】
前記請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の車両のシートベルト装置において、
前記後席シートは、車幅方向に3名以上の乗員が並んで着座可能とされており、
前記シートベルトは、車幅方向両端の乗員を除く乗員用のものであることを特徴とする車両のシートベルト装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−159000(P2010−159000A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−3130(P2009−3130)
【出願日】平成21年1月9日(2009.1.9)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】