車両整備用リフト装置
【課題】 リフト装置において、エアロパーツ等の下回り部品の着脱作業性を向上すること。
【解決手段】 リフトテーブル20に載架される前後のスライドテーブル30A、30Bと、前後のスライドテーブル30A、30Bに載架される前後のタイヤ受台40A、40Bとを有してなるリフト装置10であって、リフトテーブル20は車両底面内における前後左右を除く中央部にだけ対応する範囲に配置され、前後のスライドテーブル30A、30Bは車両底面内における左右を除く範囲を、リフトテーブル20の前方又は後方へ向けてスライド可能に配置され、前後のタイヤ受台40A、40Bは前後のスライドテーブル30A、30Bの左右に延在され、タイヤをドライブオン可能にするもの。
【解決手段】 リフトテーブル20に載架される前後のスライドテーブル30A、30Bと、前後のスライドテーブル30A、30Bに載架される前後のタイヤ受台40A、40Bとを有してなるリフト装置10であって、リフトテーブル20は車両底面内における前後左右を除く中央部にだけ対応する範囲に配置され、前後のスライドテーブル30A、30Bは車両底面内における左右を除く範囲を、リフトテーブル20の前方又は後方へ向けてスライド可能に配置され、前後のタイヤ受台40A、40Bは前後のスライドテーブル30A、30Bの左右に延在され、タイヤをドライブオン可能にするもの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両整備用リフト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両整備用リフト装置として、特許文献1に記載の如くのドライブオン式、特許文献2、3、4に記載の如くのフリーホイール式がある。
【0003】
特許文献1に記載のドライブオン式リフト装置は、車両底面内の左右両側部に対応するドライブオンテーブルに車両タイヤをドライブオンし、リフトアップする。
【0004】
特許文献2に記載の床上2柱型のフリーホイール式リフト装置は、車両のリフト作業領域を挟む左右両側に立設した柱に支持アームを旋回可能に設け、支持アームの先端に設けた車両受パッドを車両の左右のリフトポイントに合せ、リフトアップする。
【0005】
特許文献3に記載の埋設2柱型のフリーホイール式リフト装置は、車両のリフト作業領域内に埋設した昇降ラムの上端にリフトプレートを設け、このリフトプレートを車両の左右のリフトポイントに合せ、リフトアップする。
【0006】
特許文献4に記載のパンタグラフ型のフリーホイール式リフト装置は、昇降パンタグラフの上部にリフトテーブルを設け、このリフトテーブルを車両の左右のリフトポイントに合せ、リフトアップする。
【特許文献1】特開2004-203602
【特許文献2】特開2002-128482
【特許文献3】特開2001-316085
【特許文献4】特開2000-272891
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載のドライブオン式リフト装置では、車両下部の左右両側にドライブオンプレートが広がり、エアロパーツ等の車両下回り部品の着脱作業の邪魔になる。
【0008】
特許文献2に記載の床上2柱型のフリーホイール式リフト装置では、柱と支持アームがエアロパーツ等の車両下回り部品の着脱作業の邪魔になる。
【0009】
特許文献3に記載の埋設2柱型のフリーホイール式リフト装置では、昇降ラムとリフトプレートがエアロパーツ等の車両下回り部品の着脱作業の邪魔になる。
【0010】
特許文献4に記載のパンタグラフ型のフリーホイール式リフト装置では、車両下部の左右両側にリフトプレートが広がり、エアロパーツ等の車両下回り部品の着脱作業の邪魔になる。
【0011】
本発明の課題は、リフト装置において、エアロパーツ等の下回り部品の着脱作業性を向上することにある。
【0012】
本発明の他の課題は、リフト装置において、ドライブオン機能とフリーホイール機能を合せ備えることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1の発明は、昇降駆動装置に載架されて昇降せしめられるリフトテーブルと、リフトテーブルに載架される前後のスライドテーブルと、前後のスライドテーブルに載架される前後のタイヤ受台とを有してなる車両整備用リフト装置であって、リフトテーブルは車両底面内における左右を除く中央部にだけ対応する範囲に配置され、前後の少なくとも一方のスライドテーブルはリフトテーブルの前方又は後方へ向けてスライド可能に配置され、前後のタイヤ受台は前後のスライドテーブルの左右に延在され、タイヤをドライブオン可能にするようにしたものである。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記リフトテーブルとスライドテーブルの一方にバネ材を設け、バネ材に支持したローラーをリフトテーブルとスライドテーブルの他方の面に弾発的に当接するようにしたものである。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において更に、前記リフトテーブルを最下限に設定したとき、タイヤ受台の左右下面と作業場の床面との間に隙間を介したものである。
【0016】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において更に、前記スライドテーブルをリフトテーブルに対し車両のホイールベース方向に不動にするストッパ手段を備えたものである。
【0017】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかの発明において更に、前記前後のタイヤ受台を前後のスライドテーブルに対し車両のホイールベース方向にスライド可能にするようにしたものである。
【0018】
請求項6の発明は、請求項5の発明において更に、前記前後のタイヤ受台が、前後のスライドテーブル上で互いに近接せしめられる状態で、それら前後のタイヤ受台を車両の前後の車輪の間隔内に納め、前後のタイヤ受台に載置される車体受パッドを車両の底面のリフトポイントに当接可能にするようにしたものである。
【0019】
請求項7の発明は、請求項5又は6の発明において更に、前記スライドテーブルとタイヤ受台の一方にバネ材を設け、バネ材に支持したローラーをスライドテーブルとタイヤ受台の他方の面に弾発的に当接するようにしたものである。
【0020】
請求項8の発明は、請求項5〜7のいずれかの発明において更に、前記タイヤ受台をスライドテーブルに対し車両のホイールベース方向に不動にするストッパ手段を備えたものである。
【0021】
請求項9の発明は、請求項1〜8のいずれかの発明において更に、前記前後のタイヤ受台を前後のスライドテーブルに対し車両の車幅方向にスライド可能にするようにしたものである。
【発明の効果】
【0022】
(請求項1)
(a)リフト装置は、リフトテーブルを車両底面内における左右を除く中央部にだけ対応する範囲に配置し、前後のタイヤ受台だけを前後のスライドテーブルの左右に延在した。従って、車両をリフトアップしたとき、車両下部のタイヤ部分を除く左右を開放し、車両下部のフロント、リヤ、左右サイドにおけるエアロパーツ等の下回り部品の着脱が容易になる。
【0023】
(b)前後のタイヤ受台を車両のホイールベースに位置合せする必要はあるが、車両のリフトポイントに位置合せする作業はなく、車両のセッティングが楽になる。
【0024】
(請求項2)
(c)タイヤがドライブオンしていないとき、前後のスライドテーブルをローラー上にスライド可能にしたから、前後のスライドテーブルのスライド操作力を軽減し、前後のスライドテーブルに設けてある前後のタイヤ受台を車両のホイールベースに簡易に位置合せすることができる。
【0025】
(請求項3)
(d)リフトテーブルを最下限に設定したとき、タイヤ受台の左右下面と作業場の床面との間に隙間を介した。スライドテーブルの上面を作業場の床面と面一にしたから、作業場の有効活用性を向上できる。また、リフト下限でもタイヤ受台を床面の上で床面にこすることなく車両のホイールベースに簡易に位置合せすることができる。
【0026】
(請求項4)
(e)ストッパ手段によりスライドテーブルをリフトテーブルに対し不動にしたから、車両の入出時に、タイヤ受台を固定配置できる。
【0027】
(請求項5)
(f)前後のタイヤ受台を前後のスライドテーブルに対し車両のホイールベース方向にスライドできる。
【0028】
(請求項6)
(g)前後のタイヤ受台が、前後のスライドテーブル上で互いに近接せしめられる状態で、それら前後のタイヤ受台を車両の前後の車輪の間隔内に納め、前後のタイヤ受台に載置される車体受パッドを車両の底面のリフトポイントに当接可能にしたから、タイヤ受台をタイヤがドライブオンする本来のドライブオン手段として用いるだけでなく、フリーホイール手段としても利用でき、タイヤの着脱等、タイヤ回りの整備作業を行なうこともできる。
【0029】
(請求項7)
(h)タイヤがドライブオンしていないとき、タイヤ受台をローラー上にスライド可能にしたから、タイヤ受台のスライド操作力を軽減できる。
【0030】
(請求項8)
(i)ストッパ手段によりタイヤ受台をスライドテーブルに対し不動にしたから、車両の入出時に、タイヤ受台を固定配置できる。
【0031】
(請求項9)
(j)車幅の小さい軽自動車に対し、タイヤ受台をスライドテーブルから必要最小限だけ引き出すことにより、作業性を向上できる。
【0032】
(h)リフト装置の不使用時に、タイヤ受台をスライドテーブルの側に収納することによって形成される開きスペースを有効スペースとして利用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
図1は実施例1のリフト装置を示す側面図、図2は図1の平面図、図3は図1の正面図、図4はスライドテーブルのバネ支持構造を示し、(A)はドライブオンしていない状態を示す断面図、(B)はドライブオンした状態を示す断面図、図5はストッパ手段を示す断面図、図6は車両の進入/リフトアップ作業過程を示す模式側面図、図7は車両のドライブオン状態を示す模式平面図、図8は実施例2のリフト装置を示す側面図、図9はリフトテーブルとスライドテーブルとタイヤ受台を示し、(A)は側面図、(B)は断面図、図10はリフトテーブルとスライドテーブルとタイヤ受台を示す平面図、図11は図10のXI−XI線に沿う断面図、図12は図10のXII−XII線に沿う断面図である。
【実施例】
【0034】
(実施例1)(図1〜図7)
車両整備用リフト装置10は、図1〜図3に示す如く、作業場のリフト作業領域の床面1において、リフト作業領域に進入せしめられる車両の底面の左右を除く中央部に対応する位置にピット2を設け、このピット2の内部に昇降駆動装置11を設置してある。
【0035】
昇降駆動装置11は、ピット2の底部に水平なベース12を固定し、ベース12の前側(リフト作業領域に進入せしめられる車両の前方を前、後方を後という)に左右アーム13の下端を枢支し、ベース12の後側に左右アーム14の下端を枢支し、これらのアーム13、14の上端にリフトテーブル20を枢支し、ベース12と前後のアーム13、14とリフトテーブル20で平行四辺形リンク機構を形成する。昇降駆動装置11は、ベース12の左右方向の中央部、換言すれば中心線上と、リフトテーブル20の裏側における左右方向の中央部、換言すれば中心線上との間に油圧シリンダ15を介装している。リフト装置10は、油圧シリンダ15のシリンダ端部をベース12に、油圧シリンダ15のピストンロッド端部をリフトテーブル20に結合することにより、昇降駆動装置11にリフトテーブル20を載架し、リフトテーブル20を水平に保ちつつ昇降駆動せしめる。
【0036】
リフト装置10は、リフトテーブル20の前側半部と後側半部のそれぞれに、前後のスライドテーブル30A、30Bをスライド可能に載架する。また、リフト装置10は、前スライドテーブル30Aの前端側に前タイヤ受台40Aをボルト止め等により固定的に載架し、後スライドテーブル30Bの後端側に後タイヤ受台40Bをボルト止め等により固定的に載架する。前タイヤ受台40A(後タイヤ受台40Aも同じ)は、上面の前縁側と後縁側のそれぞれに、左右方向の全長に渡って横断面山型状をなす突条タイヤ止め41、41を延在しており、上面の前後の突条タイヤ止め41間の凹状平面部にタイヤをドライブオン可能にする。
【0037】
ここで、リフト装置10は、リフトテーブル20とスライドテーブル30A、30Bとタイヤ受台40A、40Bを以下の如くに配置している。
【0038】
リフトテーブル20は、リフト作業領域に進入せしめられる車両の底面内における前後左右を除く中央部にだけ対応する範囲に配置される。そして、前後のスライドテーブル30A、30Bは、車両の底面内における左右を除く範囲を、リフトテーブル20の前側半部の上から前方へ、又はリフトテーブル20の後側半部の上から後方へ向かってスライド可能に配置される。更に、前後のタイヤ受台40A、40Bは、前スライドテーブル30Aの前端上面に載架されて左右に延在され、又は後ろスライドテーブル30Bの後端上面に載架されて左右に延在され、それらの延在部42、42の上で進入車両のタイヤを前述の如くにドライブオン可能にする。
【0039】
リフト装置10は、昇降駆動装置11の油圧シリンダ15を収縮してリフトテーブル20を最下限に設定したとき、リフトテーブル20とその上のスライドテーブル30A、30Bをピット2の内部に納め、リフトテーブル20の前後下面をピット2の底部に設けてある支持ボルト3A、3Bに載せて支持する。このとき、スライドテーブル30A、30Bの上面は床面1と面一をなし、タイヤ受台40A、40Bの左右延在部42はピット2の外方にあって床面1との間に例えば5mm程度の隙間を介する。
【0040】
作業者は、前スライドテーブル30A及び前タイヤ受台40A、又は後スライドテーブル30B及び後タイヤ受台40Bを、リフトテーブル20の上でリフトテーブル20の前後方向に手動スライドし、前後のタイヤ受台40A、40Bの中心間距離を進入車両のホイールベースL(図2)に合せる。前タイヤ受台40Aを最も前方に位置付けたとき、前スライドテーブル30Aの前端部がピット2の前端に達し、リフトテーブル20の前端から引き出された前スライドテーブル30Aのオーバーハング部分はピット2の底部に設けてある支持台4Aに支持可能にされる。支持台4Aの下部には油圧シリンダ15のための油圧ユニット16が設置されている。後タイヤ受台40Bを最も後方に位置付けたとき、後スライドテーブル30Bの後端部がピット2の後端に達し、リフトテーブル20の後端から引き出された後スライドテーブル30Bのオーバーハング部分はピット2の底部に設けてある支持台4Bに支持可能にされる。
【0041】
リフト装置10は、図1〜図4に示す如く、リフトテーブル20の前半部と後半部の裏面の前後方向に沿う中心線上の各2位置に設けた支持具21に、左右方向に延びるバネ鋼製の丸棒バネ材22の長手方向中央部を固定し、バネ材22の両端部に回転自在に設けたローラー23をリフトテーブル20の切欠孔24からリフトテーブル20の上面より上に突出させ、バネ材22の曲げ弾性力によりこのローラー23をスライドテーブル30A、30Bの下面に弾発的に当接させる。
【0042】
車両のタイヤがタイヤ受台40A、40Bにドライブオンしていないとき、図4(A)に示す如く、バネ材22によりリフトテーブル20の上面より上位に突出して支持されているローラー23の上にスライドテーブル30A、30Bを支持し、スライドテーブル30A、30Bをリフトテーブル20の上に浮かせてスライド可能にする。バネ材22はローラー23の近傍で、リフトテーブル20の裏面に固定の受板25により制止される。
【0043】
車両のタイヤがタイヤ受台40A、40Bにドライブオンしたとき、図4(B)に示す如く、車両の重量でバネ材22を弾性変形させ、ローラー23を切欠孔24内に押し込み、スライドテーブル30A、30Bをリフトテーブル20の上面に担持可能にする。
【0044】
リフト装置10は、図2、図3、図5に示す如く、スライドテーブル30A、30Bをリフトテーブル20に対し車両のホイールベース方向(前後方向)に不動(固定化)にするストッパ手段50を備える。ストッパ手段50は、リフトテーブル20の前半部と後半部の左又は右の側枠裏面に空圧シリンダ51を固定し、空圧シリンダ51のピストンロッド52に結合させたストッパピン53を、スライドテーブル30A、30Bの左又は右の側板の前後方向に沿う複数位置のそれぞれに設けたストップ孔54のいずれかに係入可能にする。即ち、ストッパ手段50のストッパピン53をスライドテーブル30A、30Bのストップ孔54から外した状態で、前スライドテーブル30A及び前タイヤ受台40A、又は後スライドテーブル30B及び後タイヤ受台40Bを、リフトテーブル20の上でリストテーブル20の前後方向に手動スライドし、前後のタイヤ受台40A、40Bの中心間距離を進入車両のホイールベースに合せた後、手動又は電磁駆動される空圧切換弁の切換え操作によりストッパ手段50の空圧シリンダ51を駆動し、ストッパピン53をスライドテーブル30A、30Bの対応するストップ孔54に係入することにより、スライドテーブル30A又は30Bをリフトテーブル20に対し不動に固定化する。
【0045】
従って、リフト装置10は以下の如くに使用される(図6、図7)。
(1)リフトテーブル20を最下限に設定し、リフトテーブル20とスライドテーブル30A、30Bをピット2内に納める(図6(A))。タイヤ受台40A、40Bの左右延在部42はピット2の外方で床面1の上に隙間を介する。
【0046】
(2)車両100を進入し、前輪101Aを前タイヤ受台40Aの縁(突条タイヤ止め41)に当てて一時停車する(図6(B))。
【0047】
(3)後タイヤ受台40Bの縁(突条タイヤ止め41)を後輪101Bに当てるように、後スライドテーブル30Bをリフトテーブル20に対しスライドする。(図6(C))。
【0048】
(4)車両100を更に進入し、前輪101Aを前タイヤ受台40Aの上に、後輪101Bを後タイヤ受台40Bの上にドライブオンさせる(図6(D)、図7)。
【0049】
(5)昇降駆動装置11の油圧シリンダ15を伸長し、リフトテーブル20を最下限から上昇させる。これにより、スライドテーブル30A、30B、タイヤ受台40A、40Bも上昇し、車両100をリフトアップさせることができる(図6(E))。
【0050】
本実施例のリフト装置10によれば以下の作用効果を奏する。
(a)リフト装置10は、リフトテーブル20を車両底面内における前後左右を除く中央部にだけ対応する範囲に配置し、前後のスライドテーブル30A、30Bも車両の底面内における左右を除く範囲にスライド可能に設け、前後のタイヤ受台40A、40Bだけを前後のスライドテーブル30A、30Bの左右に延在した。従って、車両をリフトアップしたとき、車両下部のタイヤ部分を除く前後左右を開放し、車両下部のフロント、リヤ、左右サイドにおけるエアロパーツ等の下回り部品の着脱が容易になる。
【0051】
(b)前後のタイヤ受台40A、40Bを車両のホイールベースに位置合せする必要はあるが、車両のリフトポイントに位置合せする作業はなく、車両のセッティングが楽になる。
【0052】
(c)タイヤがドライブオンしていないとき、前後のスライドテーブル30A、30Bをローラー23上にスライド可能にしたから、前後のスライドテーブル30A、30Bのスライド操作力を軽減し、前後のスライドテーブル30A、30Bに設けてある前後のタイヤ受台40A、40Bを車両のホイールベースに簡易に位置合せすることができる。
【0053】
(d)リフトテーブル20を最下限に設定したとき、スライドテーブル30A、30Bの上面を作業場の床面1と面一にし、タイヤ受台40A、40Bの左右下面と作業場の床面1との間に隙間を介した。スライドテーブル30A、30Bの上面を作業場の床面1と面一にしたから、作業場の有効活用性を向上できる。また、リフト下限でもタイヤ受台40A、40Bを床面1の上で床面1にこすることなく車両のホイールベースに簡易に位置合せすることができる。
【0054】
(e)ストッパ手段50によりスライドテーブル30A、30Bをリフトテーブル20に対し不動にしたから、車両の入出時に、タイヤ受台40A、40Bを固定配置できる。
【0055】
(実施例2)(図8〜図12)
実施例2のリフト装置10が実施例1のリフト装置10と異なる点は、前後のタイヤ受台40A、40Bを前後のスライドテーブル30A、30Bに対し車両のホイールベース方向(前後方向)にスライド可能にしたことにある。
【0056】
スライドテーブル30A(30Bも同じ)は、図9〜図11に示す如く、上面の前後方向に沿う中心線上にガイドレール60を溶接等により固定してある。他方、タイヤ受台40A(40Bも同じ)は、前縁側と後縁側の各突条タイヤ止め41の裏面において、前後方向に沿う中心線を挟む左右2位置に、スライドテーブル30Aのガイドレール60を左右両側から挟むガイドローラー61、61を転動自在に設けてある。これにより、タイヤ受台40Aはスライドベース30Aに対し、ガイドレール60にガイドされて車両のホイールベース方向にスライドできる。
【0057】
タイヤ受台40A(40Bも同じ)は、図10、図12に示す如く、上面の前後方向に沿う中心線上で、前縁側と後縁側の突条タイヤ止め41に挟まれる部分に、抜け止めプレート62を溶接等により固定してある。抜け止めプレート62は下向き開口のC字状横断面をなし、C字の両側エッジ62Aをガイドレール60の両側張り出し部60Aに引っかけて、タイヤ受台40Aの上方への抜け止めを図っている。
【0058】
タイヤ受台40A(40Bも同じ)は、図10、図12に示す如く、上面の抜け止めプレート62を挟む両側の前後方向2位置に設けた支持具71に、左右方向外方に延びるバネ鋼製の丸棒バネ材72の長手方向一端部を固定し、バネ材72の他端部に回転自在に設けたローラー73をタイヤ受台40Aの切欠孔74からタイヤ受台40Aの下面より下に突出させ、バネ材72の曲げ弾発力によりこのローラー73をスライドテーブル30Aの上面に弾発的に当接させる。
【0059】
車両のタイヤがタイヤ受台40A(又はタイヤ受台40B)にドライブオンしていないとき、バネ材72によりタイヤ受台40Aの下面より下位に突出して支持されているローラー73がスライドテーブル30Aの上面に載り、タイヤ受台40Aをスライドテーブル30Aの上に浮かせてスライド可能にする。車両のタイヤがタイヤ受台40Aにドライブオンしたとき、車両の重量でバネ材72を弾性変形させ、ローラー73を切欠孔74内に押し込み、タイヤ受台40Aをスライドテーブル30Aの上面に担持可能にする。
【0060】
タイヤ受台40A(タイヤ受台40Bも同じ)は、タイヤ受台40Aをスライドテーブル30Aに対し車両のホイールベース方向(前後方向)に不動にするストッパ手段80を備える。ストッパ手段80は、図10、図11に示す如く、タイヤ受台40Aの前縁側と後縁側の各突条タイヤ止め41が前後方向に沿う中心線と交差する位置に、ストッパピン81を手動にて係脱可能にする孔82を設ける。他方、スライドテーブル30Aの前後方向に沿う中心線上のガイドレール60には、前側2位置に前側ストップ孔83を、後側2位置に後側ストップ孔84を穿設してある。ストッパピン81をタイヤ受台40Aの孔82からスライドテーブル30Aの前側ストップ孔83に係入することにより、タイヤ受台40Aをスライドテーブル30Aの前側寄りにて不動に固定化し、ストッパピン81をタイヤ受台40Aの孔82からスライドテーブル83の後側ストップ孔84に係入することにより、タイヤ受台40Aをスライドテーブル30Aの後側寄りにて不動に固定化する。
【0061】
尚、実施例2のリフト装置10にあっても、リフトテーブル20を最下限に設定したとき、スライドテーブル30A、30Bの上面を作業場の床面1と面一にし、タイヤ受台40A、40Bの左右下面と作業場の床面1との間に隙間を介する。
【0062】
しかるに、実施例2のリフト装置10にあっては、前後のタイヤ受台40A、40Bが、前後のスライドテーブル30A、30B上で互いに近接せしめられる状態(例えば前タイヤ受台40Aが前スライドテーブル30Aの後側寄りにてストッパ手段80により不動化され、後タイヤ受台40Bが後スライドテーブル30Bの前側寄りにてストッパ手段80により不動化された状態)で、それら前後のタイヤ受台40A、40Bを車両の前後の車輪の間隔内に納める。そして、前後のタイヤ受台40A、40Bの上面に載置される車体受パッド(不図示)を車両の底面のリフトポイントに当接させ、該車両をフリーホイール式にてリフトアップすることもできる。
【0063】
従って、実施例2のリフト装置10によれば、実施例1のリフト装置10による作用効果に加え、以下の作用効果を奏する。
【0064】
(a)前後のタイヤ受台40A、40Bを前後のスライドテーブル30A、30Bに対し車両のホイールベース方向にスライドできる。
【0065】
(b)前後のタイヤ受台40A、40Bが、前後のスライドテーブル30A、30B上で互いに近接せしめられる状態で、それら前後のタイヤ受台40A、40Bを車両の前後の車輪の間隔内に納め、前後のタイヤ受台40A、40Bに載置される車体受パッドを車両の底面のリフトポイントに当接可能にしたから、タイヤ受台40A、40Bをタイヤがドライブオンする本来のドライブオン手段として用いるだけでなく、フリーホイール手段としても利用でき、タイヤの着脱等、タイヤ回りの整備作業を行なうこともできる。
【0066】
(c)タイヤがドライブオンしていないとき、タイヤ受台40A、40Bをローラー73上にスライド可能にしたから、タイヤ受台40A、40Bのスライド操作力を軽減できる。
【0067】
(d)ストッパ手段80によりタイヤ受台40A、40Bをスライドテーブル30A、30Bに対し不動にしたから、車両の入出時に、タイヤ受台40A、40Bを固定配置できる。
【0068】
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0069】
尚、リフトテーブルは車両底面内における前後左右を除く中央部に限らず、左右を除く中央部にだけ対応する範囲に配置されるものであっても良い。
【0070】
また、前後のスライドテーブルは、それらの少なくとも一方、例えば後側のスライドテーブルだけがリフトテーブルの前方又は後方へ向けてスライドできるものであれば良い。
【0071】
また、前後のタイヤ受台を前後のスライドテーブルに対し車両の車幅方向にスライド可能にするものでも良い。これによれば、車幅の小さい軽自動車に対し、タイヤ受台をスライドテーブルから必要最小限だけ引き出すことにより、作業性を向上できる。リフト装置の不使用時に、タイヤ受台をスライドテーブルの側に収納することによって形成される開きスペースを有効スペースとして利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】図1は実施例1のリフト装置を示す側面図である。
【図2】図2は図1の平面図である。
【図3】図3は図1の正面図である。
【図4】図4はスライドテーブルのバネ支持構造を示し、(A)はドライブオンしていない状態を示す断面図、(B)はドライブオンした状態を示す断面図である。
【図5】図5はストッパ手段を示す断面図である。
【図6】図6は車両の進入/リフトアップ作業過程を示す模式側面図である。
【図7】図7は車両のドライブオン状態を示す模式平面図である。
【図8】図8は実施例2のリフト装置を示す側面図である。
【図9】図9はリフトテーブルとスライドテーブルとタイヤ受台を示し、(A)は側面図、(B)は断面図である。
【図10】図10はリフトテーブルとスライドテーブルとタイヤ受台を示す平面図である。
【図11】図11は図10のXI−XI線に沿う断面図である。
【図12】図12は図10のXII−XII線に沿う断面図である。
【符号の説明】
【0073】
1 床面
2 ピット
10 リフト装置
11 昇降駆動装置
20 リフトテーブル
22、72 バネ材
23、73 ローラー
30A、30B スライドテーブル
40A、40B タイヤ受台
50、80 ストッパ手段
【技術分野】
【0001】
本発明は車両整備用リフト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両整備用リフト装置として、特許文献1に記載の如くのドライブオン式、特許文献2、3、4に記載の如くのフリーホイール式がある。
【0003】
特許文献1に記載のドライブオン式リフト装置は、車両底面内の左右両側部に対応するドライブオンテーブルに車両タイヤをドライブオンし、リフトアップする。
【0004】
特許文献2に記載の床上2柱型のフリーホイール式リフト装置は、車両のリフト作業領域を挟む左右両側に立設した柱に支持アームを旋回可能に設け、支持アームの先端に設けた車両受パッドを車両の左右のリフトポイントに合せ、リフトアップする。
【0005】
特許文献3に記載の埋設2柱型のフリーホイール式リフト装置は、車両のリフト作業領域内に埋設した昇降ラムの上端にリフトプレートを設け、このリフトプレートを車両の左右のリフトポイントに合せ、リフトアップする。
【0006】
特許文献4に記載のパンタグラフ型のフリーホイール式リフト装置は、昇降パンタグラフの上部にリフトテーブルを設け、このリフトテーブルを車両の左右のリフトポイントに合せ、リフトアップする。
【特許文献1】特開2004-203602
【特許文献2】特開2002-128482
【特許文献3】特開2001-316085
【特許文献4】特開2000-272891
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載のドライブオン式リフト装置では、車両下部の左右両側にドライブオンプレートが広がり、エアロパーツ等の車両下回り部品の着脱作業の邪魔になる。
【0008】
特許文献2に記載の床上2柱型のフリーホイール式リフト装置では、柱と支持アームがエアロパーツ等の車両下回り部品の着脱作業の邪魔になる。
【0009】
特許文献3に記載の埋設2柱型のフリーホイール式リフト装置では、昇降ラムとリフトプレートがエアロパーツ等の車両下回り部品の着脱作業の邪魔になる。
【0010】
特許文献4に記載のパンタグラフ型のフリーホイール式リフト装置では、車両下部の左右両側にリフトプレートが広がり、エアロパーツ等の車両下回り部品の着脱作業の邪魔になる。
【0011】
本発明の課題は、リフト装置において、エアロパーツ等の下回り部品の着脱作業性を向上することにある。
【0012】
本発明の他の課題は、リフト装置において、ドライブオン機能とフリーホイール機能を合せ備えることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1の発明は、昇降駆動装置に載架されて昇降せしめられるリフトテーブルと、リフトテーブルに載架される前後のスライドテーブルと、前後のスライドテーブルに載架される前後のタイヤ受台とを有してなる車両整備用リフト装置であって、リフトテーブルは車両底面内における左右を除く中央部にだけ対応する範囲に配置され、前後の少なくとも一方のスライドテーブルはリフトテーブルの前方又は後方へ向けてスライド可能に配置され、前後のタイヤ受台は前後のスライドテーブルの左右に延在され、タイヤをドライブオン可能にするようにしたものである。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記リフトテーブルとスライドテーブルの一方にバネ材を設け、バネ材に支持したローラーをリフトテーブルとスライドテーブルの他方の面に弾発的に当接するようにしたものである。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において更に、前記リフトテーブルを最下限に設定したとき、タイヤ受台の左右下面と作業場の床面との間に隙間を介したものである。
【0016】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において更に、前記スライドテーブルをリフトテーブルに対し車両のホイールベース方向に不動にするストッパ手段を備えたものである。
【0017】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかの発明において更に、前記前後のタイヤ受台を前後のスライドテーブルに対し車両のホイールベース方向にスライド可能にするようにしたものである。
【0018】
請求項6の発明は、請求項5の発明において更に、前記前後のタイヤ受台が、前後のスライドテーブル上で互いに近接せしめられる状態で、それら前後のタイヤ受台を車両の前後の車輪の間隔内に納め、前後のタイヤ受台に載置される車体受パッドを車両の底面のリフトポイントに当接可能にするようにしたものである。
【0019】
請求項7の発明は、請求項5又は6の発明において更に、前記スライドテーブルとタイヤ受台の一方にバネ材を設け、バネ材に支持したローラーをスライドテーブルとタイヤ受台の他方の面に弾発的に当接するようにしたものである。
【0020】
請求項8の発明は、請求項5〜7のいずれかの発明において更に、前記タイヤ受台をスライドテーブルに対し車両のホイールベース方向に不動にするストッパ手段を備えたものである。
【0021】
請求項9の発明は、請求項1〜8のいずれかの発明において更に、前記前後のタイヤ受台を前後のスライドテーブルに対し車両の車幅方向にスライド可能にするようにしたものである。
【発明の効果】
【0022】
(請求項1)
(a)リフト装置は、リフトテーブルを車両底面内における左右を除く中央部にだけ対応する範囲に配置し、前後のタイヤ受台だけを前後のスライドテーブルの左右に延在した。従って、車両をリフトアップしたとき、車両下部のタイヤ部分を除く左右を開放し、車両下部のフロント、リヤ、左右サイドにおけるエアロパーツ等の下回り部品の着脱が容易になる。
【0023】
(b)前後のタイヤ受台を車両のホイールベースに位置合せする必要はあるが、車両のリフトポイントに位置合せする作業はなく、車両のセッティングが楽になる。
【0024】
(請求項2)
(c)タイヤがドライブオンしていないとき、前後のスライドテーブルをローラー上にスライド可能にしたから、前後のスライドテーブルのスライド操作力を軽減し、前後のスライドテーブルに設けてある前後のタイヤ受台を車両のホイールベースに簡易に位置合せすることができる。
【0025】
(請求項3)
(d)リフトテーブルを最下限に設定したとき、タイヤ受台の左右下面と作業場の床面との間に隙間を介した。スライドテーブルの上面を作業場の床面と面一にしたから、作業場の有効活用性を向上できる。また、リフト下限でもタイヤ受台を床面の上で床面にこすることなく車両のホイールベースに簡易に位置合せすることができる。
【0026】
(請求項4)
(e)ストッパ手段によりスライドテーブルをリフトテーブルに対し不動にしたから、車両の入出時に、タイヤ受台を固定配置できる。
【0027】
(請求項5)
(f)前後のタイヤ受台を前後のスライドテーブルに対し車両のホイールベース方向にスライドできる。
【0028】
(請求項6)
(g)前後のタイヤ受台が、前後のスライドテーブル上で互いに近接せしめられる状態で、それら前後のタイヤ受台を車両の前後の車輪の間隔内に納め、前後のタイヤ受台に載置される車体受パッドを車両の底面のリフトポイントに当接可能にしたから、タイヤ受台をタイヤがドライブオンする本来のドライブオン手段として用いるだけでなく、フリーホイール手段としても利用でき、タイヤの着脱等、タイヤ回りの整備作業を行なうこともできる。
【0029】
(請求項7)
(h)タイヤがドライブオンしていないとき、タイヤ受台をローラー上にスライド可能にしたから、タイヤ受台のスライド操作力を軽減できる。
【0030】
(請求項8)
(i)ストッパ手段によりタイヤ受台をスライドテーブルに対し不動にしたから、車両の入出時に、タイヤ受台を固定配置できる。
【0031】
(請求項9)
(j)車幅の小さい軽自動車に対し、タイヤ受台をスライドテーブルから必要最小限だけ引き出すことにより、作業性を向上できる。
【0032】
(h)リフト装置の不使用時に、タイヤ受台をスライドテーブルの側に収納することによって形成される開きスペースを有効スペースとして利用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
図1は実施例1のリフト装置を示す側面図、図2は図1の平面図、図3は図1の正面図、図4はスライドテーブルのバネ支持構造を示し、(A)はドライブオンしていない状態を示す断面図、(B)はドライブオンした状態を示す断面図、図5はストッパ手段を示す断面図、図6は車両の進入/リフトアップ作業過程を示す模式側面図、図7は車両のドライブオン状態を示す模式平面図、図8は実施例2のリフト装置を示す側面図、図9はリフトテーブルとスライドテーブルとタイヤ受台を示し、(A)は側面図、(B)は断面図、図10はリフトテーブルとスライドテーブルとタイヤ受台を示す平面図、図11は図10のXI−XI線に沿う断面図、図12は図10のXII−XII線に沿う断面図である。
【実施例】
【0034】
(実施例1)(図1〜図7)
車両整備用リフト装置10は、図1〜図3に示す如く、作業場のリフト作業領域の床面1において、リフト作業領域に進入せしめられる車両の底面の左右を除く中央部に対応する位置にピット2を設け、このピット2の内部に昇降駆動装置11を設置してある。
【0035】
昇降駆動装置11は、ピット2の底部に水平なベース12を固定し、ベース12の前側(リフト作業領域に進入せしめられる車両の前方を前、後方を後という)に左右アーム13の下端を枢支し、ベース12の後側に左右アーム14の下端を枢支し、これらのアーム13、14の上端にリフトテーブル20を枢支し、ベース12と前後のアーム13、14とリフトテーブル20で平行四辺形リンク機構を形成する。昇降駆動装置11は、ベース12の左右方向の中央部、換言すれば中心線上と、リフトテーブル20の裏側における左右方向の中央部、換言すれば中心線上との間に油圧シリンダ15を介装している。リフト装置10は、油圧シリンダ15のシリンダ端部をベース12に、油圧シリンダ15のピストンロッド端部をリフトテーブル20に結合することにより、昇降駆動装置11にリフトテーブル20を載架し、リフトテーブル20を水平に保ちつつ昇降駆動せしめる。
【0036】
リフト装置10は、リフトテーブル20の前側半部と後側半部のそれぞれに、前後のスライドテーブル30A、30Bをスライド可能に載架する。また、リフト装置10は、前スライドテーブル30Aの前端側に前タイヤ受台40Aをボルト止め等により固定的に載架し、後スライドテーブル30Bの後端側に後タイヤ受台40Bをボルト止め等により固定的に載架する。前タイヤ受台40A(後タイヤ受台40Aも同じ)は、上面の前縁側と後縁側のそれぞれに、左右方向の全長に渡って横断面山型状をなす突条タイヤ止め41、41を延在しており、上面の前後の突条タイヤ止め41間の凹状平面部にタイヤをドライブオン可能にする。
【0037】
ここで、リフト装置10は、リフトテーブル20とスライドテーブル30A、30Bとタイヤ受台40A、40Bを以下の如くに配置している。
【0038】
リフトテーブル20は、リフト作業領域に進入せしめられる車両の底面内における前後左右を除く中央部にだけ対応する範囲に配置される。そして、前後のスライドテーブル30A、30Bは、車両の底面内における左右を除く範囲を、リフトテーブル20の前側半部の上から前方へ、又はリフトテーブル20の後側半部の上から後方へ向かってスライド可能に配置される。更に、前後のタイヤ受台40A、40Bは、前スライドテーブル30Aの前端上面に載架されて左右に延在され、又は後ろスライドテーブル30Bの後端上面に載架されて左右に延在され、それらの延在部42、42の上で進入車両のタイヤを前述の如くにドライブオン可能にする。
【0039】
リフト装置10は、昇降駆動装置11の油圧シリンダ15を収縮してリフトテーブル20を最下限に設定したとき、リフトテーブル20とその上のスライドテーブル30A、30Bをピット2の内部に納め、リフトテーブル20の前後下面をピット2の底部に設けてある支持ボルト3A、3Bに載せて支持する。このとき、スライドテーブル30A、30Bの上面は床面1と面一をなし、タイヤ受台40A、40Bの左右延在部42はピット2の外方にあって床面1との間に例えば5mm程度の隙間を介する。
【0040】
作業者は、前スライドテーブル30A及び前タイヤ受台40A、又は後スライドテーブル30B及び後タイヤ受台40Bを、リフトテーブル20の上でリフトテーブル20の前後方向に手動スライドし、前後のタイヤ受台40A、40Bの中心間距離を進入車両のホイールベースL(図2)に合せる。前タイヤ受台40Aを最も前方に位置付けたとき、前スライドテーブル30Aの前端部がピット2の前端に達し、リフトテーブル20の前端から引き出された前スライドテーブル30Aのオーバーハング部分はピット2の底部に設けてある支持台4Aに支持可能にされる。支持台4Aの下部には油圧シリンダ15のための油圧ユニット16が設置されている。後タイヤ受台40Bを最も後方に位置付けたとき、後スライドテーブル30Bの後端部がピット2の後端に達し、リフトテーブル20の後端から引き出された後スライドテーブル30Bのオーバーハング部分はピット2の底部に設けてある支持台4Bに支持可能にされる。
【0041】
リフト装置10は、図1〜図4に示す如く、リフトテーブル20の前半部と後半部の裏面の前後方向に沿う中心線上の各2位置に設けた支持具21に、左右方向に延びるバネ鋼製の丸棒バネ材22の長手方向中央部を固定し、バネ材22の両端部に回転自在に設けたローラー23をリフトテーブル20の切欠孔24からリフトテーブル20の上面より上に突出させ、バネ材22の曲げ弾性力によりこのローラー23をスライドテーブル30A、30Bの下面に弾発的に当接させる。
【0042】
車両のタイヤがタイヤ受台40A、40Bにドライブオンしていないとき、図4(A)に示す如く、バネ材22によりリフトテーブル20の上面より上位に突出して支持されているローラー23の上にスライドテーブル30A、30Bを支持し、スライドテーブル30A、30Bをリフトテーブル20の上に浮かせてスライド可能にする。バネ材22はローラー23の近傍で、リフトテーブル20の裏面に固定の受板25により制止される。
【0043】
車両のタイヤがタイヤ受台40A、40Bにドライブオンしたとき、図4(B)に示す如く、車両の重量でバネ材22を弾性変形させ、ローラー23を切欠孔24内に押し込み、スライドテーブル30A、30Bをリフトテーブル20の上面に担持可能にする。
【0044】
リフト装置10は、図2、図3、図5に示す如く、スライドテーブル30A、30Bをリフトテーブル20に対し車両のホイールベース方向(前後方向)に不動(固定化)にするストッパ手段50を備える。ストッパ手段50は、リフトテーブル20の前半部と後半部の左又は右の側枠裏面に空圧シリンダ51を固定し、空圧シリンダ51のピストンロッド52に結合させたストッパピン53を、スライドテーブル30A、30Bの左又は右の側板の前後方向に沿う複数位置のそれぞれに設けたストップ孔54のいずれかに係入可能にする。即ち、ストッパ手段50のストッパピン53をスライドテーブル30A、30Bのストップ孔54から外した状態で、前スライドテーブル30A及び前タイヤ受台40A、又は後スライドテーブル30B及び後タイヤ受台40Bを、リフトテーブル20の上でリストテーブル20の前後方向に手動スライドし、前後のタイヤ受台40A、40Bの中心間距離を進入車両のホイールベースに合せた後、手動又は電磁駆動される空圧切換弁の切換え操作によりストッパ手段50の空圧シリンダ51を駆動し、ストッパピン53をスライドテーブル30A、30Bの対応するストップ孔54に係入することにより、スライドテーブル30A又は30Bをリフトテーブル20に対し不動に固定化する。
【0045】
従って、リフト装置10は以下の如くに使用される(図6、図7)。
(1)リフトテーブル20を最下限に設定し、リフトテーブル20とスライドテーブル30A、30Bをピット2内に納める(図6(A))。タイヤ受台40A、40Bの左右延在部42はピット2の外方で床面1の上に隙間を介する。
【0046】
(2)車両100を進入し、前輪101Aを前タイヤ受台40Aの縁(突条タイヤ止め41)に当てて一時停車する(図6(B))。
【0047】
(3)後タイヤ受台40Bの縁(突条タイヤ止め41)を後輪101Bに当てるように、後スライドテーブル30Bをリフトテーブル20に対しスライドする。(図6(C))。
【0048】
(4)車両100を更に進入し、前輪101Aを前タイヤ受台40Aの上に、後輪101Bを後タイヤ受台40Bの上にドライブオンさせる(図6(D)、図7)。
【0049】
(5)昇降駆動装置11の油圧シリンダ15を伸長し、リフトテーブル20を最下限から上昇させる。これにより、スライドテーブル30A、30B、タイヤ受台40A、40Bも上昇し、車両100をリフトアップさせることができる(図6(E))。
【0050】
本実施例のリフト装置10によれば以下の作用効果を奏する。
(a)リフト装置10は、リフトテーブル20を車両底面内における前後左右を除く中央部にだけ対応する範囲に配置し、前後のスライドテーブル30A、30Bも車両の底面内における左右を除く範囲にスライド可能に設け、前後のタイヤ受台40A、40Bだけを前後のスライドテーブル30A、30Bの左右に延在した。従って、車両をリフトアップしたとき、車両下部のタイヤ部分を除く前後左右を開放し、車両下部のフロント、リヤ、左右サイドにおけるエアロパーツ等の下回り部品の着脱が容易になる。
【0051】
(b)前後のタイヤ受台40A、40Bを車両のホイールベースに位置合せする必要はあるが、車両のリフトポイントに位置合せする作業はなく、車両のセッティングが楽になる。
【0052】
(c)タイヤがドライブオンしていないとき、前後のスライドテーブル30A、30Bをローラー23上にスライド可能にしたから、前後のスライドテーブル30A、30Bのスライド操作力を軽減し、前後のスライドテーブル30A、30Bに設けてある前後のタイヤ受台40A、40Bを車両のホイールベースに簡易に位置合せすることができる。
【0053】
(d)リフトテーブル20を最下限に設定したとき、スライドテーブル30A、30Bの上面を作業場の床面1と面一にし、タイヤ受台40A、40Bの左右下面と作業場の床面1との間に隙間を介した。スライドテーブル30A、30Bの上面を作業場の床面1と面一にしたから、作業場の有効活用性を向上できる。また、リフト下限でもタイヤ受台40A、40Bを床面1の上で床面1にこすることなく車両のホイールベースに簡易に位置合せすることができる。
【0054】
(e)ストッパ手段50によりスライドテーブル30A、30Bをリフトテーブル20に対し不動にしたから、車両の入出時に、タイヤ受台40A、40Bを固定配置できる。
【0055】
(実施例2)(図8〜図12)
実施例2のリフト装置10が実施例1のリフト装置10と異なる点は、前後のタイヤ受台40A、40Bを前後のスライドテーブル30A、30Bに対し車両のホイールベース方向(前後方向)にスライド可能にしたことにある。
【0056】
スライドテーブル30A(30Bも同じ)は、図9〜図11に示す如く、上面の前後方向に沿う中心線上にガイドレール60を溶接等により固定してある。他方、タイヤ受台40A(40Bも同じ)は、前縁側と後縁側の各突条タイヤ止め41の裏面において、前後方向に沿う中心線を挟む左右2位置に、スライドテーブル30Aのガイドレール60を左右両側から挟むガイドローラー61、61を転動自在に設けてある。これにより、タイヤ受台40Aはスライドベース30Aに対し、ガイドレール60にガイドされて車両のホイールベース方向にスライドできる。
【0057】
タイヤ受台40A(40Bも同じ)は、図10、図12に示す如く、上面の前後方向に沿う中心線上で、前縁側と後縁側の突条タイヤ止め41に挟まれる部分に、抜け止めプレート62を溶接等により固定してある。抜け止めプレート62は下向き開口のC字状横断面をなし、C字の両側エッジ62Aをガイドレール60の両側張り出し部60Aに引っかけて、タイヤ受台40Aの上方への抜け止めを図っている。
【0058】
タイヤ受台40A(40Bも同じ)は、図10、図12に示す如く、上面の抜け止めプレート62を挟む両側の前後方向2位置に設けた支持具71に、左右方向外方に延びるバネ鋼製の丸棒バネ材72の長手方向一端部を固定し、バネ材72の他端部に回転自在に設けたローラー73をタイヤ受台40Aの切欠孔74からタイヤ受台40Aの下面より下に突出させ、バネ材72の曲げ弾発力によりこのローラー73をスライドテーブル30Aの上面に弾発的に当接させる。
【0059】
車両のタイヤがタイヤ受台40A(又はタイヤ受台40B)にドライブオンしていないとき、バネ材72によりタイヤ受台40Aの下面より下位に突出して支持されているローラー73がスライドテーブル30Aの上面に載り、タイヤ受台40Aをスライドテーブル30Aの上に浮かせてスライド可能にする。車両のタイヤがタイヤ受台40Aにドライブオンしたとき、車両の重量でバネ材72を弾性変形させ、ローラー73を切欠孔74内に押し込み、タイヤ受台40Aをスライドテーブル30Aの上面に担持可能にする。
【0060】
タイヤ受台40A(タイヤ受台40Bも同じ)は、タイヤ受台40Aをスライドテーブル30Aに対し車両のホイールベース方向(前後方向)に不動にするストッパ手段80を備える。ストッパ手段80は、図10、図11に示す如く、タイヤ受台40Aの前縁側と後縁側の各突条タイヤ止め41が前後方向に沿う中心線と交差する位置に、ストッパピン81を手動にて係脱可能にする孔82を設ける。他方、スライドテーブル30Aの前後方向に沿う中心線上のガイドレール60には、前側2位置に前側ストップ孔83を、後側2位置に後側ストップ孔84を穿設してある。ストッパピン81をタイヤ受台40Aの孔82からスライドテーブル30Aの前側ストップ孔83に係入することにより、タイヤ受台40Aをスライドテーブル30Aの前側寄りにて不動に固定化し、ストッパピン81をタイヤ受台40Aの孔82からスライドテーブル83の後側ストップ孔84に係入することにより、タイヤ受台40Aをスライドテーブル30Aの後側寄りにて不動に固定化する。
【0061】
尚、実施例2のリフト装置10にあっても、リフトテーブル20を最下限に設定したとき、スライドテーブル30A、30Bの上面を作業場の床面1と面一にし、タイヤ受台40A、40Bの左右下面と作業場の床面1との間に隙間を介する。
【0062】
しかるに、実施例2のリフト装置10にあっては、前後のタイヤ受台40A、40Bが、前後のスライドテーブル30A、30B上で互いに近接せしめられる状態(例えば前タイヤ受台40Aが前スライドテーブル30Aの後側寄りにてストッパ手段80により不動化され、後タイヤ受台40Bが後スライドテーブル30Bの前側寄りにてストッパ手段80により不動化された状態)で、それら前後のタイヤ受台40A、40Bを車両の前後の車輪の間隔内に納める。そして、前後のタイヤ受台40A、40Bの上面に載置される車体受パッド(不図示)を車両の底面のリフトポイントに当接させ、該車両をフリーホイール式にてリフトアップすることもできる。
【0063】
従って、実施例2のリフト装置10によれば、実施例1のリフト装置10による作用効果に加え、以下の作用効果を奏する。
【0064】
(a)前後のタイヤ受台40A、40Bを前後のスライドテーブル30A、30Bに対し車両のホイールベース方向にスライドできる。
【0065】
(b)前後のタイヤ受台40A、40Bが、前後のスライドテーブル30A、30B上で互いに近接せしめられる状態で、それら前後のタイヤ受台40A、40Bを車両の前後の車輪の間隔内に納め、前後のタイヤ受台40A、40Bに載置される車体受パッドを車両の底面のリフトポイントに当接可能にしたから、タイヤ受台40A、40Bをタイヤがドライブオンする本来のドライブオン手段として用いるだけでなく、フリーホイール手段としても利用でき、タイヤの着脱等、タイヤ回りの整備作業を行なうこともできる。
【0066】
(c)タイヤがドライブオンしていないとき、タイヤ受台40A、40Bをローラー73上にスライド可能にしたから、タイヤ受台40A、40Bのスライド操作力を軽減できる。
【0067】
(d)ストッパ手段80によりタイヤ受台40A、40Bをスライドテーブル30A、30Bに対し不動にしたから、車両の入出時に、タイヤ受台40A、40Bを固定配置できる。
【0068】
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0069】
尚、リフトテーブルは車両底面内における前後左右を除く中央部に限らず、左右を除く中央部にだけ対応する範囲に配置されるものであっても良い。
【0070】
また、前後のスライドテーブルは、それらの少なくとも一方、例えば後側のスライドテーブルだけがリフトテーブルの前方又は後方へ向けてスライドできるものであれば良い。
【0071】
また、前後のタイヤ受台を前後のスライドテーブルに対し車両の車幅方向にスライド可能にするものでも良い。これによれば、車幅の小さい軽自動車に対し、タイヤ受台をスライドテーブルから必要最小限だけ引き出すことにより、作業性を向上できる。リフト装置の不使用時に、タイヤ受台をスライドテーブルの側に収納することによって形成される開きスペースを有効スペースとして利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】図1は実施例1のリフト装置を示す側面図である。
【図2】図2は図1の平面図である。
【図3】図3は図1の正面図である。
【図4】図4はスライドテーブルのバネ支持構造を示し、(A)はドライブオンしていない状態を示す断面図、(B)はドライブオンした状態を示す断面図である。
【図5】図5はストッパ手段を示す断面図である。
【図6】図6は車両の進入/リフトアップ作業過程を示す模式側面図である。
【図7】図7は車両のドライブオン状態を示す模式平面図である。
【図8】図8は実施例2のリフト装置を示す側面図である。
【図9】図9はリフトテーブルとスライドテーブルとタイヤ受台を示し、(A)は側面図、(B)は断面図である。
【図10】図10はリフトテーブルとスライドテーブルとタイヤ受台を示す平面図である。
【図11】図11は図10のXI−XI線に沿う断面図である。
【図12】図12は図10のXII−XII線に沿う断面図である。
【符号の説明】
【0073】
1 床面
2 ピット
10 リフト装置
11 昇降駆動装置
20 リフトテーブル
22、72 バネ材
23、73 ローラー
30A、30B スライドテーブル
40A、40B タイヤ受台
50、80 ストッパ手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降駆動装置に載架されて昇降せしめられるリフトテーブルと、
リフトテーブルに載架される前後のスライドテーブルと、
前後のスライドテーブルに載架される前後のタイヤ受台とを有してなる車両整備用リフト装置であって、
リフトテーブルは車両底面内における左右を除く中央部にだけ対応する範囲に配置され、
前後の少なくとも一方のスライドテーブルはリフトテーブルの前方又は後方へ向けてスライド可能に配置され、
前後のタイヤ受台は前後のスライドテーブルの左右に延在され、タイヤをドライブオン可能にする車両整備用リフト装置。
【請求項2】
前記リフトテーブルとスライドテーブルの一方にバネ材を設け、バネ材に支持したローラーをリフトテーブルとスライドテーブルの他方の面に弾発的に当接する請求項1に記載の車両整備用リフト装置。
【請求項3】
前記リフトテーブルを最下限に設定したとき、タイヤ受台の左右下面と作業場の床面との間に隙間を介した請求項1又は2に記載の車両整備用リフト装置。
【請求項4】
前記スライドテーブルをリフトテーブルに対し車両のホイールベース方向に不動にするストッパ手段を備えた請求項1〜3のいずれかに記載の車両整備用リフト装置。
【請求項5】
前記前後のタイヤ受台を前後のスライドテーブルに対し車両のホイールベース方向にスライド可能にする請求項1〜4のいずれかに記載の車両整備用リフト装置。
【請求項6】
前記前後のタイヤ受台が、前後のスライドテーブル上で互いに近接せしめられる状態で、それら前後のタイヤ受台を車両の前後の車輪の間隔内に納め、
前後のタイヤ受台に載置される車体受パッドを車両の底面のリフトポイントに当接可能にする請求項5に記載の車両整備用リフト装置。
【請求項7】
前記スライドテーブルとタイヤ受台の一方にバネ材を設け、バネ材に支持したローラーをスライドテーブルとタイヤ受台の他方の面に弾発的に当接する請求項5又は6に記載の車両整備用リフト装置。
【請求項8】
前記タイヤ受台をスライドテーブルに対し車両のホイールベース方向に不動にするストッパ手段を備えた請求項5〜7のいずれかに記載の車両整備用リフト装置。
【請求項9】
前記前後のタイヤ受台を前後のスライドテーブルに対し車両の車幅方向にスライド可能にする請求項1〜8のいずれかに記載の車両整備用リフト装置。
【請求項1】
昇降駆動装置に載架されて昇降せしめられるリフトテーブルと、
リフトテーブルに載架される前後のスライドテーブルと、
前後のスライドテーブルに載架される前後のタイヤ受台とを有してなる車両整備用リフト装置であって、
リフトテーブルは車両底面内における左右を除く中央部にだけ対応する範囲に配置され、
前後の少なくとも一方のスライドテーブルはリフトテーブルの前方又は後方へ向けてスライド可能に配置され、
前後のタイヤ受台は前後のスライドテーブルの左右に延在され、タイヤをドライブオン可能にする車両整備用リフト装置。
【請求項2】
前記リフトテーブルとスライドテーブルの一方にバネ材を設け、バネ材に支持したローラーをリフトテーブルとスライドテーブルの他方の面に弾発的に当接する請求項1に記載の車両整備用リフト装置。
【請求項3】
前記リフトテーブルを最下限に設定したとき、タイヤ受台の左右下面と作業場の床面との間に隙間を介した請求項1又は2に記載の車両整備用リフト装置。
【請求項4】
前記スライドテーブルをリフトテーブルに対し車両のホイールベース方向に不動にするストッパ手段を備えた請求項1〜3のいずれかに記載の車両整備用リフト装置。
【請求項5】
前記前後のタイヤ受台を前後のスライドテーブルに対し車両のホイールベース方向にスライド可能にする請求項1〜4のいずれかに記載の車両整備用リフト装置。
【請求項6】
前記前後のタイヤ受台が、前後のスライドテーブル上で互いに近接せしめられる状態で、それら前後のタイヤ受台を車両の前後の車輪の間隔内に納め、
前後のタイヤ受台に載置される車体受パッドを車両の底面のリフトポイントに当接可能にする請求項5に記載の車両整備用リフト装置。
【請求項7】
前記スライドテーブルとタイヤ受台の一方にバネ材を設け、バネ材に支持したローラーをスライドテーブルとタイヤ受台の他方の面に弾発的に当接する請求項5又は6に記載の車両整備用リフト装置。
【請求項8】
前記タイヤ受台をスライドテーブルに対し車両のホイールベース方向に不動にするストッパ手段を備えた請求項5〜7のいずれかに記載の車両整備用リフト装置。
【請求項9】
前記前後のタイヤ受台を前後のスライドテーブルに対し車両の車幅方向にスライド可能にする請求項1〜8のいずれかに記載の車両整備用リフト装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−232542(P2006−232542A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−54092(P2005−54092)
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【出願人】(000114695)株式会社ヤスヰ (41)
【出願人】(000135737)株式会社バンザイ (17)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【出願人】(000114695)株式会社ヤスヰ (41)
【出願人】(000135737)株式会社バンザイ (17)
【Fターム(参考)】
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