車両検知システム
【課題】閾値処理により誤検知を抑制し、かつ、ヒストグラムによる統計量を用いて高精度な検知もしくは測定を行う。
【解決手段】対象物の車両の三次元画像を取得する三次元画像撮像装置1と、三次元データの誤検知軽減のための閾値処理を行う三次元データ閾値処理装置11と、閾値処理された三次元データを用いて車両の検知を行う車両検知装置12と、閾値処理後の三次元データを用いて奥行距離ヒストグラムを作成し、作成されたヒストグラムから、並走の有無を検知する並走検知装置13と、閾値処理後の三次元データを用いて高度ヒストグラムを作成し、作成されたヒストグラムから、車高を測定する車高測定装置14とを備えている。
【解決手段】対象物の車両の三次元画像を取得する三次元画像撮像装置1と、三次元データの誤検知軽減のための閾値処理を行う三次元データ閾値処理装置11と、閾値処理された三次元データを用いて車両の検知を行う車両検知装置12と、閾値処理後の三次元データを用いて奥行距離ヒストグラムを作成し、作成されたヒストグラムから、並走の有無を検知する並走検知装置13と、閾値処理後の三次元データを用いて高度ヒストグラムを作成し、作成されたヒストグラムから、車高を測定する車高測定装置14とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両検知システムに関し、特に、三次元画像撮像装置を用いて車両の撮像を行い、取得した三次元データから車両の検知と車両情報の取得を行う車両検知システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
2以上の車両が並走している場合には、一方の車両に遮られて車両間のスペースが陰となって、もう一方の車両が検知されない場合がある。そこで、従来技術の並走検知方式は、車両検知区域の走行車線(車両通路)の上部に、車両が視野内に入るよう、距離値が取得可能なセンサを設置し、上方から車両を走査して、車両までの距離値を求め、取得された距離値の連続性より、並走する車両を検知していた(例えば、特許文献1参照)。当該並走検知方式においては、単一センサのみでは、オクルージョンによる誤検出が考えられるため、複数台のセンサを用いて補完し、距離値の連続性を調べることによってその精度を向上させている。
【0003】
また、別の従来技術の車高測定方式は、設置されたオーバーヘッドセンサを用い、取得された三次元値を車高として抽出している(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−20770号公報
【特許文献2】特開平10−105868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1、2に記載する従来技術では、常時距離値が取得できることを前提としている。しかしながら、環境的外乱がある場合では、安定した距離値の取得が困難であるため、これら従来技術では測定または検知の精度が低くなる。また、連続性を見る特許文献1では、特に、その精度を劣化させる原因となり得る。
【0006】
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、たとえ取得したデータに誤検知データが存在した場合においても、当該誤検知を抑制するとともに、ヒストグラムによる統計量を用いることにより、高精度な検知もしくは測定を行うことが可能な車両検知システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、対象物の車両の三次元画像を取得する三次元画像撮像装置と、前記三次元画像データの閾値処理を行って不要データを除去し有効データのみを残す三次元データ閾値処理装置と、前記三次元画像データ中の有効データ数に基づいて車両を検知する車両検知装置と、前記車両検知装置によって検知された車両の並走の有無を検知するための進行方向のウィンドウを設定する並走ウィンドウ設定装置と、前記三次元画像データから前記ウィンドウ分の奥行データを保存する奥行データ保存装置と、前記奥行データに対して、ヒストグラムを作成するための奥行距離ヒストグラム間隔を設定する奥行距離ヒストグラム間隔設定装置と、前記奥行データの前記奥行距離ヒストグラム間隔のヒストグラムを作成する奥行距離ヒストグラム作成装置と、車両の並走を検知するための前記ヒストグラムに対する並走用閾値を設定する並走用閾値設定装置と、前記並走用閾値を用いて前記ヒストグラムの閾値処理を行う奥行距離ヒストグラム閾値処理装置と、前記閾値処理を行ったヒストグラムより並走の有無を検知するラベリング処理装置とを備えた車両検知システムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、対象物の車両の三次元画像を取得する三次元画像撮像装置と、前記三次元画像データの閾値処理を行って不要データを除去し有効データのみを残す三次元データ閾値処理装置と、前記三次元画像データ中の有効データ数に基づいて車両を検知する車両検知装置と、前記車両検知装置によって検知された車両の並走の有無を検知するための進行方向のウィンドウを設定する並走ウィンドウ設定装置と、前記三次元画像データから前記ウィンドウ分の奥行データを保存する奥行データ保存装置と、前記奥行データに対して、ヒストグラムを作成するための奥行距離ヒストグラム間隔を設定する奥行距離ヒストグラム間隔設定装置と、前記奥行データの前記奥行距離ヒストグラム間隔のヒストグラムを作成する奥行距離ヒストグラム作成装置と、車両の並走を検知するための前記ヒストグラムに対する並走用閾値を設定する並走用閾値設定装置と、前記並走用閾値を用いて前記ヒストグラムの閾値処理を行う奥行距離ヒストグラム閾値処理装置と、前記閾値処理を行ったヒストグラムより並走の有無を検知するラベリング処理装置とを備えた車両検知システムであるので、たとえ取得したデータに誤検知データが存在した場合においても、当該誤検知を抑制するとともに、ヒストグラムによる統計量を用いることにより、高精度な検知もしくは測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態1に係る車両検知システムの構成の概念を示す概念図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る車両検知システムの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る車両検知システムに設けられた車両検知装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る車両検知システムに設けられた並走検知装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る車両検知システムに設けられた車高測定装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る車両検知システムに設けられた並走検知装置が保存する奥行値−高度値特性を示す模擬図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る車両検知システムに設けられた車高測定装置が車両の高度を測定する概念を示した概念説明図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る車両検知システムの構成の概念を示す概念図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る車両検知システムの構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態3に係る車両検知システムの構成の概念を示す概念図である。
【図11】本発明の実施の形態3に係る車両検知システムの構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の実施の形態3に係る車両検知システムに設けられた三次元データ統合処理装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の車両検知システムの好適な実施の形態につき、図面を用いて説明する。
【0011】
実施の形態1.
まず、本発明の実施の形態1に係る車両検知システムの構成について説明する。本実施の形態に係る、センサの設置状態を図1に示す。このとき、図1に示すように、地上に対し直上方向を高度方向(Z)とする。高度方向(Z)において、地表面のY座標を0とする。また、当該高度方向に対して垂直な方向を奥行方向(X)とする。奥行方向(X)は、センサから見た奥行を示す指標であり、走行車線に対して垂直な道幅方向である。奥行方向(X)における、センサの設置位置の真下の地表面の位置(または支柱の設置位置)のX座標を0とし、そこから車両までの地表面上での距離がそれぞれの車両の奥行距離となる。また、高度−奥行方向の平面に対し、垂直な方向を進行方向(Y)と定義する。
【0012】
図1の例は、いま、走行車線(車両通路)の進行方向に向かって2台の二輪車(以下、車両とする。)が並走している状態を示している。そのとき、センサは、走行車線脇に設けられた支柱の高度Hの位置に設置されている。以下、Hをセンサ高度とする。図1において、θは、センサオフナディア角、Φはビーム走査角度、Dは視線方向距離値である。また、図1のハッチングが施されている箇所が、センサのビーム照射領域である。センサオフナディア角θは、センサのカメラの位置とその真下の位置とを結んだ線を基準線とし、当該基準線とセンサの初期の視線方向(基準ビーム放射方向)とがなす角度である。なお、センサの初期の視線方向とは、センサが首振りせずに、基準となる標準位置で、まっすぐ前を向いている状態の、センサの視線方向のことである。また、ビーム走査角度Φは、センサの初期の視線方向と現在のセンサの視線方向とがなす角度である。ビーム走査角度Φは、センサの初期の視線方向を基準として反時計回りに走査した場合が正の値となり、時計回りに走査した場合が負の値となる。視線方向距離値Dは、センサの視線方向におけるセンサから目標物(車両)までの距離である。
【0013】
ビーム照射領域から得られる、ある車両の視線方向距離値をdとし、ビーム走査角度をΦ、センサオフナディア角をθとすると、当該車両の高度値Zおよび奥行距離値Xは、次式(1)で得られる。
【0014】
Z=H−d cos(θ+Φ)
X=d sin(θ+Φ) ・・・(1)
【0015】
図2は、本発明の実施の形態1に係わる車両検知システムの構成を示すブロック図である。図2に示すように、車両検知システムは、三次元画像撮像装置1と三次元画像処理装置2とから構成されている。
【0016】
三次元画像撮像装置1は、センサを備えた、受信スキャンレス型のレーザ画像計測装置であり(例えば、特願2009−125537号参照)、センサビームを奥行方向の1次元に走査し、その走査範囲における多点の測距と走査角から、対象物の二次元断面を取得する。また、対象物が通過することにより、その三次元画像を取得する。三次元画像撮像装置1からの出力1001は、撮像対象の対象物の三次元値および強度値に相当する電気信号を表す。なお、この実施の形態では、任意の領域を観測するとともに、観測領域内の各観測地点の距離値と、その奥行方向角度及び高度方向角度、並びに、反射強度値を得ることができるレーザ画像計測装置を対象に説明するが、この発明は、同様のデータが得られるものであれば、レーザ画像計測装置に限るものではない。
【0017】
三次元画像処理装置2は、図2に示すように、三次元データ閾値処理装置11、車両検知装置12、並走検知装置13、および、車高測定装置14で構成され、その出力は並走検知フラグおよび車高値に相当する電気信号を出力する。
【0018】
三次元データ閾値処理装置11は、強度、距離、高度もしくは奥行距離を用いた誤検出防止のための不要データの除去のための装置で、その出力1011は、三次元画像撮像装置1からの出力1001を閾値処理して当該出力1001から不要データを除去した三次元データである。なお、当該閾値処理とは、三次元画像撮像装置1からの出力1001の三次元データと予め設定された所定の閾値とを比較し、三次元データのうちで、当該所定の閾値よりも大きいデータを有効データとして残し、所定の閾値に満たないデータは不要データとして除去する処理のことである。
【0019】
車両検知装置12は、図3に示すように、有効画素数算出装置1201と有効画素数比較装置1202とから構成されている。有効画素数算出装置1201は、撮像された三次元データの中に車両が存在するかを調べるために、三次元データ閾値処理装置11からの出力1011の三次元データ内の有効データ数を計測し、当該有効データ数に相当する電気信号121を出力する。有効画素数比較装置1202は、有効画素数算出装置1201から出力された有効データ数に相当する電気信号121と予め設定された所定の個数閾値とを比較し、有効データ数の個数が個数閾値以上であるかを判定する。有効画素数比較装置1202は、有効データ数が個数閾値以上存在した場合は、三次元データ内に車両が存在していると判定し、車両検知フラグをONにして出力1012を出力し、一方、個数閾値未満の場合は、車両が存在していなかったと判定して、車両検知フラグをOFFにして出力1012を出力する。なお、個数閾値は、任意の個数に設定可能である。
【0020】
並走検知装置13は、図4に示すように、奥行データ保存装置1301と、奥行距離ヒストグラム作成装置1302と、奥行距離ヒストグラム閾値処理装置1303と、ラベリング処理装置1304とから構成されている。また、並走検知装置13の外部には、並走ウィンドウ設定装置1305,奥行距離ヒストグラム間隔設定装置1306,並走用閾値設定装置1307が設けられている。並走ウィンドウ設定装置1305は、車両検知装置12によって車両が検知されたときに、当該車両の並走を検知するための進行方向のウィンドウを設定する。奥行データ保存装置1301は、三次元データの中の、並走ウィンドウ設定装置1305によって設定された進行方向のウィンドウ分の奥行データを保存する。奥行距離ヒストグラム間隔設定装置1306は、奥行データに対して、ヒストグラムを作成する際の奥行距離ヒストグラム間隔を設定する。奥行距離ヒストグラム作成装置1302は、奥行データ保存装置1301に保存された奥行データに相当する電気信号出力132と奥行距離ヒストグラム間隔設定装置1306で設定された奥行距離ヒストグラム間隔に相当する電気信号出力135とを用いて、奥行距離ヒストグラムを作成する。並走用閾値設定装置1307は、車両の並走を検知するための、ヒストグラムに対する並走用閾値を設定する。奥行距離ヒストグラム閾値処理装置1303は、奥行距離ヒストグラム作成装置1302で作成されたヒストグラムに相当する電気信号出力133と並走用閾値設定装置1307で設定された並走用閾値に相当する電気信号出力136とを用いて閾値処理を行う。すなわち、閾値以上のヒストグラムだけを残し、閾値未満のヒストグラムは除去する。ラベリング処理装置1304は、奥行距離ヒストグラム閾値処理装置1303で閾値処理されたヒストグラムに相当する電気信号出力134を用いて、並走の有無の別を示すラベリングを行い、並走検知フラグに相当する電気信号出力1013を出力する。並走検知フラグは並走が検知された場合には1、検知されなかった場合は0に設定される。なお、図4に示した、並走ウィンドウ設定装置1305,奥行距離ヒストグラム間隔設定装置1306,並走用閾値設定装置1307は、それぞれ、並走検知装置13の外部に設けられた装置であると説明したが、その場合に限らず、並走検知装置13の内部に設けるようにしてもよい。
【0021】
車高測定装置14は、図5に示すように、高度データ保存装置1401と、高度ヒストグラム作成装置1402と、高度ヒストグラム閾値処理装置1403と、車高候補保存装置1404と、移動平均処理装置1405と、車高算出装置1406とから構成されている。また、車高測定装置14の外部には、車高ウィンドウ設定装置1407,高度ヒストグラム間隔設定装置1408,車高用閾値設定装置1409が設けられている。車高ウィンドウ設定装置1407は、車両検知装置12によって車両が検知されたときに、車両の車高を算出するための進行方向のウィンドウを、図7に示すように、設定する。高度データ保存装置1401は、車高ウィンドウ設定装置1407において設定されたウィンドウ分の高度データ146を保存する。高度ヒストグラム間隔設定装置1408は、高度データに対して、高度ヒストグラムを作成するための高度ヒストグラム間隔を設定する。高度ヒストグラム作成装置1402は、高度データ保存装置1401に保存された高度データに相当する電気信号出力141と高度ヒストグラム間隔設定装置1408において設定された高度ヒストグラム間隔に相当する電気信号147とを用いて、高度ヒストグラムを作成する(図7参照)。車高用閾値設定装置1409は、車高を検知するための、高度ヒストグラムに対する車高用閾値を設定する。高度ヒストグラム閾値処理装置1403は、高度ヒストグラム作成装置1402で作成された高度ヒストグラムに相当する電気信号出力142と車高用閾値設定装置1409において決定された車高用閾値に相当する電気信号148とを用いて閾値処理を行って、不要データを除去する(図7参照)。車高候補保存装置1404は、高度ヒストグラム閾値処理装置1403で閾値処理を行った高度ヒストグラムに相当する電気信号143を用いて車高候補を算出し、その値を保存する(図7参照)。移動平均処理装置1405は、その保存された車高候補保存値に相当する電気信号出力144を用いて、移動平均処理を行う。車高算出装置1406は、移動平均を行った結果に相当する電気信号出力145を用いて車高を算出し、車高値に相当する電気信号1014を出力する。なお、図5における、車高ウィンドウ設定装置1407,高度ヒストグラム間隔設定装置1408,車高用閾値設定装置1409は、車高測定装置14の外部に設けられたものとして説明したが、その場合に限らず、車高測定装置14内に設けるようにしてもよい。
【0022】
次に、動作について説明する。本実施の形態では、三次元画像撮像装置1により、センサの照射領域において、目標物の高度、奥行距離、強度情報を取得する。なお、これに限定されるものではなく、強度情報が取得不可能な三次元画像撮像装置1でもよい。次に、三次元データ閾値処理装置11が、高度値もしくは強度値の情報を用いて、不要データの除去を行う。例として、地面高度を0とした場合、地面とその他物体を分離可能な高度閾値Tzを予め設定し、当該高度閾値Tz以下の高度データもしくは奥行距離データを不要データとして除去する。または、地面とその他物体を分離可能な強度閾値Tiを設定し、当該強度閾値Ti以下の強度データを不要データとして除去する。強度閾値Tiの設定に対しては、予め取得しておいた路面強度値を基準とし、その値に対してマージンをとったものとするなどの手法がある。その他、高度閾値Tzおよび強度閾値Tiとして、ユーザによって、任意に固定値を設定しておいてもよい。本処理により、不要データが除去されるため、誤検出を低減する効果がある。
【0023】
次に、車両検知装置12において、有効画素数算出装置1201が以下の処理を行う。すなわち、取得された画像の左右方向(時間変化方向)をライン方向とすると、三次元データ閾値処理装置11において閾値処理をいった画像のライン画素毎に、除去されていない画素(以下、有効画素数とする)の個数を算出する。次に、有効画素数比較装置1202が、有効画素数とユーザによって設定した個数閾値との比較を行い、有効画素数が個数閾値以上存在する場合は、そのラインには車両が存在するとし、車両検知フラグをONとし、そうでない場合は、車両がいないものとして判断し、車両検知フラグをOFFとする。このように、データの有無ではなく、有効データの個数による閾値を設けることにより、検知の精度を上げる効果がある。効果例として、環境的外乱が発生した場合でも誤検知しないようにするためのものである。
【0024】
次に、並走検知装置13において、図1に示すような並走した車両が通過したことを検知する。まず、並走ウィンドウ設定装置1305において、ウィンドウ(保存するデータのライン数)を設定する。このウィンドウはユーザにより設定することも可能であるが、車両検知装置12の車両検知されている時間をウィンドウのサイズとしてフィードバックしてもよい。これにより、ウィンドウサイズの設定が可能となる利点がある。
【0025】
奥行データ保存装置1301では、三次元データの中の、上記ウィンドウ分の、上記車両検知フラグがON時の奥行データを保存する。ここで、保存された奥行値−高度値特性の模擬図を図6に示す。黒点はデータ点を表し、丸破線A,Bは各車両のデータ群を表す。本検知手法は、このデータ群のデータ個数を算出し、並走を検知することである。上記を達成するために、奥行ヒストグラム作成装置1302では、奥行距離ヒストグラム間隔設定装置1306において設定される奥行距離ヒストグラム間隔値を用いて、奥行距離のヒストグラムを作成する。例として、奥行距離ヒストグラム間隔は想定される車両間隔の1/2を設定する。また、センサの奥行距離方向の分解能を基準として設定してもよい。
【0026】
並走用距離ヒストグラム閾値処理装置1303では、並走用閾値設定装置1307において設定された並走用閾値を用いて、奥行距離ヒストグラムに対して閾値処理を行い、2値化する。すなわち、並走用閾値以上であれば1、並走用閾値未満であれば0とする。並走用閾値は、例として、ヒストグラムの総数の標準偏差にする、もしくは、ユーザにより決定される任意の信頼できるデータ量相当にしてもよい。本手法のように、ヒストグラムをとり、閾値処理を行うことによって、環境的外乱等に起因する車両以外のデータによる誤検知を抑止する効果がある。
【0027】
ラベリング処理装置1304では、閾値処理され、2値化されたヒストグラムの1が2個以上連続する領域を抽出し、それをカウントして、その連続領域の個数を算出する。その個数が1の場合は、並走検知フラグを0とし、個数が2以上の場合は2台以上の並走状態であるとし、並走検知フラグを1として出力する。以上の処理を行うことで、測距精度が低い状態もしくは環境的外乱がある状態においても並走を検知することができる。
【0028】
次に、車高測定装置14が、図1のセンサ配置においてセンサの観測領域内に進入してくる車両高度を測定する。概略説明を図7に示す。まず、図7(a)に示すように、車高ウィンドウ設定装置1405が、車高を検知するための進行方向のウィンドウを設定する。次に、高度データ保存装置1401が、車両検知フラグがONの場合、各走行車線の高度値を車高ウィンドウ設定装置1405で設定されるウィンドウ幅分保存する。次に、高度ヒストグラム作成装置1402が、上記保存された高度データと、高度ヒストグラム間隔設定装置1406において設定されるヒストグラム間隔とを用いて、図7(b)に示すような、高度ヒストグラムを作成する。次に、高度ヒストグラム閾値処理装置1403が、作成された高度ヒストグラムに対し、車高用閾値決定装置1407において設定される閾値を用いて、閾値処理を行う。設定する閾値は、センサの高さ方向分解能によって決定してもよい。例えば、ウィンドウ幅1、センサの高さ方向分解能が1cm、ヒストグラム間隔を10cmとした場合、車両のような矩形が存在すれば、10データ以上は各ヒストグラムに存在する。そのため、閾値を半分の5カウント(=5cm)と設定するなどの方法がある。
【0029】
次に、車高候補保存装置1404が、閾値処理されたヒストグラムの中でも最も高いヒストグラムの平均値もしくは最大値を、そのウィンドウ内の車高候補として、図7(c)に示すように、車高候補保存値に保存する。図7では、ウィンドウ幅を大きくし最高候補値を算出しているが、設定するウィンドウ幅を1とし、ウィンドウの概念をなくしてもよい。ただし、ウィンドウ幅をもたせることにより、統計量が多くなるため、その精度は向上することが効果として挙げられる。次に、移動平均処理装置1405が、保存された車高候補保存値に対し、移動平均処理を行う。これは、取得された車高候補保存値の急峻な変動を抑圧するためのものである。ただし、ウィンドウ幅が大きい場合は、移動平均処理1405を行わずとも、十分な精度を上げることができるため、ウィンドウ幅により、本処理を入れるか否かを選択可能にしてもよい。次に、車高算出装置1406が、車両検知が終了した時点での車高候補保存値の最大高度を抽出し、車高を出力とする。これにより、車高を測定する。
【0030】
上記手法を用いることにより、環境的外乱による誤った高度データが得られたとしても、統計量を用いることにより、図7の高度ヒストグラムに表すような不要データとして除去することが可能であり、最高高度を抽出するのみの車高測定よりも高精度な車高測定が可能となる。
【0031】
以上のように、本実施の形態においては、対象物の車両の三次元画像を取得する三次元画像撮像装置1と、三次元データの誤検知軽減のための閾値処理を行う三次元データ閾値処理装置11と、車両の検知を行う車両検知装置12と、閾値処理後の三次元データを用いてヒストグラムを作成し、作成されたヒストグラムより、並走ないし車高を測定する並走検知装置13および車高測定装置14を備えるようにしたので、取得したデータに誤検知データが存在した場合においても、閾値処理で誤検知を軽減し、かつ、ヒストグラムによる統計量を用いることにより、高精度な検知もしくは測定を行うことができる。
【0032】
実施の形態2.
まず、本発明の実施の形態2に係る車両検知システムの構成について説明する。本実施の形態に係る、センサの設置状態を図8に示す。図8においては、車両進行方向を走行車線方向(レーン方向)とすると、走行車線方向の同一位置、すなわち、同一走行車線の対向する両端にセンサ1,2を設置する。このとき、図8(a)に示すように、地上に対し直上方向を高度方向とし、当該高度方向に対して垂直な方向を奥行方向とする。なお、奥行方向は、センサ1のX座標を0とする道幅方向である。また、高度−奥行方向の平面に対し、垂直な方向を進行方向と定義する。
【0033】
図8の例は、いま、走行車線の進行方向に向かって2台の二輪車(以下、車両とする。)が並走している状態を示している。センサ1は、走行車線の一方の車線脇に設けられた支柱1の高度Hの位置に設置されている。以下、Hをセンサ高度とする。また、センサ2は、走行車線の他方の車線脇に設けられた支柱2の高度(H+ΔH)の位置に設置されている。従って、センサ1とセンサ2のセンサ高度差は、ΔHである。また、センサ1とセンサ2との間の奥行方向の距離差(以下、奥行距離差とする)は、ΔLである。センサ1およびセンサ2の進行方向における位置は、図8(b)の上面図に示されるように同じであり、走行車線を挟んでちょうど向かい合う位置に対向して設けられている。
【0034】
図9は、本発明の実施の形態2に係わる車両検知システムの構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る車両検知システムは、図9に示すように、三次元画像撮像装置1と、それと同じ機能を持つ第2の三次元画像撮像装置1’と、三次元画像処理装置3とから構成されている。
【0035】
三次元画像撮像装置1と第2の三次元画像撮像装置1’は、図8に示すサンセ1,センサ2をそれぞれ有し、三次元データもしくは強度データを取得可能な機能を持ち、それぞれに相当する電気信号を出力信号1001もしくは出力信号1001’として出力するものである。基本的な動作は、図2に示した実施の形態1の三次元画像撮像装置1と同じである。
【0036】
また、本実施の形態においては、三次元画像処理装置3が、三次元データ閾値処理装置11、三次元データ統合処理装置15、車両検知装置12、並走検知装置13、および、車高測定装置14で構成され、その出力は並走検知フラグおよび車高値に相当する電気信号を出力する。図2に示した実施の形態1の三次元画像処理装置2との違いは、三次元データ統合装置15が、三次元データ閾値処理装置11と車両検知装置12との間に、追加された点である。他の構成については、実施の形態1と同じであるため、ここではその説明を省略する。
【0037】
三次元データ統合装置15は、三次元データ閾値処理装置11で閾値処理された三次元データに相当する電気信号出力1011が入力される。ここで、当該電気信号出力1011は、三次元画像撮像装置1からの三次元データと、第2の三次元画像撮像装置1’からの三次元データとを、それぞれ、閾値処理したものである。三次元データ統合装置15は、こうして入力された2つの三次元データのそれぞれの情報を統合する機能を持ち、統合した三次元データに相当する信号を出力信号1015として出力する。その他の装置11〜14は、実施の形態1と同じであるため、ここでは説明を省略する。
【0038】
次に、動作について説明する。三次元画像撮像装置1、および、第2の三次元画像撮像装置1’において取得された三次元データ、強度データに対し、それぞれ、三次元データ閾値処理装置11において閾値処理を行う。閾値処理されたそれぞれのデータ集合を、(X1,Z1,I1),(X1’,Z1’,I1’)とする。これらのデータ集合は、電気信号出力1011として出願され、三次元データ統合処理装置15に入力される。
【0039】
三次元データ統合装置15は、両データ集合を統合するための装置である。本実施の形態において、センサ1に基準を合わせるとすると、下式(2)により、三次元データX、Zはそれぞれ統合される。
【0040】
X = X1 ∪ (ΔL−X1’)
Z = Z1 ∪ Z1’ ・・・(2)
【0041】
こうして統合された三次元データ集合(X,Z)を用いて、実施の形態1で説明した車両検知、並走検知、車高測定と同じ処理を、それぞれ、車両検知装置12、並走検知装置13、車高測定装置14で行う。これらの処理については、実施の形態1と同じであるため、ここでは説明を省略する。
【0042】
本実施の形態2における効果は、センサの走査角度が道路幅全てを網羅できない場合、十分な車両検知、並走検知、及び/または、車高測定が不可能な場合が考えられるが、本実施の形態においては、走行車線の両側にセンサを設けるようにしたので、センサの走査角度が道路幅全てを網羅でき、十分な車両検知、並走検知、および、車高測定を行うことができる。また、本実施の形態においては、センサが2台であるため、データ量が約2倍相当になることから、統計量が増えることにより、検知もしくは測定の精度もさらに向上することができる。
【0043】
以上のように、本実施の形態においては、上記の実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、さらに、本実施の形態においては、センサを走行車線の両側に設け、それぞれによって撮像した三次元データを統合する三次元データ統合処理装置15を三次元画像処理装置3内に設けるようにしたので、センサの走査角度が道路幅全てを網羅できる可能性が高く、十分な車両検知、並走検知、および、車高測定を行うことができ、かつ、統計量が増えることにより、検知もしくは測定の精度をさらに向上させることができる。
【0044】
実施の形態3.
まず、本発明の実施の形態3に係る車両検知システムの構成について説明する。本実施の形態に係る、センサの設置状態を図10に示す。図10においては、走行車線の両端に、センサを設置し、それぞれ、センサ1およびセンサ1’としている。但し、車両進行方向を走行車線方向(レーン方向)とすると、センサ1とセンサ1’とは、異なるレーン方向位置に位置している。これは、設置の制約により、走行車線方向の異なる位置になるように、走行車線の両端にセンサを設置しなければならない場合等が相当する。
【0045】
センサ1とセンサ1’との走行車線方向の位置の差(以下、レーン方向距離差とする)は、ΔRである。センサ1’の走行車線方向の位置が、センサ1の走行車線方向の位置よりも、ΔRだけ、進行方向に向かって進んだ位置となっている。なお、図10においても、図1,図8と同様に、地上に対し直上方向を高度方向とし、当該高度方向に対して垂直な方向を奥行方向とする。また、高度−奥行方向の平面に対し、垂直な方向を進行方向と定義する。
【0046】
また、図8と同様に、センサ1は、走行車線の一方の車線脇に設けられた支柱1に設けられ、そのセンサ高度はHである。また、センサ2は、走行車線の他方の車線脇に設けられた支柱2に設けられ、そのセンサ高度は、H+ΔHである。従って、センサ1とセンサ2のセンサ高度差は、ΔHである。また、センサ1とセンサ2との間の奥行方向の距離差(以下、奥行距離差とする)は、ΔLである。なお、このΔLとは、センサ1とセンサ2との間の直線距離ではなく、図10(a),(b)に示すように、センサ1の奥行方向のX座標とセンサ2の奥行方向のX座標との差である。
【0047】
図11は、この発明の実施の形態3に係わる車両検知システムの構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る車両検知システムは、図11に示すように、三次元画像撮像装置1と、それと同じ機能を持つ第2の三次元画像撮像装置1’と、三次元画像処理装置4とから構成されている。
【0048】
三次元画像撮像装置1と第2の三次元画像撮像装置1’は、三次元データもしくは強度データを取得可能な機能を持ち、それぞれに相当する電気信号を出力信号1001および出力信号1001’を出力するものである。基本的な動作は、図2に示した実施の形態1の三次元画像撮像装置1と同じである。
【0049】
また、本実施の形態においては、三次元画像処理装置4が、三次元データ閾値処理装置11、車両検知装置12、車高測定装置14、三次元データ統合処理装置15a、並走検知装置13で構成され、その出力は並走検知フラグおよび車高値に相当する電気信号を出力する。図9に示した実施の形態2の三次元画像処理装置3との違いは、(1)本実施の形態による三次元画像処理装置4においては、三次元データ閾値処理装置11と車両検知装置12と車高測定装置14とが、それぞれ、2つずつ設けられている点と、(2)三次元データ統御処理装置15aが、車高測定装置14の後段に設けられている点と、(3)並走検知装置13が、車両検知装置12と車高測定装置14との間ではなく、三次元データ統合処理装置15aの後段に設けられている点である。他の構成については、実施の形態1,2と同じであるため、ここではその説明を省略する。
【0050】
本実施の形態においては、このように、2台の三次元撮像装置1,1’のそれぞれに対し、実施の形態1で説明した、三次元データ閾値処理装置11と車両検知装置12と車高測定装置14を各1つずつ設けるとともに、さらに、車高測定装置14の後段に、車両検知装置12からの出力が入力される三次元データ統合処理装置15aを設けた。三次元データ統合処理装置15aは、2台の車両の車速を算出し、当該車速を用いて2台のセンサの三次元データの統合を行い、統合された三次元データに相当する電気信号1011を出力し、実施の形態1または2で説明した並走検知装置17に入力する。
【0051】
次に、動作について説明する。まずはじめに、三次元データ閾値処理装置11で、三次元画像撮像装置1と1’それぞれにおいて取得された三次元データと強度データを用いて、閾値処理を行い、それぞれから不要データを除去する。次に、それぞれの車両検知装置12において、それぞれの三次元データ閾値処理装置11で閾値処理した三次元データを用いて、実施の形態1で説明した車両検知と同じ処理を行う。次に、車高測定装置14において、それぞれの車両検知装置12からの出力を用いて、実施の形態1と同様の車高測定をそれぞれ行う。
【0052】
三次元データ統合処理装置15aは、入力される2つの三次元データの統合処理を行うもので、図12に示すように、三次元データ保存装置16と、統合処理装置17とを備えている。
【0053】
三次元データ保存装置16では、三次元画像撮像装置1、1’のうち、車両検知がONとなるタイミングが早い方の三次元データを、車両検知時から保存する。統合処理装置17では、車両検知がONとなるタイミングが遅かった方の三次元データと、三次元データ保存装置16において保存された三次元データとを統合する。統合の方法は、上述の式(2)のものを用いる。こうして、三次元データ統合処理装置15aは、統合した結果を出力1011として出力する。
【0054】
並走検知装置13では、当該出力1011が入力され、実施の形態1、2同様、並走検知を行う。並走検知装置13の処理は、実施の形態1、2と同じであるため、ここでは説明を省略する。
【0055】
本実施の形態における効果は、センサの走査角度が道路幅全てを網羅できない場合で、かつ、設置の制約により走行車線方向の異なる位置に2台のセンサを設置した場合においても、車両検知、車高測定、並走検知を行うことができる点である。
【0056】
以上のように、本実施の形態においては、実施の形態1、2と同様の効果が得られるとともに、さらに、本実施の形態においては、走行車線方向の異なる位置に設置された2つのセンサに対して、それぞれ、三次元データ閾値処理装置11と車両検知装置12と車高測定装置14を設けて、それぞれ別個に車両検知および車高測定を行う、さらに、それらの車高測定装置14からの出力が入力される三次元データ統合処理装置15aを設けるようにして、三次元データを統合して並走検知を行うようにしたので、センサの走査角度が道路幅全てを網羅できない場合で、かつ、設置の制約により異なるレーン方向位置に2台のセンサを設置した場合においても、十分な車両検知、車高測定、並走検知を行うことができる。
【0057】
なお、図11では、三次元データ閾値処理装置11、車両検知装置12、車高測定装置14が、それぞれ、2つずつ設けられているが、これらは必ずしも2つずつ設ける必要はなく、共用するようにしてもよい。
【0058】
また、実施の形態2,3では、三次元画像撮像装置を2つ(センサを2つ)設ける例について説明したが、その場合に限らず、必要に応じて2以上の個数を適宜設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0059】
1 三次元画像撮像装置、1’ 第2の三次元画像撮像装置、2,3,4 三次元画像処理装置、11 三次元データ閾値処理装置、12 車両検知装置、13 並走検知装置、14 車高測定装置、15 三次元データ統合処理装置、15a 三次元データ統合処理装置、16 三次元データ保存装置、17 統合処理装置、1201 有効画素数算出装置、1202 有効画素数比較装置、1301 奥行データ保存装置、1302 奥行距離ヒストグラム作成装置、1303 奥行距離ヒストグラム閾値処理装置、1304 ラベリング処理装置、1305 並走ウィンドウ設定装置、1306 奥行距離ヒストグラム間隔設定装置、1307 並走用閾値設定装置、1401 高度データ保存装置、1402 高度ヒストグラム作成装置、1403 高度ヒストグラム閾値処理装置、1404 車高候補保存装置、1405 移動平均処理装置、1406 車高算出装置、1407 車高ウィンドウ設定装置、1408 高度ヒストグラム間隔設定装置、1409 車高用閾値設定装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両検知システムに関し、特に、三次元画像撮像装置を用いて車両の撮像を行い、取得した三次元データから車両の検知と車両情報の取得を行う車両検知システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
2以上の車両が並走している場合には、一方の車両に遮られて車両間のスペースが陰となって、もう一方の車両が検知されない場合がある。そこで、従来技術の並走検知方式は、車両検知区域の走行車線(車両通路)の上部に、車両が視野内に入るよう、距離値が取得可能なセンサを設置し、上方から車両を走査して、車両までの距離値を求め、取得された距離値の連続性より、並走する車両を検知していた(例えば、特許文献1参照)。当該並走検知方式においては、単一センサのみでは、オクルージョンによる誤検出が考えられるため、複数台のセンサを用いて補完し、距離値の連続性を調べることによってその精度を向上させている。
【0003】
また、別の従来技術の車高測定方式は、設置されたオーバーヘッドセンサを用い、取得された三次元値を車高として抽出している(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−20770号公報
【特許文献2】特開平10−105868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1、2に記載する従来技術では、常時距離値が取得できることを前提としている。しかしながら、環境的外乱がある場合では、安定した距離値の取得が困難であるため、これら従来技術では測定または検知の精度が低くなる。また、連続性を見る特許文献1では、特に、その精度を劣化させる原因となり得る。
【0006】
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、たとえ取得したデータに誤検知データが存在した場合においても、当該誤検知を抑制するとともに、ヒストグラムによる統計量を用いることにより、高精度な検知もしくは測定を行うことが可能な車両検知システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、対象物の車両の三次元画像を取得する三次元画像撮像装置と、前記三次元画像データの閾値処理を行って不要データを除去し有効データのみを残す三次元データ閾値処理装置と、前記三次元画像データ中の有効データ数に基づいて車両を検知する車両検知装置と、前記車両検知装置によって検知された車両の並走の有無を検知するための進行方向のウィンドウを設定する並走ウィンドウ設定装置と、前記三次元画像データから前記ウィンドウ分の奥行データを保存する奥行データ保存装置と、前記奥行データに対して、ヒストグラムを作成するための奥行距離ヒストグラム間隔を設定する奥行距離ヒストグラム間隔設定装置と、前記奥行データの前記奥行距離ヒストグラム間隔のヒストグラムを作成する奥行距離ヒストグラム作成装置と、車両の並走を検知するための前記ヒストグラムに対する並走用閾値を設定する並走用閾値設定装置と、前記並走用閾値を用いて前記ヒストグラムの閾値処理を行う奥行距離ヒストグラム閾値処理装置と、前記閾値処理を行ったヒストグラムより並走の有無を検知するラベリング処理装置とを備えた車両検知システムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、対象物の車両の三次元画像を取得する三次元画像撮像装置と、前記三次元画像データの閾値処理を行って不要データを除去し有効データのみを残す三次元データ閾値処理装置と、前記三次元画像データ中の有効データ数に基づいて車両を検知する車両検知装置と、前記車両検知装置によって検知された車両の並走の有無を検知するための進行方向のウィンドウを設定する並走ウィンドウ設定装置と、前記三次元画像データから前記ウィンドウ分の奥行データを保存する奥行データ保存装置と、前記奥行データに対して、ヒストグラムを作成するための奥行距離ヒストグラム間隔を設定する奥行距離ヒストグラム間隔設定装置と、前記奥行データの前記奥行距離ヒストグラム間隔のヒストグラムを作成する奥行距離ヒストグラム作成装置と、車両の並走を検知するための前記ヒストグラムに対する並走用閾値を設定する並走用閾値設定装置と、前記並走用閾値を用いて前記ヒストグラムの閾値処理を行う奥行距離ヒストグラム閾値処理装置と、前記閾値処理を行ったヒストグラムより並走の有無を検知するラベリング処理装置とを備えた車両検知システムであるので、たとえ取得したデータに誤検知データが存在した場合においても、当該誤検知を抑制するとともに、ヒストグラムによる統計量を用いることにより、高精度な検知もしくは測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態1に係る車両検知システムの構成の概念を示す概念図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る車両検知システムの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る車両検知システムに設けられた車両検知装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る車両検知システムに設けられた並走検知装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る車両検知システムに設けられた車高測定装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る車両検知システムに設けられた並走検知装置が保存する奥行値−高度値特性を示す模擬図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る車両検知システムに設けられた車高測定装置が車両の高度を測定する概念を示した概念説明図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る車両検知システムの構成の概念を示す概念図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る車両検知システムの構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態3に係る車両検知システムの構成の概念を示す概念図である。
【図11】本発明の実施の形態3に係る車両検知システムの構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の実施の形態3に係る車両検知システムに設けられた三次元データ統合処理装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の車両検知システムの好適な実施の形態につき、図面を用いて説明する。
【0011】
実施の形態1.
まず、本発明の実施の形態1に係る車両検知システムの構成について説明する。本実施の形態に係る、センサの設置状態を図1に示す。このとき、図1に示すように、地上に対し直上方向を高度方向(Z)とする。高度方向(Z)において、地表面のY座標を0とする。また、当該高度方向に対して垂直な方向を奥行方向(X)とする。奥行方向(X)は、センサから見た奥行を示す指標であり、走行車線に対して垂直な道幅方向である。奥行方向(X)における、センサの設置位置の真下の地表面の位置(または支柱の設置位置)のX座標を0とし、そこから車両までの地表面上での距離がそれぞれの車両の奥行距離となる。また、高度−奥行方向の平面に対し、垂直な方向を進行方向(Y)と定義する。
【0012】
図1の例は、いま、走行車線(車両通路)の進行方向に向かって2台の二輪車(以下、車両とする。)が並走している状態を示している。そのとき、センサは、走行車線脇に設けられた支柱の高度Hの位置に設置されている。以下、Hをセンサ高度とする。図1において、θは、センサオフナディア角、Φはビーム走査角度、Dは視線方向距離値である。また、図1のハッチングが施されている箇所が、センサのビーム照射領域である。センサオフナディア角θは、センサのカメラの位置とその真下の位置とを結んだ線を基準線とし、当該基準線とセンサの初期の視線方向(基準ビーム放射方向)とがなす角度である。なお、センサの初期の視線方向とは、センサが首振りせずに、基準となる標準位置で、まっすぐ前を向いている状態の、センサの視線方向のことである。また、ビーム走査角度Φは、センサの初期の視線方向と現在のセンサの視線方向とがなす角度である。ビーム走査角度Φは、センサの初期の視線方向を基準として反時計回りに走査した場合が正の値となり、時計回りに走査した場合が負の値となる。視線方向距離値Dは、センサの視線方向におけるセンサから目標物(車両)までの距離である。
【0013】
ビーム照射領域から得られる、ある車両の視線方向距離値をdとし、ビーム走査角度をΦ、センサオフナディア角をθとすると、当該車両の高度値Zおよび奥行距離値Xは、次式(1)で得られる。
【0014】
Z=H−d cos(θ+Φ)
X=d sin(θ+Φ) ・・・(1)
【0015】
図2は、本発明の実施の形態1に係わる車両検知システムの構成を示すブロック図である。図2に示すように、車両検知システムは、三次元画像撮像装置1と三次元画像処理装置2とから構成されている。
【0016】
三次元画像撮像装置1は、センサを備えた、受信スキャンレス型のレーザ画像計測装置であり(例えば、特願2009−125537号参照)、センサビームを奥行方向の1次元に走査し、その走査範囲における多点の測距と走査角から、対象物の二次元断面を取得する。また、対象物が通過することにより、その三次元画像を取得する。三次元画像撮像装置1からの出力1001は、撮像対象の対象物の三次元値および強度値に相当する電気信号を表す。なお、この実施の形態では、任意の領域を観測するとともに、観測領域内の各観測地点の距離値と、その奥行方向角度及び高度方向角度、並びに、反射強度値を得ることができるレーザ画像計測装置を対象に説明するが、この発明は、同様のデータが得られるものであれば、レーザ画像計測装置に限るものではない。
【0017】
三次元画像処理装置2は、図2に示すように、三次元データ閾値処理装置11、車両検知装置12、並走検知装置13、および、車高測定装置14で構成され、その出力は並走検知フラグおよび車高値に相当する電気信号を出力する。
【0018】
三次元データ閾値処理装置11は、強度、距離、高度もしくは奥行距離を用いた誤検出防止のための不要データの除去のための装置で、その出力1011は、三次元画像撮像装置1からの出力1001を閾値処理して当該出力1001から不要データを除去した三次元データである。なお、当該閾値処理とは、三次元画像撮像装置1からの出力1001の三次元データと予め設定された所定の閾値とを比較し、三次元データのうちで、当該所定の閾値よりも大きいデータを有効データとして残し、所定の閾値に満たないデータは不要データとして除去する処理のことである。
【0019】
車両検知装置12は、図3に示すように、有効画素数算出装置1201と有効画素数比較装置1202とから構成されている。有効画素数算出装置1201は、撮像された三次元データの中に車両が存在するかを調べるために、三次元データ閾値処理装置11からの出力1011の三次元データ内の有効データ数を計測し、当該有効データ数に相当する電気信号121を出力する。有効画素数比較装置1202は、有効画素数算出装置1201から出力された有効データ数に相当する電気信号121と予め設定された所定の個数閾値とを比較し、有効データ数の個数が個数閾値以上であるかを判定する。有効画素数比較装置1202は、有効データ数が個数閾値以上存在した場合は、三次元データ内に車両が存在していると判定し、車両検知フラグをONにして出力1012を出力し、一方、個数閾値未満の場合は、車両が存在していなかったと判定して、車両検知フラグをOFFにして出力1012を出力する。なお、個数閾値は、任意の個数に設定可能である。
【0020】
並走検知装置13は、図4に示すように、奥行データ保存装置1301と、奥行距離ヒストグラム作成装置1302と、奥行距離ヒストグラム閾値処理装置1303と、ラベリング処理装置1304とから構成されている。また、並走検知装置13の外部には、並走ウィンドウ設定装置1305,奥行距離ヒストグラム間隔設定装置1306,並走用閾値設定装置1307が設けられている。並走ウィンドウ設定装置1305は、車両検知装置12によって車両が検知されたときに、当該車両の並走を検知するための進行方向のウィンドウを設定する。奥行データ保存装置1301は、三次元データの中の、並走ウィンドウ設定装置1305によって設定された進行方向のウィンドウ分の奥行データを保存する。奥行距離ヒストグラム間隔設定装置1306は、奥行データに対して、ヒストグラムを作成する際の奥行距離ヒストグラム間隔を設定する。奥行距離ヒストグラム作成装置1302は、奥行データ保存装置1301に保存された奥行データに相当する電気信号出力132と奥行距離ヒストグラム間隔設定装置1306で設定された奥行距離ヒストグラム間隔に相当する電気信号出力135とを用いて、奥行距離ヒストグラムを作成する。並走用閾値設定装置1307は、車両の並走を検知するための、ヒストグラムに対する並走用閾値を設定する。奥行距離ヒストグラム閾値処理装置1303は、奥行距離ヒストグラム作成装置1302で作成されたヒストグラムに相当する電気信号出力133と並走用閾値設定装置1307で設定された並走用閾値に相当する電気信号出力136とを用いて閾値処理を行う。すなわち、閾値以上のヒストグラムだけを残し、閾値未満のヒストグラムは除去する。ラベリング処理装置1304は、奥行距離ヒストグラム閾値処理装置1303で閾値処理されたヒストグラムに相当する電気信号出力134を用いて、並走の有無の別を示すラベリングを行い、並走検知フラグに相当する電気信号出力1013を出力する。並走検知フラグは並走が検知された場合には1、検知されなかった場合は0に設定される。なお、図4に示した、並走ウィンドウ設定装置1305,奥行距離ヒストグラム間隔設定装置1306,並走用閾値設定装置1307は、それぞれ、並走検知装置13の外部に設けられた装置であると説明したが、その場合に限らず、並走検知装置13の内部に設けるようにしてもよい。
【0021】
車高測定装置14は、図5に示すように、高度データ保存装置1401と、高度ヒストグラム作成装置1402と、高度ヒストグラム閾値処理装置1403と、車高候補保存装置1404と、移動平均処理装置1405と、車高算出装置1406とから構成されている。また、車高測定装置14の外部には、車高ウィンドウ設定装置1407,高度ヒストグラム間隔設定装置1408,車高用閾値設定装置1409が設けられている。車高ウィンドウ設定装置1407は、車両検知装置12によって車両が検知されたときに、車両の車高を算出するための進行方向のウィンドウを、図7に示すように、設定する。高度データ保存装置1401は、車高ウィンドウ設定装置1407において設定されたウィンドウ分の高度データ146を保存する。高度ヒストグラム間隔設定装置1408は、高度データに対して、高度ヒストグラムを作成するための高度ヒストグラム間隔を設定する。高度ヒストグラム作成装置1402は、高度データ保存装置1401に保存された高度データに相当する電気信号出力141と高度ヒストグラム間隔設定装置1408において設定された高度ヒストグラム間隔に相当する電気信号147とを用いて、高度ヒストグラムを作成する(図7参照)。車高用閾値設定装置1409は、車高を検知するための、高度ヒストグラムに対する車高用閾値を設定する。高度ヒストグラム閾値処理装置1403は、高度ヒストグラム作成装置1402で作成された高度ヒストグラムに相当する電気信号出力142と車高用閾値設定装置1409において決定された車高用閾値に相当する電気信号148とを用いて閾値処理を行って、不要データを除去する(図7参照)。車高候補保存装置1404は、高度ヒストグラム閾値処理装置1403で閾値処理を行った高度ヒストグラムに相当する電気信号143を用いて車高候補を算出し、その値を保存する(図7参照)。移動平均処理装置1405は、その保存された車高候補保存値に相当する電気信号出力144を用いて、移動平均処理を行う。車高算出装置1406は、移動平均を行った結果に相当する電気信号出力145を用いて車高を算出し、車高値に相当する電気信号1014を出力する。なお、図5における、車高ウィンドウ設定装置1407,高度ヒストグラム間隔設定装置1408,車高用閾値設定装置1409は、車高測定装置14の外部に設けられたものとして説明したが、その場合に限らず、車高測定装置14内に設けるようにしてもよい。
【0022】
次に、動作について説明する。本実施の形態では、三次元画像撮像装置1により、センサの照射領域において、目標物の高度、奥行距離、強度情報を取得する。なお、これに限定されるものではなく、強度情報が取得不可能な三次元画像撮像装置1でもよい。次に、三次元データ閾値処理装置11が、高度値もしくは強度値の情報を用いて、不要データの除去を行う。例として、地面高度を0とした場合、地面とその他物体を分離可能な高度閾値Tzを予め設定し、当該高度閾値Tz以下の高度データもしくは奥行距離データを不要データとして除去する。または、地面とその他物体を分離可能な強度閾値Tiを設定し、当該強度閾値Ti以下の強度データを不要データとして除去する。強度閾値Tiの設定に対しては、予め取得しておいた路面強度値を基準とし、その値に対してマージンをとったものとするなどの手法がある。その他、高度閾値Tzおよび強度閾値Tiとして、ユーザによって、任意に固定値を設定しておいてもよい。本処理により、不要データが除去されるため、誤検出を低減する効果がある。
【0023】
次に、車両検知装置12において、有効画素数算出装置1201が以下の処理を行う。すなわち、取得された画像の左右方向(時間変化方向)をライン方向とすると、三次元データ閾値処理装置11において閾値処理をいった画像のライン画素毎に、除去されていない画素(以下、有効画素数とする)の個数を算出する。次に、有効画素数比較装置1202が、有効画素数とユーザによって設定した個数閾値との比較を行い、有効画素数が個数閾値以上存在する場合は、そのラインには車両が存在するとし、車両検知フラグをONとし、そうでない場合は、車両がいないものとして判断し、車両検知フラグをOFFとする。このように、データの有無ではなく、有効データの個数による閾値を設けることにより、検知の精度を上げる効果がある。効果例として、環境的外乱が発生した場合でも誤検知しないようにするためのものである。
【0024】
次に、並走検知装置13において、図1に示すような並走した車両が通過したことを検知する。まず、並走ウィンドウ設定装置1305において、ウィンドウ(保存するデータのライン数)を設定する。このウィンドウはユーザにより設定することも可能であるが、車両検知装置12の車両検知されている時間をウィンドウのサイズとしてフィードバックしてもよい。これにより、ウィンドウサイズの設定が可能となる利点がある。
【0025】
奥行データ保存装置1301では、三次元データの中の、上記ウィンドウ分の、上記車両検知フラグがON時の奥行データを保存する。ここで、保存された奥行値−高度値特性の模擬図を図6に示す。黒点はデータ点を表し、丸破線A,Bは各車両のデータ群を表す。本検知手法は、このデータ群のデータ個数を算出し、並走を検知することである。上記を達成するために、奥行ヒストグラム作成装置1302では、奥行距離ヒストグラム間隔設定装置1306において設定される奥行距離ヒストグラム間隔値を用いて、奥行距離のヒストグラムを作成する。例として、奥行距離ヒストグラム間隔は想定される車両間隔の1/2を設定する。また、センサの奥行距離方向の分解能を基準として設定してもよい。
【0026】
並走用距離ヒストグラム閾値処理装置1303では、並走用閾値設定装置1307において設定された並走用閾値を用いて、奥行距離ヒストグラムに対して閾値処理を行い、2値化する。すなわち、並走用閾値以上であれば1、並走用閾値未満であれば0とする。並走用閾値は、例として、ヒストグラムの総数の標準偏差にする、もしくは、ユーザにより決定される任意の信頼できるデータ量相当にしてもよい。本手法のように、ヒストグラムをとり、閾値処理を行うことによって、環境的外乱等に起因する車両以外のデータによる誤検知を抑止する効果がある。
【0027】
ラベリング処理装置1304では、閾値処理され、2値化されたヒストグラムの1が2個以上連続する領域を抽出し、それをカウントして、その連続領域の個数を算出する。その個数が1の場合は、並走検知フラグを0とし、個数が2以上の場合は2台以上の並走状態であるとし、並走検知フラグを1として出力する。以上の処理を行うことで、測距精度が低い状態もしくは環境的外乱がある状態においても並走を検知することができる。
【0028】
次に、車高測定装置14が、図1のセンサ配置においてセンサの観測領域内に進入してくる車両高度を測定する。概略説明を図7に示す。まず、図7(a)に示すように、車高ウィンドウ設定装置1405が、車高を検知するための進行方向のウィンドウを設定する。次に、高度データ保存装置1401が、車両検知フラグがONの場合、各走行車線の高度値を車高ウィンドウ設定装置1405で設定されるウィンドウ幅分保存する。次に、高度ヒストグラム作成装置1402が、上記保存された高度データと、高度ヒストグラム間隔設定装置1406において設定されるヒストグラム間隔とを用いて、図7(b)に示すような、高度ヒストグラムを作成する。次に、高度ヒストグラム閾値処理装置1403が、作成された高度ヒストグラムに対し、車高用閾値決定装置1407において設定される閾値を用いて、閾値処理を行う。設定する閾値は、センサの高さ方向分解能によって決定してもよい。例えば、ウィンドウ幅1、センサの高さ方向分解能が1cm、ヒストグラム間隔を10cmとした場合、車両のような矩形が存在すれば、10データ以上は各ヒストグラムに存在する。そのため、閾値を半分の5カウント(=5cm)と設定するなどの方法がある。
【0029】
次に、車高候補保存装置1404が、閾値処理されたヒストグラムの中でも最も高いヒストグラムの平均値もしくは最大値を、そのウィンドウ内の車高候補として、図7(c)に示すように、車高候補保存値に保存する。図7では、ウィンドウ幅を大きくし最高候補値を算出しているが、設定するウィンドウ幅を1とし、ウィンドウの概念をなくしてもよい。ただし、ウィンドウ幅をもたせることにより、統計量が多くなるため、その精度は向上することが効果として挙げられる。次に、移動平均処理装置1405が、保存された車高候補保存値に対し、移動平均処理を行う。これは、取得された車高候補保存値の急峻な変動を抑圧するためのものである。ただし、ウィンドウ幅が大きい場合は、移動平均処理1405を行わずとも、十分な精度を上げることができるため、ウィンドウ幅により、本処理を入れるか否かを選択可能にしてもよい。次に、車高算出装置1406が、車両検知が終了した時点での車高候補保存値の最大高度を抽出し、車高を出力とする。これにより、車高を測定する。
【0030】
上記手法を用いることにより、環境的外乱による誤った高度データが得られたとしても、統計量を用いることにより、図7の高度ヒストグラムに表すような不要データとして除去することが可能であり、最高高度を抽出するのみの車高測定よりも高精度な車高測定が可能となる。
【0031】
以上のように、本実施の形態においては、対象物の車両の三次元画像を取得する三次元画像撮像装置1と、三次元データの誤検知軽減のための閾値処理を行う三次元データ閾値処理装置11と、車両の検知を行う車両検知装置12と、閾値処理後の三次元データを用いてヒストグラムを作成し、作成されたヒストグラムより、並走ないし車高を測定する並走検知装置13および車高測定装置14を備えるようにしたので、取得したデータに誤検知データが存在した場合においても、閾値処理で誤検知を軽減し、かつ、ヒストグラムによる統計量を用いることにより、高精度な検知もしくは測定を行うことができる。
【0032】
実施の形態2.
まず、本発明の実施の形態2に係る車両検知システムの構成について説明する。本実施の形態に係る、センサの設置状態を図8に示す。図8においては、車両進行方向を走行車線方向(レーン方向)とすると、走行車線方向の同一位置、すなわち、同一走行車線の対向する両端にセンサ1,2を設置する。このとき、図8(a)に示すように、地上に対し直上方向を高度方向とし、当該高度方向に対して垂直な方向を奥行方向とする。なお、奥行方向は、センサ1のX座標を0とする道幅方向である。また、高度−奥行方向の平面に対し、垂直な方向を進行方向と定義する。
【0033】
図8の例は、いま、走行車線の進行方向に向かって2台の二輪車(以下、車両とする。)が並走している状態を示している。センサ1は、走行車線の一方の車線脇に設けられた支柱1の高度Hの位置に設置されている。以下、Hをセンサ高度とする。また、センサ2は、走行車線の他方の車線脇に設けられた支柱2の高度(H+ΔH)の位置に設置されている。従って、センサ1とセンサ2のセンサ高度差は、ΔHである。また、センサ1とセンサ2との間の奥行方向の距離差(以下、奥行距離差とする)は、ΔLである。センサ1およびセンサ2の進行方向における位置は、図8(b)の上面図に示されるように同じであり、走行車線を挟んでちょうど向かい合う位置に対向して設けられている。
【0034】
図9は、本発明の実施の形態2に係わる車両検知システムの構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る車両検知システムは、図9に示すように、三次元画像撮像装置1と、それと同じ機能を持つ第2の三次元画像撮像装置1’と、三次元画像処理装置3とから構成されている。
【0035】
三次元画像撮像装置1と第2の三次元画像撮像装置1’は、図8に示すサンセ1,センサ2をそれぞれ有し、三次元データもしくは強度データを取得可能な機能を持ち、それぞれに相当する電気信号を出力信号1001もしくは出力信号1001’として出力するものである。基本的な動作は、図2に示した実施の形態1の三次元画像撮像装置1と同じである。
【0036】
また、本実施の形態においては、三次元画像処理装置3が、三次元データ閾値処理装置11、三次元データ統合処理装置15、車両検知装置12、並走検知装置13、および、車高測定装置14で構成され、その出力は並走検知フラグおよび車高値に相当する電気信号を出力する。図2に示した実施の形態1の三次元画像処理装置2との違いは、三次元データ統合装置15が、三次元データ閾値処理装置11と車両検知装置12との間に、追加された点である。他の構成については、実施の形態1と同じであるため、ここではその説明を省略する。
【0037】
三次元データ統合装置15は、三次元データ閾値処理装置11で閾値処理された三次元データに相当する電気信号出力1011が入力される。ここで、当該電気信号出力1011は、三次元画像撮像装置1からの三次元データと、第2の三次元画像撮像装置1’からの三次元データとを、それぞれ、閾値処理したものである。三次元データ統合装置15は、こうして入力された2つの三次元データのそれぞれの情報を統合する機能を持ち、統合した三次元データに相当する信号を出力信号1015として出力する。その他の装置11〜14は、実施の形態1と同じであるため、ここでは説明を省略する。
【0038】
次に、動作について説明する。三次元画像撮像装置1、および、第2の三次元画像撮像装置1’において取得された三次元データ、強度データに対し、それぞれ、三次元データ閾値処理装置11において閾値処理を行う。閾値処理されたそれぞれのデータ集合を、(X1,Z1,I1),(X1’,Z1’,I1’)とする。これらのデータ集合は、電気信号出力1011として出願され、三次元データ統合処理装置15に入力される。
【0039】
三次元データ統合装置15は、両データ集合を統合するための装置である。本実施の形態において、センサ1に基準を合わせるとすると、下式(2)により、三次元データX、Zはそれぞれ統合される。
【0040】
X = X1 ∪ (ΔL−X1’)
Z = Z1 ∪ Z1’ ・・・(2)
【0041】
こうして統合された三次元データ集合(X,Z)を用いて、実施の形態1で説明した車両検知、並走検知、車高測定と同じ処理を、それぞれ、車両検知装置12、並走検知装置13、車高測定装置14で行う。これらの処理については、実施の形態1と同じであるため、ここでは説明を省略する。
【0042】
本実施の形態2における効果は、センサの走査角度が道路幅全てを網羅できない場合、十分な車両検知、並走検知、及び/または、車高測定が不可能な場合が考えられるが、本実施の形態においては、走行車線の両側にセンサを設けるようにしたので、センサの走査角度が道路幅全てを網羅でき、十分な車両検知、並走検知、および、車高測定を行うことができる。また、本実施の形態においては、センサが2台であるため、データ量が約2倍相当になることから、統計量が増えることにより、検知もしくは測定の精度もさらに向上することができる。
【0043】
以上のように、本実施の形態においては、上記の実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、さらに、本実施の形態においては、センサを走行車線の両側に設け、それぞれによって撮像した三次元データを統合する三次元データ統合処理装置15を三次元画像処理装置3内に設けるようにしたので、センサの走査角度が道路幅全てを網羅できる可能性が高く、十分な車両検知、並走検知、および、車高測定を行うことができ、かつ、統計量が増えることにより、検知もしくは測定の精度をさらに向上させることができる。
【0044】
実施の形態3.
まず、本発明の実施の形態3に係る車両検知システムの構成について説明する。本実施の形態に係る、センサの設置状態を図10に示す。図10においては、走行車線の両端に、センサを設置し、それぞれ、センサ1およびセンサ1’としている。但し、車両進行方向を走行車線方向(レーン方向)とすると、センサ1とセンサ1’とは、異なるレーン方向位置に位置している。これは、設置の制約により、走行車線方向の異なる位置になるように、走行車線の両端にセンサを設置しなければならない場合等が相当する。
【0045】
センサ1とセンサ1’との走行車線方向の位置の差(以下、レーン方向距離差とする)は、ΔRである。センサ1’の走行車線方向の位置が、センサ1の走行車線方向の位置よりも、ΔRだけ、進行方向に向かって進んだ位置となっている。なお、図10においても、図1,図8と同様に、地上に対し直上方向を高度方向とし、当該高度方向に対して垂直な方向を奥行方向とする。また、高度−奥行方向の平面に対し、垂直な方向を進行方向と定義する。
【0046】
また、図8と同様に、センサ1は、走行車線の一方の車線脇に設けられた支柱1に設けられ、そのセンサ高度はHである。また、センサ2は、走行車線の他方の車線脇に設けられた支柱2に設けられ、そのセンサ高度は、H+ΔHである。従って、センサ1とセンサ2のセンサ高度差は、ΔHである。また、センサ1とセンサ2との間の奥行方向の距離差(以下、奥行距離差とする)は、ΔLである。なお、このΔLとは、センサ1とセンサ2との間の直線距離ではなく、図10(a),(b)に示すように、センサ1の奥行方向のX座標とセンサ2の奥行方向のX座標との差である。
【0047】
図11は、この発明の実施の形態3に係わる車両検知システムの構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る車両検知システムは、図11に示すように、三次元画像撮像装置1と、それと同じ機能を持つ第2の三次元画像撮像装置1’と、三次元画像処理装置4とから構成されている。
【0048】
三次元画像撮像装置1と第2の三次元画像撮像装置1’は、三次元データもしくは強度データを取得可能な機能を持ち、それぞれに相当する電気信号を出力信号1001および出力信号1001’を出力するものである。基本的な動作は、図2に示した実施の形態1の三次元画像撮像装置1と同じである。
【0049】
また、本実施の形態においては、三次元画像処理装置4が、三次元データ閾値処理装置11、車両検知装置12、車高測定装置14、三次元データ統合処理装置15a、並走検知装置13で構成され、その出力は並走検知フラグおよび車高値に相当する電気信号を出力する。図9に示した実施の形態2の三次元画像処理装置3との違いは、(1)本実施の形態による三次元画像処理装置4においては、三次元データ閾値処理装置11と車両検知装置12と車高測定装置14とが、それぞれ、2つずつ設けられている点と、(2)三次元データ統御処理装置15aが、車高測定装置14の後段に設けられている点と、(3)並走検知装置13が、車両検知装置12と車高測定装置14との間ではなく、三次元データ統合処理装置15aの後段に設けられている点である。他の構成については、実施の形態1,2と同じであるため、ここではその説明を省略する。
【0050】
本実施の形態においては、このように、2台の三次元撮像装置1,1’のそれぞれに対し、実施の形態1で説明した、三次元データ閾値処理装置11と車両検知装置12と車高測定装置14を各1つずつ設けるとともに、さらに、車高測定装置14の後段に、車両検知装置12からの出力が入力される三次元データ統合処理装置15aを設けた。三次元データ統合処理装置15aは、2台の車両の車速を算出し、当該車速を用いて2台のセンサの三次元データの統合を行い、統合された三次元データに相当する電気信号1011を出力し、実施の形態1または2で説明した並走検知装置17に入力する。
【0051】
次に、動作について説明する。まずはじめに、三次元データ閾値処理装置11で、三次元画像撮像装置1と1’それぞれにおいて取得された三次元データと強度データを用いて、閾値処理を行い、それぞれから不要データを除去する。次に、それぞれの車両検知装置12において、それぞれの三次元データ閾値処理装置11で閾値処理した三次元データを用いて、実施の形態1で説明した車両検知と同じ処理を行う。次に、車高測定装置14において、それぞれの車両検知装置12からの出力を用いて、実施の形態1と同様の車高測定をそれぞれ行う。
【0052】
三次元データ統合処理装置15aは、入力される2つの三次元データの統合処理を行うもので、図12に示すように、三次元データ保存装置16と、統合処理装置17とを備えている。
【0053】
三次元データ保存装置16では、三次元画像撮像装置1、1’のうち、車両検知がONとなるタイミングが早い方の三次元データを、車両検知時から保存する。統合処理装置17では、車両検知がONとなるタイミングが遅かった方の三次元データと、三次元データ保存装置16において保存された三次元データとを統合する。統合の方法は、上述の式(2)のものを用いる。こうして、三次元データ統合処理装置15aは、統合した結果を出力1011として出力する。
【0054】
並走検知装置13では、当該出力1011が入力され、実施の形態1、2同様、並走検知を行う。並走検知装置13の処理は、実施の形態1、2と同じであるため、ここでは説明を省略する。
【0055】
本実施の形態における効果は、センサの走査角度が道路幅全てを網羅できない場合で、かつ、設置の制約により走行車線方向の異なる位置に2台のセンサを設置した場合においても、車両検知、車高測定、並走検知を行うことができる点である。
【0056】
以上のように、本実施の形態においては、実施の形態1、2と同様の効果が得られるとともに、さらに、本実施の形態においては、走行車線方向の異なる位置に設置された2つのセンサに対して、それぞれ、三次元データ閾値処理装置11と車両検知装置12と車高測定装置14を設けて、それぞれ別個に車両検知および車高測定を行う、さらに、それらの車高測定装置14からの出力が入力される三次元データ統合処理装置15aを設けるようにして、三次元データを統合して並走検知を行うようにしたので、センサの走査角度が道路幅全てを網羅できない場合で、かつ、設置の制約により異なるレーン方向位置に2台のセンサを設置した場合においても、十分な車両検知、車高測定、並走検知を行うことができる。
【0057】
なお、図11では、三次元データ閾値処理装置11、車両検知装置12、車高測定装置14が、それぞれ、2つずつ設けられているが、これらは必ずしも2つずつ設ける必要はなく、共用するようにしてもよい。
【0058】
また、実施の形態2,3では、三次元画像撮像装置を2つ(センサを2つ)設ける例について説明したが、その場合に限らず、必要に応じて2以上の個数を適宜設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0059】
1 三次元画像撮像装置、1’ 第2の三次元画像撮像装置、2,3,4 三次元画像処理装置、11 三次元データ閾値処理装置、12 車両検知装置、13 並走検知装置、14 車高測定装置、15 三次元データ統合処理装置、15a 三次元データ統合処理装置、16 三次元データ保存装置、17 統合処理装置、1201 有効画素数算出装置、1202 有効画素数比較装置、1301 奥行データ保存装置、1302 奥行距離ヒストグラム作成装置、1303 奥行距離ヒストグラム閾値処理装置、1304 ラベリング処理装置、1305 並走ウィンドウ設定装置、1306 奥行距離ヒストグラム間隔設定装置、1307 並走用閾値設定装置、1401 高度データ保存装置、1402 高度ヒストグラム作成装置、1403 高度ヒストグラム閾値処理装置、1404 車高候補保存装置、1405 移動平均処理装置、1406 車高算出装置、1407 車高ウィンドウ設定装置、1408 高度ヒストグラム間隔設定装置、1409 車高用閾値設定装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物の車両の三次元画像を取得する三次元画像撮像装置と、
前記三次元画像データの閾値処理を行って不要データを除去し有効データのみを残す三次元データ閾値処理装置と、
前記三次元画像データ中の有効データ数に基づいて車両を検知する車両検知装置と、
前記車両検知装置によって検知された車両の並走の有無を検知するための進行方向のウィンドウを設定する並走ウィンドウ設定装置と、
前記三次元画像データから前記ウィンドウ分の奥行データを保存する奥行データ保存装置と、
前記奥行データに対して、ヒストグラムを作成するための奥行距離ヒストグラム間隔を設定する奥行距離ヒストグラム間隔設定装置と、
前記奥行データの前記奥行距離ヒストグラム間隔のヒストグラムを作成する奥行距離ヒストグラム作成装置と、
車両の並走を検知するための前記ヒストグラムに対する並走用閾値を設定する並走用閾値設定装置と、
前記並走用閾値を用いて前記ヒストグラムの閾値処理を行う奥行距離ヒストグラム閾値処理装置と、
前記閾値処理を行ったヒストグラムより並走の有無を検知するラベリング処理装置と
を備えたことを特徴とする車両検知システム。
【請求項2】
対象物の車両の三次元画像を取得する三次元画像撮像装置と、
前記三次元画像データの閾値処理を行って不要データを除去し有効データのみを残す三次元データ閾値処理装置と、
前記三次元画像データ中の有効データ数に基づいて車両を検知する車両検知装置と、
前記車両検知装置によって検知された車両の車高を算出するための進行方向のウィンドウを設定する車高ウィンドウ設定装置と、
前記三次元画像データから前記ウィンドウ分の車高データを保存する高度データ保存装置と、
前記高度データに対して、高度ヒストグラムを作成するための高度ヒストグラム間隔を設定する高度ヒストグラム間隔設定装置と、
前記高度データの前記高度ヒストグラム間隔の高度ヒストグラムを作成する高度ヒストグラム作成装置と、
車高を検知するための前記高度ヒストグラムに対する車高用閾値を設定する車高用閾値設定装置と、
前記車高用閾値を用いて前記高度ヒストグラムの閾値処理を行う高度ヒストグラム閾値処理装置と、
前記閾値処理を行った高度ヒストグラムより車高の候補値を抽出し、保存する車高候補保存装置と、
保存された1点以上の車高の候補値に対し移動平均処理を行う移動平均処理装置と、
移動平均処理を行った車高の候補値より車高を算出する車高算出装置と
を備えたことを特徴とする車両検知システム。
【請求項3】
前記車両検知装置によって検知された車両の車高を算出するための進行方向のウィンドウを設定する車高ウィンドウ設定装置と、
前記三次元画像データから前記ウィンドウ分の車高データを保存する高度データ保存装置と、
前記高度データに対して、高度ヒストグラムを作成するための高度ヒストグラム間隔を設定する高度ヒストグラム間隔設定装置と、
前記高度データの前記高度ヒストグラム間隔の高度ヒストグラムを作成する高度ヒストグラム作成装置と、
車高を検知するための前記高度ヒストグラムに対する車高用閾値を設定する車高用閾値設定装置と、
前記車高用閾値を用いて前記高度ヒストグラムの閾値処理を行う高度ヒストグラム閾値処理装置と、
前記閾値処理を行った高度ヒストグラムより車高の候補値を抽出し、保存する車高候補保存装置と、
保存された1点以上の車高の候補値に対し移動平均処理を行う移動平均処理装置と、
移動平均処理を行った車高の候補値より車高を算出する車高算出装置と
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の車両検知システム。
【請求項4】
前記三次元画像撮像装置は2台以上設けられているものであって、
2台以上の前記三次元画像撮像装置によって撮像されて、前記三次元データ閾値処理装置によって閾値処理された、三次元画像データを統合する三次元データ統合処理装置
をさらに備えたことを特徴とする請求項3に記載の車両検知システム。
【請求項5】
対象物の車両の三次元画像を取得する2台以上の三次元画像撮像装置と、
各前記三次元画像データの閾値処理を行って不要データを除去し有効データのみを残す2台以上の三次元データ閾値処理装置と、
各前記三次元画像データ中の有効データ数に基づいて車両を検知する2台以上の車両検知装置と、
各前記車両検知装置によって検知された車両の車高を算出するための進行方向のウィンドウを設定する車高ウィンドウ設定装置と、
前記三次元画像データから前記ウィンドウ分の車高データを保存する高度データ保存装置と、
前記高度データに対して、高度ヒストグラムを作成するための高度ヒストグラム間隔を設定する高度ヒストグラム間隔設定装置と、
前記高度データの前記高度ヒストグラム間隔の高度ヒストグラムを作成する高度ヒストグラム作成装置と、
車高を検知するための前記高度ヒストグラムに対する車高用閾値を設定する車高用閾値設定装置と、
前記車高用閾値を用いて前記高度ヒストグラムの閾値処理を行う高度ヒストグラム閾値処理装置と、
前記閾値処理を行った高度ヒストグラムより車高の候補値を抽出し、保存する車高候補保存装置と、
保存された1点以上の車高の候補値に対し移動平均処理を行う移動平均処理装置と、
移動平均処理を行った車高の候補値より車高を算出する車高算出装置と、
2台以上の前記車両検知装置によって検知された車両の車両検知時からの三次元画像データを保存する三次元データ保存装置と、
保存された前記三次元画像データを統合する統合処理装置と、
統合された三次元画像データに対する、車両の並走を検知するための進行方向のウィンドウを設定する並走ウィンドウ設定装置と、
前記三次元画像データから前記ウィンドウ分の奥行データを保存する奥行データ保存装置と、
前記奥行データに対して、ヒストグラムを作成するための奥行距離ヒストグラム間隔を設定する奥行距離ヒストグラム間隔設定装置と、
前記奥行データの前記奥行距離ヒストグラム間隔のヒストグラムを作成する奥行距離ヒストグラム作成装置と、
車両の並走を検知するための前記ヒストグラムに対する並走用閾値を設定する並走用閾値設定装置と、
前記並走用閾値を用いて前記ヒストグラムの閾値処理を行う奥行距離ヒストグラム閾値処理装置と、
前記閾値処理を行ったヒストグラムより並走を検知するラベリング処理装置と
を備えたことを特徴とする車両検知システム。
【請求項1】
対象物の車両の三次元画像を取得する三次元画像撮像装置と、
前記三次元画像データの閾値処理を行って不要データを除去し有効データのみを残す三次元データ閾値処理装置と、
前記三次元画像データ中の有効データ数に基づいて車両を検知する車両検知装置と、
前記車両検知装置によって検知された車両の並走の有無を検知するための進行方向のウィンドウを設定する並走ウィンドウ設定装置と、
前記三次元画像データから前記ウィンドウ分の奥行データを保存する奥行データ保存装置と、
前記奥行データに対して、ヒストグラムを作成するための奥行距離ヒストグラム間隔を設定する奥行距離ヒストグラム間隔設定装置と、
前記奥行データの前記奥行距離ヒストグラム間隔のヒストグラムを作成する奥行距離ヒストグラム作成装置と、
車両の並走を検知するための前記ヒストグラムに対する並走用閾値を設定する並走用閾値設定装置と、
前記並走用閾値を用いて前記ヒストグラムの閾値処理を行う奥行距離ヒストグラム閾値処理装置と、
前記閾値処理を行ったヒストグラムより並走の有無を検知するラベリング処理装置と
を備えたことを特徴とする車両検知システム。
【請求項2】
対象物の車両の三次元画像を取得する三次元画像撮像装置と、
前記三次元画像データの閾値処理を行って不要データを除去し有効データのみを残す三次元データ閾値処理装置と、
前記三次元画像データ中の有効データ数に基づいて車両を検知する車両検知装置と、
前記車両検知装置によって検知された車両の車高を算出するための進行方向のウィンドウを設定する車高ウィンドウ設定装置と、
前記三次元画像データから前記ウィンドウ分の車高データを保存する高度データ保存装置と、
前記高度データに対して、高度ヒストグラムを作成するための高度ヒストグラム間隔を設定する高度ヒストグラム間隔設定装置と、
前記高度データの前記高度ヒストグラム間隔の高度ヒストグラムを作成する高度ヒストグラム作成装置と、
車高を検知するための前記高度ヒストグラムに対する車高用閾値を設定する車高用閾値設定装置と、
前記車高用閾値を用いて前記高度ヒストグラムの閾値処理を行う高度ヒストグラム閾値処理装置と、
前記閾値処理を行った高度ヒストグラムより車高の候補値を抽出し、保存する車高候補保存装置と、
保存された1点以上の車高の候補値に対し移動平均処理を行う移動平均処理装置と、
移動平均処理を行った車高の候補値より車高を算出する車高算出装置と
を備えたことを特徴とする車両検知システム。
【請求項3】
前記車両検知装置によって検知された車両の車高を算出するための進行方向のウィンドウを設定する車高ウィンドウ設定装置と、
前記三次元画像データから前記ウィンドウ分の車高データを保存する高度データ保存装置と、
前記高度データに対して、高度ヒストグラムを作成するための高度ヒストグラム間隔を設定する高度ヒストグラム間隔設定装置と、
前記高度データの前記高度ヒストグラム間隔の高度ヒストグラムを作成する高度ヒストグラム作成装置と、
車高を検知するための前記高度ヒストグラムに対する車高用閾値を設定する車高用閾値設定装置と、
前記車高用閾値を用いて前記高度ヒストグラムの閾値処理を行う高度ヒストグラム閾値処理装置と、
前記閾値処理を行った高度ヒストグラムより車高の候補値を抽出し、保存する車高候補保存装置と、
保存された1点以上の車高の候補値に対し移動平均処理を行う移動平均処理装置と、
移動平均処理を行った車高の候補値より車高を算出する車高算出装置と
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の車両検知システム。
【請求項4】
前記三次元画像撮像装置は2台以上設けられているものであって、
2台以上の前記三次元画像撮像装置によって撮像されて、前記三次元データ閾値処理装置によって閾値処理された、三次元画像データを統合する三次元データ統合処理装置
をさらに備えたことを特徴とする請求項3に記載の車両検知システム。
【請求項5】
対象物の車両の三次元画像を取得する2台以上の三次元画像撮像装置と、
各前記三次元画像データの閾値処理を行って不要データを除去し有効データのみを残す2台以上の三次元データ閾値処理装置と、
各前記三次元画像データ中の有効データ数に基づいて車両を検知する2台以上の車両検知装置と、
各前記車両検知装置によって検知された車両の車高を算出するための進行方向のウィンドウを設定する車高ウィンドウ設定装置と、
前記三次元画像データから前記ウィンドウ分の車高データを保存する高度データ保存装置と、
前記高度データに対して、高度ヒストグラムを作成するための高度ヒストグラム間隔を設定する高度ヒストグラム間隔設定装置と、
前記高度データの前記高度ヒストグラム間隔の高度ヒストグラムを作成する高度ヒストグラム作成装置と、
車高を検知するための前記高度ヒストグラムに対する車高用閾値を設定する車高用閾値設定装置と、
前記車高用閾値を用いて前記高度ヒストグラムの閾値処理を行う高度ヒストグラム閾値処理装置と、
前記閾値処理を行った高度ヒストグラムより車高の候補値を抽出し、保存する車高候補保存装置と、
保存された1点以上の車高の候補値に対し移動平均処理を行う移動平均処理装置と、
移動平均処理を行った車高の候補値より車高を算出する車高算出装置と、
2台以上の前記車両検知装置によって検知された車両の車両検知時からの三次元画像データを保存する三次元データ保存装置と、
保存された前記三次元画像データを統合する統合処理装置と、
統合された三次元画像データに対する、車両の並走を検知するための進行方向のウィンドウを設定する並走ウィンドウ設定装置と、
前記三次元画像データから前記ウィンドウ分の奥行データを保存する奥行データ保存装置と、
前記奥行データに対して、ヒストグラムを作成するための奥行距離ヒストグラム間隔を設定する奥行距離ヒストグラム間隔設定装置と、
前記奥行データの前記奥行距離ヒストグラム間隔のヒストグラムを作成する奥行距離ヒストグラム作成装置と、
車両の並走を検知するための前記ヒストグラムに対する並走用閾値を設定する並走用閾値設定装置と、
前記並走用閾値を用いて前記ヒストグラムの閾値処理を行う奥行距離ヒストグラム閾値処理装置と、
前記閾値処理を行ったヒストグラムより並走を検知するラベリング処理装置と
を備えたことを特徴とする車両検知システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−108755(P2012−108755A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−257531(P2010−257531)
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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