説明

車両用の制御システム

本発明は、車両用の制御システムであって、複数のメニューレベルを有するメニュー構造の項目を表示するための複数の表示領域を有するディスプレイ(2)を備え、メニュー構造の実際のメニューレベルにおいて、少なくとも1つの項目を選択し及び/又はアクティブにするための手動操作手段(3)を備える制御システムに関する。本発明の制御システムは、音声制御手段(6)用のキーワードを同時に形成するメニュー構造の少なくとも1つの項目を重複して選択し及び/又はアクティブにするための音声制御手段(6)も備える。本発明によれば、メニュー構造の項目は、種々の群に分割され、これにより、第1群は、手動操作手段(3)によって選択し及び/又はアクティブにすることができる項目を含み、第2群は、操作手段(3)によって及び/又は音声制御手段(6)によって選択し及び/又はアクティブにすることができる項目を含む。第2群は、メニュー制御のために、どのキーワードを現在入力できるかを決定する簡単な規則によって確立できる少なくとも2つの言葉群に分割される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前段に記載の車両用の制御システムに関する。
【0002】
現在の車両には、マルチメディア制御システムが頻繁に使用される。一例を挙げると、出願人が製造・販売するメルセデス・ベンツSクラスのCOMANDシステム(Cockpit Management and Data System)である。
【背景技術】
【0003】
特許文献1は、自動車用の制御システムを記載している。この制御システムでは、2つの表示領域が、複数のメニューレベルを有するメニュー構造のディスプレイに表示される。第1の表示領域は、第2の表示領域の周囲のフレームとして配置される。第1のメニューレベルにおいて、実行可能なアプリケーションに対応しかつ垂直及び水平に配置される項目を有する8つのフィールドが、第1の表示領域に表示される。複数の調整自由度を有する手動操作手段を第1の表示領域の対応する項目の位置の方向に押すか又は傾けることによって、項目が選択される。手動操作手段を押すことによって、選択された項目がアクティブになる。アクティブになった後に、第1のメニューレベルのアクティブになった項目に割り当てられる垂直に配置された複数の項目が、第2のメニューレベルの第2の表示領域に表示される。第2の表示領域に表示された項目は、手動操作手段を回転移動させることによって選択され、手動操作手段を押すことによってアクティブになる。手動操作手段を第1の表示領域の項目の内の1つの位置の方向に押動移動又は傾けることによって、アクティブになっている第2の表示領域及び第2のメニューレベルが終了する。次に、制御システムは、再び、第1のメニューレベルの第1の表示領域にある。
【0004】
特許文献2は、ディスプレイと、複数の調整自由度を有する手動操作手段と、音声制御手段とを有する自動車用の制御システムを記載している。ディスプレイは、複数のメニューレベルを有するメニュー構造の項目を表示するための複数の表示領域を備え、手動操作手段及び/又は音声制御手段を使用して、メニュー構造の項目を選択し及び/又はアクティブにすることが可能である。ディスプレイに表示されるメニュー構造の項目は、音声操作メニュー制御のために特定の時間で入力できるキーワードを同時に形成する。
【0005】
特許文献3は、ディスプレイと、ディスプレイの周囲に配置される複数の手動操作手段と、音声制御手段とを有する自動車用の制御システムを記載している。ディスプレイは、複数のメニューレベルを有するメニュー構造の項目を表示するための複数の表示領域を備え、手動操作手段及び/又は音声制御手段によって、メニュー構造の項目を選択し及び/又はアクティブにすることが可能である。ディスプレイに又は手動操作手段に表示されるメニュー構造の項目は、音声操作メニュー制御のために特定の時間で入力できるキーワードを同時に形成する。
【0006】
特許文献4は、ディスプレイと複数の手動操作手段と音声制御手段とを有する自動車用の制御システムを記載している。手動操作手段又は音声制御手段を使用して、電話システム、ラジオ等のような種々の車両構成要素を制御できる。音声制御のために、入力できる言葉は、複数のコマンドレベルを有する階層コマンド構造で配列され、この場合、現在のコマンドレベルの言葉のみを入力でき、その言葉が、音声制御手段によって認識されて実行される。
【0007】
【特許文献1】独国特許出願公開第19752056A1号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1342605A1号明細書
【特許文献3】米国特許第4,827,520号明細書
【特許文献4】米国特許第4,797,924号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、直観的な音声制御を可能にし、操作の利便性を向上させる車両用の改良された制御システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明により、請求項1の特徴を有する車両用の制御システムが利用可能になることによって、上記目的が達成される。
【0010】
本発明の有利な実施形態及び発展形態は従属請求項に記載される。
【0011】
本発明は、複数のメニューレベルを有するディスプレイに表示されるメニュー構造の項目を種々の群に分割するという考えに基づいており、第1群は、手動操作手段のみによって選択し、アクティブにすることができる項目を含む。第2群は、手動操作手段又は音声制御手段によって選択し、アクティブにすることができる項目を含む。さらに、第2群の項目は、メニュー制御のために、どのキーワードを特定の時間だけ、すなわち現在のメニューレベルにおいて又は現在アクティブな表示領域において音声で入力できるかを決定する簡単な規則によって規定される少なくとも2つの言葉群に分割される。
【0012】
本発明による制御システムにより、ユーザが、音声制御手段又は手動操作手段を使用して、複数のメニューレベルを有するメニュー構造を制御することが可能になる。第1群に割り当てられる項目は、例えば、音量、バランス、低音、高音、フェード、アナログ動作されるコンベヤベルトによるラジオ局の選択、又は手動操作手段によって、例えば、連続する調整移動によって最も容易に設定できるラジオアプリケーション用のカーソル等のような可変パラメータの処理を設定することを含む。第2群に割り当てられ音声制御手段又は手動操作手段によって操作できる項目は、同時に、音声制御用の可能なキーワードとして用いられ、本発明によれば、ユーザが、アプリケーションとメニューレベルとの間を迅速に切り替えることを可能にするために、複数の言葉群に分割される。
【0013】
例えば、種々の表示領域及び/又はメニューレベルに基づき、項目を分割できる。可能な規則は、例えば、第1の表示領域のすべての項目を手動でのみ制御でき、第2、第4及び第5の表示領域のすべての項目を手動で及び/又は音声で制御でき、第3の制御領域の項目を、第1及び第2のメニューレベルにおいては手動で及び/又は音声で制御でき、第3のメニューレベルにおいては手動でのみ制御できるという規則である。
【0014】
例えば、言葉群が異なるように、キーワードを複数の言葉群に分割することによって、それぞれの言葉群に含まれているキーワードを入力できるメニューレベル及び/又は表示領域において、音声制御手段を種々のユーザの要求に適合させることができる。
【0015】
本発明の一改良形態では、定義規則を用いて、キーワードを種々の言葉群に割り当てることができ、この結果、例えば、ディスプレイのアクティブ表示領域に特定の時間に表示されるキーワードを、第1の部分用語集として音声制御手段に対して利用可能になる第1群の言葉に割り当てることができる。これらのキーワードは、例えば、現在アクティブな表示領域及び/又は現在のメニューレベルにおいて、いずれかのキーワードの入力をユーザが行うことを待っていることをユーザに示している。結果として、制御のためのこれらのキーワードを使いこなせない未熟なユーザが、メニュー構造によって確実に案内される。
【0016】
別形態では、第1の部分用語集に加えて、第2の部分用語集として音声制御手段に対して利用可能になる第2群の言葉に、ローカルキーワードを割り当てることができ、入力できるローカルキーワードは、現在のメニューレベルに依存する。結果として、熟練度が向上することにより、現在アクティブな表示領域に項目で表示されず、むしろ選択されたアプリケーション環境に直接関連するキーワードをユーザが音声で入力することが可能になる。
【0017】
別形態では、第1及び第2の部分用語集に加えて、第3の部分用語集として音声制御手段に対して利用可能で現在のメニューレベルに依存しない第3群の言葉に、グローバルキーワードを割り当てることが可能である。
【0018】
現在表示されている項目を音声制御手段用のキーワードとして用いることによって、未熟なユーザが、現在表示されているディスプレイの可能なキーワードを容易かつ確実に把握し、関連する項目を選択してそれらの項目をアクティブにすることが可能になり、これにより、直観的な音声制御が改善され、未熟なユーザのために操作の利便性が向上する。
【0019】
グローバルキーワード及びローカルキーワードが追加された結果として、ある使用期間を経た後の熟練したユーザであれば、少なくとも選択されたキーワード又はキーワードの組み合わせをメモリにコミットするであろうと想定することができるので、熟練したユーザは、音声制御の実行時に、メニュー構造内のメニューレベルを飛ばすことも、そして現在のディスプレイで見ることができない言葉を音声で入力することも可能になる。さらに、種々の機能又は種々の機能範囲が種々のメニューレベルのキーワードに割り当てられた場合、種々の群に分割することにより、ディスプレイの現在のメニューレベル又はアクティブ表示領域に適合する機能が行われることを保証できるようになる。このことにより、熟練したユーザのために操作の利便性が向上する。
【0020】
項目を音声で入力することによって、例えば、第3群の言葉のキーワードを音声で入力した場合に、対応する手動入力が手動操作手段を使用して行われた場合と同一の機能を起動することが可能である。
【0021】
それに追加して又はその代わりに、音声入力後に、機能を手動入力と比較して制限でき、例えば、第1群又は第2群の言葉のキーワードが音声で入力された場合、機能の制限は、現在のメニューレベル及び/又はアクティブ表示領域に依存する。例えば、音声入力が、特定の項目を選択するように、すなわちこの項目にカーソルを位置させるように、追加の手動制御手順によって、例えば手動操作手段を動かすことによって、項目がアクティブになるように意図することが可能である。さらに、開いている表示領域が、メニューレベルに基づき手動入力のみによって閉じられることができるように、音声入力後に開いたままであるように意図することが可能である。さらに、ユーザの視点から、音声入力によって又は手動入力によって直接項目をアクティブにすることと、手動操作手段のみを使用して、包括的な設定、例えばパラメータの設定を可能にすることがより有利であり得る。
【0022】
本発明による制御システムの一形態では、リストから音声で入力される項目は、例えば、項目の前に又は項目の後に位置する番号によって識別される。次に、音声入力によって項目を選択し及び/又はアクティブにするために、番号システムによって識別される項目、及び番号システムの対応する数字の両方を音声で入力することが可能である。
【0023】
それに追加して又はその代わりに、スクリーンにおいて、音声で入力できる項目を特定の光学表示によって識別することが可能であり、このスクリーンにおいて、音声で入力できる項目は、異なる色及び/又は異なる輝度及び/又は異なる大きさ及び/又は異なる形態によって識別される。
【0024】
実行可能な種々の機能が、メニューレベル及び/又はアクティブ表示領域に基づきキーワードに割り当てられた場合、現在のメニューレベルの及び/又はアクティブ表示領域の機能は、このようなキーワードが音声で入力されたときに行われる。
【0025】
自動車の本発明による制御システムの1つの用途において、第3群の言葉は、例えば、ナビゲーションシステム、オーディオシステム、電話/通信システム、ビデオ/TVシステム、空調システム、及び/又は車内照明システムの室内灯の点灯時間、シート調整手段のような車両快適システム等のような車両で制御できるアプリケーション群用のキーワードをそれぞれ含み、これにより、それぞれのアプリケーション群を選択し及び/又はアクティブにすることができる。さらに、第3群の言葉は、対応するアプリケーションメニューから選択できるこれらのアプリケーション群のアプリケーション用のキーワードを含むことができる。オーディオシステムの場合、関連するオーディオアプリケーションメニューは、例えば、ラジオ、CD、DVD等のサブアプリケーションを含み、次に、これらのサブアプリケーションをグローバルキーワードによってそれぞれ選択できる。さらに、以前のディスプレイに戻すために(例えば「戻る」)、現在の音声入力を中断するために(例えば「エラー」又は「中断」)、グローバルキーワードが提供される。
【0026】
第2群の言葉は、例えば、機能用のすべてのキーワードを含み、これらのキーワードは、それぞれのアプリケーションに割り当てられ、キーワードがアクティブ表示領域に現在表示されているかどうかに関係なく音声で入力できる。
【0027】
第1群の言葉のキーワードは、現在アクティブな表示領域に表示される選択された機能のサブ機能用のすべての項目であることが好ましい。
【0028】
さらに、キーワードは、3つの言葉群の動的項目を含むこともでき、前記動的項目は、変化する周囲条件、例えば、現在受信可能なラジオ局の名称に基づき切り替わるか、あるいはシステム状態、例えば、現在のシステム状態に依存する実行可能な機能及び/又はサブ機能及び/又はオプションを変更する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明の有利な実施形態について、図面に示しかつ以下に説明する。
【0030】
図1から明らかなように、自動車用の制御システム1は、ディスプレイ2と、手動操作手段3と、中央処理ユニット4と、音声制御手段6と、1つの要素だけを図示されているナビゲーションシステム、エアーコンディショニングシステム、携帯電話、ビデオシステム、オーディオシステム等のような複数の車載システム5とを備える。車載システム5が、信号を中央処理ユニット4に送信し、この信号から、中央処理ユニット4が現在のシステム状態を決定する。メニュー構造の種々のメニューレベルにおけるアプリケーション、機能、サブ機能、オプション及び/又は状態表示のすべてが、手動操作手段3によって制御される。さらに、音声制御手段6を使用した対応する音声入力によって、手動操作手段3による制御と重複するように、メニュー構造の種々のメニューレベルにおける予め規定されているアプリケーション、機能、サブ機能、オプション及び/又は状態表示を制御することが可能である。
【0031】
例えば、音声制御手段6は、音声入力手段6.2、例えば少なくとも1つのマイクロホンと、音声認識ユニット6.1と、音声出力手段6.3、例えば少なくとも1つの拡声器と、少なくとも1つのMemory(メモリ)ユニット6.4とを備える。
【0032】
音声制御するために、音声制御手段6用のキーワードは、メニュー制御のために、どのキーワードを現在入力できるかを決定する簡単な規則によって規定できる少なくとも2つの言葉群に分割される。第1群の言葉は項目を含み、これらの項目は、ディスプレイ2のアクティブ表示領域に特定の時間に表示され、同時に、第1の部分用語集をキーワードとして音声制御手段6に対して利用可能にする。したがって、第1群の言葉のキーワードは、アクティブ表示領域に及び/又はメニューレベルに依存する。第2群の言葉はローカルキーワードを含み、これらのローカルキーワードは、第1の部分用語集に加えて、第2の部分用語集として音声制御手段6に対して利用可能になり、現在のメニューレベルに依存する。第3群の言葉はグローバルキーワードを含み、これらのグローバルキーワードは、第1及び第2の部分用語集に加えて、第3の部分用語集として音声制御手段6に対して利用可能になり、現在のメニューレベルに及び/又はアクティブ表示領域に依存しない。少なくとも2つの言葉群に割り当てられるキーワードが、音声で入力された場合、現在のメニューレベル及び/又はアクティブ表示領域に割り当てられる機能が行われる。
【0033】
ディスプレイ2に表示され音声で入力できる項目は、例えば特定の光学表示として実行される識別を有することが可能であり、異なる色、輝度、大きさ、及び/又は形態を用いて表現できる。このことは図2〜図8に太字で表されている。
【0034】
手動操作手段3は、アクティブ表示領域に表示された項目を選択し、アクティブにするために、7つの調整自由度を有する。図1に示した矢印によれば、前記操作手段3を4方向に、すなわち、右向きのx方向に、左向きのx方向に、前向きのy方向に又は後向きのy方向に動かすことができる。さらに、前記操作手段を、紙面に対して垂直であるz軸(図示せず)を中心として時計回り方向に又は反時計回り方向に回転させることができ、下向きのz方向に、すなわち紙面下向き方向に押すことができる。
【0035】
手動操作手段3を時計回り方向に回転させることにより、ディスプレイ2のカーソルが、ディスプレイ2に表示された項目の水平方向又は垂直方向に基づき、右又は下方に移動させられ、反時計回り方向に回転させることにより、カーソルが左又は上方に移動させられる。手動操作手段3を図1の上方に、すなわちウィンドシールドの方向に前方に、したがって前向きのy方向に動かすことにより、ディスプレイ2のカーソルが上方に移動させられ、図1の下方方向への、すなわち後方に向かう、したがって後向きのy方向への押動工程により、ディスプレイ2のカーソルが下方に移動させられる。右に、すなわち右向きのx方向に動かすことにより、ディスプレイ2のカーソルが右に移動させられ、左に、すなわち左向きのx方向に動かすことにより、カーソルが左に移動させられる。
【0036】
ディスプレイ2に表示された項目を選択し及び/又はアクティブにすることは、手動操作手段3を動かすか又は回転させることによって行われる。軸線に沿った垂直の押動について、すなわちy方向の押動について重複するように、又は軸線に沿った水平の押動について、すなわちx方向の押動について重複するように、手動操作手段3をz軸を中心に回転させることができる。この場合、項目を選択するための押動方向は、アクティブ表示領域に表示された項目の方向に一致する。選択する押動方向に対してそれぞれ直交する押動方向により、アクティブ表示領域が終了する。さらに、選択された項目をアクティブにするために、手動操作手段3を押すことが必要である。
【0037】
図2から明らかなように、ディスプレイ2は、第1のメニューレベルにおいて、垂直に配置されたグラフィック基本構造の5つの水平表示領域210〜250を備える。このグラフィック基本構造は、メニュー構造の多数の種々のメニューレベルにわたって一定である。ディスプレイ2は、例えば、15:9の辺比を有する8インチのスクリーンとして構成される。
【0038】
表示領域230のグラフィック基本構造は、アクティブになっているアプリケーション、機能、サブ機能、オプション及び/又は状態表示に基づき、メニュー構造の多数の種々のメニューレベルにわたって変化し、この中央表示領域230を非常に種々のグラフィックで構成し得る。
【0039】
4つの表示領域210、220、240及び250に、水平に配置された1つ以上の項目1.1〜5.7をそれぞれ表示することが可能である。例えば、第1のメニューレベルの図2の表示領域210、220、240及び250の各々は、異なる数の項目を含む。例えば、第1の表示領域210は5個の項目1.1〜1.5を含み、第2の表示領域220は5個の項目2.1〜2.5を含み、第4の表示領域は項目を含まず、第5の表示領域は7個の項目5.1〜5.7を含む。図2では、第2の表示領域220がアクティブになっており、斜線の項目2.1(Navi)が選択されている。斜線表示は、カーソルが項目2.1に位置決めされていることを示すように意図される。
【0040】
アプリケーションの項目の内容の重要性又は頻度に従って、ディスプレイ2に表示された表示領域210〜250の項目1.1〜5.7を配置できる。
【0041】
図2〜図8のディスプレイ2の概略図は、特定の項目を有する自動車用の制御に適合される。図2から明らかなように、第1の表示領域210は、種々のアプリケーションの種々の状態表示1.1〜1.5を示す状態行として構成される。状態行のメイン機能は、車載システム5からの信号に基づき中央処理ユニット4によって決定される重要な現在のシステム状態を表示する機能である。例示した典型的な実施形態では、手動操作手段3のみによって、項目及び状態表示1.1〜1.5を選択してアクティブにすることができる。現在のシステム状態を決定するために、例えば、位置確認ユニットを有するナビゲーションシステム、エアーコンディショニングシステム、携帯電話、ビデオシステム、オーディオシステム等からの信号が評価される。状態行では、例えば、交通無線局がアクティブになっているかどうか、エアーコンディショニングシステムが再循環モード又は外気導入モードで作動しているかどうか、エアーフィルタが作動されているかどうか等が示される。
【0042】
状態行として構成される第1の表示領域210は、システム状態に基づきディスプレイに入力されるか又はそこから削除される制御可能及び制御不能な複数の項目1.1〜1.5を含むことができる。複数の項目を制御する能力により、アプリケーションを変更することを必要とせずに、重要な機能に直接アクセスすることを可能にすることができる。項目が状態行から選択された場合、このことにより、直接、関連する機能に至ることができる。例えば、文字記号をアクティブにすることにより、ComTelアプリケーションの、すなわち通信アプリケーション又は電話アプリケーションの表示領域をアクティブにして開くことが可能になる。受話器記号をアクティブにすることにより、ComTelアプリケーション群の異なる表示領域をアクティブにして開くことができる。TP記号をアクティブにすることにより、交通プログラム、すなわち交通無線局が非アクティブになる。さらに、GPS受信又は電界強度を表示するために、衛星放送キーのような選択できない種々の状態表示を表示できる。
【0043】
第2の表示領域220は、選択可能及び予め規定可能な種々のアプリケーション群2.1〜2.5を表示するためのアプリケーション行、特に、ナビゲーションアプリケーション群(Navi)、オーディオアプリケーション群(Audio)、電話/通信アプリケーション群(Tel/Com)、ビデオアプリケーション群(Video)及び車両用アプリケーション群として具体化され、表示すべき項目の、すなわちアプリケーション群2.1〜2.5の数及び位置は一定であり、表示すべき項目のグラフィック表示は、アクティブになっているアプリケーション群に基づき変化する。依然としてアクティブではないアプリケーション群2.1〜2.5の内の1つをアクティブにすることにより、関連するアプリケーションへの移行が生じ、アクティブになったアプリケーションに関連する機能及び/又はサブ機能を表示するために、第4の表示領域240がアクティブにされることになる。アプリケーションが機能又はサブ機能を有しない場合、第2の表示領域220のこのアプリケーションをアクティブにすることにより、第3の表示領域230をアクティブにすることができ、制御のためにこのアプリケーションに関連するオプションが表示される。
【0044】
第2の表示領域220のアプリケーション群の配置は、一定であり、使用頻度又は重要性に従って左から右に配列できる。アプリケーション又はアプリケーション群を選択することは、少なくとも1つの他の表示領域を直ちにアクティブにすることをもたらし、手動操作手段3を使用して手動入力することによって、又は音声制御手段を使用して音声入力することによって行うことができる。太字で識別されるアプリケーション行220の項目2.1〜2.5は、アクティブ表示領域のキーワードを含む第1群の言葉にキーワードとして割り当てられる。5つの表示領域の内の1つの項目のいずれもが、依然としてアクティブになっていないので、図2のスクリーン全体はアクティブ表示領域に該当する。さらに、例示した典型的な実施形態では、項目2.1〜2.5は、第3群の言葉にグローバルキーワードとして割り当てられる。
【0045】
第3の表示領域230は、詳細を表示するための及び選択されてアクティブになっているアプリケーションを制御するためのアプリケーション領域として構成される。表示すべき項目の数、位置及びグラフィック表示は、アクティブになっているアプリケーション2.1〜2.5に依存する。第3の表示領域230のグラフィック表示及び制御能力は、変化し、種々のアプリケーション2.1〜2.5の非常に種々の機能又は要件に有利に適合させることができる。
【0046】
第4の表示領域240は、アクティブになっているアプリケーション2.1〜2.5の機能、サブ機能及び/又はオプションを表示して選択するための機能行として構成される。表示すべき項目の、すなわち機能、サブ機能の数、位置又はグラフィック表示は、アクティブになっているアプリケーション2.1〜2.5に及び/又はメニューレベルに依存する。グラフィック基本構造は、メニュー構造のすべてのメニューレベルにわたって一定である。
【0047】
第5の表示領域250はメインアプリケーション行として構成される。この表示領域250に、プリセット可能なアプリケーションを表示できる。表示すべき項目5.1〜5.7の数及び位置は、プリセットされたアプリケーションのために一定であり、表示すべき項目5.1〜5.7の内容及びグラフィック表示は、現在のシステム状態に基づき変化し及び/又は一定である。プリセットされたアプリケーションは、車両の空調システムを制御するために使用されることが好ましい。音声入力によって選択し及び/又はアクティブにすることができる項目5.1(空調)は、太字で識別され、第1群及び第3群の言葉に割り当てられる。例えば気温、送風機設定等のような設定パラメータの表示される値は様々であり得る。現在のシステム状態は、特に、例えば、外気温度、日射強度、車内温度、空気の湿度等のような車両の乗員室内の温度制御に関する状態に関連している。
【0048】
図4は、第2の表示領域220の項目2.2(Audio)が、手動操作手段3を右向きのx方向に動かすことによって選択され、手動操作手段3を押すことによってアクティブになっているか又は項目2.2「Audio」を音声入力することによって選択されてアクティブになった後の別のメニューレベルにおけるディスプレイ2を示している。項目2.2をアクティブにすることにより、表示領域220.1の項目2.2に割り当てられたアプリケーションメニューが開かれてアクティブになる。アプリケーションメニュー220.1では、例えば、6個の項目が表示され、これらの項目が第3群の言葉に割り当てられ、これらの内の1つの項目「Radio」が選択される。この選択は項目「Radio」の前にある円マークで示されている。対応する表示領域220.1がアクティブになっているので、このメニューレベルのアプリケーションメニュー220.1の項目は、さらに、第1群の言葉に割り当てられる。項目2.2「Audio」をアクティブにすることにより、アプリケーションメニュー220.1で選択されたラジオアプリケーションに関連する機能行の項目4.1〜4.4が、第4の表示領域240に表示される。機能行の項目4.1〜4.4は、ラジオアプリケーションに関連するローカルキーワードとして第2群の言葉に割り当てられる。さらに、項目2.2「Audio」をアクティブにすることにより、選択されたラジオアプリケーションに関連する表示領域230.1が、第3の表示領域230で開かれる。開かれた表示領域230.1に示されているラジオ局1からラジオ局5までの項目は、選択可能なラジオ局に対応する。図4に示されているディスプレイ2では、手動操作手段3を使用した対応する調整移動によって、現在アクティブなアプリケーションメニュー220.1の項目を選択してアクティブにすることができる。さらに、対応する調整移動によって、アクティブ表示領域220.1を再び終了して閉じることができる。音声入力によって、図4に示したディスプレイ2の項目を表示領域220.1から選択してアクティブにすることが可能になり、この結果、その後、アプリケーションメニューが終了して閉じられる。さらに、メインアプリケーション行250の音声入力可能なアプリケーション行2.1〜2.5の項目と、それぞれのアプリケーションに割り当てられ音声で入力できるアプリケーションメニューの項目とを含む第3群の言葉のグローバルキーワードの内の1つを入力することによって、他の表示領域に切り替えることが可能になる。このようにして、例えば、キーワードの内の1つを音声で入力することによって、さらなる制御操作のために、アプリケーション行220から、入力項目に割り当てられたアプリケーションメニューに切り替えることが可能になり、この結果、現在アクティブな表示領域220.1も終了して閉じられる。第2群の言葉のローカルキーワードの内の1つ、例えば機能行240の表示領域の項目の内の1つを音声入力することにより、割り当てられた機能がアクティブになる。このことにより、アプリケーションの間の、したがって個々のメニューレベルの間の迅速な切り替えが、メニュー構造に戻すことなく、本発明のキーワード群によって可能になる方法が明確になる。アプリケーションメニュー220.1がアクティブであることを示すために、他の表示領域を目立たない表示にすることができ、例えば、より暗い色で表示でき、及び/又はアプリケーションメニュー220.1を視覚的に強調表示でき、例えば、より明るい色で表示できる。結果として、このメニューレベルにおいて、アプリケーションメニュー220.1の項目を選択するための対応する手動入力又は音声入力をユーザが行うのを待っていることが、ユーザに対して、特に、未熟なユーザに対しても明確になる。
【0049】
手動作動することによって、又はアプリケーションメニュー220.1で選択されている項目「Radio」を音声入力してアクティブにすることによって、ユーザは、アプリケーションが最後に終了する前に設定された設定によりアプリケーション群「Audio」のアプリケーション「Radio」がアクティブになっている図1に示されているディスプレイ2に到達する。
【0050】
また、ユーザが、音声入力を用いて図2の第1のメニューレベルのグローバルキーワード「Radio」を入力した場合、ユーザは、図3に示したディスプレイに到達する。図3では、アプリケーション行220のアプリケーション群2.2「Audio」が選択され、アプリケーション「Radio」に割り当てられる機能「Radio」が機能行240で選択される。表示領域230では、表示領域230.1の項目「ラジオ局3」が選択されて、垂直バーとして示されているカーソルによってアクティブにされる。手動操作手段3による対応する手動調整工程によって又はローカルキーワード「次のラジオ局」を入力することによって、ラジオ局設定を行うことができる。第1群の言葉の現在表示されているキーワードは、機能行240の項目4.1〜4.4であり、これらの項目は、太字で特徴付けられ、機能行240の割り当てられた項目を相応して選択してアクティブにすることにより機能の1つがアクティブになった場合に開かれる。例示した典型的な実施形態では、音声入力によって、表示領域230.1の項目を制御できないが、この理由は、表示領域230内においてのみ、音声入力によって、垂直リスト又は水平リストとして表示される項目を制御できるという規則が適用されるからである。しかし、代替実施形態では、音声入力によって、第3の表示領域230のすべてのテキスト項目を制御できるように意図することが可能である。
【0051】
キーワード「Radio」は、キーワードに割り当てることができる種々の機能の一例である。図4のキーワード「Radio」が音声で入力された場合、ラジオアプリケーションはアクティブになり、アプリケーションメニュー220.1は閉じられ、システムは、図3による表示に切り替わる。図3のキーワード「Radio」が音声で入力された場合、ラジオアプリケーションの機能メニュー(図示せず)が、さらなる制御のために開かれ、この場合、例えば、この機能メニューにおいて、ラジオ局サーチ、ラジオ局メモリ処理等を選択し及び/又はアクティブにすることができる。
【0052】
ユーザが、オーディオアプリケーションメニュー220.1から、図2又は図3のディスプレイ2のグローバルキーワード「CD」を入力した場合(この場合、前記キーワードの入力は図示せず)、ユーザは、図5のディスプレイ2に到達する。図4のアプリケーションメニュー220.1に示した項目「CD」が、音声入力又は手動入力によって前記メニューで選択されてアクティブになったとしても、図5のディスプレイに到達する。サブアプリケーション「CD」は、サブアプリケーションが最後に終了する前に設定された設定により行われる。図3のディスプレイ2では、アプリケーション行220のアプリケーション「Audio」と機能行240の項目「CD」とが選択されている。サブアプリケーション「CD」の設定を表示する2つの別の表示領域230.2と230.3が表示領域230に表示される。アプリケーション行2.1〜2.5の項目、機能行4.1〜4.4の項目、及びメインアプリケーション「空調システム」の項目5.1は、ディスプレイにおいて太字で特徴付けられ、音声入力によってキーワードとして入力できる。さらに、すべてのローカルキーワード及びグローバルキーワードを入力できる。
【0053】
図3又は図5のメニューレベルの1つにおいて、ローカルキーワード「Sound」が入力された場合、ディスプレイ2は図6のメニューレベルに切り替わる。図6から明らかなように、このメニューレベルの4つの表示領域230.4「高音」、230.5「低音」、230.6「Balance/Fader」及び230.7「Surround sound」は、アクティブな第3の表示領域230において、関連するサブ機能を選択し及び/又はアクティブにし及び/又は設定するために表示される。第2のメニュー行220では、アクティブにされるアプリケーション2.2「Audio」がアクティブになり、このことは、関連するフィールドの斜線表示で示されている。第3の表示領域230のサブ機能行231では、選択されたサブ機能3.1「高音」は、それに応じて斜線表示で特徴付けられる。手動操作手段3を使用した対応する手動入力によって、又は音声制御システムを使用した音声入力によって、サブ機能行の表示された項目3.1〜3.4の1つが可能になる。さらに、上述のローカルキーワード及びグローバルキーワードを入力できる。図6では、別のグローバルキーワード「戻る」がサブ機能行240に表示される。このキーワードにより、すべてのメニューレベルにおいて、ディスプレイ2が以前の表示に戻されることになる。図6に示したディスプレイ2において、サブ機能「低音」が、例えば手動入力によって又は音声入力によって選択されてアクティブになった場合、ディスプレイ2は、図7による表示を示す。
【0054】
この場合、図7から明らかなように、表示領域230.5は、サブ機能「低音」パラメータを設定するためにアクティブになる。このことは、図6の表示と比較して拡大されている表示領域230.5によって、ユーザに示される。ここで、手動操作手段3によって、サブ機能を設定できる。サブ機能「低音」パラメータは、現在、値0に設定されている。サブメニューが、図7又は図8のようなテキスト項目を有するリストとして構成された場合、項目数が無制限になることがあり、見ることができる最大項目数は、例えば9個の項目に制限される。10個以上の項目が存在する場合、項目をスクロールして選択することができる。見ることができない別の項目が存在しているという指示を矢印で行うことができる。音声入力によってスクロールできるようにするために、対応するキーワードを矢印、例えば「進む」又は「戻る」の隣に表示できる。
【0055】
図8は、図3のメニューレベルのディスプレイの表示を示しているが、図8においては、図3の表示とは対照的に、アプリケーションメニュー220.1の個々のリスト要素が、それらの要素の前に位置する番号によって識別される。例示した典型的な実施形態では、番号付けは上から順に行われる。しかし、代わりに、文字を使用して個々のリスト要素を識別することも可能である。さらに、個々のリスト要素の後に番号を配置することもできる。番号は、音声入力によって、リスト要素を選択し及び/又はアクティブにすることができること、及び所望のリスト要素に割り当てられる対応する符号、すなわち番号又は文字を音声入力することによって、選択すること及び/又はアクティブにすることを行うこともできることの両方をユーザに示している。
【0056】
基本的に、手動操作手段3によって、表示されたすべての項目1.1〜5.7を選択できる。ある時間だけ利用不能になるほんの僅かな数の状態表示及びオプションは例外とする。ローテーションによって、表示された項目のすべてを選択できるとは限らない。各々の表示領域210〜250において、相応してグラフィックで強調表示された複数の要素の内の1つのみをローテーションによって直接選択できる。最初に、グラフィックで強調表示された領域に対して手動操作手段3を紙面に対し直交方向に押すことにより、他の項目がアクティブになる。表示領域210〜250の又は個々の項目のアクティブ状態、すなわちそれらを直接選択したことが、種々の色要素と種々のグラフィック要素とによって表示される。
【0057】
表示領域210〜250の少なくとも1つでは、カーソルは、ディスプレイ2において独立したものではなく、カーソルが位置決めされるフィールドの形態をとる。説明してきた形態では、このことは、第1、第2、第4及び第5の表示領域210、220、240、250に当てはまる。フィールドのグラフィック表示を切り替えることによって、カーソルが表示され、例えば、項目1.1〜5.7の表示の色を反転させてそれぞれの項目1.1〜5.7の背景色を切り替えることによって、カーソルが当該フィールドに位置決めされる。フィールドにおけるカーソルの位置決めは、このフィールドに関連する項目を選択したことを示す。この表示は、手動操作手段を回転させるか又は押すことによってパラメータ設定を既に実行できる場合、又は項目がテキストの代わりにグラフィックで表示された場合、終了することが可能である。この場合、カーソルは異なるグラフィック形態で表示される。この種類のカーソル表示は第3の表示領域230に空間的に限定できる。
【0058】
カーソルはアクティブ表示領域210〜250と呼ばれる領域内に、すなわち、直接制御できる表示領域210〜250に常に位置決めされ、これらの表示領域において、項目1.1〜5.7の方向に基づき、手動操作手段3を水平又は垂直に回転させかつ押すことによって、項目の内の1つを選択し及び/又はアクティブにすることができる。このアクティブ表示領域210〜250は垂直又は水平に向けられる。
【0059】
アクティブ表示領域210〜250の項目は、暗い色の背景において、ある色で、例えば、明るい色のスクリプト、アイコン及び/又はグラフィックによって強調表示でき、キーワードに対応するテキスト項目を音声で入力できる。さらに、この表示領域は、例えばローテーション方向を示すために用いられる水平又は垂直の明るい色の線によって画定できる。第3の表示領域230では、強調表示された項目によって及び/又は強調表示されたカーソルによって、アクティブ状態を表示できる。
【0060】
例えば異なる色及び/又は異なる輝度によって、目立たないグラフィック表示になるように、直接アクティブになっていない表示領域210〜250を表示できる。非アクティブになっているこれらの表示領域210〜250は、アクティブ表示領域210〜250の項目の方向に対して、手動操作手段3をそれぞれ直交して押すことによって選択できる。さらに、第2群又は第3群の言葉のローカルキーワード又はグローバルキーワードを相応して音声入力することによって、非アクティブ表示領域210〜250を選択することが可能になる。
【0061】
それにもかかわらず、ある時間選択できない項目は、例えば、色コントラストを減少させて表示することができる。このような項目には、カーソルを移動させることができない。例えば、これらの項目を飛ばすことができるか、又は手動操作手段3の動きを例えば停止形態に制限でき、これにより、カーソルが、選択できないフィールドに移動されることが防止される。このような項目を音声入力によってうっかり入力してしまった場合、ユーザは、その項目が現在利用不能であるという視覚メッセージ及び/又は可聴メッセージを受け取る。さらに、実行不能な構成要素を選択してしまったときの音声入力に応答することも可能である。
【0062】
本発明によれば、自動車の例示したアプリケーションにおいて、第3群の言葉の可能なグローバルキーワードは、アプリケーション群、すなわち、ナビゲーションシステム2.1、オーディオシステム2.2、電話/通信システム2.3、TV/ビデオシステム2.4、車載システム2.5、並びにエアーコンディショニングシステム5.1用の項目である。さらに、アプリケーション群に割り当てられるアプリケーションメニューの項目は、第3群の言葉のグローバルキーワードである。このようにして、ナビゲーションアプリケーションメニューは、例えば、ナビゲーションの開始、ナビゲーションの中断、マップの表示、動的モード等のような選択可能なアプリケーション又はオプション用のグローバルキーワードを含む。オーディオアプリケーションメニューは、例えば、ラジオ、CD、オーディオ、DVD、MP3、オーディオオフ等のような選択可能なアプリケーション又はオプション用のグローバルキーワードを含む。電話/通信アプリケーションメニューは、例えば、ブラウザ、住所録、ノート、電話、メッセージ、無線サービス、電話オフ等のような選択可能なアプリケーション又はオプション用のグローバルキーワードを含む。TV/ビデオアプリケーションメニューは、例えば、DVD、TV、ビデオオフ等のような選択可能なアプリケーション又はオプション用のグローバルキーワードを含む。車載システムアプリケーションメニューは、例えば、外部バックミラーの設定、室内灯の点灯時間、周囲照明、バックドアの境界等のような選択可能なアプリケーション又はオプション用のグローバルキーワードを含む。グローバルキーワードは、既に上述したように、すべてのメニューレベルにおいて音声制御手段6によって認識され、そして割り当てられた機能を行うために、中央処理ユニット4に転送される。
【0063】
第2群の言葉の項目用の可能なローカルキーワードは、アプリケーションに割り当てられる機能行240の項目である。例えば、機能行のナビゲーションアプリケーション群は、例えばナビゲーションシステムがスイッチオフされた場合に、位置、目的地、完全な画像等のような選択可能な機能又はオプション用のローカルキーワードを含む。ナビゲーションシステムが選択された場合、機能行240のナビゲーションアプリケーション群は、例えば、ルート、位置、運転指示の繰り返し、目的地、完全な画像等のような機能又はオプション用のローカルキーワードを含む。オーディオアプリケーション群は、機能行240において、ラジオアプリケーションが選択された場合に、例えば、ラジオ、メモリ、サウンド、VHF等のような選択可能な機能又はオプション用のローカルキーワードを含む。CD又はDVDアプリケーションが選択された場合、機能行240は、例えば、CD、タイトルリスト、チェンジャ、サウンド等のような選択可能な機能又はオプション用のローカルキーワードを含む。アプリケーションMP3が選択された場合、機能行240は、例えば、MP3、タイトル、ファイル、チェンジャ及びサウンドのような選択可能な機能又はオプション用のローカルキーワードを含む。電話/通信アプリケーション群は、機能行240において、住所録アプリケーションが選択された場合に、例えば、検索及び新たな項目のような選択可能な機能又はオプション用のローカルキーワードを含む。選択されたアプリケーションニュースは、機能行240において、例えば、入力、ニュース、立案、出力、メッセージ等のような選択可能な機能又はオプション用のローカルキーワードを含む。TV/ビデオアプリケーション群は、選択されたTVアプリケーションにおいて、例えば、メモリ、文字多重放送、サウンド等のような選択可能な機能又はオプション用のローカルキーワードを含む。車載システムアプリケーション群は、機能行240において、例えば、システム設定及びユーザプロファイルに関する選択可能な機能又はオプション用のローカルキーワードを含む。ローカルキーワードは、既に上述したように、メニューレベル、すなわち、選択されてアクティブになっているアプリケーション群に基づき音声制御手段6によって認識され、そして割り当てられた機能を実行するために中央処理ユニット4に転送される。
【0064】
第1群の言葉の項目用の可能なキーワードは、関連する機能メニューの機能に割り当てられる項目である。第1群の言葉は、選択されたナビゲーションアプリケーション群において、アクティブ表示領域210〜250に基づき場所、通り、番地の入力、ナビゲーションの開始等のような住所を入力するための機能メニュー用のキーワードを含み、目的地メモリ用の機能メニューの場合には、第1群の言葉は、アクティブ表示領域210〜250に基づきキーワードを削除すること、キーワードを変更すること等を含む。選択されたオーディオアプリケーション群では、第1群の言葉は、例えば、高音、低音、バランス/フェーダ等のような機能メニューサウンド用のキーワードを含む。選択されたTV/ビデオアプリケーション群では、第1群の言葉は、例えば、文字多重放送機能メニュー用のキーワードを含む。選択された車載システムアプリケーション群では、第1群の言葉は、例えば、機能メニューパスワード入力用の又は機能メニューシート用のキーワードを含む。
【0065】
図面に関連して説明してきた形態は、本発明を使用して、極めて多様な広範囲のアプリケーション及び/又は機能を制御することができることを示している。複数のメニューレベルを有するディスプレイに表示されたメニュー構造の選択でき及び/又はアクティブにすることができる項目を種々の群に分割することにより、現在表示されているディスプレイに可能なキーワードが表示されている状態に置かれた未熟なユーザのために、並びにある使用期間を経た後の熟練したユーザであれば、少なくとも選択されたキーワード又はキーワードの組み合わせをメモリにコミットするであろうと想定することができるので、メニュー構造内のメニューレベルを飛ばすことができ、さらに現在のディスプレイで見ることができない言葉を音声を用いて入力することもできる状態にある熟練したユーザのために、直観的な音声制御と操作の利便性とが向上する。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】自動車用の制御システムのブロック回路図である。
【図2】第1のメニューレベルにおける図1のディスプレイの概略図である。
【図3】第3のメニューレベルにおける図1のディスプレイの概略図である。
【図4】第2のメニューレベルにおける図1のディスプレイの概略図である。
【図5】第3のメニューレベルにおける図1のディスプレイの概略図である。
【図6】第4のメニューレベルにおける図1のディスプレイの概略図である。
【図7】第5のメニューレベルにおける図1のディスプレイの概略図である。
【図8】第2のメニューレベルにおける図1のディスプレイの概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のメニューレベルを有するメニュー構造の項目を表示するための複数の表示領域(210〜250)を有するディスプレイ(2)と、
前記メニュー構造の現在のメニューレベルにおいて、少なくとも1つの項目(1.1〜5.7)を選択し及び/又はアクティブにするための手動操作手段(3)と、
音声制御手段(6)用のキーワードを同時に形成する前記メニュー構造の少なくとも1つの項目を重複して選択し及び/又はアクティブにするための音声制御手段(6)を有する車両用の制御システムにおいて、
前記メニュー構造の前記項目(1.1〜5.7)が種々の群に分割され、
第1群が、前記手動操作手段(3)のみによって選択し及び/又はアクティブにすることができる項目を含み、
第2群が、前記手動操作手段(3)及び前記音声制御手段(6)によって選択し及び/又はアクティブにすることができる項目を含み、
前記第2群が、メニュー制御のために、どのキーワードを特定の時間で入力できるかを決定する簡単な規則によって規定できる少なくとも2つの言葉群に分割されることを特徴とする制御システム。
【請求項2】
前記ディスプレイ(2)に表示されるキーワードが識別子を有することを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
第1群の言葉がキーワードを含み、該キーワードが、前記ディスプレイ(2)のアクティブ表示領域(210〜250)に特定の時間に表示され、第1の部分用語集として前記音声制御手段(6)に対して利用可能になることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の制御システム。
【請求項4】
第2群の言葉がローカルキーワードを含み、該ローカルキーワードが、前記第1の部分用語集に加えて、第2の部分用語集として前記音声制御手段(6)に対して利用可能になり、前記現在のメニューレベルに依存することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項5】
第3群の言葉がグローバルキーワードを含み、該グローバルキーワードが、前記第1及び第2の部分用語集に加えて、第3の部分用語集として前記音声制御手段(6)に対して利用可能になり、前記現在のメニューレベル及び/又は前記アクティブ表示領域に依存しないことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項6】
前記キーワードの少なくとも1つが音声で入力された場合、前記手動操作手段(3)による対応する手動入力の場合と同一の機能が行われることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項7】
前記キーワードの少なくとも1つが音声で入力された場合、対応する手動入力と比較して制限される機能が行われ、前記機能の前記制限が、前記ディスプレイ(2)の前記現在のメニューレベル及び/又は前記アクティブ表示領域に依存することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項8】
表示されたリストの前記キーワードの識別が、音声入力によって選択できる前記項目の番号システムであり、項目を選択し及び/又はアクティブにするために、対応する数字又は対応する項目を音声で入力することが可能であることを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項9】
音声で入力できる前記項目の前記識別が、前記ディスプレイ(2)における特定の光学表示であることを特徴とする請求項2〜8のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項10】
異なる色、輝度、大きさ、及び/又は、形態を用いて、音声で入力できる前記項目の前記識別を行うことを特徴とする請求項9に記載の制御システム。
【請求項11】
少なくとも2つの言葉群に割り当てられるキーワードが入力された場合、前記現在のメニューレベル及び/又は前記アクティブ表示領域に割り当てられる前記機能が行われることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項12】
前記ディスプレイ(2)が、5つの主表示領域(210〜250)を備え、前記第1群が、前記第1及び/又は前記第3の表示領域(210、230)の項目を含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項13】
前記第2群が、前記第1、前記第2、前記第3、前記第4及び前記第5の表示領域(210〜250)のすべてのテキスト項目を含むことを特徴とする請求項12に記載の制御システム。
【請求項14】
前記第3群の言葉が、前記第2及び前記第5の表示領域(220、250)の項目用のキーワードを含むことを特徴とする請求項13に記載の制御システム。
【請求項15】
前記第2群の言葉が、前記第3、前記第4及び前記第5の表示領域(230、240、250)の項目用のキーワードを含むことを特徴とする請求項13あるいは14に記載の制御システム。
【請求項16】
前記言葉群が、現在の周囲条件及び/又は現在のシステム状態に依存する動的項目用のキーワードを含むことを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−522488(P2007−522488A)
【公表日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−545944(P2006−545944)
【出願日】平成16年11月20日(2004.11.20)
【国際出願番号】PCT/EP2004/013210
【国際公開番号】WO2005/066750
【国際公開日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【出願人】(598051819)ダイムラークライスラー・アクチェンゲゼルシャフト (1,147)
【Fターム(参考)】