説明

車両用インナーラダー

【課題】かさ張らず、車室内に取り付け可能な車両用インナーラダーを提供する。
【解決手段】車室26内に配置され、車体2に固定された固定脚部10と、固定脚部10に平行に設けられた可動脚部11とを備える。また、これら固定脚部10と可動脚部11とを繋ぐとともに、長手方向に各々所定間隔をおいて複数個設けられたステップ部12を備える。そして、ステップ部12と固定脚部10との接続部14aと、ステップ部12と可動脚部11との接続部14bとの、双方の接続部14に設けられ、ステップ部12を回動可能に支持するヒンジ部13を備える。可動脚部11が固定脚部10に接近する収納位置と、可動脚部11が固定脚部10から離隔するとともに複数個のステップ部12が回動して各々水平方向を向く使用可能位置との間で、可動脚部11が固定脚部10に対して移動可能に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車室内に設けられ、ルーフラック上の荷物の積み下ろしに使用できる車両用インナーラダーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、図7、図8に示すごとく、車両の後部ドア91に取付けた車両用ラダー9が知られている。使用者はこの車両用ラダー9に登ることにより、ルーフラック90上の荷物の積み下ろしを行う。
【0003】
この他に、例えば下記特許文献1に開示されているように、車体側部に設けた車両用ラダーが知られている。この特許文献1の車両用ラダーは、レールに沿って、車体側部にて車両前後方向へ移動可能に構成されている。また、下記特許文献にも、車体の側部に設けた車両用ラダーが開示されている。
このように従来の車両用ラダーは、車体の外側に取付けられているものが殆どである。
【0004】
【特許文献1】特開1997−240375号公報
【特許文献2】特開2002−36956号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、車外にラダー9を設けると、図9に示すごとく、車体から少し離れた位置にラダー9が存在するため、運転時に誤って建築物92等にラダー9が接触してしまう場合がある。
また、図10に示すごとく、雪道を走行すると、雪が舞い上がってラダー9に付着するため、目的地に着いてラダー9を使用する際に雪を除去する必要が生じる。
さらに、後部ドア91にラダー9を設けた場合には、図8に示すごとく、後部ドア91を開けた場合にラダー9が使用できなくなるという問題がある。
【0006】
上記問題を回避するため、車室内にラダー9を取り付けようとしても、ラダー9がかさ張るため車室空間が狭くなってしまい、取り付けることができない。そのため、かさ張らず、車室内に取り付け可能なラダーが望まれている。
【0007】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、かさ張らず、車室内に取り付け可能な車両用インナーラダーを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、車室内に配置され、長手方向が上下を向くように車体に固定された固定脚部と、
該固定脚部に平行に設けられた可動脚部と、
これら上記固定脚部と上記可動脚部とを繋ぐとともに、上記長手方向に各々所定間隔をおいて複数個設けられたステップ部と、
該ステップ部と上記固定脚部との接続部と、上記ステップ部と上記可動脚部との接続部との、双方の接続部に設けられ、上記ステップ部を回動可能に支持するヒンジ部と、
を備え、上記可動脚部が上記固定脚部に接近する収納位置と、上記可動脚部が上記固定脚部から離隔するとともに上記複数個のステップ部が回動して各々水平方向を向く使用可能位置との間で、上記可動脚部が上記固定脚部に対して移動可能に構成されていることを特徴とする車両用インナーラダーにある(請求項1)。
【0009】
次に、第1の発明の作用効果につき説明する。
本発明の車両用インナーラダー(以下、単にラダーとも記す)は、上記ステップ部が上記ヒンジ部により回動可能に支持されているため、可動脚部を固定脚部に対して離隔または接近移動させることができる。これにより、ラダーを使用しない時は可動脚部を固定脚部に接近させて収納することが可能となる。
従来のラダーはかさ張るので車室内に設けることができなかったが、上述の構成にすることで、可動脚部を固定脚部に接近させてコンパクトに収納することが可能となり、ラダーを車室内に取り付けることが可能となる。
【0010】
ラダーを使用する場合には可動脚部を固定脚部から離してステップ部を水平方向に向ける。これにより、ユーザがステップ部に足をかけることが可能となり、ルーフラック上に積載された荷物の積み下ろし作業ができる状態になる。
車室内にラダーを取り付けることにより、例えば、図8〜図10に示すごとく、車外に設けた従来のラダーと比較して、後部ドア91を開いた時に使用不可能になったり、バック運転時に建築物92に接触したりする問題が生じなくなる。また、雪道を走行した場合にラダーに雪が付着する問題も生じない。さらには、車外に取付けられているラダーは高い耐久性や防錆性が要求されるが、本発明のごとく車室内に取付けたラダーであれば、高い耐久性や防錆性は要求されない。そのため、ラダーの製造コストを下げることが可能となる。
【0011】
以上のごとく、本発明によれば、かさ張らず、車室内に取り付け可能な車両用インナーラダーを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
上述した本発明における好ましい実施の形態につき説明する。
本発明において、上記車両はスライド式ドアを備え、該スライド式ドアのドア開口部の側縁に配置された柱部に、上記固定脚部が固定されていることが好ましい(請求項2)。
この場合には、可動脚部を収納位置から使用可能位置まで動かすと、ドア開口部にラダーが現れるため、ユーザがラダーを使用しやすくなる。
つまり、仮にラダーが車内の奥の方に設けられていたとすると、ラダーに登った場合にルーフラックに手が届きにくくなってしまう。しかし本例のように、ドア開口部にラダーが現れるように構成すれば、ユーザがラダーに登った場合に、ルーフラックに容易に手が届くようになる。また、収納時にはラダー全体が柱部に隠れるため、車内で邪魔になりにくい。
【0013】
また、上記可動脚部の長手方向下端部は、上記使用可能位置にて上記車両の床面に当接するように構成されていることが好ましい(請求項3)。
この場合には、ユーザがラダーに登った際に、固定脚部と可動脚部との双方でユーザの体重を支えることが可能となる。そのため、安定性が増す。
なお、可動脚部の長手方向下端部にゴムや樹脂等からなる滑り止め部材を設けることが好ましい。これにより、使用時に可動脚部の下端部が床面上を滑りにくくなり、ラダーの安定性が一層向上する。
【0014】
また、上記可動脚部は、本体部と、該本体部の両側縁から上記固定脚部に向かって延出する延出部とから構成され、上記可動脚部は、上記収納位置にて上記本体部および延出部が上記固定脚部と上記ステップ部とを遮蔽するカバー部を兼ねることが好ましい(請求項4)。
この場合には、可動脚部がカバー部を兼ねるため、ステップ部やヒンジ部等を隠すことができる。そのため、収納時にラダーが目立たなくなる。
また、ラダーを使用するとステップ部に土等が付着することがあるが、上記構成にすると、収納時に可動脚部によりステップ部がカバーされるため、ユーザが触っても汚れる心配が無くなる。
【0015】
また、上記可動脚部に形成された係合部と、上記固定脚部に形成された被係合部とから構成され、上記収納位置にて上記係合部と上記被係合部とが係合することにより、上記可動脚部と上記固定脚部との分離を防止するストッパーが形成されていることが好ましい(請求項5)。
この場合には、運転時に生じる振動により可動脚部が固定脚部から離れてしまう不具合を防止できる。
【0016】
また、上記使用可能位置から上記収納位置に向かうほど、上記可動脚部が高い位置に移動するように、上記複数個のステップ部が各々回動することが好ましい(請求項6)。
この場合には、ラダーの収納作業および開脚作業が楽になる。
すなわち、可動脚部を動かした場合に、その可動脚部の高さ位置が変わらないように構成することも可能であるが、その場合は、可動脚部の下端部が車両床面に接する場合があり、摩擦力が生じて、可動脚部を動かすのに強い力が必要な場合がある。
しかし上述のごとく、使用可能位置から収納位置へ向かうほど、可動脚部が高くなるように構成すれば、可動脚部の下端部が車両床面に接しないですむ。そのため、ラダーの収納作業および開脚作業を小さな力で行うことができる。
【実施例】
【0017】
(実施例1)
本発明の実施例にかかる車両用インナーラダーにつき、図1〜図4を用いて説明する。
本例の車両用インナーラダー1は、図1、図2に示すごとく、車室26内に配置され、長手方向が上下を向くように車体2に固定された固定脚部10を備える。また、固定脚部10に平行に可動脚部11が設けられている。
そして、図1(B)、図2に示すごとく、これら固定脚部10と可動脚部11とを繋ぐステップ部12が、長手方向に各々所定間隔をおいて複数個設けられている。また、図1(B)に示すごとく、ステップ部12と固定脚部10との接続部14aと、ステップ部12と可動脚部11との接続部14bとの、双方の接続部14に、ステップ部12を回動可能に支持するヒンジ部13が設けられている。
そして、可動脚部11が固定脚部10に接近する収納位置(図1(A)参照)と、可動脚部11が固定脚部10から離隔するとともに複数個のステップ部12が回動して各々水平方向を向く使用可能位置(図1(B)参照)との間で、可動脚部11が固定脚部10に対して移動可能に構成されている。
【0018】
また、図2に示すごとく、車両はスライド式ドア21を備える。そして、スライド式ドア21のドア開口部22の側縁に配置された柱部23に、固定脚部10が固定されている。
【0019】
次に、図1(B)、図2に示すごとく、可動脚部11の長手方向下端部15は、使用可能位置にて車両の床面27に当接するように構成されている。
また、可動脚部11の長手方向下端部15には、ゴム製の滑り止め部材15aが取り付けられている。
【0020】
また、図2、図3に示すごとく、使用可能位置から収納位置に向かうほど、可動脚部11が高い位置に移動するように、複数個のステップ部12が各々回動している。
【0021】
さらに、図3、図4に示すごとく、可動脚部11は、本体部111と、本体部111の両側縁から固定脚部10に向かって延出する延出部112とから構成され、可動脚部11は、収納位置にて本体部111および延出部112が固定脚部10とステップ部12とを遮蔽するカバー部11’を兼ねている。
【0022】
また、図4に示すごとく、可動脚部11に形成された係合部161と、固定脚部10に形成された被係合部162とから構成され、収納位置にて係合部161と被係合部162とが係合することにより、可動脚部11と固定脚部10との分離を防止するストッパー16が形成されている。
また、可動脚部11には固定解除ボタン17が設けられている。使用時には、この固定解除ボタン17を押圧する。これにより、ストッパー16が固定解除され、可動脚部11が固定脚部10から離れる。
【0023】
一方、図4に示すごとく、各ステップ部12の両端部にはピン挿入孔132が貫通形成されている。また、固定脚部10および可動脚部11には、ステップ取付部133が設けられ、このステップ取付部133に貫通孔134が形成されている。そして、ステップ部12のピン挿入孔132を貫通孔134に位置合わせし、ピン131を挿入する。これによりヒンジ部13が形成され、ステップ部12がピン131を中心軸として回動可能に支持される。なお、ピン131の両端部には、図示しない拡径部が形成され、抜け止めがなされている。
【0024】
次に、本例の車両用インナーラダー1の作用効果について説明する。
本例の車両用インナーラダー1は、図1に示すごとく、ステップ部12がヒンジ部13により回動可能に支持されているため、可動脚部11を固定脚部10に対して離隔または接近移動させることができる。これにより、ラダー1を使用しない時は可動脚部11を固定脚部10に接近させて収納することが可能となる。
従来のラダーはかさ張るので車室内に設けることができなかったが、上述の構成にすることで、可動脚部11を固定脚部10に接近させてコンパクトに収納することが可能となり、ラダー1を車室26内に取り付けることが可能となる。
【0025】
なお、図2に示すごとく、ラダー1を使用する場合には可動脚部11を固定脚部10から離してステップ部12を水平方向に向ける。これにより、ユーザがステップ部12に足をかけることが可能となり、ルーフラック24上に積載された荷物の積み下ろし作業ができる状態になる。
また、車室26内にラダー1を取り付けることにより、例えば図8〜図10に示すごとく、車外に設けた従来のラダーと比較して、後部ドア91を開いた時に使用不可能になったり、バック運転時に建築物92に接触したりする問題が生じなくなる。また、雪道を走行した場合にラダーに雪が付着するような問題も生じない。さらには、車外に取付けられているラダーは高い耐久性や防錆性が要求されるが、本発明のごとく車室26内に取付けたラダーであれば、高い耐久性や防錆性は要求されない。そのため、ラダー1の製造コストを下げることが可能となる。
【0026】
また、図2に示すごとく、スライド式ドア21のドア開口部22の側縁に配置された柱部23に、固定脚部10が固定されている。
この場合には、可動脚部11を収納位置から使用可能位置まで動かすと、ドア開口部22にラダー1が現れるため、ユーザがラダー1を使用しやすくなる。
つまり、仮にラダー1が車内の奥の方に設けられていたとすると、ラダー1に登った場合にルーフラック24に手が届きにくくなってしまう。しかし本例のように、ドア開口部22にラダー1が現れるように構成すれば、ユーザがラダー1に登った場合に、ルーフラック24に容易に手が届くようになる。また、収納時にはラダー1全体が柱部23に隠れるため、車内で邪魔になりにくい。
【0027】
また、図1(B)および図2に示すごとく、可動脚部11の長手方向下端部15は、使用可能位置にて車両の床面27に当接している。
この場合には、ユーザがラダー1に登った際に、固定脚部10と可動脚部11との双方でユーザの体重を支えることが可能となる。そのため、使用時の安定性が増す。
【0028】
さらに、図1(B)に示すごとく、可動脚部11の長手方向下端部15にゴム製の滑り止め部材15aが取り付けられている。
これにより、使用時に長手方向下端部15が床面27上を滑りにくくなり、ラダー1の安定性が一層向上する。
【0029】
また、図3に示すごとく、可動脚部11は、収納位置にて本体部111と延出部112が固定脚部10とステップ部12とを遮蔽するカバー部11’を兼ねている。
この場合には、ステップ部12やヒンジ部13等を隠すことができる。そのため、収納時にラダー1が目立たなくなる。
また、ラダー1を使用するとステップ部12に土等が付着することがあるが、上記構成にすると、収納時に可動脚部11によりステップ部12がカバーされるため、ユーザが触っても汚れる心配が無くなる。
【0030】
また、図4に示すごとく、可動脚部11と固定脚部10との分離を防止するストッパー16が形成されている。
この場合には、運転時に生じる振動により可動脚部11が固定脚部10から離れてしまう不具合を防止できる。また、可動脚部11を収納すると係合部161と被係合部162とが自動的に係合するため、ユーザは特に意識しなくても可動脚部11を固定脚部10に固定することができる。
【0031】
また、本例の車両用インナーラダー1は、図2、図3に示すごとく、使用可能位置から収納位置に向かうほど、可動脚部11が高い位置に移動するように、複数個のステップ部12が各々回動する。
この場合には、ラダー1の収納作業および開脚作業が楽になる。
すなわち、可動脚部11を動かした場合に、その可動脚部11の高さ位置が変わらないように構成することも可能であるが、この場合は、可動脚部11の下端部15が車両床面27に接する場合があり、摩擦力が生じて、可動脚部11を動かすのに強い力が必要な場合がある。
しかし本例のように、使用可能位置から収納位置へ向かうほど、可動脚部11が高くなるように構成すれば、可動脚部11の下端部15が車両床面27に接しないですむ。そのため、ラダーの収納作業および開脚作業を小さな力で行うことができる。
【0032】
以上のごとく、本例によれば、かさ張らず、車室内に取り付け可能な車両用インナーラダーを提供することができる。
【0033】
(実施例2)
本例は、図5に示すごとく、車両用インナーラダー1の取付場所を変えた例である。図示するごとく、本例の車両用インナーラダー1は、後部ドア25の開口部28の側部に、固定脚部10が固定されている。使用する際は後部ドア25を開き、可動脚部11を収納位置(図5(A))から使用可能位置(図5(B))まで動かす。これによりステップ部12が水平方向を向き、ユーザが登ることが可能となる。
その他、実施例1と同様の構成を有する。
【0034】
実施例2の作用効果につき説明する。
図5に示すごとく、本例の車両用インナーラダー1は、後部ドア25の開口部28の側部に固定されている。この後部ドア25はユーザが頻繁に出入りするドアではないため、この位置にラダー1を設けたとしても、ユーザの邪魔になりにくい。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
【0035】
(実施例3)
本例は、図6に示すごとく、ステップ部12の形状を変えた例である。図示するごとく、本例の車両用インナーラダー1は、ステップ部12が中央で折れ曲がる構造をしており、この折れ曲り部に中央支持脚部18を設けてある。可動脚部11を収納位置から使用可能位置へ動かすと、中央支持脚部18の下端部19が床面27に当接する。
その他、実施例1と同様の構成を有する。
【0036】
図6に示すごとく、本例の車両用インナーラダー1は、固定脚部10と、移動脚部11と、中央支持脚部18との3本の脚部でユーザの体重を支持するので、使用時の安定性を高めることができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】実施例1における、車両用インナーラダーの(A)収納位置での側面図(B)使用可能位置での部分斜視図。
【図2】実施例1における、車両用インナーラダーおよび車両の側面図。
【図3】実施例1における、車両用インナーラダーの部分拡大斜視図。
【図4】実施例1における、車両用インナーラダーの分解斜視図。
【図5】実施例2における、(A)後部ドアを開け、車両用インナーラダーを収納した状態の説明図(B)車両用インナーラダーを使用可能にした状態の説明図。
【図6】実施例3における、車両用インナーラダーの側面図であって、(A)可動脚部を動かしている途中の図(B)可動脚部を使用可能位置まで移動した図。
【図7】従来例における、車両用ラダーを取り付けた車両の斜視図。
【図8】従来例における、車両用ラダーを取り付け、後部ドアを開いた車両の斜視図。
【図9】従来例における、車両移動中に車両用ラダーが建築物に接触した際の図。
【図10】従来例における、雪道を移動中に車両用ラダーに雪が付着した際の図。
【符号の説明】
【0038】
1 車両用インナーラダー(ラダー)
10 固定脚部
11 可動脚部
12 ステップ部
13 ヒンジ部
14 接続部
16 ストッパー
21 スライド式ドア
26 車室
23 柱部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室内に配置され、長手方向が上下を向くように車体に固定された固定脚部と、
該固定脚部に平行に設けられた可動脚部と、
これら上記固定脚部と上記可動脚部とを繋ぐとともに、上記長手方向に各々所定間隔をおいて複数個設けられたステップ部と、
該ステップ部と上記固定脚部との接続部と、上記ステップ部と上記可動脚部との接続部との、双方の接続部に設けられ、上記ステップ部を回動可能に支持するヒンジ部と、
を備え、上記可動脚部が上記固定脚部に接近する収納位置と、上記可動脚部が上記固定脚部から離隔するとともに上記複数個のステップ部が回動して各々水平方向を向く使用可能位置との間で、上記可動脚部が上記固定脚部に対して移動可能に構成されていることを特徴とする車両用インナーラダー。
【請求項2】
請求項1において、上記車両はスライド式ドアを備え、該スライド式ドアのドア開口部の側縁に配置された柱部に、上記固定脚部が固定されていることを特徴とする車両用インナーラダー。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、上記可動脚部の長手方向下端部は、上記使用可能位置にて上記車両の床面に当接するように構成されていることを特徴とする車両用インナーラダー。
【請求項4】
請求項1〜請求項3において、上記可動脚部は、本体部と、該本体部の両側縁から上記固定脚部に向かって延出する延出部とから構成され、上記可動脚部は、上記収納位置にて上記本体部および延出部が上記固定脚部と上記ステップ部とを遮蔽するカバー部を兼ねることを特徴とする車両用インナーラダー。
【請求項5】
請求項1〜請求項4において、上記可動脚部に形成された係合部と、上記固定脚部に形成された被係合部とから構成され、上記収納位置にて上記係合部と上記被係合部とが係合することにより、上記可動脚部と上記固定脚部との分離を防止するストッパーが形成されていることを特徴とする車両用インナーラダー。
【請求項6】
請求項1〜請求項5において、上記使用可能位置から上記収納位置に向かうほど、上記可動脚部が高い位置に移動するように、上記複数個のステップ部が各々回動することを特徴とする車両用インナーラダー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−23597(P2010−23597A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−185537(P2008−185537)
【出願日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(000110321)トヨタ車体株式会社 (1,272)
【Fターム(参考)】