説明

車両用カウルルーバの固定用モール及び車両用カウルルーバの固定構造

【課題】車両用カウルルーバの係合部の係合代を確保しつつ、厚みを薄くする。
【解決手段】車両前方側から車両後方側に見てフック部108とクリップ104との少なくとも一部が重なり、且つ、挿入方向Sに見てフック部108とクリップ104とが重ならないように、クリップ保持部110よりも車両前方側に挿入溝160が設けられている。したがって、フック部108の挿入方向Sの直下にクリップ104が配置された構成と比較し、カウルルーバ54のフック部108の係合代を確保しつつ、モール100の厚みを薄くすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用カウルルーバの固定用モール及び車両用カウルルーバの固定構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1及び特許文献2には、フロントウインドシールドガラスの前端部の車両前方側に車両幅方向に沿って配設される車両用カウルルーバを固定する固定構造が提案されている(特許文献1及び特許文献2を参照)。
【0003】
特許文献3に記載のカウルルーバの固定構造では、カウルルーバの突条部がモールの溝部に挿入され係合することでカウルルーバにモールが取り付けられると共に、モールの溝部の底部に形成された貫通穴に車体側のカウルパネルに装着された固定用のクリップが押し込まれることによってカウルパネルにモールが取り付けられる。つまり、モールを介してカウルルーバが車体側に固定される構造が提案されている。(特許文献3を参照)。
【0004】
特許文献3では、カウルルーバの突条部の直下にクリップが配置されている。このようにカウルルーバの突条部の直下にクリップが配置された構造の場合、モールには、突条部が溝部に係合する係合代とクリップを保持する保持代との両方を確保できる厚みが必要となる。よって、係合代を十分に確保すると、モールの厚みが厚くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−40859号公報
【特許文献2】特許第3621919号
【特許文献3】特開2010−184618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記を考慮し、車両用カウルルーバの係合部の係合代を確保しつつ、厚みを薄くすることがきる固定用モール、及びこの固定モールを用いた車両用カウルルーバの固定構造を提供することが、課題である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、車両のウインドシールドガラスの前端部の下側に車両幅方向に沿って配置された車体側パネルに形成された固定孔に係合するクリップを保持すると共に、車両後方側に延在した延在部が前記ウインドシールドガラスの前端部と前記車体側パネルとの間に挟まれたクリップ保持部と、前記クリップ保持部の車両前方側に設けられ、前記ウインドシールドガラスの前記前端部の車両前方側に車両幅方向に沿って配設された車両用カウルルーバの後端部と、前記車体側パネルと、の間に配置され、前記車両用カウルルーバの前記後端部に設けられた係合部が係合すると共に、車両前方側から見て前記係合部と前記クリップとの少なくとも一部が重なるように設けられた挿入部を有するカウルルーバ固定部と、を備える。
【0008】
請求項1の発明では、固定用モールのクリップ保持部が保持するクリップが、車体側パネルに形成された固定孔に挿入され係合することで、固定用モールが車体側パネルに固定される。また、固定用モールの挿入部に車両用カウルルーバの後端部に設けられた係合部が係合することで、固定用モールに車両用カウルルーバの後端部が固定される。つまり、固定用モールを介して車両用カウルルーバの後端部が車体側パネルに固定される。
【0009】
更に、車両前方側から見て係合部とクリップとの少なくとも一部が重なるように挿入部が設けられている。したがって、車両用カウルルーバの係合部を挿入部に係合させるための係合代を確保しつつ、固定用モールの厚みを薄くすることができる。
【0010】
請求項2の発明は、前記カウルルーバ固定部には、前記挿入方向と反対方向に反力を与える反力付与手段が設けられている。
【0011】
請求項2の発明では、反力付与手段が挿入方向と反対方向に反力を与えるので、車両用カウルルーバの係合部が固定用モールのカウルルーバ固定部の挿入部にガタツキなく係合される。つまり、車両用カウルルーバが固定用モールに安定して固定される。
【0012】
請求項3の発明は、前記反力付与手段は、前記カウルルーバ固定部の前記挿入部の側壁部に閉断面形状に形成され、前記車両用カウルルーバの当接により、前記係合部の挿入方向に変形する側壁変形部である。
【0013】
請求項3の発明では、挿入部の側壁部に形成された側壁変形部が変形することで発生する反力によって、車両用カウルルーバの係合部が固定用モールのカウルルーバ固定部の挿入部にガタツキなく係合される。また、側壁変形部が変形することで側壁部の倒れ込みによる挿入部の開きが抑制される。よって、車両用カウルルーバの係合部が、更に安定して係合される。
【0014】
請求項4の発明は、前記反力付与手段は、前記カウルルーバ固定部の前記挿入部の底部に閉断面形状に形成され、前記係合部の当接により、前記係合部の挿入方向に変形する底部変形部である。
【0015】
請求項4の発明では、挿入部の底部に形成された底部変形部が変形することで発生する反力によって、車両用カウルルーバの係合部が固定用モールのカウルルーバ固定部の挿入部にガタツキなく係合される。また、挿入部の底部変形部が変形することで、底部が側壁部を内側に引っ張るので、側壁部の倒れ込みによる挿入部の開きが抑制される。よって、車両用カウルルーバの係合部が、更に安定して係合される。
【0016】
請求項5の発明は、前記カウルルーバ固定部における前記車体側パネル側の面に、前記挿入部側に凹んだ車両幅方向に延在する凹部が形成されている。
【0017】
請求項5の発明では、固定用モールにおける車体側パネル側の下面に、車両幅方向に延在する凹部が形成されている。よって、車両幅方向に延在する固定用モールが車両前後方向に湾曲した状態で車両側パネルに固定されたとしても、凹部が下面の歪みを吸収するので、固定用モールの倒れが抑制される。
【0018】
請求項6の発明は、弾性材料から成る軟質材と、前記軟質材よりも硬い硬質材と、の二つの材料で一体成型され、前記車両用カウルルーバの後端部及び前記ウインドシールドガラスに当接する当接面側は前記軟質材で構成され、前記当接面と反対側は前記高硬度材で構成されている。
【0019】
請求項6の発明では、車両用カウルルーバの後端部、或いはウインドシールドガラスが振動しても、固定用モールにおけるこれらの当接面が、弾性材料から成る軟質材で構成されているので、振動が減衰される。また、固定用モールにおける他の部位は硬質材で構成されているので、車両用カウルルーバを車体側パネルに固定する固定性能は確保される。したがって、車両用カウルルーバを車体側パネルに固定する固定性能を確保しつつ、異音の発生が抑制又は防止される。
【0020】
請求項7の発明は、車両のウインドシールドガラスの前端部の車両前方側に車両幅方向に沿って配設された車両用カウルルーバの後端部が、前記ウインドシールドガラスの前記前端部の下側に車両幅方向に沿って配置されると共に前記車両用カウルルーバの後端部の下側に延在する車体側パネルに、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の車両用カウルルーバの固定用モールによって、前記ウインドシールドガラスの前端部と前記カウルルーバ固定部との間に隙間をあけて固定されている共に、前記固定用モールの延材部が前記車体側パネルと前記ウインドシールドガラスとの間をシールするシール材の車両前方側へのはみ出しを塞き止めるように配置されている。
【0021】
請求項7の発明では、車両用カウルルーバを車体側パネルに固定する固定用モールは、係合代を確保しつつ、厚みを薄くすることができるので、車両用カウルルーバの後端部とウインドシールドガラスとの前端部の段差が小さい、或いは段差が略解消される。
【0022】
また、ウインドシールドガラスの製造ばらつき等による先端位置のばらつきが、車体側パネルに固定された固定用モールのカウルルーバ固定部との間の隙間によって吸収される。また、この隙間部分の空間にフロントウインドシールドガラスを流れた水を受ける雨樋の機能を持たせることも可能となる。
【0023】
また、固定用モールの延在部が、シール材の車両前方側へのはみ出しを塞き止める。
【0024】
請求項8の発明は、前記車両用カウルルーバの後端部にリップ部が一体的に形成され、前記リップ部は、外面が前記車両用カウルルーバの後端部における外面と同一面上又は略同一面上とされ、前記ウインドシールドガラスに沿って延在し前記ウインドシールドガラスの前記前端部に当接して覆う請求項7に記載の車両用カウルルーバの固定構造。
【0025】
請求項8の発明では、係合代を確保しつつ、厚みが薄い固定用モールが用いられることによって、車両用カウルルーバの後端部とウインドシールドガラスとの段差が小さくなり或いは段差が略解消される。これにより、車両用カウルルーバの後端部の外面と同一面上又は略同一面上とされウインドシールドガラスに沿って延在るリップ部を、車両用カウルルーバの後端部に一体的に形成することが容易に実現される。この結果、車両用カウルルーバの後端部とウインドシールドガラスとの前端部との境界部分に段差や継目が殆どない構成となり、見栄えが向上する。
【発明の効果】
【0026】
請求項1に記載の発明によれば、車両用カウルルーバの係合部が挿入される挿入方向に見て、係合部とクリップ部とが重なった構成と比較し、車両用カウルルーバの係合部の係合代を確保しつつ、固定用モールの厚みを薄くすることができる、
【0027】
請求項2に記載の発明によれば、反力付与手段を有しない構成と比較し、車両用カウルルーバを固定用モールに安定して固定することができる。
【0028】
請求項3に記載の発明によれば、側部変形部を有しない場合と比較し、車両用カウルルーバを固定用モールに安定して固定することができる。
【0029】
請求項4の発明は、底部変形部を有しない場合と比較し、車両用カウルルーバを固定用モールに安定して固定することができる
【0030】
請求項5に記載の発明によれば、下面に凹部が形成されていない平面である構成と比較し、固定用モールが車両前後方向に湾曲した場合の固定用モールの倒れを抑制することができる。
【0031】
請求項6に記載の発明によれば、車両用カウルルーバの後端部及びウインドシールドガラスに当接する当接面が硬質材で構成されている構成と比較し、車両用カウルルーバの後端部及びウインドシールドガラスの振動による異音が抑制又は防止される。
【0032】
請求項7に記載の発明によれば、請求項1〜請求項6に記載の固定用モール以外で固定された構成と比較し、車両用カウルルーバの後端部とウインドシールドガラスとの段差を小さく又は略解消することができる。
【0033】
請求項8に記載の発明によれば、車両用カウルルーバの後端部とウインドシールドガラスとの段差が大きく、リップ部が別部材で構成された場合と比較し、見栄えが向上する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の第一実施形態に係る固定用モールによって車両用カウルルーバが固定された車両の前部を示す斜視図である。
【図2】本発明の第一実施形態に係る固定用モールによって車両用カウルルーバが固定された固定構造を示す図1のA−A線に沿った縦断面図である。
【図3】本発明の第一実施形態に係る固定用モールによって車両用カウルルーバを固定する工程を(A)〜(D)へと順番に示す工程図である。
【図4】本発明の第二実施形態に係る固定用モールによって車両用カウルルーバが固定された固定構造を示す図2に対応する縦断面図である。
【図5】本発明の第一実施形態の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
<第一実施形態>
【0036】
図1〜図3を用いて、本発明の第一実施形態に係る固定用モール及び車両用カウルルーバの固定構造について説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前後方向前側を示しており、矢印UPは車両上下方向上側を示しており、矢印OUTは車両幅方向外側を示している。
【0037】
[車両の前部構造]
まず、本発明が適用された車両10の車両前部構造について、説明する。
【0038】
図1に示されるように、本実施形態の車両10は、車両前方側の上面にフード16が設けられている。フード16の車両後方側、且つ車室14の前方側には、フロントウインドシールドガラス12が配設されている。このフロントウインドシールドガラス12は、車両上方へ向けて車両後方側に傾斜した状態で配置されている。また、フロントウインドシールドガラス12の車両幅方向両端側は、車両後方側に向かって湾曲された形状となっている。
【0039】
フロントウインドシールドガラス12の前端部12Aの車両前方下方側には、フード16の後端部16Aに隣接するように、カウル50が配設されている。
【0040】
図2に示すように、カウル50は、板金製のカウル本体52と樹脂製のカウルルーバ54とを備えている。
【0041】
カウル本体52は、フロントウインドシールドガラス12の前端部12Aの車両下方側に車両幅方向に沿って配設されている。カウル本体52には、空気導入用のダクト開口部(図示略)等が形成されている。なお、図2では、カウル本体52の一部を構成するフロントカウルトップアウタの前部がカウル本体52として図示されている。
【0042】
フロントウインドシールドガラス12とカウル本体52との間は、ウレタンシーラ60によって、シールされている。
【0043】
カウルルーバ54は、カウル本体52の車両上方側に配置されている。また、カウルルーバ54は、フロントウインドシールドガラス12の前端部12A側から閉止状態のフード16の後端部16A側(図1参照)にかけての範囲において車両幅方向に沿って配設されている。
【0044】
そして、カウルルーバ54の後端部54Aが、モール100を介して、カウル本体52に固定されている。
【0045】
[モール及び固定構造]
つぎに、本発明の第一実施形態に係るカウルルーバ54の後端部54Aを固定するモール100及びこのモール100を用いたカウルルーバ54の固定構造について説明する。
【0046】
図2に示すように、フロントウインドシールドガラス12の前端部12Aの周りに、モール100が配置されている。
【0047】
本実施形態では、モール100は、フロントウインドシールドガラス12の前端部12Aにおける車両幅方向の略全域に亘って延在する。また、モール100は、フロントウインドシールドガラス12に沿って、車両幅方向両端側が車両後方側に向かって湾曲されている。
【0048】
モール100は、クリップ保持部110とカウルルーバ固定部150とを備えている。
【0049】
クリップ保持部110には、保持穴112が形成されている。保持穴112には、カウル本体52に形成された固定孔102に挿入され係合するクリップ104が保持される。
【0050】
更に、クリップ保持部110には、車両後方側に延在した延材部の一例としてのダム部114が形成されている。ダム部114はフロントウインドシールドガラスの12とカウル本体52との間に配置され、これらフロントウインドシールドガラスの12とカウル本体52とに挟まれている。また、保持穴112の車両後方側半分はフロントウインドシールドガラス12とカウル本体52との間に配置され、これらフロントウインドシールドガラス12とカウル本体52とに挟まれている。
【0051】
カウルルーバ固定部150は、クリップ保持部110の車両前方側に設けられている。カウルルーバ固定部150は、カウルルーバ54の後端部54Aとカウル本体52との間に配置されている。
【0052】
カウルルーバ固定部150には、車両幅方向に延在する挿入溝160が形成されている。この挿入溝160に、カウルルーバ54の後端部54Aに設けられ、下側に突出し車両幅方向に延在するリブ状の係合部の一例としてのフック部108が、上方から挿入され係合する。
【0053】
フック部108を挿入溝160に挿入する挿入方向Sは、車両後方斜め下側方向とされている。また、車両前方側から車両後方側に見てフック部108とクリップ104との少なくとも一部が重なり、且つ、挿入方向Sに見てフック部108とクリップ104とが重ならないように、クリップ保持部110よりも車両前方側に挿入溝160が設けられている。
【0054】
挿入溝160におけるクリップ保持部110側(車両後方側)の後側側壁部162には、フック部108の先端部108Aが係合する突起部162Aが形成されている。
【0055】
挿入溝160におけるクリップ保持部110と反対側(車両前方側)の側壁部の一例としての前側側壁部164は、車両前後方向に沿った縦断面の外形が略三角形状となっている。なお、三角形を構成する三つの角部の内の一つがカウルルーバ54の後端部54Aに当接し、他の一つがフック部108に当接するように構成されている。また、この前側側壁部164の内部には、車両前後方向に沿った縦断面が略三角形状の閉断面構造とされた中空状の壁側変形部166が形成され、車両幅方向に延在している。
【0056】
また、モール100のカウルルーバ固定部150におけるカウル本体52側の下面152には、挿入溝160側に凹んだ車両幅方向に延在する凹部154が形成されている。
【0057】
本実施形態においては、モール100は、ゴム等のように弾性変形可能な軟質材(軟質樹脂材)Q1と、軟質材よりも硬い硬質材(硬質樹脂材)Q2と、の二つの材料で一体成型(二色成型・ダブルモールド)されている。なお、本実施形態においては、線Qを境に、車両上下方向上側、すなわちカウルルーバ54の後端部54A及びフロントウインドシールドガラス12に当接する当接面側は軟質材Q1で構成され、車両上下方向下側、すなわち当接面と反対側は高硬度材Q2で構成されている。
【0058】
このような構成のモール100は、クリップ保持部110の保持するクリップ104が、カウル本体52に形成された固定孔102に挿入され係合することで、カウル本体52に固定される。また、モール100の挿入溝160にカウルルーバ54の後端部54Aに設けられたフック部108が挿入され係合することで、モール100にカウルルーバ54の後端部54Aが固定される。つまり、モール100を介してカウルルーバ54の後端部54Aがカウル本体52に固定される。
【0059】
なお、モール100を介してカウルルーバ54の後端部54Aがカウル本体52に固定された状態において、フロントウインドシールドガラス12の前端部12Aの先端12ATと、モール100のカウルルーバ固定部150と、の間に隙間Lが形成されている。
【0060】
また、カウルルーバ54の後端部54Aには、リップ部180が一体的に形成されている。リップ部180は、外面180Gがカウルルーバ54の後端部54Aの外面54Gと同一面上(又は略同一面上)になるように構成されている。リップ部180は、カウルルーバ54の後端部54Aからフロントウインドシールドガラス12に沿って延在しフロントウインドシールドガラス12の前端部12Aに当接して覆うように構成されている。
【0061】
[カウルルーバの固定方法]
つぎに、モール100を用いて、カウルルーバ54の後端部54Aを、カウル本体52に固定する固定方法(固定工程)について、図3を用いて説明する。なお、ここで説明する固定方法(固定工程)は一例であって、これに限定されるものではない。
【0062】
まず、図3(A)に示すように、モール100のクリップ保持部110の保持穴112にクリップ104を保持させる。
【0063】
図3(B)に示すように、モール100に保持されたクリップ104を、カウル本体52の固定孔102に挿入して係合させることで、モール100をカウル本体52に固定する。
【0064】
図3(C)に示すように、ウレタンシーラ60が塗布されたフロントウインドシールドガラス12を取り付ける。このとき、フロントウインドシールドガラス12の前端部12Aの先端12ATは、モール100のクリップ保持部110の保持穴112にかかるように配置し、ダム部114とクリップ保持部110の車両後方側略半分とが、カウル本体52とフロントウインドシールドガラス12との間に挟まれるように取り付ける。
【0065】
図3(D)に示すように、カウルルーバ54の後端部54Aのフック部108を挿入溝160に車両上方側から挿入する。フック部108の先端部108Aが挿入溝160の後側側壁部162の突起部162Aを乗り越え、先端部108Aが突起部162Aに係合する。これにより、カウルルーバ54の後端部54Aがモール100に固定される。
【0066】
このようにして、カウルルーバ54の後端部54Aが、モール100を介して、カウル本体52に固定される。なお、前述したように、フロントウインドシールドガラス12の前端部12Aの先端12ATと、モール100のカウルルーバ固定部150と、の間に隙間Lが形成されている。
【0067】
[作用及び効果]
つぎに、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0068】
フック部108の挿入方向Sの直下にクリップ104が配置されていた場合、モールの厚みは、カウルルーバ54のフック部108を挿入溝160に挿入して係合させる為の係合代と、クリップ104の保持代と、の両方を確保する厚みが必要となる。つまり、カウルルーバ固定部の厚みとクリップ保持部厚みとの両方の厚みがモール全体の厚みとなる。
【0069】
これに対して本実施形態では、図2に示すように、車両前方側から車両後方側に見てフック部108とクリップ104との少なくとも一部が重なり、且つ、挿入方向Sに見て、フック部108とクリップ104とが重ならないように、クリップ保持部110よりも車両前方側に挿入溝160が設けられている。よって、フック部108の挿入方向Sの直下にクリップ104が配置された構成と比較し、モール100の厚みを薄くすることができる。
【0070】
また、カウルルーバ54のフック部108を挿入溝160に挿入する際に、フック部108がクリップ104に当ることが抑制される。
【0071】
また、カウルルーバ54のフック部108が、カウル本体50に干渉するまでのオーバーストロークを十分に確保することができる。
【0072】
したがって、フック部108の挿入方向Sの直下にリップ104が配置された構成と比較し、カウルルーバ54のフック部108を挿入溝160に挿入して係合させる為の係合代及びオーバーストロークを確保しつつ、モール100の厚みを薄くることができる。
【0073】
別の観点から説明すると、カウルルーバ54のフック部108の係合代と、クリップ104の保持代と、の両方を確保しつつ、モール100の厚みを薄くすることができる。
【0074】
また、カウルルーバ54の後端部54Aに一体的に形成されたリップ部180は、フロントウインドシールドガラス12の前端部12Aに当接して覆っている。よって、例えば、手押し等によってカウルルーバ54の後端部54Aとの間に口開きが発生したとしても、隙間が目立ちにくい。また、フロントウインドシールドガラス12の前端部12Aが経年変化によって白濁したとしても、リップ部180がウインドシールドガラス12の前端部12Aに当接して覆っているので、白濁がリップ部180で隠れ、見栄えが悪化しない。
【0075】
また、本発明が適用されたモール100を用いることによってカウルルーバ54の後端部54Aとフロントウインドシールドガラス12の前端部12Aとの段差が略解消される。よって、リップ部180を外面180Gがカウルルーバ54の後端部54Aの外面54Gと略同一面上に、後端部54Aに一体的に形成することが容易に実現される。この結果、カウルルーバ54の後端部54Aとフロントウインドシールドガラス12との前端部12Aとの境界部分に段差や継目が殆どない構成となり、段差や継目がある構成と比較し、見栄えが向上する。つまり、本発明が適用された厚みの薄いモール100を用いて、カウルルーバ54を固定することで、意匠性に優れた構造が容易に実現される。
【0076】
また、モール100のクリップ保持部110における車両後方側に延在したダム部114によって、フロントウインドシールドガラス12とカウル本体52との間をシールするウレタンシーラ60の車両前方側へのはみ出しが塞き止められる。或いは、車両前方側にはみ出したとしても、はみ出し量が抑制される。
【0077】
また、モール100の挿入溝160の前側側壁部164は車両前後方向に沿った縦断面の外形が略三角形状とされ、この前側側壁部164の内部には車両前後方向に沿った縦断面が略三角形状の中空状の壁側変形部166が形成されている。よって、カウルルーバ54のフック部108を挿入溝160に挿入して係合させると、前側側壁部164の上側の角部にカウルルーバ54の後端部54Aが当たり、壁側変形部166が変形する。これにより、前側側壁部164がカウルルーバ54の後端部54Aに対して挿入方向Sと反対方向に反力を与える。この反力によってフック部108の先端部108Aが、後側側壁部162の突起部162Aに押し付けられるので、フック部108が挿入溝160に安定して係合する。
【0078】
更に、前側側壁部164は、対向する後側側壁部162側(車両後方側)に倒れるように変形するので、前側側壁部164が車両前方側に倒れこむことによる挿入溝160の開きが防止される。また、前側側壁部164の車両後方側の角部が、フック部108を後方側壁部162に押し付けると共に、後側側壁部162とでフック部108を挟み込む。
【0079】
したがって、フック部108が、挿入溝160にガタツキなく安定して係合される。つまり、カウルルーバ54の後端部54Aが、モール100にガタツキなく安定して固定される。
【0080】
また、図2に示すように、モール100におけるカウル本体52側の下面152には、車両幅方向に延在する凹部154が形成されている。よって、モール100の車両幅方向両側部側を車両後方側に湾曲させてカウル本体52に固定しても、下面152の歪みを凹部154が変形して吸収するので、モール100の倒れが抑制される。
【0081】
また、図2に示すように、モール100におけるカウルルーバ54の後端部54A及びフロントウインドシールドガラス12に当接する当接面側は、ゴム等のように弾性変形可能な軟質材(軟質樹脂材)Q1で構成されている。よって、カウルルーバ54の後端部54A及びフロントウインドシールドガラス12が振動しても、軟質材Q1が振動を減衰させ、この結果、異音の発生が抑制又は防止される。なお、モール100における他の部位は硬質材Q2で構成されているので、カウルルーバ54をカウル本体52固定する固定性能は確保される。したがって、カウルルーバ54をカウル本体52に固定する固定性能を確保しつつ、異音の発生が抑制又は防止される。
【0082】
また、図2に示すように、フロントウインドシールドガラス12の前端部12Aの先端12ATと、モール100のカウルルーバ固定部150と、の間に隙間Lが形成されている。よって、フロントウインドシールドガラス12の製造ばらつき等による先端12ATの位置のばらつきが、隙間Lによって吸収される。また、カウルルーバ54を固定する際の各種誤差を吸収する吸収代としても機能する。
【0083】
なお、本実施形態では、カウル本体52は板金製とされているので、樹脂製のカウルルーバ54やガラス製のフロントウインドシールドガラス12よりも製造精度が良い。よって、モール100をカウル本体52に固定することで、モール100が精度良く固定される(モールの固定位置の精度が良い)。したがって、モール100を基準として、隙間Lが各種誤差の吸収代として、効果的に機能する。
【0084】
また、リップ部180とフロントウインドシールドガラス12の前端部12Aとの間から水が浸入しても、この隙間L部分の空間に水が流れ、ここで水を受ける(或いは貯める)雨樋として機能させることも可能である。更に、この空間を車両幅方向に水を流し排水させる排水路として機能させることも可能である。また、本実施形態においては挿入溝160を雨樋や排水路として機能させることも可能である。
【0085】
よって、外気を導入するダクト(図示略)やワイパ装置(図示略)が被水しないようにするための部材や機構(例えば、カウルルーバとフロントウインドシールドガラスとの間をシールするエプト、カウル本体から流れ落ちた水を受ける別部材としての雨樋、雨樋から水がこぼれ出るのを防止する不織布等)を不要とすることが可能となる。
【0086】
また、モール100は、カウル本体52に固定され、フロントウインドシールドガラス12の前端部12Aに固定されるガラスASSY部品でないので、ガラスASSYの場合に必要とされる別部品、例えば、搬送時に必要なフック潰れ防止用部品等が不要となる。
【0087】
また、カウル本体52にクリップ104で固定されたモール100の挿入溝160に、カウルルーバ54の後端部54Aのフック部108を上方側から挿入する構造であるので、手押し等によってフック部108が挿入溝160から引き抜かれることによって、カウルルーバ54が脱落する虞がない。
【0088】
また、挿入方向Sに見て、フック部108とクリップ104とが重なっていない。よって、カウルルーバ54に挿入方向Sに衝撃が加わることなどによって、フック部108が挿入溝160に押し込まれても、フック部108がクリップ104にあたらない。またフック部108がカウル本体50に干渉するまでのオーバーストロークも十分に確保されている。したがって、フック部108とクリップ104とが重なった構成と比較し、フード16(図1参照)の変形量(車両下方へのストローク)と衝突体が受ける加速度Gから計算されるHIC値(頭部障害基準値)が向上する。
【0089】
<第二実施形態>
つぎに、本発明に係る第二実施形態の固定用モールについて説明する。なお、第一実施形態と同一の部材には同一の符号を付し重複する説明は省略する。
【0090】
[モール及び固定構造]
第一実施形態とは、モールを構成するカウルルーバ固定部が異なるだけで、他は同一の構造であるので、カウルルーバ固定部を詳しく説明し、他の部位の説明を省略又は簡略化する。
【0091】
図3に示すように、モール200は、クリップ保持部110とカウルルーバ固定部250とを備えている。カウルルーバ固定部250には、フック部108が挿入され係合する挿入溝260が形成されている。車両前方側から車両後方側に見てフック部108とクリップ104との少なくとも一部が重なり、且つ、フック部108が挿入される挿入方向Sに見て、フック部108とクリップ104とが重ならないように、クリップ保持部110よりも車両前方側に挿入溝160が設けられている。
【0092】
挿入溝260におけるクリップ保持部110側(車両後方側)の後側側壁部162は、フック部108の先端部108Aが係合する突起部162Aが形成されている。また、挿入溝260におけるクリップ保持部110と反対側(車両前方側)の前側側壁部264には、車両後方向側に凸の突起部264Aが形成されている。
【0093】
挿入溝260の底部270には、車両前後方向に沿った縦断面が長円形状の閉断面構造の中空状の底部変形部272が形成され、車両幅方向に延在している。言い換えると、底面274と下面152との間に底部変形部272が形成されている。また、下面152には凹部154が形成されている。
【0094】
なお、本実施形態においても、モール200は、軟質材(軟質樹脂材)Q1と硬質材(硬質樹脂材)Q2との二つの材料で一体成型(二色成型・ダブルモールド)されている。
【0095】
また、モール200のクリップ保持部110の構造、及びモール200を用いてのカウルルーバ54の固定方法は、第一実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0096】
そして、カウル本体50にモール200がクリップ104を介して固定されると共に、モール200の挿入溝260にカウルルーバ54の後端部54Aのフック部108が挿入され係合することで、モール200にカウルルーバ54の後端部54Aが固定される。
【0097】
[作用及び効果]
つぎに、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0098】
本実施形態においても、車両前方側から車両後方側に見てフック部108とクリップ104との少なくとも一部が重なり、且つ、挿入方向Sに見てフック部108とクリップ104とが重ならないように、クリップ保持部110よりも車両前方側に挿入溝260が設けられている。よって、カウルルーバ54のフック部108を挿入溝260に挿入する際にフック部108がクリップ104に当たることが抑制される。
【0099】
したがって、フック部108の挿入方向Sの直下にクリップ104が配置された構成と比較し、カウルルーバ54のフック部108を挿入溝260に挿入して係合させる為の係合代及びオーバーストロークを確保しつつ、モール200の厚みを薄くすることができる。
【0100】
また、モール100の挿入溝260の底部270に閉断面構造の壁側変形部166が形成されている。よって、カウルルーバ54のフック部108を挿入溝260に挿入させて係合させると、底部270(底面274)にカウルルーバ54の下端54Bが当たり、底部変形部272が変形する。これにより、底部270がカウルルーバ54の下端54Bに対して挿入方向Sと反対方向に反力を与える、この反力によってフック部108の鍵状の先端部108Aに後側側壁部162の突起部162Aに押し付けられるので、フック部108が挿入溝260に安定して係合する。
【0101】
また、側壁部264は側壁部162側(車両後方側)に凸となった突起部264Aによって、フック部108を側壁部162に押し付けると共に、側壁部264の突起部264Aと側壁部162の突起部162Aとでフック部108を挟み込む。
【0102】
更に、底部270の底部変形部272が変形することによって、底面274が後側側壁部162と前側側壁部264を引っ張るので、後側側壁部162と前側側壁部264とが、互いに離れる方向に倒れこむことによる挿入溝260の開きが防止される。また、前述した前側側壁部264の突起部264Aによる後側側壁部162にフック部108を押し付ける効果と挟み込む効果が向上する。
【0103】
したがって、フック部108が、挿入溝260にガタツキなく安定して係合される。つまり、カウルルーバ54がモール200にガタツキなく安定して固定される。
【0104】
<変形例>
つぎに、本実施形態の変形例について説明する。
【0105】
上記実施形態では、フロントウインドシールドガラス12の前端部12Aの車両幅方向全域に亘って、一つのモールが配設されていた。
【0106】
これに対して、図5に示す変形例のモール300は、車両幅方向の略中央部で二つに分割された構造とされている。言い換えると、モール300は、モール301Aとモール301Bとを、車両幅方向に並べると共に、これらの間に間隔303があいた構造となっている。なお、モール300を構成するモール301A,301Bは、車両幅方向の長さが異なるだけで、第一実施形態のモール100(図2を参照)と同様の構造であるので、詳しい説明は省略する。
【0107】
カウル本体552における間隔303に対応する車両幅方向の中央部分には、車両前後方向を溝方向とする溝部554が形成されている。本変形例では、左右のモール301A,301Bにおける隙間L部分(図2参照)の空間や挿入溝160等を流れた水が、この溝部554に排水されるように構成されている。また、溝部554に排水された水は、下方に落下する。
【0108】
なお、カウル本体552における溝部554(車両幅方向中央部分)の下側には、溝部554から落下した水が被水することで問題が生じる可能性のある部材や機構は配置されていない。よって、上述したように、溝部554に排水する構造としても問題は生じない。
【0109】
また、この溝部554に、主に寒冷地仕様の車両に装備されるデアイサ(凍結してしまったワイパ(図示略)を融解させるための熱線装置)502が、配置されていてもよい。
【0110】
なお、本変形例では、モール300を構成するモール301A,301Bは、車両幅方向の長さが異なる以外は第一実施形態のモール100と車両幅方向同様の構造であった。しかし、第二実施形態のモール200(図3を参照)と同様の構造であってもよい。
【0111】
また、3つ以上に分割された構造であってもよい。また、複数のモールの間に間隔があいてもよいし、分割されたモールの車両幅方向端部同士が接触していてもよい。
【0112】
<その他>
上記実施形態では、車両前方側から車両後方側に見てフック部108とクリップ104との少なくとも一部が重なり、且つ、挿入方向Sに見てフック部108とクリップ104とが重ならないように、クリップ保持部110よりも車両前方側に挿入溝160、260が設けられていたが、本発明はこれに限定されない。少なくとも、車両前方側から車両後方側に見てフック部108とクリップ104との少なくとも一部が重なるように構成されていればよい。すなわち、挿入方向Sに見てフック部108とクリップ104との一部が重なっていてもよい。
【0113】
上述の複数の実施形態及び変形例は、適宜、組み合わされて実施可能である。例えば、第一実施形態の壁側変形部166が形成された前側側壁部164(図2参照)と、第二実施形態の底部変形部272が形成された底部270(図3参照)と、の両方が設けられたモールであってもよい。
【0114】
また、上記実施形態では、フック部108は、車両幅方向に延在するリブ状(突条)であったが、これに限定されない。例えば、ピン形状であってもよい。また、挿入溝160,260もこれに対応した穴形状であってもよい。
【0115】
更に、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0116】
10 車両
12 フロントウインドシールドガラス(ウインドシールドガラス)
12A 前端部
52 カウル本体(車体側パネル)
54 カウルルーバ(車両用カウルルーバ)
54A 後端部
60 ウレタンシーラ
100 モール(固定用モール)
102 固定孔
104 クリップ
108 フック部(係合部)
110 クリップ保持部
114 ダム部(延在部)
150 カウルルーバ固定部
160 挿入溝(挿入部)
152 下面
154 凹部
164 前側側壁部(側壁部)
166 側壁変形部(反力付与手段)
180 リップ部
200 モール(固定用モール)
250 カウルルーバ固定部
260 挿入溝(挿入部)
270 底部
272 底部変形部(反力付与手段)
300 モール(固定用モール)
Q1 軟質材
Q2 硬質材
L 隙間
S 挿入方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のウインドシールドガラスの前端部の下側に車両幅方向に沿って配置された車体側パネルに形成された固定孔に係合するクリップを保持すると共に、車両後方側に延在した延在部が前記ウインドシールドガラスの前端部と前記車体側パネルとの間に挟まれたクリップ保持部と、
前記クリップ保持部の車両前方側に設けられ、前記ウインドシールドガラスの前記前端部の車両前方側に車両幅方向に沿って配設された車両用カウルルーバの後端部と、前記車体側パネルと、の間に配置され、前記車両用カウルルーバの前記後端部に設けられた係合部が係合すると共に、車両前方側から見て前記係合部と前記クリップとの少なくとも一部が重なるように設けられた挿入部を有するカウルルーバ固定部と、
を備える車両用カウルルーバの固定用モール。
【請求項2】
前記カウルルーバ固定部には、前記挿入方向と反対方向に反力を与える反力付与手段が設けられている請求項1に記載の車両用カウルルーバの固定用モール。
【請求項3】
前記反力付与手段は、前記カウルルーバ固定部の前記挿入部の側壁部に閉断面形状に形成され、前記車両用カウルルーバの当接により、前記係合部の挿入方向に変形する側壁変形部である請求項2に記載の車両用カウルルーバの固定用モール。
【請求項4】
前記反力付与手段は、前記カウルルーバ固定部の前記挿入部の底部に閉断面形状に形成され、前記係合部の当接により、前記係合部の挿入方向に変形する底部変形部である請求項2に記載の車両用カウルルーバの固定用モール。
【請求項5】
前記カウルルーバ固定部における前記車体側パネル側の下面に、前記挿入部側に凹んだ車両幅方向に延在する凹部が形成されている請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の車両用カウルルーバの固定用モール。
【請求項6】
弾性材料から成る軟質材と、前記軟質材よりも硬い硬質材と、の二つの材料で一体成型され、
前記車両用カウルルーバの後端部及び前記ウインドシールドガラスに当接する当接面側は前記軟質材で構成され、前記当接面と反対側は前記高硬度材で構成されている請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の車両用カウルルーバの固定用モール。
【請求項7】
車両のウインドシールドガラスの前端部の車両前方側に車両幅方向に沿って配設された車両用カウルルーバの後端部が、
前記ウインドシールドガラスの前記前端部の下側に車両幅方向に沿って配置されると共に前記車両用カウルルーバの後端部の下側に延在する車体側パネルに、
請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の車両用カウルルーバの固定用モールによって、前記ウインドシールドガラスの前端部と前記カウルルーバ固定部との間に隙間をあけて固定されていると共に、前記固定用モールの延材部が前記車体側パネルと前記ウインドシールドガラスとの間をシールするシール材の車両前方側へのはみ出しを塞き止めるように配置されている、
車両用カウルルーバの固定構造。
【請求項8】
前記車両用カウルルーバの後端部にリップ部が一体的に形成され、
前記リップ部は、外面が前記車両用カウルルーバの後端部における外面と同一面上又は略同一面上とされ、前記ウインドシールドガラスに沿って延在し前記ウインドシールドガラスの前記前端部に当接して覆う請求項7に記載の車両用カウルルーバの固定構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate