説明

車両用コーティング剤組成物及び車体の塗装面のコーティング方法

【課題】鉄粉や砂塵によるダメージを適切に防止でき、且つ、コーティング作業も簡単な車両用コーティング剤組成物を提供する。
【解決手段】光硬化性成分と光反応開始剤とを含み、車体の塗装面に塗布されて紫外線硬化することによって該塗装面を保護する硬化被膜を形成するものであり、前記硬化被膜の硬度が鉛筆硬度で2H以上である車両用コーティング剤組成物を用いる。かかる車両用コーティング剤組成物によれば、硬さ・膜厚ともに、鉄粉や砂塵によるダメージを防止可能な硬化被膜を得ることができる。また、従来よりもコーティングを短時間で行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車体の塗装面に硬化被膜を形成し、該塗装面を保護する車両用コーティング剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の車体の塗装面に、ワックスを塗布することが広く行われている。しかし、ワックスによる艶出しの効果は一時的で、頻繁に塗布を繰り返す必要があるため、近年は、これに替わる方法として、ポリマーコーティングと呼ばれる方法が採用されている(例えば特許文献1)。これは、主にアルコキシシランのモノマー、部分縮合物、プレポリマー等からなるコーティング剤を、加水分解、脱水縮合反応によって硬化させて塗装面に硬化被膜を形成する方法であり、ワックスに比べて長期に美観、撥水性を保持できるという利点がある。
【0003】
【特許文献1】特開2001−072925号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のポリマーコーティングによる硬化被膜は硬さが十分でなく、また硬化時の収縮率が大きいため膜厚が0.1μm程度の薄塗りしかできないという問題があり、鉄粉や砂塵等による塗装面のダメージをほとんど軽減できないでいる。また、塗布してから完全硬化するまで、冬場は数週間かかり、この間洗車は一切できないという問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題を解決し得る新しいコーティング剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、光硬化性成分と光反応開始剤とを含み、車体の塗装面に塗布されて紫外線硬化することによって該塗装面を保護する硬化被膜を形成するものであり、前記硬化被膜の硬度が鉛筆硬度で2H以上であることを特徴とする車両用コーティング剤組成物である。かかる車両用コーティング剤組成物は、紫外線硬化するものであり硬化時の収縮率が低いため、膜厚1μm以上の硬化被膜をひび割れやムラを生じることなく形成できる。そして、形成された硬化被膜は、鉄粉や砂塵によるダメージを防ぎ得る程度の硬さを有するものとなる。したがって、本発明の車両用コーティング剤組成物によれば、硬さ・膜厚ともに、鉄粉や砂塵によるダメージを防止可能な硬化被膜が得られる。
【0007】
本発明の車両用コーティング剤組成物にあっては、前記光硬化性成分は、光硬化性モノマー又は/及びオリゴマーからなり、該光硬化性成分中に、1分子中にアクリロイル基を3官能以上含有する(メタ)アクリレートモノマーを20重量%以上含有することが望ましい。かかる組成とすれば、鉄粉や砂塵によるダメージを防ぐのに適した硬さの硬化被膜を形成することができる。なお、本発明において、鉛筆硬度は、JIS K5400の規定にしたがって測定されるものを指す。
【0008】
また、本発明の車両用コーティング剤組成物にあっては、前記光硬化性成分として、シリコーンモノマー、シリコーンオリゴマー、シリコーンレジン、オルガノポリシロキサン化合物、(メタ)アクリロイル基含有シリコーンモノマー、(メタ)アクリロイル基含有シリコーンオリゴマー、シリル基含有(メタ)アクリレートモノマー、シリル基含有(メタ)アクリレートオリゴマー、フッ素含有(メタ)アクリレートモノマー、フッ素含有(メタ)アクリレートオリゴマー、フッ素樹脂モノマー、及びフッ素樹脂オリゴマーからなる群より選ばれた1種以上の化合物を含有することが望ましい。かかる組成とした場合には、撥水性、防汚性に優れた硬化被膜を得ることができる。また、本発明の車両用コーティング剤組成物にあっては、前記硬化被膜の表面の動摩擦係数が0.3以下であることが望ましい。かかる構成とすれば、硬化被膜が極めて優れた防汚性を有するものとなる。なお、本発明において、動摩擦係数は、後述のように、JIS K7125の規定にしたがって測定されるものを指す。
【0009】
また、本発明の別の態様は、上記本発明の車両用コーティング剤組成物を車体の塗装面に塗布し、塗布した箇所に紫外線を照射することによって膜厚1〜50μmの硬化被膜を形成することを特徴とする車体の塗装面のコーティング方法である。かかるコーティング方法によれば、本発明の車両用コーティング剤組成物を用いて、車体の塗装面を適切にコーティングすることができる。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明の車両用コーティング剤組成物によれば、車体の塗装面を鉄粉や砂塵から適切に保護することが可能となる。また、本発明のコーティング剤組成物による硬化被膜は十分な強度を有するため、高速洗車機によるシャンプー洗車やワックス洗車をしても硬化被膜がほとんど劣化することがない。
【0011】
また、本発明の車両用コーティング剤組成物は、紫外線照射によって数秒〜数十秒程度で硬化するから、従来品よりも短時間でコーティングすることができる。特に、本発明によれば、低温でも常温同様の作業時間でコーティングできるから、寒冷地や冬場におけるコーティングにおいて大きな効果を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の車両用コーティング剤組成物は、光反応開始剤と光硬化性成分を必須成分とし、必要に応じて、増感剤、有機物ポリマー、無機改質剤等を添加することができる。また、有機溶剤や水を加えて希釈することもでき、必要に応じて乳化剤及び水を添加し乳化して用いることもできる。
【0013】
前記光硬化性成分は、光硬化性モノマー又は/及びオリゴマーからなる。光硬化性成分としては、光硬化性(メタ)アクリロイル基含有オリゴマーやモノマー、ビニルエーテル化合物などが挙げられる。
【0014】
光硬化性(メタ)アクリロイル基含有オリゴマーとしては、例えばポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレート、オリゴアクリレート、アルキドアクリレート、ポリオールアクリレート等が挙げられる。
【0015】
光硬化性(メタ)アクリロイル基含有モノマーとしては、例えば、単官能の(メタ)アクリレート、2官能の(メタ)アクリレート、3官能以上の(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0016】
前記単官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、N−ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリールアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性フェノキシ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性フェノキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−アダマンタンおよびアダマンタンジオールから誘導される1価のモノ(メタ)アクリレートを有するアダマンチルアクリレートなどのアダマンタン誘導体モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0017】
前記2官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型ジアクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールF型ジアクリレート、ビスフェノールA型ジアクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジアクリレート、エチレンオキサイド変性イソシアヌル酸ジアクリレート等が挙げられる。
【0018】
前記ビニルエーテル化合物としては、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ブタンジオールモノビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、t−アミルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、エチレングリコルモノビニルエーテル、エチレングリコルジビニルエーテル、エチレングリコールブチルビニルエーテル、ヘキサンジオールモノビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールメチルビニルエーテルなどの1価および2価のアルコールのモノビニルエーテルおよびジビニルエーテル等が挙げられる。
【0019】
本発明の車両用コーティング剤組成物は、塗布されて硬化した硬化被膜の硬度が鉛筆硬度で2H以上であることが必要であり、さらに言えば、3H以上であることが望ましい。この鉛筆硬度は、JIS K5400の規定に従って測定されるものである。鉛筆硬度が2H以上であれば、鉄粉や砂塵からのダメージを効果的に防ぐことができ、3H以上であれば鉄粉や砂塵からのダメージをより確実に防ぐことができる。
【0020】
本発明の車両用コーティング剤組成物は、光硬化性成分中に、1分子中にアクリロイル基を3官能以上含有する(メタ)アクリレートモノマーを20重量%以上含有することが望ましく、25重量%以上含有することがより望ましい。光硬化性成分中に上記(メタ)アクリレートモノマーを20重量%以上含有すれば、鉄粉や砂塵等に耐えうる硬さの硬化被膜を形成することができ、25重量%以上含有すれば鉄粉や砂塵等に長期間耐えうる硬化被膜を形成できる。
【0021】
1分子中にアクリロイル基を3官能以上含有する(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス2―ヒドロキシエチルイソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の3官能以上の(メタ)アクリレート化合物;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の多官能(メタ)アクリレートや、これら(メタ)アクリレートの一部をアルキル基やε−カプロラクトンで置換した多官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0022】
本発明において、光反応開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンジル、ミヒラーケトン、チオキサントンまたはアントラキノン等の水素引き抜きによってラジカルを発生するタイプの化合物等が挙げられる。これらの化合物は、メチルアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリブチルアミン等の第三アミンを増感剤として併用するのが望ましい。別のタイプの光反応開始剤としては、例えば、分子内開裂によってラジカルを発生するタイプの化合物等が挙げられる。具体的には、例えば、ベンゾイン、ジアルコキシアセトフェノン、アシルオキシムエステル、ベンジルケタール、ヒドロキシアルキルフェノン、ハロゲノケトン等が挙げられる。
【0023】
本発明の車両用コーティング剤組成物には、保存安定性を高めるために必要により、光反応開始剤と併用して、例えばハイドロキノン、ベンゾキノン、トルハイドノキノンまたは、パラターシャリーブチルカテコールの如き重合禁止剤類などを添加することができる。
【0024】
本発明の車両用コーティング剤組成物に添加し得る有機ポリマーとしては、光反応性成分と相溶性がある天然高分子物質類や合成高分子物質類等が挙げられる。より具体的には、各種のビニルエステル樹脂類、ポリイソシアネート化合物、ポリエポキシド類、アクリル樹脂類、アルキド樹脂類、尿素樹脂類、メラミン樹脂類、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル系共重合体類、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ポリブタジエン系エラストマー、飽和ポリエステル類、飽和ポリエーテル類、ニトロセルロース類、セルロースアセテートブチレートなどのセルロース誘導体類、アマニ油、桐油、大豆油、ヒマシ油またはエポキシ化油類などの油脂類が挙げられる。
【0025】
本発明の車両用コーティング剤組成物に添加し得る無機改質剤としては、シリカ微粉末、アルミナ微粉末等が挙げられる。これらは前記光反応性成分との相溶性向上や耐水性向上などの目的で、シランカップリング剤等で表面を改質し、添加してもよい。
【0026】
本発明の車両用コーティング剤組成物に添加し得る有機溶剤としては、アルコール類、多価アルコール類、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、芳香族系溶剤、脂肪族系溶剤等、光反応開始剤及び光反応性成分を希釈可能な溶剤のすべてを用いることができる。より具体的には、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、ミネラルスピリット等が挙げられる。有機溶剤は単独で使用しても良いし、複数の混合物を使用しても良い。
【0027】
本発明の車両用コーティング剤組成物は、塗布されて硬化した硬化被膜が高いスリップ性を有していることが望ましく、具体的には、被膜表面の動摩擦係数が0.3以下であることが望ましく、0.2以下であることがより望ましい。被膜表面の動的摩擦係数がかかる値であれば極めて防汚性に優れた硬化被膜が得られる。
【0028】
本発明の車両用コーティング剤組成物においては、光硬化性成分として、シリコーンモノマー、シリコーンオリゴマー、シリコーンレジン、オルガノポリシロキサン化合物、(メタ)アクリロイル基含有シリコーンモノマー、(メタ)アクリロイル基含有シリコーンオリゴマー、シリル基含有(メタ)アクリレートモノマー、シリル基含有(メタ)アクリレートオリゴマー、フッ素含有(メタ)アクリレートモノマー、フッ素含有(メタ)アクリレートオリゴマー、フッ素樹脂モノマー、及びフッ素樹脂オリゴマーからなる群より選ばれた1種以上の化合物を含有することが望ましい。かかる化合物を含有する場合には、硬化被膜がより高い撥水性、スリップ性を有するものとなる。なお、かかる化合物は、光硬化性成分中に、0.01重量%以上含有することが望ましい。
【0029】
光硬化性成分に含むポリシロキサン化合物は特に限定されないが、ポリシロキサン化合物は、含有量を増やすと硬化皮膜が白化したり、表面がべたついたり、時間の経過によって消失し、効果が失われるという欠点があるため、そのポリマー側鎖、片末端、または両末端に、メルカプト基、アクリロイル基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基及びエポキシ基の少なくともいずれかを有することが望ましい。メルカプト基やアクリロイル基をポリマー側鎖や末端に有するポリシロキサン化合物は、他の(メタ)アクリレートモノマーやオリゴマーと共重合性を持っているため、含有量を増やしても上記問題は起きない。また、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基等の官能基をポリマー側鎖や末端に有するポリシロキサン化合物は、これらの官能基を利用して、その分子中にアクリロイル基を導入し、他の(メタ)アクリレートモノマーやオリゴマーと共重合性を持たせることによって上記欠点を解消できる。例えば、水酸基またはアミノ基を有するポリシロキサン化合物は、まず2官能以上のイソシアネート化合物を、水酸基またはアミノ基含有ポリシロキサン化合物の水酸基価またはアミン価に対して1から2の範囲で加えて反応させたのち、水酸基含有の(メタ)アクリレートを加え、反応させることによって得られる。また、カルボキシル基、アミノ基含有ポリシロキサン化合物は、グリシジル基含有(メタ)アクリレートを加え、反応させることによって達成される。エポキシ基含有ポリシロキサン化合物はアミノ基含有(メタ)アクリレートを加え、反応させることによって得られる。
【0030】
シリル基含有(メタ)アクリレートモノマーとは、例示すればγ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリルオキシプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
【0031】
またアルコキシル基を有する化合物としてシランカップリング剤が知られている。シランカップリング剤の官能基としては、イソシアネート基、エポキシ基、アミノ基等があり、これらは例えばイソシアネート基含有シランカップリング剤と水酸基含有の(メタ)アクリレートを加え、反応させることによって分子中にアクリロイル基を導入し、本発明に利用できる。エポキシ基含有シランカップリング剤はアミノ基含有(メタ)アクリレートを加え、反応させることによって分子中にアクリロイル基を導入し、本発明に利用できる。アミノ基含有シランカップリング剤はグリシジル基含有(メタ)アクリレートを加え反応させることによって分子中にアクリロイル基を導入し、本発明に利用できる。またアミノ基含有シランカップリング剤と2官能以上の(メタ)アクリレートをマイケル付加反応によって分子中にアクリロイル基を導入し、本発明に利用できる。
【0032】
前記のフッ素樹脂は、例えば、ポリオレフィン系、ポリエステル系、アクリル系、シリコーン系、エポキシ系、ウレタン系樹脂等を基本樹脂とし、その分子内にフッ素化アルキル基を付与させた一般的なものが挙げられる。ポリマータイプとしては、例えばランダムオリゴマー型、グラフトポリマー型、ブロックコポリマー型等のいずれでもよい。
【0033】
フッ素含有(メタ)アクリレートモノマーとは、例示すればトリフルオロアクリレート、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート、2,2,2-トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチルメタクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルメタクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルメタクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9、10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9、10,10,11,11,12,12,12−ヘネイコサフルオロデシルメタクリレート、2−(トリフルオロメチル)アクリル酸、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,8,8,8−ドデカフロロー7−(トリフルオロメチル)オクチルアクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルアクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9、10,10,11,11,12,12,12−ヘネイコサフルオロデシルアクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9、10,10,10ヘキサデカフルオロー9−(トリフルオロメチル)デシルアクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルアクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘキシルアクリレート、4,4,5,5,6,7,7,7−ヘプタデカフルオロー2−ヒドロキシー6−(トリフルオロメチル)ヘプチルアクリレート、4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9、10,10,11,11,11−ヘプタフルオロー2−ヒドロキシウンデシルアクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9、10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−トリデカフロロー2−ヒドロキシノニルアクリレート、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロメチルビニルエーテル、パーフルオロエチルビニルエーテル、パーフルオロプロピルビニルエーテル等が挙げられる。
【0034】
本発明の車両用コーティング剤組成物を用いて車体の塗装面をコーティングする場合には、車体の塗装面にコーティング剤組成物を塗布し、塗布した箇所に紫外線を照射することによって硬化被膜を形成する。
【0035】
具体的には、最初に、水、シンナー、コンパウンド等によって車体の塗装面を洗浄あるいは研磨する。コーティング剤を塗布しない箇所は通常の方法によってマスキングしておく。コーティング剤組成物は必要によって有機溶剤等によって希釈し、スプレー、刷毛などの既存の方法により塗布する。車両用コーティング剤組成物を塗装面に塗布する際には、硬化被膜が膜厚0.5〜100μmになるようにすることが望ましく、膜厚が1〜70μmになるようにすることがより望ましい。硬化被膜が薄すぎると砂塵、鉄粉等から塗装面を保護する能力が劣るからであり、厚すぎるとコーティング剤組成物の消費量が多くなるためである。また有機溶剤等によって希釈して塗布する場合は、十分に乾燥させてから紫外線を照射することが望ましい。溶剤を多量に含んだまま硬化させると、クラックが発生したり、硬化が不十分だったりする場合があるからである。なお、硬化被膜の膜厚は、単位面積当りのコーティング剤組成物の塗布量によって調節することができる。
【0036】
紫外線の照射は、高圧水銀灯などの紫外線を効率的に発生する既存の紫外線照射装置を用いて行うことができる。本発明の車両用コーティング剤組成物は、通常数秒〜数十秒の紫外線照射によって硬化して、硬化被膜を形成する。硬化被膜には研磨等の仕上処理を適宜行うことが望ましい。
【0037】
以下実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。ただし本発明の範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
【0038】
<実施例1>
攪拌機、コンデンサー、滴下ロートおよび温度計を備えた2リットルの清浄なセパラブルフラスコに、3官能ポリエーテルポリオール(アデカポリエーテルG-400 旭電化工業KK製)400重量部、ヘキサメチレンジイソシアネート504重量部、を加え、攪拌しながら90℃に昇温し、3時間反応した。この反応物に、2―ヒドロキシエチルアクリレト355重量部、12%ジブチルチンジラウレート0.2重量部 、ターシャリーブチルハイドロキノン0.5重量部をさらに加え、80℃にてさらに3時間反応し、ポリウレタンアクリレートオリゴマーを得た。
【0039】
上記ポリウレタンアクリレートオリゴマー50重量部、1,6ヘキサンジオールジアクリレート20重量部、ペンタエリスリトールテトラアクリレート20重量部、光反応開始剤〔イルガキュア184(チバ・スペシャリテイーケミカル社製 1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル-ケトン)〕5重量部、アミノアルコール2重量部 、SH-28PA(東レダウコーニングシリコーン社製 ポリオルガノシロキサン系添加剤)0.5重量部エチルアルコール100重量部を混合し、実施例1の車両用コーティング剤組成物を得た。
【0040】
<実施例2>
攪拌機、コンデンサー、滴下ロートおよび温度計を備えた2リットルの清浄なセパラブルフラスコに、両末端水酸基含有ポリジメチルシロキサン(BY16-201 東レダウコーニング製)750重量部、イソホロンジイソシアネート222重量部、12%ジブチルチンジラウレート0.1重量部を加え、攪拌しながら90℃に昇温し、3時間反応した。この反応物に、2―ヒドロキシエチルアクリレト120重量部、ターシャリーブチルハイドロキノン0.5重量部をさらに加え、80℃にてさらに3時間反応し、アクリロイル基含有ポリジメチルシロキサン化合物を得た。
【0041】
アロニックスM-7100(東亞合成社製 多塩基酸と多価アルコール縮合物とアクリル酸とのポリエステルアクリレートオリゴマー)45重量部 トリメチロールプロパントリアクリレート40重量部、上記アクリロイル基含有ポリジメチルシロキサン化合物5重量部、光反応開始剤〔イルガキュア184(チバ・スペシャリテイーケミカル社製 1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル-ケトン)〕3重量部、アミノアルコール2重量部 NANOBYK-3602(40nmアルミナディスパージョン ビックケミージャパン社製)4重量部、イソプロピルアルコール100重量部を混合し、実施例2の車両用コーティング剤組成物を得た。
【0042】
<実施例3>
攪拌機、コンデンサー、滴下ロートおよび温度計を備えた2リットルの清浄なセパラブルフラスコに、両末端エポキシ基含有ポリジメチルシロキサン(BY16-855D 東レダウコーニング製)540重量部を加え、攪拌しながら80℃に加熱する。ターシャリーブチルハイドロキノン0.5重量部を加えた後、ジメチルアミノエチルアクリレート214重量部を1.5時間かけて徐々に滴下し、滴下終了後さらに3時間加熱を続け、アクリロイル基含有ポリジメチルシロキサン化合物を得た。
【0043】
KAYARAD R-280(エポキシアクリレートオリゴマー 日本化薬社製)45重量部、ペンタエリスリトールテトラアクリレート45重量部、上記アクリロイル基含有ポリジメチルシロキサン化合物5重量部、光反応開始剤〔イルガキュア184(チバ・スペシャリテイーケミカル社製 1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル-ケトン)〕3重量部、アミノアルコール2重量部、メトキシプロピルアセテート100重量部を混合し、実施例3の車両用コーティング剤組成物を得た。
【0044】
<実施例4>
γ―イソシアネートプロピルトリエトキシシラン743重量部、テトラメチロールメタントリアクリレート894重量部を混合し、80℃にて3時間反応させ、アクリロイル基含有アルコキシシランを得た。
【0045】
上記実施例1と同じポリウレタンアクリレートオリゴマー50重量部、上記アクリロイル基含有アルコキシシラン15重量部、テトラメチロールメタンテトラアクリレート30重量部、ジブチルチンジラウレート0.01重量部、光反応開始剤〔イルガキュア184(チバ・スペシャリテイーケミカル社製 1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル-ケトン)〕3重量部、アミノアルコール2重量部、メトキシプロピルアセテート100重量部を混合し、実施例4の車両用コーティング剤組成物を得た。
【0046】
<実施例5>
上記実施例1と同じポリウレタンアクリレートオリゴマー50重量部、ペンタエリスリトールテトラアクリレート15重量部、テトラメチロールメタンテトラアクリレート15重量部、ジエチレングリコールジアクリレート15重量部、ビスコート17FM(ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート 大阪有機化学工業社製)0.5重量部、光反応開始剤〔イルガキュア184(チバ・スペシャリテイーケミカル社製 1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル-ケトン)〕3重量部、アミノアルコール2重量部、メトキシプロピルアセテート100重量部を混合し、実施例5の車両用コーティング剤組成物を得た。
【0047】
<比較例1>
上記実施例1と同じポリウレタンアクリレートオリゴマー50重量部、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート15重量部、1.6ヘキサンジオールジアクリレート15重量部、トリメチロールプロパントリアクリレート15重量部、光反応開始剤〔イルガキュア184(チバ・スペシャリテイーケミカル社製 1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル-ケトン)〕3重量部、アミノアルコール2重量部、メトキシプロピルアセテート100重量部を混合し、比較例1の車両用コーティング剤組成物を得た。
【0048】
<評価試験>
上記実施例1〜5及び比較例1の車両用コーティング剤組成物を、それぞれ塗装鋼板に乾燥時の膜厚が5μmになるようにスプレーで塗装した。これらの塗装板を室温にて10分間乾燥し、次いでランプ出力150W/cm(ランプからの距離25mm)の高圧水銀ランプで5秒間照射することにより各塗装鋼板の表面に硬化被膜を形成した。
【0049】
<鉛筆引っかき試験>
各塗装鋼板に形成した硬化被膜の鉛筆硬度を、JIS K5400の規定にしたがって測定した。結果を表1に示す。
【0050】
【表1】

【0051】
表1に示されるように、実施例1〜5の車両用コーティング剤組成物の塗布によって形成した硬化被膜は3H〜5Hの鉛筆硬度を有しており、比較例1による硬化被膜の鉛筆硬度はHであった。一般的に、硬化被膜の硬度が2H以上であれば鉄粉や砂塵によるダメージを防止することができるから、実施例1〜5による硬化被膜は、鉄粉や砂塵に対して十分な硬さを有しており、比較例1による硬化被膜は十分な硬さを有していないことがわかる。
【0052】
<摩擦試験>
各塗装鋼板に形成した硬化被膜の表面の動摩擦係数を、JIS K7125に準拠しオートグラフAGIS(島津製作所)摩擦試験機を用い、荷重200g、速度100mm/minにて測定した。結果を表1に示す。
【0053】
表1に示されるように、実施例1〜5の車両用コーティング剤組成物の塗布によって形成した硬化被膜は、表面の動摩擦係数が0.1未満であり、極めて高いスリップ性を有していた。一方、比較例1による硬化被膜は動摩擦係数が0.35であり、十分なスリップ性を有するものではなかった。
【0054】
<耐擦傷性試験>
各塗装鋼板に形成した硬化被膜表面に対し、#0000のスチールウールを200g/cm2の荷重をかけて30往復させた。その後、各硬化被膜を観察し、以下の基準により耐擦傷性を3段階評価した。結果を表1に示す。
◎ 傷が全く認められない
○ 数個の傷が認められる
× 多数の傷が認められる
【0055】
表1に示されるように、比較例1による硬化被膜には多数の傷が認められたのに対し、
実施例1〜5による硬化被膜には、殆ど傷が認められなかった。特に、4H以上の鉛筆硬度と0.06以下の動摩擦係数を有する実施例2〜5の硬化被膜には、傷が一つも認められず、極めて優れた耐擦傷性を有していることが示された。
【0056】
<実車試験>
自動車(トヨタ セルシオ)の車体の塗装面を洗浄・研磨することにより、塗装面からワックスや塵埃を取り除いた。続いて、上記実施例4の車両用コーティング剤組成物を、エタノール(95%以上)と1:2の割合で混合して希釈し、希釈液をスプレーガン(アネスト岩田社製 LPH-50-042G)を用いて車体表面にムラができないように注意しながら二度吹きした。ここで、スプレーガンの噴射圧は0.15〜0.2Paに設定し、硬化被膜の膜厚が5μmとなるように液の噴出量を調節した。
【0057】
上記希釈液をスプレーで吹き付けた後に、エタノールが完全に蒸発するまで15分待ち、次いで、150W/cmの高圧水銀ランプを用いて、上記希釈液を吹き付けた箇所に紫外線を5秒間照射し(ランプからの距離25mm)、塗装面に硬化被膜を形成した。紫外線照射後に15分程度待ち、その後、研磨剤を用いて硬化被膜を研磨し、研磨剤を洗い流した後、さらに研磨剤を使用せずに研磨し、最後に水洗いをしてコーティング作業を終了した。
【0058】
<評価>
コーティング剤組成物の塗布から3か月間、洗車機で週に1度洗浄を行い、上記自動車を使用した。その後、同自動車を洗車機で洗車し、コーティング剤組成物を塗布した箇所について、屋内の蛍光灯の下で虫眼鏡を用いて様々な角度、距離から傷の有無の確認を行った。その結果、コーティング剤組成物の塗布面には一つの傷も確認されず、硬化被膜の剥離やひび割れも確認されなかった。また、硬化被膜には汚れも確認されず、十分な光沢を有していた。
【0059】
続いて、同車両の塗装面について、硬化被膜の形成箇所と、非形成箇所の鉛筆硬度を測定した。その結果、硬化被膜のない、塗装面が露出した箇所の鉛筆硬度が2Hであったのに対し、硬化被膜の形成箇所の鉛筆硬度は5H以上であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光硬化性成分と光反応開始剤とを含み、
車体の塗装面に塗布されて紫外線硬化することによって該塗装面を保護する硬化被膜を形成するものであり、
前記硬化被膜の硬度が鉛筆硬度で2H以上であることを特徴とする車両用コーティング剤組成物。
【請求項2】
前記光硬化性成分は、光硬化性モノマー又は/及びオリゴマーからなり、該光硬化性成分中に、1分子中にアクリロイル基を3官能以上含有する(メタ)アクリレートモノマーを20重量%以上含有することを特徴とする請求項1記載の車両用コーティング剤組成物。
【請求項3】
前記光硬化性成分として、シリコーンモノマー、シリコーンオリゴマー、シリコーンレジン、オルガノポリシロキサン化合物、(メタ)アクリロイル基含有シリコーンモノマー、(メタ)アクリロイル基含有シリコーンオリゴマー、シリル基含有(メタ)アクリレートモノマー、シリル基含有(メタ)アクリレートオリゴマー、フッ素含有(メタ)アクリレートモノマー、フッ素含有(メタ)アクリレートオリゴマー、フッ素樹脂モノマー、及びフッ素樹脂オリゴマーからなる群より選ばれた1種以上の化合物を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用コーティング剤組成物。
【請求項4】
前記硬化被膜の表面の動摩擦係数が0.3以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の車両用コーティング剤組成物。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の車両用コーティング剤組成物を車体の塗装面に塗布し、塗布した箇所に紫外線を照射することによって膜厚0.5〜100μmの硬化被膜を形成することを特徴とする車体の塗装面のコーティング方法。

【公開番号】特開2009−96825(P2009−96825A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−266837(P2007−266837)
【出願日】平成19年10月12日(2007.10.12)
【出願人】(502199372)ヴェルテック株式会社 (2)
【出願人】(396015828)アルファ化研株式会社 (6)
【Fターム(参考)】