説明

車両用サイドバイザー

【課題】車両に取付けるだけの簡単な作業でリード線を出現させることなく車両側部にランプを容易に取付ける車両用サイドバイザーを得る。
【解決手段】サイドバイザーは21は傾斜部22と水平部23とが連続して形成される。水平部23にランプ24が車両の外部から視認可能に取付けられる。ランプ44はソケットと、ソケットに取外し可能に装着された灯体と、凹部に離脱可能に取付けられ灯体をソケットとともに覆う透光性のランプカバーとを有するもの、または、ランプカバーに覆われかつランプカバーに取外し可能に取付けられた灯体とを有するものが好ましい。一端がランプ24に電気的に接続された被覆リード線31は、水平フランジ部23a及び前側フランジ部22aに配線され、その前側フランジ部22aが枠部材の前部17aの全てを覆うように形成することが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の窓用開口部の上側を車両の外部から覆う車両用サイドバイザーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】サイドバイザーは、サイドウインドウガラスにより閉止可能に構成された車両の窓用開口部を形成する枠部材に取付けられ、その窓用開口部の上側を車両の外部から覆うものとして知られている。一般にこのサイドバイザーはウインドウガラスの前部及び上部を覆うような庇状に形成され、このサイドバイザーの上端縁が枠部材に取付けられる。このようなサイドバイザーが設けられた車両では、走行中にサイドウインドウガラスを若干下げるとサイドバイザー近傍を流れる空気が負圧となり車室内の空気が開放された隙間から外部に排出されることにより車室内の空気を換気できるようになっている。このサイドバイザーによって、雨天時に車内の換気のためにサイドウインドウガラスを若干下げても、雨滴が車室内に入り込まないようになっている。
【0003】一方、車両の前部には車両の進行方向の変更を知らせるための方向指示器、及び夜間走行における照明装置としての前照灯とともに、対向車の運転者又は道路を歩行する第三者が夜間における車両の幅方向における大きさを認識するための車幅灯が設けられる。この方向指示器により対向車の運転者又は道路を歩行する第三者はその車両の進行方向の変更を知ることができ、また、車幅灯によりその対向車の運転者又は第三者はその車両の幅方向における大きさを認識でき、その車両との接触を回避するように運転又は歩行することによりいわゆる安全が図られるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の方向指示器は車両前部及び後部にそれぞれ設けられるだけであるので、車両の側方からその車両に接近する車両の運転者又はその車両の側方を歩行する第三者には方向指示器の点灯の有無を視認することができない問題点があった。この点を解消するために、前部に設けられた方向指示器近傍の車両側部にその方向指示器に電気的に接続された補助方向指示器を設ける車両も存在するが、その補助走行指示器自体が車両の比較的低い位置に設けられるため、視線が一般的に高い位置に存在する他の車両の運転者又は車両側方の第三者は、その補助方向指示器の点灯の有無を比較的視認し難いという未だ解決すべき課題が残存していた。方向指示器又はこの補助方向指示器の点灯の有無が確認できないと、その運転者又は車両側方の第三者はその車両の進行方向の変更に対する予測が困難になり、その予測を誤ると進行方向を変更する車両の内輪差によりその車両と接触するおそれがある。また、従来の車幅灯は車両前部及び後部にそれぞれ設けられるだけであるので、対向車線を走行する車両の運転者又はその車両の側方を歩行する第三者には車幅灯の点灯の有無を視認することができない問題点があり、車幅灯が車両側方から視認可能であれば、夜間における車両の存在を車両側方にいる第三者等にその存在を認識させることができ、その車両周辺公衆の安全を更に高めることが期待できる。
【0005】このような点を解消するために、例えばタクシー車両のルーフ上に取付けられているような車両側方から視認可能なランプを別途車両に取付けることも考えられる。しかし、一般車両にこのようなランプを別途取付けることは、その取付けが比較的困難である一方、そのランプを点灯させるために接続される被覆リード線が車両の外部に出現してその車両の外観を損ねる不具合がある。本発明の目的は、車両に取付けるだけの簡単な作業で車両側部にランプを容易に取付けることのできる車両用サイドバイザーを提供することにある。本発明の目的は、被覆リード線を出現させることなく車両側方から視認可能なランプを取付けることのできる車両用サイドバイザーを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、図1及び図4に示すように、車両10の窓用開口部10eを形成する枠部材17の傾斜した前部17aに取付けられ前部近傍の窓用開口部10eを車両の外部から覆う傾斜部22と、枠部材17の上部17bに取付けられ上部近傍の窓用開口部10eを車両の外部から覆う水平部23とが連続して形成されたサイドバイザーの改良である。その特徴ある構成は、水平部23にランプ24が車両の外部から視認可能に取付けられたところにある。
【0007】請求項1に係る発明では、本発明のサイドバイザー21を枠部材17に取付けるだけの比較的簡単な作業でランプ24を車両10の側部に容易に取付けることができる。このサイドバイザー21を取付けてランプ24を車幅灯に電気的に接続すれば、夜間走行時に車両の外側部に位置するサイドバイザーのランプ24が点灯し、対向車の運転者又は道路を歩行する第三者は車両10の全体の幅方向における大きさを認識でき、その車両10との接触等を有効に回避して十分な安全を図ることができる。一方、このサイドバイザー21を取付けてランプ24を方向指示器に電気的に接続すれば、比較的高い位置で点灯するランプ24により、車両の側方からその車両に接近する車両の運転者又はその車両の側方を歩行する第三者は方向指示器の点灯の有無を容易に認識することができ、その車両10の進行方向の変更の予測が可能になる。
【0008】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、図2及び図4に示すように、水平部23が枠部材の上部17bに取付けられる水平フランジ部23aと水平フランジ部23aの下端から外方に湾曲して下方に延びるように形成されかつ貫通孔23cが形成された水平バイザー本体23bとを備え、ランプ24が、貫通孔23cに取付けられた透光性のランプカバー27と、ランプカバー27に覆われかつランプカバー27に取外し可能に取付けられた灯体28とを有する車両用サイドバイザーである。請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明であって、図4及び図10に示すように、水平部23が枠部材の上部17bに取付けられる水平フランジ部23aと水平フランジ部23aの下端から外方に湾曲して下方に延びるように形成されかつ凹部23eが形成された水平バイザー本体23bとを備え、ランプ44が、凹部23eに取付けられたソケット46と、ソケット46に取外し可能に装着された灯体47と、凹部23eに離脱可能に取付けられ灯体47をソケット46とともに覆う透光性のランプカバー48とを有する車両用サイドバイザーである。請求項2及び請求項3に係る発明では、灯体28,47の点検及び交換が容易であり、通常の保守点検が容易になる。
【0009】請求項4に係る発明は、請求項2又は3に係る発明であって、傾斜部22が水平フランジ部23aの前端から連続して形成され枠部材の前部17aに取付けられる前側フランジ部22aを有し、一端がランプ24に電気的に接続し他端が前側フランジ部22aの前端から突出するように被覆リード線31が水平フランジ部23a及び前側フランジ部22aに配線された車両用サイドバイザーである。この請求項4に係る発明では、被覆リード線31が水平フランジ部23a及び前側フランジ部22aに覆われるので、そのリード線31が車両10の外部に現れることを防止して、その車両10の美観を向上させる。請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明であって、前側フランジ部22aが枠部材の前部17aの全てを覆うように形成された車両用サイドバイザーである。この請求項5に係る発明では、枠部材の前部17aに沿って配線される被覆リード線31の全てが前側フランジ部22aにより覆われるので、その車両10の美観を更に向上させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】次に本発明の第1の実施の形態を図面に基づいて詳しく説明する。図5に示すように、車両10の前部には車両10の進行方向の変更を知らせるための方向指示器11,11、及び夜間走行における照明装置としての前照灯12,12がそれぞれ両側部に設けられ、前照灯の下部に設けられたバンパ10aには対向車の運転者又は道路を歩行する第三者が夜間における車両10の幅方向における大きさを認識するための車幅灯13,13が両側部にそれぞれ設けられる。この実施の形態における車両10はいわゆるセダン型の乗用車であって、この方向指示器11,11により対向車の運転者又は道路を歩行する第三者はその車両の進行方向の変更を知ることができ、また、車幅灯13,13によりその対向車の運転者又は第三者はその車両10の幅方向における大きさを認識できるようになっている。
【0011】また、図4及び図5に示すように、車両10の両側部におけるドア10bにはサイドミラー14,14が側方に突出するように設けられ、そのサイドミラー14,14に連続するように本発明の車両用サイドバイザー21,21が枠部材である窓枠17に沿ってそれぞれ設けられる。図示しないが、これらのサイドミラー14,14にはそれぞれ電動モータが内蔵され、この電動モータを駆動することにより鏡板の角度を変化させることが可能に構成される。運転者は運転席に着座した状態でこの電動モータを駆動することにより鏡板の角度を変化させ、最適な角度で鏡板に写る車両の後方を振返ることなく視認することができるように構成される。一方、このドア10bはボディーの側面に形成されたドア開口部10cを開閉するように構成される。図3に示すように、ドア開口部10cの周縁には全周にわたって開口部用ウエザストリップ10dが装着される。この開口部用ウエザストリップ10dはドア10bを閉じた状態で先端が当接して車室を密閉するようになっている。
【0012】図4に示すように、ドア10bの上部には枠部材である窓枠17が設けられ、この窓枠17により窓用開口部10eが形成される。この窓用開口部10eにはサイドウインドウガラス16が装着され、窓枠17は傾斜した前部17aと水平な上部17bとを有する。図3に示すように、窓枠17の内周縁には一点鎖線で示す上昇したウインドウガラス16の先端が侵入する窓用ウエザストリップ18が装着される。図4に戻って、ドア10bの下部には図示しない窓ガラス昇降装置が内蔵され、この装置がウインドウガラス16を上方に移動させることにより窓用開口部10eをウインドウガラス16で閉止し、ウインドウガラス16を下方に移動してドア10bの下部に収納することにより窓用開口部10eを開放するように構成される。
【0013】本発明の車両用サイドバイザー21は一体的に形成された傾斜部22と水平部23とを有する。傾斜部は22は車両10の窓用開口部10eを形成する窓枠17の傾斜した前部17aに取付けられ、この前部17a近傍の窓用開口部10eを車両10の外部から覆うように構成され、水平部23は窓枠17の上部に取付けられこの上部近傍の窓用開口部10eを車両10の外部から覆うように構成される。傾斜部22は前部17aに取付けられる前側フランジ部22aと、このフランジ部22aの下端に連続して形成された前側バイザー本体22bとを備える。水平部23は上部17bに取付けられる水平フランジ部23aと、このフランジ部23aの下端に連続して形成された水平バイザー本体23bとを備える。この実施の形態における前側フランジ部22aは窓枠17の前部17aの全てを覆うように形成され、前側フランジ部22a及び水平フランジ部23aは前部17a及び上部17bに相応して形成される。前側及び水平バイザー本体22b,23bは前側及び水平フランジ部22a,23aと一体的に形成され、水平バイザー本体23bの後端部を除いて窓枠17から外方に湾曲して下方に延び下端が上昇状態のウインドウガラス16の外面と所定の間隔を有するように形成される。水平バイザー本体23bの後端部はウインドウガラス16の外面に接触するように形成される。
【0014】一方、水平部23の後部には、車両10の外部から視認可能なランプ24が取付けられる。図2及び図3に示すように、この実施の形態におけるランプ24は水平バイザー本体23bの後部に形成された貫通孔23cに取付けられた透光性のランプカバー27と、ランプカバー27に覆われかつランプカバー27に取外し可能に取付けられた灯体28とを有する。図に示す貫通孔23cは車両10の前後方向に延びる横長に形成され、ランプカバー27は透光性の樹脂を成形加工することにより作られる。ランプカバー27は、灯体28を前面から覆いかつ貫通孔23cに挿入された状態で水平バイザー本体23bの表面から膨出するように湾曲して形成された湾曲部27bと、その湾曲部27bの全周囲に連続して形成され貫通孔23cの孔縁における水平バイザー本体23bに対向するフランジ部27cとを有する。この湾曲部27b及びフランジ部27cからなるランプカバー27は、横長の貫通孔23cに相応して細長く形成される。ランプカバー27の長手方向の両端におけるフランジ部27cには第1取付孔27a,27aがそれぞれ形成され、この第1取付孔27a,27aに対向する水平バイザー本体23bの裏側には筒状のボス23d,23dが形成される。
【0015】図2及び図3に示す灯体28は、複数のLED(発光ダイオード)28aを基板28bに直線状に配設したものが使用される。ランプカバー27の第1取付孔27a,27aに対向する基板28bには第2取付孔28c,28cが形成され、第1及び第2取付孔28c,28c,27a,27aにはこの順序でそれぞれタッピングネジ29,29(図2)が挿入され、このネジ29,29を水平バイザー本体23bのボス23d,23dに螺合することにより灯体28はランプカバー27に取外し可能に取付けられ、ランプカバー27は灯体28を覆った状態でこの灯体28とともに貫通孔23cに取付けられる。なお、図3に示すように、水平バイザー本体23bの貫通孔23c周囲には表側からこの貫通孔23cを包囲するように反射用金属箔30が貼付され、貫通孔23c周囲の水平バイザー本体23bの裏側における基板28b等をその表側から覆うことにより灯体28周囲の美観を向上させるように構成される。
【0016】図1及び図3に示すように、このランプ24の複数のLED28aには被覆リード線31の一端が電気的に接続される。前側フランジ部22a及び水平フランジ部23aには長手方向に連続した凹溝21a(図3R>3)が形成され、この凹溝21aにその被覆リード線31が配線される。一端がランプ24に電気的に接続されて凹溝21aに配線されたリード線31の他端は、前側フランジ部22aの前端から突出するように構成される。このように被覆リード線31が凹溝21aに配線された前側フランジ部22a及び水平フランジ部23aには、図3に示すように、両面粘着テープ又は面ファスナ32が貼り付けられ、前側フランジ部22a及び水平フランジ部23aはこの両面粘着テープ又は面ファスナ32を介して前部17a及び上部17bに接着されて、サイドバイザー21は窓枠17に取付けられる。
【0017】図4に示すように、このランプ24を備えるサイドバイザー21が窓枠17に取付けられた状態では、水平フランジ部23a及び前側フランジ部22aにより被覆リード線31が覆われるので、そのリード線31が車両10の外部に現れることはなく、その車両10の美観は向上する。この実施の形態では、被覆リード線31の他端が車両10の車幅灯13,13(図5)と電気的に接続される。即ち、被覆リード線31の他端は、窓枠17のサイドミラー14が取付けられた部分からそのサイドミラー14内部に配線され、サイドミラー14内部の図示しない電動モータを駆動するワイヤハーネスとともに車両10内部に配線され、車両10の車幅灯13,13へ電力を供給するリード線に接続される。これにより電力が供給されて車幅灯13,13が点灯すると同時にその被覆リード線31を介して灯体28にも電力が供給され、灯体28のLED28aが点灯するように構成される。
【0018】このように車両用サイドバイザーを取付けて被覆リード線31を配線した車両10では、夜間走行時に図5における車両10の運転者が前照灯12,12とともに車幅灯13,13を点灯させると、その車幅灯13,13に電気的接続されたサイドバイザー21のランプ24が点灯する。このランプ24は水平バイザー本体23bの表面から膨出するランプカバー27を有するので、このランプ24が点灯することにより対向車の運転者又は道路を歩行する第三者はそのランプ24の点灯により、車両10の全体の幅方向における大きさを認識でき、その車両10との接触等を有効に回避して十分な安全を図ることができる。
【0019】なお、上述した実施の形態では、水平部23の後部にランプ24を取付けた例を示したが、ランプ24は水平部23であれば、図6に示すようにその中央部に取付けても良く、図7に示すようにその前部に取付けても良い。また、上述した実施の形態では、水平バイザー本体23bの裏側に筒状のボス23d,23dを形成し、タッピングねじ29を用いてランプ24を取付けたが、図8に示すように、水平バイザー本体23bに対向するランプカバー27のフランジ部27cに両面接着テープ36の一方の面を貼り付け、その両面接着テープ36の他方の面を貫通孔23cの孔縁であってそのフランジ部27cに対向する水平バイザー本体23bに貼り付けてランプ24を水平部23に取付けてもよい。このようにタッピングねじ29を用いることなく、両面接着テープ36を介してランプ24を水平部23に取付ければ、そのランプ24を取付けるための筒状のボス23d,23dを水平バイザー本体23bに形成することが不要になり、車両用サイドバイザー21を成形するための金型構造が単純化し、比較的安価なバイザー21を得ることが可能になる。
【0020】更に、上述した実施の形態では、単一のランプ24を水平部23に取付けて被覆リード線31を介して車幅等13に電気的に接続した例を示したが、ランプ24は水平部23に複数取付けても良く、方向指示器11に電気的に接続しても良い。また、図9に示すように複数のランプ24を水平部23に取付けた場合、一方のランプ24を車幅等13に接続し、他方のランプ24を方向指示器11に接続するようにしても良い。また、図示しないが、灯体28における複数のLED28aの内一部を車幅等13に接続し、その他LED28aを方向指示器11に接続して、単一のランプ24により対向車の運転者又は道路を歩行する第三者はに車両の進行方向の変更、及び車両の幅方向における大きさを認識させるように構成しても良い。
【0021】図10及び図11は本発明の第2の実施の形態を示す。図面中上述した実施の形態と同一符号は同一部品を示し、繰り返しての説明を省略する。図10及び図11に示すように、サイドバイザー21における水平部23の後部には、車両10の外部から視認可能なランプ44が取付けられる。ランプ44は水平バイザー本体23bの後部に形成された凹部23eに取付けられたソケット46と、このソケット46に取外し可能に装着された灯体47と、凹部23eに離脱可能に取付けられたランプカバー48とを備える。この実施の形態における灯体47は、両端に端子47a,47aを有する棒状の電球であって、この電球47が装着されるソケット46はその端子47a,47aに電気的に接続しかつその電球47を挟持する一対の支持板46a,46aを有する。支持板46a,46aにはそれぞれ端子47a,47aが挿入する孔46b,46bが形成され、電球47は支持板46a,46aを傾動させて端子47a,47aをそれぞれの孔46b,46bに挿入することによりソケット46に取外し可能に装着される。
【0022】ランプカバー48は透光性の樹脂を成形加工することにより作られ、横長の凹部23eに相応して細長く、かつソケット46に装着された灯体47を前面から覆うように車両側方に膨出するように湾曲して形成される。ランプカバー48の両端には取付孔48a,48aがそれぞれ形成され、この取付孔48a,48aに対向する凹部23eにはソケット46を挟むように筒状のボス22f,22fが一対設けられる。取付孔48a,48aにはタッピングネジ49,49が挿入され、このネジ49,49をボス22f,22fに螺合することによりランプカバー48は凹部23eに離脱可能に取付けられ、取付状態で灯体47をソケット46とともに覆うように構成される。
【0023】図11に示すように、このランプ44のソケット46には被覆リード線31の一端が電気的に接続される。前側フランジ部及び水平フランジ部23aに形成された凹溝21aにその被覆リード線31が配線され、他端は前側フランジ部の前端から突出するように構成される。このように被覆リード線31が凹溝21aに配線された前側フランジ部及び水平フランジ部23aには、両面粘着テープ又は面ファスナ32が貼り付けられ、この両面粘着テープ又は面ファスナ32を介して前部17a及び上部17bに接着されて、サイドバイザー21は窓枠17に取付けられる。このランプ44を備えるサイドバイザー21は窓枠17に取付けられた状態で、被覆リード線31の他端が車両10の方向指示器11,11(図5)と電気的に接続される。即ち、ソケット46に一端が接続された被覆リード線31の他端は、窓枠17のサイドミラー14が取付けられた部分からその車両10内部に配線されて他端が車両10の方向指示器11,11へ電力を供給するリード線に接続される。これにより電力が供給されて方向指示器11,11が点灯すると同時にソケット46に接続されたリード線31を介して灯体47にも電力が供給され、灯体47である電球が点灯するように構成される。
【0024】このようにサイドバイザー21を車両10に取付けて配線するだけで、車両10の比較的高い位置にランプ44を容易に設けることができ、運転者が車両10の進行方向を変更しようとして方向指示器11,11を点滅させると、その方向指示器11,11に電気的接続されたサイドバイザー21のランプ44も比較的高い位置で点滅する。このランプ44が点滅することにより、車両の側方からその車両に接近する車両の運転者又はその車両の側方を歩行する第三者は方向指示器の点滅の有無を視認することができ、その車両10の進行方向の変更に対する予測をして車両10との接触を回避してその安全を図ることができる。
【0025】なお、上述した第2実施の形態では、水平部23の後部にランプ44を取付けた例を示したが、ランプ44は水平部23であれば、その中央部に取付けても、その前部に取付けても良い。また、凹部に23eに筒状のボス22f,22fを形成し、タッピングねじ49を用いてランプカバー48を取付けたが、図示しない両面接着テープを介してランプカバー48を取付け、筒状のボス22f,22fの形成を不要にしても良い。更に、ランプ44は車幅等13に電気的に接続しても良く、複数のランプ44を取付け、一方のランプ44を車幅等13に接続し、他方のランプ44を方向指示器11に接続するようにしても良い。
【0026】また、上述した第1及び第2の実施の形態では、窓枠17から外方に湾曲して下方に延び下端がドアの上昇状態のウインドウガラス16の外面と所定の間隔を有する水平バイザー本体23bを用いて説明したが、図12に示すように、窓枠17から外方に湾曲して下方に延び下端がドアの上昇状態のウインドウガラス16の外面と弾性体41を介して接触するように水平バイザー本体23bを形成し、ランプ24,44をこの水平部23に取付けても良い。また、上述した第1及び第2の実施の形態では、枠部材がドアに設けられた窓枠17からなり、窓用開口部10eがその窓枠17により形成された車両を用いて説明したが、車両は窓枠17がドアに設けられない、図13に示すいわゆるハードトップ車両であっても良い。この場合の枠部材は、ルーフサイドレール51及び図示しないフロントピラー等により形成され、窓用開口部10eはこれらのルーフサイドレール51及びフロントピラー等により形成される。このため、枠部材の傾斜した前部には図示しないフロントピラーが該当し、枠部材の上部17bにはルーフサイドレール51が該当する。
【0027】更に、上述した第1及び第2の実施の形態では、セダン型の乗用車を使用して説明したが、車両はクーペ型、ステーションワゴン型、ハードトップ型等の乗用車であっても良く、トラック、バス等の車両であっても良い。また、セダン型の乗用車であって車両側部に前後方向に2枚のドアが設けられる車両にあっては、前側のドアの窓枠に本発明のサイドバイザーを取付けた場合、あえて後側のドアの窓枠に本発明のサイドバイザーを取付ける必要はない。
【0028】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、サイドバイザーにランプを車両の外部から視認可能に取付けたので、本発明の車両用サイドバイザーを枠部材に取付けるだけの比較的簡単な作業でランプを車両の側部に容易に取付けることができる。このため、このサイドバイザーを取付けてランプを車幅灯に電気的に接続して、夜間走行時にそのランプを点灯させれば、対向車の運転者又は道路を歩行する第三者は車両の全体の幅方向における大きさを認識でき、その車両との接触等を有効に回避して十分な安全を図ることができる。一方、ランプを方向指示器に電気的に接続すれば、比較的高い位置で点灯するランプにより、車両の側方からその車両に接近する車両の運転者又はその車両の側方を歩行する第三者は方向指示器の点灯の有無を容易に認識することができ、その車両の進行方向の変更の予測が可能になる。
【0029】また、一端がランプに電気的に接続する被覆リード線を水平フランジ部及び前側フランジ部に配線すれば、その被覆リード線はそれら水平フランジ部及び前側フランジ部に覆われるので、そのリード線が車両の外部に現れることはなく、その前側フランジ部で枠部材の前部の全てを覆えば、枠部材の前部に沿って配線される被覆リード線の全てがその前側フランジ部により覆われるので、その車両の美観を更に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用サイドバイザーの正面図。
【図2】ランプの取付状態を示すそのサイドバイザー水平部の後部を示す分解斜視図。
【図3】そのサイドバイザーが枠部材に取付けられた状態を示す図4のA−A線断面図。
【図4】そのサイドバイザーが取付けられたドアを含む車両の部分斜視図。
【図5】そのサイドバイザーが取付けられた車両を前方から見た図。
【図6】ランプが水平部の中央部に取付けられた図1に対応するサイドバイザーの正面図。
【図7】ランプが水平部の前部に取付けられた図1に対応するサイドバイザーの正面図。
【図8】ランプカバーが両面粘着テープを介して取付けられた図3に対応する断面図。
【図9】2種類のランプが水平部に取付けられた図3に対応する断面図。
【図10】別のサイドバイザーを示す図2に対応する分解斜視図。
【図11】その別のサイドバイザーの図3に対応する断面図。
【図12】更に別のサイドバイザーを示す図3に対応する断面図。
【図13】そのサイドバイザーが窓枠を有しない車両に取付けられた状態を示す図3に対応する断面図。
【符号の説明】
10 車両
10e 窓用開口部
17 窓枠(枠部材)
17a 前部
17b 上部
21 サイドバイザー
22 傾斜部
22a 前側フランジ部
23 水平部
23a 水平フランジ部
23b 水平バイザー本体
23c 貫通孔
23e 凹部
24 ランプ
27 ランプカバー
28 灯体
31 被覆リード線
44 ランプ
46 ソケット
47 灯体
48 ランプカバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両(10)の窓用開口部(10e)を形成する枠部材(17)の傾斜した前部(17a)に取付けられ前記前部近傍の前記窓用開口部(10e)を車両の外部から覆う傾斜部(22)と、前記枠部材(17)の上部(17b)に取付けられ前記上部近傍の前記窓用開口部(10e)を車両の外部から覆う水平部(23)とが連続して形成されたサイドバイザーにおいて、前記水平部(23)にランプ(24,44)が前記車両(10)の外部から視認可能に取付けられたことを特徴とする車両用サイドバイザー。
【請求項2】 水平部(23)が枠部材の上部(17b)に取付けられる水平フランジ部(23a)と前記水平フランジ部(23a)の下端から外方に湾曲して下方に延びるように形成されかつ貫通孔(23c)が形成された水平バイザー本体(23b)とを備え、ランプ(24)が、前記貫通孔(23c)に取付けられた透光性のランプカバー(27)と、前記ランプカバー(27)に覆われかつ前記ランプカバー(27)に取外し可能に取付けられた灯体(28)とを有する請求項1記載の車両用サイドバイザー。
【請求項3】 水平部(23)が枠部材の上部(17b)に取付けられる水平フランジ部(23a)と前記水平フランジ部(23a)の下端から外方に湾曲して下方に延びるように形成されかつ凹部(23e)が形成された水平バイザー本体(23b)とを備え、ランプ(44)が、前記凹部(23e)に取付けられたソケット(46)と、前記ソケット(46)に取外し可能に装着された灯体(47)と、前記凹部(23e)に離脱可能に取付けられ前記灯体(47)を前記ソケット(46)とともに覆う透光性のランプカバー(48)とを有する請求項1記載の車両用サイドバイザー。
【請求項4】 傾斜部(22)が水平フランジ部(23a)の前端から連続して形成され枠部材の前部(17a)に取付けられる前側フランジ部(22a)を有し、一端がランプ(24,44)に電気的に接続し他端が前記前側フランジ部(22a)の前端から突出するように被覆リード線(31)が前記水平フランジ部(23a)及び前記前側フランジ部(22a)に配線された請求項2又は3記載の車両用サイドバイザー。
【請求項5】 前側フランジ部(22a)が枠部材の前部(17a)の全てを覆うように形成された請求項4記載の車両用サイドバイザー。

【図5】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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