車両用ジャッキ格納構造

【課題】
ジャッキを格納する格納ケースのみでジャッキを固定し、かつ異音の発生を抑制した車両用ジャッキ格納構造を提供する。
【解決手段】
パンタグラフタイプのジャッキ２を車両に設定されているジャッキ格納部に格納するための樹脂製箱形の格納ケースであって、格納ケース本体１の底部に前記ジャッキ２のヘッド部９を固定するための凹部４を有するるジャッキブラケット３を突出して形成し、ジャッキ２を横倒状態にしてヘッド部９をジャッキブラケット３で固定しジャッキ２のボトム部１０を格納ケース本体１の側壁５に当接して格納するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、車両用ジャッキ格納構造に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
乗用車にはパンタグラフタイプのジャッキが所定の格納部に格納搭載されている。このジャッキの格納にはゴムバンドやゴムスポンジを利用して固定したり、金属製のブラケットにジャッキのヘッド部とボトム部を挿入してジャッキを伸長拡開形態にして固定している。また、異音防止のためにフエルト等を接触部に設けている。
【０００３】
従って、ジャッキの格納には固定や異音防止のための付属部品を必要とし、ジャッキの格納には付属部品の脱着の手間を要するとともに、付属部品によりコストをアップしている問題があった。
【特許文献１】特開平８−４０３１２号公報
【特許文献２】特開平９−７６９４７号公報
【特許文献３】特開平１０−２７８６９３号公報
【特許文献４】特開２０００−４３７５６公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
本発明の目的は、ジャッキを格納する格納ケースのみでジャッキを固定し、かつ異音の発生を抑制した車両用ジャッキ格納構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
上記の目的を達成するための本発明は、請求項１に記載の通り、パンタグラフタイプのジャッキ２を車両に設定されているジャッキ格納部に格納するための樹脂製箱形の格納ケースであって、格納ケース本体１の底部に前記ジャッキ２のヘッド部９を固定するための凹部４を有するるジャッキブラケット３を突出して形成し、ジャッキ２を横倒状態にしてヘッド部９をジャッキブラケット３で固定しジャッキ２のボトム部１０を格納ケース本体１の側壁５に当接して格納するようにしたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【０００６】
本発明によると、固定のためや異音発生のための付属部品を用いることなく樹脂製の格納ケースにジャッキの全体を挿入するだけの簡易な操作によりジャッキを固定し、かつ異音の発生を抑制し、コストを低減することができる効果を有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００７】
以下本発明を実施するための最良の形態について図面に基づいて説明する。図１において、１は樹脂製の格納ケースである。この格納ケース本体１にはジャッキ２を固定するためのジャッキブラケット３が設けられている。
【０００８】
このジャッキブラケット３は図２で示すように、ジャッキ２のヘッド部９を挿入して高さと幅方向を規制する凹部４が形成されている。その構造は、ジャッキ２の高さを規制するために屋根形状部７が形成されており、ジャッキ２の幅方向を規制するために２つの凹部４の間に突起壁８を形成している。
【０００９】
このジャッキブラケット３は図１及び図３で示すように、前記格納ケース本体１の側壁５との間に横倒状態でジャッキ２が差し込まれる空間を有して格納ケース本体１の底部より突出して形成されている。
【００１０】
また、前記ジャッキブラケット３の両側の格納ケース本体１の底部には図５で示すようにジャッキ２の高さを規制する凸状のビード１２が形成されている。
【００１１】
さらに、前記ジャッキブラケット４の空間内には図３で示すように補強リブ１３が設けられており、強度、剛性を確保している。
【００１２】
上記のような形態の格納ケース本体１は車両のフロアパネルに形成されている車両用ジャッキの格納部にボルト１１によって固定される。
【００１３】
本発明は上記の通りの構造であるから、ジャッキ２の格納には、ジャッキ２を横倒状態でジャッキブラケット３と側壁５との空間に挿入し、ジャッキ２のヘッド部９をジャッキブラケット３の凹部４に差し込み、ジャッキ２のボトム部１０を側壁５に当接する。
【００１４】
そして、ジャッキ２を伸長することによりジャッキ２はジャッキブラケット４と側壁５とに圧接して固定されるのである。このジャッキ２を伸長してジャッキブラケット４と側壁５とに圧接した際にはジャッキブラケット４の空間内に補強リブ１３が設けられているのでジャッキ２の伸長力に負けることがなくジャッキ２は安定した固定状態となる。
【００１５】
このようにして格納ケース本体１に格納されたジャッキ２はジャッキブラケット３により上下左右方向の動きは規制され、また、ジャッキ２が接触する格納ケース本体１は樹脂製であるから異音を発生することなく簡易に格納される。
【００１６】
このように本発明は、ジャッキ２の格納に際し、ジャッキ２を固定するためや異音防止をするための付属部品を用いることなく格納ケース本体１のみで固定することができコストの低減が図れるのである。
【図面の簡単な説明】
【００１７】
【図１】本発明の要部を示す平面図
【図２】ジャッキブラケットの斜視図
【図３】図１のＡ−Ａ線断面図
【図４】図１のＢ−Ｂ線断面図
【図５】図１のＣ−Ｃ線断面図
【符号の説明】
【００１８】
１格納ケース本体
２ジャッキ
３ジャッキブラケット
４凹部
５側壁
７屋根形状部
８突起壁
９ジャッキのヘッド部
１０ジャッキのボトム部
１１ボルト
１２ビード
１３補強リブ

【特許請求の範囲】
【請求項１】
パンタグラフタイプのジャッキ２を車両に設定されているジャッキ格納部に格納するための樹脂製箱形の格納ケースであって、格納ケース本体１の底部に前記ジャッキ２のヘッド部９を固定するための凹部４を有するるジャッキブラケット３を突出して形成し、ジャッキ２を横倒状態にしてヘッド部９をジャッキブラケット３で固定しジャッキ２のボトム部１０を格納ケース本体１の側壁５に当接して格納するようにしたことを特徴とする車両用ジャッキ格納構造。

【図１】