説明

車両用スロープ

【課題】低コストで、操作性が良く、車椅子の収容部と地面との間における乗降時の走行性を高め得る車両用スロープを提供する。
【解決手段】複数枚の通路部材2における各レール部材4の長手方向と交差する断面はそれぞれ同一形状をなす。レール部材4の上端側一側面には第1突条部42が、第1突条部42の下方には第1凹条部43が共に、レール部材4の長手方向に沿って延びるように連続して形成されている。レール部材4の下端側他側面には第2突条部44が、第2突条部44の上方には第2凹条部45が共に、レール部材4の長手方向に沿って延びるように連続して形成されている。隣り合う通路部材2の互いに係合する一方のレール部材4の第1突条部42は、他方のレール部材4の第2凹条部45に係合し、他方のレール部材4の第2突条部44は、一方のレール部材4の第1凹条部43に係合している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車椅子を車両内部に収容する際に使用する車両用スロープに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、一般的な車椅子収容車両は、被介護者等が着座した車椅子を車両内部に設けられた収容部に収容できるようになっていて、該収容部の車両後端と地面との間に架け渡された車両用スロープによって車椅子の乗降を行うようになっている。
【0003】
例えば、特許文献1に開示されている車両用スロープは、略矩形板状の3つの通路部材からなっていて、該通路部材は、略矩形状のプレート部材と、該プレート部材の両側端縁部にその長手方向に沿って取り付けられた一対のレール部材とを有し、隣り合う一方の通路部材のレール部材と他方の通路部材のレール部材とを係合させることにより互いに連結されている。そして、不使用時には、基端側に位置する通路部材上に他の2つの通路部材が重ねられて車両に格納される一方、使用時には、他の2つの通路部材が上記基端側に位置する通路部材上から引き出されて車両後端と地面との間に3つの通路部材が架け渡されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−89586号公報(段落0009欄、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1の車両用スロープでは、3つの通路部材のうち、引き出した状態で中間に位置する通路部材におけるレール部材の断面係数を他の2つの通路部材におけるレール部材の断面係数よりも大きく設定することで、車椅子が車両用スロープを通過する際に、中間に位置する通路部材と他の2つの通路部材とのレール部材の連結部分にかかる荷重を分散させるようにして、車両スロープ全体の撓みを小さくし、車椅子の乗降時の走行性を高めるようにしている。
【0006】
しかし、中間に位置する通路部材におけるレール部材の断面係数を大きくするにはレール部材の断面形状を通路部材毎に変える必要があり、レール部材を汎用化させることができず、コストが嵩んでしまう。
【0007】
これを回避するために、各レール部材の断面を同一形状とすることが考えられるが、各レール部材の断面を同一形状としつつレール部材の連結部分にかかる荷重を分散させるには、各レール部材の断面積を大きくする必要があるので、これでは車両用スロープの重量が増大してしまい、車両用スロープの操作性が悪くなってしまう。
【0008】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、低コストで、且つ、操作性が良く、さらには、車椅子の収容部と地面との間における乗降時の走行性を高めることができる車両用スロープを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明は、互いに係合するレール部材の長手方向と交差する断面を同一形状とするとともに、その形状に工夫を凝らしたことを特徴とする。
【0010】
具体的には、略矩形状のプレート部材と、該プレート部材の両側端縁部にその長手方向に沿って取り付けられた一対のレール部材とを有する複数枚の通路部材を備え、該複数枚の通路部材を隣り合う一方の通路部材のレール部材と他方の通路部材のレール部材とを係合させることにより互いに連結し、不使用時には、基端側の通路部材上に他の通路部材が重ねられて車両に格納される一方、使用時には、上記他の通路部材が上記基端側の通路部材上から上記レール部材を介して引き出されて車両後端と地面との間に上記基端側の通路部材と共に直線状に架け渡されて車椅子の乗降を可能とする車両用スロープにおいて次のような解決手段を講じた。
【0011】
すなわち、第1の発明では、上記各レール部材の長手方向と交差する断面は、それぞれ同一形状をなし、上記レール部材の上端側一側面には、当該レール部材の長手方向に沿って延びる第1突条部が突設され、且つ、上記レール部材の長手方向に沿って延びる第1凹条部が上記第1突条部下方に連続して凹設され、上記レール部材の下端側他側面には、当該レール部材の長手方向に沿って延びる第2突条部が突設され、且つ、上記レール部材の長手方向に沿って延びる第2凹条部が上記第2突条部上方に連続して凹設され、隣り合う通路部材の互いに係合する一方のレール部材の第1突条部は、他方のレール部材の第2凹条部に係合し、且つ、他方のレール部材の第2突条部は、一方のレール部材の第1凹条部に係合していることを特徴とする。
【0012】
第2の発明では、第1の発明において、上記第1突条部の突出量と上記第2凹条部の窪み量とが略同じであり、且つ、上記第2突条部の突出量と上記第1凹条部の窪み量とが略同じであり、互いに係合する一方のレール部材の第1凹条部と他方のレール部材の第2凹条部とは、上下に並置されていることを特徴とする。
【0013】
第3の発明では、第1の発明において、上記第1突条部の突出量と上記第2凹条部の窪み量とが略同じであり、且つ、上記第2突条部の突出量と上記第1凹条部の窪み量とが略同じであり、互いに係合する個々のレール部材の第1凹条部と第2凹条部とが上下に並置されていることを特徴とする。
【0014】
第4の発明では、第1から第3のいずれか1つの発明において、上記プレート部材は、通路進行方向に並ぶように分割された複数の分割プレートを備え、上記分割プレートの通路進行方向一端縁には、係合凸部が通路幅方向に亘って形成される一方、上記分割プレートの通路進行方向他端縁には、係合凹部が通路幅方向に亘って形成され、上記分割プレートは、隣り合う分割プレートの一方の係合凸部を他方の分割プレートの係合凹部に係合させることで互いに連結されるようになっていることを特徴とする。
【0015】
第5の発明では、第4の発明において、上記分割プレートは、押出成形材であることを特徴とする。
【0016】
第6の発明では、第4又は第5の発明において、上記係合凸部は、通路進行方向に沿って延びる基部と、該基部先端からプレート部材表面側及び裏面側に張り出す張出部とからなり、上記係合凹部は、通路幅方向に沿って延び、且つ、通路幅方向両端部に開放して上記基部が係合可能なスリット状の開口部と、該開口部に連続して上記分割プレートの厚み方向に広がり、且つ、通路幅方向両端部に開放して上記張出部が係合可能な幅広部とからなり、上記各分割プレートは、上記係合凹部の開放部分のいずれか一方において隣り合う分割プレートの開口部と基部とを対応させるとともに幅広部と張出部とを対応させ、上記係合凹部に係合凸部を通路幅方向に沿って押し込んで上記係合凸部を係合凹部に係合させることにより互いに連結されるようになっていることを特徴とする。
【0017】
第7の発明では、第4又は第5の発明において、上記係合凸部は、通路幅方向と交差する断面が略半円状となるようにプレート部材表面側に膨出する膨出部を備え、上記係合凹部のプレート部材表面側内面には、上記膨出部に対応する湾曲部が形成され、上記分割プレートの通路進行方向他端縁の上記係合凹部を挟むプレート部材裏面側は、プレート部材表面側より短く設定され、上記各分割プレートは、隣り合う一方の分割プレートを他方の分割プレートに対して傾けて他方の分割プレートのプレート裏面側から係合凹部に一方の分割プレートの係合凸部先端を挿入し、他方の分割プレートの通路進行方向他端縁を支点に膨出部を湾曲部に摺接させながら他方の分割プレートに対して一方の分割プレートを回転させることにより、他方の分割プレートの係合凹部に一方の分割プレートの係合凸部を係合させることで互いに連結されるようになっていることを特徴とする。
【0018】
第8の発明では、第1から第7のいずれか1つの発明において、上記プレート部材には、プレート部材表面側に開口する嵌合凹部が通路幅方向に沿って延びるように形成され、上記嵌合凹部には、ゴム部材の基端側が嵌め込まれ、該ゴム部材の先端側は、プレート部材表面から膨出していることを特徴とする。
【0019】
第9の発明では、第1から第7のいずれか1つの発明において、上記プレート部材には、プレート部材表面側に開口する嵌合凹部が通路幅方向に沿って延びるように形成され、上記嵌合凹部には、照明部材が嵌め込まれていることを特徴とする。
【0020】
第10の発明では、第1から第7のいずれか1つの発明において、上記プレート部材には、プレート部材表面側に開口する複数の嵌合凹部が通路幅方向に沿って延びるように形成され、上記嵌合凹部の少なくとも1つには、照明部材が嵌め込まれ、残りの嵌合凹部には、ゴム部材の基端側が嵌め込まれ、該ゴム部材の先端側は、プレート部材表面から膨出していることを特徴とする。
【0021】
第11の発明では、第8又は第10の発明において、上記ゴム部材の膨出部分における通路幅方向と交差する断面は、略三角形状をなしていることを特徴とする。
【0022】
第12の発明では、第1から第11のいずれか1つの発明において、上記通路部材は、アルミニウム合金材で形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
第1の発明では、レール部材の長手方向と交差する断面が同一形状をなすので、レール部材を製作する金型を汎用化でき、製作コストを抑えることができる。また、互いに係合する2つのレール部材の連結部分に車椅子の荷重が加わる際、一方のレール部材の第1突条部に加わる荷重を他方のレール部材の第2凹条部で支え、且つ、他方のレール部材の第2突条部に加わる荷重を一方のレール部材の第1凹条部で支える。このように、レール部材の連結部分における2箇所で車椅子の荷重を受けることから、車椅子が乗降する際に車両用スロープ全体の撓みが小さくなり、車椅子の乗降時の走行性を高めることができる。さらには、複数枚の通路部材におけるレール部材の断面を同一形状としても、上述の如くレール部材の連結部分における2箇所で荷重を受けるので、レール部材の断面積を大きくする必要がなく、車両用スロープの重量増加を防いで操作性を良くすることができる。
【0024】
第2の発明では、レール部材が互いに係合した状態で各々の第1凹条部と第2凹条部とが通路幅方向に大きくずれることなく上下に並んでいるので、各通路部材の通路の幅の差を可及的に小さくできる。したがって、必要以上に通路部材の幅を大きくせずとも、乗降に支障のない通路幅を設定でき、コンパクトな車両用スロープとすることができる。
【0025】
第3の発明では、レール部材が互いに係合した状態で当該2つのレール部材の通路幅方向の長さが短くなり、各通路部材の通路の幅の差をより小さくすることができる。したがって、第2の発明に比べて車両用スロープのさらなるコンパクト化を図ることができる。
【0026】
第4の発明では、隣り合う分割プレートを係合凸部や係合凹部との係合により連結するので、分割プレートをボルト等を用いて連結する必要がなく、容易に連結することができる。
【0027】
第5の発明では、係合凸部及び係合凹部を有する分割プレートを一体に成形できる。
【0028】
第6の発明では、張出部がプレート部材表面側及び裏面側に張り出して隣接する幅広部に係合しているので、車椅子が乗降する際に通路進行方向に対して交差する方向の力だけでなく、通路進行方向に大きな力が分割プレートに作用しても分割プレート同士は係合凸部と係合凹部とで強固に連結されて外れない。また、一方の係合凸部を他方の係合凹部に通路幅方向一端側から他端側に押し込むことで分割プレート同士を連結でき、分割プレートの連結作業が簡便となる。
【0029】
第7の発明では、膨出部がプレート部材表面側及び裏面側に膨出して隣接する湾曲部に係合しているので、第1の発明と同様に、車椅子が乗降する際に通路進行方向に対して交差する方向の力だけでなく、通路進行方向に大きな力が分割プレートに作用しても分割プレート同士は係合凸部と係合凹部とで強固に連結されて外れない。また、一方の係合凸部先端を他方の係合凹部に向かい合わせて挿入した状態で、一方の分割プレートを他方の分割プレートに対して回転させることで分割プレート同士を連結でき、第6の発明に比べて通路幅方向への押込み動作が不要な分だけ分割プレートの連結作業が簡便となる。
【0030】
第8の発明では、プレート部材表面に膨出するゴム部材が、車椅子乗降時の滑り止め機能を発揮し、車椅子を安全に乗降させることができる。しかも、ゴム部材の弾性によりガタガタ感がなく車椅子をスムーズに乗降させることができる。
【0031】
第9の発明では、暗い場所で車椅子を乗降させる場合であっても、照明部材の発光によって通路部材表面が照らされて見え易くなるので、夜間等において車椅子を安全に乗降させることができる。
【0032】
第10の発明では、プレート部材表面においてゴム部材と照明部材とを併用させているので、上記第8及び第9の発明の両効果を発揮させることができる。
【0033】
第11の発明では、車椅子が通路部材を通過する際に引っ掛かることなくゴム部材を容易に乗り越えるので、乗降時における車椅子の操作が簡単容易となり、介護者等の負担を減らすことができる。
【0034】
第12の発明では、通路部材が軽くなるので、通路部材を車両後端から引き出したり、逆に格納したりする作業が簡単容易となり、介護者等の負担を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施形態1に係る車両用スロープを車両後端と地面との間に架け渡した状態を示す車両後部の側面図である。
【図2】本発明の実施形態1に係る車両用スロープの斜視図である。
【図3】(a)は、図2のA−A線断面図、(b)は、図2のB−B線断面図、(c)は、(a)のD部拡大図である。
【図4】図2のC−C線断面図である。
【図5】(a)は、本発明の実施形態2に係る図3(a)相当図であり、(b)は、分割プレート同士を連結する直前の状態を、(c)は、分割プレート同士を連結した直後の状態を示す連結部拡大図である。
【図6】本発明の実施形態2に係る図4相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。
《発明の実施形態1》
図1は、本発明の実施形態1に係る車両用スロープ1を車両後端と地面Gとの間に架け渡した状態の車椅子収容車両10を示す。該車椅子収容車両10の後部側の車室内には、被介護者H等が着座した車椅子Xを収容可能な収容部10aが設けられていて、上記車椅子収容車両10のルーフR後端には、バックドア10bが上下に開閉可能に取り付けられ、上記収容部10aの床面をなすフロアF後端には、テールゲート10c及び上記車両用スロープ1がそれぞれ上下に回動可能に取り付けられている。
【0037】
上記車両用スロープ1は、図2に示すように、2枚の通路部材2を備えていて、該2枚の通路部材2は、略矩形状のプレート部材3と、該プレート部材3の両側端縁部にその長手方向に沿って取り付けられた一対のレール部材4とを有し、一方の通路部材2のレール部材4と他方の通路部材2のレール部材4とを係合させることにより互いに連結されている。
【0038】
そして、上記車両用スロープ1は、不使用時には、基端側の通路部材2(以下、第1通路部材2a)上に他の通路部材2(以下、第2通路部材2b)が重ねられて上下に延びる姿勢で車両10内部に格納される(図1仮想線参照)一方、使用時には、上記バックドア10bを上方に開放し、且つ、テールゲート10c及び車両用スロープ1を下方に回動させた状態で、上記第2通路部材2bが上記第1通路部材2a上から上記レール部材4を介して引き出されて車両10後端と地面Gとの間に上記第1通路部材2aと共に直線状に架け渡されて車椅子Xの乗降を可能とするようになっている(図1実線参照)。
【0039】
上記第1通路部材2aの上記プレート部材3は、図2に示すように、通路進行方向に並ぶように分割された複数の分割プレート5を備え、これら分割プレート5のうち通路進行方向一端の分割プレートは、プレート部材3表面側に傾斜面部5bを有している。以下、この分割プレートを傾斜分割プレート6と称呼する。この傾斜分割プレート6を除く他の分割プレート5は共に同一形状に形成されている。
【0040】
また、上記第2通路部材2bの上記プレート部材3も、通路進行方向に並ぶように分割された複数の分割プレート5を備え、通路進行方向一端には、上述した第1通路部材2aと同様の傾斜分割プレート6を備え、通路進行方向他端には、プレート部材3裏面側に傾斜面部5bを有する分割プレートを備えている。以下、この分割プレートを先端側分割プレート9と称呼する。上記傾斜分割プレート6及び先端側分割プレート9を除く他の分割プレート5は共に、上記第1通路部材2aの分割プレート5と同様に同一形状に形成されている。
【0041】
上記分割プレート5、傾斜分割プレート6及び先端側分割プレート9は、アルミニウム合金製の押出成形材であり、図3(a)に示すように、通路幅方向に沿って延び、且つ、通路幅方向両端部に開放する断面略矩形状の連通孔5aが通路進行方向に複数形成されている。
【0042】
上記傾斜分割プレート6及び先端側分割プレート9の通路進行方向の幅は、隣り合う分割プレート5の通路進行方向の幅の略半分となっていて、上記第2通路部材2bにおけるプレート部材3の通路進行方向の長さは、上記第1通路部材2aにおけるプレート部材3の通路進行方向の長さよりも短い構成となっている。したがって、不使用時に第1通路部材2a上に第2通路部材2bを重ねると、第1通路部材2aの通路進行方向両端より内側に上記第2通路部材2bが収まるようになっている。
【0043】
上記分割プレート5の通路進行方向一端縁には、係合凸部51が通路幅方向に亘って形成される一方、上記分割プレート5の通路進行方向他端縁には、係合凹部52が通路幅方向に亘って形成されている。
【0044】
上記係合凸部51は、側面視で略T字状をなしていて、通路進行方向に沿って延びる基部51aと、該基部51a先端からプレート部材3表面側及び裏面側に張り出す張出部51bとを備えている。
【0045】
一方、上記係合凹部52は、通路幅方向に沿って延び、且つ、通路幅方向両端部に開放するスリット状の開口部52aと、該開口部52aに連続して上記分割プレート5の厚み方向に広がり、且つ、通路幅方向両端部に開放する幅広部52bとを備えていて、上記開口部52aには上記基部51aが、上記幅広部52bには上記張出部51bが係合可能となっている。
【0046】
そして、上記各分割プレート5は、上記係合凹部52の開放部分のいずれか一方において隣り合う分割プレート5との間で開口部52aと基部51aとを対応させるとともに幅広部52bと張出部51bとを対応させ、上記係合凹部52に係合凸部51を通路幅方向に沿って押し込んで、上記係合凸部51を係合凹部52に係合させることにより互いに連結されるようになっている。したがって、張出部51bがプレート部材3表面側とプレート部材3裏面側とに張り出して隣接する幅広部52bに係合しているので、車椅子Xが乗降する際に通路進行方向に対して交差する方向の力だけでなく、通路進行方向に大きな力が分割プレート5に作用しても分割プレート5同士は係合凸部51と係合凹部52とで強固に連結されて外れない。それに加えて、一方の係合凸部51を他方の係合凹部52に通路幅方向一端側から他端側に押し込むことで分割プレート5同士を連結でき、分割プレート5の連結作業が簡便となる。
【0047】
尚、上記張出部51bは、上記基部51a先端からプレート部材3表面側及び裏面側の両側に張り出しているが、少なくとも一方に張り出していればよい。
【0048】
上記分割プレート5には、プレート部材3表面側に開口する嵌合凹部53が通路幅方向に沿って延びるように、且つ、通路進行方向に間隔をあけて2つ形成されている。また、上記分割プレート5には、プレート裏面に開口する嵌合凹部53が上記プレート部材3表面側の2つの嵌合凹部53の間の位置に形成されている。
【0049】
上記プレート部材3における複数の嵌合凹部53には、上記第1通路部材2aの通路進行方向一端側に位置する1つの嵌合凹部53と、上記第2通路部材2bの通路進行方向他端側に位置する1つの嵌合凹部53を除いて、ゴム部材7の基端側が嵌め込まれていて、該ゴム部材7の先端側は、上記プレート部材3のプレート表面から膨出し、その膨出部分における通路幅方向と交差する断面は略三角形状をなしている。
【0050】
また、上記第1通路部材2aの通路進行方向一端側に位置する1つの嵌合凹部53と、上記第2通路部材2bの通路進行方向他端側に位置する1つの嵌合凹部53とには、LEDチューブからなる照明部材8が通路幅方向に沿って延びるように嵌め込まれていて、上記嵌合凹部53の開口は、ガラス板53aで塞がれている。
【0051】
尚、分割プレート5の表裏を反対にすることでプレート部材3表面側の嵌合凹部53の数を減らし、プレート部材3表面における通路進行方向のゴム部材7の間隔を広げることができる。また、本実施形態1では、プレート部材3裏面側に嵌合凹部53を形成しているが、当該嵌合凹部53が形成されていないプレート部材3であってもよい。
【0052】
上記第1通路部材2aの一対のレール部材4は、アルミニウム合金製の押出成形材であり、通路進行方向一端部上方が面取りなされていて、一方のレール部材4と他方のレール部材4とが通路を挟んで対称形状をなしている。以下、対称形状をなす左右一対のレール部材4の一方のレール部材4についてのみ説明する。
【0053】
上記レール部材4の上端側内側面(一側面)には、図4に示すように、当該レール部材4の長手方向に沿って延びる第1突条部42が突設されていて、上記第1突条部42の下方には、上記レール部材4の長手方向に沿って延びる第1凹条部43が上記第1突条部42に連続して凹設されている。
【0054】
そして、上記レール部材4の下端側内側面には、当該レール部材4の長手方向に沿って延びる断面略J字状の取付部41が上記第1凹条部43に連続して突設されていて、該取付部41に形成された内側面側に開口する取付凹部41aに上記プレート部材3の両側端縁部を取り付けるようになっている。
【0055】
一方、上記レール部材4の下端側外側面(他側面)には、当該レール部材4の長手方向に沿って延びる第2突条部44が突設されていて、上記第2突条部44の上方には、上記レール部材4の長手方向に沿って延びる第2凹条部45が上記第2突条部44に連続して凹設されている。
【0056】
上記第2通路部材2bの一対のレール部材4は、一部形状が異なる点と、一対の把手11を有している点とが第1通路部材2aの一対のレール部材4と異なるだけで、他の部分は同じであるので、異なる部分のみを説明する。
【0057】
上記第2通路部材2bの一対のレール部材4は、通路進行方向両端部上方が面取りなされていて、上記一対のレール部材4の通路進行方向他端側上部には、平面視で略コ字状の把手11が外側方に突出するように一対取り付けられている。
【0058】
そして、上記第1及び第2通路部材2a,2bにおける各レール部材4の長手方向と交差する断面は、それぞれ同一形状をなしている。
【0059】
それに加えて、上記第1及び第2通路部材2a,2bの各レール部材4同士の係合は、当該レール部材4同士が滑り易くなるように断面略S字状の樹脂部材12を介して行われていて、上記第1通路部材2aにおけるレール部材4の第1突条部42は第2通路部材2bにおけるレール部材4の第2凹条部45に係合し、且つ、第2通路部材2bにおけるレール部材4の第2突条部44は第1通路部材2aの第1凹条部43に係合している。
【0060】
尚、上記第1及び第2通路部材2a,2bの各レール部材4同士の係合は、樹脂部材12を介さずに行ってもよい。
【0061】
さらに、上記第1突条部42の突出量は、第2凹条部45の窪み量と略同じとなるように形成され、且つ、上記第2突条部44の突出量は、第1凹条部43の窪み量と略同じとなるように形成されていて、互いに係合する一方のレール部材4の第1凹条部43と他方のレール部材4の第2凹条部45とが上下に並置されている。
【0062】
ここで、「略同じ」という表面を用いたのは、本実施形態のように樹脂部材12を介して第1及び第2通路部材2a,2bの各レール部材4同士を係合させる場合において、樹脂部材12の厚みが均一で無い場合に突出量と窪み量とが多少異なる場合もあり、そのような場合を含む表現にするためである。
【0063】
以上より、本発明の実施形態1によれば、レール部材4の長手方向と交差する断面が同一形状をなすので、レール部材4を製作する金型を汎用化でき、製作コストを抑えることができる。
【0064】
また、互いに係合する2つのレール部材4の連結部分に車椅子Xの荷重が加わる際、一方のレール部材4の第1突条部42に加わる荷重を他方のレール部材4の第2凹条部45で支え、且つ、他方のレール部材4の第2突条部44に加わる荷重を一方のレール部材4の第1凹条部43で支える。このように、レール部材4の連結部分における2箇所で車椅子Xの荷重を効果的に受けることから、車椅子Xが乗降する際に車両用スロープ1全体の撓みが小さくなり、車椅子Xの乗降時の走行性を高めることができる。
【0065】
また、2枚の通路部材2のレール部材4の断面を同一形状としても、上述の如くレール部材4の連結部分における2箇所で荷重を受けるので、レール部材4の断面積を大きくする必要がなく、車両用スロープ1の重量増加を防いで操作性を良くすることができる。
【0066】
また、プレート部材3表面に膨出するゴム部材7が、車椅子X乗降時の滑り止め機能を発揮し、車椅子Xを安全に乗降させることができる。しかも、ゴム部材7の弾性によりガタガタ感がなく車椅子Xをスムーズに乗降させることができる。さらに、ゴム部材7は、変形し易く嵌合凹部53への取り付け・取り外しが簡単である。
【0067】
また、隣り合う分割プレート5を係合凸部51や係合凹部52との係合により連結するので、分割プレート5をボルト等を用いて連結する必要がなく、容易に連結することができる。
【0068】
また、分割プレート5は押出成形材であるので、係合凸部51及び係合凹部52を有する分割プレート5を一体に成形することができる。
【0069】
また、ゴム部材7の先端側断面が略三角形状をなしているので、車椅子Xが通路部材2を通過する際に引っ掛かることなくゴム部材7を容易に乗り越えるので、乗降時における車椅子Xの操作が簡単容易で介護者等の負担を減らすことができる。
【0070】
また、暗い場所で車椅子Xを乗降させる場合であっても照明部材8の発光によって通路部材2表面が照らされて見え易くなるので、夜間等において車椅子Xを安全に乗降させることができる。
【0071】
また、プレート部材3表面においてゴム部材7と照明部材8とを併用させているので、第8及び第9の発明の両効果を発揮させることができる。
【0072】
また、通路部材2は、アルミニウム合金製であるので、重量が軽く、第2通路部材2bを車両後端から引き出したり、逆に第1通路部材2a及び第2通路部材2bを格納したりする作業が簡単容易となり、介護者等の負担を減らすことができる。
《発明の実施形態2》
図5は、本発明の実施形態2に係る車両用スロープ1のプレート部材3を示す。この実施形態2では、プレート部材3の構造が実施形態1と異なっているだけで、その他の構造は実施形態1と同じであるため、以下、実施形態1と同じ部分には同一の符号を付し、異なる部分のみを詳細に説明する。
【0073】
実施形態2に係る分割プレート5の係合凸部51は、図5(b),(c)に示すように、通路幅方向と交差する断面が略半円状となるようにプレート部材3表面側に膨出する膨出部51cを備えている。
【0074】
一方、分割プレート5の係合凹部52のプレート部材3表面側内面には、上記膨出部51cに対応する湾曲部52cが形成されていて、上記分割プレート5の通路進行方向他端縁の係合凹部52を挟むプレート部材3裏面側は、プレート部材3表面側より短く設定されている。
【0075】
そして、上記各分割プレート5は、図5(b)に示すように、隣り合う一方の分割プレート5を他方の分割プレート5に対して傾けて他方の分割プレート5のプレート裏面側から係合凹部52に一方の分割プレート5の係合凸部51先端を挿入し、図5(c)に示すように、他方の分割プレート5の通路進行方向他端縁を支点に膨出部51cを湾曲部52cに摺接させながら他方の分割プレート5に対して一方の分割プレート5を回転させることにより、他方の分割プレート5の係合凸部51を一方の分割プレート5の係合凹部52に係合させることで互いに連結されるようになっている。
【0076】
以上より、本発明の実施形態2によれば、実施形態1と同様の効果が得られるとともに、膨出部51cがプレート部材3表面側及び裏面側に膨出して隣接する湾曲部52cに係合しているので、第1の発明と同様に、車椅子Xが乗降する際に通路進行方向に対して交差する方向の力だけでなく、通路進行方向に大きな力が分割プレート5に作用しても分割プレート5同士は係合凸部51と係合凹部52とで強固に連結されて外れない。また、一方の係合凸部51先端を他方の係合凹部52に向かい合わせて挿入した状態で、一方の分割プレート5を他方の分割プレート5に対して回転させることで分割プレート5同士を連結でき、第6の発明に比べて通路幅方向の押込み動作が不要な分だけ分割プレート5の連結作業が簡便となる。
《発明の実施形態3》
図6は、本発明の実施形態3に係る車両用スロープ1を示す。この実施形態3では、レール部材4の構造が実施形態1と異なっているだけで、その他の構造は実施形態1と同じであるため、以下、実施形態1と同じ部分には同一の符号を付し、異なる部分のみを詳細に説明する。
【0077】
実施形態3に係る第1突条部42の突出量は、第2凹条部45の窪み量と略同じとなるように形成され、且つ、第2突条部44の突出量は、第1凹条部43の窪み量と略同じとなるように形成されている。
【0078】
そして、互いに係合する個々のレール部材4の第1凹条部43と第2凹条部45とが上下に並置されている。
【0079】
以上より、本発明の実施形態3によれば、実施形態1と同様の効果が得られるとともに、レール部材4が互いに係合した状態で当該2つのレール部材4の通路幅方向の長さが短くなり、第1通路部材2a及び第2通路部材2bの通路の幅の差をより小さくすることができる。したがって、第2の発明に比べて車両用スロープ1のさらなるコンパクト化を図ることができる。
【0080】
尚、本発明の実施形態1〜3では、レール部材4において第1突条部42及び第1凹条部43を内側面に、第2突条部44と第2凹条部45を外側面に形成しているが、第1突条部42及び第1凹条部43を外側面に、第2突条部44と第2凹条部45を内側面に形成するようにしてもよい。
【0081】
また、本発明の実施形態1〜3では、通路部材2が2枚の場合を示したが、2枚以上備えたものであってもよい。
【0082】
また、本発明の実施形態1〜3では、照明部材8を2箇所しか設けていないが、それ以上設けるようにしてもよい。
【0083】
また、本発明の実施形態1〜3では、複数形成された嵌合凹部53の一部に照明部材8を取り付けているが、全ての嵌合凹部53にゴム部材7を取り付けても良い。
【0084】
また、本発明の実施形態1〜3では、複数形成された嵌合凹部53の一部に照明部材8を取り付けているが、全ての嵌合凹部53に照明部材8を取り付けても良い。
【0085】
また、低コストな車両用スロープとするために、嵌合凹部53にゴム部材7や照明部材8を設けない構造としてもよいし、複数形成された嵌合凹部53の一部にのみゴム部材7や照明部材8を取り付けてもよい。
【0086】
さらには、プレート部材3表面側に嵌合凹部53を設けない構造としてもよいし、プレート部材3表面側に滑り止め用凸部を通路幅方向に亘って一体に形成してもよい。
【0087】
また、照明を透過させる材質でゴム部材7を形成し、上記嵌合凹部53に照明部材8を嵌合させた状態で上記ゴム部材7を照明部材8に重ね合わせるようにして上記嵌合凹部53に嵌合させてもよい。
【0088】
また、ゴム部材7及び照明部材8が通路進行方向において交互に配置されるように、上記複数の嵌合凹部53に上記ゴム部材7及び照明部材8を嵌合させるようにしてもよい。
【0089】
また、上記ゴム部材7の先端側断面は略三角形状をなしているが、その他の形状でもよい。さらに、上記ゴム部材7の先端側断面形状は、通路幅方向において異なる断面形状であってもよい。
【0090】
また、本発明の実施形態1〜3では、照明部材8にLEDチューブを用いたが、プレート部材3表面側において照明機能を発揮できるものであれば、LEDチューブ以外のものを用いてもよい。
【0091】
また、本発明の実施形態1〜3では、プレート部材3表面側の滑り止めにゴム部材7を取り付けているが、その他の材質で形成された部材を取り付けることにより滑り止め機能を発揮させてもよく、例えば、樹脂で形成された部材を嵌合凹部53に取り付けるようにしてもよい。
【0092】
また、上記嵌合凹部53の数は、プレート部材3表面側と裏面側とで異なっているが、同じ数としてもよい。さらに、上記嵌合凹部53をプレート部材3の表面側と裏面側とで上下対称の位置に設けて、作業者が組み付けの際にプレート部材3の表面側と裏面側とを気にせず組み立てが可能となるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明は、車椅子を車両内部に収容する際に使用する車両用スロープに適している。
【符号の説明】
【0094】
1 車両用スロープ
2 通路部材
2a 第1通路部材
2b 第2通路部材
3 プレート部材
4 レール部材
5 分割プレート
7 ゴム部材
8 照明部材
10 車椅子収容車両
10a 収容部
42 第1突条部
43 第1凹条部
44 第2突条部
45 第2凹条部
51 係合凸部
51a 基部
51b 張出部
51c 膨出部
52 係合凹部
52a 開口部
52b 幅広部
52c 湾曲部
53 嵌合凹部
F フロア
G 地面
X 車椅子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略矩形状のプレート部材と、該プレート部材の両側端縁部にその長手方向に沿って取り付けられた一対のレール部材とを有する複数枚の通路部材を備え、該複数枚の通路部材を隣り合う一方の通路部材のレール部材と他方の通路部材のレール部材とを係合させることにより互いに連結し、
不使用時には、基端側の通路部材上に他の通路部材が重ねられて車両に格納される一方、使用時には、上記他の通路部材が上記基端側の通路部材上から上記レール部材を介して引き出されて車両後端と地面との間に上記基端側の通路部材と共に直線状に架け渡されて車椅子の乗降を可能とする車両用スロープであって、
上記各レール部材の長手方向と交差する断面は、それぞれ同一形状をなし、
上記レール部材の上端側一側面には、当該レール部材の長手方向に沿って延びる第1突条部が突設され、且つ、上記レール部材の長手方向に沿って延びる第1凹条部が上記第1突条部下方に連続して凹設され、
上記レール部材の下端側他側面には、当該レール部材の長手方向に沿って延びる第2突条部が突設され、且つ、上記レール部材の長手方向に沿って延びる第2凹条部が上記第2突条部上方に連続して凹設され、
隣り合う通路部材の互いに係合する一方のレール部材の第1突条部は、他方のレール部材の第2凹条部に係合し、且つ、他方のレール部材の第2突条部は、一方のレール部材の第1凹条部に係合していることを特徴とする車両用スロープ。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用スロープにおいて、
上記第1突条部の突出量と上記第2凹条部の窪み量とが略同じであり、且つ、上記第2突条部の突出量と上記第1凹条部の窪み量とが略同じであり、
互いに係合する一方のレール部材の第1凹条部と他方のレール部材の第2凹条部とは、上下に並置されていることを特徴とする車両用スロープ。
【請求項3】
請求項1に記載の車両用スロープにおいて、
上記第1突条部の突出量と上記第2凹条部の窪み量とが略同じであり、且つ、上記第2突条部の突出量と上記第1凹条部の窪み量とが略同じであり、
互いに係合する個々のレール部材の第1凹条部と第2凹条部とが上下に並置されていることを特徴とする車両用スロープ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載の車両用スロープにおいて、
上記プレート部材は、通路進行方向に並ぶように分割された複数の分割プレートを備え、
上記分割プレートの通路進行方向一端縁には、係合凸部が通路幅方向に亘って形成される一方、上記分割プレートの通路進行方向他端縁には、係合凹部が通路幅方向に亘って形成され、
上記分割プレートは、隣り合う分割プレートの一方の係合凸部を他方の分割プレートの係合凹部に係合させることで互いに連結されるようになっていることを特徴とする車両用スロープ。
【請求項5】
請求項4に記載の車両用スロープにおいて、
上記分割プレートは、押出成形材であることを特徴とする車両用スロープ。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の車両用スロープにおいて、
上記係合凸部は、通路進行方向に沿って延びる基部と、該基部先端からプレート部材表面側及び裏面側に張り出す張出部とからなり、
上記係合凹部は、通路幅方向に沿って延び、且つ、通路幅方向両端部に開放して上記基部が係合可能なスリット状の開口部と、該開口部に連続して上記分割プレートの厚み方向に広がり、且つ、通路幅方向両端部に開放して上記張出部が係合可能な幅広部とからなり、
上記各分割プレートは、上記係合凹部の開放部分のいずれか一方において隣り合う分割プレートの開口部と基部とを対応させるとともに幅広部と張出部とを対応させ、上記係合凹部に係合凸部を通路幅方向に沿って押し込んで上記係合凸部を係合凹部に係合させることにより互いに連結されるようになっていることを特徴とする車両用スロープ。
【請求項7】
請求項4又は5に記載の車両用スロープにおいて、
上記係合凸部は、通路幅方向と交差する断面が略半円状となるようにプレート部材表面側に膨出する膨出部を備え、
上記係合凹部のプレート部材表面側内面には、上記膨出部に対応する湾曲部が形成され、
上記分割プレートの通路進行方向他端縁の上記係合凹部を挟むプレート部材裏面側は、プレート部材表面側より短く設定され、
上記各分割プレートは、隣り合う一方の分割プレートを他方の分割プレートに対して傾けて他方の分割プレートのプレート裏面側から係合凹部に一方の分割プレートの係合凸部先端を挿入し、他方の分割プレートの通路進行方向他端縁を支点に膨出部を湾曲部に摺接させながら他方の分割プレートに対して一方の分割プレートを回転させることにより、他方の分割プレートの係合凹部に一方の分割プレートの係合凸部を係合させることで互いに連結されるようになっていることを特徴とする車両用スロープ。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1つに記載の車両用スロープにおいて、
上記プレート部材には、プレート部材表面側に開口する嵌合凹部が通路幅方向に沿って延びるように形成され、
上記嵌合凹部には、ゴム部材の基端側が嵌め込まれ、該ゴム部材の先端側は、プレート部材表面から膨出していることを特徴とする車両用スロープ。
【請求項9】
請求項1から7のいずれか1つに記載の車両用スロープにおいて、
上記プレート部材には、プレート部材表面側に開口する嵌合凹部が通路幅方向に沿って延びるように形成され、
上記嵌合凹部には、照明部材が嵌め込まれていることを特徴とする車両用スロープ。
【請求項10】
請求項1から7のいずれか1つに記載の車両用スロープにおいて、
上記プレート部材には、プレート部材表面側に開口する複数の嵌合凹部が通路幅方向に沿って延びるように形成され、
上記嵌合凹部の少なくとも1つには、照明部材が嵌め込まれ、残りの嵌合凹部には、ゴム部材の基端側が嵌め込まれ、該ゴム部材の先端側は、プレート部材表面から膨出していることを特徴とする車両用スロープ。
【請求項11】
請求項8又は10に記載の車両用スロープにおいて、
上記ゴム部材の膨出部分における通路幅方向と交差する断面は、略三角形状をなしていることを特徴とする車両用スロープ。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1つに記載の車両用スロープにおいて、
上記通路部材は、アルミニウム合金材で形成されていることを特徴とする車両用スロープ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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