説明

車両用ディスク再生装置

【課題】 単一駆動モータでディスクのローディングおよびアンローディングおよびピックアップの移送を可能にしたディスク再生装置。
【解決手段】 ディスクの存在時に作動する駆動モータと、駆動モータに連結されて回転する第1回転部と、ピックアップ移送部を駆動する第2回転部と、ディスクのローディングおよびアンローディング時に回転し、ピックアップ移送部の駆動時に停止する第3回転部と、第1回転部の回転力を第2回転部または第3回転部に転換する転換回転体と、第3回転部に選択的に連結され、ディスクのローディングおよびアンローディング時に回転および逆回転してディスクを出入りさせ、ディスクのローディング終了時に停止する第4回転部と、第3回転部が回転可能に搭載され、ディスクのローディングおよびアンローディング時またはディスクのローディング終了時、第3回転部と第4回転部を連結または分離する回転転換部材とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用ディスク再生装置に係り、より詳しくは単一駆動モータによりディスクのローディング/アンローディングおよびピックアップの移送が行える車両用ディスク再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用ディスク再生装置は、車両の内部に装着され、CDと言われる記録媒体に記録された音楽などの情報を再生する装置であって、一般に、三つのモータ、すなわちディスクをローディングおよびアンローディングするためのローディングモータ、ピックアップを移送するためのフィーディングモータ、およびディスクを回転させるためのスピンドルモータを使用している。
【0003】
このような構成を有する従来の車両用ディスク再生装置10は、図17に示すように、ディスクが再生装置に挿入されると、下部フレーム11にネジなどの締結手段で固定されたローディングモータ12が駆動され、これにより、ローディングモータの回転軸に結合されたモータギヤ13が回転する。
【0004】
モータギヤ13が回転すると、モータギヤ13と噛み合うギヤ組立体14が回転し、ギヤ組立体14と噛み合うローディングギヤ15が回転する。ローディングギヤ15が回転すると、ローディングギヤ15に固定されたローラ軸16が回転する。ギヤ組立体14のクラッチギヤ141はベルト17を介してギヤプーリ18に連結され、ギヤプーリ18はアイドルギヤ19と噛み合う。また、アイドルギヤ19はギヤカムに結合され、ギヤカム20にはアームフォロア21が結合されて、再生装置のローディングメカニズムを駆動させる。この際、ギヤカム20がアームフォロア21と接触したままで回転するとき、磨耗を防止するため、仲介部材としてブッシュフォロア22を使用する。
【0005】
ローディングメカニズムが完了するとき、アームローラ23が基板24に設けられたスイッチ25と接触してフィーディングモータ26を駆動させる。フィーディングモータ26は、モールドブラケット27を介して、ネジなどの締結手段によりメインフレーム28に固定され、フィーディングモータ26の回転軸にはモータギヤ29が結合される。フィーディングモータ26の駆動力によりモータギヤ29が回転すると、モータギヤ29の回転力が、アイドルギヤ30、ギヤスクリュー31およびリードスクリュー32に順次伝達される。この際、リードスクリュー32の回転により、リードスクリュー32に結合されたピックアップ33がディスクの半径方向に移送される。
【0006】
挿入されたディスクがターンテーブル34に搭載されると、スピンドルモータ35が回転し、フィーディングモータ26により移送されるピックアップ33が情報を読み込んで音源を再生する。
【0007】
ディスクを取り出す場合、使用者が指示したイジェクト動作によりフィーディングモータ26が逆回転し、これによりピックアップ33がスピンドルモータ35の方向に移送される。ピックアップ33が最内周に移送して、補助基板36に設けられたホームポジションスイッチ37を作動させる瞬間、ローディングモータ12が逆回転し、ローディングモータ12に結合されローディングモータ12の回転力を受ける全ての部品が逆回転する。この際、ローラ軸16の逆回転によりディスクが外部へ引き出される。
【0008】
しかし、このような構成を有する従来の車両用ディスク再生装置10は、ディスクをローディングおよびアンローディングし、ピックアップを移送することにおいて、二つのモータ、すなわちローディングモータとフィーディングモータを要するため、高価のモータおよびモータを駆動するスイッチにより、ディスク再生装置の価格競争力が低下する問題点があった。
【0009】
なお、請求項に係る発明と関連性を有する技術の蓄積がなく、記載すべき先行技術文献はない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明は前述したような従来技術の問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、転換ギヤ組立体、回転レバーおよび転換板などを用いることにより、単一駆動モータでディスクのローディングおよびアンローディングおよびピックアップの移送を可能にして価格競争力を高めた車両用ディスク再生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記のような目的を達成するため、本発明は、ディスクの存在時に作動し、ディスクの不在時に停止する駆動モータと、前記駆動モータに連結されて回転する第1回転部と、前記第1回転部に選択的に連結されてピックアップ移送部を駆動する第2回転部と、前記第1回転部に選択的に連結され、前記ディスクのローディングおよびアンローディング時に回転し、前記ピックアップ移送部の駆動時に停止する第3回転部と、前記ピックアップ移送部の駆動時または前記ディスクのローディングおよびアンローディング時、前記第1回転部が前記第2回転部または前記第3回転部に選択的に連結されるように前記第1回転部に連結され、前記第1回転部の回転力を前記第2回転部または前記第3回転部に転換する転換回転体と、前記第3回転部に選択的に連結され、前記ディスクのローディングおよびアンローディング時に回転および逆回転してディスクを出入りさせ、前記ディスクのローディング終了時に停止する第4回転部と、前記第3回転部が回転可能に搭載され、前記ディスクのローディングおよびアンローディング時または前記ディスクのローディング終了時、前記第3回転部と前記第4回転部を連結または分離する回転転換部材とを含んでなる車両用ディスク再生装置を提供する。
【0012】
前記転換回転体は、上下に移動するように弾支される上部転換回転体および下部転換回転体を有し、前記上部転換回転体は、上昇の際、前記第2回転部に連結され、前記下部回転体は、下降の際、前記第3回転部に連結されることがよい。
【0013】
前記転換回転体は、中心軸と、前記中心軸に順に結合される下部スプリング支持板、前記下部転換回転体、下部スプリング、前記上部転換回転体、上部スプリング、および上部スプリング支持板を含むことができる。
【0014】
前記上部スプリングは前記下部スプリングより高い弾性力を有することがよい。
【0015】
前記再生装置は、ディスクのローディング終了時またはアンローディング時、前記第3回転部に連結され、前記第3回転部の回転力により前記転換回転体の下部に前進または後進することにより、前記転換回転体を上昇または下降させる転換回転体駆動部材をさらに含むことができる。
【0016】
前記転換回転体駆動部材の上面には、前記第3回転部と噛み合うギヤ歯が形成されることがよい。
【0017】
前記再生装置は、前記ディスクのローディング終了の際、前記第3回転部に連結され、前記第3回転部の回転力により移動することにより、前記転換回転体駆動部材を前進させるラック部材をさらに含むことができる。
【0018】
前記ラック部材は直線運動可能に弾支されるトリガーラック部材を含み、前記ディスクのローディング終了時、前記トリガー部材は前記ディスクと接触し前進して前記第3回転部に連結されると同時に前記ラック部材が前記第3回転部に連結されることがよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の車両用ディスク再生装置によると、ディスクのローディングおよびアンローディングおよびピックアップの移送において、一つの駆動モータおよび一つのスイッチのみが要求されるため、再生装置の価格を低めて価格競争力を高めることができる。
【0020】
また、転換ギヤ組立体、転換板および回転レバーなどの比較的簡単な構成の要素を使用して2種の作業であるローディングおよびアンローディングおよびピックアップ移送が可能であるので、構成が比較的簡単で、装置の組立が容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、添付図面に基づいて本発明の好適な実施形態による車両用ディスク再生装置を詳細に説明する。
図1ないし図3に示すように、本発明の車両用ディスク再生装置100は、各種の構成要素が結合されるメインフレーム111を有する。
ディスクが出入りするメインフレーム111の入口には、ディスクと密着して正回転または逆回転しながらディスクをメインフレーム111の中央に引き込むかあるいは外部へ引き出す軸ローラ112が長手方向に結合され、軸ローラ112の一端にはギヤローラ113が固定される。
【0022】
メインフレーム111の中央には、ディスクを回転させるためのスピンドルモータ114が装着され、スピンドルモータ114には、ディスクの中央に形成された結合孔に弾性的に結合されるターンテーブル115が結合される。
【0023】
スピンドルモータ114の付近には、ディスクのローディングおよびアンローディングおよびピックアップ116の移送のための駆動力を発生させる駆動モータ117がモータ支持対118を介してネジなどの締結手段により結合され、駆動モータ117の駆動軸にはモータギヤ119が固定される。
【0024】
駆動モータ117のモータギヤ119には、第1回転部である第1フィーディングギヤ120と第2フィーディングギヤ121が噛み合う。第2フィーディングギヤ121には、ピックアップ116を移送するため、第3フィーディングギヤ122が選択的に噛み合う。第3フィーディングギヤ122には、スピンドルモータ114の付近に位置するピックアップ116をディスクの半径方向に移動させるリードスクリュー123に結合されたリードスクリューギヤ124が噛み合う。
【0025】
第2フィーディングギヤ121と第3フィーディングギヤ122間には、転換回転体である転換ギヤ組立体125の上部転換ギヤ1251が選択的に噛み合う。この際、第2フィーディングギヤ121と上部転換ギヤ1251は常に結合されており、第3フィーディングギヤ122と上部転換ギヤ1251はピックアップ116の移送時に噛み合い、ディスクのローディングおよびアンローディング時に分離される。
【0026】
図4および図5に明らかに示すように、第1フィーディングギヤ120と噛み合う第2フィーディングギヤ121の高さは上部転換ギヤ1251の高さの2倍程度であり、上部転換ギヤ1251が上昇しても噛み合い状態が解除されない。また、リードスクリューギヤ124と噛み合う第3フィーディングギヤ122は転換ギヤ組立体125より高く位置し、第3フィーディングギヤ122と上部転換ギヤ1251は転換ギヤ組立体125が上昇するときに噛み合い、下降するときに分離される。
【0027】
転換ギヤ組立体125には、第3回転部である第1ローディングギヤ126が選択的に噛み合う。この際、転換ギヤ組立体125の下部転換ギヤ1252と第1ローディングギヤ126はディスクのローディングおよびアンローディング時に噛み合い、ピックアップ116の移送時には、転換ギヤ組立体125が上昇することにより、分離される。
【0028】
転換ギヤ組立体125の構成などについては、後に図12に基づいてより詳細に説明する。
第1ローディングギヤ126には、第3回転部である第2ローディングギヤ127、第3ローディングギヤ128および第4ローディングギヤ129が噛み合う。
【0029】
第2ローディングギヤ127には、図3および図6に示すように、第4回転部である第5ローディングギヤ130、第6ローディングギヤ131、第7ローディングギヤ132および第8ローディングギヤ133が順に噛み合う。この際、第5ローディングギヤ130と第6ローディングギヤ131はメインフレーム111の上面に位置し、第7ローディングギヤ132および第8ローディングギヤ133はメインフレーム111の側面に位置する。
【0030】
第8ローディングギヤ133は、ディスクの引き込み及び引き出しを行う軸ローラ112の一端に固定されたギヤローラ113と噛み合う。
【0031】
第4ローディングギヤ129にはラック部材134とトリガーラック部材135が選択的に噛み合う。この際、第4ローディングギヤ129、ラック部材134およびトリガー部材135はディスクが完全に引き込まれるときに噛み合い、ディスクが引き出されるときに分離される。ラック部材134とトリガーラック部材135については後に詳細に説明する。
【0032】
ディスクが完全に引き込まれたとき、トリガーラック部材135の初期運動を行う回転レバー136は補助フレーム137を介してメインフレーム111の下面に装着される。
回転レバー136は五徳の形状を有し、補助フレーム137に対して回転可能に結合される。
【0033】
また、回転レバー136はスプリング138を介して補助フレーム137に結合されているので、外力の印加時に回転され、外力の除去時に自動に復元される。
【0034】
回転レバー136の第1脚1361は、第2脚1362および第3脚1363より低く形成され、ディスクのエッジ部と接触しなく、第2脚1362および第3脚1363はディスクのエッジ部と接触する。ディスクが完全に引き込まれる場合、ディスクのエッジ部と第2脚1362が相接し、ディスクの引き込み力により回転レバー136が回転する。この際、第3脚1363の付近に形成された補助脚1364がトリガーラック部材135を押し出すことにより、トリガーラック部材135の初期運動が行われる。
【0035】
ラック部材134の一端には、回転転換部材である回転レバー139が回転可能に結合される。回転レバー139は、第1ローディングギヤ126の回転軸に対して回転可能に、メインフレーム111に結合され、回転レバー139の一端には第2ローディングギヤ127が回転可能に結合される。したがって、ラック部材134の前進運動の際、回転レバー139が時計方向に回転するとともに第2ローディングギヤ127も時計方向に回転する。これにより、第2ローディングギヤ127と第5ローディングギヤ130が噛み合うかまたは分離される。
【0036】
ラック部材134の下面側方には、転換回転体駆動部材である転換板140が位置し、転換板140には多数の長方形孔が形成され、各孔には、転換板140が第1フィーディングギヤ120、第2フィーディングギヤ121、転換ギヤ組立体125および第4ローディングギヤ129の下面で直線運動し得るように、第1フィーディングギヤ120、第2フィーディングギヤ121、転換ギヤ組立体125および第4ローディングギヤ129の回転軸が挿入される。したがって、ラック部材134が垂直方向に直線運動して前進するとき、転換板140が斜線方向に直線運動して前進する。
【0037】
また、転換板140の上面には転換ギヤ組立体125と密着する傾斜面を有する突起部141が形成され、突起部141の一側には第2フィーディングギヤ121と噛み合う歯部が形成される。したがって、転換板140がラック部材134により斜線方向に前進すると、突起部141が回転中の第2フィーディングギヤ121と噛み合い、引き続き前進運動を行う。この際、転換ギヤ組立体125は突起部141の傾斜面に沿って垂直上昇するとともに、下部転換ギヤ1252が第1ローディングギヤ126から分離され、第3フィーディングギヤ122と結合する。
【0038】
転換板140の一側には、ピックアップ116の運動を拘束する回転レバー142が回転可能にメインフレーム111に結合され、回転レバー142の突起部1421はピックアップ116の突起部1161を拘束し、突起部1422は転換板140と接触するように形成される。
【0039】
以下、前記のように構成された本発明の車両用ディスク再生装置100の作動を詳細に説明する。
図7に示すように、ディスク再生装置100にディスクが挿入し始めると、センサ(図示せず)がディスクの挿入を認識し、センサにより駆動モータ117が駆動される。
【0040】
駆動モータ117が駆動すると、駆動モータ117に結合されたモータギヤ119が回転し、モータギヤ119と噛み合った第1フィーディングギヤ120および第1フィーディングギヤ120と噛み合った第2フィーディングギヤ121が回転する。この際、第2フィーディングギヤ121と噛み合った上部転換ギヤ1251が回転することにより、転換回転組立体125が回転し、同時に下部転換ギヤ1252と噛み合った第1ローディングギヤ126が回転する。
【0041】
第1ローディングギヤ126が回転すると、第1ローディングギヤ126と噛み合った第2ローディングギヤ127および第3ローディングギヤ128が回転し、同時に第2ローディングギヤ127と噛み合った第5ローディングギヤ130および第3ローディングギヤ128と噛み合った第4ローディングギヤ129が回転することになる。
【0042】
第2ローディングギヤ127が回転すると、第2ローディングギヤ127と噛み合った第5ローディングギヤ130が回転し、次いで第5ローディングギヤ130により第6ローディングギヤ131が回転することになる。
【0043】
第6ローディングギヤ131が回転すると、メインフレーム111の側面に結合された第7ローディングギヤ132(図6)と第8ローディングギヤ133が回転し、第8ローディングギヤ133によりギヤローラ113が回転する。
【0044】
ギヤローラ113が回転すると、ギヤローラ113に結合された軸ローラ112(図2)が回転する。この際、軸ローラ112の回転力により軸ローラ112と接触しているディスクが引き込まれ始める。
【0045】
ディスクが完全に引き込まれると。図8aおよび図8bに示すように、ディスクのエッジ部が回転レバー136の第2脚1362を接触したままで押し出すことにより、回転レバー136が時計方向に回転する。回転レバー136が時計方向に回転すると、回転レバー136の補助脚1364と接触しているトリガーラック部材135が矢印方向に多少前進する。
【0046】
トリガーラック部材135の前進により、トリガーラック部材135とラック部材134が、第3ローディングギヤ128と噛み合っている第4ローディングギヤ129と噛み合い、第4ローディングギヤ129の回転により、トリガーラック部材135とラック部材134が同時に矢印方向に前進する。この際、トリガーラック部材135とラック部材134間に介在されているスプリング1351が圧縮される。
【0047】
トリガーラック部材135とラック部材134が前進すると、図9aおよび図9bに示すように、ラック部材134の一端に結合された回転レバー139が第1ローディングギヤ126の回転軸を中心に時計方向に回転する。この際、回転レバー139に回転可能に結合された第2ローディングギヤ127が回転レバー139とともに時計方向に回転し、第2ローディングギヤ127と第5ローディングギヤ130が分離される。
【0048】
第5ローディングギヤ130が第2ローディングギヤ127から分離されると、第5ローディングギヤ130が回転力を受けなくて停止することになる。これにより、第5ローディングギヤ130により回転している第6ローディングギヤ131、第7ローディングギヤ132、第8ローディングギヤ133およびギヤローラ113が停止し、ギヤローラ113の停止により、ギヤローラ113に結合された軸ローラ112が停止することになる。軸ローラ112が停止すると、ディスクはそれ以上引き込まれない。
【0049】
また、トリガーラック部材135とラック部材134が 前進すると、図10aおよび図10bに示すように、ラック部材134の突起部1341が転換板140の突起部141を押し出し、これにより転換板140が動力を受けて斜線方向に前進することになる。この際、転換板140に形成された傾斜面を有する突起部141が第2フィーディングギヤ121と結合し、第2フィーディングギヤ121の回転力により転換板140が追加の動力を受けて斜線方向に前進することになる。これにより、転換板140は強い動力を受けながら前進することになる。
【0050】
転換板140が前進すると、図11aないし図11cに示すように、突起部141の傾斜面に沿って転換ギヤ組立体125が垂直に上昇することになる。この際、下部転換ギヤ1252は第1ローディングギヤ126(図3)から分離され、上部転換ギヤ1251は第3フィーディングギヤ122と噛み合う。
【0051】
したがって、第1ローディングギヤ126を含む第1回転部に該当する第2ローディングギヤ127、第3ローディングギヤ128および第4ローディングギヤ129が回転力を受けなくて停止し、第3フィーディングギヤ122は回転力を受けて回転することになる。
【0052】
転換ギヤ組立体125は、図12に明らかに示すように、メインフレーム111に固定された回転軸1253を有し、回転軸1253には、下部ワッシャ1254、下部転換ギヤ1252、下部スプリング1255、上部転換ギヤ1251、仲介ワッシャ1256、上部スプリング1257および上部ワッシャ1258が順に結合される。
【0053】
下部転換ギヤ1252の上面には、回転軸1253が貫通する中空の六角ボルト1259が形成され、上部転換ギヤ1251には、六角ボルト1259に対応する六角孔1260が形成されているので、下部転換ギヤ1252と上部転換ギヤ1251が噛み合ったとき、同時に回転することができる。
【0054】
また、上部スプリング1257は下部スプリング1255より強い弾性力を有することにより、後述する転換ギヤ組立体125の下降運動に役立つ。
【0055】
転換ギヤ組立体125に上部スプリング1257と下部スプリング1255を備えることにより、図13aおよび図13bに示すように、回転中の上部転換ギヤ1251が垂直に上昇するとき、第3フィーディングギヤ122とギヤ歯が正常に噛み合わない場合、第3フィーディングギヤ122のギヤ歯により下降力を受ける。これにより、上部転換ギヤ1251が下部スプリング1255により形成される余裕空間に下降し、ギヤ歯の異常噛み合いによる上部転換ギヤ1251と第3フィーディングギヤ122の損傷を防止することができる。上部転換ギヤ1251と第3フィーディングギヤ122のギヤ歯が完全に噛み合うと、圧縮された下部スプリング1255が復元される。
【0056】
転換板140が前進すると、図14aおよび図14bに示すように、回転レバー142の突起部1422が転換板140の一側と接触して動力を得て、回転レバー142が時計方向に回転する。この際、突起部1161を介して回転レバー142に拘束されていたピックアップ116が移動可能な状態となる。
【0057】
回転レバー142から解除されたピックアップ116は、図15に示すように、転換ギヤ組立体125の上部転換ギヤ1251に結合され回転力を受けた第3フィーディングギヤ122によりリードスクリューギヤ124が回転されるとともにリードスクリュー123が回転力を受けることにより、ディスクの半径方向(矢印Rの方向)に移送され、再生過程が行われる。
【0058】
再生過程を終了してディスクを引き出す場合、図15に示すように、引き出し信号を感知したセンサ(図示せず)により駆動モータ117が逆方向に駆動され、モータギヤ119が逆方向に回転する。
【0059】
モータギヤ119が逆方向に回転すると、第1フィーディングギヤ120、第2フィーディングギヤ121および第3フィーディングギヤ122が逆方向に回転し、第3フィーディングギヤ122の逆方向回転によりリードスクリューギヤ124およびリードスクリュー123が逆方向に回転し、これによりピックアップ116がディスクの中心、つまりスピンドルモータ114(図2)側(矢印Eの方向)に移動することになる。
【0060】
図14aおよび図14bに示すように、ピックアップ116がスピンドルモータ114側に移動するとき、ピックアップ116の外部に形成された突起部1162が回転レバー142の突起部1421と接触し、回転レバー142が反時計方向に回転する。この際、突起部1422が転換板140と接触して動力を加える。
【0061】
回転レバー142により動力を受けた転換板140は上方斜線(矢印Eの方向)に移動する。この際、転換板140に形成された傾斜面を有する突起部141と第2フィーディングギヤ121が結合し、第2フィーディングギヤ121の回転力により転換板140が引き続き上方斜線方向に移動する。
【0062】
転換板140が上方斜線方向に移動して元の位置に復帰すると、図16に示すように、転換板140により垂直に上昇した転換ギヤ組立体125が垂直に下降し、上部転換ギヤ1251と第3フィーディングギヤ122は分離され、下部転換ギヤ1252と第1ローディングギヤ126は噛み合う。
【0063】
図3に示すように、下部転換ギヤ1252と噛み合い逆回転力を受けた第1ローディングギヤ126が逆回転することにより、第2ローディングギヤ127、第3ローディングギヤ128および第4ローディングギヤ129が順次逆回転する。
【0064】
図9a、図9b、図10aおよび図10bに示すように、第4ローディングギヤ129と噛み合っているラック部材134とトリガーラック部材135は第4ローディングギヤ129の逆回転力により元の位置に復帰する。この際、第4ローディングギヤ129から分離されるトリガーラック部材135は、スプリング1351の弾性力により、直線運動して元の位置に復帰する。
【0065】
ラック部材134が元の位置に復帰するとき、ラック部材134の一端に結合された回転レバー136が反時計方向に回転する。この際、回転レバー136に結合された第2ローディングギヤ127が同時に反時計方向に回転し、第2ローディングギヤ127と第5ローディングギヤ130が噛み合う。第2ローディングギヤ127と噛み合って逆回転力を受けた第5ローディングギヤ130の回転力により、第6ローディングギヤ131、第7ローディングギヤ132、第8ローディングギヤ133およびギヤローラ113が順次逆回転する。ギヤローラ113が逆回転すると、ギヤローラ113に結合された軸ローラ112が逆回転する。
【0066】
図8aおよび図8bに示すように、トリガーラック部材135が元の位置に復帰すると、トリガーラック部材135が回転部材136の補助脚1364と接触して、回転部材136に回転力が印加される。この際、回転部材136が反時計方向に回転し、回転部材136の第2脚1362がディスクのエッジ部と接触したままでディスクを押し出す。
【0067】
回転部材136の回転力により引き出し力を得たディスクは逆回転中の軸ローラ112により外部へ引き出される。
【0068】
以上、本発明の好適な実施形態による車両用ディスク再生装置について説明したが、当業者であれば、本発明の範囲内で多様な修正、変更および変形が可能であろう。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は車両用ディスクプレーヤーに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の好適な実施形態による車両用ディスク再生装置の概略斜視図である。
【図2】図1の車両用ディスク再生装置の概略分解斜視図である。
【図3】図1の車両用ディスク再生装置のギヤ構造の概略図である。
【図4】図3の転換ギヤ組立体と第2フィーディングギヤおよび第3フィーディングギヤの結合関係を示す概略図である。
【図5】図3の転換ギヤ組立体と第2フィーディングギヤおよび第3フィーディングギヤの結合関係を示す概略図である。
【図6】図2の第4、第5、第6ローディングギヤおよびギヤローラの結合関係を示す概略図である。
【図7】ディスクの挿入開始時点の状態を示す概略図である。
【図8a】ディスクの挿入中の状態を示す概略図である。
【図8b】ディスクの挿入中の状態を示す概略図である。
【図9a】ラック部材の直線運動により第2ローディングギヤと第5ローディングギヤが噛み合った状態と分離された状態を示す概略図である。
【図9b】ラック部材の直線運動により第2ローディングギヤと第5ローディングギヤが噛み合った状態と分離された状態を示す概略図である。
【図10a】ラック部材の直線運動により転換板が直線運動する過程を示す概略図である。
【図10b】ラック部材の直線運動により転換板が直線運動する過程を示す概略図である。
【図11a】転換板の運動により転換ギヤ組立体が垂直に上昇する過程を示す概略図である。
【図11b】転換板の運動により転換ギヤ組立体が垂直に上昇する過程を示す概略図である。
【図11c】転換板の運動により転換ギヤ組立体が垂直に上昇する過程を示す概略図である。
【図12】転換ギヤ組立体の分解斜視図である。
【図13a】転換ギヤ組立体の上昇動作により上部転換ギヤと第3フィーディングギヤが噛み合った状態を示す概略図である。
【図13b】転換ギヤ組立体の上昇動作により上部転換ギヤと第3フィーディングギヤが噛み合った状態を示す概略図である。
【図14a】転換板による回転レバーの運動によりピックアップが拘束および解除される状態を示す概略図である。
【図14b】転換板による回転レバーの運動によりピックアップが拘束および解除される状態を示す概略図である。
【図15】第3フィーディングギヤの回転によりピックアップが移動する状態を示す概略図である。
【図16】転換板が転換ギヤ組立体から分離される状態を示す概略図である。
【図17】従来の車両用ディスク再生装置の概略分解斜視図である。
【符号の説明】
【0071】
100 車両用ディスク再生装置
111 メインフレーム
112 軸ローラ
113 ギヤローラ
114 スピンドルモータ
116 ピックアップ
117 駆動モータ
119 モータギヤ
120〜122 第1〜第3フィーディングギヤ
123 リードスクリュー
125 転換ギヤ組立体
126〜133 第1〜第8ローディングギヤ
134 ラック部材
135 トリガーラック部材
136 回転レバー
140 転換板


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクの存在時に作動し、ディスクの不在時に停止する駆動モータと、
前記駆動モータに連結されて回転する第1回転部と、
前記第1回転部に選択的に連結されてピックアップ移送部を駆動する第2回転部と、
前記第1回転部に選択的に連結され、前記ディスクのローディングおよびアンローディング時に回転し、前記ピックアップ移送部の駆動時に停止する第3回転部と、
前記ピックアップ移送部の駆動時または前記ディスクのローディングおよびアンローディング時、前記第1回転部が前記第2回転部または前記第3回転部に選択的に連結されるように前記第1回転部に連結され、前記第1回転部の回転力を前記第2回転部または前記第3回転部に転換する転換回転体と、
前記第3回転部に選択的に連結され、前記ディスクのローディングおよびアンローディング時に回転および逆回転してディスクを出入りさせ、前記ディスクのローディング終了時に停止する第4回転部と、
前記第3回転部が回転可能に搭載され、前記ディスクのローディングおよびアンローディング時または前記ディスクのローディング終了時、前記第3回転部と前記第4回転部を連結または分離する回転転換部材とを含んでなることを特徴とする車両用ディスク再生装置。
【請求項2】
前記転換回転体は、上下に移動するように弾支される上部転換回転体および下部転換回転体を有し、前記上部転換回転体は、上昇の際、前記第2回転部に連結され、前記下部回転体は、下降の際、前記第3回転部に連結されることを特徴とする請求項1に記載の車両用ディスク再生装置。
【請求項3】
前記転換回転体は、中心軸と、前記中心軸に順に結合される下部スプリング支持板、前記下部転換回転体、下部スプリング、前記上部転換回転体、上部スプリング、および上部スプリング支持板を含むことを特徴とする請求項2に記載の車両用ディスク再生装置。
【請求項4】
前記上部スプリングは前記下部スプリングより高い弾性力を有することを特徴とする請求項3に記載の車両用ディスク再生装置。
【請求項5】
前記再生装置は、ディスクのローディング終了時またはアンローディング時、前記第3回転部に連結され、前記第3回転部の回転力により前記転換回転体の下部に前進または後進することにより、前記転換回転体を上昇または下降させる転換回転体駆動部材をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の車両用ディスク再生装置。
【請求項6】
前記転換回転体駆動部材の上面には、前記第3回転部と噛み合うギヤ歯が形成されることを特徴とする請求項5に記載の車両用ディスク再生装置。
【請求項7】
前記再生装置は、前記ディスクのローディング終了の際、前記第3回転部に連結され、前記第3回転部の回転力により移動することにより、前記転換回転体駆動部材を前進させるラック部材をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の車両用ディスク再生装置。
【請求項8】
前記ラック部材は直線運動可能に弾支されるトリガーラック部材を含み、前記ディスクのローディング終了時、前記トリガーラック部材は前記ディスクと接触し前進して前記第3回転部に連結されると同時に前記ラック部材が前記第3回転部に連結されることを特徴とする請求項7に記載の車両用ディスク再生装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10a】
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【図10b】
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【図11a】
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【図11b】
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【図11c】
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【図12】
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【図13a】
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【図13b】
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【図14a】
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【図14b】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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