説明

車両用マーカーランプ

【課題】光軸がマーカーランプ中心軸の方向になるマーカーランプと、光軸がマーカーランプ中心軸に対して所定の傾斜角度に傾斜したマーカーランプとを、少ない部品アイテム及び部品点数で以って且つ低コストで製作可能とした車両用マーカーランプを提供する。
【解決手段】車両用マーカーランプにおいて、ハウジングに形成された基板の取付面を、マーカーランプ中心軸にほぼ直角な垂直取付面と一定角度傾斜した1個または複数の傾斜取付面とにより形成し、光源からの光線がマーカーランプ中心軸方向に照射される中心方向照射マーカーランプでは、基板に光源を組付けた基板組立品を垂直取付面に取付け、前記光源からの光線がマーカーランプ中心軸に対して傾斜した方向に照射される傾斜方向照射マーカーランプでは、基板組立品を傾斜取付面に取付けることにより、光源の中心軸を変化可能に構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バス、トラック等の自車位置を、夜間に車両外部から視認可能にするために車体上部あるいは側部に設置される車両用マーカーランプに関する。
【背景技術】
【0002】
バス、トラック等の主として大型車両においては、従来から、夜間に車両外部から視認可能にするために車体上部あるいは側部にマーカーランプを設置している。
図7は、バス用のマーカーランプ設置態様を示す斜視図であり、図において、101は車体、102は前輪、103は後輪、100は前記車体の前部上方に2箇所、後部上方に2箇所(図示せず)それぞれ設置されたマーカーランプである。このマーカーランプ100は、白熱電球を使用したものと、発光ダイオード(以下LEDという)を使用したものとがあるが、近年はLEDを使用したものが多くなっている。
【0003】
前記LED使用のマーカーランプの一つに、特許文献1(特開平10−31905号公報)の技術がある。
かかる技術においては、灯具ボデイ(ハウジング)と前面のレンズによって灯体を構成し、この灯体内に複数個のLEDと、該LEDのうち内部に位置して配置されたLEDの光を前方に導き、外側に位置して設けられたLEDの光を径方向外方に反射させるリフレクタを設け、運転席からの視認性を向上させ、自車の位置確認を容易に行なえるようにしている。
【0004】
【特許文献1】特開平10−31905号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
LED使用のマーカーランプは、該マーカーランプからの光線を遠方まで到達させ得るという大きな利点があるが、白熱電球に比べて出力光の指向性が強く、光軸周りの輝度が強く、光軸と直交方向の輝度が弱いため、ランプの前方に対しては良く照射するがランプの側方に対しては照射が必ずしも良好でないという特性を持っている。
【0006】
前述のような特性を有するLED使用のマーカーランプをバスやトラックに装備する場合、車体後部の屋根からリヤパネルにかけての略垂直部に取り付けられて車両後方を照射しているマーカーランプをそのまま車体前部の屋根傾斜部に取り付けると、マーカーランプからの光線が車両前方に向って且つ上向き照射することとなり、車両の外からマーカーランプの点灯を視認することが困難になる。また、車体の側部に設置されるマーカーランプのように、ランプからの光線をある程度の距離まで到達させ得るとともに運転席から自車の側部を確認する必要のあるマーカーランプは、光軸がマーカーランプ中心軸に対して一定角度下方に向くように、光源をハウジングに設置することを要する。
【0007】
然るに、前記特許文献1(特開平10−31905号公報)の技術にあっては、LEDからなる複数の光源が固定された基板を、灯具ボデイ(ハウジング)の底板に固定し、該底板の上面にLEDの光を径方向外方に反射させるリフレクタを固定するように構成されているため、光軸がランプ中心軸の方向になるように複数の光源をハウジングの底板に取付けた状態で前記リフレクタによってLEDの光を径方向外方へも反射させることが可能ではある。
【0008】
しかしながら、かかる従来技術にあっては、前記リフレクタではカバーできないような、光軸をランプ中心軸に対して一定角度以上傾斜させて照射する場合には、灯具ボデイ(ハウジング)、基板に固定された複数の光源及びリフレクタを新規に製作して、前記光軸がランプ中心軸の方向になるように構成したものとそっくり組み替える必要がある。このため、光軸がランプ中心軸の方向になるマーカーランプと、光軸がランプ中心軸に対して所定の傾斜角度に傾斜したマーカーランプの複数種類のマーカーランプを製作して車両の所要箇所に装着する場合には、複数種類の専用マーカーランプ組立品を別個に製作する必要があり、部品アイテム及び部品点数が多くなるとともに、マーカーランプの製造コストも高くなる。
【0009】
従って、本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、光軸がランプ中心軸の方向になるマーカーランプと、光軸がランプ中心軸に対して所定の傾斜角度に傾斜したマーカーランプとを、少ない部品アイテム及び部品点数で以って且つ低コストで製作可能とした車両用マーカーランプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明はかかる目的を達成するもので、車体の車両外部から視認可能な部位に装着されて、ハウジングに着脱可能に取り付けられた基板上にLED(発光ダイオード)からなる光源を組付け、該光源の外部を光拡散用のレンズで覆って構成された車両用マーカーランプにおいて、前記ハウジングに形成された前記基板の取付面を、ランプ中心軸にほぼ直角な垂直取付面と該垂直取付面に対して一定角度傾斜した1個または複数の傾斜取付面とにより形成し、該光源からの光線がランプ中心軸方向に照射される中心方向照射マーカーランプでは、前記基板に光源を組付けた基板組立品を前記垂直取付面に取付け、あるいは前記光源からの光線がランプ中心軸に対して傾斜した方向に照射される傾斜方向照射マーカーランプでは、前記基板組立品を前記傾斜取付面に取付けることにより、前記光源の中心軸を変化可能に構成したことを特徴とする(請求項1)。
【0011】
かかる発明において、具体的には次のように構成するのが好ましい。
(1)前記ハウジングは前記レンズ側が開口した箱状に形成され、その内部に前記垂直取付面が設けられて前記中心方向照射マーカーランプでは前記基板組立品を該垂直取付面に取付け、該ハウジングの開口端部には前記傾斜取付面が設けられて前記傾斜方向照射マーカーランプでは前記基板組立品を該傾斜取付面に取付け可能に構成する(請求項2)。
(2)前記ハウジング内部の垂直取付面に該垂直取付面に対して一定角度傾斜して傾斜取付面が刻設され、前記傾斜方向照射マーカーランプでは、前記基板組立品の一端側を前記ハウジング開口端部の傾斜取付面に支持するとともに該基板組立品の他端側を前記垂直取付面に刻設された傾斜取付面に支持するように構成する(請求項3)。
【0012】
かかる発明によれば、ハウジングにランプ中心軸にほぼ直角な垂直取付面と該垂直取付面に対して一定角度傾斜した1個または複数の傾斜取付面とを設けておき、光源からの光線をランプ中心軸方向に照射する中心方向照射マーカーランプに適用する場合には、基板に複数の光源を組付けた基板組立品を前記垂直取付面に取付け、光源からの光線をランプ中心軸に対して一定角度傾斜して照射する傾斜方向照射マーカーランプに適用する場合には、前記基板組立品を、好ましくはハウジングの開口端部及びハウジング内部の垂直取付面に該垂直取付面に対して一定角度傾斜して設けた傾斜取付面(請求項2及び請求項3)に取付けることが可能となる。
【0013】
従ってかかる発明によれば、ハウジングにランプ中心軸にほぼ直角な垂直取付面と、好ましくはハウジングの開口端部及び前記垂直取付面に形成された傾斜取付面とを設けることにより、前記中心方向照射マーカーランプの場合はハウジングの垂直取付面を利用し、前記傾斜方向照射マーカーランプの場合はハウジングの傾斜取付面を利用するというように、ハウジングに設けた垂直取付面と傾斜取付面とを使い分けるのみで、共通の部品によって、照射方向が異なるマーカーランプを製作、設置することが可能となる。
これにより、マーカーランプからの光度を低下させることなく、特許文献1(特開平10−31905号公報)のような従来技術に比べて、少ない部品アイテム及び部品点数で以って且つ低コストで、照射方向が異なる複数のマーカーランプを製作、設置することができる。
【0014】
また、かかる発明において好ましくは、前記ハウジング開口端部の傾斜取付面及び垂直取付面に形成された傾斜取付面を、前記ランプ中心軸に対して対称に2個設けて、前記傾斜位置における前記基板組立品を前記2個の傾斜取付面を選択使用することにより、前記傾斜方向照射マーカーランプでは、前記ランプ中心軸に対して対称な2方向に光源中心軸を指向可能に構成する(請求項4)。
このように構成すれば、前記傾斜方向照射マーカーランプの場合において、ハウジング開口端部及び垂直取付面に、前記ランプ中心軸に対して対称に2個設けた傾斜取付面に、所要のマーカーランプ光軸傾斜方向に応じて前記基板組立品を選択組付けすることにより、共通の部品によって、マーカーランプ光軸の傾斜方向が異なる2種類のマーカーランプを製作、設置することができる。
【0015】
また、かかる発明において好ましくは、前記レンズの内側に、第2のレンズと該第2のレンズの内側に固定されたブラケットとをそなえたブラケット付き内部レンズを設け、該ブラケット付き内部レンズの端部にて前記基板組立品を固定して前記ハウジングに固定可能に構成する(請求項5)。
このように構成すれば、前述のような作用効果に加えて、レンズの内側にブラケット付きの第2のレンズを設けて、該第2のレンズの内側に固定したブラケットで前記基板組立品を固定してハウジングに固定することにより、ブラケット付きの第2のレンズは、光源からの光の拡散機能と、基板組立品をハウジングに固定する基板組立品の固定機能とを併せそなえることができる。
従って、ブラケット付きの第2のレンズをハウジングに固定するのみで、内側の第2のレンズと外側のレンズとの二重の光拡散作用によって、光線の指向性が強いLEDの光を大きく拡散して広範囲への照射をなすことができるとともに、第2のレンズに固定したブラケットにより基板組立品をハウジングに確実に固定することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ハウジングにランプ中心軸にほぼ直角な垂直取付面と傾斜取付面とを併設することで、中心方向照射マーカーランプの場合はハウジングの垂直取付面を利用し、傾斜方向照射マーカーランプの場合はハウジングの傾斜取付面を利用することによって、ハウジングに設けた垂直取付面と傾斜取付面とを使い分けるのみで、共通の部品によって、照射方向が異なるマーカーランプを製作、設置することが可能となる。
これにより、マーカーランプからの光度を低下させることなく、従来技術に比べて、少ない部品アイテム及び部品点数で以って且つ低コストで、照射方向が異なる複数のマーカーランプを製作、設置することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【実施例1】
【0018】
図1は本発明の第1実施例に係る車両用マーカーランプの正面図、図2は前記第1実施例に係る中心軸方向照射マーカーランプを示す図1のA−A線断面図である。図3は前記第1実施例に係る傾斜方向照射マーカーランプを示し、(A)は図1におけるA−A線断面図、(B)は(A)におけるZ部拡大図、(C)は(A)におけるZ1部拡大図である。
図1〜3において、100は車体101の車両外部から視認可能な部位に装着されたマーカーランプ(図7参照)で、次のように構成されている。
1はハウジング、2は透明体からなる光拡散用のレンズで、該ハウジング1は前記レンズ2側が開口した箱状に形成されている。なお、ハウジング1の開口には、フランジ1Zが形成されている。前記レンズ2は外周部を前記ハウジング1の外周に係合され、該ハウジング1は複数の取付けネジ7によって車体101に固定されている。3は前記ハウジング1のフランジ部1zと車体101との間に介装されたシール部材である。
【0019】
4は詳細を後述するように前記ハウジングに着脱可能に取り付けられた基板、5は該基板4の長手方向に複数個(この例では6個)装着されたLED(発光ダイオード)からなる光源である。前記基板4に光源5を組付けて基板組立品40を構成する。該基板組立品40は、その外部を前記レンズ2で覆われている。6は前記光源5への送電用の導線の接続端子部である。
1aは前記箱状のハウジング1内に形成された垂直取付面で、図2に示されるような、光源5からの光線をレンズ2の中心であるランプ中心軸1y方向(Sは照射方向)に照射する中心方向照射マーカーランプの場合には、前記基板組立品40の基板4を前記垂直取付面1aに取付けている。
具体的には、垂直取付面1aにボス1fが複数(図2では2個)突設され、同ボス1fに基板4を挿通させて、ボス1fの先端部に熱を加えて溶融するいわゆる熱かしめをして基板4を垂直取付面1aに固定している。
【0020】
また、図3(A)、(B)に示すように前記ハウジング1の開口端部にはランプ中心軸1yに対して一定角度θ(傾斜角)で以って傾斜した傾斜取付面1bが形成されるとともに、図3(A)、(C)に示すように前記ハウジング1内部の垂直取付面1aには前記ランプ中心軸1yに対して一定角度θ(傾斜角)で以って傾斜した(つまり前記傾斜取付面1bと同一面を有する)傾斜取付面1eが略直角のV字状に刻設されている。
そして、前記光源5からの光線をランプ中心軸1yに対して下方に一定角度θ傾斜した方向(Sは照射方向)に照射する傾斜方向照射マーカーランプの場合は、図3(A)のように前記基板組立品40の基板4の上端側を前記ハウジング1の開口端部の傾斜取付面1bで支持するとともに、前記基板4の下端側を垂直取付面1aの傾斜取付面1eで支持し、該基板4の上端部をハウジング1のフランジ部1Zに突設されているかしめ部材9に挿通した押えブラケット8の舌片8aで押えてかしめ部材9の先端を熱かしめをすることにより、前記基板組立品40をハウジング1に固定する。
【0021】
かかる第1実施例によれば、ハウジング1にランプ中心軸1yにほぼ直角な垂直取付面1aと該垂直取付面1aに対して傾斜角θで以って傾斜した2個(1個でも前記傾斜角θを変えた3個以上でもよい)の傾斜取付面1eとを設けておき、光源5からの光線をランプ中心軸1y方向に照射する中心方向照射マーカーランプに適用する場合には、基板4に複数(この例では6個)の光源5を組付けた基板組立品40を前記垂直取付面1aに取付け、光源5からの光線をランプ中心軸1yに対して傾斜角θで傾斜して照射する傾斜方向照射マーカーランプに適用する場合には、前記基板組立品40を、ハウジング1の開口端部の傾斜取付面1b及び前記垂直取付面1aに該垂直取付面1aに対して傾斜角θで傾斜して設けた傾斜取付面1eに取付けることが可能となる。
【0022】
従ってかかる第1実施例によれば、ハウジング1にランプ中心軸1yにほぼ直角な垂直取付面1aと、ハウジング1の開口端部及び前記垂直取付面1aに傾斜取付面1b,1eとを設けることにより、前記中心方向照射マーカーランプの場合はハウジング1の垂直取付面1aを利用し、前記傾斜方向照射マーカーランプの場合はハウジング1の傾斜取付面1b,1eを利用するというように、ハウジング1に設けた垂直取付面1aと傾斜取付面1b,1eとを使い分けるのみで、共通の部品によって、照射方向が異なるマーカーランプ100を製作、設置することが可能となる。
これにより、マーカーランプ100からの光度を低下させることなく、特許文献1(特開平10−31905号公報)のような従来技術に比べて、少ない部品アイテム及び部品点数で以って且つ低コストで、照射方向が異なる複数のマーカーランプ100を製作、設置することができる。
【0023】
さらに、図3(A)、(C)に鎖線で示すように、前記ハウジング1の開口端部及び該ハウジング1内部の垂直取付面1aには、前記傾斜取付面1b及び傾斜取付面1eと前記ランプ中心軸1yに対して対称に傾斜取付面1c及び傾斜取付面1dを設けて、前記光源5からの光線をランプ中心軸1yに対して上方に傾斜角θで傾斜した方向に照射する傾斜方向照射マーカーランプの場合は、前記基板組立品40の基板4の下端側を前記ハウジング1の開口端部の傾斜取付面1cで支持するとともに、前記基板4の上端側を垂直取付面1aに設けた傾斜取付面1dで支持し、該基板4の下端部を押えブラケット(図示省略)で押えてかしめ部材(図示省略)をかしめることにより、前記基板組立品40をハウジング1に固定する。
このように構成すれば、前記傾斜方向照射マーカーランプの場合において、ハウジング1の開口端部及び垂直取付面1aに、前記ランプ中心軸1yに関して対称にそれぞれ2個設けた傾斜取付面1e,1dに、所要のマーカーランプ光軸傾斜方向に応じて前記基板組立品40を選択組付けすることにより、共通の部品によって、マーカーランプ光軸の傾斜方向が異なる2種類のマーカーランプ100を製作、設置することができる。
【実施例2】
【0024】
図4は本発明の第2実施例に係る車両用マーカーランプの正面図、図5は傾斜方向照射マーカーランプを示す図4のB−B線断面図、図6は中心方向照射マーカーランプを示す図4のB−B線断面図である。
この第2実施例の傾斜方向照射マーカーランプにおいては、図4、5に示すように前記第1実施例におけるレンズ2の内側に、第2のレンズである内部レンズ11と該内部レンズ11の内面に一体形成されたブラケット(リブ)11a、11bとをそなえたブラケット付き内部レンズ110を設け、ハウジング1のフランジ1Zに突設した複数のボス12(図4参照)を熱かしめすることによって該ブラケット付き内部レンズ110が前記ハウジング1に固定される。前記ブラケット11a、11bは、図4に示すように、内部レンズ110の長手方向に複数箇所(この例では4箇所)設けられている。
【0025】
前記傾斜方向照射マーカーランプの場合には、図5のように、内部レンズ11の内面に一体形成されたブラケット11a、11bの下端部に、基板4を載置して支持するように支持面11c、11dが形成され、その支持面11c、11dにかしめ部材11e、11fで基板4が固定されている。そして、基板4を固定したときに基板組立品40の光源5の光線がランプ中心軸1y方向に対して傾斜角θで以って傾斜した方向に照射されるように位置決めされて固定される。
基板4をブラケット11a、11bへ固定することによって、基板組立品40は、内部レンズ11の内面側に固定された状態となり、その状態で、前述のようにハウジング1のフランジ1Zに突設した複数のボス12(図4参照)を熱かしめすることによって該ブラケット付き内部レンズ110を前記ハウジング1に固定する同時に、基板組立品40がハウジング1に固定される。そして、その光源5からの光線がランプ中心軸1y方向に対して傾斜した方向に照射される。
その他の構成は前記第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
【0026】
前記中心方向照射マーカーランプの場合には、図6のように、前記ブラケット付き内部レンズ110は、ハウジング1から突出した図示しないかしめ部材を熱かしめすることにより、前記ブラケット11aの端面にて前記基板組立品40の基板4の上面を押圧して、該基板組立品40を垂直方向に前記ハウジング1に固定する。
その他の構成は前記第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
【0027】
かかる第2実施例の傾斜方向照射マーカーランプの場合においては、前述の第1実施例の作用効果に加えて、レンズ2の内側にブラケット付き内部レンズ110を設けて、該ブラケット付き内部レンズ110の内側に固定したブラケット(リブ)11a、11bに前記基板組立品40をあらかじめ固定可能となり、ブラケット付き内部レンズ110は、光源5からの光の拡散機能と基板組立品40をレンズ2側に固定する固定機能とを併せそなえることができる。
また、第2実施例の中心方向照射マーカーランプの場合においては、前述の第1実施例の作用効果に加えて、レンズ2の内側にブラケット付き内部レンズ110を設けて、該ブラケット付き内部レンズ110の内側に固定したブラケット(リブ)11aで前記基板組立品40を押圧してハウジング1に固定することにより、前記ブラケット付き内部レンズ110は、光源5からの光の拡散機能と基板組立品40をハウジング1に固定する基板組立品40の固定機能とを併せそなえることができる。
【0028】
従って、前記傾斜方向照射マーカーランプの場合、中心方向照射マーカーランプの場合のいずれの実施例においても、前記ブラケット付き内部レンズ110をハウジング1に固定するのみで、前記内部レンズ11と外側のレンズ2との二重の光拡散作用によって、光線の指向性が強いLEDの光を大きく拡散して広範囲への照射をなすことができるとともに、ブラケット付き内部レンズ110に固定したブラケット11aにより基板組立品40をハウジング1に確実に固定することができる。
その結果、傾斜方向照射マーカーランプ、中心方向照射マーカーランプいずれの場合においても、簡単な構造で部品点数を減らして低コストで製作可能としつつ、マーカーランプの組立を容易にし、組立性の向上を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明によれば、光軸がマーカーランプ中心軸の方向になるマーカーランプと、光軸がマーカーランプ中心軸に対して所定の傾斜角度に傾斜したマーカーランプとを、少ない部品アイテム及び部品点数で以って且つ低コストで製作可能とした車両用マーカーランプを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1実施例に係る車両用マーカーランプの正面図である。
【図2】前記第1実施例に係る中心方向照射マーカーランプを示す図1のA−A線断面図である。
【図3】前記第1実施例に係る傾斜方向照射マーカーランプを示し、(A)は図1におけるA−A線断面図、(B)は(A)におけるZ部拡大図、(C)は(A)におけるZ1部拡大図である。
【図4】本発明の第2実施例に係る車両用マーカーランプの正面図である。
【図5】前記第2実施例に係る傾斜方向照射マーカーランプを示す図4のB−B線断面図である。
【図6】前記第2実施例に係る中心方向照射マーカーランプを示す図4のB−B線断面図である。
【図7】本発明が適用されるバスの斜視図である。
【符号の説明】
【0031】
1 ハウジング
1a 垂直取付面
1b,1c,1d,1e 傾斜取付面
1k,1m 垂直取付凹部
1h,1j 傾斜取付凹部
1y マーカーランプ中心軸
2 レンズ
4 基板
4a,4b 係合部
5 光源
11 内部レンズ
11a,11b ブラケット
40 基板組立品
100 マーカーランプ
101 車体
110 ブラケット付き内部レンズ
θ 傾斜角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の車両外部から視認可能な部位に装着されて、ハウジングに着脱可能に取り付けられた基板上にLED(発光ダイオード)からなる光源を組付け、該光源の外部を光拡散用のレンズで覆って構成された車両用マーカーランプにおいて、前記ハウジングに形成された前記基板の取付面を、ランプ中心軸にほぼ直角な垂直取付面と該垂直取付面に対して一定角度傾斜した1個または複数の傾斜取付面とにより形成し、該光源からの光線がランプ中心軸方向に照射される中心方向照射マーカーランプでは、前記基板に光源を組付けた基板組立品を前記垂直取付面に取付け、あるいは前記光源からの光線がランプ中心軸に対して傾斜した方向に照射される傾斜方向照射マーカーランプでは、前記基板組立品を前記傾斜取付面に取付けることにより、前記光源の中心軸を変化可能に構成したことを特徴とする車両用マーカーランプ。
【請求項2】
前記ハウジングは前記レンズ側が開口した箱状に形成され、その内部に前記垂直取付面が設けられて前記中心方向照射マーカーランプでは前記基板組立品を該垂直取付面に取付け、該ハウジングの開口端部には前記傾斜取付面が設けられて前記傾斜方向照射マーカーランプでは前記基板組立品を該傾斜取付面に取付け可能に構成したことを特徴とする請求項1記載の車両用マーカーランプ。
【請求項3】
前記ハウジング内部の垂直取付面に該垂直取付面に対して一定角度傾斜して傾斜取付面が刻設され、前記傾斜方向照射マーカーランプでは、前記基板組立品の一端側を前記ハウジング開口端部の傾斜取付面に支持するとともに該基板組立品の他端側を前記垂直取付面に刻設された傾斜取付面に支持するように構成されたことを特徴とする請求項2記載の車両用マーカーランプ。
【請求項4】
前記ハウジング開口端部の傾斜取付面及び垂直取付面に形成された傾斜取付面を、前記ランプ中心軸に対して対称にそれぞれ2個設けて、前記傾斜位置における前記基板組立品を前記2個の傾斜取付面を選択使用することにより、前記傾斜方向照射マーカーランプでは、前記ランプ中心軸に対して対称な2方向に光源中心軸を指向可能に構成したことを特徴とする請求項2及び3記載の車両用マーカーランプ。
【請求項5】
前記レンズの内側に、第2のレンズと該第2のレンズの内側に固定されたブラケットとをそなえたブラケット付き内部レンズを設け、該ブラケット付き内部レンズの端部に前記基板組立品が固定されて前記ハウジングに固定可能に構成したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかの項に記載の車両用マーカーランプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−214094(P2007−214094A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−35681(P2006−35681)
【出願日】平成18年2月13日(2006.2.13)
【出願人】(303002158)三菱ふそうトラック・バス株式会社 (1,037)
【Fターム(参考)】