説明

車両用リッドロック装置

【課題】円滑に作動させることができる車両用リッドロック装置の提供。
【解決手段】リッドロック装置1は、電動モーター3を作動させて、ウォーム4を介してウォームホイール5を回動させることにより、ロックシャフト6をハウジング2に対し進退させて、車両ボデーに設けられたリッドと係脱させる。ウォームホイール5には、ロックシャフト6と係合する係合柱53が形成されている。ロックシャフト6は、ハウジング2により厚み方向にガイドされた支持部62と、ウォームホイール5を配置するために、支持部62に対しオフセットして形成された回避部64を有し、回避部64には係合柱53が厚み方向に挿入される連動孔65が設けられている。支持部62の厚み方向の中央を通るガイド中心の近傍において、係合柱53と連動孔65とが係合するように、連動孔65の内周面がガイド中心において径方向内方に突出している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両ボデーに設けられたリッド体を閉状態にロックする車両用リッドロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、スプリング力によりハウジングからシャフト部材を突出させ、車両ボデーに設けられたリッド体と係合させ、リッド体を閉状態にロックさせる車両用リッドロック装置があった(特許文献1参照)。これは、ハウジング内の電動モーターを作動させ、ウォームホイールを回動させることにより、スプリング力に抗してシャフト部材を移動させ、リッド体との係合を解除してリッド体を開放可能にしている。
【0003】
上述した従来技術においては、電動モーターによる駆動力をシャフト部材へと伝えるためのウォームを含む駆動装置を、シャフト部材とハウジングの厚み方向においてオーバーラップするように配置し、車両用リッドロック装置の厚み方向の寸法の低減を図っている。このため、駆動装置を厚み方向において重合配置するスペースを形成することを目的として、シャフト部材において、部分的に厚み方向の寸法を小さくした逃し部を形成している。
【特許文献1】特許第3079611号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、シャフト部材の厚み方向の寸法を小さくした逃し部を形成すると、この逃し部の存在によりシャフト部材へのウォームホイールからの作用点と、シャフト部材のハウジングによるガイド部位の軸中心とが厚み方向においてオフセットされることになる。これにより、逃し部においてウォームホイールから押圧されたシャフト部材が、軸方向に移動する場合に、シャフト部材に厚み方向の回転モーメントが働きやすくなり、ハウジングに対してシャフト部材が厚み方向に傾いて抉りが発生し、リッド体のロック不良へとつながることがある。
【0005】
さらに、これにシャフト部材の進行方向前方に装着された、防水用のシール部材の摺動抵抗が相俟って、いっそうシャフト部材の傾きが発生しやすくなる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、円滑に作動させることができる車両用リッドロック装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による車両用リッドロック装置は、ハウジングと、ハウジング内に収容された駆動用モーターと、ハウジング内に枢支され駆動用モーターの作動により回転可能な出力ギヤと、ハウジング内に軸方向に移動可能に支持され、一端がハウジングより突出して車両ボデーに設けられたリッド体と係合可能であり、出力ギヤの回動によって出力ギヤと係合して軸方向に移動するシャフト部材と、を備える車両用リッドロック装置において、出力ギヤは、ハウジングの厚み方向に突出しシャフト部材と係合する係止片を有し、シャフト部材は、ハウジングに移動自在に支持される支持部と、厚み方向に切り欠かれて形成され、出力ギヤに対して厚み方向において重合配置される逃げ部と、出力ギヤの係止片が厚み方向において挿入される凹部とを有し、係止片と凹部の少なくともいずれか一方に形成され、シャフト部材が軸方向に移動するとき、支持部の厚み方向の中央を通るシャフト部材の略軸中心において互いに係合するように、厚み方向における最も軸中心よりの係止片の部位をそれ以外の部位に対して径方向外方に突出させて構成される、および/または、厚み方向における最も軸中心よりの凹部の部位をそれ以外の部位に対して径方向内方に突出させて構成される当接部を備える。
【0007】
これにより、シャフト部材が軸方向に移動する場合、シャフト部材の支持部の略軸中心において、厚み方向における最も軸中心よりの係止片の部位と厚み方向における最も軸中心よりの凹部の部位とが係合するため、ハウジングに対してシャフト部材が傾くことがなく、円滑に作動してリッド体との係脱が支障なく行える。
【0008】
また、本発明による車両用リッドロック装置は、凹部が、シャフト部材を貫通する連動孔である。
これにより、連動孔が径方向内方に突出していても、突出部位を境にして連動孔の軸方向に型割りをすることができ、成型のための型抜きがしやすく、シャフト部材の成型を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1乃至図10に基づき、本発明の一実施形態によるリッドロック装置1について説明する。尚、図4における上下方向は、ハウジング2の厚み方向に該当する。図1に示すように、本実施形態によるリッドロック装置1は、ボデー21とカバー22とによりアクチュエータハウジング2(本発明のハウジングに該当し、以下ハウジングと言う)が形成され、ハウジング2内に電動モーター3(本発明の駆動用モーターに該当する)、ウォーム4、ウォームホイール5(本発明の出力ギヤに該当する)、ロックシャフト6(本発明のシャフト部材に該当する)、ホイールストッパ7が収容されて形成されている。
ボデー21とカバー22はともに合成樹脂材料にて形成され、上述した内部構成品が収容された後、互いに嵌合されたうえで、ボデー21の係止片211をカバー22の係止突部221に係合させて一体化される。
【0010】
電動モーター3のアウトプットシャフト31(図2示)はウォーム4に圧入され、ウォーム4は電動モーター3により回転可能とされている。ウォーム4は金属あるいは合成樹脂材料にて形成され、外周面41上には歯部(図示せず)が形成されている。電動モーター3およびウォーム4は、ウォーム4に電動モーター3のアウトプットシャフト31が圧入(電動モーター3とウォーム4とが一体に)された後、ボデー21のモーター収容部212およびウォーム収容部213内にそれぞれ配設される。ボデー21の端子保持部214には、電力供給用の一対のモーター端子32が固定され、モーター端子32は電動モーター3に電気的に接続される。
【0011】
ウォームホイール5は、合成樹脂材料にて外周面51が円弧状の略扇形に形成されており、表裏を枢支孔52が貫通している。また、ウォームホイール5は、図1において下方に突出した係合柱53(本発明の係止片に該当する)を有し、図7に示すように、係合柱53の近傍には、同じく下方へと延びた平坦な第1ストッパ壁54が形成されている。一方、枢支孔52の近傍には、第1ストッパ壁54と同方向へと延びた第2ストッパ壁55が形成され、さらに、第1ストッパ壁54と第2ストッパ壁55との間には、枢支孔52と同心状に表裏を貫通する円弧状のスリット56が形成されている。
【0012】
ウォームホイール5は、枢支孔52がボデー21の床面から突出したホイール軸215に嵌合されることにより、ボデー21に対してホイール軸215回りに回転可能に取り付けられる。ウォームホイール5の外周面51には、歯部(図示せず)が形成されており、上述したウォーム4の歯部と噛合している。
【0013】
ロックシャフト6は合成樹脂材料にて長尺状に一体成形されており、先端(図2において右端)には、後述するように、車両ボデー9に設けられた給油口を覆うリッド91(本発明のリッド体に該当する)と係合するロック部61が形成されている。ロック部61は円柱状に形成され、先端部にはテーパ部61aが設けられている。ロック部61と隣接する支持部62は、ロック部61よりも大径の円柱状を呈しており、支持部62には、合成ゴム材料により形成されたシールリング69が装着されるリング溝63が設けられている。
【0014】
ロックシャフト6のロック部61と支持部62は、ボデー21のシャフト保持部216内に軸方向に移動可能に挿入される。シャフト保持部216は段付部を有したほぼ円筒形をしており、その内周面である小径部216aをロック部61が貫通し、大径部216bにより支持部62をシールリング69を介してガイドし、ロックシャフト6の傾きを防止しているとともに、ハウジング2とのシール性を向上させている(図4示)。
【0015】
ロックシャフト6のほぼ中央部には、回避部64(本発明の逃げ部に該当する)が所定距離に渡って形成されている。図4に示すように、回避部64は、ウォームホイール5を上方に重合配置するために、前述した支持部62の図4における上半分を厚み方向に取り去った(切り欠いた)ような、断面が半円形状を呈している(図5示)。回避部64は支持部62に比べて、図4の上下方向においてほぼ半分の幅寸法に形成されており(図4における回避部64の上下幅寸法は、シールリング69およびロック部61の外径よりも小さい)、また、その重心(中心軸)は支持部62のガイド中心P(本発明の軸中心に該当する)に対してオフセットしている。上述した構成により、リッドロック装置1の高さ(図4の上下方向であり厚み方向に該当する)寸法を低減し、リッドロック装置1の小型化を実現している。
【0016】
また、回避部64の後端には、連動孔65(本発明の凹部に該当する)がロックシャフト6の厚み方向に貫通して形成されている。連動孔65には、上述したウォームホイール5に形成された係合柱53が、ウォームホイール5の回動軸であるホイール軸215と平行に挿入されている。図2に示すように連動孔65は、ウォームホイール5の回動に応じて係合柱53と係合可能なように長孔形状をしている。
【0017】
また、図4に示すように連動孔65の内周面においては、上述した支持部62の径方向の中央を通るガイド中心Pの近傍において、係合柱53と連動孔65とが係合するように、径方向内方に突出した小径部65a(本発明の当接部に該当する)が形成されている。連動孔65の内周面に形成された小径部65aは、長円形状をした連動孔65の内周面のうち、最低限、係合柱53が当接する直線部位L(図2示)にのみに形成されていればよい。尚、本実施形態においては、ガイド中心Pの位置に対して、回避部64の高さが低いため、連動孔65の上部開口の周囲に肉盛65bを設けたうえで、小径部65aを形成している。
【0018】
ロックシャフト6の連動孔65よりも後方(図2において左方)には、平板部66が形成されており、その表裏両面には一対のリブ67が設けられている。平板部66の両面に形成されたリブ67は、ボデー21およびカバー22により挟持され、ロックシャフト6は平板部66においてもハウジング2にガイドされている。また、ロックシャフト6の後端(図2において左端)には、緊急時のマニュアル作動用の把手68が形成されている。上述した構成によりロックシャフト6は、ウォームホイール5と係合しながらハウジング2内に軸方向(図2において左右方向)に移動可能に収容されている。
【0019】
ボデー21のウォームホイール5に対向する部位には、ウォームホイール5に向けて突出するストッパ保持部217が形成されており、ストッパ保持部217にはホイールストッパ7が装着されている。ホイールストッパ7は、EPあるいはEPDMといった耐熱性、耐候性に優れた弾性部材である合成ゴム材料にて形成されている。図1に示すように、ホイールストッパ7は外形が概ね扇状をしたリング状を呈しており、内周部71にストッパ保持部217を挿入して、ストッパ保持部217の外周面を取り囲むように弾発的に取り付けられている。
【0020】
図6に示すように、ウォームホイール5がボデー21に取り付けられた状態で回動した場合に、ウォームホイール5のスリット56はホイールストッパ7と対向する部位に位置しており、カバー22には、スリット56に挿通される位置にストッパ押え222が突出している。
ストッパ押え222はカバー22の内面から突出し、スリット56に挿通された後、ホイールストッパ7の図6における上端面(ボデー21から離れた側の端面)まで延びている。回動にともなうウォームホイール5の当接により、ホイールストッパ7のストッパ保持部217からの浮き上がり(抜け出し)が発生する時、ストッパ押え222はホイールストッパ7の上端面に当接し、そのストッパ保持部217からの脱落を防止している。
【0021】
本実施形態において、ストッパ押え222はホイールストッパ7との間に僅かな隙間を有しているが、常時、ストッパ押え222により、ホイールストッパ7の上端面を押圧していてもよい。また、図6に示すように、本実施形態においてストッパ押え222は、ホイールストッパ7において、ストッパ保持部217よりもウォームホイール5の回転中心(ホイール軸215)に近い側と対向している。
【0022】
リッドロック装置1を形成する各構成部品をボデー21内に収容した後、ボデー21に対してカバー22を嵌合させて、ボデー21の係止片211をカバー22の係止突部221に係合させて一体化する(前述)。次に、タッピングスクリュー8を、ウォームホイール5の回動中心であるホイール軸215と、後述する雌側コネクタ部12との間に位置するカバー22のスクリュー孔223に挿通させる(図9示)。
【0023】
その後、ボデー21に対して、タッピングスクリュー8を螺子切りしながら締め付けることにより、ボデー21とカバー22とを締結してリッドロック装置1を完成させる。これにより、電動モーター3、ウォーム4、ウォームホイール5およびロックシャフト6を、ボデー21とカバー22とによりがたつき無く保持することができる。尚、ボデー21のシャフト保持部216に形成されたシール溝216cに、合成ゴム材料により形成された防水リング11を装着した後、リッドロック装置1は車両ボデー9に搭載される。
【0024】
図8に示すように、完成したリッドロック装置1のハウジング2の側面には、雌側コネクタ部12が形成されている。雌側コネクタ部12は、電動モーター3に電力を供給するために、外部コネクタM(雄側コネクタ)を接続するためのものである。雌側コネクタ部12は、ともにボデー21に形成され、互いに対向するコネクタ横壁218a、218bと、それぞれボデー21およびカバー22に形成され、互いに対向するコネクタ縦壁218c、224とにより、上述したモーター端子32を取り囲んで形成されている(図8において、雌側コネクタ部12のうち、ボデー21により形成された壁を斜線にて示している)。
【0025】
すなわち雌側コネクタ部12において、ハウジング2を形成するボデー21とカバー22の分割方法を調整して、互いに縦横に対向した2対の壁218a、218b、218c、224のうち、3つはボデー21側のみに形成され、残る1つはカバー22に形成されるようにしている。これにより、外部コネクタが嵌入される雌側コネクタ部12の縦横の寸法は、ボデー21側に形成された壁218a、218b、218cの長さのみによって決定され得る。尚、図8において、コネクタ横壁218aと係合しているカバー22の係止片225は、コネクタ横壁218aに対するガイド機能を有しており、雌側コネクタ部12の寸法には影響を与えていない。
【0026】
また、図9に示すように、雌側コネクタ部12のコネクタ横壁218bには、雌側コネクタ部12に外部コネクタが嵌合する場合に、外部コネクタの係止爪が嵌合する係合口219が形成されている。係合口219はコネクタ横壁218bに貫通した矩形状の開口であって、ボデー21のみに形成されている(ボデー21のみにより取り囲まれた形状を呈している)。
【0027】
図10に示すように、ロック部61がリッド91と非係合状態(非ロック位置)にあるリッドロック装置1において、電動モーター3を所定時間だけ作動させて、ウォーム4を介してウォームホイール5をホイール軸215を中心に、図10において時計回りに回動させる。これにより、ウォームホイール5の係合柱53と連動孔65において係合したロックシャフト6が、ハウジング2に対し軸方向(図10において左方)に移動し、ロック部61をハウジング2から突出させる(図2および図3示)。突出したロック部61は、車両ボデー9に設けられたリッド91と係合しリッド91を閉状態に保持する(図4示)。ウォーム4により回転されたウォームホイール5は、第1ストッパ壁54がホイールストッパ7に当接することにより回動が停止される。
【0028】
また、図2および図3に示すように、ロック部61がリッド91と係合状態(ロック位置)にあるリッドロック装置1において、電動モーター3を所定時間だけ作動させて、ウォームホイール5を上述した場合と逆向きに(図2において時計回りに)回動させる。これにより、ロックシャフト6をハウジング2に対し軸方向(図2において左方)に移動させ、ロック部61をハウジング2内に格納する(図10示)。後退したロック部61は、リッド91との係合が外れてリッド91を開放可能な状態にする。ウォーム4により逆回転されたウォームホイール5は、第2ストッパ壁55がホイールストッパ7に当接することにより回動が停止される。
【0029】
本実施形態によれば、連動孔65の内周面に、ガイド中心Pにおいて径方向内方に突出した小径部65aが形成されており、ロックシャフト6を軸方向に突出させる場合、ロックシャフト6のガイド中心Pの近傍において係合柱53と連動孔65とが係合するため、ハウジング2に対してロックシャフト6が傾くことがなく、円滑に作動してリッド91との係合が支障なく行える。
【0030】
特に、ロックシャフト6をハウジング2から突出させる場合は、ロックシャフト6をハウジング2内に退避させる場合と比べて、ロックシャフト6に厚み方向において大きな回転モーメントが発生する。すなわち、ロックシャフト6上におけるウォームホイール5との係合部である連動孔65の小径部65a(力点)から、ロックシャフト6先端のテーパ部61a(作用点)との間が長く(ロックシャフト6の退避時は、係合柱53と連動孔65との当接点が力点且つ作用点となる)、ロックシャフト6をウォームホイール5により押し出す場合に、ロックシャフト6に回転モーメントが発生しやすい。
【0031】
また、ガイド中心Pにおいて、径方向内方に突出している連動孔65は、ロックシャフト6を貫通しているため、内周面が内方に突出していても、小径部65aを境にして連動孔65の軸方向に型割りをすることができ、成形のための型抜きがしやすく、ロックシャフト6の成型を容易に行うことができる。
【0032】
<他の実施形態>
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。
上述した実施形態においては、ロック部61をハウジング2から突出させる場合の傾きを防ぐために、ガイド中心Pをロックシャフト6の支持部62の厚み方向の中央に設定したが、ロック部61をハウジング2内に格納する場合の傾きを防ぐために、ガイド中心Pをハウジング2により挟持された平板部66の厚み方向の中央に設定し、平板部66の厚み方向の中央に設定したガイド中心Pの近傍において、連動孔65の内周面を径方向内方に突出させてもよい。
【0033】
あるいは、ロック部61、シールリング69および平板部66におけるハウジング2によるガイド部位を考慮して、ガイド中心Pをロックシャフト6の厚み方向の最適な位置に設定し、設定したガイド中心Pの近傍において、連動孔65の内周面を径方向内方に突出させてもよい。
ガイド中心Pの近傍において係合柱53と連動孔65とが係合するため、ロックシャフト6の連動孔65の内周面を径方向内方に突出させる代わりに、ガイド中心Pの近傍において、係合柱53の外周面を径方向外方に突出させてもよい。また、連動孔65の内周面を径方向内方に突出させるとともに、係合柱53の外周面を径方向外方に突出させてもよい。
【0034】
連動孔65の径方向内方への突出部位あるいは係合柱53の径方向外方への突出部位は、厳密な意味でガイド中心P上に無ければならないわけではなく、ロックシャフト6の移動時の傾きを防ぐ効果を有するのであれば、ガイド中心Pから若干位置ずれしていても構わない。
連動孔65は、底部を有する袋状であってもよい。また、側面が取り囲まれた穴状でなくてもよく、係合柱53と係合しない部位が開口したスリット状であってもよい。
本発明によるリッドロック装置は、給油口を覆うリッドのみでなく、車両のトランクリッドを閉状態にロックするためのものに適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施形態による車両用リッドロック装置の分解斜視図
【図2】図1に示した車両用リッドロック装置のロック位置にある場合のカバー側から内部を見た正面図
【図3】図2に示した車両用リッドロック装置のボデー側から内部を見た場合の正面図
【図4】図2のA−A断面図
【図5】図2のB−B断面図
【図6】図2のC−C断面図
【図7】ウォームホイールの下面図
【図8】図2に示したリッドロック装置の左側面図
【図9】図2に示したリッドロック装置の斜視図
【図10】図2に示したリッドロック装置の非ロック位置にある場合のボデー側から内部を見た正面図
【符号の説明】
【0036】
図面中、1はリッドロック装置(車両用リッドロック装置)、2はアクチュエータハウジング(ハウジング)、3は電動モーター(駆動用モーター)、5はウォームホイール(出力ギヤ)、6はロックシャフト(シャフト部材)、9は車両ボデー、53は係合柱(係止片)、62は支持部、64は回避部(逃げ部)、65は連動孔(凹部)、65aは小径部(当接部)、91はリッド(リッド体)、Pはガイド中心(軸中心)を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
該ハウジング内に収容された駆動用モーターと、
前記ハウジング内に枢支され前記駆動用モーターの作動により回転可能な出力ギヤと、
前記ハウジング内に軸方向に移動可能に支持され、一端が前記ハウジングより突出して車両ボデーに設けられたリッド体と係合可能であり、前記出力ギヤの回動によって前記出力ギヤと係合して前記軸方向に移動するシャフト部材と、
を備える車両用リッドロック装置において、
前記出力ギヤは、
前記ハウジングの厚み方向に突出し前記シャフト部材と係合する係止片を有し、
前記シャフト部材は、
前記ハウジングに移動自在に支持される支持部と、
前記厚み方向に切り欠かれて形成され、前記出力ギヤに対して前記厚み方向において重合配置される逃げ部と、
前記出力ギヤの前記係止片が前記厚み方向において挿入される凹部とを有し、
前記係止片と前記凹部の少なくともいずれか一方に形成され、前記シャフト部材が前記軸方向に移動するとき、前記支持部の前記厚み方向の中央を通る前記シャフト部材の略軸中心において互いに係合するように、前記厚み方向における最も前記軸中心よりの前記係止片の部位をそれ以外の部位に対して径方向外方に突出させて構成される、および/または、前記厚み方向における最も前記軸中心よりの前記凹部の部位をそれ以外の部位に対して径方向内方に突出させて構成される当接部を備えることを特徴とする車両用リッドロック装置。
【請求項2】
前記凹部は、
前記シャフト部材を貫通する連動孔であることを特徴とする請求項1記載の車両用リッドロック装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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