説明

車両用前照灯システム

【課題】異なる色の光を前方に照射する二つのランプによって走行ビーム用の配光が形成されても、色の違いが目立たないようにして運転手に違和感を与えないようにする。
【解決手段】車両用前照灯システムは、すれ違いビーム用配光B3を形成するすれ違いビーム用ランプユニット3と、そのランプユニット3と色温度が異なり、すれ違いビーム用ランプユニット3と同時に点灯することによって走行ビーム用配光を形成する走行ビーム用ランプユニット4と、を備え、走行ビーム用ランプユニット4の消灯・点灯によって配光B3と走行ビーム用配光の切り換えが可能な車両用前照灯システムにおいて、すれ違いビーム用ランプユニット3の色温度と走行ビーム用ランプユニット4の色温度との間の色温度の配光B5を、ランプユニット3,4によって形成される配光B3,B4に重ねて形成する補助ランプユニット5を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、すれ違いビーム用ランプユニットが点灯している際に走行ビーム用ランプユニットが消灯・点灯することによって、すれ違いビーム用配光と走行ビーム用配光の切り換えが可能な車両用前照灯システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車両用前照灯は、ロービームとハイビームが切り換えられるように構成されている。例えば、車両用前照灯が第1のランプユニット及び第2のランプユニットを備え、ロービーム時には第1のランプユニットが点灯し、ハイビーム時には第1のランプユニットと第2のランプユニットの両方が点灯する(特許文献1参照)。また、第1のランプユニットの光源には、放電バルブが用いられ、第2のランプユニットの光源にはハロゲンバルブが用いられている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−141917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の技術では、第1のランプユニットと第2のランプユニットの色温度が大きく異なる。そのため、ハイビーム時には、異なる色の光が車両の前方に照射されるので、運転手に違和感を与えてしまう。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、異なる色の光を前方に照射する二つのランプによって走行ビーム用の配光が形成されても、光の色の違いが目立たないようにして運転手に違和感を与えないようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するための請求項1に係る発明は、すれ違いビーム用配光を車両前方に形成するすれ違いビーム用ランプユニットと、前記すれ違いビーム用ランプユニットと色温度が異なり、前記すれ違いビーム用ランプユニットと同時に点灯することによって走行ビーム用配光を車両前方に形成する走行ビーム用ランプユニットと、を備え、前記すれ違いビーム用ランプユニットが点灯している際の前記走行ビーム用ランプユニットの消灯・点灯によって、前記すれ違いビーム用配光と前記走行ビーム用配光の切り換えが可能な車両用前照灯システムにおいて、前記すれ違いビーム用ランプユニットの色温度と前記走行ビーム用ランプユニットの色温度との間の色温度の配光を、前記すれ違いビーム用ランプユニット及び前記走行ビーム用ランプによって形成される配光に重ねて車両前方に形成する補助ランプユニットを備えることを特徴とする車両用前照灯システムである。
【0006】
請求項2に係る発明は、前記補助ランプユニットが、前記すれ違いビーム用ランプユニットの色温度と前記走行ビーム用ランプユニットの色温度との間の色温度の配光とフォグランプ用の配光とを同時に形成可能であることを特徴とする請求項1に記載の車両用前照灯システムである。
【0007】
請求項3に係る発明は、前記補助ランプユニットが、前記すれ違いビーム用ランプユニットの色温度と前記走行ビーム用ランプユニットの色温度との間の色温度の配光とフォグランプ用の配光との切り換えが可能であることを特徴とする請求項1に記載の車両用前照灯システムである。
【0008】
請求項4に係る発明は、前記補助ランプユニットが、前後方向に延びた回転軸回りの回転放物面を基調とした反射面を有し、前記回転軸上に焦点を有した放物面系リフレクタと、前記焦点から前に離れて配置され、前記すれ違いビーム用ランプユニットの色温度と前記走行ビーム用ランプユニットの色温度との間の色温度の光を発する光源と、を有し、前記放物面系リフレクタの前記反射面が前記光源から発した光を前方に反射することによって、前記すれ違いビーム用ランプユニットの色温度と前記走行ビーム用ランプユニットの色温度との間の色温度の配光を、前記すれ違いビーム用ランプユニット及び前記走行ビーム用ランプによって形成される配光に重ねて車両前方に形成することを特徴とする請求項1に記載の車両用前照灯システムである。
【0009】
請求項5に係る発明は、前記補助ランプユニットが、前後方向に延びた回転軸回りの回転放物面を基調とした反射面を有し、前記回転軸上に焦点を有した放物面系リフレクタと、前記焦点から前に離れて配置され、前記すれ違いビーム用ランプユニットの色温度と前記走行ビーム用ランプユニットの色温度との間の色温度の光を発する光源と、前記焦点又はその近傍に配置された第2の光源と、を有し、前記放物面系リフレクタの前記反射面が前記光源から発した光を前方に反射することによって、前記すれ違いビーム用ランプユニットの色温度と前記走行ビーム用ランプユニットの色温度との間の色温度の配光を、前記すれ違いビーム用ランプユニット及び前記走行ビーム用ランプによって形成される配光に重ねて車両前方に形成し、前記放物面系リフレクタの前記反射面が前記第2の光源から発した光を前方に反射することによって、フォグランプ用の配光を車両前方に形成することを特徴とする請求項2に記載の車両用前照灯システムである。
【0010】
請求項6に係る発明は、前記補助ランプユニットが、前後方向に延びた回転軸回りの回転放物面を基調とした反射面を有し、前記回転軸上に焦点を有した放物面系リフレクタと、前記焦点又はその近傍の位置と前記焦点よりも前の位置との間を移動可能に設けられ、前記すれ違いビーム用ランプユニットの色温度と前記走行ビーム用ランプユニットの色温度との間の色温度の光を発する光源と、前記光源を前後に移動させるアクチュエータと、を有し、前記光源が前記アクチュエータによって前記焦点又はその近傍の位置に移動させられて、前記放物面系リフレクタの前記反射面が前記光源から発した光を前方に反射することによって、前記すれ違いビーム用ランプユニットの色温度と前記走行ビーム用ランプユニットの色温度との間の色温度の配光を、前記すれ違いビーム用ランプユニット及び前記走行ビーム用ランプによって形成される配光に重ねて車両前方に形成し、前記光源が前記アクチュエータによって前記焦点よりも前の位置に移動させられて、前記放物面系リフレクタの前記反射面が前記光源から発した光を前方に反射することによって、フォグランプ用の配光を車両前方に形成することを特徴とする請求項3に記載の車両用前照灯システムである。
【0011】
請求項7に係る発明は、前記補助ランプユニットが、前後方向に延びた回転軸回りの回転放物面を基調とした反射面を有し、前記回転軸上に焦点を有し、前記焦点を支点として前記回転軸が水平になった位置又は水平面に対して下に傾いた位置と、前記回転軸が水平面に対して上に傾いた位置との間を回動可能に設けられた放物面系リフレクタと、前記焦点又はその近傍に配置され、前記すれ違いビーム用ランプユニットの色温度と前記走行ビーム用ランプユニットの色温度との間の色温度の光を発する光源と、前記焦点を支点として前記放物面系リフレクタを上下に回動させるアクチュエータと、を有し、前記放物面系リフレクタが前記アクチュエータによって前記回転軸が水平面に対して上に傾いた位置に回動させられて、前記放物面系リフレクタの前記反射面が前記光源から発した光を前方に反射することによって、前記すれ違いビーム用ランプユニットの色温度と前記走行ビーム用ランプユニットの色温度との間の色温度の配光を、前記すれ違いビーム用ランプユニット及び前記走行ビーム用ランプによって形成される配光に重ねて車両前方に形成し、前記放物面系リフレクタが前記アクチュエータによって前記回転軸が水平になった位置又は水平面に対して下に傾いた位置に回動させられて、前記放物面系リフレクタの前記反射面が前記光源から発した光を前方に反射することによって、フォグランプ用の配光を車両前方に形成することを特徴とする請求項3に記載の車両用前照灯システムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、すれ違いビーム用ランプユニットの色温度と走行ビーム用ランプユニットの色温度との間の色温度の配光が補助ランプユニットによってすれ違いビーム用ランプユニット及び走行ビーム用ランプによって形成される配光に重ねられて車両前方に形成されるから、すれ違いビーム用ランプユニットの配光と走行ビーム用ランプユニットの配光の色違いが目立たなくなる。そのため、運転手に視覚的な違和感を与えない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車両用前照灯システムが取り付けられた車両の正面図である。
【図2】同実施形態に係る車両用前照灯システムによって車両の前方に形成される配光を示した図である。
【図3】同実施形態に係る車両用前照灯システムの回路構成を示したブロック図である。
【図4】同実施形態に係る車両用前照灯システムの補助ランプユニットの一例を示した前方斜視図である。
【図5】同実施形態に係る車両用前照灯システムの補助ランプユニットの一例を示した垂直断面図である。
【図6】同実施形態に係る車両用前照灯システムの補助ランプユニットの一例を示した垂直断面図である。
【図7】図6に示す補助ランプユニットを備える車両用前照灯システムによって車両の前方に形成される配光を示した図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る車両用前照灯システムの補助ランプユニットの一例を示した垂直断面図である。
【図9】同実施形態に係る車両用前照灯システムの回路構成を示したブロック図である。
【図10】同実施形態に係る車両用前照灯システムの補助ランプユニットの一例を示した垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0015】
以下の説明において、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」は、それぞれ、車両100の「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」である。従って、車両100の後ろから前に向かって見て(いわゆる運転手の視点で見て)、「左」、「右」を定める。
【0016】
〔第1の実施の形態〕
図1は、車両100の正面図である。図2は、この車両100に備え付けられた車両用前照灯システムによって形成される配光の形状(照射範囲の形状)を示した配光特性図である。図2に示された配光は、車両100から前方に所定距離離れて車両100に正対した仮想スクリーンに投影されたものである。
【0017】
図1に示すように、車両用前照灯システムは左右一対のヘッドランプ2,2と、左右一対の補助ランプユニット5,5と、を備る。右側のヘッドランプ2はすれ違いビーム用ランプユニット3及び走行ビーム用ランプユニット4を備え、左側のヘッドランプ2も同様である。この車両用前照灯システムは、すれ違いビーム用ランプユニット3,3が点灯している際の走行ビーム用ランプユニット4,4の点灯・消灯によって、すれ違いビーム用配光と走行ビーム用配光の切換が可能なものである。
【0018】
ヘッドランプ2,2は車両100の前面の左右に取り付けられ、補助ランプユニット5,5がヘッドランプ2,2よりも下側において車両100の前面の左右に取り付けられている。左側の補助ランプユニット5と右側の補助ランプユニット5が左右対称である。左側のヘッドランプ2と右側のヘッドランプ2は左右対称であり、ヘッドランプ2,2は片側で二灯式、全体で四灯式のヘッドランプである。
【0019】
ヘッドランプ2の光軸は、前後方向に水平に延びている。以下では、ヘッドランプ2の光軸を通る水平面を基準水平面といい、ヘッドランプ2の光軸を通る鉛直な面を基準垂直面という。図2では、基準垂直面と仮想スクリーンの交線がH−H線として示され、基準垂直面と仮想スクリーンの交線がV−V線として示され、H−H線とV−V線の交点がヘッドランプ2の光軸と仮想スクリーンの交点である。
【0020】
すれ違いビーム用ランプユニット3は、前後に延びた光軸を有する。すれ違いビーム用ランプユニット3の光軸は、ヘッドランプ2の光軸に略一致するか、ヘッドランプ2の光軸に対して僅かに下に傾いている。すれ違いビーム用ランプユニット3は、車両100の前方に向けて光を照射し、車両100の前方にすれ違いビーム用(ロービーム用)の配光B3(図2参照)を形成するものである。図2に示すように、すれ違いビーム用ランプユニット3は、基準水平面よりも上に光を照射せず、基準水平面よりも下に光を照射し、基準水平面に沿った明暗境界線(カットオフライン)L3(図2参照)を車両100の前方に形成する。すれ違いビーム用ランプユニット3によって仮想スクリーンに形成される配光B3は、光の照射範囲がH−H線よりも下であり、H−H線近傍において光度が最も高く、H−H線から下に離れるにつれて光度が低下していく光度分布である。
【0021】
すれ違いビーム用ランプユニット3は、リフレクタ型ランプユニット、プロジェクタ型ランプユニット、ダイレクトプロジェクション型ランプユニットその他の種類のランプユニットである。つまり、すれ違いビーム用ランプユニット3の光学系の種類は、どのようなものでもよい。
【0022】
図1に示すように、すれ違いビーム用ランプユニット3は、光を発する光源31と、光源31から発した光を前方に投影する光学系(図示略)と、を備える。すれ違いビーム用ランプユニット3がリフレクタ型ランプユニットである場合、光学系は放物面系リフレクタ及びレンズカット付きインナーレンズ等から構成されるか、放物面系マルチリフレクタ等から構成される。すれ違いビーム用ランプユニット3がプロジェクタ型ランプユニットである場合、光学系は楕円面系リフレクタ、投影レンズ及びシェード等から構成される。すれ違いビーム用ランプユニット3がダイレクトプロジェクション型ランプユニットである場合、光学系は投影レンズ等から構成される。すれ違いビーム用ランプユニット3の光源31は、放電灯(例えば、高輝度放電灯(HID)、高圧金属蒸気放電灯等)又は半導体発光素子(例えば、LED)である。
【0023】
走行ビーム用ランプユニット4は、前後に延びた光軸を有する。走行ビーム用ランプユニット4の光軸は、ヘッドランプ2の光軸に略一致するか、ヘッドランプ2の光軸に対して僅かに上に傾いている。走行ビーム用ランプユニット4は、車両100の前方に向けて光を照射し、車両100の前方に配光B4(図2参照)を形成するものである。図2に示すように、走行ビーム用ランプユニット4は、基準水平面よりも上に光を照射するとともに、基準水平面よりも下に光を照射する。走行ビーム用ランプユニット4によって仮想スクリーンに形成される配光B4は、光の照射範囲の中心がH−H線とV−V線の交点であるかそれよりも僅かに上であり、その中心から上下左右に広がった光度分布となっている。配光B4のうち最も光度の高い位置は、H−H線とV−V線の交点であるか、配光B4の光照射範囲の中心である。なお、走行ビーム用ランプユニット4によって仮想スクリーンに形成される配光B4の光照射範囲の中心が、H−H線とV−V線の交点に重なってもよい。
【0024】
走行ビーム用ランプユニット4は、リフレクタ型ランプユニット、プロジェクタ型ランプユニット、ダイレクトプロジェクション型ランプユニットその他の種類のランプユニットである。つまり、走行ビーム用ランプユニット4の光学系の種類は、どのようなものでもよい。
【0025】
図1に示すように、走行ビーム用ランプユニット4は、光を発する光源41と、光源41から発した光を前方に投影する光学系(図示略)と、を備える。走行ビーム用ランプユニット4がリフレクタ型ランプユニットである場合、光学系は放物面系リフレクタ及びレンズカット付きインナーレンズ等から構成されるか、放物面系マルチリフレクタ等から構成される。走行ビーム用ランプユニット4がプロジェクタ型ランプユニットである場合、光学系は楕円面系リフレクタ及び投影レンズ等から構成される。走行ビーム用ランプユニット4がダイレクトプロジェクション型ランプユニットである場合、光学系は投影レンズ等から構成される。走行ビーム用ランプユニット4の光源41は、ハロゲン灯である。
【0026】
補助ランプユニット5は、前後に延びた光軸を有する。補助ランプユニット5の光軸は、ヘッドランプ2の光軸に対して平行であるか、ヘッドランプ2の光軸に対して僅かに下に傾いている。具体的には、ヘッドランプ2の光軸を基準とした補助ランプユニット5の光軸の下への傾きは、ゼロ〜0.57°である。
【0027】
補助ランプユニット5は、車両100の前方に向けて光を照射し、車両100の前方に配光B5(図2参照)を形成するものである。図2に示すように、補助ランプユニット5によって仮想スクリーンに形成される配光B5の照射範囲の中心Pは、H−H線とV−V線の交点に重なっているか、又はその交点よりも僅かに下である。配光B5は、その中心Pから上下左右に広がった光度分布となっている。中心Pが補助ランプユニット5の光軸と仮想スクリーンの交点であり、配光B5のうち最も光度の高い位置は中心Pである。配光B5の上下方向の照射範囲は、ヘッドランプ2の光軸を基準として上に3°から下に5°の範囲であることが好ましい。配光B5の左右方向の照射範囲は、ヘッドランプ2の光軸を基準として左に20°から右に20°の範囲であることが好ましい。
【0028】
補助ランプユニット5によって形成された配光B5と、走行ビーム用ランプユニット4によって形成された配光B4と、すれ違いビーム用ランプユニット3によって形成された配光B3とが合成されて、その合成された配光が走行ビーム用(ハイビーム用)の配光である。ランプユニット3〜4が同時に点灯すると、配光B5と配光B3と配光B4の照射範囲が部分的に重なる。
【0029】
補助ランプユニット5は、リフレクタ型ランプユニット、プロジェクタ型ランプユニット、ダイレクトプロジェクション型ランプユニットその他の種類のランプユニットである。つまり、補助ランプユニット5の光学系の種類は、どのようなものでもよい。
【0030】
図1に示すように、補助ランプユニット5は、光を発する光源51と、光源51から発した光を前方に投射する光学系と、を備える。補助ランプユニット5がリフレクタ型ランプユニットである場合、光学系は放物面系リフレクタ及びレンズカット付きインナーレンズ等から構成されるか、放物面系マルチリフレクタ等から構成される。補助ランプユニット5がプロジェクタ型ランプユニットである場合、光学系は楕円面系リフレクタ及び投影レンズ等から構成される。補助ランプユニット5がダイレクトプロジェクション型ランプユニットである場合、光学系は投影レンズ等から構成される。補助ランプユニット5の光源51は、放電灯(例えば、高輝度放電灯(HID)、高圧金属蒸気放電灯等)、半導体発光素子(例えば、LED)又はハロゲン灯である。
【0031】
すれ違いビーム用ランプユニット3の光源31と、走行ビーム用ランプユニット4の光源41と、補助ランプユニット5の光源51は、色温度が互いに異なる。これらの中で、光源31の色温度が最も高く、光源41の色温度が最も低く、光源51の色温度が光源31の色温度と光源41の色温度の間の値である。好ましくは、光源41の色温度が、光源31の色温度と光源41の色温度の平均値又はその平均値に近似した値である。一例として、HIDである光源31の色温度が4300Kであり、ハロゲン灯である光源41の色温度が3200Kであり、LED又はHIDである光源51の色温度が3700〜3800Kである。他の一例として、LEDである光源31の色温度が5500Kであり、ハロゲン灯である光源41の色温度が3200Kであり、LED又はHIDである光源51の色温度が4300〜4400Kである。
【0032】
図3は、車両用前照灯システムの回路構成を示したブロック図である。図3に示すように、車両用前照灯システムはリレー回路6及びスイッチ7を備える。すれ違いビーム用ランプユニット3、走行ビーム用ランプユニット4及び補助ランプユニット5の光源31,41,51はリレー回路6を介してバッテリー101に接続されている。スイッチ7は、リレー回路6に接続されている。
【0033】
リレー回路6は、光源31,41,51とバッテリー101の間の電路の開閉をする。スイッチ7は、車両100の運転席近傍に設けられている。スイッチ7は、運転手によって操作されることによって操作に応じた信号をリレー回路6に出力する。スイッチ7は消灯モード、すれ違いビームモード、走行ビームモードの切換を行うものである。
【0034】
運転手がスイッチ7を消灯モードに操作すると、その旨の信号がスイッチ7からリレー回路6に出力されて、リレー回路6が光源31,41,51とバッテリー101との間の電路を遮断する。そのため、光源31,41,51が消灯する。
運転手がスイッチ7をすれ違いビームモードに操作すると、その旨の信号がスイッチ7からリレー回路6に出力されて、リレー回路6が光源31とバッテリー101の間の電路を開くとともに、光源41,51とバッテリー101の間の電路を遮断する。そのため、光源31が点灯し、光源41,51が消灯する。光源31が点灯するので、すれ違いビーム用の配光B3が車両100の前方に形成される。
運転手がスイッチ7を走行ビームモードに操作すると、その旨の信号がスイッチ7からリレー回路6に出力されて、リレー回路6が光源31,41,51とバッテリー101との間の電路を開く。そのため、光源31,41,51が点灯する。光源31,41,51が点灯するので、配光B3,B4,B5が合成されてなる走行ビーム用配光が車両100の前方に形成される。光源51の色温度が光源31の色温度と光源41の色温度との間の色温度であるから、配光B3と配光B4の色の違いが配光B5の色によって目立たないようになる。つまり、配光B3,B4,B5が合成されてなる配光の色の濃淡がより多段階的に滑らかな分布となる。そのため、視覚的な違和感をドライバーに与えない。
【0035】
図4及び図5を参照して、補助ランプユニット5がマルチリフレクタ型ランプユニットである場合の補助ランプユニット5の具体的な構成について説明する。図4は補助ランプユニット5の前方斜視図であり、図5は補助ランプユニット5の垂直断面図である。
【0036】
図4及び図5に示すように、補助ランプユニット5は、光源51と、光学系としてのマルチリフレクタ52と、を有する。マルチリフレクタ52は、前方に向けて開口したカップ状(椀状)に形作られた放物面系のリフレクタである。マルチリフレクタ52の前側の凹面状内面が複合反射面となっている。つまり、マルチリフレクタ52の前側の凹面状内面にはアルミ蒸着、銀塗装等の反射膜が施されていて、その凹面状内面に複数の反射面53,53,…が形成されている。これら反射面53,53,…は、前後方向に延びた回転軸Ax回りの回転放物面を基調とした自由曲面である。これら反射面53,53,…がその回転放物面に沿って配列されることで、マルチリフレクタ52の前側の凹面状内面(複合反射面)が回転放物面に近似されている。マルチリフレクタ52の前側の凹面状内面(複合反射面)は、回転軸Ax上に焦点Fを有する。
【0037】
マルチリフレクタ52の上端には装飾板54が連結され、その装飾板54がマルチリフレクタ52の上端から前方に延び出ており、その装飾板54がマルチリフレクタ52と一体形成されている。開口55が装飾板54を上下に貫通するように装飾板54に形成されている。開口55内に光源51が配置され、その光源51が下に向くように配置されている。具体的には、光源51が基板56の一方の面に実装され、その基板56の一方の面が下に向けられ、基板56が装飾板54に取り付けられている。光源51は、LEDである。光源51は、マルチリフレクタ52の複合反射面(反射面53,53,…の集合体)の焦点Fよりも前に配置されている。例えば、光源51は、焦点Fの0.1〜10mm程度前方に配置されている。そのため、光源51から発した光がマルチリフレクタ52の複合反射面によって前方に反射されると、前方に形成される配光B5の中心PはH−H線とV−V線の交点に重なるか、又はその交点よりも僅かに下になる。
【0038】
図6に示すように、第2の光源57が焦点F又はその近傍に配置されていてもよい。第2の光源57はLEDであり、第2の光源57が基板58に下面に実装され、その基板58が装飾板54に取り付けられている。
【0039】
第2の光源57が点灯すると、第2の光源57から発した光がマルチリフレクタ52の複合反射面によって前方に反射される。これにより、図7に示すような配光B6が車両100の前方の仮想スクリーンに形成される。配光B6は、フォグランプの配光規格を満たしたものである。つまり、配光B6は、光の照射範囲がH−H線よりも下であり、H−H線近傍において明暗境界線(カットオフライン)L6が形成されたものである。図6に示すような構成の補助ランプユニット5は、配光B6を形成するフォグランプと、配光B5を形成するランプと、を兼ねたものである。光源51とは別の光源57が設けられているから、光源56,57が同時に点灯することで、配光B5,B6が同時に形成される。
【0040】
第2の光源57の点灯・消灯は任意である。具体的には、すれ違いビームモードの際に光源57が点灯してもよいし、消灯してもよい。また、走行ビームモードの際に光源57が点灯してもよいし、消灯してもよい。更に、消灯モードの際に光源57が点灯してもよいし、消灯してもよい。また、第2の光源57の点灯・消灯タイミングは、光源31の点灯・消灯タイミングから独立してもよいし、光源31の点灯・消灯タイミングに連動してもよい。
【0041】
補助ランプユニット5の光学系(マルチリフレクタ52)がフォグランプ用の光学系と配光B5の形成用の光学系とを兼ねているから、車両用前照灯システムの構成がシンプルになるとともに、コスト削減を図ることができる。
【0042】
〔第2の実施の形態〕
第2の実施の形態に係る車両用前照灯システムについて説明する。
第2の実施の形態に係る車両用前照灯システムは、第1の実施の形態に係る車両用前照灯システムと同様に、左右一対のすれ違いビーム用ランプユニット3,3、走行ビーム用ランプユニット4,4及び補助ランプユニット5,5を備える(図1参照)。第2の実施の形態に係る車両用前照灯システムと、第1の実施の形態に係る車両用前照灯システムとは、すれ違いビーム用ランプユニット3,3及び走行ビーム用ランプユニット4,4が同じであるが、補助ランプユニット5,5が相違する。第1の実施の形態においては、補助ランプユニット5,5(特に、図6の場合)が配光B5と配光B6を同時に形成可能なものであった。それに対して、第2の実施の形態においては、補助ランプユニット5,5が配光B5と配光B6の同時形成を行えないが、配光B5と配光B6の切換が可能なものである。
【0043】
第2実施形態における補助ランプユニット5について具体的に説明する。図8は、補助ランプユニット5の垂直断面図である。図8に示すように、補助ランプユニット5は、光源51、マルチリフレクタ52、装飾板54、基板56及びアクチュエータ59等を備える。
【0044】
マルチリフレクタ52及び装飾板54は、図6に示すマルチリフレクタ52及び装飾板54と同じであるので、これらの説明は省略する。また、光源51の色温度も第1の実施の形態と同様であるので、光源51の色温度についての説明を省略する。
【0045】
第1実施形態では、光源51及び基板56がマルチリフレクタ52及び装飾板54に対して固定されていた。それに対して、第2実施形態では、光源51及び基板56は、ガイド機構等によって前後に移動可能となるように装飾板54に取り付けられている。
【0046】
アクチュエータ59は、モータ又はソレノイド等を有する。アクチュエータ59は、光源51及び基板56を前後に移動させる。アクチュエータ59による光源51及び基板56の可動範囲は、光源51が焦点F又はその近傍に配置される位置から、光源51が焦点Fから前方に離れて配置される位置までである。
【0047】
図9に示すように、この車両用前照灯システムは、リレー回路6及びスイッチ7に加えて、駆動回路59aを備える。アクチュエータ59が駆動回路59aを介してバッテリー101に接続されている。スイッチ7は、リレー回路6及び駆動回路59aに接続されている。
【0048】
駆動回路59aは、スイッチ7によって出力された信号に応じてアクチュエータ59を駆動する。具体的には、運転手がスイッチ7を消灯モード又はすれ違いビームモードに操作すると、その旨の信号がスイッチ7から駆動回路59aに出力され、駆動回路59aがアクチュエータ59を駆動する。そうすると、光源51及び基板56がアクチュエータ59によって後方に移動させられ、光源51が焦点F又はその近傍に位置する。この際、光源51の点灯・消灯は任意である。なお、消灯モードの場合には、光源31,41の両方が消灯し、すれ違いビームモードの場合には、光源31が点灯して、光源41が消灯する。
【0049】
マルチリフレクタ52がフォグランプの配光規格を満たすように設けられているから、焦点F又はその近傍に位置する光源51が点灯すると、フォグランプ用の配光B6(図7参照)が車両100の前方に形成される。
【0050】
一方、運転手がスイッチ7を走行ビームモードに操作すると、その旨の信号がスイッチ7から駆動回路59aに出力され、駆動回路59aがアクチュエータ59を駆動する。そうすると、光源51及び基板56がアクチュエータ59によって前方に移動させられ、光源51が焦点Fから前方に離れる。この際、光源31,41,51とバッテリー101との間の電路がリレー回路6によって開かれ、光源31,41,51が点灯する。光源31,41が点灯することで、配光B3,B4(図7参照)が車両100の前方に形成される。更に、焦点Fから前方に離れた光源51が点灯すると、配光B5(図7参照)が車両100の前方に形成される。
【0051】
本実施形態においても、配光B3,B4,B5が同時に形成されるから、配光B3と配光B4の色の違いが配光B5の色によって目立たず、視覚的な違和感をドライバーに与えないようにすることができる。また、補助ランプユニット5は配光B5の形成用のランプとフォグランプを兼ねたものであるから、コスト削減を図ることができる。
【0052】
図8に示す補助ランプユニット5では、アクチュエータ59が光源51及び基板56を前後に移動させるものであった。それに対して、図10に示す補助ランプユニット5では、マルチリフレクタ52が焦点Fを中心に上下に回動可能に設けられ、アクチュエータ59が焦点Fを中心にしてマルチリフレクタ52を上下に回動させる。
【0053】
図10に示す補助ランプユニット5では、光源51の位置が焦点F又はその近傍である。但し、光源51及び基板56はマルチリフレクタ52に固定され、光源51及び基板56がマルチリフレクタ52とともに焦点Fを中心にして上下に回動させられる。又は、光源51及び基板56はマルチリフレクタ52に固定されていない部材(例えば、補助ランプユニット5のハウジング)に固定され、マルチリフレクタ5がアクチュエータ59によって回動させられても、光源51及び基板56は回動させられない。
【0054】
図10に示す補助ランプユニット5の場合でも、アクチュエータ59が駆動回路59a(図9参照)によって駆動される。具体的には、運転手がスイッチ7を消灯モード又はすれ違いビームモードに操作すると、駆動回路59aがアクチュエータ59を駆動する。そうすると、マルチリフレクタ52がアクチュエータ59によって下に回動させられ、マルチリフレクタ52の回転軸Axが水平状態に又は水平に対して僅かに下に傾いた状態になる(図10の実線参照)。この際、光源51が点灯すると、フォグランプ用の配光B6(図7参照)が車両100の前方に形成される。なお、消灯モード・すれ違いモードにおける光源51の点灯・消灯は任意である
【0055】
一方、運転手がスイッチ7を走行ビームモードに操作すると、駆動回路59aがアクチュエータ59を駆動する。そうすると、マルチリフレクタ52がアクチュエータ59によって上に回動させられ、マルチリフレクタ52の回転軸Axが水平に対して上に傾いた状態になる。走行ビームモードでは、光源31,41,51がリレー回路6によって点灯される。従って、配光B3,B4,B5(図7参照)が同時に形成される。
【符号の説明】
【0056】
3 すれ違いビーム用ランプユニット
4 走行ビーム用ランプユニット
5 補助ランプユニット
51 光源
52 マルチリフレクタ(楕円面系リフレクタ)
53 反射面
57 第2の光源
59 アクチュエータ
F 焦点
B3 すれ違いビーム用ランプユニットによって形成されるすれ違いビーム用配光
B4 走行ビーム用ランプユニットによって形成される配光
B5 補助ランプユニットによって形成される配光
B6 補助ランプユニットによって形成されるフォグランプ用配光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
すれ違いビーム用配光を車両前方に形成するすれ違いビーム用ランプユニットと、
前記すれ違いビーム用ランプユニットと色温度が異なり、前記すれ違いビーム用ランプユニットと同時に点灯することによって走行ビーム用配光を車両前方に形成する走行ビーム用ランプユニットと、を備え、
前記すれ違いビーム用ランプユニットが点灯している際の前記走行ビーム用ランプユニットの消灯・点灯によって、前記すれ違いビーム用配光と前記走行ビーム用配光の切り換えが可能な車両用前照灯システムにおいて、
前記すれ違いビーム用ランプユニットの色温度と前記走行ビーム用ランプユニットの色温度との間の色温度の配光を、前記すれ違いビーム用ランプユニット及び前記走行ビーム用ランプによって形成される配光に重ねて車両前方に形成する補助ランプユニットを備えることを特徴とする車両用前照灯システム。
【請求項2】
前記補助ランプユニットが、前記すれ違いビーム用ランプユニットの色温度と前記走行ビーム用ランプユニットの色温度との間の色温度の配光とフォグランプ用の配光とを同時に形成可能であることを特徴とする請求項1に記載の車両用前照灯システム。
【請求項3】
前記補助ランプユニットが、前記すれ違いビーム用ランプユニットの色温度と前記走行ビーム用ランプユニットの色温度との間の色温度の配光とフォグランプ用の配光との切り換えが可能であることを特徴とする請求項1に記載の車両用前照灯システム。
【請求項4】
前記補助ランプユニットが、
前後方向に延びた回転軸回りの回転放物面を基調とした反射面を有し、前記回転軸上に焦点を有した放物面系リフレクタと、
前記焦点から前に離れて配置され、前記すれ違いビーム用ランプユニットの色温度と前記走行ビーム用ランプユニットの色温度との間の色温度の光を発する光源と、を有し、
前記放物面系リフレクタの前記反射面が前記光源から発した光を前方に反射することによって、前記すれ違いビーム用ランプユニットの色温度と前記走行ビーム用ランプユニットの色温度との間の色温度の配光を、前記すれ違いビーム用ランプユニット及び前記走行ビーム用ランプによって形成される配光に重ねて車両前方に形成することを特徴とする請求項1に記載の車両用前照灯システム。
【請求項5】
前記補助ランプユニットが、
前後方向に延びた回転軸回りの回転放物面を基調とした反射面を有し、前記回転軸上に焦点を有した放物面系リフレクタと、
前記焦点から前に離れて配置され、前記すれ違いビーム用ランプユニットの色温度と前記走行ビーム用ランプユニットの色温度との間の色温度の光を発する光源と、
前記焦点又はその近傍に配置された第2の光源と、を有し、
前記放物面系リフレクタの前記反射面が前記光源から発した光を前方に反射することによって、前記すれ違いビーム用ランプユニットの色温度と前記走行ビーム用ランプユニットの色温度との間の色温度の配光を、前記すれ違いビーム用ランプユニット及び前記走行ビーム用ランプによって形成される配光に重ねて車両前方に形成し、
前記放物面系リフレクタの前記反射面が前記第2の光源から発した光を前方に反射することによって、フォグランプ用の配光を車両前方に形成することを特徴とする請求項2に記載の車両用前照灯システム。
【請求項6】
前記補助ランプユニットが、
前後方向に延びた回転軸回りの回転放物面を基調とした反射面を有し、前記回転軸上に焦点を有した放物面系リフレクタと、
前記焦点又はその近傍の位置と前記焦点よりも前の位置との間を移動可能に設けられ、前記すれ違いビーム用ランプユニットの色温度と前記走行ビーム用ランプユニットの色温度との間の色温度の光を発する光源と、
前記光源を前後に移動させるアクチュエータと、を有し、
前記光源が前記アクチュエータによって前記焦点又はその近傍の位置に移動させられて、前記放物面系リフレクタの前記反射面が前記光源から発した光を前方に反射することによって、前記すれ違いビーム用ランプユニットの色温度と前記走行ビーム用ランプユニットの色温度との間の色温度の配光を、前記すれ違いビーム用ランプユニット及び前記走行ビーム用ランプによって形成される配光に重ねて車両前方に形成し、
前記光源が前記アクチュエータによって前記焦点よりも前の位置に移動させられて、前記放物面系リフレクタの前記反射面が前記光源から発した光を前方に反射することによって、フォグランプ用の配光を車両前方に形成することを特徴とする請求項3に記載の車両用前照灯システム。
【請求項7】
前記補助ランプユニットが、
前後方向に延びた回転軸回りの回転放物面を基調とした反射面を有し、前記回転軸上に焦点を有し、前記焦点を支点として前記回転軸が水平になった位置又は水平面に対して下に傾いた位置と、前記回転軸が水平面に対して上に傾いた位置との間を回動可能に設けられた放物面系リフレクタと、
前記焦点又はその近傍に配置され、前記すれ違いビーム用ランプユニットの色温度と前記走行ビーム用ランプユニットの色温度との間の色温度の光を発する光源と、
前記焦点を支点として前記放物面系リフレクタを上下に回動させるアクチュエータと、を有し、
前記放物面系リフレクタが前記アクチュエータによって前記回転軸が水平面に対して上に傾いた位置に回動させられて、前記放物面系リフレクタの前記反射面が前記光源から発した光を前方に反射することによって、前記すれ違いビーム用ランプユニットの色温度と前記走行ビーム用ランプユニットの色温度との間の色温度の配光を、前記すれ違いビーム用ランプユニット及び前記走行ビーム用ランプによって形成される配光に重ねて車両前方に形成し、
前記放物面系リフレクタが前記アクチュエータによって前記回転軸が水平になった位置又は水平面に対して下に傾いた位置に回動させられて、前記放物面系リフレクタの前記反射面が前記光源から発した光を前方に反射することによって、フォグランプ用の配光を車両前方に形成することを特徴とする請求項3に記載の車両用前照灯システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−51032(P2013−51032A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−186679(P2011−186679)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】