説明

車両用灯具

【課題】従来の車両用灯具では、上下の灯具用発光ユニットの間に光らない暗部が形成される場合がある。
【解決手段】この発明は、半導体型光源5U、5Dからの光L6を中間無効反射面9、9L、9Rに反射させる付加反射面9UL、9UR、9DL、9DRを設ける。この結果、この発明は、半導体型光源5U、5Dからの光L6を付加反射面9UL、9UR、9DL、9DRで中間無効反射面9、9L、9Rに反射させることができ、中間無効反射面9、9L、9Rを光らせることができ、暗部を少なくすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、2個の光源・反射面ユニットから構成されている車両用灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の車両用灯具は、従来からある(たとえば、特許文献1)。以下、従来の車両用灯具について説明する。従来の車両用灯具は、灯具用発光ユニットが、光源としてのLEDと、LEDからの光を所定の配光パターンで反射させる反射面と、から構成されていて、2個の灯具用発光ユニットが上下に配置されているものである。以下、従来の車両用灯具の作用について説明する。上下のLEDを点灯発光させると、上下のLEDからの光が、上下の反射面でそれぞれ反射されて所定の配光パターンとして照射される。
【0003】
ところが、従来の車両用灯具は、LEDと反射面とから構成されている2個の灯具用発光ユニットを上下に配置してなるものである。このために、従来の車両用灯具は、上下の灯具用発光ユニットの間に、上下のLEDからの光が入射しない光らない部分すなわち暗部が、形成される場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−24509号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明が解決しようとする課題は、従来の車両用灯具では、上下の灯具用発光ユニットの間に光らない暗部が形成される場合がある、ということにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明(請求項1にかかる発明)は、第1半導体型光源と第1半導体型光源からの光を所定の配光パターンとして反射照射する第1反射面とから構成されている第1光源・反射面ユニットと、第2半導体型光源と第2半導体型光源からの光を所定の配光パターンとして反射照射する第2反射面とから構成されている第2光源・反射面ユニットと、第1光源・反射面ユニットと第2光源・反射面ユニットとの間に配置されていて第1光源・反射面ユニットと第2光源・反射面ユニットとが保持されているホルダと、第1反射面と第2反射面との間に連続して設けられていてかつ第1半導体型光源からの光および第2半導体型光源からの光が入射しない中間無効反射面と、第1半導体型光源からの光および第2半導体型光源からの光を中間無効反射面に反射させる付加反射面と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、この発明(請求項2にかかる発明)は、第1反射面が、固定リフレクタに設けられている第1固定反射面と、可動リフレクタに設けられている第1可動反射面と、からなり、第2反射面が、固定リフレクタに設けられている第2固定反射面と、可動リフレクタに設けられている第2可動反射面と、からなり、第1固定反射面および第2固定反射面が、可動リフレクタが第1位置に位置するときに、所定の第1配光パターンを反射照射する第1配光パターン用固定反射面と、可動リフレクタが第2位置に位置するときに、所定の第2配光パターンを反射照射する第2配光パターン用固定反射面と、から構成されていて、第1可動反射面および第2可動反射面が、可動リフレクタが第2位置に位置するときに、所定の第2配光パターンを反射照射する第2配光パターン用可動反射面から構成されていて、中間無効反射面が、第1固定反射面の第1配光パターン用固定反射面より外側の第2配光パターン用固定反射面と第2固定反射面の第1配光パターン用固定反射面より外側の第2配光パターン用固定反射面との間に連続して設けられていて、付加反射面が、第2位置に位置するときの可動リフレクタのうち、第1半導体型光源および第2半導体型光源のエネルギー分布中の高エネルギーの範囲以外の範囲に位置する、ことを特徴とする。
【0008】
さらに、この発明(請求項3にかかる発明)は、第1反射面が、固定リフレクタに設けられている第1固定反射面からなり、第2反射面が、固定リフレクタに設けられている第2固定反射面からなり、第1固定反射面および第2固定反射面が、所定の配光パターンを反射照射する反射面から構成されていて、中間無効反射面が、第1固定反射面と第2固定反射面との間に連続して設けられていて、付加反射面が、固定リフレクタのうち、第1半導体型光源および第2半導体型光源のエネルギー分布中の高エネルギーの範囲以外の範囲に位置する、ことを特徴とする。
【0009】
さらにまた、この発明(請求項4にかかる発明)は、前記請求項2に記載の固定リフレクタおよび可動リフレクタ、または、前記請求項3に記載の固定リフレクタが、回転放物面形状をなす、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具は、前記の課題を解決するための手段により、第1半導体型光源および第2半導体型光源を点灯発光させると、第1半導体型光源から放射される光の大部分が第1反射面で所定の配光パターンとして反射照射し、かつ、第2半導体型光源から放射される光の大部分が第2反射面で所定の配光パターンとして反射照射する。しかも、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具は、第1半導体型光源および第2半導体型光源から放射される光のうち残りの一部分が付加反射面で反射し、その反射光が中間無効反射面に入射するので、第1反射面と第2反射面との間の中間無効反射面を光らせることができる。この結果、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具は、第1反射面と第2反射面との間の暗部をなくすことができる。すなわち、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具は、第1反射面と、第2反射面と、その第1反射面と第2反射面との間の中間無効反射面とを、ほぼ全体的に光らせることができる。これにより、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具は、上下の灯具用発光ユニットの間に光らない暗部が形成される場合がある従来の車両用灯具と比較して、品質が向上され、また、被視認性が向上され、さらに、見栄えが向上される。
【0011】
また、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具は、前記の課題を解決するための手段により、可動リフレクタが第1位置に位置するときに、第1固定反射面および第2固定反射面の第1配光パターン用固定反射面から所定の第1配光パターンが反射照射され、可動リフレクタが第2位置に位置するときに、第1固定反射面および第2固定反射面の第2配光パターン用固定反射面と第1可動反射面および第2可動反射面の第2配光パターン用可動反射面とから所定の第2配光パターンが反射照射される。しかも、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具は、可動リフレクタが第2位置に位置するときに、第1半導体型光源および第2半導体型光源から放射される光の一部分が付加反射面で反射し、その反射光が中間無効反射面に入射するので、第1固定反射面の第1配光パターン用固定反射面より外側の第2配光パターン用固定反射面と第2固定反射面の第1配光パターン用固定反射面より外側の第2配光パターン用固定反射面との間の中間無効反射面を光らせることができる。この結果、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具は、第1固定反射面の第1配光パターン用固定反射面より外側の第2配光パターン用固定反射面と第2固定反射面の第1配光パターン用固定反射面より外側の第2配光パターン用固定反射面との間の暗部をなくすことができる。すなわち、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具は、第1固定反射面の第2配光パターン用固定反射面と、第2固定反射面の第2配光パターン用固定反射面と、その第1固定反射面の第1配光パターン用固定反射面より外側の第2配光パターン用固定反射面と第2固定反射面の第1配光パターン用固定反射面より外側の第2配光パターン用固定反射面との間の中間無効反射面とを、ほぼ全体的に光らせることができる。これにより、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具は、上下の灯具用発光ユニットの間に光らない暗部が形成される場合がある従来の車両用灯具と比較して、品質が向上され、また、被視認性が向上され、さらに、見栄えが向上される。
【0012】
特に、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具は、付加反射面が、第2位置に位置するときの可動リフレクタのうち、第1半導体型光源および第2半導体型光源のエネルギー分布中の高エネルギーの範囲以外の範囲に位置するものである。この結果、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具は、可動リフレクタが第2位置に位置するときに、第1半導体型光源および第2半導体型光源のエネルギー分布中の高エネルギーの光が、第1固定反射面および第2固定反射面の第2配光パターン用固定反射面と第1可動反射面および第2可動反射面の第2配光パターン用可動反射面とにそれぞれ入射するのを、付加反射面で妨げるようなことがない。これにより、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具は、可動リフレクタが第2位置に位置するときに、第1半導体型光源および第2半導体型光源のエネルギー分布中の高エネルギーの光が、第1固定反射面および第2固定反射面の第2配光パターン用固定反射面と第1可動反射面および第2可動反射面の第2配光パターン用可動反射面とにそれぞれ確実に入射するので、所定の第2配光パターンの光量(光度、照度、光束)を付加反射面で減少させるような虞がない。
【0013】
その上、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具は、付加反射面が、第2位置に位置するときの可動リフレクタのうち、第1半導体型光源および第2半導体型光源のエネルギー分布中の高エネルギーの範囲以外の範囲に位置するものである。この結果、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具は、可動リフレクタが第1位置に位置するときに、第1半導体型光源および第2半導体型光源からの光が、第1固定反射面および第2固定反射面の第1配光パターン用固定反射面にそれぞれ入射するのを、付加反射面で妨げるようなことがない。これにより、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具は、可動リフレクタが第1位置に位置するときに、第1半導体型光源および第2半導体型光源からの光が、第1固定反射面および第2固定反射面の第1配光パターン用固定反射面にそれぞれ確実に入射するので、所定の第1配光パターンの光量(光度、照度、光束)を付加反射面で減少させるような虞がない。
【0014】
さらに、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具は、前記の課題を解決するための手段により、第1半導体型光源および第2半導体型光源を点灯発光させると、第1半導体型光源および第2半導体型光源から放射される光の大部分が第1固定反射面および第2固定反射面で所定の配光パターンとして反射照射する。しかも、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具は、第1半導体型光源および第2半導体型光源から放射される光のうち残りの一部分が付加反射面で反射し、その反射光が中間無効反射面に入射するので、第1固定反射面と第2固定反射面との間の中間無効反射面を光らせることができる。この結果、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具は、第1固定反射面と第2固定反射面との間の暗部をなくすことができる。すなわち、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具は、第1固定反射面と、第2固定反射面と、その第1固定反射面と第2固定反射面との間の中間無効反射面とを、ほぼ全体的に光らせることができる。これにより、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具は、上下の灯具用発光ユニットの間に光らない暗部が形成される場合がある従来の車両用灯具と比較して、品質が向上され、また、被視認性が向上され、さらに、見栄えが向上される。
【0015】
特に、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具は、付加反射面が、固定リフレクタのうち、第1半導体型光源および第2半導体型光源のエネルギー分布中の高エネルギーの範囲以外の範囲に位置するものである。この結果、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具は、第1半導体型光源および第2半導体型光源のエネルギー分布中の高エネルギーの光が、第1固定反射面および第2固定反射面にそれぞれ入射するのを、付加反射面で妨げるようなことがない。これにより、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具は、第1半導体型光源および第2半導体型光源のエネルギー分布中の高エネルギーの光が、第1固定反射面および第2固定反射面にそれぞれ確実に入射するので、所定の配光パターンの光量(光度、照度、光束)を付加反射面で減少させるような虞がない。
【0016】
さらにまた、この発明(請求項4にかかる発明)の車両用灯具は、前記請求項2に記載の固定リフレクタおよび可動リフレクタ、または、前記請求項3に記載の固定リフレクタが、回転放物面形状をなすものである。このために、この発明(請求項4にかかる発明)の車両用灯具は、第1半導体型光源および第2半導体型光源から放射される光の一部を付加反射面で中間無効反射面に容易にかつ確実にクロス反射させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、この発明にかかる車両用灯具の実施例1を示し、上側可動リフレクタおよび下側可動リフレクタが第2位置に位置するときの付加反射面および中間無効反射面における光路の説明斜視図である。
【図2】図2は、同じく、上側可動リフレクタおよび下側可動リフレクタが第2位置に位置するときの付加反射面および中間無効反射面における光路を示す説明正面図である。
【図3】図3は、同じく、上側可動リフレクタおよび下側可動リフレクタが第2位置に位置するときの付加反射面が位置する範囲を示す説明正面図である。
【図4】図4は、同じく、上側反射面および下側反射面および中間無効反射面を示す説明正面図である。
【図5】図5は、同じく、上側可動リフレクタおよび下側可動リフレクタが第1位置に位置していてロービーム用配光パターンを反射照射するときの上側反射面および下側反射面が光っている範囲を示す説明正面図である。
【図6】図6は、同じく、付加反射面が無い場合において、上側可動リフレクタおよび下側可動リフレクタが第2位置に位置していてハイビーム用配光パターンを反射照射するときの上側反射面および下側反射面が光っている範囲を示す説明正面図である。
【図7】図7は、同じく、上側可動リフレクタおよび下側可動リフレクタが第2位置に位置していてハイビーム用配光パターンを反射照射するときの上側反射面および下側反射面および中間無効反射面が光っている範囲を示す説明正面図である。
【図8】図8は、同じく、上側可動リフレクタおよび下側可動リフレクタが第1位置に位置するときの要部の斜視図である。
【図9】図9は、同じく、上側可動リフレクタおよび下側可動リフレクタが第2位置に位置するときの要部を示す斜視図である。
【図10】図10は、同じく、上側可動リフレクタおよび下側可動リフレクタが第1位置に位置するときの要部を示す正面図である。
【図11】図11は、同じく、上側可動リフレクタおよび下側可動リフレクタが第2位置に位置するときの要部を示す正面図である。
【図12】図12は、同じく、光路を示す図10におけるXII−XII線断面図である。
【図13】図13は、同じく、光路を示す図11におけるXIII−XIII線断面図である。
【図14】図14は、同じく、半導体型光源のエネルギー分布を示す図10におけるXII−XII線断面図である。
【図15】図15は、同じく、半導体型光源のエネルギー分布を示す図11におけるXIII−XIII線断面図である。
【図16】図16は、同じく、上側可動リフレクタおよび下側可動リフレクタおよび駆動装置を省略した要部を示す斜視図である。
【図17】図17は、同じく、上側可動リフレクタおよび下側可動リフレクタおよび駆動装置を省略した要部を示す正面図である。
【図18】図18は、同じく、図17におけるXII−XII線断面図である。
【図19】図19は、同じく、発光チップの中心と反射面の基準焦点との相対位置関係を示す説明斜視図である。
【図20】図20は、同じく、発光チップの中心と反射面の基準焦点との相対位置関係を示す説明平面図である。
【図21】図21は、同じく、第4セグメントからなる第1反射面および第5セグメントからなる第2反射面を設ける範囲を示す説明正面図である。
【図22】図22は、同じく、反射面のポイントP1で得られる発光チップの反射像を示す説明図である。
【図23】図23は、同じく、反射面のポイントP2、P3で得られる発光チップの反射像を示す説明図である。
【図24】図24は、同じく、反射面のポイントP4、P5で得られる発光チップの反射像を示す説明図である。
【図25】図25は、同じく、第4セグメントからなる第1反射面で得られる発光チップの反射像群を示す説明図である。
【図26】図26は、同じく、第5セグメントからなる第2反射面で得られる発光チップの反射像群を示す説明図である。
【図27】図27は、同じく、斜めカットオフラインと水平カットフラインとを有するロービーム用配光パターンを示す説明図である。
【図28】図28は、同じく、ハイビーム用配光パターンを示す説明図である。
【図29】図29は、この発明にかかる車両用灯具の実施例2を示し、デイタイムランニングライト用配光パターンを示す説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、この発明にかかる車両用灯具の実施例のうちの2例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。図面において、符号「VU−VD」は、スクリーンの上下の垂直線を示す。符号「HL−HR」は、スクリーンの左右の水平線を示す。図25、図26は、コンピュータのシミュレーションで得られたスクリーン上の発光チップの反射像群を示す説明図である。なお、この明細書および特許請求の範囲において、「上、下、前、後、左、右」とは、この発明にかかる車両用灯具を車両(自動車)に取り付けた際の車両の「上、下、前、後、左、右」である。また、図16、図17、図18においては、発明の構成を明確にするために、上側可動リフレクタ13Uおよび下側可動リフレクタ13Dおよび駆動装置14の図示を省略してある。さらに、図1〜図3、図8〜図11において、ヒートシンク部材7のフィン形状の図示を省略してある。
【実施例1】
【0019】
(構成の説明)
図1〜図28は、この発明にかかる車両用灯具の実施例1を示す。以下、この実施例1における車両用灯具の構成について説明する。図中、符号1は、この実施例1における車両用灯具(自動車用前照灯)である。前記車両用灯具1は、図27に示すロービームすれ違い用配光パターン(すれ違い用配光パターン、第1配光パターン)LPと、図28に示すハイビーム用配光パターン(走行用配光パターン、第2配光パターン)と、を切り替えて車両の前方に照射するものである。
【0020】
前記ロービーム用配光パターンLPは、図27に示すように、エルボー点Eを境に、走行車線側(左側)に斜めカットオフラインCL1を有し、かつ、対向車線側(右側)に水平カットフラインCL2を有する。なお、前記斜めカットオフラインCL1とスクリーンの水平線HL−HRとのなす角度は、約15°である。前記ハイビーム用配光パターンは、図28に示すように、第1ハイビーム用配光パターンHP1および第2ハイビーム用配光パターンHP2および第3ハイビーム用配光パターンHP3および減光ロービーム用配光パターンLP1からなる。
【0021】
前記車両用灯具1は、パラボラ系の自由曲面(NURBS曲面)からなる上側反射面(第1反射面、第1固定反射面)2Uおよび下側反射面(第2反射面、第2固定反射面)2Dを有する固定リフレクタ3と、同じくパラボラ系の自由曲面(NURBS曲面)からなる上側反射面(第1反射面、第1可動反射面、第2配光パターン用可動反射面)12Uを有する上側可動リフレクタ13Uおよび下側反射面(第2反射面、第2可動反射面、第2配光パターン用可動反射面)12Dを有する下側可動リフレクタ13Dと、平面矩形形状(平面長方形状)の発光チップ4を有する上側半導体型光源(第1半導体型光源)5Uおよび下側半導体型光源(第2半導体型光源)5Dと、ホルダ6と、ヒートシンク部材7と、駆動装置14と、図示しないランプハウジングおよびランプレンズ(たとえば、素通しのアウターレンズなど)と、から構成されている。
【0022】
前記ホルダ6は、上固定面と下固定面とを有する板形状をなす。前記ホルダ6は、たとえば、熱伝導率が高い樹脂部材もしくは金属部材から構成されている。前記ヒートシンク部材7は、上部に上固定面を有する台形形状をなし、かつ、中間部から下部にかけてフィン形状をなす。前記ヒートシンク部材7は、たとえば、熱伝導率が高い樹脂部材もしくは金属部材から構成されている。
【0023】
前記固定リフレクタ3および前記上側可動リフレクタ13Uおよび前記下側可動リフレクタ13Dおよび前記上側半導体型光源5Uおよび前記下側半導体型光源5Dおよび前記ホルダ6および前記ヒートシンク部材7および前記駆動装置14は、ランプユニットを構成する。すなわち、前記固定リフレクタ3は、前記ホルダ6に固定保持されている。前記上側可動リフレクタ13Uおよび前記下側可動リフレクタ13Dは、前記ホルダ6に水平軸X回りに回転可能に取り付けられている。前記上側半導体型光源5Uは、前記ホルダ6の上固定面に固定保持されている。前記下側半導体型光源5Dは、前記ホルダ6の下固定面に固定保持されている。前記ホルダ6は、前記ヒートシンク部材7の上固定面に固定保持されている。前記駆動装置14は、前記ホルダ6および前記ヒートシンク部材7の上固定面に固定保持されている。
【0024】
前記ランプユニット3、5U、5D、6、7、13U、13D、14は、前記ランプハウジングおよび前記ランプレンズにより区画されている灯室内に、たとえば光軸調整機構を介して配置されている。なお、前記灯室内には、前記ランプユニット3、5U、5D、6、7、13U、13D、14以外に、フォグランプ、コーナリングランプ、クリアランスランプ、ターンシグナルランプなどの他のランプユニットが配置されている場合がある。
【0025】
前記固定リフレクタ3の前記上側反射面2Uおよび前記上側可動リフレクタ13Uの前記上側反射面12Uおよび前記上側半導体型光源5Uは、前記発光チップ4の発光面が鉛直軸Y方向の上向きの上側のユニット(第1光源・反射面ユニット)を構成する。また、前記固定リフレクタ3の前記下側反射面2Dおよび前記下側可動リフレクタ13Dの前記下側反射面12Dおよび前記下側半導体型光源5Dは、前記発光チップ4の発光面が鉛直軸Y方向の下向きの下側のユニット(第2高原・反射面ユニット)を構成する。前記上側のユニット2U、5U、12U、13Uと、前記下側のユニット2D、5D、12D、13Dとは、図17に示すように、点Oを中心とした点対称の状態になるように、配置されている。なお、前記上側反射面2U、12Uの反射面設計と前記下側反射面2D、12Dの反射面設計とは、単なる点対称(反転)ではない。
【0026】
前記固定リフレクタ3は、たとえば、光不透過性の樹脂部材などから構成されている。前記固定リフレクタ3は、前記点対称の点Oを通る軸を回転軸とするほぼ回転放物面形状をなす。前記固定リフレクタ3の前側は、ほぼ円形に開口されている。一方、前記固定リフレクタ3の後側は、閉塞されている。前記固定リフレクタ3の閉塞部の中間部には、横長のほぼ長方形の窓部8が設けられている。前記固定リフレクタ3の前記窓部8には、前記ホルダ6が挿入されていて位置する。前記固定リフレクタ3は、閉塞部の外側(後側)において、前記ホルダ6に固定保持されている。
【0027】
前記固定リフレクタ3の閉塞部の内側(前側)のうち前記窓部8の上側および下側には、前記上側反射面2Uおよび前記下側反射面2Dがそれぞれ設けられている。パラボラ系の自由曲面(NURBS曲面)からなる前記上側反射面2Uおよび前記下側反射面2Dは、基準焦点(擬似焦点)Fおよび基準光軸(擬似光軸)Zを有する。前記上側反射面2Uと前記下側反射面2Dとの間であって、前記固定リフレクタ3の閉塞部の内側(前側)のうち前記窓部8の左右両側には、中間無効反射面9が連続して設けられている。前記中間無効反射面9は、前記上側半導体型光源5Uおよび前記下側半導体型光源5Dからの光(直射光)が入射しない面である。
【0028】
前記固定リフレクタ3の前記上側反射面2Uおよび前記下側反射面2Dは、前記ロービーム用配光パターンLPおよび前記減光ロービーム用配光パターンLP1を形成するロービーム用反射面(第1配光パターン用固定反射面および第2配光パターン用固定反射面)と、前記第1ハイビーム用配光パターンHP1および前記第2ハイビーム用配光パターンHP2を形成する第1ハイビーム用反射面(第2配光パターン用固定反射面)および第2ハイビーム用反射面(第2配光パターン用固定反射面)と、から構成されている。
【0029】
前記駆動装置14は、モータ15と、駆動力伝達機構16と、可動リフレクタ復帰用のスプリング(図示せず)と、から構成されている。前記モータ15は、前記ヒートシンク部材7の上固定面に直接固定保持されている。これにより、前記モータ15の通電時に発生する熱を前記ヒートシンク部材7で外部に放射(放熱)することができる。前記駆動力伝達機構16は、前記モータ15と前記上側可動リフレクタ13Uおよび前記下側可動リフレクタ13Dとの間に設けられている。前記駆動装置14は、前記上側可動リフレクタ13Uおよび前記下側可動リフレクタ13Dを、前記ホルダ6に対して、前記水平軸X回りに、第1位置(図8、図10、図12、図14に示す状態の位置)と第2位置(図1〜図3、図9、図11、図13、図15に示す状態の位置)との間において、回転させるものである。
【0030】
前記上側可動リフレクタ13Uおよび前記下側可動リフレクタ13Dは、たとえば、光不透過性の樹脂部材などから構成されている。前記第2位置に位置する前記上側可動リフレクタ13Uおよび前記下側可動リフレクタ13Dは、前記点対称の点Oを通る軸を回転軸とするほぼ回転放物面形状をなす。前記第2位置に位置する前記上側可動リフレクタ13Uおよび前記下側可動リフレクタ13Dの前側は、ほぼ円形に開口されている。前記上側可動リフレクタ13Uおよび前記下側可動リフレクタ13Dの前方側の開口部の大きさすなわち開口面積は、前記固定リフレクタ3の前方側の開口部の大きさすなわち開口面積よりも小さい。
【0031】
前記上側可動リフレクタ13Uおよび前記下側可動リフレクタ13Dの中央部には、半円形の透孔17がそれぞれ設けられている。また、前記上側可動リフレクタ13Uおよび前記下側可動リフレクタ13Dの周辺部の中間部には、長方形の庇部18がそれぞれ一体に設けられている。前記上側可動リフレクタ13Uおよび前記下側可動リフレクタ13Dの前記上側半導体型光源5Uおよび前記下側半導体型光源5Dに対向する側の面には、前記上側反射面12Uおよび前記下側反射面12Dがそれぞれ設けられている。パラボラ系の自由曲面(NURBS曲面)からなる前記上側反射面12Uおよび前記下側反射面12Dは、基準焦点(擬似焦点)F1および基準光軸(擬似光軸)Z7を有する。
【0032】
前記上側可動リフレクタ13Uの前記上側反射面12Uおよび前記下側可動リフレクタ13Dの前記下側反射面12Dは、前記第3ハイビーム用配光パターンHP3を形成する第3ハイビーム用反射面(第2配光パターン用可動反射面)から構成されている。
【0033】
前記半導体型光源5U、5Dは、基板10と、前記基板10に設けられている前記発光チップ4と、前記発光チップ4を封止する薄い直方体形状の封止樹脂部材11と、から構成されている。前記発光チップ4は、図19、図20に示すように、複数個この例では5個の正方形のチップを水平軸X方向に配列してなるものである。なお、1個の長方形のチップを使用しても良い。
【0034】
前記発光チップ4の中心O1は、前記反射面2U、2D、12U、12Dの基準焦点F、F1もしくはその近傍に位置し、かつ、前記反射面2U、2D、12U、12Dの基準光軸Z、Z7上に位置する。また、前記発光チップ4の発光面(前記基板10と対向する面と反対側の面)は、鉛直軸Y方向に向いている。すなわち、前記上側半導体型光源5Uの前記発光チップ4の発光面は、鉛直軸Y方向の上向きに向いている。一方、前記下側半導体型光源5Dの前記発光チップ4の発光面は、鉛直軸Y方向の下向きに向いている。さらに、前記発光チップ4の長辺は、前記基準光軸Z、Z7および前記鉛直軸Yと直交する前記水平軸Xと平行である。前記水平軸Xは、前記発光チップ4の中心O1もしくはその近傍(前記発光チップ4の中心O1から前記発光チップ4の後方側の長辺までの間であって、この例では、前記発光チップ4の後方側の長辺上)、あるいは、前記反射面2U、2D、12U、12Dの基準焦点F、F1もしくはその近傍を通る。
【0035】
前記水平軸Xと、前記鉛直軸Yと、前記基準光軸Z、Z7とは、前記発光チップ4の中心O1を原点とする直交座標(X−Y−Z直交座標系)を構成する。前記水平軸Xにおいては、前記上側のユニット2U、5U、12Uの場合、右側が+方向であり、左側が−方向であり、前記下側のユニット2D、5D、12Dの場合、左側が+方向であり、右側が−方向である。前記鉛直軸Yにおいては、前記上側のユニット2U、5U、12U場合、上側が+方向であり、下側が−方向であり、前記下側のユニット2D、5D、12Dの場合、下側が+方向であり、上側が−方向である。前記基準光軸Z、Z7においては、前記上側のユニット2U、5Uおよび前記下側のユニット2D、5D共に、前側が+方向であり、後側が−方向である。
【0036】
前記固定リフレクタ3の前記反射面2U、2Dおよび前記可動リフレクタ13U、13Dの前記反射面12U、12Dは、パラボラ系の自由曲面(NURBS曲面)から構成されている。前記固定リフレクタ3の前記反射面2U、2Dの基準焦点Fと、前記可動リフレクタ13U、13Dの前記反射面12U、12Dの基準焦点F1とは、一致もしくはほぼ一致し、前記基準光軸Z、Z7上であって、前記発光チップ4の中心O1から前記発光チップ4の後方側の長辺までの間に位置し、この例では、前記発光チップ4の後方側の長辺に位置する。また、前記固定リフレクタ3の前記反射面2U、2Dの基準焦点距離は、約10〜18mmであり、前記可動リフレクタ13U、13Dの前記反射面12U、12Dの基準焦点距離よりも大きい。
【0037】
前記固定リフレクタ3の前記反射面2U、2Dの基準光軸Zと第2位置に位置するときの前記可動リフレクタ13U、13Dの前記反射面12U、12Dの基準光軸Z7とは、一致もしくはほぼ一致し、また、前記水平軸Xと直交し、さらに、前記発光チップ4の中心O1もしくはその近傍を通る。なお、前記可動リフレクタ13U、13Dの前記反射面12U、12Dの基準光軸Z7は、前記発光チップ4の中心O1のもしくはその近傍から前方に向かって、前記固定リフレクタ9の前記反射面2U、2Dの基準光軸Zに対して上向きである。
【0038】
前記可動リフレクタ13U、13Dが前記第1位置に位置するときには、図12に示すように、前記発光チップ4から前記固定リフレクタ3の前記第1ハイビーム用反射面に放射される光L1、および、前記固定リフレクタ3の前記第2ハイビーム用反射面で反射された反射光L2が前記可動リフレクタ13U、13Dにより遮蔽される。この結果、前記固定リフレクタ3の前記ロービーム用反射面で反射された反射光L3が、図27に示す前記ロービーム用配光パターン(すれ違い用配光パターン、第1配光パターン)LPとして車両の前方に照射される。
【0039】
前記可動リフレクタ13U、13Dが前記第2位置に位置するときには、図13に示すように、前記可動リフレクタ13U、13Dの前記第3ハイビーム用反射面(前記反射面12U、12D)で反射された反射光L4が図28に示す前記第3ハイビーム用配光パターンHP3として、また、前記固定リフレクタ3の前記第1ハイビーム用反射面および第2ハイビーム用反射面で反射された反射光L5、L2が図28に示す前記第1ハイビーム用配光パターンHP1、前記第2ハイビーム用配光パターンHP2として、さらに、前記固定リフレクタ3の前記ロービーム用反射面で反射される反射光L3が図28に示す前記減光ロービーム用配光パターンLP1として、それぞれ車両の前方に照射される。図28に示すように、前記第1ハイビーム用配光パターンHP1および前記第2ハイビーム用配光パターンHP2および前記第3ハイビーム用配光パターンHP3および前記減光ロービーム用配光パターンLP1により、ハイビーム用配光パターン(走行用配光パターン、第2配光パターン)が形成されて車両の前方に照射される。
【0040】
前記可動リフレクタ13U、13Dが前記第2位置に位置するときには、図13に示すように、前記発光チップ4から前記固定リフレクタ3の前記ロービーム用反射面に放射される光の一部が、前記可動リフレクタ13U、13Dにより遮蔽され、かつ、前記可動リフレクタ13U、13Dの前記第3ハイビーム用反射面(前記反射面12U、12D)で反射光L4として反射される。すなわち、前記発光チップ4からの光の一部が前記減光ロービーム用配光パターンLP1から前記前記第3ハイビーム用配光パターンHP3に入れ替わる。このために、図28に示す前記減光ロービーム用配光パターンLP1の光量は、図27に示す前記ロービーム用配光パターンLPの光量よりも小さい。一方、前記可動リフレクタ13U、13Dが前記第1位置に位置するときに、前記可動リフレクタ13U、13Dにより遮蔽されていた前記発光チップ4からの光が前記第1ハイビーム用配光パターンHP1および前記第2ハイビーム用配光パターンHP2として利用される。このとき、図15、図18に示すように、可動リフレクタ13U、13Dの前記反射面12U、12Dは、前記発光チップ4のエネルギー分布Z2中の高エネルギーの範囲Z3に位置する。この結果、総合的に見て、図28に示すハイビーム用配光パターン(走行用配光パターン)HP1、HP2、HP3、LP1の光量が図27に示すロービーム用配光パターン(すれ違い用配光パターン)LPの光量より大きくなる。
【0041】
前記反射面2U、2Dは、鉛直軸Y方向に8個に分割され、かつ、中央の2個が水平軸X方向にそれぞれ2個に分割されたセグメント21、22、23、24、25、26、27、28、29、20から構成されている。中央部および周辺部の第2セグメント22、第3セグメント23、第4セグメント24、第5セグメント25、第6セグメント26、第7セグメント27は、前記ロービーム用反射面を構成する。また、両端の第1セグメント21、第8セグメント28は、前記第1ハイビーム用反射面を構成する。さらに、中心部の第9セグメント29、第10セグメント20は、前記第2ハイビーム用反射面を構成する。
【0042】
そして、前記ロービーム用反射面において、中央部の第4セグメント24は、第1ロービーム用反射面を構成する。また、中央部の第5セグメント25は、第2ロービーム用反射面を構成する。さらに、端部の第2セグメント22、第3セグメント23、第6セグメント26、第7セグメント27は、第3ロービーム用反射面を構成する。
【0043】
中央部の第1ロービーム用反射面の前記第4セグメント24および第2ロービーム用反射面の前記第5セグメント25は、図17中の2本の縦の太い実線の間の範囲Z1であって、図21中の格子斜線が施されている範囲Z1、すなわち、前記発光チップ4の中心O1から経度角±40°(図20中の±θ°)以内の範囲Z1に設けられている。なお、端部の第3ロービーム用反射面の前記第2セグメント22、前記第3セグメント23、前記第6セグメント26、前記第7セグメント27は、前記範囲Z1以外の図21中の白地の範囲、すなわち、前記発光チップ4の中心O1から経度角±40°以上の範囲に設けられている。
【0044】
以下、前記反射面2U、2Dのうち前記ロービーム用反射面の各セグメント22〜27において得られる平面矩形形状の前記発光チップ4の反射像(スクリーン写像)について、図22、図23、図24を参照して説明する。すなわち、第4セグメント24と第5セグメント25との境界P1おいては、図22に示すように、スクリーンの水平線HL−HRに対して、傾きが約0°の前記発光チップ4の反射像I1が得られる。また、第3セグメント23と第4セグメント24との境界P2おいては、図23に示すように、スクリーンの水平線HL−HRに対して、傾きが約20°の前記発光チップ4の反射像I2が得られる。さらに、第5セグメント25と第6セグメント26との境界P3おいては、図23に示すように、スクリーンの水平線HL−HRに対して、傾きが約20°の前記発光チップ4の反射像I3が得られる。さらにまた、第2セグメント22と第3セグメント23との境界P4おいては、図24に示すように、スクリーンの水平線HL−HRに対して、傾きが約40°の前記発光チップ4の反射像I4が得られる。さらにまた、第6セグメント26と第7セグメント27との境界P5おいては、図24に示すように、スクリーンの水平線HL−HRに対して、傾きが約40°の前記発光チップ4の反射像I5が得られる。
【0045】
この結果、前記ロービーム用反射面の前記第4セグメント24においては、図22に示す傾きが約0°の反射像I1から図23に示す傾きが約20°の反射像I2までの反射像が得られる。また、前記ロービーム用反射面の前記第5セグメント25においては、図22に示す傾きが約0°の反射像I1から図23に示す傾きが約20°の反射像I3までの反射像が得られる。さらに、前記ロービーム用反射面の前記第3セグメント23においては、図23に示す傾きが約20°の反射像I2から図24に示す傾きが約40°の反射像I4までの反射像が得られる。さらにまた、前記ロービーム用反射面の前記第6セグメント26においては、図23に示す傾きが約20°の反射像I3から図24に示す傾きが約40°の反射像I5までの反射像が得られる。さらにまた、前記ロービーム用反射面の前記第2セグメント22と前記第7セグメント27においては、傾きが約40°以上の反射像が得られる。
【0046】
ここで、図22に示す傾きが約0°の反射像I1から図23に示す傾きが約20°の反射像I2、I3までの反射像は、前記ロービーム用配光パターンLPの斜めカットオフラインCL1を含む配光を形成するのに最適な反射像である。すなわち、傾きが約0°の反射像I1から傾きが約20°の反射像I2、I3までの反射像を、傾きが約15°の斜めカットオフラインCL1に沿わせることが容易であるからである。一方、図24に示す傾きが約40°の反射像I4、I5を含む傾きが約20°以上の反射像は、前記ロービーム用配光パターンLPの斜めカットオフラインCL1を含む配光を形成するのには不適な反射像である。すなわち、傾きが約20°以上の反射像を、傾きが約15°の斜めカットオフラインCL1に沿わせると、配光が上下方向に厚くなり、過度な近方配光(すなわち、遠方の視認性が低下する配光)を招く結果となるからである。
【0047】
また、斜めカットオフラインCL1における配光は、遠方視認配光を担っている。このために、斜めカットオフラインCL1における配光には、高光度帯(高エネルギー帯)を形成する必要がある。このために、中央部の第1ロービーム用反射面の前記第4セグメント24および第2ロービーム用反射面の前記第5セグメント25は、図18に示すように、前記発光チップ4のエネルギー分布(ランバーシアン)Z2中の高エネルギーの範囲Z3内に収められている。なお、図14、図15、図18において、下側半導体型光源5Dのエネルギー分布の図示を省略してある。
【0048】
以上から、斜めカットオフラインCL1における配光を形成するのに最適な反射面は、パラボラ系の自由曲面の反射面のうち傾きが20°以内の反射像I1、I2が得られる範囲と、前記半導体型光源5U、5Dのエネルギー分布(ランバーシアン)との相対関係より決定される。この結果、斜めカットオフラインCL1における配光を形成するのに最適な反射面、すなわち、前記第4セグメント24と前記第5セグメント25は、前記発光チップ4の中心O1から経度角±40°以内の範囲Z1であって、傾きが前記斜めカットオフラインCL1の傾斜角度(約15°)に約5°を足した角度(約20°)以内の前記発光チップ4の反射像I1、I2が得られる範囲に相当し、かつ、前記発光チップ4のエネルギー分布(ランバーシアン)Z2中の高エネルギーの範囲Z3内に、設けられている。
【0049】
前記第4セグメント24からなる前記第1ロービーム用反射面は、図25、図27に示すように、前記発光チップ4の反射像I1、I2が前記斜めカットオフラインCL1および前記水平カットフラインCL2から飛び出ないように、かつ、前記発光チップ4の反射像I1、I2の一部が前記斜めカットオフラインCL1および前記水平カットフラインCL2にほぼ接するようにして、前記発光チップ4の反射像I1、I2を前記ロービーム用配光パターンLP中の範囲Z4に配光制御する自由曲面からなる反射面である。
【0050】
また、前記第5セグメント5からなる前記第2ロービーム用反射面は、図26、図27に示すように、前記発光チップ4の反射像I1、I3が前記斜めカットオフラインCL1および前記水平カットフラインCL2から飛び出ないように、かつ、前記発光チップ4の反射像I1、I3の一部が前記斜めカットオフラインCL1および前記水平カットフラインCL2にほぼ接するようにして、また、前記発光チップ4の反射像I1、I3群の密度が前記第4セグメント24からなる前記第1ロービーム用反射面による前記発光チップ4の反射像I1、I2群の密度よりも低くなり、かつ、前記発光チップ4の反射像I1、I3群が前記第4セグメント24からなる前記第1ロービーム用反射面による前記発光チップ4の反射像I1、I2群を含有するようにして、前記発光チップ4の反射像I1、I3を前記ロービーム用配光パターンLP中の範囲Z4を含有する範囲Z5に配光制御する自由曲面からなる反射面である。なお、1個の前記発光チップ4の反射像I1、I2の密度と、1個の前記発光チップ4の反射像I1、I3の密度とは、同等もしくはほぼ同等である。
【0051】
さらに、前記第2セグメント22、前記第3セグメント23、前記第6セグメント26、前記第7セグメント27からなる前記第3ロービーム用反射面は、図27に示すように、前記発光チップ4の反射像I4、I5が前記ロービーム用配光パターンLP内にほぼ収まるようにして、前記発光チップ4の反射像I4、I5群の密度が前記第4セグメント24からなる前記第1ロービーム用反射面による前記発光チップ4の反射像I1、I2群および前記第5セグメント25からなる前記第2ロービーム用反射面による前記発光チップ4の反射像I1、I3群よりも低くなり、かつ、前記発光チップ4の反射像I4、I5群が前記第4セグメント24からなる前記第1ロービーム用反射面による前記発光チップ4の反射像I1、I2群および前記第5セグメント25からなる前記第2ロービーム用反射面による前記発光チップ4の反射像I1、I3群を含有するようにして、前記発光チップ4の反射像I4、I5を前記ロービーム用配光パターンLP中の範囲Z4、Z5を含有する範囲Z6に配光制御する自由曲面からなる反射面である。
【0052】
前記可動リフレクタ13U、13Dには、前記半導体型光源5U、5Dの前記発光チップ4から放射される光の一部L6を前記中間無効反射面9に反射させる付加反射面9UL、9UR、9DL、9DRが設けられている。前記付加反射面9UL、9UR、9DL、9DRは、前記第2位置に位置するときの前記可動リフレクタ13U、13Dのうち、前記半導体型光源5U、5Dの前記発光チップ4のエネルギー分布Z2中の高エネルギーの範囲Z3以外の範囲に位置する。すなわち、前記付加反射面9UL、9UR、9DL、9DRは、図3に示すように、正面から見て、前記第2位置に位置するときの前記可動リフレクタ13U、13Dの外周縁部のうち、Y軸からθ1°(この例では、約60°)以上の箇所に設けられている小四角形の凸部の内面に反射面処理により設けられている。
【0053】
前記付加反射面9UL、9UR、9DL、9DRは、図1、図2に示すように、前記半導体型光源5U、5Dの前記発光チップ4から放射される光の一部L6を、クロス反射で前記中間無効反射面9に反射させるものである。すなわち、左側の前記付加反射面9UL、9DLは、図1、図2に示すように、前記半導体型光源5U、5Dの前記発光チップ4から放射される光の一部L6を、クロス反射で右側の前記中間無効反射面9、9Rに反射させ、一方、右側の前記付加反射面9UR、9DRは、図1、図2に示すように、前記半導体型光源5U、5Dの前記発光チップ4から放射される光の一部L6を、クロス反射で左側の前記中間無効反射面9、9Lに反射させるものである。
【0054】
(作用の説明)
以下、この実施例1における車両用灯具1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0055】
まず、上側可動リフレクタ13Uおよび下側可動リフレクタ13Dを第1位置(図8、図10、図12、図14に示す状態の位置)に位置させる。すなわち、駆動装置14のモータ15への通電を遮断すると、スプリングの作用および図示しないストッパの作用により、上側可動リフレクタ13Uおよび下側可動リフレクタ13Dが第1位置に位置する。このときに、上側半導体型光源5Uおよび下側半導体型光源5Dの発光チップ4を点灯発光させる。すると、上側半導体型光源5Uおよび下側半導体型光源5Dの発光チップ4から光が放射される。
【0056】
この光の一部、すなわち、固定リフレクタ3の第1ハイビーム用反射面(第1セグメント21および第8セグメント28)に放射される光L1は、図12に示すように、上側可動リフレクタ13Uおよび下側可動リフレクタ13Dにより遮蔽される。また、この光の一部、すなわち、固定リフレクタ3の第2ハイビーム用反射面(第9セグメント29および第10セグメント20)で反射された反射光L2は、図12に示すように、上側可動リフレクタ13Uおよび下側可動リフレクタ13Dにより遮蔽される。さらに、残りの光L3は、図12に示すように、固定リフレクタ3の上側反射面2Uおよび下側反射面2Dのロービーム用反射面(第2セグメント22、第3セグメント23、第4セグメント24、第5セグメント25、第6セグメント26、第7セグメント27)で反射される。この反射光L3は、図27に示すロービーム用配光パターンLPとして車両の前方に照射される。なお、上側半導体型光源5Uおよび下側半導体型光源5Dの発光チップ4からの直射光(図示せず)は、上側可動リフレクタ13Uおよび下側可動リフレクタ13D特に庇部18により遮蔽される。なお、図12においては、固定リフレクタ3の下側反射面2Dおよび下側可動リフレクタ13Dの下側反射面12Dにおける光路の図示を省略してある。
【0057】
すなわち、反射面2U、2Dの第4セグメント24からなる第1ロービーム用反射面からの反射光は、発光チップ4の反射像I1、I2が斜めカットオフラインCL1および水平カットフラインCL2から飛び出ないように、かつ、発光チップ4の反射像I1、I2の一部が斜めカットオフラインCL1および水平カットフラインCL2にほぼ接するようにして、ロービーム用配光パターンLP中の範囲Z4に配光制御される。
【0058】
また、反射面2U、2Dの第5セグメント25からなる第2ロービーム用反射面からの反射光は、発光チップ4の反射像I1、I3が斜めカットオフラインCL1および水平カットフラインCL2から飛び出ないように、かつ、発光チップ4の反射像I1、I3の一部が斜めカットオフラインCL1および水平カットフラインCL2にほぼ接するようにして、また、発光チップ4の反射像I1、I3群の密度が第4セグメント24からなる第1ロービーム用反射面による発光チップ4の反射像I1、I2群の密度よりも低くなり、かつ、発光チップ4の反射像I1、I3群が第4セグメント24からなる第1ロービーム用反射面による発光チップ4の反射像I1、I2群を含有するようにして、ロービーム用配光パターンLP中の範囲Z4を含有する範囲Z5に配光制御される。
【0059】
さらに、反射面2U、2Dの第2セグメント22、第3セグメント23、第6セグメント26、第7セグメント27からなる第3ロービーム用反射面からの反射光は、発光チップ4の反射像I4、I5がロービーム用配光パターンLP内にほぼ収まるようにして、発光チップ4の反射像I4、I5群の密度が第4セグメント24からなる第1ロービーム用反射面による発光チップ4の反射像I1、I2群および第5セグメント25からなる第2ロービーム用反射面による発光チップ4の反射像I1、I3群よりも低くなり、かつ、発光チップ4の反射像I4、I5群が第4セグメント24からなる第1ロービーム用反射面による発光チップ4の反射像I1、I2群および第5セグメント25からなる第2ロービーム用反射面による発光チップ4の反射像I1、I3群を含有するようにして、ロービーム用配光パターンLP中の範囲Z4、Z5を含有する範囲Z6に配光制御される。
【0060】
以上のようにして、図27に示すロービーム用配光パターンLPが車両の前方に照射される。このとき、この実施例1における車両用灯具1をほぼ正面から見ると、図5に示すように、固定リフレクタ3の上側反射面2Uおよび下側反射面2Dのロービーム用反射面(第2セグメント22、第3セグメント23、第4セグメント24、第5セグメント25、第6セグメント26、第7セグメント27)が光って見える。一方、この光って見える部分(第2セグメント22、第3セグメント23、第4セグメント24、第5セグメント25、第6セグメント26、第7セグメント27)を囲む四角形において、この光って見える部分(図5中の白抜きの部分)の外側の4隅の部分および窓部8の部分が暗部(図5中の格子が施されている部分)として見える。
【0061】
そして、この光って見える部分の面積は、この光って見える部分を囲む四角形の面積に対して、約60%以上あり、暗部の面積よりも広い。このために、この実施例1における車両用灯具1は、図27に示すロービーム用配光パターンLPが車両の前方に照射されているとき、灯具全体がほぼ光って見えるので、たとえ、光って見える部分が窓部8の暗部により上下に分断されていたとしても、灯具の品質、被視認性、見栄えになんら問題がない。
【0062】
つぎに、上側可動リフレクタ13Uおよび下側可動リフレクタ13Dを第2位置(図1〜図3、図9、図11、図13、図15に示す状態の位置)に位置させる。すなわち、駆動装置14のモータ15に通電してモータ15を駆動させると、モータ15の駆動力が駆動力伝達機構16を介して上側可動リフレクタ13Uおよび下側可動リフレクタ13Dに伝達されて、上側可動リフレクタ13Uおよび下側可動リフレクタ13Dがスプリング力に抗して第1位置から第2位置に同期して回転し図示しないストッパの作用により第2位置に位置する。このときに、上側半導体型光源5Uおよび下側半導体型光源5Dの発光チップ4を点灯発光させる。すると、上側半導体型光源5Uおよび下側半導体型光源5Dの発光チップ4から光が放射される。
【0063】
この光の一部であって、固定リフレクタ3の上側反射面2Uおよび下側反射面2Dのロービーム用反射面(第2セグメント22、第3セグメント23、第4セグメント24、第5セグメント25、第6セグメント26、第7セグメント27)に放射される光の一部は、図13に示すように、可動リフレクタ13U、13Dの第3ハイビーム用反射面(反射面12U、12D)で反射されて、その反射光L4が図28に示す第3ハイビーム用配光パターンHP3として車両の前方に照射される。また、固定リフレクタ3の上側反射面2Uおよび下側反射面2Dのロービーム用反射面(第2セグメント22、第3セグメント23、第4セグメント24、第5セグメント25、第6セグメント26、第7セグメント27)に放射される光であって、可動リフレクタ13U、13Dの第3ハイビーム用反射面(反射面12U、12D)に入射しなかった残りの光は、図13に示すように、固定リフレクタ3のロービーム用反射面(第2セグメント22、第3セグメント23、第4セグメント24、第5セグメント25、第6セグメント26、第7セグメント27)で反射されて、その反射光L3が図28に示す減光ロービーム用配光パターンLP1として車両の前方に照射される。さらに、上側可動リフレクタ13Uおよび下側可動リフレクタ13Dが第1位置に位置していたときにその上側可動リフレクタ13Uおよび下側可動リフレクタ13Dにより遮蔽されていた固定リフレクタ3の第1ハイビーム用反射面(第1セグメント21および第8セグメント28)に放射される光L1は、図13に示すように、固定リフレクタ3の第1ハイビーム用反射面(第1セグメント21および第8セグメント28)で反射されて、その反射光L5が図28に示す第1ハイビーム用配光パターンHP1として車両の前方に照射される。さらにまた、上側可動リフレクタ13Uおよび下側可動リフレクタ13Dが第1位置に位置していたときにその上側可動リフレクタ13Uおよび下側可動リフレクタ13Dにより遮蔽されていた固定リフレクタ3の第2ハイビーム用反射面(第9セグメント29および第10セグメント20)からの反射光L2は、図13に示すように、第2位置に位置する上側可動リフレクタ13Uおよび下側可動リフレクタ13Dの透孔17を通って、図28に示す第2ハイビーム用配光パターンHP2として車両の前方に照射される。なお、図13においては、固定リフレクタ3の下側反射面2Dおよび下側可動リフレクタ13Dの下側反射面12Dにおける光路の図示を省略してある。
【0064】
また、上側半導体型光源5Uおよび下側半導体型光源5Dの発光チップ4から放射される光の一部L6は、付加反射面9UL、9UR、9DL、9DRに入射し、この付加反射面9UL、9UR、9DL、9DRで、中間無効反射面9、9L、9Rにクロス反射される。すなわち、左側の付加反射面9UL、9DLでクロス反射された反射光L7は、図1、図2に示すように、右側の中間無効反射面9、9Rに入射し、一方、右側の付加反射面9UR、9DRでクロス反射された反射光L7は、図1、図2に示すように、左側の中間無効反射面9、9Lに入射する。そして、中間無効反射面9、9L、9Rに入射した光L7は、反射光L8として車両の前方に照射される。
【0065】
以上のようにして、図28に示すハイビーム用配光パターンHP1、HP2、HP3、LP1が車両の前方に照射される。このとき、この実施例1における車両用灯具1をほぼ正面から見ると、図7に示すように、固定リフレクタ3の上側反射面2Uおよび下側反射面2Dの第1セグメント21、第2セグメント22、第3セグメント23、第4セグメント24、第5セグメント25、第6セグメント26、第7セグメント27、第8セグメント28が光って見える。なお、第3セグメント23、第4セグメント24、第5セグメント25、第6セグメント26の一部は、可動リフレクタ13U、13Dの反射面12U、12Dが光って見える。また、中間無効反射面9、9L、9Rも反射光L8により光って見える。一方、この光って見える部分(第1セグメント21、第2セグメント22、第3セグメント23、第4セグメント24、第5セグメント25、第6セグメント26、第7セグメント27、第8セグメント28および中間無効反射面9、9L、9R)を囲む四角形において、この光って見える部分(図7中の白抜きの部分)の外側の4隅の部分および窓部8の部分が暗部(図7中の格子が施されている部分)として見える。
【0066】
そして、この光って見える部分の面積は、この光って見える部分を囲む四角形の面積に対して、約60%以上あり、暗部の面積よりも広い。しかも、窓部8の暗部の左右に位置する中間無効反射面9、9L、9Rの光って見える部分により、光って見える部分が中央部の窓部8の暗部を除いた左右両側の部分において上下に連続している。このために、この実施例1における車両用灯具1は、図28に示すハイビーム用配光パターンHP1、HP2、HP3、LP1が車両の前方に照射されているとき、灯具全体がほぼ光って見えるので、灯具の品質、被視認性、見栄えになんら問題がない。
【0067】
ここで、付加反射面9UL、9UR、9DL、9DRを設けず、上側半導体型光源5Uおよび下側半導体型光源5Dの発光チップ4から放射される光の一部L6を中間無効反射面9、9L、9Rに反射させない車両用灯具について図6を参照して説明する。この車両用灯具の場合は、図6に示すように、中間無効反射面9、9L、9Rには光が入射しないので、中間無効反射面9、9L、9Rが暗部(図6中の格子が施されている部分)として見える。すなわち、光って見える部分が第1セグメント21、第2セグメント22、第3セグメント23、第4セグメント24、第5セグメント25、第6セグメント26、第7セグメント27、第8セグメント28の部分となる。この光って見える部分(第1セグメント21、第2セグメント22、第3セグメント23、第4セグメント24、第5セグメント25、第6セグメント26、第7セグメント27、第8セグメント28)を囲む四角形において、この光って見える部分(図6中の白抜きの部分)の外側の4隅の部分および窓部8の部分および中間無効反射面9、9L、9Rの部分が暗部(図6中の格子が施されている部分)として見える。
【0068】
そして、この光って見える部分の面積は、この光って見える部分を囲む四角形の面積に対して、約60%以下あり、暗部の面積とさほど変わらない。しかも、窓部8の暗部およびその窓部8の暗部の左右に位置する中間無効反射面9、9L、9Rの暗部により、光って見える部分が中央部の窓部8の暗部および中間無効反射面9、9L、9Rの暗部で上下に分断されている。このために、この車両用灯具の場合は、前記の暗部により、灯具の品質、被視認性、見栄え上に問題がある。
【0069】
これに対して、この実施例1における車両用灯具1は、付加反射面9UL、9UR、9DL、9DRにより、上側半導体型光源5Uおよび下側半導体型光源5Dの発光チップ4から放射される光の一部L6を中間無効反射面9、9L、9Rにクロス反射させるものであるから、中間無効反射面9、9L、9Rが光って見える。この結果、この実施例1における車両用灯具1は、前記の通り、図28に示すハイビーム用配光パターンHP1、HP2、HP3、LP1が車両の前方に照射されているとき、灯具全体がほぼ光って見えるので、灯具の品質、被視認性、見栄えになんら問題がない。
【0070】
(効果の説明)
この実施例1における車両用灯具1は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0071】
この実施例1における車両用灯具1は、可動リフレクタ13U、13Dが第2位置に位置するときに、半導体型光源5U、5Dから放射される光の一部L6が付加反射面9UL、9UR、9DL、9DRで反射し、その反射光L7が中間無効反射面9、9L、9Rに入射するので、第1固定反射面の第1配光パターン用固定反射面より外側の第2配光パターン用固定反射面(上側反射面2Uの第2セグメント22、第3セグメント23、第4セグメント24、第5セグメント25、第6セグメント26、第7セグメント27より外側の第1セグメント21、第8セグメント28)と、第2固定反射面の第1配光パターン用固定反射面より外側の第2配光パターン用固定反射面(下側反射面2Dの第2セグメント22、第3セグメント23、第4セグメント24、第5セグメント25、第6セグメント26、第7セグメント27より外側の第1セグメント21、第8セグメント28)と、の間の中間無効反射面9、9L、9Rを光らせることができる。この結果、この実施例1における車両用灯具1は、第1固定反射面の第1配光パターン用固定反射面より外側の第2配光パターン用固定反射面(すなわち、上側反射面2Uの第1セグメント21、第8セグメント28)と第2固定反射面の第1配光パターン用固定反射面より外側の第2配光パターン用固定反射面(すなわち、下側反射面2Dの第1セグメント21、第8セグメント28)との間の暗部をなくすことができる。すなわち、この実施例1における車両用灯具1は、第1固定反射面の第2配光パターン用固定反射面(上側反射面2Uの第1セグメント21、第8セグメント28)と、第2固定反射面の第2配光パターン用固定反射面(下側反射面2Dの第1セグメント21、第8セグメント28)と、その第1固定反射面の第1配光パターン用固定反射面より外側の第2配光パターン用固定反射面(上側反射面2Uの第1セグメント21、第8セグメント28)と第2固定反射面の第1配光パターン用固定反射面より外側の第2配光パターン用固定反射面(下側反射面2Dの第1セグメント21、第8セグメント28)との間の中間無効反射面9、9L、9Rとを、ほぼ全体的に光らせることができる。これにより、この実施例1における車両用灯具1は、上下の灯具用発光ユニットの間に光らない暗部が形成される場合がある従来の車両用灯具と比較して、品質が向上され、また、被視認性が向上され、さらに、見栄えが向上される。
【0072】
特に、この実施例1における車両用灯具1は、付加反射面9UL、9UR、9DL、9DRが、第2位置に位置するときの可動リフレクタ13U、13Dのうち、半導体型光源5U、5Dのエネルギー分布中の高エネルギーの範囲Z3以外の範囲に位置するものである。この結果、この実施例1における車両用灯具1は、可動リフレクタ13U、13Dが第2位置に位置するときに、半導体型光源5U、5Dのエネルギー分布中の高エネルギーの光が、第1固定反射面および第2固定反射面の第2配光パターン用固定反射面(上側反射面2Uおよび下側反射面2Dの第1セグメント21、第8セグメント28)と第1可動反射面および第2可動反射面の第2配光パターン用可動反射面(上側反射面12Uおよび下側反射面12D)とにそれぞれ入射するのを、付加反射面9UL、9UR、9DL、9DR(付加反射面9UL、9UR、9DL、9DRが内面に反射面処理により設けられている小四角形の凸部)で妨げるようなことがない。これにより、この実施例1における車両用灯具1は、可動リフレクタ13U、13Dが第2位置に位置するときに、半導体型光源5U、5Dのエネルギー分布中の高エネルギーの光が、第1固定反射面および第2固定反射面の第2配光パターン用固定反射面(上側反射面2Uおよび下側反射面2Dの第1セグメント21、第8セグメント28)と第1可動反射面および第2可動反射面の第2配光パターン用可動反射面(上側反射面12Uおよび下側反射面12D)とにそれぞれ確実に入射するので、所定の第2配光パターン(図28に示すハイビーム用配光パターンHP1、HP2、HP3、LP1)の光量(光度、照度、光束)を付加反射面9UL、9UR、9DL、9DR(付加反射面9UL、9UR、9DL、9DRが内面に反射面処理により設けられている小四角形の凸部)で減少させるような虞がない。
【0073】
その上、この実施例1における車両用灯具1は、付加反射面9UL、9UR、9DL、9DR(付加反射面9UL、9UR、9DL、9DRが内面に反射面処理により設けられている小四角形の凸部)が、第2位置に位置するときの可動リフレクタ13U、13Dのうち、半導体型光源5U、5Dのエネルギー分布中の高エネルギーの範囲Z3以外の範囲に位置するものである。この結果、この実施例1における車両用灯具1は、可動リフレクタ13U、13Dが第1位置に位置するときに、半導体型光源5U、5Dからの光が、第1固定反射面および第2固定反射面の第1配光パターン用固定反射面(上側反射面2Uおよび下側反射面2Dの第2セグメント22、第3セグメント23、第4セグメント24、第5セグメント25、第6セグメント26、第7セグメント27より外側の第1セグメント21、第8セグメント28)にそれぞれ入射するのを、付加反射面9UL、9UR、9DL、9DR(付加反射面9UL、9UR、9DL、9DRが内面に反射面処理により設けられている小四角形の凸部)で妨げるようなことがない。これにより、この実施例1における車両用灯具1は、可動リフレクタ13U、13Dが第1位置に位置するときに、2半導体型光源5U、5Dからの光が、第1固定反射面および第2固定反射面の第1配光パターン用固定反射面(上側反射面2Uおよび下側反射面2Dの第2セグメント22、第3セグメント23、第4セグメント24、第5セグメント25、第6セグメント26、第7セグメント27より外側の第1セグメント21、第8セグメント28)にそれぞれ確実に入射するので、所定の第1配光パターン(図27に示すロービーム用配光パターンLP)の光量(光度、照度、光束)を付加反射面で減少させるような虞がない。
【0074】
この実施例1における車両用灯具1は、固定リフレクタ3および可動リフレクタ13U、13Dがほぼ回転放物面形状をなすものであるから、半導体型光源5U、5Dから放射される光の一部L6を付加反射面9UL、9UR、9DL、9DRで中間無効反射面9、9L、9Rに容易にかつ確実にクロス反射させることができる。
【実施例2】
【0075】
(構成の説明)
図29は、この発明にかかる車両用灯具の実施例2を示す。以下、この実施例2における車両用灯具について説明する。図中、図1〜図28と同符号は、同一のものを示す。
【0076】
前記の実施例1における車両用灯具1は、可動リフレクタ13U、13Dが第2位置に位置するときにはハイビーム用配光パターンHP1、HP2、HP3、LP1が得られるものである。これに対して、この実施例2における車両用灯具は、可動リフレクタ13U、13Dが少なくとも第2位置、すなわち、可動リフレクタ13U、13Dが第2位置に位置するときには前記のようにハイビーム用配光パターンHP1、HP2、HP3、LP1が得られ、かつ、可動リフレクタ13U、13Dが第3位置(第2位置の近傍の位置)に位置するときには図29に示すようにデイタイムランニングライト用配光パターンdP1、DP2、DP3、DP4、DP5が得られるものである。
【0077】
なお、前記の実施例1、2においては、ロービーム用配光パターンLPについて説明するものである。ところが、この発明おいては、ロービーム用配光パターンLP以外の配光パターン、たとえば、高速道路用配光パターン、フォグランプ用配光パターンなど、エルボー点を境に、走行車線側に斜めカットオフラインを有し、かつ、対向車線側に水平カットフラインを有する配光パターンであっても良い。
【0078】
また、前記の実施例1、2においては、左側走行車線用の車両用灯具1について説明する。ところが、この発明においては、右側走行車線用の車両用灯具についても適用することができる。
【0079】
さらに、前記の実施例1、2においては、可動リフレクタ13U、13Dを使用して、図27に示すロービーム用配光パターンLPと、図28に示すハイビーム用配光パターンHP1、HP2、HP3、LP1とを切り替え、または、図27に示すロービーム用配光パターンLPと、図28に示すハイビーム用配光パターンHP1、HP2、HP3、LP1と、図29に示すデイタイムランニングライト用配光パターンdP1、DP2、DP3、DP4、DP5とを切り替えるものである。ところが、この発明においては、可動リフレクタ13U、13Dを使用せずに、固定リフレクタ3のみで、図28に示すハイビーム用配光パターンHP1、HP2、HP3、LP1、または、図29に示すデイタイムランニングライト用配光パターンdP1、DP2、DP3、DP4、DP5のみ得られるようにしても良い。この場合においては、付加反射面を、固定リフレクタ3のうち、半導体型光源5U、5Dのエネルギー分布中の高エネルギーの範囲Z3以外の範囲、すなわち、図17に示すように、二点鎖線よりもX軸側の範囲に設ける。
【0080】
さらにまた、前記の実施例1、2においては、図27に示すロービーム用配光パターンLPと、図28に示すハイビーム用配光パターンHP1、HP2、HP3、LP1とを切り替え、または、図27に示すロービーム用配光パターンLPと、図28に示すハイビーム用配光パターンHP1、HP2、HP3、LP1と、図29に示すデイタイムランニングライト用配光パターンdP1、DP2、DP3、DP4、DP5とを切り替えるヘッドランプ(車両用前照灯)である。ところが、この発明においては、ヘッドランプ以外に、フォグランプ、テールランプ、ストップランプ、などのランプにも適用することができる。
【符号の説明】
【0081】
1 車両用灯具
2U 上側反射面(第1反射面、第1固定反射面)
2D 下側反射面(第2反射面、第2固定反射面)
3 固定リフレクタ
4 発光チップ
5U 上側半導体型光源(第1半導体型光源)
5D 下側半導体型光源(第2半導体型光源)
6 ホルダ
7 ヒートシンク部材
8 窓部
9、9L、9R 中間無効反射面
9UL、9UR、9DL、9DR 付加反射面
10 基板
11 封止部材
12U 上側反射面(第1反射面、第1可動反射面、第2配光パターン用反射面、第3ハイビーム用反射面)
12D 下側反射面(第2反射面、第2可動反射面、第2配光パターン用反射面、第3ハイビーム用反射面)
13U 上側可動リフレクタ
13D 下側可動リフレクタ
14 駆動装置
15 モータ
16 駆動力伝達機構
17 透孔
18 庇部
21 第1セグメント(第2配光パターン用反射面、第1ハイビーム用反射面)
22 第2セグメント(ロービーム用反射面、第3ロービーム用反射面)
23 第3セグメント(ロービーム用反射面、第3ロービーム用反射面)
24 第4セグメント(ロービーム用反射面、第1ロービーム用反射面)
25 第5セグメント(ロービーム用反射面、第2ロービーム用反射面)
26 第6セグメント(ロービーム用反射面、第3ロービーム用反射面)
27 第7セグメント(ロービーム用反射面、第3ロービーム用反射面)
28 第8セグメント(第2配光パターン用反射面、第1ハイビーム用反射面)
29 第9セグメント(第2配光パターン用反射面、第2ハイビーム用反射面)
20 第10セグメント(第2配光パターン用反射面、第2ハイビーム用反射面)
170 表面処理部
E エルボー点
CL1 斜めカットオフライン
CL2 水平カットフライン
LP ロービーム用配光パターン(第1配光パターン用)
LP1 減光ロービーム用配光パターン(第2配光パターン用)
HP1 第1ハイビーム用配光パターン(第2配光パターン用)
HP2 第2ハイビーム用配光パターン(第2配光パターン用)
HP3 第3ハイビーム用配光パターン(第2配光パターン用)
HL−HR スクリーンの左右の水平線
VU−VD スクリーンの上下の垂直線
PU 迷光ゾーン
PD 路面配光ムラゾーン
DP1 第1デイタイムランニングライト用配光パターン(第2配光パターン用)
DP2 第2デイタイムランニングライト用配光パターン(第2配光パターン用)
DP3 第3デイタイムランニングライト用配光パターン(第2配光パターン用)
DP4 第4デイタイムランニングライト用配光パターン(第2配光パターン用)
DP5 第5デイタイムランニングライト用配光パターン(第2配光パターン用)
O 点対象となる中心点
O1 発光チップの中心
F 固定リフレクタの反射面の基準焦点
F1 可動リフレクタの反射面の基準焦点
X 水平軸
Y 鉛直軸
Z 固定リフレクタの反射面の基準光軸
Z7 可動リフレクタの反射面の基準光軸
P1 第4セグメントと第5セグメントとの境界
P2 第3セグメントと第4セグメントとの境界
P3 第5セグメントと第6セグメントとの境界
P4 第2セグメントと第3セグメントとの境界
P5 第6セグメントと第7セグメントとの境界
I1 境界P1における発光チップの反射像
I2 境界P2における発光チップの反射像
I3 境界P3における発光チップの反射像
I4 境界P4における発光チップの反射像
I5 境界P5における発光チップの反射像
Z1 発光チップの中心から経度角が±40°以内の範囲
Z2 発光チップのエネルギー分布の範囲
Z3 高エネルギーの範囲
Z4 第1反射面による配光範囲
Z5 第2反射面による配光範囲
Z6 第3反射面による配光範囲
L1 第1ハイビーム用反射面に放射される光
L2 第2ハイビーム用反射面で反射された反射光
L3 ロービーム用反射面で反射された反射光
L4 第3ハイビーム用反射面で反射された反射光
L5 第1ハイビーム用反射面で反射された反射光
L6 半導体型光源から付加反射面に入射する光
L7 付加反射面からクロス反射する反射光
L8 中間無効反射面から反射する反射光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2個の光源・反射面ユニットから構成されている車両用灯具において、
第1半導体型光源と、前記第1半導体型光源からの光を所定の配光パターンとして反射照射する第1反射面と、から構成されている第1光源・反射面ユニットと、
第2半導体型光源と、前記第2半導体型光源からの光を所定の配光パターンとして反射照射する第2反射面と、から構成されている第2光源・反射面ユニットと、
前記第1光源・反射面ユニットと前記第2光源・反射面ユニットとの間に配置されていて、前記第1光源・反射面ユニットと前記第2光源・反射面ユニットとが保持されているホルダと、
前記第1反射面と前記第2反射面との間に連続して設けられていて、かつ、前記第1半導体型光源からの光および前記第2半導体型光源からの光が入射しない中間無効反射面と、
前記第1半導体型光源からの光および前記第2半導体型光源からの光を前記中間無効反射面に反射させる付加反射面と、
を備えることを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記第1反射面は、固定リフレクタに設けられている第1固定反射面と、可動リフレクタに設けられている第1可動反射面と、からなり、
前記第2反射面は、固定リフレクタに設けられている第2固定反射面と、可動リフレクタに設けられている第2可動反射面と、からなり、
前記第1固定反射面および前記第2固定反射面は、前記可動リフレクタが第1位置に位置するときに、所定の第1配光パターンを反射照射する第1配光パターン用固定反射面と、前記可動リフレクタが第2位置に位置するときに、所定の第2配光パターンを反射照射する第2配光パターン用固定反射面と、から構成されていて、
前記第1可動反射面および前記第2可動反射面は、前記可動リフレクタが第2位置に位置するときに、所定の第2配光パターンを反射照射する第2配光パターン用可動反射面から構成されていて、
前記中間無効反射面は、前記第1固定反射面の前記第1配光パターン用固定反射面より外側の前記第2配光パターン用固定反射面と前記第2固定反射面の前記第1配光パターン用固定反射面より外側の前記第2配光パターン用固定反射面との間に連続して設けられていて、
前記付加反射面は、前記第2位置に位置するときの前記可動リフレクタのうち、前記第1半導体型光源および前記第2半導体型光源のエネルギー分布中の高エネルギーの範囲以外の範囲に位置する、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記第1反射面は、固定リフレクタに設けられている第1固定反射面からなり、
前記第2反射面は、固定リフレクタに設けられている第2固定反射面からなり、
前記第1固定反射面および前記第2固定反射面は、所定の配光パターンを反射照射する反射面から構成されていて、
前記中間無効反射面は、前記第1固定反射面と前記第2固定反射面との間に連続して設けられていて、
前記付加反射面は、前記固定リフレクタのうち、前記第1半導体型光源および前記第2半導体型光源のエネルギー分布中の高エネルギーの範囲以外の範囲に位置する、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記請求項2に記載の前記固定リフレクタおよび前記可動リフレクタ、または、前記請求項3に記載の前記固定リフレクタは、回転放物面形状をなす、
ことを特徴とする請求項2または3に記載の車両用灯具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate


【公開番号】特開2011−238515(P2011−238515A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−110109(P2010−110109)
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【出願人】(000000136)市光工業株式会社 (774)
【Fターム(参考)】