説明

車両用点灯制御装置

【課題】 LEDが点灯した直後に発生するオーバーシュートを防止し、安全性の向上を図ることができる車両用点灯制御装置を提供すること。
【解決手段】 車両用点灯制御装置1は、調光信号に応じて光源部6に供給される駆動電流をオン・オフ制御するスイッチング手段4と、前記駆動電流を定電流制御する定電流制御手段2とを有する。定電流制御手段2は、スイッチング手段4をオン・オフ制御するスイッチ部14と、スイッチング手段4がオン制御している時に前記駆動電流に対応する電圧信号をスイッチ部14に出力し、スイッチング手段4がオフ制御している時に前記電圧信号を継続してスイッチ部14に出力するサンプルホールド回路12とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用点灯制御装置に関し、特に半導体発光素子で構成された半導体光源の点灯を制御する車両用点灯制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、PWM(Pulse Width Modulation)調光が可能なLED(発光ダイオード:Light Emitting Diode)定電流制御回路は、複数個のLEDからなる光源ユニットに対し、比較増幅器(以下、「オペアンプ」と呼ぶ。)、第1のスイッチとしての第1のNMOS(Negative Channel Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ、第2のスイッチとしての第2のNMOSトランジスタ及びシャント抵抗を有する。第1のNMOSトランジスタのゲートは第2のNMOSトランジスタのドレインに接続され、第1のNMOSトランジスタのドレインは、光源ユニットの下流(ローサイド)に直列に接続されている(例えば、特許文献1参照)。シャント抵抗は、光源ユニット及び第1のNMOSトランジスタと直列に接続されている。
【0003】
第1のNMOSトランジスタは、ゲート端子に入力される電圧に応じて光源ユニットに供給される電流を制御する。
【0004】
シャント抵抗は、光源ユニットに流れる電流に応じた電圧を検出する。ここで、シャント抵抗は光源ユニットに流れる電流(以下、「LED電流」と呼ぶ。)を前記シャント抵抗の両端に生じる電圧(以下、「検出電圧」と呼ぶ。)として検出する。
【0005】
オペアンプの反転入力端子(負入力端子)には検出電圧が印加され、オペアンプの非反転入力端子(正入力端子)には予め定められた基準電圧が印加される。オペアンプは、比較出力を第1のNMOSトランジスタのゲートに与える。オペアンプの負入力端子にシャント抵抗が検出した検出電圧が印加されると、オペアンプは、該検出電圧と非反転入力端子(正入力端子)に印加された基準電圧とを比較し、この比較結果に応じた電圧(比較出力)を第1のNMOSトランジスタのゲートに印加して第1のNMOSトランジスタのオン・オフ動作を制御している。
【0006】
第2のNMOSトランジスタは、それぞれハイレベル(H)又はローレベル(L)のPWM信号を受け取り、ローレベル(L)又はハイレベル(H)の制御信号を出力する。
【0007】
第2のNMOSトランジスタは、PWM信号のオフ時には、ハイレベル(H)のPWM信号を受け取りオン状態となる。このときオペアンプの出力はハイレベルに保持され第1のNMOSトランジスタはオフ状態となりLED電流は流れない。
【0008】
第2のNMOSトランジスタは、PWM信号のオン時には、ローレベル(L)のPWM信号を受け取りオフ状態となり、第1のNMOSトランジスタはオン状態となり、LEDに電流が流れる。このときオペアンプの出力はシャント抵抗が検出した検出電圧とオペアンプの正入力端子に印加されている基準電圧とを比較演算した結果の比較出力となる。
【0009】
上記したようにPWM信号のオン・オフに応じて定電流制御を行うことにより、LED電流を予め定められた電流値に保持(LEDの調光制御)し、LEDを適切な明るさになるように点灯させることができる。
【0010】
【特許文献1】特開2004−134147号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記した従来技術においては、PWM信号がオンになった後に、オペアンプの比較出力が急激に立ち下り、より電流値の大きいLED電流を流そうとする。そのためDC電源をオンしてからLED電流の電流値がオペアンプの比較出力に応じた所望の電流値に落ち着くまでの間にLED電流が急激に立ち上がり、オーバーシュートが発生してしまう。
【0012】
また、オペアンプの出力が急激に変化するのでオペアンプが発振しやすくなる。コンデンサを用いて位相補償を大きくしてオペアンプの発振を防止しようとすると、LED電流のオーバーシュートの期間が長くなりフィードバック制御がPWM信号に追従できずオペアンプの応答性が悪くなる。特に、PWM信号のオンデューティが短くなった時にはオン・オフ制御が行えず定電流制御ができない。
【0013】
また、LEDのカソード側で定電流制御を行うため、LEDのカソード地絡を考慮する必要があり回路構成が複雑になる。
【0014】
さらに、LEDのアノード側が地絡した場合には、LEDにLED電流を供給するLED駆動部に大電流が流れLED駆動部が故障してしまう。
【0015】
そこで、本発明は、LEDが点灯した直後に発生するオーバーシュートを防止し、安全性の向上を図ることができる車両用点灯制御装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の第1の態様による車両用点灯制御装置は、調光信号に応じて半導体光源に供給される駆動電流をオン・オフ制御するスイッチング手段と、前記駆動電流を定電流制御する定電流制御手段とを有する車両用点灯制御装置において、前記定電流制御手段は、前記スイッチング手段をオン・オフ制御するスイッチ部と、前記スイッチング手段がオン制御している時に前記駆動電流に対応する電圧信号を前記スイッチ部に出力し、前記スイッチング手段がオフ制御している時に前記電圧信号を継続して前記スイッチ部に出力する信号保持部とを有するようにしたものである。
【0017】
したがって、調光信号に応じて半導体光源に供給される駆動電流をオン・オフスイッチングによるPWM調光制御が行われ、オン制御されている時に前記半導体光源に供給される駆動電流に対応する電圧信号が前記スイッチ部に出力され、オフ制御している時に前記電圧信号が継続して前記スイッチ部に出力される。
【発明の効果】
【0018】
本発明車両用点灯制御装置は、調光信号に応じて半導体光源に供給される駆動電流をオン・オフ制御するスイッチング手段と、前記駆動電流を定電流制御する定電流制御手段とを有する車両用点灯制御装置において、前記定電流制御手段は、前記スイッチング手段をオン・オフ制御するスイッチ部と、前記スイッチング手段がオン制御している時に前記駆動電流に対応する電圧信号を前記スイッチ部に出力し、前記スイッチング手段がオフ制御している時に前記電圧信号を継続して前記スイッチ部に出力する信号保持部とを有することを特徴とする。
【0019】
従って、PWM調光制御の点灯制御状態におけるLED電流の立ち上がりの際におけるオーバーシュートの発生を防止することができ、PWM調光制御のためのスイッチング手段として機能するトランジスタの発振を防止することができ、安全性の向上を図ることができる。
【0020】
請求項2に記載した発明にあっては、前記信号保持部がオフ制御直前のオン制御時における前記電圧信号を保持して出力するので、PWM調光制御の点灯制御状態から消灯制御状態に遷移する際におけるオペアンプの入力電圧がローレベルになることを防止することができ、オペアンプの出力電圧を一定レベルに保つことができる。
【0021】
請求項3に記載した発明にあっては、前記スイッチング手段は前記半導体光源の正極側に直列接続されているので、LEDのカソード側をグラウンドに接続することが可能となり、カソード側の地絡による異常を検出する必要がなくなる。
【0022】
請求項4に記載した発明にあっては、前記信号保持部は、電源電圧が入力された後に前記オン制御時における前記電圧信号の電圧値より大きい電圧値をもつ電圧信号を前記スイッチ部に出力しているので、PWM調光制御の点灯制御状態におけるLED電流の立ち上がりの際におけるオーバーシュートの発生を防止することができる。
【0023】
請求項5に記載した発明にあっては、前記信号保持部がオン制御時に電流制御部を少なくとも電圧利得1倍で制御しているので、PWM信号に追従できるレベルまでオペアンプの応答性を速くしても発振を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に、本発明の実施の形態に係る車両用点灯制御装置について図1〜図4を参照して説明する。
【0025】
車両用点灯制御装置1は定電流回路2とスイッチング手段4とを有して構成されている。
【0026】
定電流回路2は、電流検出回路11と、サンプルホールド回路12と、オペアンプ(比較増幅器)13と、スイッチ部3とを有して構成されている。
【0027】
サンプルホールド回路12は、信号保持部として機能し、NMOSトランジスタ21、NPNトランジスタ22、プルアップ電源Vcc、抵抗R8及びコンデンサC1,C2を含んで構成されている。NMOSトランジスタ21のドレインはオペアンプの反転入力端子(負入力端子)に接続されている。NMOSトランジスタ21のゲートはNPNトランジスタ22のコレクタに接続されている。NPNトランジスタ22のベースはPWM信号を発生するPWM信号発生器(図示せず)の出力側と接続されている。
【0028】
オペアンプ13の非反転入力端子(正入力端子)には直流電源25が接続されている。
【0029】
スイッチ部3はNPNトランジスタ14を有して構成されている。NPNトランジスタ14のベースはオペアンプ13の出力端子に接続されている。
【0030】
スイッチング手段4はPMOS(Positive Channel Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ17とハイサイドスイッチ部5とを含んで構成されている。ハイサイドスイッチ部5はNPNトランジスタ15及びPNPトランジスタ16を有して構成されている。
【0031】
NPNトランジスタ15のベースは前記PWM信号発生器の出力側に接続され、コレクタはPNPトランジスタ16のベース及び抵抗R11に接続されている。PNPトランジスタ16のコレクタはNPNトランジスタ14のコレクタとPMOSトランジスタ17のゲートに接続されている。
【0032】
PMOSトランジスタ17のドレインは出力端子27を介して光源部6に接続されている。光源部6はLED40−1〜40−Nを有して構成されている。LED40−1のアノードは光源入力端子29を介して出力端子27に接続されている。LED40−Nのカソードは光源入力端子30を介して出力端子28に接続されている。
【0033】
以下に、車両用点灯制御装置1の動作について図3及び図4のタイミングチャートを参照して説明する。
【0034】
電源(図示せず)から電源入力端子7を介して直流(DC)電圧VINが供給されると、シャント抵抗R1を介して電流検出回路11によって電流検出が行われる。電流検出回路11はシャント抵抗R1を介して検出電圧Vdをサンプルホールド回路12に供給する。ここで、シャント抵抗R1はスイッチングレギュレータ(図示せず)からLED40−1〜40−Nに供給されるLED電流をシャント抵抗R1の両端に生じる検出電圧Vdとして検出する。検出電圧Vdのサンプルホールド回路への供給によって光源部6の調光制御はスタンバイ状態(待機状態)になる(t区間)。なお、スタンバイ状態の時には検出電圧Vdはローレベルである。
【0035】
PWM発生器から出力される調光信号としてのPWM信号Pinは、最初にローレベル信号として入力されるが、前記スタンバイ状態になったと同時にハイレベル信号に遷移する。それ以後、所定のデューティ比(オンデューティとオフデューティの割合)になるようにローレベル信号とハイレベル信号が交互に出力され、LEDの調光が行われる(図3(a)参照)。
【0036】
NPNトランジスタ22のベースに入力されるPWM信号Pinは、スタンバイ状態ではハイレベル信号であるので、NPNトランジスタ22はオン状態となりNMOSトランジスタ21はオフ状態となる。したがって、検出電圧Vdはサンプルホールド回路12から出力されずプルアップ電源Vccからプルアップ電圧がコンデンサC1及びコンデンサC2を介して送出される。オペアンプ13の負入力端子には入力電圧Vinが入力される。
【0037】
オペアンプ13に入力された入力電圧Vinがオペアンプ13の正入力端子に入力される基準電圧の値よりも大きい値になり、かつ、検出電圧Vdよりも大きい値になるようにプルアップ電源Vccの電圧値、コンデンサC1とコンデンサC2の容量があらかじめ設定されている(図3(b),図4(e)参照)。したがって、オペアンプ13の出力電圧Voutは依然としてローレベルのままである(図3(c),図4(f)参照)。
【0038】
その後に、PWM信号Pinがローレベル信号として入力されると(図3及び図4のt区間)、サンプルホールド回路12はPWM信号Pinに同期してサンプル機能を実行する。
【0039】
NPNトランジスタ22のベースに入力されるPWM信号Pinはローレベル信号であるので、NPNトランジスタ22はオフ状態となり、プルアップ電源Vccからプルアップ電圧が抵抗R6を介してNMOSトランジスタ21のゲートに供給される。したがって、NMOSトランジスタ21はオン状態となり、検出電圧Vdはオペアンプ13の入力電圧Vinとしてオペアンプ13の負入力端子に入力される。そして、オペアンプの出力電圧Voutは検出電圧Vdと基準電圧が等しくなるようにVdと基準電圧を比較演算した演算結果となる。この演算信号(ハイレベルとローレベルの間のアナログ信号)はスイッチ部として機能するNPNトランジスタ14のゲートに供給され、NPNトランジスタ14はオン状態となる。
【0040】
NPNトランジスタ15はローレベルのPWM信号Pinを受けてオフ状態となり、PNPトランジスタ16もオフ状態となり、PMOSトランジスタ17はオン状態となる。したがって、PMOSトランジスタ17のソース−ドレイン間は導通しLED40−1〜40−Nを駆動させるためのオペアンプ出力電圧に応じたLED電流が供給される(図3(d))。
【0041】
その後に、PWM信号Pinがハイレベル信号として入力されると(図3及び図4のt区間)、サンプルホールド回路12はPWM信号Pinに同期してLED消灯状態に遷移させるようにホールド機能を実行する。
【0042】
NPNトランジスタ22のベースに入力されるPWM信号Pinはハイレベル信号であるので、NPNトランジスタ22はオン状態となり、NMOSトランジスタ21はオフ状態となる。そのためオペアンプ13の入力電圧Vinは、直前の点灯状態の電圧が維持されることになり、オペアンプの出力電圧はVoutは点灯状態における演算結果(出力電圧)を維持する(図3(c),図4(f)参照)。
【0043】
NPNトランジスタ15はハイレベルのPWM信号Pinを受け、オン状態となり、PNPトランジスタ16もオン状態となり、PMOSトランジスタ17はオフ状態となる。したがって、PMOSトランジスタ17のソース−ドレイン間は導通せず、LED40−1〜40−Nへの駆動電流の供給は停止する(図3(d))。
【0044】
その後のt区間は上記したt区間における動作と同じであり、t区間は上記したt区間における動作と同じである。以降PWM信号Pinが供給され続ける限りt区間における動作とt区間における動作が繰り返される。
【0045】
本実施の形態における車両用点灯制御装置1においてはスタンバイ状態からローレベルのPWM信号Pinが供給されるとそれ以後PWM信号Pinの供給が停止されるまでオペアンプ13の出力電圧Voutは一定電圧のまま変動しない。
【0046】
なお、上記実施の形態では、スイッチング手段4及びスイッチ部3をエミッタホロワとして機能させているが、PMOSトランジスタ17の代わりにNPNトランジスタを用い、NPNトランジスタ14の代わりにNMOSトランジスタを用いてソースホロワとして機能させても良い。
【0047】
以上に記載したとおり、本実施の形態によれば、スタンバイ状態(区間t)においてオペアンプ13の入力電圧Vinの値を電流検出回路11で検出された検出電圧Vdより大きい値になるようにサンプルホールド回路12を動作させている。このため、スタンバイ状態から点灯状態(区間t)に移行した直後におけるオペアンプ13の入力電圧Vinは基準電圧25より大きい値となり、その後、検出電圧Vdが維持される。すなわち、消灯状態(区間t)、点灯状態(区間t)、消灯状態(区間t)・・・におけるオペアンプ13の入力電圧Vinは検出電圧Vdのまま変動しない。したがって、点灯状態におけるLED電流の立ち上がりの際にオーバーシュートは発生しない(図3(d)参照)。
【0048】
また、本実施の形態によれば、スイッチング手段4が光源部6の上流側(ハイサイド)に設けられているため、オペアンプ13の出力はスイッチ部3を介して制御される。すなわち、ハイサイドに設けられたスイッチング手段4を制御することによって、オペアンプ13の出力に対するハイサイドに設けられたスイッチング手段4を構成するPMOSトランジスタのゲート電圧利得を少なくとも等倍にすることができるのでフィードバック制御の発振異常を防止することができる。
【0049】
また、本実施の形態によれば、ハイサイドでLED電流を検出する構成となっているので、LED40−1〜40−Nのカソード側をグラウンド(GND)に接続することが可能となる。したがって、LED40−1〜40−Nのカソード側の地絡による異常を検出する必要がなくなる。
【0050】
また、本実施の形態によれば、複数のLED40−1〜40−Nのアノード側の地絡による異常に対して定電流回路1に過大電流が流れないため、安全性の向上を図ることができる。
【0051】
次に、上記した実施の形態に係る車両用点灯制御装置を用いた車両用点灯制御システムについて説明する。図5は車両用点灯制御システム10の構成を示した図である。
【0052】
車両用点灯制御システム10は、上記した実施の形態に係る車両用点灯制御装置1及び光源部6を複数備えて構成されたものである。したがって、以下の説明においては、上記した第1の実施の形態と同様の箇所については簡単に説明する。
【0053】
車両用点灯制御システム10は、車両用点灯制御装置1−1〜1−N及び光源部6−1〜6−Nを含んで構成されている。電源入力端子7は各車両用点灯制御装置1−1〜1−N内の電流検出回路11に接続され、PWM信号入力端子8−1〜8−Nはそれぞれ各車両用点灯制御装置1−1〜1−N内のサンプルホールド回路12及びハイサイドスイッチ部5に接続されている。
【0054】
電源(図示せず)から電源入力端子7を介して直流(DC)電圧VINが供給されると、各車両用点灯制御装置1−1〜1−N内のシャント抵抗R1を介して電流検出回路11によって電流検出が行われる。電流検出回路11は検出電圧Vdをサンプルホールド回路12に供給する。
【0055】
デューティ比の異なるPWM信号PinがそれぞれPWM信号入力端子8−1〜8−Nを介して各車両用点灯制御装置1−1〜1−N内のサンプルホールド回路12及びハイサイドスイッチ部5に入力される。
【0056】
各車両用点灯制御装置1−1〜1−Nは上記した実施の形態に係る車両用点灯制御装置1と同様の動作を行い、各光源部2−1〜2−N内のLED40−1〜40−NのPWM調光制御を行う。
【0057】
車両用点灯制御システム10は、上記したようにデューティ比の異なるPWM信号Pinの入力を車両用点灯制御装置1−1〜1−Nに各別に行うことができるので、上記した実施の形態における効果を奏する他に、複数の光源部2−1〜2−N毎にPWM調光制御を行うことができる。
【0058】
上記した実施の形態は、本発明を好適に実施した形態の一例に過ぎず、本発明は、その主旨を逸脱しない限り、種々変形して実施することが可能なものである。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施の形態に係る車両用点灯制御装置の構成を示した図である。
【図2】サンプルホールド回路の構成を説明するための図である。
【図3】車両用点灯制御装置の動作を説明するためのタイミングチャート図である。
【図4】サンプルホールド回路の動作を説明するためのタイミングチャート図である。
【図5】車両用点灯制御装置を含んで構成された車両用点灯制御システムの構成を示した図である。
【符号の説明】
【0060】
1…車両用点灯制御装置、2…定電流回路、3…スイッチ部、4…スイッチング手段、5…ハイサイドスイッチ部、6,6−1〜6−N…光源部、7…電源入力端子、8,8−1〜8−N…PWM信号入力端子、11…電流検出回路、12…サンプルホールド回路、13…オペアンプ、14,15,22…NPNトランジスタ、16…PNPトランジスタ、17…PMOSトランジスタ、21…NMOSトランジスタ、25…直流電源、27,27−1〜27−N,28…出力端子、29,29−1〜29−N,30…光源入力端子、40−1〜40−N…LED

【特許請求の範囲】
【請求項1】
調光信号に応じて半導体光源に供給される駆動電流をオン・オフ制御するスイッチング手段と、前記駆動電流を定電流制御する定電流制御手段とを有する車両用点灯制御装置において、
前記定電流制御手段は、
前記スイッチング手段をオン・オフ制御するスイッチ部と、
前記スイッチング手段がオン制御している時に前記駆動電流に対応する電圧信号を前記スイッチ部に出力し、前記スイッチング手段がオフ制御している時に前記電圧信号を継続して前記スイッチ部に出力する信号保持部とを有する
ことを特徴とする車両用点灯制御装置。
【請求項2】
前記信号保持部は、オフ制御直前のオン制御時における前記電圧信号を保持して出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用点灯制御装置。
【請求項3】
前記スイッチング手段は前記半導体光源の正極側に直列接続されている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用点灯制御装置。
【請求項4】
前記信号保持部は、電源電圧が入力された後に前記オン制御時における前記電圧信号の電圧値より大きい電圧値をもつ電圧信号を前記スイッチ部に出力する
ことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の車両用点灯制御装置。
【請求項5】
前記信号保持部は、オン制御時に電流制御部を少なくとも電圧利得1倍で制御する
ことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載の車両用点灯制御装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2009−205846(P2009−205846A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−44650(P2008−44650)
【出願日】平成20年2月26日(2008.2.26)
【出願人】(000001133)株式会社小糸製作所 (1,575)
【Fターム(参考)】