説明

車両用照明灯の制御装置

【課題】キーレスリモコンを操作してドアロックの開錠を行ったときに、車両周辺が明るい昼間等の場合には、車両に設けた照明灯を点灯させることなく非点灯状態に保持することができる車両用照明灯の制御装置を提供する。
【解決手段】車両周辺の照度を検知する照度検知センサ5を備え、制御部4は、キーレス受信機2がキーレスリモコン1から送信された開錠信号を受信したときに、照度検知センサ5で検知した照度情報に基づいて車両周辺の照度が予め設定した設定照度以上の場合と判断した場合には、ルームランプ6やドアミラーランプ11など照明灯を点灯させることなく非点灯状態に保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に設けられているルームランプやドアミラーの下部近傍に設けたドアミラーランプなどの照明灯の点灯制御を行う車両用照明灯の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、キーをドアの鍵穴に差し込まなくとも、キーレスリモコンの操作によって離れた位置からドアロックの開錠(ロック解除)および施錠を行うことができる、所謂キーレスエントリーシステムを装備した車両(自動車)が普及している。
【0003】
このようなキーレスエントリーシステムを装備した車両(自動車)では、車両の近くでキーレスリモコンを所持した運転者などがキーレスリモコンを操作して、車両側のキーレス受信機にキーレス信号(電波)を出力してドアロックの開錠(ロック解除)を行ったときに、この開錠に連動してドアミラーの下部に設けたドアミラーランプやルームランプなどを点灯させるように制御する車両も従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−206138号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1のようなキーレスエントリーシステムを装備した車両(自動車)では、キーレスリモコンを操作してドアロックの開錠を行うと、それに連動して常にドアミラーの下部に設けたドアミラーランプやルームランプなどの照明灯が点灯するため、夜間の場合はこれらの照明灯の点灯が役に立つが、昼間などの周囲が明るい場合はこれらの照明灯の点灯は無駄なバッテリー電力を消費するだけである。
【0005】
そこで、本発明は、キーレスリモコンを操作してドアロックの開錠を行ったときに、車両周辺が明るい昼間等の場合には、車両に設けた照明灯を点灯させることなく非点灯状態に保持することができる車両用照明灯の制御装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために本発明は、キーレスリモコンから送信される開錠信号を受信するキーレス受信部と、前記キーレス受信部で受信した開錠信号に基づいて車両のドアロックを開錠するようにドアスイッチを制御する制御手段を有し、前記制御手段は、前記ドアロックの開錠時に車両に設けている照明灯が点灯するように制御を行う車両用照明灯の制御装置において、車両周辺の照度を検知する照度検知手段を備え、前記制御手段は、前記キーレス受信部が前記キーレスリモコンから送信された開錠信号を受信したときに、前記照度検知手段で検知した照度情報に基づいて車両周辺の照度が予め設定した設定照度以上であると判断した場合には、前記照明灯を点灯させることなく非点灯状態に保持するように制御することを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、キーレスリモコンを操作してドアロックの開錠を行ったときに、車両周辺が明るい昼間等の場合には、車両に設けた照明灯を点灯させることなく非点灯状態に保持することができるので、無駄なバッテリー電力の消費をなくすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を図示の実施形態に基づいて説明する。
〈実施形態1〉
図1は、本発明の実施形態1に係る車両用照明灯の制御装置を示すブロック図である。
【0009】
図1に示すように、本実施形態に係る車両用照明灯の制御装置は、運転者などの操作者が所持しているキーレスリモコン1から送信されるキーレス信号(開錠信号および施錠信号)を受信するキーレス受信機2と、キーレス受信機2で受信したキーレス信号に基づいて、ドアロックアクチュエータ(不図示)を有するドアスイッチ3を操作してドアロックの開錠・施錠制御を行う制御部4と、車両(自動車)周辺の照度を検知する照度検知センサ5と、制御部4からの信号に基づいて、車両に設けられている照明灯6をON(点灯)/OFF(消灯)させるスイッチ部7を備えている。
【0010】
照度検知センサ5は、図2に示すように、例えば車両8のフロントウインドウ上部に設置されており、車両8周辺の照度を検知する。照度検知センサ5としては、例えばフォトトランジスタを用いることができる。照明灯6は、本実施形態では車内天井に設けたルームランプ9と、ドアミラー10の下部に設けたドアミラーランプ11である。ドアミラーランプ11は、車両側面付近の路面を照明する。また、キーレス受信機2、制御部4は、車両8のインストルメントパネル(不図示)内に設置されている。
【0011】
次に、前記した本実施形態に係る車両用照明灯の制御装置による制御動作を、図3に示すフローチャートを参照して説明する。
【0012】
先ず、ドアロックが施錠状態にある車両8内のキーレス受信機2は、開錠信号受信待機状態にあり、車両8の近くにいるキーレスリモコン1を所持した運転者などの操作者がこのキーレスリモコン1を操作して、キーレスリモコン1のアンテナ1aから開錠信号(キーレス信号)が出力されると、車両8側のキーレス受信機2のアンテナ2aで開錠信号を受信し(ステップS1:YES)、この受信信号が制御部4に出力される。
【0013】
制御部4は、入力される受信信号に基づいてドアスイッチ3に開錠信号を出力することにより、ドアロックアクチュエータ(不図示)が作動してドアロック(図2のセダンタイプの車両8では、運転席側および助手席側の各ドアのドアロック)を開錠(ロック解除)する(ステップS2)。
【0014】
そして、ステップS2でドアロックが開錠(ロック解除)されると、照度検知センサ5により車両周辺の照度を検知する(ステップS3)。制御部4は、照度検知センサ5から出力される検知信号に基づいて、夜間や昼間でも暗い場所などで、車両周辺の照度が予め設定している設定照度以下である場合は(ステップS4:YES)、スイッチ部7に点灯信号を出力して、照明灯6としてのルームランプ9、ドアミラーランプ11を点灯させる(ステップS5)。
【0015】
そして、制御部4は、ルームランプ9およびドアミラーランプ11が点灯してから所定時間が経過した後にスイッチ部7に信号を出力して(ステップS6:YES)、照明灯6としてのルームランプ9およびドアミラーランプ11を消灯させる(ステップS7)。
【0016】
なお、ステップS6において、ルームランプ9およびドアミラーランプ11が点灯してから所定時間が経過する前でも、キーレスリモコン1を所持した運転者(操作者)や他の人がドアを開けたときには、ドアの開に応じて出力されるドア開信号に基づいてルームランプ9およびドアミラーランプ11が消灯される。
【0017】
また、ステップS4において、昼間や夜間でも明るい場所などで、車両周辺の照度が予め設定している設定照度以上である場合は(ステップS4:NO)、スイッチ部7に消灯信号を出力して、照明灯6としてのルームランプ9、ドアミラーランプ11を非点灯状態に保持する(ステップS8)。
【0018】
このように、本実施形態に係る車両用照明灯の制御装置によれば、キーレスリモコン1から送信される開錠信号に基づいてドアロックが開錠されたときに、車両8周辺の照度が予め設定している設定照度以上で明るい場合には、車両8のルームランプ9およびドアミラーランプ11を非点灯状態に保持することにより、無駄なバッテリー電力の消費をなくすことができる。
【0019】
また、前記実施形態では、キーレスリモコンから送信される開錠信号(キーレス信号)に基づいてドアロックが開錠されたときに車両の照明灯(ルームランプ、ドアミラーランプなど)が点灯する構成であったが、運転者等がキーをドアの鍵穴に差し込んで手操作でドアロックを開錠して、ドアを開いたときに出力されるドア開信号に車両の照明灯(ルームランプ、ドアミラーランプなど)が点灯する構成の車両においても、同様に本発明を適用することができる。
【0020】
更に、前記実施形態では、車両の照明灯がルームランプとドアミラーランプの場合であったが、車両の照明灯としては、これ以外にも例えば、ドア付近の車内側の照明するランプやワンボックス車等のラゲッジルームを照明するランプなどの場合においても、同様に本発明を適用することができる。
【0021】
〈実施形態2〉
図4は、本発明の実施形態2に係る車両用照明灯の制御装置を示すブロック図である。
【0022】
図4に示すように、本実施形態に係る車両用照明灯の制御装置では、年月日情報を含む時間情報がのせてある標準電波を受信する標準電波受信機12を有しており、制御部4は、標準電波受信機12で受信した標準電波から月日情報を検出する。標準電波受信機12は、車両のインストルメントパネル内に設置されている。また、照明灯6としてのルームランプ9、ドアミラーランプ11は、制御部4からの信号に基づいて、緑色、青色、黄色、白色のいずれかの点灯色に切り替えて点灯可能に構成されている。他の構成は、図1に示した実施形態1の車両用照明灯の制御装置と同様であり、重複する説明は省略する。
【0023】
次に、本実施形態に係る車両用照明灯の制御装置による制御動作を、図5に示すフローチャートを参照して説明する。なお、本実施形態においても、ドアロックが開錠(ロック解除)されたときにおいて、制御部4は、照度検知センサ5から出力される検知信号に基づいて、車両周辺の照度が予め設定している設定照度以下で暗い場合は、照明灯6としてのルームランプ9、ドアミラーランプ11が点灯され、車両周辺の照度が予め設定している設定照度以上で明るい場合は照明灯6としてのルームランプ9、ドアミラーランプ11が非点灯状態に保持される。
【0024】
以下の説明では、キーレスリモコン1から送信される開錠信号(キーレス信号)に基づいてドアロックが開錠されたときに、車両周辺の照度が予め設定している設定照度以下で暗い状況で、照明灯6としてのルームランプ9、ドアミラーランプ11が点灯される場合である。
【0025】
先ず、ドアロックが施錠状態にある車両内のキーレス受信機2は、開錠信号受信待機状態にあり、車両の近くにいるキーレスリモコン1を所持した運転者などの操作者がこのキーレスリモコン1を操作して、キーレスリモコン1のアンテナ1aから開錠信号(キーレス信号)が出力されると、車両側のキーレス受信機2のアンテナ2aで開錠信号を受信し(ステップS11:YES)、受信信号が制御部4に出力される。
【0026】
制御部4は、入力される受信信号に基づいてドアスイッチ3に開錠信号を出力することにより、ドアロックアクチュエータ(不図示)が作動してドアロックを開錠する(ステップS12)。この際、本実施形態では、車両周辺の照度が予め設定している設定照度以下で暗い状況で、照明灯6としてのルームランプ9、ドアミラーランプ11が点灯された場合である。
【0027】
そして、標準電波受信機12のアンテナ12aで標準電波を受信し(ステップS13)、受信に成功した場合は(ステップS14:YES)、この受信信号が制御部4に出力される。
【0028】
そして、制御部4は、標準電波受信機12で受信した標準電波から月日情報を検出し(ステップS15)、月日情報から季節が春と判断した場合は(ステップS16:YES)、照明灯6としてのルームランプ9、ドアミラーランプ11の点灯色が緑色となるように制御して、ルームランプ9、ドアミラーランプ11を緑色に点灯させる(ステップS17)。
【0029】
そして、ステップS16で、月日情報から季節が春でないと判断した場合に(ステップS16:NO)、ステップS18で季節が夏と判断した場合は(ステップS18:YES)、照明灯6としてのルームランプ9、ドアミラーランプ11の点灯色が青色となるように制御して、ルームランプ9、ドアミラーランプ11を青色に点灯させる(ステップS19)。
【0030】
そして、ステップS18で、月日情報から季節が夏でないと判断した場合に(ステップS16:NO)、ステップS20で季節が秋と判断した場合は(ステップS20:YES)、照明灯6としてのルームランプ9、ドアミラーランプ11の点灯色が黄色となるように制御して、ルームランプ9、ドアミラーランプ11を黄色に点灯させる(ステップS21)。
【0031】
そして、ステップS20で、月日情報から季節が秋でないと判断した場合に(ステップS20:NO)、ステップS22で季節が冬と判断した場合は(ステップS22:YES)、照明灯6としてのルームランプ9、ドアミラーランプ11の点灯色が白色となるように制御して、ルームランプ9、ドアミラーランプ11を白色に点灯させる(ステップS22)。なお、ステップS20で、月日情報から季節が冬でない判断した場合には(ステップS22:NO)、再度ステップS15に戻る。
【0032】
そして、制御部4は、ステップS17、S19、S20、S23のいずれかで照明灯(ルームランプ9およびドアミラーランプ11)が点灯してから所定時間が経過した後にスイッチ部7に信号を出力して(ステップS24:YES)、照明灯6としてのルームランプ9およびドアミラーランプ11を消灯させる(ステップS25)。
【0033】
なお、ステップS24において、ルームランプ9およびドアミラーランプ11が点灯してから所定時間が経過する前でも、キーレスリモコン1を所持した運転者(操作者)や他の人がドアを開けたときには、ドアの開に応じて出力されるドア開信号に基づいてルームランプ9およびドアミラーランプ11が消灯される。
【0034】
このように、本実施形態に係る車両用照明灯の制御装置によれば、ドアロックが開錠されたときに、受信した標準電波から検出した月日情報から四季(春、夏、秋、冬)を判断して、判断した四季(春、夏、秋、冬)に応じて、複数の点灯色(本実施形態では、緑色、青色、黄色、白色)から選択した点灯色で照明灯(ルームランプ9、ドアミラーランプ11)を点灯させることができるので、ユーザがキーレスリモコンを操作してドアを開錠(ロック解除)したときの新たな楽しみを与えることができる。
【0035】
なお、本実施形態では、春、夏、秋、冬に応じて、緑色、青色、黄色、白色から選択した点灯色で照明灯(ルームランプ9、ドアミラーランプ11)を点灯させる構成であったが、点灯色はこれらの色に限らず、任意の複数の異なる点灯色でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施形態1に係る車両用照明灯の制御装置を示すブロック図。
【図2】本発明の実施形態1に係る車両用照明灯の制御装置を備えた車両を示す側面図。
【図3】本発明の実施形態1に係る車両用照明灯の制御装置による制御動作を示すフローチャート。
【図4】本発明の実施形態2に係る車両用照明灯の制御装置を示すブロック図。
【図5】本発明の実施形態2に係る車両用照明灯の制御装置による制御動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0037】
1 キーレスリモコン
2 キーレス受信機
3 ドアスイッチ
4 制御部
5 照度検知センサ
6 照明灯
7 スイッチ部
8 車両
9 ルームランプ
11 ドアミラーランプ
12 標準電波受信機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キーレスリモコンから送信される開錠信号を受信するキーレス受信部と、前記キーレス受信部で受信した開錠信号に基づいて車両のドアロックを開錠するようにドアスイッチを制御する制御手段を有し、前記制御手段は、前記ドアロックの開錠時に車両に設けている照明灯が点灯するように制御を行う車両用照明灯の制御装置において、
車両周辺の照度を検知する照度検知手段を備え、
前記制御手段は、前記キーレス受信部が前記キーレスリモコンから送信された開錠信号を受信したときに、前記照度検知手段で検知した照度情報に基づいて車両周辺の照度が予め設定した設定照度以上であると判断した場合には、前記照明灯を点灯させることなく非点灯状態に保持するように制御する、
ことを特徴とする車両用照明灯の制御装置。
【請求項2】
前記照明灯は、複数の異なる点灯色のうちからいずれかの点灯色に切り替えて点灯可能であり、また、年月日情報を含む時間情報がのせてある標準電波を受信する標準電波受信機をさらに有し、
前記制御手段は、前記キーレス受信部が前記キーレスリモコンから送信された開錠信号を受信したときに、前記標準電波受信機で受信した標準電波から検出した月日情報に基づいて、前記複数の異なる点灯色から選択した点灯色で前記前記照明灯が点灯するように制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用照明灯の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−183978(P2008−183978A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−17845(P2007−17845)
【出願日】平成19年1月29日(2007.1.29)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】