説明

車両用照明装置、車両用照明制御方法、及び車両用照明制御プログラム

【課題】自車両から照射された光に対する配光制御を防止することを目的とする。
【解決手段】前照灯から照射される光を変調して光信号を照射し、カメラによって前方を撮影する(100、102)。また、カメラ18の撮影画像から光輝点を特定すると共に光信号を検出し(104)、撮影画像から光信号が検出された光輝点以外の光輝点を抽出する(106)。そして、抽出された光輝点に対応する前照灯の配光範囲の分割領域を特定し(110)、特定した分割領域を消灯しそれ以外の分割領域を点灯する(112)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用照明装置、車両用照明制御方法、及び車両用照明制御プログラムにかかり、特に、前照灯等の車両用照明の配光を制御する車両用照明装置、車両用照明制御方法、及び車両用照明制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
前照灯等の車両用照明の配光を制御する車両用照明装置としては、例えば、特許文献1に記載の技術が提案されている。
【0003】
特許文献1に記載の技術では、それぞれが異なる領域を照らし、全体として主配光部及び周辺配光部を含む所定の配光パターンを形成する複数の光源と、車両の前方を撮像するカメラと、カメラで取得された画像に基づいて、当該車両の走行にとって危険な物体を危険物として判断する危険物判断部と、危険物判断部が判断した危険物が主配光部の外側にある場合に、複数の光源の向きを変化させて危険物を照らす光源制御部と、を備えることが提案されている。
【0004】
また、特許文献1に記載の技術では、カメラの画像から対向車のヘッドライトの明かりを検出し、配光パターンのうち対向車線側に向けられている光源の明るさを下げることによって、対向車に対するグレア光を低減することが記載されている。
【特許文献1】特開2006−21631号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、カメラの画像から対向車のヘッドライトを検出する際に、自車両が照射した光が、ミラー等の反射物に反射した光を検出して、対向車のヘッドライトと判断してしまうことが考えられ、この場合には、自車両に対して配光制御を行うことになってしまう。
【0006】
本発明は、上記事実を考慮して成されたもので、自車両から照射された光に対する配光制御を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、配光を変更可能な車両用照明手段と、車両周囲の光を受光する受光手段と、前記受光手段の受光結果に基づいて、前記車両用照明手段から照射された光か否かを判断する判断手段と、前記判断手段によって前記車両用照明手段から照射された光ではないと判断された場合に、前記車両用照明手段の配光を制御する制御手段と、を備えることを特徴としている。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、車両用照明手段は、複数に分割した配光領域のそれぞれの分割領域毎に配光が変更可能とされている。車両用照明手段は、例えば、車両用の前照灯を適用することができる。また、車両用照明手段は、例えば、LED光源などの光源を複数備えて各光源によって分割領域に分割可能としたものや、光源からの光をDMD(Digital Micromirror Device)や液晶素子等の光変調素子を用いて分割可能としたものや、シャッタ等を用いて分割可能としたものなどを適用することが可能である。
【0009】
受光手段では、車両周囲の光を受光する。すなわち、受光手段は、車両周囲の車両(例えば対向車)等から照射される光を受光する。
【0010】
また、判断手段では、受光手段の受光結果に基づいて、例えば自車両の車両用照明手段から照射された光の反射光か否かが判断され、制御手段では、判断手段によって車両用照明手段から照射された光の反射光ではないと判断された場合に、受光手段によって受光した光の方向に照射する光が減光または非照射となるように車両用照明手段の配光が制御される。例えば、受光手段によって受光した光は、自車両の車両用照明手段から照射されて路上ミラーやガードレール等で反射した反射光も検出してしまうが、判断手段によって自車両の車両用照明手段から照射された光の反射光か否かを判断して、制御手段が、自車両の車両用照明手段から照射された光の反射光ではない場合に、受光手段によって受光した光の方向に照射する光が減光または非照射となるように車両用照明手段の配光を制御するので、自車両から照射された光に対する配光制御を防止することができる。この時、非照射となるように配光を制御する場合には、例えば、受光手段によって受光した光の方向に照射する光を遮光したり、対応する光源を消灯したり、光軸を移動したりすることによって非照射とすることが可能である。
【0011】
なお、判断手段は、請求項2に記載の発明のように、所定の光信号を照射する照射手段を含み、受光手段の受光結果に基づいて、照射手段によって照射された光信号を検出することによって車両用照明から照射された光の反射光か否かを判断するようにしてもよい。これによって、光信号の有無や光信号の内容に基づいて、自車両の車両用照明手段から照射された光の反射光か否かを判断することが可能となる。この場合、照射手段は、例えば、所定の光信号として自車両を識別するための識別信号を光信号として照射するようにしてもよい。また、車両照明手段の光源がLED光源からなる場合には、請求項3に記載の発明のように、照射手段がLED光源の駆動を制御することによって、光信号を照射するようにしてもよい。LED光源を用いることによって光変調が容易となり、車両用照明手段の光源を用いることができ、例えば、照射手段を車両用照明手段とは別体に構成する場合に比較して、コストや搭載面で有利となる。
【0012】
或いは、判断手段は、請求項4に記載の発明のように、車両用照明手段の照明状態を切り換える切換手段を含み、受光手段の受光結果に基づいて、切換手段によって切り換えられた照明状態を検出することによって車両用照明手段から照射された光の反射光か否かを判断するようにしてもよい。例えば、切換手段が、車両用照明の消灯や点灯や光軸のスイング等を行うことによって照明状態を切り換えることが可能であり、これらの照明状態から自車両の車両用照明手段から照射された光の反射光か否かを判断手段によって判断することが可能となる。
【0013】
また、切換手段によって照明状態を切り換えて車両用照明手段から照射された光か否かを判断するる場合には、請求項5に記載の発明のように、車両用照明手段が、複数の光源を備えて、切換手段が、複数の光源の一部の光源の照明状態を切り換えるようにしてもよい。これによって、一部の照明状態を切り換えるため、他の光源は、照明状態が変化せずに、照明状態の切換による不都合(例えば、消灯などによる視認性低下等)を低減させることが可能となる。
【0014】
一方、制御手段は、請求項6に記載の発明のように、受光手段の受光結果に基づいて、光輝点を特定する光輝点特定手段と、判断手段の判断結果に基づいて、光輝点特定手段によって特定された光輝点のうち車両用照明手段から照射された光の反射光に対応する光輝点以外の光輝点を抽出する抽出手段と、を含み、抽出手段によって抽出された光輝点の方向に照射する光が減光または非照射となるように車両用照明手段の配光を制御するようにしてもよい。すなわち、抽出手段によって抽出された光輝点周辺には、運転者等の人が存在する可能性が高いので、制御手段が抽出手段によって抽出された光輝点の方向に照射する光が減光または非照射となるように車両用照明手段の配光を制御することによって、対向車等に対するグレア光を抑制することが可能となる。なお、制御手段は、請求項7に記載の発明のように、抽出手段によって抽出された光輝点が複数存在する場合に、最も明るい光輝点に対応する領域に対して車両用照明手段の配光を制御するようにしてもよい。例えば、路上ミラーやガードレール等で反射した光を受光手段によって受光した場合、光源から照射された光の明るさは、空間移動の際に拡散や減衰により暗くなるため、最も明るい光に対して車両用照明手段の配光制御を行うことによって、対向車から照射された光の反射光(路上ミラーやガードレール等による反射光)に対する配光制御を防止すること可能となる。或いは、制御手段は、請求項8に記載発明のように、抽出手段によって抽出された光輝が複数存在する場合に、最も明るく並立した2点の光輝点の方向に照射する光が減光または非照射となるように車両用照明手段の配光を制御するようにしてもよい。
【0015】
請求項9に記載の車両用照明制御方法は、車両周囲の光を受光する受光ステップと、前記受光ステップにおける受光結果に基づいて、配光を変更可能な車両用照明手段から照射された光の反射光か否かを判断する判断ステップと、前記判断ステップにおいて前記車両用照明手段から照射された光の反射光ではないと判断された場合に、前記受光ステップで受光した光の方向に照射する光が減光または非照射となるように前記車両用照明手段の配光を制御する制御ステップと、を備えることを特徴としている。
【0016】
請求項9に記載の発明によれば、受光ステップでは、車両周囲の光を受光する。すなわち、受光ステップでは、車両周囲の車両(例えば対向車)等から照射される光を受光する。
【0017】
また、判断ステップでは、受光ステップにおける受光結果に基づいて、例えば自車両の車両用照明手段から照射された光の反射光か否かを判断し、制御ステップでは、判断ステップにおいて車両用照明手段から照射された光の反射光ではないと判断された場合に、受光ステップで受光した光の方向に照射する光が減光または非照射となるように車両用照明手段の配光を制御する。例えば、受光ステップで受光した光は、自車両の車両用照明手段から照射されて路上ミラーやガードレール等で反射した反射光も検出してしまうが、自車両の車両用照明手段から照射された光の反射光か否かを判断ステップで判断して、自車両の車両用照明手段から照射された光の反射光ではない場合に、受光ステップで受光した光の方向に照射する光が減光または非照射となるように車両用照明手段の配光を制御ステップで制御するので、自車両から照射された光に対する配光制御を防止することができる。この時、非照射となるように配光を制御する場合には、例えば、受光ステップで受光した光の方向に照射する光を遮光したり、対応する光源を消灯したり、光軸を移動したりすることによって非照射とすることが可能である。
【0018】
なお、請求項9に記載の車両用照明制御方法は、請求項10に記載の発明のように、車両用照明制御プログラムとしてもよい。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように本発明によれば、自車両の車両用照明手段から照射された光か否かを判断して、自車両の車両用照明手段から照射された光でない場合に、車両用照明手段の配光を制御することによって、自車両以外から照射される光に対して配光制御を行うことが可能となるので、自車両から照射された光に対する配光制御を防止することできる、という効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係わる車両用照明装置の構成を示すブロック図である。
【0021】
本発明の実施の形態に係わる車両用照明装置10は、図1に示すように、車両に設けられた前照灯12が、配光制御ECU14に接続されており、配光制御ECU14によって前照灯12の点灯や消灯が制御される。
【0022】
本実施の形態では、配光制御ECU14は、前照灯12の配光領域のうち前方の対向車の光輝点に対応する領域への光が非照射となるように配光制御を行う。なお、本実施の形態では、前照灯12の配光領域のうち前方の対向車の光輝点に対応する領域への光が非照射となるように配光制御を行うものとするが、非照射ではなく減光するように配光制御してもよい。また、対向車の光輝点に対応する非照射とする場合、対向車の光輝点に対応する領域へ照射する光を遮光したり、光を照射する光源を消灯したり、対向車の光輝点に対応する領域へ照射する光の光軸を移動することによって非照射とするようにしてもよい。
【0023】
配光制御ECU14は、CPU14A、RAM14B、ROM14C、及びI/O14Dを含むマイクロコンピュータで構成されている。
【0024】
配光制御ECU14のROM14Cには、前照灯12の配光制御を行うためのテーブルや後述する配光制御ルーチンを実行するためのプログラム等が記憶され、RAM14Bは、CPU14Aによって行われる各種演算等を行うメモリ等として使用される。
【0025】
I/O14Dには、スイッチ16、カメラ18、及び前照灯ドライバ20が接続されており、スイッチ16の操作状態や、カメラ18による車両前方の撮影結果が配光制御ECU14に入力される。
【0026】
スイッチ16は、前照灯12のオンオフを指示すると共に、ロービームとハイビームを指示し、指示結果を配光制御ECU14に出力する。また、カメラ18は、車両前方を撮影して撮影結果を配光制御ECU14に出力する。
【0027】
そして、配光制御ECU14は、スイッチ16の状態に応じて前照灯ドライバ20を制御して、前照灯12の点灯を行うと共に、カメラ18の撮影画像の基づいて、前方の対向車に対応する光輝点を検出して、検出した光輝点に対応する領域への前照灯12からの光を非照射とするように、前照灯12の配光を制御する。なお、本実施の形態では、カメラ18によって光輝点を検出するが、これに限るものではなく、各種受光センサを適用可能である。
【0028】
前照灯12は、車両の前端部に2つ設けられており、図2に示すように、前照灯12の配光領域を車幅方向に複数に分割してそれぞれの分割領域22に対して光の照射や非照射が可能とされることによって、各分割領域毎に配光が変更可能とされ、配光制御ECU14によって各分割領域への光の照射や非照射が制御される。
【0029】
図3(A)、(B)は、本発明の実施の形態に係わる車両用照明装置10に適用可能な前照灯の一例を示す図である。
【0030】
前照灯12は、例えば、図3(A)に示すように、複数のLED光源24を備えたものを適用可能で、前照灯ドライバ20が複数のLED光源24の点灯や消灯を制御することによって、図2に示す各分割領域22への光の照射や非照射を行うことが可能である。図3(A)では、複数のLED光源24を備えたLEDランプ26を2灯備えた前照灯の一例を示し、例えば、一方のLEDランプ26をロービーム用、他方のLEDランプ26をハイビーム用として使い分けるようにしてもよい。
【0031】
また、前照灯12は、図3(B)に示すように、1つの光源28からの光をDMD(Digital Micromirror Device)30によって反射して、レンズ31を介して車両前方を照射するものを適用するようにしてもよい。DMD30は、図3(C)に示すように複数のマイクロミラー32を備えており、各マイクロミラー32の回転が制御可能なデバイスである。すなわち、前照灯ドライバ20として光源28を点灯する光源ドライバ34と、DMD30の各マイクロミラー32の回転を駆動するDMDドライバ36と、を設け、光源ドライバ34によって光源28を点灯して、DMDドライバ36によってDMD30の各マイクロミラー32の回転を制御することによって、図2に示す各分割領域への光の照射や非照射を制御することが可能である。
【0032】
なお、本実施の形態では、複数のLED光源24を備えたものとして、以下の説明を行う。また、前照灯12の構成を上記に限るものではなく、例えば、単一の光源から車両前方を照らす光を遮断する複数のシャッタ等を設けて、各シャッタの大きさを分割領域に対応させて、図2に示す各分割領域の点灯や消灯を可能としてもよいし、DMD30の代りにDMD30以外の液晶素子等の光変調素子等を用いるようにしてもよい。
【0033】
図4(A)は、本発明の実施の形態に係わる車両用照明装置の前照灯12の分割領域を説明するための図である。
【0034】
本実施の形態の前照灯12の分割領域の分割パターンは、図4(A)に示すように、車幅方向の略中央部分の分割領域の分割幅が車幅方向端部よりも車幅方向に短く設定され、車幅方向外側に向かって徐々に車幅方向に長い分割領域となるように設定されている。
【0035】
また、前照灯12は、各分割領域に対応するLED光源24が予め設定されており、複数のLED光源24を選択的に点灯することによって、各分割領域毎の点灯や消灯を行う。
【0036】
例えば、本実施の形態では、図4(B)に示すように、分割領域No.1に対応するLED光源24は、LED光源No.1〜8を対応させ、分割領域No.2に対応するLED光源24は、LED光源No.9〜12を対応させ、分割領域No.3に対応するLED光源24は、LED光源No.13〜15を対応させ、分割領域No.4に対応するLED光源24は、LED光源No.16を対応させ、分割領域No.5に対応するLED光源24は、LED光源No.17を対応させ、分割領域No.6に対応するLED光源24は、LED光源No.18,19を対応させ、分割領域No.7に対応するLED光源24は、LED光源No.20〜22を対応させ、分割領域No.8に対応するLED光源24は、LED光源No.23〜27を対応させる。そして、各分割領域に対応させたLED光源24の点灯や消灯を制御することで、各分割領域毎の光の照射や非照射が可能となるので、図4(B)に示す対応を光源分割領域対応関係テーブル38としてROM14C等に記憶しておき、配光制御ECU14が当該光源分割領域対応関係テーブル38を用いて点灯制御することで、各領域毎に前照灯12の点灯や消灯が可能となる。
【0037】
なお、本実施の形態では、LED光源24の点灯数で分割領域を決定するが、これに限るものではなく、例えば、レンズや光源の大きさ、或いは特性等で分割領域の大きさを決定するようにしてもよい。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態の配光制御について説明する。本実施形態では、対向車の光輝点を検出して、前照灯12の配光領域のうち対向車に対応する分割領域22を非照射にするように配光制御を行うが、対向車の光輝点を検出する際に、自車両の前照灯12から照射された光が路面、路上ミラー、ガードレール、先行車等によって反射された反射光による自車両からの光輝点を検出してしまい、対向車を正確に検出することができな場合がある。そこで、自車両の前照灯12から光を照射する際に、光信号を含ませて照射し、光信号を検出した光輝点を除外して、対向車の光輝点を検出する。
【0038】
すなわち、本実施形態では、前照灯12を点灯する際に、前照灯ドライバ20が複数のLED光源24(全てまたは一部のLED光源24)を変調して駆動することによって所定の光信号を照射する。そして、配光制御ECU14は、カメラ18によって撮影した撮影画像に基づいて、光信号を検出するようになっている。これによって、光信号を含む光輝点を検出した場合には、自車両の前照灯12から照射された光の反射光であることが分かるので、これを除外して対向車の光輝点を検出することで、正確に対向車を検出することができる。
【0039】
ここで、本発明の第1実施形態に係わる車両用照明装置10の配光制御ECU14で行われる配光制御の詳細について説明する。図5は、本発明の第1実施形態に係わる車両用照明装置10の配光制御ECU14で行われる配光制御ルーチンを示すフローチャートである。なお、図5に示す配光制御ルーチンは、乗員のスイッチ16の操作によって、前照灯12の点灯が指示された場合等に開始する。また、スイッチ16に自動点灯モードを備える場合には、乗員によって自動点灯が指示されて、前照灯12を点灯する所定の条件が満たされた場合に開始するようにしてもよい。
【0040】
乗員のスイッチ16の操作によって前照灯12の点灯が指示されると、ステップ100では、前照灯12が点灯される。すなわち、CPU14AがI/O14Dを介して前照灯ドライバ20を制御することによって、2つの前照灯12の各LED光源24が駆動されることによって前照灯12を点灯させる。また、この時、前照灯ドライバ20は、前照灯12の複数のLED光源24の全てまたは一部を光変調して所定の光信号を出力する。
【0041】
ステップ102では、カメラ18によって車両前方を撮影した撮影結果がI/O14Dを介しては配光制御ECU14に取得されてステップ104へ移行する。
【0042】
ステップ104では、カメラ18の撮影画像から光輝点を特定すると共に光信号が検出される。すなわち、カメラ18の撮影画像に含まれる光輝点のうち、自車両から照射した光の反射光となる光輝点は、光信号が含まれるため、CPU14Aが撮影画像から光信号を検出することによって撮影画像中の光輝点が自車両から照射された光の反射光に対応する光輝点か否かを判断することが可能となる。
【0043】
次にステップ106では、カメラ18の撮影画像から光信号が検出された光輝点以外の光輝点が抽出される。すなわち、CPU14Aによって光信号が検出された光輝点以外の光輝点を抽出することによって、対向車の光輝点を検出することができる。
【0044】
ステップ108では、ステップ106で抽出された光輝点があるか否かCPU14Aによって判定され、該判定が否定された場合にはステップ113へ移行し、肯定された場合にはステップ110へ移行する。
【0045】
ステップ110では、抽出された光輝点に対応する前照灯12の分割領域がCPU14Aによって特定されてステップ112へ移行する。
【0046】
ステップ112では、特定した分割領域22が消灯され、それ以外の分割領域が点灯されてステップ114へ移行する。すなわち、対向車に対応する分割領域22が消灯されるので、対向車に対するグレア光を抑制することができる。
【0047】
一方、ステップ113では、配光がリセットされる。すなわち、配光制御が行われて分割領域が消灯されている場合があるので、配光制御をリセットすることにより、全ての分割領域が点灯されてステップ114へ移行する。
【0048】
そして、ステップ114では、スイッチ16がオフされたか否かがCPU14Aによって判定され、該判定が否定された場合にはステップ102に戻って上述の処理が繰り返され、ステップ114の判定が肯定されたところでステップ116へ移行して、前照灯12を消灯して一連の処理を終了する。
【0049】
本実施形態では、カメラ18の撮影画像から光輝点を検出して、対向車に対応する前照灯12の分割領域22を非照射にして対向車へのグレア光を抑制するように配光制御を行うが、例えば、図6に示すように、先行車52や対向車(二輪車を含む)54が存在し、自車両50の配光領域52Aと対向車54の配光領域54Aがある場合には、カメラ18の撮影画像から光輝点が複数検出され、検出される複数の光輝点には、自車両50の前照灯12から照射される光が先行車52の後側によって反射された反射光に対応する光輝点56や、路上ミラー、ガードレール、反射鏡等によって反射された反射光に対応する光輝点58や、路面によって反射された反射光に対応する光輝点60等を含むので、単に光輝点を抽出したのでは、対向車54の光輝点を抽出することができない。そこで、自車両の前照灯12から照射される光に光信号を含ませることによって、対向車の光輝点は、光信号を含まないので、光信号を含まない光輝点を抽出することで確実に対向車を検出することができ、自車両から照射された光に対する配光制御を防止することができる。
【0050】
また、本実施形態では、前照灯12のLED光源24を制御して光信号を照射するので、LED光源24を用いることにより光変調が容易となる。また、前照灯12とは別体で光信号を照射する照射手段を設けた場合と比較して、コストや搭載面で有利となる。
(第2実施形態)
次に本発明の第2実施形態の配光制御について説明する。第1実施形態では、自車両の前照灯12から照射される光に光信号を含むようにしたが、本実施形態では、自車両の前照灯12からの照射状態を切り換えて、照射状態の照射状態の切り換えが一致する(例えば切換タイミングが同じ)光輝点以外を抽出することによって対向車の光輝点を検出するようにしたものであり、具体的には、自車両の前照灯12の複数のLED光源24のうちの一部を一旦消灯させるようにして、消灯や再点灯のタイミングが同じ光輝点以外を抽出することによって対向車の光輝点を検出する。すなわち、第1実施形態では、前照灯ドライバ20が光信号を出力するように前照灯12の点灯を制御するようにしたが、本実施形態では、前照灯ドライバ20は単に点灯や消灯を制御するように照明状態を切り換える。
【0051】
本実施形態では、照明状態を切り換えるための前照灯12の複数のLED光源24の一部は、カメラ18によって検出可能な数のLED光源24を設定する。
【0052】
図7は、本発明の第2実施形態に係わる車両用照明装置の配光制御ECU14で行われる配光制御ルーチンを示すフローチャートである。なお、当該配光制御ルーチンも第1実施形態と同様に、乗員のスイッチ16の操作によって、前照灯12の点灯が指示された場合等に開始する。また、スイッチ16に自動点灯モードを備える場合には、乗員によって自動点灯が指示されて、前照灯12を点灯する所定の条件が満たされた場合に開始するようにしてもよい。
【0053】
乗員のスイッチ16の操作によって前照灯12の点灯が指示されると、ステップ200では、前照灯12が点灯される。すなわち、CPU14AがI/O14Dを介して前照灯ドライバ20を制御することによって、2つの前照灯12の各LED光源24が駆動されることによって前照灯12を点灯させる。
【0054】
ステップ202では、カメラ18によって車両前方を撮影開始して前照灯12の複数のLED光源24のうちの一部を消灯して点灯しステップ204へ移行する。すなわち、自車両の前照灯12の消灯と点灯を含む撮影画像がI/O14Dを介しては配光制御ECU14に取得される。
【0055】
ステップ204では、カメラ18の撮影画像から光輝点を特定すると共に消灯や点灯タイミングが一致する光輝点が検出される。すなわち、カメラ18の撮影画像に含まれる光輝点のうち、自車両から照射した光の反射光となる光輝点は、消灯して再点灯しているので消灯や再点灯のタイミングが自車両の消灯や点灯のタイミングと一致するため、CPU14Aがこれを検出することによって撮影画像中の光輝点が自車両から照射された光の反射光に対応する光輝点か否かを判断することが可能となる。
【0056】
次にステップ206では、カメラ18の撮影画像から自車両の前照灯12の消灯や点灯のタイミングが一致する光輝点以外の光輝点がCPU14Aによって抽出される。
【0057】
ステップ208では、ステップ206で抽出された光輝点があるか否かCPU14Aによって判定され、該判定が否定された場合にはステップ213へ移行し、肯定された場合にはステップ210へ移行する。
【0058】
ステップ210では、抽出された光輝点に対応する前照灯12の分割領域がCPU14Aによって特定されてステップ212へ移行する。
【0059】
ステップ212では、特定した分割領域22が消灯され、それ以外の分割領域が点灯されてステップ214へ移行する。すなわち、対向車に対応する分割領域22が消灯されるので、対向車に対するグレア光を抑制することができる。
【0060】
一方、ステップ213では、配光がリセットされる。すなわち、配光制御が行われて分割領域が消灯されている場合があるので、配光制御をリセットすることにより、全ての分割領域が点灯されてステップ214へ移行する。
【0061】
そして、ステップ214では、スイッチ16がオフされたか否かがCPU14Aによって判定され、該判定が否定された場合にはステップ202に戻って上述の処理が繰り返され、ステップ214の判定が肯定されたところでステップ216へ移行して、前照灯12を消灯して一連の処理を終了する。
【0062】
本実施形態では、カメラ18の撮影画像から光輝点を検出して、対向車に対応する前照灯12の分割領域22を非照射にして対向車へのグレア光を抑制するように配光制御を行うが、例えば、図6に示すように、先行車52や対向車(二輪車を含む)54が存在し、自車両50の配光領域52Aと対向車54の配光領域54Aがある場合には、カメラ18の撮影画像から光輝点が複数検出され、検出される複数の光輝点には、自車両50の前照灯12から照射される光が先行車52の後側によって反射された反射光に対応する光輝点56や、路上ミラー、ガードレール、反射鏡等によって反射された反射光に対応する光輝点58や、路面によって反射された反射光に対応する光輝点60等を含むので、単に光輝点を抽出したのでは、対向車54の光輝点を抽出することができない。そこで、自車両の前照灯12を消灯して再点灯させる。これによって、撮影画像中の光輝点のうち消灯や点灯のタイミング一致する光輝点以外を抽出することで、対向車の光輝点を確実に検出することができ、自車両から照射された光に対する配光制御を防止することる。
【0063】
また、本実施形態では、前照灯12の複数のLED光源24のうちの一部について消灯や点灯を行うことにより照明状態を切り換えるようにしたので、他のLED光源24は、照明状態が変化せずに、照明状態の切換による不都合(例えば、消灯などによる視認性低下等)を低減させることが可能となる。
【0064】
なお、第2実施形態は、第1実施形態と組み合わせるようにしてもよい。これによって、光信号を照射する車両が自車両以外に存在しても、光の消灯や点灯のタイミングが一致するか否かを検出することで、自車両の光輝点を検出することが可能となり、対向車の光輝点を確実に検出することができる。
【0065】
また、第2実施形態では、自車両の前照灯の一部を消灯して再点灯するように照明状態を切り換えるようにしたが、これに限るものではなく、例えば、前照灯12の全てのLED光源24を人間が視認できない程度かつカメラ18で撮影可能な程度の時間を消灯するようにしてもよいし、左右にスイングするように照明状態を切り換えて、スイングタイミング等が一致するか否かを検出することで自車両の光輝点を検出するようにしてもよい。
(第3実施形態)
次に本発明の第2実施形態の配光制御について説明する。第1実施形態では、光信号を照射する車両が自車両のみであることを前提として説明したが、第3実施形態では、他車も光信号を照射する場合について説明する。
【0066】
本実施形態では、前照灯12を点灯する際に、前照灯ドライバ20が複数のLED光源24(全てまたは一部のLED光源24)を変調して駆動することによって所定の光信号を照射する。この時、本実施形態では、光信号として自車両を識別するための識別信号を光信号として照射する。そして、配光制御ECU14は、カメラ18によって撮影した撮影画像に基づいて、光信号を検出するようになっている。これによって、自車両の識別信号の光信号を含む光輝点を検出した場合には、自車両の前照灯12から照射された光であることが分かるので、これを除外して対向車の光輝点を検出することで、正確に対向車を検出することができる。
【0067】
図8は、本発明の第3実施形態に係わる車両用照明装置の配光制御ECU14で行われる配光制御ルーチンを示すフローチャートである。なお、当該配光制御ルーチンも第1実施形態と同様に、乗員のスイッチ16の操作によって、前照灯12の点灯が指示された場合等に開始する。また、スイッチ16に自動点灯モードを備える場合には、乗員によって自動点灯が指示されて、前照灯12を点灯する所定の条件が満たされた場合に開始するようにしてもよい。
【0068】
乗員のスイッチ16の操作によって前照灯12の点灯が指示されると、ステップ300では、前照灯12が点灯される。すなわち、CPU14AがI/O14Dを介して前照灯ドライバ20を制御することによって、2つの前照灯12の各LED光源24が駆動されることによって前照灯12を点灯させる。また、この時、前照灯ドライバ20は、前照灯12の複数のLED光源24の全てまたは一部を光変調して自車両を識別するための識別信号を光信号として照射する。
【0069】
ステップ302では、カメラ18によって車両前方を撮影した撮影結果がI/O14Dを介しては配光制御ECU14に取得されてステップ304へ移行する。
【0070】
ステップ304では、カメラ18の撮影画像から光輝点を特定すると共に光信号が検出される。すなわち、カメラ18の撮影画像に含まれる光輝点のうち、自車両から照射した光の反射光となる光輝点は、自車両の識別信号を表す光信号が含まれるため、CPU14Aが自車両の識別信号を表す光信号を検出することによって撮影画像中の光輝点が自車両から照射された光の反射光に対応する光輝点か否かを判断することが可能となる。
【0071】
次にステップ306では、カメラ18の撮影画像から光信号が検出された光輝点以外の光輝点が抽出される。すなわち、CPU14Aによって自車両の識別信号を表す光信号が検出された光輝点以外の光輝点を抽出することによって、対向車の光輝点を検出することができる。
【0072】
ステップ308では、ステップ306で抽出された光輝点があるか否かCPU14Aによって判定され、該判定が否定された場合にはステップ317へ移行し、肯定された場合にはステップ310へ移行する。
【0073】
ステップ310では、抽出された光輝点が3点以上あるか否か判定され、該判定が肯定された場合にはステップ312へ移行し、否定された場合にはステップ314へ移行する。
【0074】
ステップ312では、最も明るい並立した2点が対向車の前照灯としてCPU14Aによって抽出されてステップ314へ移行する。例えば、路上ミラーやガードレール等で反射した光をカメラ18によって受光した場合、前照灯12から照射された光の明るさは、空間移動の際に拡散や減衰により暗くなるため、最も明るい光を抽出することで、対向車から照射された光の反射光等を除いた対向車の光輝点を抽出することが可能となる。また、対向車の場合には、最も明るい並立した2点の光輝点となるので、これを抽出することで対向車を検出することができる。なお、ステップ310、312は四輪車と二輪車が共に対向車としてカメラ18に写ることがあるので省略するようにしてもよい。この場合、最も明るい光輝点のみを抽出するようにしてもよいし、或いは、各光信号に二輪車や四輪車の情報を含ませることによって、二輪車か四輪車かを特定して、同一光信号が3点以上の場合には、二輪車か四輪車に対応する数の明るい光輝点を抽出するようにしてもよい。
【0075】
続いて、ステップ314では、抽出された光輝点に対応する前照灯12の分割領域がCPU14Aによって特定されてステップ316へ移行する。
【0076】
ステップ316では、特定した分割領域22が消灯され、それ以外の分割領域が点灯されてステップ318へ移行する。すなわち、対向車に対応する分割領域22が消灯されるので、対向車に対するグレア光を抑制することができる。
【0077】
一方、ステップ317では、配光がリセットされる。すなわち、配光制御が行われて分割領域が消灯されている場合があるので、配光制御をリセットすることにより、全ての分割領域が点灯されてステップ318へ移行する。
【0078】
そして、ステップ318では、スイッチ16がオフされたか否かがCPU14Aによって判定され、該判定が否定された場合にはステップ302に戻って上述の処理が繰り返され、ステップ318の判定が肯定されたところでステップ320へ移行して、前照灯12を消灯して一連の処理を終了する。
【0079】
本実施形態では、カメラ18の撮影画像から光輝点を検出して、対向車に対応する前照灯12の分割領域22を非照射にして対向車へのグレア光を抑制するが、例えば、図6に示すように、先行車52や対向車54が存在し、自車両50の配光領域50Aと対向車54の配光領域54Aがある場合には、カメラ18の撮影画像から光輝点が複数検出され、検出される複数の光輝点には、自車両50の前照灯12から照射される光が先行車52の後側によって反射された反射光に対応する光輝点56や、路上ミラー、ガードレール、反射鏡等によって反射された反射光に対応する光輝点58や、路面によって反射された反射光に対応する光輝点60等を含むので、単に光輝点を抽出したのでは、対向車の光輝点を抽出することができない。そこで、自車両の前照灯12から照射される光に光信号を含ませる。また、他車も同一の構成を含む場合も考慮して、自車両を識別可能な識別信号の光信号を照射する。これによって自車両の光輝点を特定することができるので、自車両の光輝点以外の光輝点を抽出することで確実に対向車を検出することができ、自車両から照射された光に対する配光制御を防止することができる。
【0080】
また、本実施形態では、第1実施形態と同様に、前照灯12のLED光源24を制御して光信号を照射するので、LED光源24を用いることにより光変調が容易となる。また、前照灯12とは別体で光信号を照射する照射手段を設けた場合と比較して、コストや搭載面で有利となる。
【0081】
さらに、最も明るい並立した2点の光輝点を抽出することにより、対向車から照射された光が路上ミラーやガードレール等で反射された反射光に対応する光輝点を除外することができ、対向車に対して確実に配光制御が可能となる。
【0082】
なお、本実施形態では、ハイビームとロービームについては特に言及しなかったが、ハイビームの領域のみについて上述の配光制御を行うようにしてもよいし、ハイビームとロービームの領域について上述の配光制御を行うようにしてもよいし、ロービームの領域のみについて上述の配光制御を行うようにしてもよい。ハイビームの領域について上述の配光制御を行う場合には、対向車に対するグレア光が抑制されるため、常時ハイビーム点灯で走行することが可能となる。
【0083】
また、上記の各実施形態では、本発明の車両用照明手段として前照灯12を適用するようにしたが、これに限るものではなく、補助前照灯やその他の車両用照明を適用するようにしてもよい。
【0084】
また、上記の各実施形態では、車両前方の対向車に対する配光制御について説明したが、これに限るものではなく、車両周囲の車両や歩行者等を対象とした配光制御を行うようにしてもよい。
【0085】
また、上記の各実施形態における配光制御ルーチンは、ハードウエアで行う処理としてもよいし、プログラム等のソフトウエア等で行う処理としてもよい。
【0086】
また、上記の第1実施形態及び第3実施形態では、前照灯12の光源としてLED光源24を用いて、該LED光源24を制御して光信号を照射するようにしたが、これに限るものではなく、光信号を照射する照射手段を別途備える構成としてもよい。
【0087】
さらに、上記の各実施形態の配光制御ルーチンにおける、特定した分割領域を消灯しそれ以外の分割領域を点灯する処理(ステップ112、212、316)は、図9に示すステップ150〜154のようにしてもよい。なお、図9では、第1実施形態の配光制御ルーチンのステップ112をステップ150〜154に置き換えたものを示す。
【0088】
すなわち、ステップ150では特定した分割領域に変化があるか否かCPU14Aによって判定され、該判定が肯定された場合にはステップ152へ移行し、否定された場合にはステップ114へ移行する。なお、該判定は、初期状態の場合には特定された分割領域がないので判定が肯定される。
【0089】
また、ステップ152では、配光がリセットされる。すなわち、全ての分割領域が点灯されてステップ154へ移行し、特定した分割領域が消灯された後にステップ114へ移行する。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の実施の形態に係わる車両用照明装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係わる車両用照明装置の前照灯の配光範囲の分割領域を説明するための図である。
【図3】本発明の実施の形態に係わる車両用照明装置に適用可能な前照灯の一例を示す図である。
【図4】(A)は本発明の実施の形態に係わる車両用照明装置の前照灯の分割領域を説明するための図であり、(B)は光源分割領域対応関係テーブルを示す図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係わる車両用照明装置の配光制御ECUで行われる配光制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】本発明の各実施形態における配光制御を説明するための図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係わる車両用照明装置の配光制御ECUで行われる配光制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図8】本発明の第3実施形態に係わる車両用照明装置の配光制御ECUで行われる配光制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図9】本発明の第1実施形態に係わる車両用照明装置の配光制御ECUで行われる配光制御ルーチンの変形例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0091】
10 車両用照明装置
12 前照灯
14 配光制御ECU
18 カメラ
20 前照灯ドライバ
22 分割領域
24 LED光源
28 光源
30 DMD
32 マイクロミラー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配光を変更可能な車両用照明手段と、
車両周囲の光を受光する受光手段と、
前記受光手段の受光結果に基づいて、前記車両用照明手段から照射された光の反射光か否かを判断する判断手段と、
前記判断手段によって前記車両用照明手段から照射された光の反射光ではないと判断された場合に、前記受光手段によって受光した光の方向に照射する光が減光または非照射となるように前記車両用照明手段の配光を制御する制御手段と、
を備えた車両用照明装置。
【請求項2】
前記判断手段は、所定の光信号を照射する照射手段を含み、前記受光手段の受光結果に基づいて、前記照射手段によって照射された前記光信号を検出することによって前記車両用照明手段から照射された光の反射光か否かを判断することを特徴とする請求項1に記載の車両用照明装置。
【請求項3】
前記車両用照明手段の光源がLED光源からなり、前記照射手段が前記LED光源の駆動を制御することによって、前記光信号を照射することを特徴とする請求項2に記載の車両用照明装置。
【請求項4】
前記判断手段は、前記車両用照明手段の照明状態を切り換える切換手段を含み、前記受光手段の受光結果に基づいて、前記切換手段によって切り換えられた前記照明状態を検出することによって前記車両用照明手段から照射された光の反射光か否かを判断することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の車両用照明装置。
【請求項5】
前記車両用照明手段は、複数の光源を備え、前記切換手段は、前記複数の光源の一部の光源の照明状態を切り換えることを特徴とする請求項4に記載の車両用照明装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記受光手段の受光結果に基づいて、光輝点を特定する光輝点特定手段と、前記判断手段の判断結果に基づいて、前記光輝点特定手段によって特定された光輝点のうち前記車両用照明手段から照射された光の反射光に対応する光輝点以外の光輝点を抽出する抽出手段と、を含み、前記抽出手段によって抽出された光輝点の方向に照射する光が減光または非照射となるように前記車両用照明手段の配光を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の車両用照明装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記抽出手段によって抽出された光輝点が複数存在する場合に、最も明るい光輝点の方向に照射する光が減光または非照射となるように前記車両用照明手段の配光を制御することを特徴とする請求項6に記載の車両用照明装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記抽出手段によって抽出された光輝が複数存在する場合に、最も明るく並立した2点の光輝点の方向に照射する光が減光または非照射となるように前記車両用照明手段の配光を制御することを特徴とする請求項6に記載の車両用照明装置。
【請求項9】
車両周囲の光を受光する受光ステップと、
前記受光ステップにおける受光結果に基づいて、配光を変更可能な車両用照明手段から照射された光の反射光か否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップにおいて前記車両用照明手段から照射された光の反射光ではないと判断された場合に、前記受光ステップで受光した光の方向に照射する光が減光または非照射となるように前記車両用照明手段の配光を制御する制御ステップと、
を備えた車両用照明制御方法。
【請求項10】
コンピュータに以下の配光制御を実行させるための車両用照明制御プログラムであって、
前記配光制御は、
車両周囲の光を受光する受光手段によって車両周囲の光を受光する受光ステップと、
前記受光ステップにおける受光結果に基づいて、配光を変更可能な車両用照明手段から照射された光の反射光か否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップにおいて前記車両用照明手段から照射された光の反射光ではないと判断された場合に、前記受光ステップで受光した光の方向に照射する光が減光または非照射となるように前記車両用照明手段の配光を制御する制御ステップと、
を含むことを特徴とする車両用照明制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−110723(P2008−110723A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−296344(P2006−296344)
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】