車両用画像認識装置、車両用画像認識方法、プログラム及び媒体
【課題】処理負荷を高めることなくより効果的に認識性能を高めることができる車両用画像認識装置、車両用画像認識方法、プログラム及び媒体を提供する。
【解決手段】車両用画像認識装置は、撮像手段と、撮像手段による撮像画像から横断可領域25を抽出する抽出手段と、横断可領域25の輪郭に基づいた境界線で撮像画像内の道路と歩道を含む路面の領域を領域部分α〜ζに分割する分割手段と、領域部分α〜ζのそれぞれに対応させた歩行者パターンを選択する選択手段と、領域部分α〜ζのそれぞれにおいて歩行者パターンを用いた照合により歩行者を認識する認識手段と、を含む。
【解決手段】車両用画像認識装置は、撮像手段と、撮像手段による撮像画像から横断可領域25を抽出する抽出手段と、横断可領域25の輪郭に基づいた境界線で撮像画像内の道路と歩道を含む路面の領域を領域部分α〜ζに分割する分割手段と、領域部分α〜ζのそれぞれに対応させた歩行者パターンを選択する選択手段と、領域部分α〜ζのそれぞれにおいて歩行者パターンを用いた照合により歩行者を認識する認識手段と、を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単眼カメラを用いる車両用画像認識装置、車両用画像認識方法、プログラム及び媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
単眼カメラを用いた安価な構成で歩行者を認識、検出するにあたって、歩行者の向きや静止状態、歩行状態を含む姿勢はバラツキが大きいため、歩行者の向き別の歩行者パターンを準備し、それぞれ順番に照合することが有効である。ところが、向き数に比例して処理負荷が大きくなり、応答性が低下し迅速な認識ができなくなるという問題がある。
【0003】
このような問題に対応する従来技術として、例えば特許文献1に記載されるように、歩行者の移動ベクトルを検出して移動ベクトルに応じて歩行者パターンを準備することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−237897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この手法においては、移動する歩行者に対しては有効であるが、静止している歩行者を認識できないという課題がある。特に静止状態の歩行者のうち、左向きの歩行者と右向きの歩行者では歩行者パターンが大きく異なるため、これらの異なる歩行者パターンを有するデータベースによる認識では認識性能が低くなるという課題がある。
【0006】
そこで、本発明は、処理負荷を高めることなくより効果的に認識性能を高めることができる車両用画像認識装置、車両用画像認識方法、プログラム及び媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る車両用画像認識装置は、
撮像手段と、
前記撮像手段による撮像画像から横断可領域を抽出する抽出手段と、
前記横断可領域の輪郭に基づいた境界線で前記撮像画像内の道路と歩道を含む路面の領域を領域部分に分割する分割手段と、
前記領域部分のそれぞれに対応させた歩行者パターンを選択する選択手段と、
前記領域部分のそれぞれにおいて前記歩行者パターンを用いた照合により歩行者を認識する認識手段と、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、上記目的を達成するため、本発明に係る車両用画像認識方法は、
撮像ステップと、
前記撮像手段による撮像画像から横断可領域を抽出する抽出ステップと、
前記横断可領域の輪郭に基づいた境界線で前記撮像画像内の道路と歩道を含む路面の領域を領域部分に分割する分割ステップと、
前記領域部分のそれぞれに対応させた歩行者パターンを選択する選択ステップと、
前記領域部分のそれぞれにおいて前記歩行者パターンを用いた照合により歩行者を認識する認識ステップと、を含むことを特徴とする。
【0009】
本発明に係るプログラムは前記車両用画像認識方法を実行するプログラムであり、本発明に係る媒体は前記プログラムを記憶した媒体である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、処理負荷を高めることなくより効果的に認識性能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態である実施例1の車両用画像認識装置1の構成を示したブロック図である。
【図2】単眼カメラ11によって得られた自車両の進行方向の撮像画像21を示した図である。
【図3】実施例1における撮像画像21内の領域の領域部分への分割態様を示す模式図である。
【図4】実施例1において用いる歩行者パターンの静止状態と歩行状態、向きを示す態様の具体例を示す模式図である。
【図5】横断歩道25(横断可領域)を抽出する処理例を示したフローチャートである。
【図6】図2の撮像画像21上の横断歩道25を説明するための図である。
【図7】本実施例1の車両用画像認識装置1の処理全体を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態である実施例2の車両用画像認識装置31の構成を示したブロック図である。
【図9】横断歩道25(横断可領域)を抽出して基準距離Lを算出する処理例を示したフローチャートである。
【図10】撮像画像21上でピクセル幅aを有する横断歩道25までの基準距離Lを示した図である。
【図11】実施例2における撮像画像21内の領域の領域部分への分割態様を示す模式図である。
【図12】実施例2において用いる歩行者パターンのピクセル数と距離との関係を示す模式図である。
【図13】実施例2の車両用画像認識装置31の処理全体を示すフローチャートである。
【図14】実施例2の車両用画像認識装置31の歩行者の認識形態を従来技術との比較に基づいて示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態の説明を行う。図1は、本発明の一実施形態である車両用画像認識装置1の構成を示したブロック図である。車両用画像認識装置1は、車両に搭載され、単眼カメラ11と、横断可領域抽出部12と、分割部13と、選択部14と、認識部15とを備えている。各部の機能の一部又は全部は、画像認識処理を実行するECU(Electronic Control Unit)を含むプロセッサやマイクロコンピュータ等によって実現可能である。
【0013】
単眼カメラ11は、自車両周辺(例えば、自車両の進行方向)を所定の画角で撮像して、その撮像画像を出力する撮像手段である。自車両の進行方向は、前進方向でも、後進方向でもよい。単眼カメラ11は、CCD又はCMOS等の撮像素子を備えている。
【0014】
横断可領域抽出部12は、単眼カメラ11による撮像画像から横断可領域である横断歩道を抽出する抽出手段である。
【0015】
横断歩道は、一般的には、道路の前後方向に延びる太い白線と左右方向に延びる細い白線の組合せ又は太い白線のみにより構成される。なお、横断可領域は、文字、記号又はそれらの組み合わせが路面上にペイント等によって標示されたものであってもよく、歩行者用信号が青である条件又は道路を走行する車両が存在しない条件で歩行者が安全に横断することが可能である領域を指す。横断歩道の大きさは、法令等で予め定められた寸法を基準としている。
【0016】
図2は、単眼カメラ11によって得られた自車両の進行方向の撮像画像21を示した図である。22は歩行者を指し、23は側方の白線を、24は分離帯の白鎖線を示す。撮像画像21には、横断可領域として、自車両の前方の進路上に標示された横断歩道25が含まれている。符号26は、消失点(無限遠点)を表す。図2の場合、横断可領域抽出部12は、例えば、撮像画像21から、横断歩道25を構成する候補ラインp1〜p4を抽出する。撮像画像21は、左右方向のピクセル数がW、上下方向のピクセル数がHの画像である。
【0017】
分割部13は、図3に示すように、横断可領域抽出部12によって抽出された横断歩道25の輪郭に基づいた境界線で撮像画像21内の道路と歩道を含む路面の領域を九つであって六種類の領域部分α〜ζに分割する分割手段である。
【0018】
選択部14は、前述した領域部分のそれぞれに対応させた歩行者パターンを含むデータベースを選択する選択手段であり、認識部15は、領域部分のそれぞれにおいて対応させた歩行者パターンを含むデータベースを用いた照合により歩行者を認識する認識手段である。
【0019】
本実施例1において、前述した境界線は、図2の情報からの俯瞰図である図3に示すように、横断歩道25の輪郭の前端縁と後端縁のそれぞれに沿う左右方向に延びる左右方向線L1、L2を含むとともに、輪郭の左端縁と右端縁のそれぞれに沿う前後方向に延びる前後方向線L3、L4を含むものとする。なお、後者の境界線である前後方向線L3、L4については、より検出の容易な道路の側方の白線と一致するため、白線の検出により代用する。
【0020】
さらに、本実施例1においては、歩行者パターンは歩行者の静止状態又は歩行状態と正面背面左右のいずれかの向きを含む。また、図3に示す、横断可領域つまり領域部分εの左右に隣接して位置する領域部分γ、δにおいて、それぞれの歩行者パターンは図4中最左と左から二番目に示すような、静止状態に対応したものである。
【0021】
すなわち図3に示すように、横断可領域つまり領域部分εの左に隣接して位置する領域部分γにおいて、歩行者パターンは右向きであり、横断可領域つまり領域部分εの右に隣接して位置する領域部分δにおいて、歩行者パターンは左向きである。
【0022】
さらに、横断可領域である領域部分εの左前又は右前に位置する領域部分βにおいて、歩行者パターンは図4の右から二番目に示す歩行状態に対応したものであって正面向きであり、横断可領域である領域部分εの左後又は右後に隣接して位置する領域部分αにおいて、歩行者パターンは図4の最右に示す歩行状態に対応したものであって背面向きである。
【0023】
なお、領域部分εそのものにおいては、歩行者パターンは歩行状態であって、左向き又は右向きに対応したものである。領域部分εの前又は後の領域部分ζにおいては、歩行者パターンは全方位向きに、対応したものである。また、図3の図示から明らかなように、領域部分ζは道路であり、領域部分α、βは歩道であり、領域部分γ、δは、横断歩道25の両側に位置する歩道である。
【0024】
図5は、横断歩道25を抽出する処理例を示したフローチャートである。図2、図6を参照しながら、本フローチャートについて説明する。
【0025】
ステップS10において、横断可領域抽出部12は、撮像画像21の画素輝度分布に基づいて、画素の輝度が急変する上下方向(垂直方向)のエッジを撮像画像21の中から抽出する。
【0026】
ステップS20において、横断可領域抽出部12は、ステップS10で抽出したエッジを、水平方向(自車両から図2の横断歩道25を見たときの左右方向)の輝度変化パターンによって分類する。横断可領域抽出部12は、各エッジの左領域及び右領域の画素輝度分布に基づいて、左領域が右領域よりも暗い場合には「立ち上がりエッジ」と判定し、左領域が右領域よりも明るい場合には「立ち下がりエッジ」と判定する。
【0027】
ステップS30において、横断可領域抽出部12は、撮像画像21を水平方向にサーチして、ステップS20で分類したエッジが所定回数以上交互に繰り返し出現するラインを、横断歩道25を構成する候補ラインとしてグルーピングする。そして、ステップS40において、横断可領域抽出部12は、撮像画像21を垂直方向にサーチして、グルーピングされた各候補ラインの隣接関係、及び候補ラインを構成するエッジの接続関係によって、各候補ラインをグルーピングして横断歩道25及び横断歩道25の輪郭を抽出する。
【0028】
例えば、横断可領域抽出部12は、互いに隣り合う立ち上がりエッジと立ち下がりエッジを1ペアとして、所定数以上のペア(例えば、3ペア以上)が存在し、且つ、それらの所定数以上のペアについて各ペアを構成する2つのエッジ間の水平方向(左右方向)の距離(例えば図6の場合、距離b1、b2、b3)がそれぞれ所定の範囲内にあるとき、それらの各ペアを、横断歩道25を構成する候補ラインとして抽出し、それらの抽出された複数の候補ラインを横断歩道25としてグルーピングする。
【0029】
認識部15は、自車両の進行方面に存在する横断歩道25近辺(例えば、横断歩道25が標示された道路上又はその道路脇)に存在する歩行者を、単眼カメラ11によって得られた撮像画像21から、上述した図4に示したような歩行者パターンを用いて、テンプレートマッチング等のパターン認識により認識する認識手段である。
【0030】
図7は、本実施例1の車両用画像認識装置1の処理全体を示すフローチャートである。以下に、既に示した図2を併せて用いて本実施例1の処理全体を説明する。
【0031】
ステップS50において、図5のフローチャートのステップS40に関する説明で示したように、横断歩道25である領域部分εを抽出し、ステップS60において、横断可領域抽出部12は、撮像画像21の画素輝度分布に基づいて、画素の輝度が急変する上下方向(垂直方向)のエッジであって前後方向に延びて消失点26に達する白線23を撮像画像21の中から抽出する。
【0032】
ステップS70において、分割部13は、撮像画像21内の領域を六種類の領域部分α〜ζに分割して、これらの領域部分α〜ζを歩行者の探索領域として、選択部14は、それぞれに対応する歩行者パターンを含むデータベースを選択する。
【0033】
ステップS80において、認識部15は、それぞれの領域部分α〜ζ毎に、対応する歩行者パターンを含むデータベースを用いて、認識する。
【0034】
なお、本発明の車両用画像認識方法は、図7に示したフローチャートに基づいて実行される。また、本発明のプログラムは、本実施例1の車両用画像認識装置1内に予めインストール又は格納され、このプログラムは所定の媒体に記憶されていていてもよい。
【0035】
本実施例1の車両用画像認識装置1によれば、分割された領域部分α〜ζ毎に、対応する歩行者パターンを用いて探索を行い、歩行者を認識するので、領域部分毎のデータベースが含む歩行者パターンを減らして、処理負荷を軽減して処理速度を高め、認識の応答性と精度を高めることができる。
【0036】
特に本実施例1においては、横断可領域が横断歩道25であり、図3に示す領域部分γ、δにおいては、横断待ちの歩行者が多く存在することが予め想定され、歩行者は静止状態であり向きも左右いずれかに固定されているケースが多いこと、領域部分εにおいて歩行者は歩行状態であり向きも左右いずれかであることであることを鑑みて、対応するデータベースの含む歩行者パターンの数を極力減らすことができるため、処理負荷の軽減と認識精度の向上をより効果的に実現できる。
【0037】
また、横断歩道25よりも自車両の進行方向の前に位置する領域部分αにおいても、歩行者が正面向きであり歩行状態であるケースが多いことに鑑み、対応するデータベースの含む歩行者パターンの数を減らすことができ、処理負荷を軽減し認識精度を高めることができる。同様に横断歩道25よりも後に位置する領域部分βにおいても歩行者が背面向きであり歩行状態であるケースが多いことに鑑み、処理負荷を軽減し認識精度を高めることができる。
【0038】
本実施例1の探索対象となる領域の分割を伴わせての歩行者のパターンマッチングによる認識によれば、撮像画像21全体を本実施例1の領域部分ζと同様の全方位向きの歩行者パターンを含むデータベースにて探索及び歩行者の認識を行う場合に比べて、処理時間を40%程度とすることができる。
【0039】
以上述べた実施例1においては、横断歩道25の大きさと自車両からの距離は求めていないが、もちろん、大きさと距離を求めた後、境界線を設定して領域を領域部分α〜ζに分割することもできる。
【0040】
なお、図3に示した模式図においては、領域部分α〜ζは相互に重複する部分を有しているが、オーバーラップ代は歩行者の各領域部分からのはみ出しを吸収することを考慮して適宜設定している。また、歩行者パターンは所持物を表示した形態のものであってもよく、静止状態と歩行状態、向きの表現手法は他の手法を用いてもよい。
【0041】
次に、自車両から横断歩道25までの基準距離Lを求めた後、撮像画像21内の領域を前後方向のみに分割することもできる。以下それについての実施例2について述べる。
【実施例2】
【0042】
以下、図面を参照しながら、本実施例2についての本発明を実施するための形態の説明を行う。図8は、本発明の一実施形態である車両用画像認識装置31の構成を示したブロック図である。車両用画像認識装置31は、車両に搭載され、単眼カメラ11と、横断可領域抽出部12と、分割部13と、選択部14と、大きさ検出部16と、距離算出部17と、認識部15とを備えている。各部の機能の一部又は全部は、実施例1と同様、画像認識処理を実行するプロセッサやマイクロコンピュータ等によって実現可能である。
【0043】
単眼カメラ11は、自車両周辺(例えば、自車両の進行方向)を所定の画角で撮像して、その撮像画像を出力する撮像手段である。自車両の進行方向は、前進方向でも、後進方向でもよい。単眼カメラ11は、CCD又はCMOS等の撮像素子を備えている。
【0044】
横断可領域抽出部12は、単眼カメラ11による撮像画像から横断可領域である横断歩道の所定部位を抽出する手段である。横断可領域抽出部12によって抽出される所定部位は、予め設計的に決められていて、横断歩道の全体でも一部でもよい。
【0045】
既に示した図2に示すように、撮像画像21には、横断可領域として、自車両の前方の進路上に標示された横断歩道25が含まれている。符号26は、消失点(無限遠点)を表す。図2の場合、横断可領域抽出部12は、例えば、撮像画像21から、横断歩道25を構成する候補ラインp1〜p4を抽出する。撮像画像21は、左右方向のピクセル数がW、上下方向のピクセル数がHの画像である。
【0046】
大きさ検出部16は、横断可領域抽出部12によって抽出された横断歩道25の所定部位についての単眼カメラ11による撮像画像上の大きさ(好ましくは、横幅)を検出する手段である。大きさ検出部16は、例えば、横断歩道25の所定部位を構成するピクセル数を撮像画像から取得することで、その所定部位の撮像画像上の大きさを検出できる。
【0047】
距離算出部17は、横断可領域抽出部12によって抽出された横断歩道25の所定部位についての規格上の予め定められた大きさと、大きさ検出部16により実際に検出された大きさと、単眼カメラ11の角度分解能とに基づいて、自車両からその横断歩道25までの基準距離Lを算出する手段である。
【0048】
図9は、横断歩道25までの基準距離Lを算出するまでの処理例を示したフローチャートである。図2、図6、図10を併せて参照しながら、本フローチャートについて説明する。
【0049】
ステップS10において、横断可領域抽出部12は、撮像画像21の画素輝度分布に基づいて、画素の輝度が急変する上下方向(垂直方向)のエッジを撮像画像21の中から抽出する。
【0050】
ステップS20において、横断可領域抽出部12は、ステップS10で抽出したエッジを、水平方向(自車両から横断可領域を見たときの左右方向)の輝度変化パターンによって分類する。横断可領域抽出部12は、各エッジの左領域及び右領域の画素輝度分布に基づいて、左領域が右領域よりも暗い場合には「立ち上がりエッジ」と判定し、左領域が右領域よりも明るい場合には「立ち下がりエッジ」と判定する。
【0051】
ステップS30において、横断可領域抽出部12は、撮像画像21を水平方向にサーチして、ステップS20で分類したエッジが所定回数以上交互に繰り返し出現するラインを、横断歩道25を構成する候補ラインとしてグルーピングする。そして、横断可領域抽出部12は、撮像画像21を垂直方向にサーチして、グルーピングされた各候補ラインの隣接関係、及び候補ラインを構成するエッジの接続関係によって、各候補ラインをグルーピングして横断歩道25を抽出する。
【0052】
例えば、横断可領域抽出部12は、互いに隣り合う立ち上がりエッジと立ち下がりエッジを1ペアとして、所定数以上のペア(例えば、3ペア以上)が存在し、且つ、それらの所定数以上のペアについて各ペアを構成する2つのエッジ間の水平方向(左右方向)の距離(例えば図6の場合、距離b1、b2、b3)がそれぞれ所定の範囲内にあるとき、それらの各ペアを、横断歩道25を構成する候補ラインとして抽出し、それらの抽出された複数の候補ラインを横断可領域としてグルーピングする。
【0053】
ステップS40−1において、大きさ検出部16は、横断歩道25の左右方向のピクセル数(幅)を検出し、距離算出部17は、その検出された左右方向のピクセル数を用いて、自車両の単眼カメラ11から横断歩道25までの基準距離Lを算出する。
【0054】
図6に示すように、横断可領域抽出部12によって横断可領域として抽出されたペアの中で、大きさ検出部16は、例えば、最も左側のペアの立ち上がりエッジp1aから、左から3番目のペアの立ち下がりエッジp3bまでの距離に相当する3ペア分のピクセル幅aを検出する。横断歩道25の規格上のその3ペア分の両端間の幅長(すなわち、ピクセル幅aの部分に対応する部位の規格上求められる値)をAとし、単眼カメラ11の左右方向の角度分解能をPとすると、基準距離Lは、図10から明らかなように、
L=A/tan(a×P) ・・・(1)
という関係式で表現される。ここで、角度分解能Pは、単眼カメラ11の左右方向の画角をα[度]、単眼カメラ11によって得られる撮像画像21の左右方向のピクセル数をW[pix.]とすると、「P=α/W[度/pix.]」によって表すことが可能な固定値である。つまり、距離算出部17は、式(1)に基づいて、横断歩道25までの基準距離Lを算出することができる。なお、距離算出部17は、横断歩道25の前後方向の長さについて、基準距離Lを算出するのと同様の手法で横断歩道25の前端までの基準距離L‘を算出してこの基準距離L’から基準距離Lを減じることで算出する。
【0055】
もちろん、横断可領域として抽出されたペアのエッジであれば、どのエッジ間のピクセル幅を検出してもよく、その検出されたピクセル幅をaとした場合、ピクセル幅aの部分に対応する部位の規格値が固定値Aに相当する。
【0056】
したがって、車両用画像認識装置1は、上記構成の、単眼カメラ11、横断可領域抽出部12、大きさ検出部16及び距離算出部17を備えていることにより、横断歩道25の所定部位の規格上の大きさを加味して、横断可領域までの基準距離Lを算出しているので、横断可領域が自車両から遠方に存在する状況であっても、横断歩道25までの基準距離Lを単眼カメラによる撮像画像から精度良く算出できる。
【0057】
ところで、横断歩道25の所定部位の大きさの規格値には、ある程度の許容公差が認められている。例えば、横断歩道25の一つの白線領域(すなわち、ある一つのペアの立ち上がりエッジと立ち下がりエッジとに挟まれた高輝度領域)の規格値は45cm〜50cmであり、地域等によってその規格の範囲内で採用している値に差があるのが現状である。
【0058】
このような差を吸収するため、横断歩道25の所定部位が撮像画像上の上下方向で所定の位置にあるときの当該所定部位の撮像画像上の大きさ(例えば、左右方向の長さ)を用いて、その所定部位の大きさの規格値をキャリブレーションした値(キャリブレーション値)を算出する。このようなキャリブレーション値を次回以降の距離算出に用いることによって、その算出精度を向上させることができる。例えば、画像上で所定の位置にあるときの横断歩道25の白線領域を構成するピクセル幅fを用いて、その白線領域の大きさの規格値Fについてのキャリブレーション値F1を算出し、次回以降の距離算出に用いる。
【0059】
分割部13は、図11に示すように、横断可領域抽出部12によって抽出された横断歩道25の輪郭に基づいた境界線で撮像画像21内の道路と歩道を含む路面の領域を五つ領域部分η〜λに分割する分割手段である。
【0060】
選択部14は、前述した領域部分のそれぞれに対応させた歩行者パターンを含むデータベースを選択する選択手段であり、認識部15は、領域部分のそれぞれにおいて対応させた歩行者パターンを含むデータベースを用いた照合により歩行者を認識する認識手段である。
【0061】
本実施例2において、境界線は、図11に示すように、輪郭の前端縁と後端縁のそれぞれに沿う又は平行な左右方向に延びる複数の左右方向線L5〜L8を含むものである。領域部分η〜λのそれぞれの前後方向の長さは、図12に示すように、この長さに対応する撮像画像21内のピクセル数が相互に等しく(ここでは20ピクセル)なるように設定され、歩行者パターンに対応する撮像画像21内のピクセル数は、図12に示すように、車両から領域部分η〜λのそれぞれまでの距離に応じて設定され、距離が大きいほどピクセル数は少なく設定される。
【0062】
また、本実施例2では距離算出部17を含んでおり、距離算出部17は、抽出手段である横断可領域抽出部12の抽出した横断可領域までの基準距離Lを算出し、基準距離Lに基づいて領域部分η〜λまでの前述した距離を算出する算出手段としても機能する。
【0063】
図12に示した具体例においては、横断歩道25の基準距離Lが25mで横断歩道25自体の前後方向の長さが10mであり、前後方向の中央の距離が例えば30mである場合であり、領域部分ηの前端縁であって、領域部分θの後端縁は、自車両から20mの距離に設定され、領域部分ιの後端縁は自車両から25mの距離に設定され、領域部分κの後端縁は自車両から35mの距離に設定され、領域部分λの後端縁は自車両から60mの距離に設定される。
【0064】
図13は、本実施例2の車両用画像認識装置31の処理全体を示すフローチャートである。以下に、図14を併せて用いて本実施例2の処理全体を説明する。
【0065】
ステップS90において、図9のフローチャートのステップS40−1に関する説明で示したように、横断歩道25を含む領域部分ιを抽出し自車両からの基準距離Lを算出する。
【0066】
ステップS100において、分割部13は、撮像画像21内の領域を前後方向に並列する五つの領域部分η〜λに分割して、これらの領域部分η〜λを歩行者の探索領域として、選択部14は、それぞれに対応する距離の増大に応じてピクセル数が少なく設定された歩行者パターンを含むデータベースを選択する。
【0067】
ステップS110において、認識部15は、それぞれの領域部分η〜λ毎に、前ステップで選択された、対応する歩行者パターンを含むデータベースを用いて、歩行者を認識する。
【0068】
なお、本発明の車両用画像認識方法は、図13に示したフローチャートに基づいて実行される。また、本発明のプログラムは、本実施例2の車両用画像認識装置31内に予めインストール又は格納され、このプログラムは所定の媒体に記憶されていていてもよい。
【0069】
本実施例2の車両用画像認識装置31によれば、図14の上下方向の二重線の双方向の矢印の上側に示すように、分割された領域部分η〜λ毎に、対応する歩行者パターンを用いて探索を行い、歩行者を認識するので、図14の矢印の下側で示すように領域全体を探索領域とする従来技術に比べて、探索領域を減らして、処理負荷を軽減して処理速度を高め、認識の応答性と精度を高めることができる。
【0070】
特に本実施例2においては、距離に対応させて歩行者パターンを構成するピクセル数を手前から奧に向けて漸減させているため、より効果的に探索領域を低減することができる。また、距離に応じて歩行者パターンのピクセル数を予め設定しておくことにより、従来技術では歩行者と認識される可能性のある物体と実際の歩行者とをより厳密に区別して認識することができ、誤認識を防止することができる。
【0071】
図11に示した模式図においては、領域部分η〜λは相互に重複する部分を有しているが、実施例1と同様に、オーバーラップ代は歩行者の各領域部分からのはみ出しを吸収することを考慮して適宜設定している。また実施例2においても、歩行者パターンは所持物を表示した形態のものであってもよい。
【0072】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0073】
例えば、実施例2における前後方向に垂直な方向への分割は、実施例1においても適用することができ、例えば、図2に示した領域部分α、β、ζについて適宜前後方向に分割することができる。
【符号の説明】
【0074】
1、31 車両用画像認識装置
11 単眼カメラ(撮像手段)
12 横断可領域抽出部(抽出手段)
13 分割部(分割手段)
14 選択部(選択手段)
15 認識部(認識手段)
16 大きさ検出部
17 距離算出部(算出手段)
21 撮像画像
22 歩行者
23 白線
24 白鎖線
25 横断歩道(横断可領域)
26 消失点(無限遠点)
p1〜p4 候補ライン
L 基準距離
L‘ 基準距離
L1〜L4 境界線
α〜ζ 領域部分
L5〜L8 境界線
η〜λ 領域部分
【技術分野】
【0001】
本発明は、単眼カメラを用いる車両用画像認識装置、車両用画像認識方法、プログラム及び媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
単眼カメラを用いた安価な構成で歩行者を認識、検出するにあたって、歩行者の向きや静止状態、歩行状態を含む姿勢はバラツキが大きいため、歩行者の向き別の歩行者パターンを準備し、それぞれ順番に照合することが有効である。ところが、向き数に比例して処理負荷が大きくなり、応答性が低下し迅速な認識ができなくなるという問題がある。
【0003】
このような問題に対応する従来技術として、例えば特許文献1に記載されるように、歩行者の移動ベクトルを検出して移動ベクトルに応じて歩行者パターンを準備することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−237897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この手法においては、移動する歩行者に対しては有効であるが、静止している歩行者を認識できないという課題がある。特に静止状態の歩行者のうち、左向きの歩行者と右向きの歩行者では歩行者パターンが大きく異なるため、これらの異なる歩行者パターンを有するデータベースによる認識では認識性能が低くなるという課題がある。
【0006】
そこで、本発明は、処理負荷を高めることなくより効果的に認識性能を高めることができる車両用画像認識装置、車両用画像認識方法、プログラム及び媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る車両用画像認識装置は、
撮像手段と、
前記撮像手段による撮像画像から横断可領域を抽出する抽出手段と、
前記横断可領域の輪郭に基づいた境界線で前記撮像画像内の道路と歩道を含む路面の領域を領域部分に分割する分割手段と、
前記領域部分のそれぞれに対応させた歩行者パターンを選択する選択手段と、
前記領域部分のそれぞれにおいて前記歩行者パターンを用いた照合により歩行者を認識する認識手段と、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、上記目的を達成するため、本発明に係る車両用画像認識方法は、
撮像ステップと、
前記撮像手段による撮像画像から横断可領域を抽出する抽出ステップと、
前記横断可領域の輪郭に基づいた境界線で前記撮像画像内の道路と歩道を含む路面の領域を領域部分に分割する分割ステップと、
前記領域部分のそれぞれに対応させた歩行者パターンを選択する選択ステップと、
前記領域部分のそれぞれにおいて前記歩行者パターンを用いた照合により歩行者を認識する認識ステップと、を含むことを特徴とする。
【0009】
本発明に係るプログラムは前記車両用画像認識方法を実行するプログラムであり、本発明に係る媒体は前記プログラムを記憶した媒体である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、処理負荷を高めることなくより効果的に認識性能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態である実施例1の車両用画像認識装置1の構成を示したブロック図である。
【図2】単眼カメラ11によって得られた自車両の進行方向の撮像画像21を示した図である。
【図3】実施例1における撮像画像21内の領域の領域部分への分割態様を示す模式図である。
【図4】実施例1において用いる歩行者パターンの静止状態と歩行状態、向きを示す態様の具体例を示す模式図である。
【図5】横断歩道25(横断可領域)を抽出する処理例を示したフローチャートである。
【図6】図2の撮像画像21上の横断歩道25を説明するための図である。
【図7】本実施例1の車両用画像認識装置1の処理全体を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態である実施例2の車両用画像認識装置31の構成を示したブロック図である。
【図9】横断歩道25(横断可領域)を抽出して基準距離Lを算出する処理例を示したフローチャートである。
【図10】撮像画像21上でピクセル幅aを有する横断歩道25までの基準距離Lを示した図である。
【図11】実施例2における撮像画像21内の領域の領域部分への分割態様を示す模式図である。
【図12】実施例2において用いる歩行者パターンのピクセル数と距離との関係を示す模式図である。
【図13】実施例2の車両用画像認識装置31の処理全体を示すフローチャートである。
【図14】実施例2の車両用画像認識装置31の歩行者の認識形態を従来技術との比較に基づいて示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態の説明を行う。図1は、本発明の一実施形態である車両用画像認識装置1の構成を示したブロック図である。車両用画像認識装置1は、車両に搭載され、単眼カメラ11と、横断可領域抽出部12と、分割部13と、選択部14と、認識部15とを備えている。各部の機能の一部又は全部は、画像認識処理を実行するECU(Electronic Control Unit)を含むプロセッサやマイクロコンピュータ等によって実現可能である。
【0013】
単眼カメラ11は、自車両周辺(例えば、自車両の進行方向)を所定の画角で撮像して、その撮像画像を出力する撮像手段である。自車両の進行方向は、前進方向でも、後進方向でもよい。単眼カメラ11は、CCD又はCMOS等の撮像素子を備えている。
【0014】
横断可領域抽出部12は、単眼カメラ11による撮像画像から横断可領域である横断歩道を抽出する抽出手段である。
【0015】
横断歩道は、一般的には、道路の前後方向に延びる太い白線と左右方向に延びる細い白線の組合せ又は太い白線のみにより構成される。なお、横断可領域は、文字、記号又はそれらの組み合わせが路面上にペイント等によって標示されたものであってもよく、歩行者用信号が青である条件又は道路を走行する車両が存在しない条件で歩行者が安全に横断することが可能である領域を指す。横断歩道の大きさは、法令等で予め定められた寸法を基準としている。
【0016】
図2は、単眼カメラ11によって得られた自車両の進行方向の撮像画像21を示した図である。22は歩行者を指し、23は側方の白線を、24は分離帯の白鎖線を示す。撮像画像21には、横断可領域として、自車両の前方の進路上に標示された横断歩道25が含まれている。符号26は、消失点(無限遠点)を表す。図2の場合、横断可領域抽出部12は、例えば、撮像画像21から、横断歩道25を構成する候補ラインp1〜p4を抽出する。撮像画像21は、左右方向のピクセル数がW、上下方向のピクセル数がHの画像である。
【0017】
分割部13は、図3に示すように、横断可領域抽出部12によって抽出された横断歩道25の輪郭に基づいた境界線で撮像画像21内の道路と歩道を含む路面の領域を九つであって六種類の領域部分α〜ζに分割する分割手段である。
【0018】
選択部14は、前述した領域部分のそれぞれに対応させた歩行者パターンを含むデータベースを選択する選択手段であり、認識部15は、領域部分のそれぞれにおいて対応させた歩行者パターンを含むデータベースを用いた照合により歩行者を認識する認識手段である。
【0019】
本実施例1において、前述した境界線は、図2の情報からの俯瞰図である図3に示すように、横断歩道25の輪郭の前端縁と後端縁のそれぞれに沿う左右方向に延びる左右方向線L1、L2を含むとともに、輪郭の左端縁と右端縁のそれぞれに沿う前後方向に延びる前後方向線L3、L4を含むものとする。なお、後者の境界線である前後方向線L3、L4については、より検出の容易な道路の側方の白線と一致するため、白線の検出により代用する。
【0020】
さらに、本実施例1においては、歩行者パターンは歩行者の静止状態又は歩行状態と正面背面左右のいずれかの向きを含む。また、図3に示す、横断可領域つまり領域部分εの左右に隣接して位置する領域部分γ、δにおいて、それぞれの歩行者パターンは図4中最左と左から二番目に示すような、静止状態に対応したものである。
【0021】
すなわち図3に示すように、横断可領域つまり領域部分εの左に隣接して位置する領域部分γにおいて、歩行者パターンは右向きであり、横断可領域つまり領域部分εの右に隣接して位置する領域部分δにおいて、歩行者パターンは左向きである。
【0022】
さらに、横断可領域である領域部分εの左前又は右前に位置する領域部分βにおいて、歩行者パターンは図4の右から二番目に示す歩行状態に対応したものであって正面向きであり、横断可領域である領域部分εの左後又は右後に隣接して位置する領域部分αにおいて、歩行者パターンは図4の最右に示す歩行状態に対応したものであって背面向きである。
【0023】
なお、領域部分εそのものにおいては、歩行者パターンは歩行状態であって、左向き又は右向きに対応したものである。領域部分εの前又は後の領域部分ζにおいては、歩行者パターンは全方位向きに、対応したものである。また、図3の図示から明らかなように、領域部分ζは道路であり、領域部分α、βは歩道であり、領域部分γ、δは、横断歩道25の両側に位置する歩道である。
【0024】
図5は、横断歩道25を抽出する処理例を示したフローチャートである。図2、図6を参照しながら、本フローチャートについて説明する。
【0025】
ステップS10において、横断可領域抽出部12は、撮像画像21の画素輝度分布に基づいて、画素の輝度が急変する上下方向(垂直方向)のエッジを撮像画像21の中から抽出する。
【0026】
ステップS20において、横断可領域抽出部12は、ステップS10で抽出したエッジを、水平方向(自車両から図2の横断歩道25を見たときの左右方向)の輝度変化パターンによって分類する。横断可領域抽出部12は、各エッジの左領域及び右領域の画素輝度分布に基づいて、左領域が右領域よりも暗い場合には「立ち上がりエッジ」と判定し、左領域が右領域よりも明るい場合には「立ち下がりエッジ」と判定する。
【0027】
ステップS30において、横断可領域抽出部12は、撮像画像21を水平方向にサーチして、ステップS20で分類したエッジが所定回数以上交互に繰り返し出現するラインを、横断歩道25を構成する候補ラインとしてグルーピングする。そして、ステップS40において、横断可領域抽出部12は、撮像画像21を垂直方向にサーチして、グルーピングされた各候補ラインの隣接関係、及び候補ラインを構成するエッジの接続関係によって、各候補ラインをグルーピングして横断歩道25及び横断歩道25の輪郭を抽出する。
【0028】
例えば、横断可領域抽出部12は、互いに隣り合う立ち上がりエッジと立ち下がりエッジを1ペアとして、所定数以上のペア(例えば、3ペア以上)が存在し、且つ、それらの所定数以上のペアについて各ペアを構成する2つのエッジ間の水平方向(左右方向)の距離(例えば図6の場合、距離b1、b2、b3)がそれぞれ所定の範囲内にあるとき、それらの各ペアを、横断歩道25を構成する候補ラインとして抽出し、それらの抽出された複数の候補ラインを横断歩道25としてグルーピングする。
【0029】
認識部15は、自車両の進行方面に存在する横断歩道25近辺(例えば、横断歩道25が標示された道路上又はその道路脇)に存在する歩行者を、単眼カメラ11によって得られた撮像画像21から、上述した図4に示したような歩行者パターンを用いて、テンプレートマッチング等のパターン認識により認識する認識手段である。
【0030】
図7は、本実施例1の車両用画像認識装置1の処理全体を示すフローチャートである。以下に、既に示した図2を併せて用いて本実施例1の処理全体を説明する。
【0031】
ステップS50において、図5のフローチャートのステップS40に関する説明で示したように、横断歩道25である領域部分εを抽出し、ステップS60において、横断可領域抽出部12は、撮像画像21の画素輝度分布に基づいて、画素の輝度が急変する上下方向(垂直方向)のエッジであって前後方向に延びて消失点26に達する白線23を撮像画像21の中から抽出する。
【0032】
ステップS70において、分割部13は、撮像画像21内の領域を六種類の領域部分α〜ζに分割して、これらの領域部分α〜ζを歩行者の探索領域として、選択部14は、それぞれに対応する歩行者パターンを含むデータベースを選択する。
【0033】
ステップS80において、認識部15は、それぞれの領域部分α〜ζ毎に、対応する歩行者パターンを含むデータベースを用いて、認識する。
【0034】
なお、本発明の車両用画像認識方法は、図7に示したフローチャートに基づいて実行される。また、本発明のプログラムは、本実施例1の車両用画像認識装置1内に予めインストール又は格納され、このプログラムは所定の媒体に記憶されていていてもよい。
【0035】
本実施例1の車両用画像認識装置1によれば、分割された領域部分α〜ζ毎に、対応する歩行者パターンを用いて探索を行い、歩行者を認識するので、領域部分毎のデータベースが含む歩行者パターンを減らして、処理負荷を軽減して処理速度を高め、認識の応答性と精度を高めることができる。
【0036】
特に本実施例1においては、横断可領域が横断歩道25であり、図3に示す領域部分γ、δにおいては、横断待ちの歩行者が多く存在することが予め想定され、歩行者は静止状態であり向きも左右いずれかに固定されているケースが多いこと、領域部分εにおいて歩行者は歩行状態であり向きも左右いずれかであることであることを鑑みて、対応するデータベースの含む歩行者パターンの数を極力減らすことができるため、処理負荷の軽減と認識精度の向上をより効果的に実現できる。
【0037】
また、横断歩道25よりも自車両の進行方向の前に位置する領域部分αにおいても、歩行者が正面向きであり歩行状態であるケースが多いことに鑑み、対応するデータベースの含む歩行者パターンの数を減らすことができ、処理負荷を軽減し認識精度を高めることができる。同様に横断歩道25よりも後に位置する領域部分βにおいても歩行者が背面向きであり歩行状態であるケースが多いことに鑑み、処理負荷を軽減し認識精度を高めることができる。
【0038】
本実施例1の探索対象となる領域の分割を伴わせての歩行者のパターンマッチングによる認識によれば、撮像画像21全体を本実施例1の領域部分ζと同様の全方位向きの歩行者パターンを含むデータベースにて探索及び歩行者の認識を行う場合に比べて、処理時間を40%程度とすることができる。
【0039】
以上述べた実施例1においては、横断歩道25の大きさと自車両からの距離は求めていないが、もちろん、大きさと距離を求めた後、境界線を設定して領域を領域部分α〜ζに分割することもできる。
【0040】
なお、図3に示した模式図においては、領域部分α〜ζは相互に重複する部分を有しているが、オーバーラップ代は歩行者の各領域部分からのはみ出しを吸収することを考慮して適宜設定している。また、歩行者パターンは所持物を表示した形態のものであってもよく、静止状態と歩行状態、向きの表現手法は他の手法を用いてもよい。
【0041】
次に、自車両から横断歩道25までの基準距離Lを求めた後、撮像画像21内の領域を前後方向のみに分割することもできる。以下それについての実施例2について述べる。
【実施例2】
【0042】
以下、図面を参照しながら、本実施例2についての本発明を実施するための形態の説明を行う。図8は、本発明の一実施形態である車両用画像認識装置31の構成を示したブロック図である。車両用画像認識装置31は、車両に搭載され、単眼カメラ11と、横断可領域抽出部12と、分割部13と、選択部14と、大きさ検出部16と、距離算出部17と、認識部15とを備えている。各部の機能の一部又は全部は、実施例1と同様、画像認識処理を実行するプロセッサやマイクロコンピュータ等によって実現可能である。
【0043】
単眼カメラ11は、自車両周辺(例えば、自車両の進行方向)を所定の画角で撮像して、その撮像画像を出力する撮像手段である。自車両の進行方向は、前進方向でも、後進方向でもよい。単眼カメラ11は、CCD又はCMOS等の撮像素子を備えている。
【0044】
横断可領域抽出部12は、単眼カメラ11による撮像画像から横断可領域である横断歩道の所定部位を抽出する手段である。横断可領域抽出部12によって抽出される所定部位は、予め設計的に決められていて、横断歩道の全体でも一部でもよい。
【0045】
既に示した図2に示すように、撮像画像21には、横断可領域として、自車両の前方の進路上に標示された横断歩道25が含まれている。符号26は、消失点(無限遠点)を表す。図2の場合、横断可領域抽出部12は、例えば、撮像画像21から、横断歩道25を構成する候補ラインp1〜p4を抽出する。撮像画像21は、左右方向のピクセル数がW、上下方向のピクセル数がHの画像である。
【0046】
大きさ検出部16は、横断可領域抽出部12によって抽出された横断歩道25の所定部位についての単眼カメラ11による撮像画像上の大きさ(好ましくは、横幅)を検出する手段である。大きさ検出部16は、例えば、横断歩道25の所定部位を構成するピクセル数を撮像画像から取得することで、その所定部位の撮像画像上の大きさを検出できる。
【0047】
距離算出部17は、横断可領域抽出部12によって抽出された横断歩道25の所定部位についての規格上の予め定められた大きさと、大きさ検出部16により実際に検出された大きさと、単眼カメラ11の角度分解能とに基づいて、自車両からその横断歩道25までの基準距離Lを算出する手段である。
【0048】
図9は、横断歩道25までの基準距離Lを算出するまでの処理例を示したフローチャートである。図2、図6、図10を併せて参照しながら、本フローチャートについて説明する。
【0049】
ステップS10において、横断可領域抽出部12は、撮像画像21の画素輝度分布に基づいて、画素の輝度が急変する上下方向(垂直方向)のエッジを撮像画像21の中から抽出する。
【0050】
ステップS20において、横断可領域抽出部12は、ステップS10で抽出したエッジを、水平方向(自車両から横断可領域を見たときの左右方向)の輝度変化パターンによって分類する。横断可領域抽出部12は、各エッジの左領域及び右領域の画素輝度分布に基づいて、左領域が右領域よりも暗い場合には「立ち上がりエッジ」と判定し、左領域が右領域よりも明るい場合には「立ち下がりエッジ」と判定する。
【0051】
ステップS30において、横断可領域抽出部12は、撮像画像21を水平方向にサーチして、ステップS20で分類したエッジが所定回数以上交互に繰り返し出現するラインを、横断歩道25を構成する候補ラインとしてグルーピングする。そして、横断可領域抽出部12は、撮像画像21を垂直方向にサーチして、グルーピングされた各候補ラインの隣接関係、及び候補ラインを構成するエッジの接続関係によって、各候補ラインをグルーピングして横断歩道25を抽出する。
【0052】
例えば、横断可領域抽出部12は、互いに隣り合う立ち上がりエッジと立ち下がりエッジを1ペアとして、所定数以上のペア(例えば、3ペア以上)が存在し、且つ、それらの所定数以上のペアについて各ペアを構成する2つのエッジ間の水平方向(左右方向)の距離(例えば図6の場合、距離b1、b2、b3)がそれぞれ所定の範囲内にあるとき、それらの各ペアを、横断歩道25を構成する候補ラインとして抽出し、それらの抽出された複数の候補ラインを横断可領域としてグルーピングする。
【0053】
ステップS40−1において、大きさ検出部16は、横断歩道25の左右方向のピクセル数(幅)を検出し、距離算出部17は、その検出された左右方向のピクセル数を用いて、自車両の単眼カメラ11から横断歩道25までの基準距離Lを算出する。
【0054】
図6に示すように、横断可領域抽出部12によって横断可領域として抽出されたペアの中で、大きさ検出部16は、例えば、最も左側のペアの立ち上がりエッジp1aから、左から3番目のペアの立ち下がりエッジp3bまでの距離に相当する3ペア分のピクセル幅aを検出する。横断歩道25の規格上のその3ペア分の両端間の幅長(すなわち、ピクセル幅aの部分に対応する部位の規格上求められる値)をAとし、単眼カメラ11の左右方向の角度分解能をPとすると、基準距離Lは、図10から明らかなように、
L=A/tan(a×P) ・・・(1)
という関係式で表現される。ここで、角度分解能Pは、単眼カメラ11の左右方向の画角をα[度]、単眼カメラ11によって得られる撮像画像21の左右方向のピクセル数をW[pix.]とすると、「P=α/W[度/pix.]」によって表すことが可能な固定値である。つまり、距離算出部17は、式(1)に基づいて、横断歩道25までの基準距離Lを算出することができる。なお、距離算出部17は、横断歩道25の前後方向の長さについて、基準距離Lを算出するのと同様の手法で横断歩道25の前端までの基準距離L‘を算出してこの基準距離L’から基準距離Lを減じることで算出する。
【0055】
もちろん、横断可領域として抽出されたペアのエッジであれば、どのエッジ間のピクセル幅を検出してもよく、その検出されたピクセル幅をaとした場合、ピクセル幅aの部分に対応する部位の規格値が固定値Aに相当する。
【0056】
したがって、車両用画像認識装置1は、上記構成の、単眼カメラ11、横断可領域抽出部12、大きさ検出部16及び距離算出部17を備えていることにより、横断歩道25の所定部位の規格上の大きさを加味して、横断可領域までの基準距離Lを算出しているので、横断可領域が自車両から遠方に存在する状況であっても、横断歩道25までの基準距離Lを単眼カメラによる撮像画像から精度良く算出できる。
【0057】
ところで、横断歩道25の所定部位の大きさの規格値には、ある程度の許容公差が認められている。例えば、横断歩道25の一つの白線領域(すなわち、ある一つのペアの立ち上がりエッジと立ち下がりエッジとに挟まれた高輝度領域)の規格値は45cm〜50cmであり、地域等によってその規格の範囲内で採用している値に差があるのが現状である。
【0058】
このような差を吸収するため、横断歩道25の所定部位が撮像画像上の上下方向で所定の位置にあるときの当該所定部位の撮像画像上の大きさ(例えば、左右方向の長さ)を用いて、その所定部位の大きさの規格値をキャリブレーションした値(キャリブレーション値)を算出する。このようなキャリブレーション値を次回以降の距離算出に用いることによって、その算出精度を向上させることができる。例えば、画像上で所定の位置にあるときの横断歩道25の白線領域を構成するピクセル幅fを用いて、その白線領域の大きさの規格値Fについてのキャリブレーション値F1を算出し、次回以降の距離算出に用いる。
【0059】
分割部13は、図11に示すように、横断可領域抽出部12によって抽出された横断歩道25の輪郭に基づいた境界線で撮像画像21内の道路と歩道を含む路面の領域を五つ領域部分η〜λに分割する分割手段である。
【0060】
選択部14は、前述した領域部分のそれぞれに対応させた歩行者パターンを含むデータベースを選択する選択手段であり、認識部15は、領域部分のそれぞれにおいて対応させた歩行者パターンを含むデータベースを用いた照合により歩行者を認識する認識手段である。
【0061】
本実施例2において、境界線は、図11に示すように、輪郭の前端縁と後端縁のそれぞれに沿う又は平行な左右方向に延びる複数の左右方向線L5〜L8を含むものである。領域部分η〜λのそれぞれの前後方向の長さは、図12に示すように、この長さに対応する撮像画像21内のピクセル数が相互に等しく(ここでは20ピクセル)なるように設定され、歩行者パターンに対応する撮像画像21内のピクセル数は、図12に示すように、車両から領域部分η〜λのそれぞれまでの距離に応じて設定され、距離が大きいほどピクセル数は少なく設定される。
【0062】
また、本実施例2では距離算出部17を含んでおり、距離算出部17は、抽出手段である横断可領域抽出部12の抽出した横断可領域までの基準距離Lを算出し、基準距離Lに基づいて領域部分η〜λまでの前述した距離を算出する算出手段としても機能する。
【0063】
図12に示した具体例においては、横断歩道25の基準距離Lが25mで横断歩道25自体の前後方向の長さが10mであり、前後方向の中央の距離が例えば30mである場合であり、領域部分ηの前端縁であって、領域部分θの後端縁は、自車両から20mの距離に設定され、領域部分ιの後端縁は自車両から25mの距離に設定され、領域部分κの後端縁は自車両から35mの距離に設定され、領域部分λの後端縁は自車両から60mの距離に設定される。
【0064】
図13は、本実施例2の車両用画像認識装置31の処理全体を示すフローチャートである。以下に、図14を併せて用いて本実施例2の処理全体を説明する。
【0065】
ステップS90において、図9のフローチャートのステップS40−1に関する説明で示したように、横断歩道25を含む領域部分ιを抽出し自車両からの基準距離Lを算出する。
【0066】
ステップS100において、分割部13は、撮像画像21内の領域を前後方向に並列する五つの領域部分η〜λに分割して、これらの領域部分η〜λを歩行者の探索領域として、選択部14は、それぞれに対応する距離の増大に応じてピクセル数が少なく設定された歩行者パターンを含むデータベースを選択する。
【0067】
ステップS110において、認識部15は、それぞれの領域部分η〜λ毎に、前ステップで選択された、対応する歩行者パターンを含むデータベースを用いて、歩行者を認識する。
【0068】
なお、本発明の車両用画像認識方法は、図13に示したフローチャートに基づいて実行される。また、本発明のプログラムは、本実施例2の車両用画像認識装置31内に予めインストール又は格納され、このプログラムは所定の媒体に記憶されていていてもよい。
【0069】
本実施例2の車両用画像認識装置31によれば、図14の上下方向の二重線の双方向の矢印の上側に示すように、分割された領域部分η〜λ毎に、対応する歩行者パターンを用いて探索を行い、歩行者を認識するので、図14の矢印の下側で示すように領域全体を探索領域とする従来技術に比べて、探索領域を減らして、処理負荷を軽減して処理速度を高め、認識の応答性と精度を高めることができる。
【0070】
特に本実施例2においては、距離に対応させて歩行者パターンを構成するピクセル数を手前から奧に向けて漸減させているため、より効果的に探索領域を低減することができる。また、距離に応じて歩行者パターンのピクセル数を予め設定しておくことにより、従来技術では歩行者と認識される可能性のある物体と実際の歩行者とをより厳密に区別して認識することができ、誤認識を防止することができる。
【0071】
図11に示した模式図においては、領域部分η〜λは相互に重複する部分を有しているが、実施例1と同様に、オーバーラップ代は歩行者の各領域部分からのはみ出しを吸収することを考慮して適宜設定している。また実施例2においても、歩行者パターンは所持物を表示した形態のものであってもよい。
【0072】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0073】
例えば、実施例2における前後方向に垂直な方向への分割は、実施例1においても適用することができ、例えば、図2に示した領域部分α、β、ζについて適宜前後方向に分割することができる。
【符号の説明】
【0074】
1、31 車両用画像認識装置
11 単眼カメラ(撮像手段)
12 横断可領域抽出部(抽出手段)
13 分割部(分割手段)
14 選択部(選択手段)
15 認識部(認識手段)
16 大きさ検出部
17 距離算出部(算出手段)
21 撮像画像
22 歩行者
23 白線
24 白鎖線
25 横断歩道(横断可領域)
26 消失点(無限遠点)
p1〜p4 候補ライン
L 基準距離
L‘ 基準距離
L1〜L4 境界線
α〜ζ 領域部分
L5〜L8 境界線
η〜λ 領域部分
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段と、前記撮像手段による撮像画像から横断可領域を抽出する抽出手段と、前記横断可領域の輪郭に基づいた境界線で前記撮像画像内の道路と歩道を含む路面の領域を領域部分に分割する分割手段と、前記領域部分のそれぞれに対応させた歩行者パターンを選択する選択手段と、前記領域部分のそれぞれにおいて前記歩行者パターンを用いた照合により歩行者を認識する認識手段と、を含むことを特徴とする車両用画像認識装置。
【請求項2】
前記境界線は、前記輪郭の前端縁と後端縁のそれぞれに沿う左右方向に延びる左右方向線を含むことを特徴とする請求項1に記載の車両用画像認識装置。
【請求項3】
前記境界線は、前記輪郭の左端縁と右端縁のそれぞれに沿う前後方向に延びる前後方向線を含むことを特徴とする請求項2に記載の車両用画像認識装置。
【請求項4】
前記歩行者パターンは前記歩行者の静止状態又は歩行状態と正面背面左右のいずれかの向きを含むことを特徴とする請求項3に記載の車両用画像認識装置。
【請求項5】
前記横断可領域の左右に隣接して位置する前記領域部分において、前記歩行者パターンは前記静止状態に対応したものであることを特徴とする請求項4に記載の車両用画像認識装置。
【請求項6】
前記横断可領域の左に隣接して位置する前記領域部分において、前記歩行者パターンは右向きであり、前記横断可領域の右に隣接して位置する前記領域部分において、前記歩行者パターンは左向きであることを特徴とする請求項5に記載の車両用画像認識装置。
【請求項7】
前記横断可領域の左前又は右前に位置する前記領域部分において、前記歩行者パターンは前記歩行状態に対応したものであって正面向きであり、前記横断可領域の左後又は右後に隣接して位置する前記領域部分において、前記歩行者パターンは前記歩行状態に対応したものであって背面向きであることを特徴とする請求項6に記載の車両用画像認識装置。
【請求項8】
前記境界線は、前記輪郭の前端縁と後端縁のそれぞれに沿う又は平行な左右方向に延びる複数の左右方向線を含むものであることを特徴とする請求項1に記載の車両用画像認識装置。
【請求項9】
前記領域部分のそれぞれの前後方向の長さは、当該長さに対応する前記撮像画像内のピクセル数が相互に等しくなるように設定されることを特徴とする請求項8に記載の車両用画像認識装置。
【請求項10】
前記歩行者パターンに対応する前記撮像画像内のピクセル数は、車両から前記領域部分のそれぞれまでの距離に応じて設定されることを特徴とする請求項8に記載の車両用画像認識装置。
【請求項11】
前記抽出手段の抽出した前記横断可領域までの基準距離を算出し、当該基準距離に基づいて前記距離を算出する算出手段を含むことを特徴とする請求項10に記載の車両用画像認識装置。
【請求項12】
前記横断可領域は横断歩道であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の車両用画像認識装置。
【請求項13】
前記歩行者パターンは所持物を含むことを特徴とする請求項12に記載の車両用画像認識装置。
【請求項14】
撮像ステップと、前記撮像手段による撮像画像から横断可領域を抽出する抽出ステップと、前記横断可領域の輪郭に基づいた境界線で前記撮像画像内の道路と歩道を含む路面の領域を領域部分に分割する分割ステップと、前記領域部分のそれぞれに対応させた歩行者パターンを選択する選択ステップと、前記領域部分のそれぞれにおいて前記歩行者パターンを用いた照合により歩行者を認識する認識ステップと、を含むことを特徴とする車両用画像認識方法。
【請求項15】
請求項14に記載の車両用画像認識方法を実行するプログラム。
【請求項16】
請求項15に記載のプログラムを記憶した媒体。
【請求項1】
撮像手段と、前記撮像手段による撮像画像から横断可領域を抽出する抽出手段と、前記横断可領域の輪郭に基づいた境界線で前記撮像画像内の道路と歩道を含む路面の領域を領域部分に分割する分割手段と、前記領域部分のそれぞれに対応させた歩行者パターンを選択する選択手段と、前記領域部分のそれぞれにおいて前記歩行者パターンを用いた照合により歩行者を認識する認識手段と、を含むことを特徴とする車両用画像認識装置。
【請求項2】
前記境界線は、前記輪郭の前端縁と後端縁のそれぞれに沿う左右方向に延びる左右方向線を含むことを特徴とする請求項1に記載の車両用画像認識装置。
【請求項3】
前記境界線は、前記輪郭の左端縁と右端縁のそれぞれに沿う前後方向に延びる前後方向線を含むことを特徴とする請求項2に記載の車両用画像認識装置。
【請求項4】
前記歩行者パターンは前記歩行者の静止状態又は歩行状態と正面背面左右のいずれかの向きを含むことを特徴とする請求項3に記載の車両用画像認識装置。
【請求項5】
前記横断可領域の左右に隣接して位置する前記領域部分において、前記歩行者パターンは前記静止状態に対応したものであることを特徴とする請求項4に記載の車両用画像認識装置。
【請求項6】
前記横断可領域の左に隣接して位置する前記領域部分において、前記歩行者パターンは右向きであり、前記横断可領域の右に隣接して位置する前記領域部分において、前記歩行者パターンは左向きであることを特徴とする請求項5に記載の車両用画像認識装置。
【請求項7】
前記横断可領域の左前又は右前に位置する前記領域部分において、前記歩行者パターンは前記歩行状態に対応したものであって正面向きであり、前記横断可領域の左後又は右後に隣接して位置する前記領域部分において、前記歩行者パターンは前記歩行状態に対応したものであって背面向きであることを特徴とする請求項6に記載の車両用画像認識装置。
【請求項8】
前記境界線は、前記輪郭の前端縁と後端縁のそれぞれに沿う又は平行な左右方向に延びる複数の左右方向線を含むものであることを特徴とする請求項1に記載の車両用画像認識装置。
【請求項9】
前記領域部分のそれぞれの前後方向の長さは、当該長さに対応する前記撮像画像内のピクセル数が相互に等しくなるように設定されることを特徴とする請求項8に記載の車両用画像認識装置。
【請求項10】
前記歩行者パターンに対応する前記撮像画像内のピクセル数は、車両から前記領域部分のそれぞれまでの距離に応じて設定されることを特徴とする請求項8に記載の車両用画像認識装置。
【請求項11】
前記抽出手段の抽出した前記横断可領域までの基準距離を算出し、当該基準距離に基づいて前記距離を算出する算出手段を含むことを特徴とする請求項10に記載の車両用画像認識装置。
【請求項12】
前記横断可領域は横断歩道であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の車両用画像認識装置。
【請求項13】
前記歩行者パターンは所持物を含むことを特徴とする請求項12に記載の車両用画像認識装置。
【請求項14】
撮像ステップと、前記撮像手段による撮像画像から横断可領域を抽出する抽出ステップと、前記横断可領域の輪郭に基づいた境界線で前記撮像画像内の道路と歩道を含む路面の領域を領域部分に分割する分割ステップと、前記領域部分のそれぞれに対応させた歩行者パターンを選択する選択ステップと、前記領域部分のそれぞれにおいて前記歩行者パターンを用いた照合により歩行者を認識する認識ステップと、を含むことを特徴とする車両用画像認識方法。
【請求項15】
請求項14に記載の車両用画像認識方法を実行するプログラム。
【請求項16】
請求項15に記載のプログラムを記憶した媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−190214(P2012−190214A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−52483(P2011−52483)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]