説明

車両用空調装置およびその制御方法

【課題】車室内の温度が設定温度に保たれるようにする自動空調制御を実行可能な車両用空調装置において、ユーザに煩雑な操作を強いることなく省エネルギ化を図る。
【解決手段】空調ユニット90を備えたハイブリッド自動車20では、A/Cオートスイッチ103がオンされると共にA/Cオンオフスイッチ101がオフされているときにECOスイッチ88がオフされていれば冷凍サイクル93を構成するコンプレッサ95の作動が許容され(ステップS140)、A/Cオートスイッチ103がオンされると共にA/Cオンオフスイッチ101がオフされているときにECOスイッチ88がオンされていればコンプレッサ95の作動が禁止される(ステップS150)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の車室を空気調和する車両用空調装置およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種の車両用空調装置として、車室内へと吹き出される調和空気の温度と風量とを自動制御可能なものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この車両用空調装置では、空気吸入モードが外気モードであると共に車速が所定値以上であるときに、空調熱負荷が所定量以下であると判断して車室内へと空気を送風する送風機と冷凍サイクルを構成する圧縮機とを停止させ、それにより無駄なエネルギー消費を抑制している。また、従来から、車速が所定車速以下であるときにバッテリの充電量が十分であれば走行用エンジンを停止させるハイブリッド車両のための空調装置として、車室内の空調状態を快適性を重視するクールモードと燃料経済性を重視するエコノミーモードとに切り替え可能なものも知られている(例えば、特許文献2参照)。この空調装置では、車室内の空調状態をエコノミーモードに切り替えたときに車速が遅いほど冷媒圧縮機の稼働率を低下させ、それにより走行用エンジンを停止させ易くなるようにしている。更に、電気自動車用ヒートポンプ冷暖房除湿装置として、ユーザにより操作されて電動圧縮機の回転数の運転モードの設定を行う運転モード設定手段を備え、運転モード設定手段が操作された際に、電動機圧縮機の回転数を低減したり、当該回転数の上限を制限したりするものも知られている(例えば、特許文献3参照)。また、従来から、通常モードと省エネルギモードとを運転モードとして有し、通常モードと省エネルギモードとの何れかを任意に選択可能とした車両も知られている(例えば、特許文献4参照)。この車両では、エコスイッチの操作によりエンジン、回生制動ユニット、自動変速機、空調装置といった複数の装置に対して、通常モードと省エネルギーモードとの間の切換指示を一括して与えることが可能である。
【特許文献1】特開2006−224705号公報
【特許文献2】特開平11−180137号公報
【特許文献3】特開平08−156580号公報
【特許文献4】特開2006−151039号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述のような車室内の温度等が設定温度等に保たれるようにする自動空調制御は、一般に所定のスイッチが操作されると実行され、その実行中には基本的に冷凍サイクルを構成する圧縮機が作動される。従って、上記特許文献1に記載の技術のように圧縮機を適宜停止させたとしても、特に空調性能よりも車両の省エネルギ化を望むユーザの意に反して無駄に圧縮機を作動させてエネルギの浪費を招いてしまうおそれがある。この場合、特許文献2に記載されているような運転モード設定手段を車両用空調装置に設けることも考えられるが、上記自動空調制御は、基本的に少ないスイッチ操作で快適な車室環境を得られるようにするものであり、このような運転モード設定手段を車両用空調装置に設けても、車両の省エネルギ化を望むユーザに煩雑な操作を強いるだけとなる。
【0004】
そこで、本発明による車両用空調装置およびその制御方法は、車室内の温度が設定温度に保たれるようにする自動空調制御を実行可能な車両用空調装置において、ユーザに煩雑な操作を強いることなく省エネルギ化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による車両およびその制御方法は、上述の目的を達成するために以下の手段を採っている。
【0006】
本発明による車両用空調装置は、省エネルギ化を優先する省エネルギモードを選択するための省エネルギモード選択スイッチを備えた車両の車室を空気調和する車両用空調装置であって、
所定の駆動源により駆動される圧縮機を含む冷凍サイクルと、
前記車室内の温度が設定温度に保たれるようにする自動空調制御の実行を選択するための自動空調選択スイッチと、
前記圧縮機の作動を伴う前記車室の空気調和の実行を指示するための空調実行指示スイッチと、
前記自動空調選択スイッチがオンされると共に前記空調実行指示スイッチがオフされているときに前記省エネルギモード選択スイッチがオフされていれば前記圧縮機の作動を許容し、前記自動空調選択スイッチがオンされると共に前記空調実行指示スイッチがオフされているときに前記省エネルギモード選択スイッチがオンされていれば前記圧縮機の作動を禁止する制御手段と、
を備えるものである。
【0007】
この車両用空調装置では、自動空調選択スイッチがオンされると共に空調実行指示スイッチがオフされているときに省エネルギモード選択スイッチがオフされていれば圧縮機の作動が許容され、自動空調選択スイッチがオンされると共に空調実行指示スイッチがオフされているときに省エネルギモード選択スイッチがオンされていれば圧縮機の作動が禁止される。すなわち、この車両用空調装置では、車両の省エネルギモード選択スイッチがオフされているときには、空調実行指示スイッチのオンオフ状態に拘わらず、自動空調選択スイッチをオンするだけで、圧縮機の作動を伴った自動空調制御が実行される。これに対して、車両の省エネルギモード選択スイッチがオンされているときには、空調実行指示スイッチが別途オンされていなければ、自動空調選択スイッチをオンしても圧縮機の作動が禁止され、圧縮機の作動を伴わない自動空調制御が実行されることになる。従って、この車両用空調装置では、車両の省エネルギモード選択スイッチをオンしておけば、自動空調選択スイッチがオンされたときの圧縮機の作動が抑制され、それにより空調性能が若干低下するものの圧縮機の駆動に伴うエネルギ消費を無くすことが可能となることから、ユーザに煩雑な操作を強いることなく省エネルギ化を図ることができる。
【0008】
この場合、前記車両は蓄電手段を含んでもよく、前記圧縮機の駆動源は前記蓄電手段からの電力により作動する電動機であってもよい。このような圧縮機を用いた場合、自動空調選択スイッチがオンされると共に空調実行指示スイッチがオフされているときに省エネルギモード選択スイッチがオンされていれば、圧縮機の作動が禁止されることにより空調性能が若干低下するものの、圧縮機を駆動する電動機による電力消費を無くして車両用空調装置ひいては車両の省エネルギ化を図ることが可能となる。
【0009】
また、前記車両は動力を出力可能な内燃機関を含んでもよく、前記圧縮機の駆動源は前記内燃機関であってもよい。このような圧縮機を用いた場合、自動空調選択スイッチがオンされると共に空調実行指示スイッチがオフされているときに省エネルギモード選択スイッチがオンされていれば、圧縮機の作動が禁止されることにより空調性能が若干低下するものの、圧縮機を駆動する内燃機関の負担すなわち燃料消費量を低下させて車両用空調装置ひいては車両の省エネルギ化を図ることが可能となる。
【0010】
更に、前記車両の前記省エネルギモード選択スイッチは、前記車両用空調装置を含む前記省エネルギモードのもとで制御される複数の車両関連機器に対して前記省エネルギモードが選択された旨を一括して指示するものであってもよい。これにより、省エネルギモード選択スイッチをオンすれば、車両用空調装置を含む複数の車両関連機器を省エネルギモードのもとで制御することが可能となるので、車両の省エネルギ化を望むユーザに煩雑な操作を強いる必要がなくなる。
【0011】
本発明による車両用空調装置の制御方法は、所定の駆動源により駆動される圧縮機を含む冷凍サイクルと、車室内の温度が設定温度に保たれるようにする自動空調制御の実行を選択するための自動空調選択スイッチと、前記圧縮機の運転を伴う前記車室の空気調和の実行を指示するための空調実行指示スイッチとを備え、省エネルギ化を優先する省エネルギモードを選択するための省エネルギモード選択スイッチを有する車両の車室を空気調和する車両用空調装置の制御方法であって、
前記空調実行指示スイッチがオフされると共に前記自動空調選択スイッチがオンされているときに前記省エネルギモード選択スイッチがオフされていれば前記圧縮機の作動を許容し、前記空調実行指示スイッチがオフされると共に前記自動空調選択スイッチがオンされているときに前記省エネルギモード選択スイッチがオンされていれば前記圧縮機の作動を禁止する、ものである。
【0012】
この方法のもとでは、車両の省エネルギモード選択スイッチがオフされているときには、空調実行指示スイッチのオンオフ状態に拘わらず、自動空調選択スイッチをオンするだけで、圧縮機の作動を伴った自動空調制御が実行される。これに対して、車両の省エネルギモード選択スイッチがオンされているときには、空調実行指示スイッチが別途オンされていなければ、自動空調選択スイッチをオンしても圧縮機の作動が禁止され、圧縮機の作動を伴わない自動空調制御が実行されることになる。従って、車両の省エネルギモード選択スイッチをオンしておけば、自動空調選択スイッチがオンされたときの圧縮機の作動が抑制され、それにより空調性能が若干低下するものの圧縮機の駆動に伴うエネルギ消費を無くすことが可能となることから、この方法によれば、ユーザに煩雑な操作を強いることなく省エネルギ化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
【実施例】
【0014】
図1は、本発明の一実施例に係る車両用空調装置を備えたハイブリッド自動車20の概略構成図である。同図に示すハイブリッド自動車20は、エンジン22と、エンジン22の出力軸であるクランクシャフトに図示しないダンパを介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、図示しない減速機または変速機を介するか、あるいは直接に動力分配統合機構30に接続されたモータMG2と、図示しない車室内を空気調和(冷暖房)する空調ユニット(車両用空調装置)90と、ハイブリッド自動車20の全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット(以下、「ハイブリッドECU」という)70等とを備える。
【0015】
エンジン22は、ガソリンや軽油といった炭化水素系の燃料の供給を受けて動力を出力する内燃機関であり、エンジン用電子制御ユニット(以下、「エンジンECU」という)24により燃料噴射量や点火時期、吸入空気量等の制御を受けている。エンジンECU24には、エンジン22に対して設けられて当該エンジン22の運転状態を検出する各種センサからの信号が入力される。そして、エンジンECU24は、ハイブリッドECU70と通信しており、ハイブリッドECU70からの制御信号や上記センサからの信号等に基づいてエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッドECU70に出力する。
【0016】
動力分配統合機構30は、例えば外歯歯車のサンギヤ30aと、このサンギヤ30aと同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ30bと、サンギヤ30aに噛合すると共にリングギヤ30bに噛合する複数のピニオンギヤ30cと、複数のピニオンギヤ30cを自転かつ公転自在に保持するキャリア30dとを備え、サンギヤ30aとリングギヤ30bとキャリア30dとを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。機関側回転要素としてのキャリア30dにはエンジン22のクランクシャフトが、サンギヤ30aにはモータMG1が、車軸側回転要素としてのリングギヤ30bにはリングギヤ軸32を介してモータMG2(モータMG2に連結された減速機または変速機)がそれぞれ接続されている。動力分配統合機構30は、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア30dから入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ30a側とリングギヤ30b側とにそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア30dから入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ30aから入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ30b側に出力する。そして、リングギヤ30bに出力された動力は、駆動軸としてのリングギヤ軸32からデファレンシャルギヤ38等を介して最終的に駆動輪である車輪39a,39bに出力される。
【0017】
モータMG1およびMG2は、何れも発電機として作動すると共に電動機として作動可能な周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介して二次電池であるバッテリ50と電力のやり取りを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ラインは、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2の何れか一方により発電される電力を他方のモータで消費できるようになっている。従って、バッテリ50は、モータMG1,MG2の何れかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになり、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されないことになる。モータMG1,MG2は、何れもモータ用電子制御ユニット(以下、「モータECU」という)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ(図示省略)からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流等が入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号等が出力される。また、モータECU40は、ハイブリッドECU70と通信しており、ハイブリッドECU70からの制御信号等に基づいてモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッドECU70に出力する。
【0018】
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、「バッテリECU」という)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧、バッテリ50の出力端子に接続された電力ラインに取り付けられた電流センサからの充放電電流、バッテリ50に取り付けられた温度センサ(図示省略)からの電池温度等が入力されている。バッテリECU52は、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッドECU70やエンジンECU24に出力する。
【0019】
空調ユニット90は、ハイブリッド自動車20の車室内に調和空気を導くための空気通路を画成する空調ダクト91と、この空調ダクト91内で空気流を発生させるブロワ92と、主として車室内の冷房時に空調ダクト91内を流通する空気を冷却するための冷凍サイクル93と、主として車室内の暖房時に空調ダクト91内を流通する空気を加熱するためのヒータコア98、空調ユニット90全体を制御する空調用電子制御ユニット(以下、「空調用ECU」という)100等を含む。
【0020】
空調ダクト91は、例えば車室内の前方側に配置され、ブロワ92の近傍に位置するように形成された外気吸込口および内気吸込口や、デフロスタ吹出口、フェイス吹出口およびフット吹出口等を有している。そして、外気吸込口および内気吸込口の近傍には内外気切替ダンパ91aが配置され、デフロスタ吹出口、フェイス吹出口およびフット吹出口に対しては吹出口切替ダンパ91b,91c,91dが配置されている。また、実施例のブロワ92は、空調ダクト91と一体化されたスクロールケースや当該ケース内に回転自在に配置された遠心ファン、この遠心ファンを回転駆動するブロワモータ等を含む遠心式送風機として構成されている。冷凍サイクル93は、空調ダクト91内に配置されたエバポレータ(蒸発器)94や、エバポレータ94で蒸発した冷媒ガスを吸入・圧縮するコンプレッサ(圧縮機)95、コンプレッサ95により圧縮された高温・高圧の冷媒ガスを冷却して液化させるコンデンサ(凝縮器)96、液化した冷媒を減圧・膨張させる膨張弁97、図示しない気液分離器、レシーバタンク等を含む。エバポレータ94は、空気通路の全面を塞ぐように空調ダクト91内に配置され、膨張弁97からの冷媒との熱交換により空調ダクト91内を流通する空気を冷却したり除湿したりする。また、実施例のコンプレッサ95は、インバータを介してバッテリ50に接続されるモータにより駆動される電動圧縮機として構成されている。更に、コンデンサ96は、ハイブリッド自動車20の走行に伴って生じる走行風を受け易い位置に配置され、図示しない冷却ファンにより送風される外気や走行風と冷媒とを熱交換させて冷媒を冷却する。ヒータコア98は、エバポレータ94の下流側で空気通路を部分的に塞ぐように空調ダクト91内に配置されており、エバポレータ94とヒータコア98との間には、エアミックスダンパ99が配置されている。ヒータコア98は、エンジン22を冷却したエンジン冷却水の供給を受け、当該エンジン冷却水を熱源としてエバポレータ94側からの空気を加熱する。また、エアミックスダンパ99は、図示しないサーボモータ等により駆動され、エアミックスダンパ99の開度を変更することによりヒータコア98を通過する空気量とヒータコア98を迂回する空気量との割合を調節して車室内へと吹き出される調和空気の温度を調整することができる。
【0021】
空調用ECU100は、図示しないCPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されている。そして、空調用ECU100には、車室内のインストルメントパネル等に設けられたA/Cオンオフスイッチ(空調実行指示スイッチ)101からの空調オンオフ信号や、温度設定スイッチ102からの設定温度信号、車室内の温度が設定温度に保たれるようにする自動空調制御の実行を選択するためのA/Cオートスイッチ(自動空調選択スイッチ)103からの自動空調指令信号、更には図示しないセンサからの室温や外気温、日射量等が入力される。空調用ECU100は、これらの入力信号に基づいて各ダンパ91a〜91d、ブロワ92、コンプレッサ95、エアミックスダンパ99等を制御する。また、空調用ECU100は、A/Cオートスイッチ103がオンされている場合、車室内へと吹き出される調和空気の温度が温度設定スイッチ102を介して設定されている設定温度となるようにブロワ92、コンプレッサ95、エアミックスダンパ99等を制御(自動空調制御)する。そして、空調用ECU100も、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、必要に応じて空調ユニット90の状態に関するデータや、暖房を実行する際のエンジン運転要求等をハイブリッド用電子制御ユニット70に送信する。
【0022】
ハイブリッドECU70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッドECU70には、イグニッションスイッチ(スタートスイッチ)80からのイグニッション信号、シフトレバー81の操作位置であるシフトポジションSPを検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP、アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc、ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルストロークセンサ86からのブレーキペダルストロークBS、車速センサ87からの車速V等が入力ポートを介して入力される。また、実施例のハイブリッド自動車20の運転席近傍には、運転制御モードとして、車両の走行性能やドライバビリティ等よりも省エネルギ化を優先するECOモード(省エネルギモード)を選択するためのECOスイッチ(省エネルギモード選択スイッチ)88が設けられており、このECOスイッチ88もハイブリッドECU70に接続されている。ECOスイッチ88が運転者等によりオンされると、通常時(スイッチオフ時)には値0に設定される所定のECOフラグFecoが値1に設定されると共に、予め定められた省エネルギ化優先時用の各種制御手順に従ってハイブリッド自動車20が制御されることになる。なお、省エネルギ化優先時用の制御には、回生制動の実行を許容する車速の低車速側への切替、ブレーキペダル85の踏み込み時におけるクリープトルクの低減化、エンジン22の動作ラインを振動(こもり音)抑制ラインと燃費優先ラインとで切り替える車速の低車速側への切替、エンジン22を燃費優先ラインに従って運転する際のエンジン下限回転数の低減化、エンジン22とモータMG2との双方から走行用動力を得るときのモータMG2の出力の低減化、エンジン22の間欠運転(停止)を許容する車速の高車速側への切替、モータMG1を用いた制振制御の中止、モータ走行中にアクセルワークがラフであるときにエンジン22を始動させ難くする処理、エンジン22の暖機中かつ間欠運転(停止)の禁止時のエンジン回転数の低減化、バッテリ50の充電促進化等が含まれる。
【0023】
上述のように構成された実施例のハイブリッド自動車20では、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車軸としてのリングギヤ軸32に出力すべき要求トルクが計算され、この要求トルクに対応する動力がリングギヤ軸32に出力されるようにエンジン22とモータMG1とモータMG2とが制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御モードとしては、要求トルクに見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32に出力されるようモータMG1およびMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや、要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32に出力されるようモータMG1およびMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2から要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32に出力するように運転制御するモータ運転モード等がある。
【0024】
次に、上述のように構成されたハイブリッド自動車20に含まれる空調ユニット90の制御手順について説明する。図2は、空調ユニット90に含まれるコンプレッサ95の作動の有無を決定するために空調用ECU100により所定時間毎(例えば、数msec毎)に実行されるA/Cコンプレッサ制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【0025】
図2のA/Cコンプレッサ制御ルーチンの開始に際して、空調用ECU100の図示しないCPUは、まず、所定のA/CオンオフフラグFacやオートスイッチフラグFautoの値、ECOフラグFecoの値といった制御に必要なデータを入力する(ステップS100)。ここで、A/CオンオフフラグFacは、空調用ECU100によりA/Cオンオフスイッチ101がオフされていれば値0に、オンされていれば値1に設定されて所定の記憶領域に格納されるもの読み出し、オートスイッチフラグFautoは、空調用ECU100によりA/Cオートスイッチ103がオフされていれば値0に、オンされていれば値1に設定されて所定の記憶領域に格納されるものを読み出すものとした。また、ECOフラグFecoの値はハイブリッドECU70により設定されたものを当該ハイブリッドECU70から通信により入力するものとした。
【0026】
続いて、A/Cオンオフスイッチ101がオフされているか否か、すなわちステップS100にて入力したA/CオンオフフラグFacが値0であるか否かを判定する(ステップS110)。A/CオンオフフラグFacが値1であり、A/Cオンオフスイッチ101がオンされている場合には、コンプレッサ95の作動を伴う車室の空気調和の実行が指示されていることから、ステップS140にて冷凍サイクル93を構成するコンプレッサ95を作動させ(作動状態に維持し)、再度ステップS100以降の処理を実行する。また、A/CオンオフフラグFacが値0であり、A/Cオンオフスイッチ101がオフされている場合には、更にA/Cオートスイッチ103がオンされているか否か、すなわちオートスイッチフラグFautoが値1であるか否かを判定する(ステップS120)。オートスイッチフラグFautoが値0であり、A/Cオートスイッチ103がオフされている場合には、A/Cオンオフスイッチ101およびA/Cオートスイッチ103の何れからもコンプレッサ95の作動を伴う車室の空気調和の実行が指示されていないことになるので、ステップS150にて冷凍サイクル93を構成するコンプレッサ95を停止させ(停止状態に維持し)、再度ステップS100以降の処理を実行する。一方、オートスイッチフラグFautoが値1であり、A/Cオートスイッチ103がオンされている場合には、更にECOスイッチ88がオフされているか否か、すなわちECOフラグFecoが値0であるか否かを判定する(ステップS130)。そして、ECOフラグFecoが値0であってECOスイッチ88がオフされていれば、ステップS140にて冷凍サイクル93を構成するコンプレッサ95を作動させ(作動状態に維持し)、ECOフラグFecoが値1であってECOスイッチ88がオンされていれば、ステップS150にて冷凍サイクル93を構成するコンプレッサ95を停止させ(停止状態に維持し)、再度ステップS100以降の処理を実行する。
【0027】
以上説明したように、実施例の空調ユニット90を備えたハイブリッド自動車20では、A/Cオートスイッチ103がオンされると共にA/Cオンオフスイッチ101がオフされているときにECOスイッチ88がオフされていれば冷凍サイクル93を構成するコンプレッサ95の作動が許容され(ステップS140)、A/Cオートスイッチ103がオンされると共にA/Cオンオフスイッチ101がオフされているときにECOスイッチ88がオンされていればコンプレッサ95の作動が禁止される(ステップS150)。すなわち、この空調ユニット90では、ECOスイッチ88がオフされているときには、A/Cオンオフスイッチ101のオンオフ状態に拘わらず、A/Cオートスイッチ103をオンするだけで、空調用ECU100によりコンプレッサ95の作動を伴った自動空調制御が実行される。これに対して、ECOスイッチ88がオンされているときには、A/Cオンオフスイッチ101が別途オンされていなければ、A/Cオートスイッチ103をオンしてもコンプレッサ95の作動が禁止され、空調用ECU100によりコンプレッサ95の作動を伴わない自動空調制御が実行されることになる。従って、この空調ユニット90を備えたハイブリッド自動車20では、ECOスイッチ88をオンしておけば、A/Cオートスイッチ103がオンされたときのコンプレッサ95の作動が抑制され、それにより空調性能が若干低下するもののコンプレッサ95の駆動に伴うエネルギ消費を無くすことが可能となることから、ユーザに煩雑な操作を強いることなく省エネルギ化を図ることができる。つまり、上記実施例のコンプレッサ95の駆動源はバッテリ50からの電力により作動するモータであるから、A/Cオートスイッチ103がオンされると共にA/Cオンオフスイッチ101がオフされているときにECOスイッチ88がオンされていれば、コンプレッサ95の作動が禁止されることにより空調性能が若干低下するものの、コンプレッサ95を駆動するモータによる電力消費を無くして空調ユニット90ひいてはハイブリッド自動車20の省エネルギ化を図ることが可能となる。更に、上記ハイブリッド自動車に設けられているECOスイッチ88は、空調ユニット90に加えて、エンジン22、モータMG1,MG2、バッテリ50といった省エネルギモードのもとで制御される複数の車両関連機器に対して省エネルギモードが選択された旨を一括して指示するものである。従って、ハイブリッド自動車20では、ECOスイッチ88をオンすれば、これら複数の車両関連機器を省エネルギモードのもとで制御することが可能となるので、車両の省エネルギ化を望むユーザに煩雑な操作を強いることがない。
【0028】
なお、上記実施例のハイブリッド自動車20は、モータMG2の動力をリングギヤ軸32に接続された車軸に出力するものであるが、本発明の適用対象は、これに限られるものでもない。すなわち、本発明は、図3に示す変形例としてのハイブリッド自動車20Aのように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32に接続された車軸(車輪39a,39bが接続された車軸)とは異なる車軸(図3における車輪39c,39dに接続された車軸)に出力するものに適用されてもよい。また、上記実施例のハイブリッド自動車20は、エンジン22の動力を動力分配統合機構30を介して車輪39a,39bに接続される車軸としてのリングギヤ軸32に出力するものであるが、本発明の適用対象は、これに限られるものでもない。すなわち、本発明は、図4に示す変形例としてのハイブリッド自動車20Bのように、エンジン22のクランクシャフトに接続されたインナーロータ232と車輪39a,39bに動力を出力する車軸に接続されたアウターロータ234とを有し、エンジン22の動力の一部を車軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えたものに適用されてもよい。更に、本発明は、動力分配統合機構30の代わりに、エンジン22の動力を車軸側に伝達する動力伝達手段として無段変速機(以下「CVT」という)を備えた車両に適用されてもよい。このような車両の一例であるハイブリッド自動車20Cを図5に示す。同図に示す変形例のハイブリッド自動車20Cは、エンジン22からの動力をベルト式あるいはトロイダル式のCVT140やデファレンシャルギヤ38等を介して例えば前輪である車輪39a,39bに出力する前輪駆動系と、同期発電電動機であるモータMGからの動力をデファレンシャルギヤ38′等を介して例えば後輪である車輪39c,39dに出力する後輪駆動系とを備える。そして、モータMGは、インバータを介してエンジン22により駆動されるオルタネータ29や、当該オルタネータ29からの電力ラインに出力端子が接続されたバッテリ50に接続されている。これにより、モータMGは、オルタネータ29やバッテリ50からの電力により駆動されたり、回生を行って発電した電力によりバッテリ50を充電したりする。
【0029】
また、上記実施例の空調ユニット90の冷凍サイクル93を構成するコンプレッサ95は電動圧縮機とされているが、これに限られるものではない。すなわち、本発明による車両用空調装置は、図6に例示する空調ユニット90Aのように、エンジン22を駆動源とするコンプレッサ95Aを含むものであってもよい。図6の空調ユニット90Aでは、コンプレッサ95Aの回転軸がクラッチC1およびベルト23等を介してエンジン22のクランクシャフトに連結される。そして、クラッチC1によりコンプレッサ95Aの回転軸とエンジン22のクランクシャフトとを接続した状態でエンジン22を運転すれば、エンジン22によりコンプレッサ95Aを駆動してエバポレータ94による空調ダクト91内の空気の冷却や除湿を実行することが可能となる。このようなコンプレッサ95Aを備えた空調ユニット90Aでは、図示しないA/Cオートスイッチがオンされると共にA/Cオンオフスイッチがオフされているときに図示しないECOスイッチがオンされていれば、コンプレッサ95Aの作動が禁止されることにより空調性能が若干低下するものの、コンプレッサ95Aを駆動するエンジン22の負担すなわち燃料消費量を低下させて空調ユニット90Aひいてはそれを備えた自動車20Dの省エネルギ化を図ることが可能となる。なお、本発明による車両用空調装置は、エンジン22を駆動源とするコンプレッサ95Aを含むものであってもよいことから、ハイブリッド自動車20等以外に、図6に例示するようなエンジン22や自動変速機ATを備えた一般的な自動車20Dに適用され得ることはいうまでもない。
【0030】
ここで、上記実施例および変形例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明しておく。すなわち、省エネルギ化を優先するECOモードを選択するためのECOスイッチ88が「省エネルギモード選択スイッチ」に相当し、ハイブリッド自動車20,20A,20B,20Cや自動車20Dが「車両」に相当し、空調ユニット90が「車両用空調装置」に相当し、モータやエンジン22により駆動されるコンプレッサ95,95Aを含む冷凍サイクル93が「冷凍サイクル」に相当し、車室内の温度が設定温度に保たれるようにする自動空調制御の実行を選択するためのA/Cオートスイッチ103が「自動空調選択スイッチ」に相当し、コンプレッサ95,95Aの作動を伴う車室の空気調和の実行を指示するためのA/Cオンオフスイッチ101が「空調実行指示スイッチ」に相当し、図2のA/Cコンプレッサ制御ルーチンを実行する空調用ECU100が「制御手段」に相当する。なお、これら実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。すなわち、実施例はあくまで課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎず、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の解釈は、その欄の記載に基づいて行われるべきものである。
【0031】
以上、実施例を用いて本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、様々な変更をなし得ることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、車両用空調装置や自動車の製造産業等において利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施例に係る空調ユニット90を備えたハイブリッド自動車20の概略構成図である。
【図2】実施例の空調用ECU100により実行されるA/Cコンプレッサ制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図3】変形例に係るハイブリッド自動車20Aの概略構成図である。
【図4】他の変形例に係るハイブリッド自動車20Bの概略構成図である。
【図5】更に他の変形例に係るハイブリッド自動車20Cの概略構成図である。
【図6】変形例に係る自動車20Dの概略構成図である。
【符号の説明】
【0034】
20,20A,20B,20C ハイブリッド自動車、20D 自動車、22 エンジン、23 ベルト、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、29 オルタネータ、30 動力分配統合機構、30a サンギヤ、30b リングギヤ、30c ピニオンギヤ、30d キャリア、32 リングギヤ軸、38,38′ デファレンシャルギヤ、39a〜39d 車輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、50 バッテリ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(ハイブリッドECU)、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルストロークセンサ、87 車速センサ、88 ECOスイッチ、90,90A 空調ユニット、91 空調ダクト、91a 内外気切替ダンパ、91b,91c,91d 吹出口切替ダンパ、92 ブロワ、93 冷凍サイクル、94 エバポレータ、95,95A コンプレッサ、96 コンデンサ、97 膨張弁、98 ヒータコア、99 エアミックスダンパ、100 空調用電子制御ユニット(空調用ECU)、101 A/Cオンオフスイッチ、102 温度設定スイッチ、103 A/Cオートスイッチ、140 CVT、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ、234 アウターロータ、C1 クラッチ、MG,MG1,MG2 モータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
省エネルギ化を優先する省エネルギモードを選択するための省エネルギモード選択スイッチを備えた車両の車室を空気調和する車両用空調装置であって、
所定の駆動源により駆動される圧縮機を含む冷凍サイクルと
前記車室内の温度が設定温度に保たれるようにする自動空調制御の実行を選択するための自動空調選択スイッチと、
前記圧縮機の作動を伴う前記車室の空気調和の実行を指示するための空調実行指示スイッチと、
前記自動空調選択スイッチがオンされると共に前記空調実行指示スイッチがオフされているときに前記省エネルギモード選択スイッチがオフされていれば前記圧縮機の作動を許容し、前記自動空調選択スイッチがオンされると共に前記空調実行指示スイッチがオフされているときに前記省エネルギモード選択スイッチがオンされていれば前記圧縮機の作動を禁止する制御手段と、
を備える車両用空調装置。
【請求項2】
前記車両は蓄電手段を含み、前記圧縮機の駆動源は前記蓄電手段からの電力により作動する電動機である請求項1に記載の車両用空調装置。
【請求項3】
前記車両は動力を出力可能な内燃機関を含み、前記圧縮機の駆動源は前記内燃機関である請求項1に記載の車両用空調装置。
【請求項4】
前記車両の前記省エネルギモード選択スイッチは、前記車両用空調装置を含む前記省エネルギモードのもとで制御される複数の車両関連機器に対して前記省エネルギモードが選択された旨を一括して指示する請求項1から3の何れかに記載の車両用空調装置。
【請求項5】
所定の駆動源により駆動される圧縮機を含む冷凍サイクルと、車室内の温度が設定温度に保たれるようにする自動空調制御の実行を選択するための自動空調選択スイッチと、前記圧縮機の運転を伴う前記車室の空気調和の実行を指示するための空調実行指示スイッチとを備え、省エネルギ化を優先する省エネルギモードを選択するための省エネルギモード選択スイッチを有する車両の車室を空気調和する車両用空調装置の制御方法であって、
前記空調実行指示スイッチがオフされると共に前記自動空調選択スイッチがオンされているときに前記省エネルギモード選択スイッチがオフされていれば前記圧縮機の作動を許容し、前記空調実行指示スイッチがオフされると共に前記自動空調選択スイッチがオンされているときに前記省エネルギモード選択スイッチがオンされていれば前記圧縮機の作動を禁止する、
車両用空調装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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