説明

車両用空調装置

【課題】車室内温度と外気温度の温度差が大きい場合でも窓を開けて効率的に換気を行いながら、空調の調節により安定した温熱快適性を保つことのできる車両用空調装置を提供する。
【解決手段】窓を開ける必要があるか否かを判定する窓開け判定手段により窓を開ける必要があると判定されると(S3)、空調補正手段により、窓を開けることによる車室内の温度変化を予測して空調を補正する(S6)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用空調装置に係り、詳しくは強制自動換気時に車室内の空調を制御する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車室内での喫煙は一般に行われているが、車室内での喫煙により、車室内の空気の汚れや同乗者の健康に及ぼす害が懸念される。
このようなことから、従来、赤外線カメラ(IRカメラ)により車室内の温度分布を測定して喫煙者の着座位置を特定し、喫煙者と非喫煙者の着座位置に基づいて窓を自動で開けることにより、車室内の空気の流れを生成し、喫煙により汚れた空気を排気及び浄化する技術が知られている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−47418号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記公報に開示された従来技術では、自動で窓を開けた際に空調制御を行わないため、車室外から車室内への空気の流入により、車室内の温熱快適性が損なわれるという問題がある。
また、車室内温度と外気温度の温度差が大きい場合、窓は開けずに空気清浄機の運転のみで車室内の空気の浄化を行うことになり、好ましいことではない。
【0004】
本発明は、上述した課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、車室内温度と外気温度の温度差が大きい場合でも窓を開けて効率的に換気を行いながら、安定した温熱快適性を保つことのできる車両用空調装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するべく、請求項1の車両用空調装置は、車両の車室内の空調を行う車両用空調装置において、車両に自動で開閉可能に設けられた窓と、前記窓を開ける必要があるか否かを判定する窓開け判定手段と、前記窓開け判定手段により前記窓を開ける必要があると判定されると、該窓を開けることによる車室内の温度変化を予測して空調を補正する空調補正手段とを備えたことを特徴とする。
【0006】
請求項2の車両用空調装置では、請求項1において、車速を検出する車速検出手段と、車室内温度を検出する内気温検出手段と、外気温を検出する外気温検出手段とをさらに備え、前記窓開け判定手段は、少なくとも前記車速検出手段により検出された車速に基づき窓の開放量を決定するものであって、前記空調補正手段は、少なくとも該開放量と前記車速検出手段により検出された車速とに基づき車外から車室内に流入する空気量を算出する流入空気量算出手段と、該流入空気量算出手段により算出した車室内に流入する空気量と前記内気温検出手段により検出された車室内温度と前記外気温検出手段により検出された外気温度との差とに基づき車室内の温度変化を予測する温度変化予測手段と、前記温度変化予測手段より予測した温度変化に基づき空調補正量を算出する空調補正量算出手段とを含んでなることを特徴とする。
【0007】
請求項3の車両用空調装置では、請求項2において、降雨を検出する降雨検出手段をさらに備え、前記窓開け判定手段は、該降雨検出手段により降雨が検出されたとき、窓の開放量を制限することを特徴とする。
請求項4の車両用空調装置では、請求項1乃至3のいずれかにおいて、前記窓開け判定手段は、車両の乗員の喫煙を検出する喫煙検出手段を含み、該喫煙検出手段により乗員の喫煙が検出されると前記窓を開ける必要があると判定することを特徴とする。
【0008】
請求項5の車両用空調装置では、請求項1乃至4のいずれかにおいて、前記空調補正手段は、少なくとも空調強度と送風量とを補正することを特徴とする。
請求項6の車両用空調装置では、請求項4において、前記窓は複数からなり、前記窓開け判定手段は、さらに、車両の乗員の着座位置を検出する着座位置検出手段を含んでなり、前記喫煙検出手段により検出された乗員の喫煙及び該着座位置検出手段により検出された乗員の着座位置に基づいて前記複数の窓のうち開ける必要がある窓を選択することを特徴とする。
【0009】
請求項7の車両用空調装置では、請求項6において、複数の赤外線検出素子を二次元平面にマトリックス状に配置して車室内の温度分布を検出する温度分布検出手段を備え、該温度分布検出手段は、前記喫煙検出手段及び前記着座位置検出手段を含み、乗員の喫煙を検出するとともに乗員の着座位置を検出することを特徴とする。
請求項8の車両用空調装置では、請求項6または7において、前記空調補正手段は、少なくとも空調強度と送風量とともに前記窓開け判定手段により選択された窓の位置に応じて吹き出し位置を補正することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の車両用空調装置によれば、窓開け判定手段により窓を開ける必要があると判定されると、窓を開けることにより変化する車室内の温度変化を予測して空調を補正する。
従って、車室内温度と外気温度の差が大きくても空調の補正をかけることが可能であり、窓を自動で開けた場合でも車室内の換気をしつつ、車室内の温熱快適性を適切に保つことができる。
【0011】
請求項2の車両用空調装置によれば、少なくとも車速に基づき窓開け判定手段により窓の開放量を決定し、少なくとも該開放量と車速とに基づき流入空気量算出手段により車外から車室内に流入する空気量を算出する。そして、当該空気量と車室内温度と外気温度との差とに基づき温度変化予測手段より車室内の温度変化を予測し、さらに、当該予測した温度変化に基づき空調補正量を算出する。
【0012】
従って、適切に補正量を求めて的確な空調の補正が可能である。
請求項3の車両用空調装置によれば、降雨検出手段にて降雨を検出した場合には窓の開放量を制限しつつ、車室内の温熱快適性を適切に保つことができる。
請求項4の車両用空調装置によれば、喫煙検出手段により乗員の喫煙が検出されると窓を開ける必要があると判定されるので、車室内の喫煙によって汚れた空気を排気しつつ、車室内の温熱快適性を適切に保つことができる。
【0013】
請求項5の車両用空調装置によれば、空調補正手段にて空調強度と送風量を補正することで、車室内の温熱快適性を適切に保つことができる。
請求項6の車両用空調装置によれば、窓開け判定手段にて乗員の着座位置から開ける必要のある窓を選択することにより、喫煙によって汚れた空気が非喫煙者に影響が及ばないような最適な経路を選択しつつ、車室内の温熱快適性を適切に保つことができる。
【0014】
請求項7の車両用空調装置によれば、温度分布検出手段により車室内の温度分布を検出しているので、乗員の着座位置及び喫煙を正確に検出することが可能である。
請求項8の車両用空調装置によれば、空調補正手段にて空調強度と送風量とともに選択された窓の位置に応じて吹き出し位置を補正することで、例えば外気が吹き込む位置の温熱快適性を適切に保つことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る車両用空調装置(エアコンディショナ、以下エアコンと略す)をブロック図で示す概略構成図である。なお、図1では本願発明に関わる空調機器のみを図示し、本願発明に直接関係のない機器については図示とその説明を省略する。
車両の車室内には、赤外線カメラ(IRカメラ)1が配設されている。赤外線カメラ1は、多数の赤外線検出素子を二次元平面にマトリックス上に配置させ、熱画像センサとして機能するよう構成されている。詳しくは、赤外線カメラ1は、車室内の乗員や座席などの物体の温度に応じて放射される赤外線を撮像レンズで集光することにより、車室内の温度分布を示す熱画像を熱画像センサ上に結像させ、車室内の温度分布を検出するよう構成されている(着座位置検出手段、喫煙検出手段、温度分布検出手段)。そして、赤外線カメラ1は、画像処理回路2を介してエアコン電子コントロールユニット(エアコンECU)7の入力側に接続されている。
【0016】
図2を参照すると、赤外線カメラ1の撮像範囲が示されており、この一実施形態では、赤外線カメラ1はフロントウィンドウ中央上部に設置するルームミラーの近傍に設置されている。これにより、赤外線カメラ1は、ステアリング21に向かって着座する運転席乗員、その隣の助手席乗員、後部右座席乗員及び後部左座席乗員のすべての乗員を撮像範囲に収めることができる。
【0017】
図2に示すように、車両の運転席側には運転席パワーウィンドウ22が、助手席側には助手席パワーウィンドウ23が、後部右座席側には後部右座席パワーウィンドウ24が、後部左座席側には後部左座席パワーウィンドウ25がそれぞれ設けられている。
画像処理回路2は、赤外線カメラ1で検出された車室内の温度分布に基づいて各座席の乗員の有無を検出するとともに、煙草の火を検知して乗員の喫煙を検出する機能を有している。なお、各座席の乗員の検出には画像処理回路2の代わりにシートセンサを用いてもよい。
【0018】
図1に戻り、エアコンECU7はCPUやメモリ等(図示せず)からなり、エアコンECU7の入力側には、さらに車速センサ(車速検出手段)3、雨滴センサ(降雨検出手段)4、内気温センサ(内気温検出手段)5及び外気温センサ(外気温検出手段)6が接続されている。
車速センサ3はエンジンルーム内に配置されており、車両の走行速度(車速)を検出するものである。雨滴センサ4はフロントウィンドウに設置され、フロントウィンドウに当たる雨滴を検出して降雨を検出するものである。なお、雨滴センサ4の代わりにワイパースイッチを用いて降雨を検出してもよい。また、内気温センサ5は車室内に設置されており、車室内温度を検出するものである。さらに、外気温センサ6は、例えばフロントバンパー付近に配置されており、外気温度を検出するものである。
【0019】
エアコンECU7の出力側には、運転席パワーウィンドウ22を作動させるための運転席側パワーウィンドウモータ8、助手席パワーウィンドウ23を作動させるための助手席側パワーウィンドウモータ9、後部右座席パワーウィンドウ24を作動させるための後席右側パワーウィンドウモータ10、後部左座席パワーウィンドウ25を作動させるための後席左側パワーウィンドウモータ11が接続されるとともに、エアミックスドアアクチュエータ12、ブロアファンモータ13、コンプレッサクラッチ14、モードドアアクチュエータ15が接続されている。
【0020】
エアミックスドアアクチュエータ12、ブロアファンモータ13、コンプレッサクラッチ14、モードドアアクチュエータ15は、車両用空調装置の制御を実行するための作動要素であり、エアミックスドアアクチュエータ12は車室内に送風する冷気と暖気の割合を可変させるエアミックスドア(図示せず)を作動させるものであり、ブロアファンモータ13は送風を行うものであり、コンプレッサクラッチ14は車両用空調装置において冷媒を圧縮するコンプレッサ(図示せず)の駆動と非駆動とを可変操作する電磁クラッチであり、モードドアアクチュエータ15は吹き出し場所等の送風モードを可変させるモードドア(図示せず)を種々の作動パターンで作動させるものである。
【0021】
以下、このように構成された本発明に係る車両用空調装置の作動内容について説明する。
図3を参照すると、エアコンECU7が実行する一実施形態として排気及び空調制御(排気/空調制御)を示すフローチャートが示されており、以下同フローチャートに基づいて説明する。
【0022】
エアコンECU7は、エアコンのメインスイッチ(図示せず)がオンされた状態では常時当該フローチャートに従い排気及び空調制御を実行するようにしている。なお、画像処理回路2にて喫煙を検出したらエアコンのメインスイッチがオンされ、当該フローチャートの実行を開始するようにしてもよい。
ステップS1では、初期化処理として赤外線カメラ1、車速センサ3、雨滴センサ4、内気温センサ5、外気温センサ6を起動し、制御に必要なパラメータを初期化する。
【0023】
ステップS2では、赤外線カメラ1及び画像処理回路2により各座席の乗員検出を行い、乗員の喫煙を検出する。
続くステップS3では、喫煙が検出されたか否かを判別する(窓開け判定手段)。当該判別結果が真(Yes)と判定された場合にはステップS4に進み、当該判別結果が偽(No)と判定された場合にはステップS2へ戻る。
【0024】
ステップS4では、内気温センサ5と外気温センサ6により車室内温度と外気温度を検出する。また、雨滴センサ4により降雨を検出する。さらに、車速センサ3により車速を検出する。
ステップS5では、上記各センサが検出した値によりエアコンECU7にて窓開け方法を決定する。詳しくは、喫煙者と非喫煙者の乗車位置に応じ、効果的な排気経路を生成するための窓を開ける位置を決定する。さらに、車速センサ3から検出された車速と、雨滴センサ4で検出された降雨状況と、上記窓を開ける位置から窓の開放量を決定する。例えば、雨滴センサ4で降雨が検出された場合には、窓の開放量は雨よけバイザーの位置までに制限し、雨滴が車室内へ入らないようにする。
【0025】
続くステップS6(空調補正手段)では、上記ステップS5で決定した窓を開ける位置と、窓の開放量と、車速センサ3により得られた車速から車室内に流入する空気量を算出する(流入空気量算出手段)。実際には、エアコンECU7には実験等により窓開け方法と車速を基に車室内に流入する空気量がマップとして記憶されており、空気量は窓を開ける位置と、窓の開放量と、車速センサ3から検出された車速とに基づきマップから読み出される。
【0026】
そして、当該空気量と上記外気温度から車室内に流入する熱量を算出する。さらに、当該熱量から車室内温度の温度変化量を予測し(温度変化予測手段)、当該温度変化量から車室内温度を安定した状態に保つために必要な空調の補正量を算出する(空調補正量算出手段)。
ステップS7では、上記ステップS5で決定した窓開け方法に従い、各パワーウィンドウモータ8〜11を駆動操作して窓を開けることにより、煙草の煙を排気し、車室内の換気を行う。
【0027】
即ち、喫煙者と非喫煙者の着座位置に応じ、非喫煙者に煙草の煙が流れない、もしくは流れにくい最適な流路を選択し、対応する窓を自動で開けることにより、車室外から車室内へきれいな空気を流入させ、煙草の煙で汚れた空気を車室内から車室外へ排気するのに最適な空気の流れ(以下、気流という)を車室内に生成する。
そして、窓開け方法及び上記ステップ6にて決定した空調の補正量に基づき、エアミックスドアアクチュエータ12、ブロアファンモータ13、コンプレッサクラッチ14、モードドアアクチュエータ15を作動操作する。
【0028】
詳しくは、上記補正量から空調強度(例えば、温度)を決定し、エアミックスドアアクチュエータ12を作動させてエアミックスドアの開度を調節する。また、上記補正量から送風量を決定し、ブロアファンモータ13を作動させる。さらに、窓開け方法から外気が吹き込む位置を特定してモードドアの作動パターン(吹き出し位置)を決定し、モードドアアクチュエータ15を作動させる。そして、コンプレッサが停止している場合には、コンプレッサクラッチ14に通電することによりコンプレッサを駆動させる。
【0029】
以降、ステップ2に戻り、本制御ルーチンの実行を繰り返す。
このように、本実施形態によれば、パワーウィンドウモータ8〜11と、当該パワーウィンドウモータにより開閉されるパワーウィンドウ22〜25が配設され、車両用空調装置の制御を実行させるための作動要素であるエアミックスドアアクチュエータ12と、ブロアファンモータ13と、コンプレッサクラッチ14と、モードドアアクチュエータ15が配置され、乗員の喫煙によりパワーウィンドウ22〜25のいずれかの窓を開ける必要があると判定されると、パワーウィンドウ22〜25を開けることによる車室内の温度変化を予測して空調を補正するようにしている。
【0030】
これにより、窓を開ける必要があると判定されることにより窓が開けられる場合において、エアミックスドアアクチュエータ12とブロアファンモータ13とコンプレッサクラッチ14とモードドアアクチュエータ15が上記補正に応じて作動操作される。
従って、車室内温度と外気温度の差が大きくても空調の補正をかけることが可能であり、車室内の換気を行いつつ、車室内の温熱快適性を適切に保つことができる。
【0031】
また、少なくとも車速センサ3により検出された車速により決定された窓の開放量と当該車速とに基づいて車室内に流入する空気量を算出し、当該空気量と内気温度センサ5によって検出された車室内温度と外気温センサ6より検出された外気温度の差とに基づき車室内の温度変化を予測し、当該予測した温度変化に基づき空調の補正量を算出するようにしているので、適切に補正量を求めて空調の補正を的確に行うことが可能である。
【0032】
また、雨滴センサ4により降雨が検出された場合には、窓の開放量を雨よけバイザーの位置までに制限しつつ、車室内の温熱快適性を適切に保つことができる。
また、空調の温度と送風量を補正してエアミックスドアアクチュエータ12とブロアファンモータ13とを作動操作することにより、車室内の温熱快適性を適切に保つことができ、さらに空調の吹き出し位置を補正してモードドアアクチュエータ15を作動操作することにより、例えば外気が吹き込む位置の温熱快適性を適切に保つことができる。
【0033】
また、喫煙が検出された着座位置に基づいてパワーウィンドウ22〜25のうち開ける必要がある窓を選択し、選択されたパワーウィンドウ22〜25のいずれかの窓を開けることにより、喫煙によって汚れた空気を非喫煙者に影響が及ばないような最適な経路で排気しつつ、車室内の温熱快適性を適切に保つことができる。
そして、赤外線カメラ1で検出された温度分布に基づいて、画像処理回路2で乗員の着座位置と喫煙をそれぞれ検出するようにしているので、乗員の着座位置及び喫煙を正確に検出することが可能である。
【0034】
以上で本実施形態の説明を終えるが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では例えばマニュアルエアコン或いは通常のオートエアコンで排気及び空調制御を実施する場合を説明しているが、フルオートエアコンで上記排気及び空調制御を実施してもよい。
【0035】
また、上記実施形態では車両用空調装置は赤外線カメラ1、画像処理回路2、車速センサ3、雨滴センサ4、内気温センサ5、外気温センサ6、エアコンECU7、パワーウィンドウモータ8〜11、エアミックスドアアクチュエータ12、ブロアファンモータ13、コンプレッサクラッチ14、モードドアアクチュエータ15から構成されているが、本発明の特徴を損なわない限り、各構成要素は上記構成に限定されるものではない。
【0036】
また、上記実施形態ではフロント側に赤外線カメラ1を設置しているが、全座席の乗員を検出可能であれば、設置場所はフロント側に限られない。また、赤外線カメラを複数台用いてもよい。
また、上記実施形態では車両は例えばパワーウィンドウ22〜25の4つの窓を有しているが、窓が複数に限られず単数であっても本発明を好適に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係る車両用空調装置を備えた一実施形態の概略構成図である。
【図2】赤外線カメラの撮像範囲を示す図である。
【図3】排気/空調制御において行われる排気/空調制御ルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0038】
1 赤外線カメラ
2 画像処理回路
3 車速センサ
4 雨滴センサ
5 内気温センサ
6 外気温センサ
7 エアコンECU
12 エアミックスドアアクチュエータ
13 ブロアファンモータ
14 コンプレッサクラッチ
15 モードドアアクチュエータ
22 運転席パワーウィンドウ
23 助手席パワーウィンドウ
24 後部右座席パワーウィンドウ
25 後部左座席パワーウィンドウ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車室内の空調を行う車両用空調装置において、
車両に自動で開閉可能に設けられた窓と、
前記窓を開ける必要があるか否かを判定する窓開け判定手段と、
前記窓開け判定手段により前記窓を開ける必要があると判定されると、該窓を開けることによる車室内の温度変化を予測して空調を補正する空調補正手段と、
を備えたことを特徴とする車両用空調装置。
【請求項2】
車速を検出する車速検出手段と、
車室内温度を検出する内気温検出手段と、
外気温を検出する外気温検出手段とをさらに備え、
前記窓開け判定手段は、少なくとも前記車速検出手段により検出された車速に基づき窓の開放量を決定するものであって、
前記空調補正手段は、
少なくとも該開放量と前記車速検出手段により検出された車速とに基づき車外から車室内に流入する空気量を算出する流入空気量算出手段と、
該流入空気量算出手段により算出した車室内に流入する空気量と前記内気温検出手段により検出された車室内温度と前記外気温検出手段により検出された外気温度との差とに基づき車室内の温度変化を予測する温度変化予測手段と、
前記温度変化予測手段より予測した温度変化に基づき空調補正量を算出する空調補正量算出手段と、
を含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の車両用空調装置。
【請求項3】
降雨を検出する降雨検出手段をさらに備え、
前記窓開け判定手段は、該降雨検出手段により降雨が検出されたとき、窓の開放量を制限することを特徴とする、請求項2に記載の車両用空調装置。
【請求項4】
前記窓開け判定手段は、車両の乗員の喫煙を検出する喫煙検出手段を含み、該喫煙検出手段により乗員の喫煙が検出されると前記窓を開ける必要があると判定することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の車両用空調装置。
【請求項5】
前記空調補正手段は、少なくとも空調強度と送風量とを補正することを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の車両用空調装置。
【請求項6】
前記窓は複数からなり、
前記窓開け判定手段は、さらに、車両の乗員の着座位置を検出する着座位置検出手段を含んでなり、前記喫煙検出手段により検出された乗員の喫煙及び該着座位置検出手段により検出された乗員の着座位置に基づいて前記複数の窓のうち開ける必要がある窓を選択することを特徴とする、請求項4に記載の車両用空調装置。
【請求項7】
複数の赤外線検出素子を二次元平面にマトリックス状に配置して車室内の温度分布を検出する温度分布検出手段を備え、
該温度分布検出手段は、前記喫煙検出手段及び前記着座位置検出手段を含み、乗員の喫煙を検出するとともに乗員の着座位置を検出することを特徴とする、請求項6に記載の車両用空調装置。
【請求項8】
前記空調補正手段は、少なくとも空調強度と送風量とともに前記窓開け判定手段により選択された窓の位置に応じて吹き出し位置を補正することを特徴とする、請求項6または7に記載の車両用空調装置。

【図1】
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【図3】
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【図2】
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