説明

車両用空調装置

【課題】空調装置をできるだけコンパクトにまとめながら、熱交換媒体給排管の位置ずれを防止できるようにして接続時の作業性を向上させる。
【解決手段】車両用空調装置は、送風ファン及び送風ファンを収容する送風ケーシングを有する送風ユニットと、熱交換器及び熱交換器を収容する空調ケーシング42を有する空調ユニット3と、送風ケーシングと空調ケーシング3とを接続するダクト4とを備えている。熱交換器には、空調ケーシング42の外部へ延びる熱交換媒体給排管41aが接続されている。熱交換媒体給排管41aがダクト4に位置決めされるようになっている。熱交換媒体給排管41aには室外配管が接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等に搭載される車両用空調装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両用空調装置として、空調用空気を送風する送風ユニットと、送風ユニットから送風された空調用空気の温度調節を行う空調ユニットとを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。空調ユニットには熱交換器が収容されている。熱交換器には、熱交換媒体を給排するための給排管が接続されている。給排管には、車室外に配設されている室外配管が接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−254576号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、熱交換器の給排管は、空調装置を車両に組み付けた後に室外配管と接続する。この接続時の作業性を良好にするために給排管の位置ずれを空調装置側で防止しておく必要がある。
【0005】
また、空調装置を搭載する場所によっては、送風ユニットと空調ユニットとを離さなければならない場合がある。この場合には、送風ユニットと空調ユニットとをダクトで接続することにより対応できるが、空調装置はできるだけコンパクトにしたいという要求がある。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、空調装置をできるだけコンパクトにまとめながら、給排管の位置ずれを防止できるようにして接続時の作業性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、送風ファン及び該送風ファンを収容する送風ケーシングを有する送風ユニットと、熱交換器及び該熱交換器を収容する空調ケーシングを有する空調ユニットと上記送風ケーシングと上記空調ケーシングとを接続するように延び、上記送風ファンにより送風される空調用空気を上記空調ケーシング内に導入するためのダクトとを備え、車両の室内に搭載されるように構成された車両用空調装置において、上記熱交換器には、上記空調ケーシングの外部へ延びる熱交換媒体給排管が接続され、上記ダクトには、上記熱交換媒体給排管を位置決めする位置決め部が設けられ、上記熱交換媒体給排管は、上記位置決め部に位置決めされた状態で室外配管が接続されることを特徴とするものである。
【0008】
この構成によれば、熱交換媒体給排管がダクトの位置決め部に位置決めされることになるので、室外配管との接続時に位置ずれしなくなる。また、送風ユニットと空調ユニットを離して配置する場合に必要なダクトに位置決め部を設けたことで、ダクトを有効に利用でき、位置決め部を別に設ける構造に比べて空調装置のコンパクト化が図られる。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、空調用空気を冷却するように構成された冷媒蒸発器からなる冷却用熱交換器と、空調用空気を加熱するように構成された加熱用熱交換器とを備え、上記冷却用熱交換器に接続される熱交換媒体給排管の先端部には、高圧冷媒を膨張させる膨張弁を内蔵した膨張弁装置が取り付けられ、該膨張弁装置が位置決め部に位置決めされていることを特徴とするものである。
【0010】
この構成によれば、加熱用熱交換器に接続される熱交換媒体給排管と、冷却用熱交換器に接続される熱交換媒体給排管に取り付けられる膨張弁装置とが単一の位置決め部で位置決めされることになる。
【0011】
第3の発明は、第1または2の発明において、ダクトと空調ケーシングとは別体に構成され、位置決め部には、熱交換媒体給排管を径方向一側から保持する一側保持部が形成され、上記空調ケーシングには、上記熱交換媒体給排管を径方向他側から保持する他側保持部が形成され、上記熱交換媒体給排管は、上記一側保持部及び上記他側保持部により径方向両側から保持されていることを特徴とするものである。
【0012】
この構成によれば、ダクトを空調ケーシングに取り付けることで、熱交換媒体給排管を一側保持部及び他側保持部で径方向両側から保持することが可能になる。また、メンテナンス時等には、ダクトを空調ケーシングから取り外すことで、熱交換媒体給排管を容易に外すことが可能になる。
【0013】
第4の発明は、第1から3のいずれか1つの発明において、熱交換媒体給排管は車両前側へ延びるように形成され、位置決め部は、ダクトの車両前側に設けられていることを特徴とするものである。
【0014】
この構成によれば、熱交換媒体給排管の先端側が位置決め部で位置決めされることになるので、室外配管との接続時に熱交換媒体給排管を安定させることが可能になる。
【0015】
第5の発明は、第1から4のいずれか1つの発明において、位置決め部は、ダクトの周壁部を膨出させることによって該ダクトに一体成形されていることを特徴とするものである。
【0016】
この構成によれば、位置決め部が設けられたダクトの部品点数の増加を回避することが可能になる。
【発明の効果】
【0017】
第1の発明によれば、熱交換媒体給排管を位置決めする位置決め部を、送風ケーシングと空調ケーシングとを接続するダクトに設けたので、ダクトを有効に利用して空調装置をコンパクトにまとめながら、熱交換媒体給排管の位置ずれを防止して接続時の作業性を向上できる。
【0018】
第2の発明によれば、加熱用熱交換器に接続される熱交換媒体給排管の位置決め部で膨張弁装置を位置決めできるので、該熱交換媒体給排管及び膨張弁装置をコンパクトにまとめることができる。
【0019】
第3の発明によれば、ダクトの空調ケーシングへの着脱によって熱交換媒体給排管の着脱を行うことが可能になるので、組み立て時の作業性及びメンテナンス時の作業性を向上できる。
【0020】
第4の発明によれば、熱交換媒体給排管を車両前側へ延びるように形成し、位置決め部をダクトの車両前側に設けたことで、熱交換媒体給排管を安定させることができ、作業性をより一層向上させることができる。
【0021】
第5の発明によれば、位置決め部を、ダクトの周壁部を膨出させることによって該ダクトに一体成形したので、位置決め部を有するダクトのコストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】空調装置の配設状態を説明する図である。
【図2】送風ユニットを後側から見た図である。
【図3】送風ユニットの右側面図である。
【図4】送風ユニットの左側面図である。
【図5】送風ユニットの底面図である。
【図6】送風ユニットの分解斜視図である。
【図7】図10におけるVII−VII線断面図である。
【図8】空調ユニットの分解斜視図である。
【図9】空調ユニットの左側面図である。
【図10】空調ユニットの平面図である。
【図11】空調ユニットの右側面図である。
【図12】空調ユニットの底面図である。
【図13】中間ダクトが接続された空調ユニットの正面図である。
【図14】中間ダクト及び空調ユニットの正面図である。
【図15】中間ダクト及びヒータ配管の相対位置関係を示し、左側接続口側から見た斜視図である。
【図16】中間ダクト及びヒータ配管の相対位置関係を示し、右側接続口側から見た斜視図である。
【図17】中間ダクトの正面図である。
【図18】中間ダクトを後側から見た図である。
【図19】中間ダクトの右側面図である。
【図20】中間ダクトの左側面図である。
【図21】中間ダクトの平面図である。
【図22】空調装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0024】
図1は、本発明の実施形態にかかる空調装置1を車室Aに配設した状態を示すものである。空調装置1は、空調用空気を送風する送風ユニット2(仮想線で示す)と、送風ユニット2から送風された空調用空気を温度調節して車室の各部に供給する空調ユニット3と、送風ユニット2及び空調ユニット3を接続する中間ダクト4(図8、図14等に示す)と、送風ユニット2及び空調ユニット3を制御する制御装置5とを備えている。
【0025】
尚、この実施形態の説明では、説明の便宜を図るために、車両前側を単に「前」といい、車両後側を単に「後」といい、車両左側を単に「左」といい、車両右側を単に「右」というものとする。
【0026】
上記空調装置1が配設される車両のフロアパネルF上には、前席を構成する運転席S1及び助手席S2がそれぞれ右側及び左側に配設されている。また、フロアパネルF上には運転席S1及び助手席S2の後方に後席S3も配設されている。さらに、車室Aの前端部には、インストルメントパネルPが配設されている。インストルメントパネルPには、図示しないが、助手席用エアバッグ装置、ナビゲーション装置、物品収容ボックス等が配設されている。
【0027】
空調ユニット3は、インストルメントパネルP内の左右方向中央部に配設されている。また、送風ユニット2は、インストルメントパネルP内において空調ユニット3から左側へ離れた部位に配設されており、助手席S2の前方に位置している。中間ダクト4は、送風ユニット2と空調ユニット3との間に位置している。
【0028】
図2〜図6に示すように、送風ユニット2は、送風ファン10(図6にのみ示す)を収容する送風ケーシング11を備えている。ケーシング11には、内外気切替ダンパ12とフィルタ13も収容されるようになっている。ケーシング11は、左右方向の中央部において左側部材11aと右側部材11bとに分割されており、これら左側部材11a及び右側部材11bはビス等の締結部材により結合されている。
【0029】
図3及び図4に示すように、送風ケーシング11上部の前側には、外気導入ダクト14が設けられている。この外気導入ダクト14は、送風ケーシング11上部の前側から前方へ向けて斜め上方へ延びている。図2に示すように、外気導入ダクト14の右側壁は右側へ延びており、外気導入ダクト14の先端開口である外気導入口14a(図4に示す)は左右方向に長い形状とされている。外気導入口14aは、車体パネルに形成された開口部(図示せず)に接続されて車室外と連通している。外気導入ダクト14の外気導入口14a周りには、シール材15が全周に亘って設けられている。シール材15は、例えば発泡ウレタン等の弾性材で構成されたものであり、車体パネルの開口部の周縁に接するようになっている。
【0030】
図3に示すように、送風ケーシング11上部の後側は、該ケーシング11の外方へ向けて湾曲しており、この後側部分には、図2に示すように、後側内気導入口16aが形成されている。後側内気導入口16aは、左右方向に長い形状となっている。また、図3及び図4に示すように、送風ケーシング11上部の左右両側壁には、後側寄りの部位に、左側及び右側内気導入口16b,16cが形成されている。左側内気導入口16bの開口面積は、右側内気導入口16cの開口面積よりも小さく設定されているが、左右を同じにしてもよい。後側、左側及び右側内気導入口16a,16b,16cは、それぞれ格子18により覆われており、異物が送風ケーシング11内に侵入するのが抑制されている。図2に示すように、後側内気導入口16aの格子18は、下側が上側に比べて密な形状となっている。
【0031】
図6に示すように、上記内外気切替ダンパ12は、送風ケーシング11内部の上側に配置されている。内外気切替ダンパ12は、いわゆるロータリーダンパであり、左右方向に延びる回動軸12aと、回動軸12aの左右両側から径方向に延びる左右の端壁部12b,12bと、左右の端壁部12b,12b同士を連結するように左右方向に延びる閉止壁部12cとを備えている。回動軸12aの両端部は、送風ケーシング11の左右両側壁に回動可能に支持されている。回動軸12aの右端部は送風ケーシング11の外方へ突出している。閉止壁部12cは、外気導入ダクト14と後側内気導入口16aとの一方を選択的に閉塞できる略矩形状となっている。また、左側及び右側端壁部12bは、左側及び右側内気導入口16b,16cを閉塞できる略三角形状となっている。
【0032】
送風ケーシング11の右側壁には、内外気切替用アクチュエータ20が取り付けられている。内外気切替用アクチュエータ20は制御装置5に接続されて制御される。内外気切替用アクチュエータ20の出力軸には、リンク部材21が係合している。このリンク部材21は、内外気切替ダンパ12の回動軸12aの右端部に固定されている。内外気切替用アクチュエータ20の駆動力はリンク部材21を介して内外気切替ダンパ12に伝達されて該内外気切替ダンパ12は回動軸12a周りに回動する。内外気切替ダンパ12が前側へ回動した状態では、閉塞壁部12cによって外気導入ダクト14が閉塞される一方、後側、左側及び右側内気導入口16a,16b,16cが開放される。これにより、車室内の空気のみが送風ケーシング11に取り入れられる内気取入モードとなる。また、内外気切替ダンパ12が後側へ回動した状態では、閉塞壁部12cによって後側内気導入口16aが閉塞され、左側及び右側端壁部12bによって左側及び右側内気導入口16b,16cが閉塞され、一方、外気導入ダクト14が開放される。これにより、車室外の空気のみが送風ケーシング11に取り入れられる外気取入モードとなる。
【0033】
図2に示すように、送風ケーシング11の後壁部の上下方向中央部近傍には、フィルタ挿入孔22が形成されている。フィルタ挿入孔22は左右方向に長い略矩形状とされている。図6に示すように、このフィルタ挿入孔22に挿入されるフィルタ13は、全体として略矩形板状に形成されており、濾過材13aと、濾過材13aを囲む枠材13bとを備えている。濾過材13aは、周知の不織布等からなるものであり、波形に成形されている。枠材13bは、濾過材13aよりも硬い硬質樹脂材で構成されており、濾過材13aの形状を維持するためのものである。
【0034】
送風ケーシング11内部には、フィルタ13を支持する支持板23が設けられており、フィルタ13は、フィルタ挿入孔22から挿入された状態で支持板23に支持されるようになっている。このときフィルタ13は、その空気通過面が略水平に延びるように向いている。また、送風ケーシング11には、フィルタ挿入孔22を塞ぐ蓋部材24が着脱可能に取り付けられている。この蓋部材24を取り外すことでフィルタ13の交換が可能である。
【0035】
送風ケーシング11内部のフィルタ13よりも下方には、左右方向に延びる隔壁26が形成されている。隔壁26には、ベルマウス状の開口部26aが貫通形成されており、この開口部26aを介して送風ケーシング11の上側から下側へ空気が流れるようになっている。
【0036】
送風ケーシング11内部の隔壁26よりも下側には、上記送風ファン10が収容されるようになっている。送風ファン10はシロッコファンであり、回転軸が上下方向に向いている。図5に示すように、送風ケーシング11の底壁部には、略円形のファン挿入孔27が形成されており、このファン挿入孔27は、略円形のプレート29によって閉塞されている。プレート29には、送風ファン10を回転駆動するためのモーター30が取り付けられている。モーター30の出力軸は、上下方向に延びている。モーター30の出力軸と送風ファン10の駆動軸とは連結されている。また、モーター30は制御装置5に接続されて制御されるようになっている。
【0037】
送風ケーシング11内部の下側には、送風ファン10を囲むように、回動軸の周方向に延びる空気流出路31が形成されている。この空気流出路31の断面積は、下流側へ行くほど拡大している。空気流出路31の下流端は、送風ケーシング11の右側壁に形成された接続ダクト部32に連通している。接続ダクト部32は、右側へ突出しており、その下流端は右側へ開放されている。接続ダクト部32の下流側の周縁部には、上記シール材15と同様なシール材33が設けられている。
【0038】
そして、モーター30により送風ファン10が回転駆動されると、外気導入口14a又は内気導入口16a,16b,16cから外気又は内気が導入されてフィルタ13を通過して濾過された後、送風ファン10に吸い込まれて空気流出路31に吹き出してから接続ダクト部32を通り、中間ダクト4へ送風される。
【0039】
尚、図2〜6における符号35は、送風ユニット2を車体に固定するための取付脚である。取付脚は、ボルトやナット等で車体に締結される。
【0040】
次に、空調ユニット3の構造について説明する。
【0041】
空調ユニット3は、図7に示すように、空調用空気を温度調節するためのエバポレータ40及びヒータコア41と、該エバポレータ40及びヒータコア41を収容する空調ケーシング42とを備えている。
【0042】
また、図8に示すように、空調ケーシング42内には、運転席側エアミックスダンパ44Dr、助手席側エアミックスダンパ44Ps、デフロスタダンパ45、ベントダンパ46及びヒートダンパ47が配設されている。
【0043】
空調ケーシング42は、樹脂材を成形してなるものであり、左右方向の中央部において左側部材42aと右側部材42bとに分割されている。これら左側部材42a及び右側部材42bはビスやファスナ等の締結部材により結合されている。
【0044】
図7に示すように、空調ケーシング42内には、送風ユニット2から送風された空気が流れる空気通路Rが形成されている。空気通路Rの上流端は空調ケーシング42内の前端部に位置しており、空調ケーシング42の左側壁に形成された空気流入口43に連通している。空気流入口43は上下方向に長い矩形状とされている。
【0045】
空気通路Rは、全体として後側へ向けて延びている。空気通路Rは、エバポレータ配設通路R1、ヒータコア配設通路R2、運転席側エアミックス空間R3Dr(図10に示す)、助手席側エアミックス空間R3Ps、デフロスタ吹出通路R4、ベント吹出通路R5及びヒート吹出通路R6を有している。
【0046】
図8に示すように、空調ケーシング42内には、該空調ケーシング42内を左右に区画するための仕切板49が配設されている。仕切板49は、上下方向に延びており、空調ケーシング42内の左右方向略中央部に位置している。仕切板49よりも右側の部分が運転席側エアミックス空間R3Drとされ、仕切板49よりも左側の部分が助手席側エアミックス空間R3Psとされている。
【0047】
図7に示すように、エバポレータ配設通路R1には、上記エバポレータ40が空気の流れを横切るようにして配設されている。エバポレータ40は、空気を冷却するための冷却用熱交換器であり、冷凍サイクルの一要素を構成する周知のものである。エバポレータ40は、一対のヘッダタンクと、これらヘッダタンクを接続するように延びる複数のチューブと、チューブ間に配設されたフィンとを備えたチューブアンドフィンタイプの熱交換器である。空調ケーシング42内に導入された空気の全量がエバポレータ40を通過する。
【0048】
このエバポレータ40の空気通過面は、空気流入口43の長手方向に沿って略鉛直に延びている。つまり、エバポレータ40は、その空気通過面の一側が他側よりも上方に位置するように配置されており、上端部及び下端部にそれぞれヘッダタンクが位置するようになっている。従って、チューブは上下方向に延びることになる。
【0049】
エバポレータ40の上端部に位置するヘッダタンクには、図8に示す冷媒配管(熱交換媒体給排管)40a,40aの基端が接続されている。従って、冷媒配管40a,40aの基端は、エバポレータ40における空気通過面の下端部から上方に離れた部位に接続されている。エバポレータ40には、冷媒配管40a,40aを介して冷媒(熱交換媒体)が給排されるようになっている。冷媒配管40a,40aは、例えば、アルミニウム合金製のパイプ材で構成されている。尚、冷媒配管40a,40aの基端は、例えば、エバポレータ40の上下方向中央部に接続してもよく、エバポレータ40の上端部に限られるものではない。
【0050】
図14に示すように、冷媒配管40a,40aは、空調ケーシング42の左側壁を貫通している。そして、冷媒配管40a,40aは、図9に示すように、前方へ向けて延びている。図8にも示すように、冷媒配管40a,40aの先端(前端)は、左右方向に並んでおり、この先端には、膨張弁装置40bが着脱可能に取り付けられている。膨張弁装置40bは、室外配管から供給される高圧冷媒を減圧させてエバポレータ40内に供給するためのものであり、周知の構造を持ったものである。図13に示すように、膨張弁装置40bは、細長いブロック状をなしており、その長手方向が左右方向に向くように配置されている。膨張弁装置40bは、エンジンルーム(車室外)と車室A内とを仕切るダッシュパネルB(図9に仮想線で示す)の開口部からエンジンルームへ臨むように配置されている。膨張弁装置40bには、室外配管が接続されるようになっている。この室外配管は、例えば、アルミニウム合金製のパイプ材で構成されている。
【0051】
図8に示すように、空調ケーシング42の左側壁には、空気流入口43の後側に隣接するようにエバポレータ挿入孔48が形成されている。エバポレータ挿入孔48は、上下方向に長い形状となっている。冷媒配管40a,40aは、エバポレータ挿入孔48の上端側を通って空調ケーシング42外へ突出し、詳細は後述するが中間ダクト4内を延びている。つまり、冷媒配管40a,40aは、空調ケーシング42の上端側を貫通していることになる。
【0052】
図7に示すように、空調ケーシング42の底壁部には、エバポレータ40よりも後側の部位から空調ケーシング42内へ向けて上方へ突出する突出板50が形成されている。突出板50よりも前側には、エバポレータ40の表面に発生した凝縮水を排水するためのドレン部51(図11、図12等に示す)が形成されている。ドレン部51には図示しない排水ホースが接続されており、この排水ホースが車室外に連通している。
【0053】
図7に示すように、空調ケーシング42の突出板50よりも後側の部分が上記ヒータコア配設通路R2である。突出板50の上側には、ヒータコア配設通路R2とエバポレータ配設通路R1とを連通させるための上流側開口部53が形成されている。空調ケーシング42の底壁部の突出板50よりも後側は、前側に比べて下方に位置するように膨出している。そして、ヒータコア配設通路R2は、上流側開口部53から下方へ延びた後、上方へ向けて湾曲して延びている。
【0054】
ヒータコア配設通路R2には、上記ヒータコア41が空気の流れを横切るようにして配設されている。ヒータコア41は、空気を加熱するための加熱用熱交換器である。ヒータコア41は、エバポレータ40と同様に、一対のヘッダタンクと、これらヘッダタンクを接続するように延びる複数のチューブと、チューブ間に配設されたフィンとを備えたチューブアンドフィンタイプの熱交換器である。
【0055】
ヒータコア41の空気通過面は、図7に示すように、上側へ行くほど後に位置するように傾斜している。つまり、ヒータコア41は、その空気通過面の一側が他側よりも上方に位置するように配置されている。ヘッダタンクは、左右両端に位置するようになっている。
【0056】
ヒータコア41の左端部に位置するヘッダタンクには、図8に示すようにヒータ配管(熱交換媒体給排管)41a,41aの基端が接続されており、ヒータ配管41a,41aを介してエンジンの冷却水(熱交換媒体)が給排されるようになっている。図9に示すように、ヒータ配管41a,41aの基端は、上下方向に間隔をあけて配置されている。また、ヒータ配管41a,41aの基端は、冷媒配管40a,40aの基端よりも下方に位置付けられている。
【0057】
ヒータ配管41a,41aは、空調ケーシング42の左側壁を貫通した後、詳細は後述するが、中間ダクト4の下壁の下を通って前方へ向けて延びるように形成されている。ヒータ配管41a,41aの先端(前端)は、上下方向に間隔をあけて配置されている。空調ユニット3を車体に取り付けた状態で、ヒータ配管41a,41aの先端は、ダッシュパネルAの開口部を通ってエンジンルームに突出するようになっている。このヒータ配管41a,41aには、エンジンの冷却水通路に連通する室外配管がそれぞれ接続される。ヒータ配管41a,41aに接続される室外配管は、柔軟なホースからなるものである。
【0058】
図8に示すように、空調ケーシング42の左側壁には、エバポレータ挿入孔48から後側に離れた部位に、ヒータコア挿入孔52が形成されている。ヒータコア挿入孔52は、上下方向に長く形成されており、ヒータコア41の傾斜角度に対応して上側へ行くほど後に位置するように傾斜して延びている。ヒータコア挿入孔52の上端部は、空調ケーシング42の上下方向略中央部に位置しており、エバポレータ挿入孔48の上端部よりも下である。ヒータコア挿入孔52の下端部は、空調ケーシング42の底壁部近傍に位置している。ヒータ配管41a,41aは、ヒータコア挿入孔52を通って空調ケーシング42外へ突出している。つまり、ヒータ配管41a,41aは、空調ケーシング42の上下方向中央部を貫通しており、冷媒配管40a,40aの貫通部位よりも下を貫通することになる。
【0059】
また、図7に示すように、空調ケーシング42の突出板50の上端部には、ヒータコア41の上端部を保持するためのサポート部55が形成されている。このサポート部55は、上流側開口部53よりも後方へ延びる板状に形成されている。
【0060】
空調ケーシング42内の突出板50の上方には、隔壁56が設けられている。隔壁56は、空調ケーシング42の上壁部のエバポレータ40よりも後側の部位から後方へ向けて延びている。隔壁56は、その後側寄りの部位が最も下に位置するように下方へ折れ曲がった形状となっている。
【0061】
空調ケーシング42内の隔壁56よりも上側の部分が上記運転席側及び助手席側エアミックス空間R3Dr,R3Psである。隔壁56の前側には、エバポレータ配設通路R1に連通する冷風吹出口58が形成されている。この冷風吹出口58は、上流側開口部53と略同じ形状とされている。隔壁56の冷風吹出口58よりも後側には、温風吹出口60が形成されている。この温風吹出口60の前後方向の寸法は、冷風吹出口58の同方向の寸法よりも短く設定されており、温風吹出口60の方が開口面積が小さくなっている。
【0062】
空調ケーシング42内の突出板50と隔壁56との間には、上記運転席側エアミックスダンパ44Dr及び助手席側エアミックスダンパ44Ps(図8に示す)が配設されている。
【0063】
運転席側エアミックスダンパ44Drは、図7に示すように、回動軸62と、回動軸62の外周面から径方向に延びる板状の主ダンパ部63及び補助ダンパ部64とを有する、いわゆるバタフライダンパである。回動軸62と主ダンパ部63及び補助ダンパ部64とは、樹脂材の一体成形品である。回動軸62は、左右方向に延びており、冷風吹出口58と温風吹出口60との間に位置付けられている。回動軸62の右端部は空調ケーシング42の右側壁に回動可能に支持され、左端部は仕切板49に回動可能に支持されている。回動軸62の右端部は、空調ケーシング42の外方へ突出している。空調ケーシング42の右側壁には、運転席側エアミックスダンパ44Drを回動させるための運転席側エアミックス用アクチュエータ66(図22に示す)が設けられている。運転席側エアミックス用アクチュエータ66の出力軸は、回動軸62の右端部に連結されており、運転席側エアミックス用アクチュエータ66の動作によって運転席側エアミックスダンパ44Drが回動するようになっている。
【0064】
図7に示すように、主ダンパ部63は、冷風吹出口58や上流側開口部53を閉塞可能な略矩形状とされており、運転席側エアミックスダンパ44Drが空調ケーシング42に取り付けられた状態で前方へ延びるようになっている。
【0065】
補助ダンパ部64は、主ダンパ部63よりも小さく、温風吹出口60を閉塞可能な略矩形状とされており、運転席側エアミックスダンパ44Drが空調ケーシング42に取り付けられた状態で後方へ延びるようになっている。つまり、主ダンパ部63と補助ダンパ部64とのなす角度は略180゜である。
【0066】
図7に実線で示すように、主ダンパ部63が下方へ移動するように運転席側エアミックスダンパ44Drが回動すると、ヒータコア配設通路R2の上流側である上流側開口部53が主ダンパ部63によって閉塞され、かつ、ヒータコア配設通路R2下流側である温風吹出口60が補助ダンパ部64によって閉塞される。この状態では、冷風のみが運転席側エアミックス空間R3Drに流入することになり、いわゆるフルコールドモードとなる。
【0067】
一方、図7に仮想線で示すように、主ダンパ部63が上方へ移動するように運転席側エアミックスダンパ44Drが回動すると、主ダンパ部63によって冷風吹出口58が閉塞され、また、温風吹出口60が開放される。この状態では、温風のみが運転席側エアミックス空間R3Drに流入することになる。
【0068】
このように、運転席側エアミックスダンパ44Drの回動角度によって上流側開口部53、冷風吹出口58及び温風吹出口60の開度が変更される。これにより、運転席側エアミックス空間R3Drに流入する冷風量及び温風量が変更されて運転席側エアミックス空間R3Drで生成される空調風の温度が変化する。
【0069】
助手席側エアミックスダンパ44Psも運転席側と同様に、回動軸と、回動軸の外周面から径方向に延びる板状の主ダンパ部及び補助ダンパ部(図示せず)とを有するバタフライダンパである。助手席側エアミックスダンパ44Psの回動軸の左端部は空調ケーシング42の左側壁に回動可能に支持され、右端部は仕切板49に回動可能に支持されている。空調ケーシング42の左側壁には、助手席側エアミックスダンパ44Psを回動させるための助手席側エアミックス用アクチュエータ67(図22に示す)が設けられている。助手席側エアミックス用アクチュエータ67の出力軸は、回動軸の左端部に連結されており、助手席側エアミックス用アクチュエータ67の動作によって助手席側エアミックスダンパ44Psが回動するようになっている。
【0070】
つまり、運転席側エアミックスダンパ44Drと、助手席側エアミックスダンパ44Psとは個別に動作するので、運転席側エアミックス空間R3Dr及び助手席側エアミックス空間R3Psで生成される空調風の温度を互いに異ならせることができる。尚、上流側開口部53及び温風吹出口60の2つだけを開閉するダンパを設けてもよいし、冷風吹出口58のみを開閉するダンパを設けてもよい。
【0071】
空調ケーシング42の上部には、デフロスタダクト部69が形成されている。デフロスタダクト部69は、運転席側及び助手席側エアミックス空間R3Dr,R3Psの上部に連通し、上方へ延びており、上記デフロスタ吹出通路R4を形成するためのものである。上記デフロスタダンパ45は、デフロスタ吹出通路R4の上流端に配設されている。このデフロスタダンパ45は、エアミックスダンパ44Dr,44Psと同様なバタフライダンパであり、左右方向に延びる回動軸70と、一対の板状ダンパ部71,71とを備えている。このデフロスタダンパ45によりデフロスタ吹出通路R4の上流端が開閉されるようになっている。また、デフロスタダクト部69の下流端は、インストルメントパネルPの前端に形成されているデフロスタ口(図示せず)に接続されている。
【0072】
空調ケーシング42の後側上部には、ベントダクト部73が形成されている。ベントダクト部73は、運転席側及び助手席側エアミックス空間R3Dr,R3Psの前部に連通し、前方へ延びており、上記ベント吹出通路R5を形成するためのものである。ベントダクト部73内は、左右方向に2つに仕切られており、その右側が運転席側エアミックス空間R3Drに連通し、左側が助手席側エアミックス空間R3Psに連通している。
【0073】
上記ベントダンパ46,46は、ベント吹出通路R5の上流端に配設されている。各ベントダンパ46は、左右方向に延びる回動軸74と、一対の板状ダンパ部75,75とを備えたバタフライダンパである。ベントダンパ46,46は連結されて同じ動きをし、これらベントダンパ46,46によりベント吹出通路R5の左右の両上流端が開閉されるようになっている。また、ベントダクト部73の右側の下流端は、インストルメントパネルPの右側に形成されている運転席用ベント口(図示せず)に接続され、ベントダクト部73の左側の下流端は、インストルメントパネルPの左側に形成されている助手席用ベント口(図示せず)に接続されている。
【0074】
空調ケーシング42の前側には、ヒートダクト部77が形成されている。このヒートダクト部77は、上記ヒート吹出通路R6を形成するためのものである。ヒートダクト部77の内部のヒート吹出通路R6は、運転席側エアミックス空間R3Dr及び助手席側エアミックス空間R3Psに連通している。ヒートダクト部77の上流端は、空調ケーシング42の上下方向中央部近傍に位置している。ヒートダクト部77は、空調ケーシング42の上下方向中央部近傍から下方へ真っ直ぐに延び、下流端は、空調ケーシング42の下端部近傍に位置している。
【0075】
図7に示すように、ヒートダクト部77の上流側の右側壁には、運転席側フロントヒート開口部77aが形成されている。また、図9に示すように、ヒートダクト部77の上流側の左側壁には、助手席側フロントヒート開口部77bが形成されている。運転席側及び助手席側フロントヒート開口部77a,77bには、図示しないが、フロントヒートダクトがそれぞれ接続されている。運転席側のフロントヒートダクトは運転席S1の乗員の足下近傍まで延びており、助手席S1側のフロントヒートダクトは、助手席S1の乗員の足下近傍まで延びている。ヒートダクト部77内の空調風は、フロントヒートダクトによって運転席側及び助手席S1側の足下近傍へそれぞれ導かれる。
【0076】
図12に示すように、ヒートダクト部77の下流端は、左側吹出部79と、右側吹出部80とに分岐している。これら左側吹出部79及び右側吹出部80は、それぞれ、下方へ開放する角筒状に形成され、左右方向に互いに間隔をあけて配置されている。左側吹出部79には、左側リヤヒートダクト81(図1に示す)が接続され、右側吹出部80には、右側リヤヒートダクト82が接続されている。右側リヤヒートダクト82は、車両のフロアパネルF上の右側を後席S3へ向けて延び、運転席S1の下方で後席S3へ向けて開口している。また、左側リヤヒートダクト81は、車両のフロアパネルF上の左側を後席S3へ向けて延び、助手席S1の下方で後席S3へ向けて開口している。ヒートダクト部77内の空調風は、左右のリヤヒートダクト81,82によって後席S3の右側及び左側の足下近傍へそれぞれ導かれる。左右のリヤヒートダクト81,82は、空調装置1を構成する部材である。
【0077】
図7に示すように、空調ケーシング42のヒートダクト部77の前側には、後席ダクト部84が形成されている。後席ダクト部84の上流端は、ヒートダクト部77の上流端と略同じ高さに位置している。後席ダクト部84は、ヒートダクト部77に沿って下方へ延び、下流端は、ヒートダクト部77の下流端と同じ高さに位置している。
【0078】
上記ヒートダンパ47は、ヒート吹出通路R6の上流端に配設されている。このヒートダンパ47は、左右方向に延びる回動軸86と、板状ダンパ部87とを備えている。このヒートダンパ47によりヒート吹出通路R6の上流端が開閉されるようになっている。
【0079】
ヒートダンパ47は、ヒート吹出通路R6の上流端を開く位置にあるとき(図7に仮想線で示す)と、閉じる位置にあるとき(図7に実線で示す)の両方で、後席ダクト部84の上流端を閉塞しないように形成されている。従って、空調装置1の作動中、後席ダクト部84には常に空調風が流入することになる。
【0080】
後席ダクト部84の下流端には、吹出部88が設けられている。図12に示すように、吹出部88は、左右方向に長い角筒状に形成されており、ヒートダクト部77の左側吹出部79と右側吹出部80との間に位置している。吹出部88には、後席ベントダクト90(図1に示す)が接続されている。後席ベントダクト90は、車両のフロアパネルF上を後席S3へ向けて延びている。後席ベントダクト90の下流側は、上方へ屈曲しており、下流端は、後席S3の足下よりも上方へ向けて開口している。後席ベントダクト90の下流端には、該後席ベントダクト90の通路を開閉するための開閉機構91が設けられている。この開閉機構91は、後席S3の乗員が直接操作できるようになっている。また、開閉機構91には、風向調整用の可動フィンが設けられている。後席ベントダクト90は、空調装置1を構成する部材である。
【0081】
上記空調ユニット3のデフロスタダンパ45、ベントダンパ46及びヒートダンパ47は、周知のリンク機構(図示せず)を介して吹出方向切替用アクチュエータ93(図22に示す)により駆動され、下記の各吹出モードに切り替えられる。吹出方向切替用アクチュエータ93は、制御装置5によって制御される。
【0082】
中間ダクト4は、図14に示すように、送風ユニット2及び空調ユニット3とは別体とされており、空調ユニット3の空調ケーシング42に着脱可能に取り付けられている。図15及び図16に示すように、中間ダクト4は、送風ユニット2から空調ユニット3まで延びる筒状をなし、全体として上下方向に長い断面形状を有するように形成されている。図15に示すように、中間ダクト4の左側(送風ユニット2側)には、送風ユニット2の接続ダクト32に接続される左側接続口100が形成されている。
【0083】
図16に示すように、中間ダクト4の右側(空調ユニット3側)には、空調ユニット3の空気流入口43に接続される右側接続口101が形成されている。右側接続口101は、左側接続口100よりも開口面積が大きく設定されており、エバポレータ挿入孔48を空気流入口43と一緒に囲む形状とされている(図9に示す)。これにより、エバポレータ挿入孔48及び空気流入口43が中間ダクト4によって覆われるので、エバポレータ挿入孔48を覆うための蓋部材等は不要であり、空調装置1の組み立て工数が低減される。
【0084】
図17及び図18に示すように、中間ダクト4の上壁部は、右側接続口101の上縁部から左側へ向かって略水平に延びる水平部102aと、水平部102aの左端から下降傾斜しながら左側接続口100の上縁まで延びる傾斜部102bとを有している。また、中間ダクト4の下壁部は、右側接続口101の下縁部から左側接続口100の下縁部まで略水平に延びている。中間ダクト4の下壁部には、ヒータ配管41a,41aの中途部をサポートするサポート部103が下方へ膨出するように形成されている。サポート部103の下端面にヒータ配管41a,41aの外面が当接する。
【0085】
また、図20にも示すように、中間ダクト4の下壁部のサポート部103よりも左側には、ヒータ配管41a,41aを左側から覆うためのカバー部104が形成されている。カバー部104は、サポート部103の下端面よりも下方へ突出する板状に形成されている。カバー部104でヒータ配管41a,41aを覆うことによって乗員の手や脚がヒータ配管41a,41aに触れ難くなる。
【0086】
図13に示すように、冷媒配管40a,40及びヒータ配管41a,41aは、空調装置1に設けられたブラケット120によって位置決めされている。ブラケット120は、略上下方向に延びており、このブラケット120の前端面には、上記シール材15と同様なシール材123が貼り付けられている。このシール材123は、ダッシュパネルBの開口部周縁に接して該開口部周縁をシールするためのものである。
【0087】
ブラケット120は、図14にも示すように、左右方向の略中央部において分割されている。ブラケット120は、空調ケーシング42に一体成形されてブラケット120の右側を構成する固定ブラケット部121と、中間ダクト4に一体成形されてブラケット120の左側を構成する着脱ブラケット部122(位置決め部)とを備えている。このように、空調ケーシング42に固定ブラケット部121を一体成形し、中間ダクト4に着脱ブラケット部122を一体成形することで、これらブラケット部121,122を別に設ける場合に比べて空調装置1をコンパクトにまとめることが可能になる。
【0088】
中間ダクト4を空調ケーシング42に取り付けることで、着脱ブラケット部122が固定ブラケット部121に取り付けられた状態となり、一方、中間ダクト4を空調ケーシング42から取り外すことで着脱ブラケット部122が固定ブラケット部121から外れるようになっている。
【0089】
固定ブラケット部121は、空調ケーシング42の左側壁の後縁部から左側、かつ、後側へ向けて突出する板状に形成されている。固定ブラケット部121の分割面の上側には、膨張弁装置40bを保持する固定側膨張弁保持部121aが形成されている。固定側膨張弁保持部121aは、左側へ突出して上下方向に延びる板状に形成されている。固定側膨張弁保持部121aの上下寸法は、左側へ行くほど短くなるように設定されている。固定側膨張弁保持部121aには、左側へ開放する切欠部121bが形成されている。この切欠部121bに膨張弁装置4bが嵌るようになっている。
【0090】
固定ブラケット部121の分割面の下側には、ヒータ配管41a,41aをそれぞれ保持する固定側配管保持部(他側保持部)121d,121eが形成されている。上側のヒータ配管41aの前端は、下側のヒータ配管41aの前端の右側に位置しており、従って、上側のヒータ配管41aを保持する固定側配管保持部121dは、下側のヒータ配管41aを保持する固定側配管保持部121eよりも上方、かつ、右側に位置している。上側の固定側配管保持部121dは、左側に開放するように切り欠かれた切欠部で構成されており、その内面形状は、ヒータ配管41aの外面形状に沿うように半円弧状に延びている。下側の固定側配管保持部121eも同様に半円弧状に延びている。
【0091】
一方、着脱ブラケット部122は、中間ダクト4の前側に設けられている。着脱ブラケット部122の上半部は、図16に示すように、中間ダクト4の周壁部を前方へ膨出させることによって該中間ダクト4に一体成形されている。従って、中間ダクト4の断面積は、着脱ブラケット部122の形成によって拡大している。また、着脱ブラケット部122の下半部は、厚肉板状に形成されている。
【0092】
また、図19及び図21にも示すように、着脱ブラケット部122の分割面の上側には、膨張弁装置40bを保持する着脱側膨張弁保持部122aが形成されている。この着脱側膨張弁保持部122aは、中間ダクト40の前壁部を前方へ膨出させることによって構成されており、その前端壁には、右側に開放する切欠部122bが形成されている。この切欠部122bには、上記固定側膨張弁保持部121aが嵌るようになっている。切欠部122bの上下寸法は、右側へ行くほど長くなるように設定されている。
【0093】
図14に示すように、着脱ブラケット部122の分割面の下側には、ヒータ配管41a,41aをそれぞれ保持する着脱側配管保持部(一側保持部)122d,122eが形成されている。上側のヒータ配管41aを保持する着脱側配管保持部122dは、下側のヒータ配管41aを保持する着脱側配管保持部122eよりも右側に位置している。上側の着脱側配管保持部122dは、右側に開放するように切り欠かれた切欠部で構成されており、その内面形状は、ヒータ配管41aの外面形状に沿うように半円弧状に延びている。他方の着脱側配管保持部122eも同様に半円弧状に延びている。
【0094】
図13に示すように、中間ダクト4を空調ケーシング42に取り付けると、上側の着脱側配管保持部122dと、上側の固定側配管保持部121dとの開放側同士が合い、また、下側の着脱側配管保持部122eと、下側の固定側配管保持部121eとの開放側同士が合うようになっている。
【0095】
冷媒配管40a,40aは、上述の如く空調ケーシング42の左側壁部から中間ダクト4内へ突出し、図9に示すように、中間ダクト4の上壁部内面に沿って中間ダクト4内を前方へ向かって延びている。このように、冷媒配管40a,40aが中間ダクトの内面に沿って延びることで、冷媒配管40a,40aが中間ダクト4の空気の主流から離れることになり、空気の流れが乱れ難くなる。また、冷媒配管40a,40aの外面には凝縮水が発生し、この凝縮水は中間ダクト4の下壁に落ちることになる。中間ダクト4の下壁に落ちた凝縮水は空気の流れによって空調ケーシング42内へ流されてドレン部51から排水されることになる。
【0096】
また、ヒータ配管41a,41aは、上述の如くヒータコア挿入孔52から空調ケーシング42の外側へ突出し、下方へ延びて中間ダクト4の下壁の下を通って前方へ延びた後、サポート部103よりも先端側は前側へ向かって斜め上方に延びている。
【0097】
エバポレータ40を空調ケーシング42に組み付ける際には、冷媒配管40a,40aをエバポレータ40に取り付けるとともに、膨張弁装置4bを冷媒配管40a,40aに取り付けておく。そして、中間ダクト4を取り外した状態で、エバポレータ40を空調ケーシング42の左側からエバポレータ挿入孔48に差し込んでいく。エバポレータ40をケーシング42内に収容すると、膨張弁装置4bが固定側膨張弁保持部121aの切欠部121bに嵌る。
【0098】
また、ヒータコア41を空調ケーシング42に組み付ける際には、ヒータ配管41a,41aをヒータコア41に取り付けておく。そして、ヒータコア41を空調ケーシング42の左側からヒータコア挿入孔52に差し込んでいく。ヒータコア41を空調ケーシング42内に収容すると、ヒータ配管41a,41aが固定側配管保持部121d,121eに嵌る。
【0099】
そして、中間ダクト4を図14に示す矢印の方向に移動させて空調ケーシング42に取り付ける。すると、膨張弁装置4bが、固定側膨張弁保持部121aと着脱側膨張弁保持部122aとで左右両側から挟まれて保持される。また、上側及び下側のヒータ配管41a、41aが、固定側配管保持部121d,121eと着脱側配管保持部122d,122eとで左右両側から挟まれて保持される。尚、中間ダクト4はビスやファスナ等によって空調ケーシング42に固定される。
【0100】
制御装置5は、CPUやRAM、ROM等を備えており、所定のプログラムに従ってアクチュエータ20,66,67,93と、モーター30を制御するように構成されている。制御装置5に接続される各種センサ95としては、例えば、車室A外の温度を検出する外気温度センサ、日射量を検出する日射センサ、車室A内の温度を検出する内気温度センサ等がある。また、操作スイッチ96としては、運転席S1側の温度を設定する温度設定スイッチ、助手席S1側の温度を設定する温度設定スイッチ、送風量を設定するスイッチ、吹出モードを設定するスイッチ等がある。尚、送風量及び吹出モードは自動設定することなく、乗員が任意に設定することもできる。また、運転席S1に供給する空調風の温度と、助手席S1に供給する空調風の温度とを同じにするモードも備えており、乗員がそのモードを選択可能になっている。
【0101】
すなわち、図7に示すようにデフロスタダンパ45及びベントダンパ46が閉状態で、かつ、ヒートダンパ47が開状態にされると、空調風がヒートダクト部77に流れるヒートモードとなる。
【0102】
また、図示しないが、デフロスタダンパ45が開状態で、かつ、ベントダンパ46及びヒートダンパ47が閉状態にされると、空調風がデフロスタダクト部69に主に流れるデフロスタモードとなる。
【0103】
また、ベントダンパ46が開状態で、かつ、デフロスタダンパ45及びヒートダンパ47が閉状態にされると、空調風がベントダクト部73に主に流れるベントモードなる。
【0104】
デフロスタダクト部69及びヒートダクト部77の両方に空調風が流れるデフ/ヒートモードや、ベントダクト部73及びヒートダクト部77の両方に空調風が流れるベント/ヒートモードにも切り替えられるようになっている。
【0105】
図22に示すように、制御装置5には、各種センサ95及び操作スイッチ96が接続されるとともに、内外気切替用アクチュエータ20、運転席側エアミックス用アクチュエータ66、助手席側エアミックス用アクチュエータ67及び吹出方向切替用アクチュエータ93が接続されている。制御装置5は、各種センサ96の出力信号と、操作スイッチ96の操作状態に基づいて、運転席S1に供給する空調風の温度及び助手席S1に供給する空調風の温度を決定するとともに、その温度に基づいた吹出モードを決定する。そして、運転席側エアミックス用アクチュエータ66及び助手席側エアミックス用アクチュエータ67を個別に制御して運転席側及び助手席側エアミックス空間R3Dr,R3Psで個別の所望温度の空調風を生成させ、吹出方向切替用アクチュエータ93を制御して吹出モードを切り換える。さらに、制御装置5は、送風ファン10のモーター30も制御して送風量を変化させ、空調能力を増減させる。
【0106】
また、例えば、運転席S1側の温度設定スイッチの操作によって温風を供給する必要があると判断した場合には、制御装置5は、運転席側エアミックスダンパ44Drが温風吹出口60を大きく開く方向に回動するように、運転席側エアミックス用アクチュエータ66を制御する。これにより、運転席側エアミックス空間R3Drでは高温の空調風が生成される。この暖房時には、一般にヒートモードとされ、生成された空調風の殆どが運転席S1側の足下及び後席S3の足下に供給される。また、同様に助手席S1側についても、暖房時には、助手席側エアミックス空間R3Psで高温の空調風が生成され、この空調風が助手席S1側の足下及び後席S3の足下に供給される。尚、この実施形態では、吹出モードは、運転席S1側と助手席S1側とで同じであるが、これに限らず、例えばベントダンパを運転席側と助手席側とに分割して個別に作動させるようにしてもよい。
【0107】
そして、例えば、運転席S1側の温度設定スイッチの操作によって運転席S1側に冷風を供給する必要があると判断した場合には、制御装置5は、運転席側エアミックスダンパ44Drが冷風吹出口58を大きく開く方向に回動するように、運転席側エアミックス用アクチュエータ66を制御する。これにより、運転席側エアミックス空間R3Drでは低温の空調風が生成される。この冷房時には、一般にベントモードとされ、生成された空調風が運転席S1側に供給される。また、同様に助手席S1側についても、冷房時には、助手席側エアミックス空間R3Psで低温の空調風が生成され、この空調風が助手席S1側に供給される。
【0108】
次に、空調装置1を車両に組み付ける場合について説明する。まず、送風ユニット2、空調ユニット3及び中間ダクト4を一体化する。このとき、クーラ配管40a,40a及びヒータ配管41a,41aがブラケット120により位置決めされる。
【0109】
そして、送風ユニット2、空調ユニット3及び中間ダクト4が一体化されてなる空調装置1を車室内に搬送して組み付ける。このとき、図9に示すように、膨張弁装置40bが車体のダッシュパネルBの開口部からエンジンルームに臨み、また、ヒータ配管41a,41aの先端がダッシュパネルBの開口部からエンジンルームに突出する。
【0110】
次いで、エンジンルーム側から膨張弁装置40b及びヒータ配管41a,41aに室外配管を接続する。この接続時には、膨張弁装置40b及びヒータ配管41a,41aがブラケット120により位置決めされているので、位置ずれすることはなく、作業性は良好である。
【0111】
したがって、この実施形態にかかる空調装置1によれば、空調ケーシング42に設けた固定ブラケット部121と中間ダクト4に設けた着脱ブラケット部122とで膨張弁装置40b及びヒータ配管41a,41aを位置決めできるので、空調装置1をコンパクトにまとめながら、ヒータ配管41a,41aの位置ずれを防止して接続時の作業性を向上できる。
【0112】
また、着脱ブラケット部122を、中間ダクト4の周壁部を膨出させることによって該中間ダクト4に一体成形したので、着脱ブラケット部122を有する中間ダクト4のコストを低減できる。
【0113】
また、ヒータ配管41a,41aを前側へ延びるように形成し、着脱ブラケット部122を中間ダクト4の前側に設けたことで、ヒータ配管41a,41aの先端側を位置決めすることができる。これにより、室外配管との接続時にヒータ配管41a,41aを安定させることができ、作業性をより一層向上させることができる。クーラ配管40a,40aについても同様である。
【0114】
また、空調用空気を冷却する際、エバポレータ40に発生した凝縮水は、エバポレータ40の下端に向けて流れて空調ケーシング42の底壁部に落ちる。一方、冷媒配管40a,40aが空調ケーシング42を貫通する部位は、ヒータ配管41a,41aの貫通部位よりも上方に離れているので、空調ケーシング42の底壁部から上方へ離れることになる。従って、空調ケーシング42の底壁部に落ちた凝縮水は、空調ケーシング42における冷媒配管40a,40aの貫通部位から漏れ難くなる。
【0115】
そして、冷媒配管40a,40aは、エバポレータ40の下端から上方に離れた部位に接続されていて、しかも、空調ケーシング42におけるヒータ配管41a,41aの貫通部位よりも上方を貫通して、そのままヒータ配管41a,41aの上方を延びているので、ヒータ配管41,41の下方を延びるように配管する場合に比べて、冷媒配管40a、40aの長さを短くしてコンパクトに配管することができ、空調装置1を配設するためのスペースを小さくすることができる。
【0116】
また、ヒータ配管41と膨張弁装置4bとを単一のブラケット120で位置決めできる。これにより、ヒータ配管41a,41a及び膨張弁装置4bをコンパクトにまとめることができ、より一層省スペース化を図ることができる。
【0117】
また、ブラケット120を、固定ブラケット部121と着脱ブラケット部122とを有する分割構造としたので、着脱ブラケット部122を固定ブラケット部121に取り付けることで、膨張弁装置4b及びヒータ配管41a,41aの両方を一度に保持することができ、製造工程を簡素化することができる。また、メンテナンス時等には、着脱ブラケット部122を固定ブラケット部121から取り外すことで、膨張弁装置4b及びヒータ配管41aをブラケット120から容易に外すことができる。
【0118】
また、ヒータ配管41a,41aが中間ダクト4の下壁の下を通っているので、ヒータ配管41a,41aが中間ダクト4内の空気の流れを邪魔することはない。また、ヒータ配管41a,41aは空調ケーシング42の冷媒配管40a,40aよりも下方を貫通していて相対的に下に位置しているので、そのまま中間ダクト4の下を通すことで、上を通す場合に比べてヒータ配管41a,41aの配管が容易に行え、コンパクトにまとめることができる。
【0119】
また、ヒータ配管41a,41aをカバー部104で覆うようにしたので、乗員の手や足がヒータ配管41a,41aに誤って触れないようにすることができ、安全性を高めることができる。
【0120】
また、冷媒配管40a,40aが中間ダクト4内部を通っているので、冷媒配管40a,40aの外面に凝縮水が発生した場合に、凝縮水によって車室の床が濡れてしまうのを抑制できる。
【0121】
また、冷媒配管40a,40aが中間ダクト4内部の空気の流れの邪魔になり難くいところに配置されているので、空気の流れが乱れ難くなる。
【0122】
尚、上記実施形態では、エバポレータ40を空気通過面が略鉛直に延びるように配置しているが、これに限らず、エバポレータ40は、空気通過面が傾斜するように配置してもよい。ヒータコア41は、空気通過面が略鉛直に延びるように配置してもよい。
【0123】
また、内外気切替ダンパ12、運転席側エアミックスダンパ44Dr、助手席側エアミックスダンパ44Ps、デフロスタダンパ45、ベントダンパ46及びヒートダンパ47をアクチュエータ20,66,67で駆動することなく、乗員による手動操作とするようにしてもよい。この場合、図示しないが、操作レバーを車室内に設け、ダンパ12,44dr,44Ps、45〜47の支軸に連結されたリンクと上記操作レバーとをワイヤーで連結し、ワイヤーのプッシュ−プル動作によりダンパ12,44dr,44Ps,45〜47を作動させることが可能である。
【0124】
また、中間ダクト4は、送風ケーシング11に一体成形してもよいし、空調ケーシング42に一体成形してもよい。
【0125】
また、着脱ブラケット部122は、中間ダクト4とは別体に構成し、中間ダクト4に組み付けるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0126】
以上説明したように、本発明にかかる車両用空調装置は、例えば、車両のインストルメントパネル内に配設するのに適している。
【符号の説明】
【0127】
1 空調装置
2 送風ユニット
3 空調ユニット
4 中間ダクト
5 制御装置
10 送風ファン
40 エバポレータ(冷却用熱交換器)
40a 冷媒配管(熱交換媒体給排管)
40b 膨張弁装置
41 ヒータコア(加熱用熱交換器)
41a ヒータ配管(熱交換媒体給排管)
42 空調ケーシング
104 カバー部
120 ブラケット
121 固定ブラケット部
121d 固定側配管保持部(他側保持部)
122 着脱ブラケット部(位置決め部)
122d 着脱側配管保持部(一側保持部)
A 車室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送風ファン及び該送風ファンを収容する送風ケーシングを有する送風ユニットと、
熱交換器及び該熱交換器を収容する空調ケーシングを有する空調ユニットと、
上記送風ケーシングと上記空調ケーシングとを接続するように延び、上記送風ファンにより送風される空調用空気を上記空調ケーシング内に導入するためのダクトとを備え、
車両の室内に搭載されるように構成された車両用空調装置において、
上記熱交換器には、上記空調ケーシングの外部へ延びる熱交換媒体給排管が接続され、
上記ダクトには、上記熱交換媒体給排管を位置決めする位置決め部が設けられ、
上記熱交換媒体給排管は、上記位置決め部に位置決めされた状態で室外配管が接続されることを特徴とする車両用空調装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用空調装置において、
空調用空気を冷却するように構成された冷媒蒸発器からなる冷却用熱交換器と、
空調用空気を加熱するように構成された加熱用熱交換器とを備え、
上記冷却用熱交換器に接続される熱交換媒体給排管の先端部には、高圧冷媒を膨張させる膨張弁を内蔵した膨張弁装置が取り付けられ、該膨張弁装置が位置決め部に位置決めされていることを特徴とする車両用空調装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の車両用空調装置において、
ダクトと空調ケーシングとは別体に構成され、
位置決め部には、熱交換媒体給排管を径方向一側から保持する一側保持部が形成され、
上記空調ケーシングには、上記熱交換媒体給排管を径方向他側から保持する他側保持部が形成され、
上記熱交換媒体給排管は、上記一側保持部及び上記他側保持部により径方向両側から保持されていることを特徴とする車両用空調装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、
熱交換媒体給排管は車両前側へ延びるように形成され、
位置決め部は、ダクトの車両前側に設けられていることを特徴とする車両用空調装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、
位置決め部は、ダクトの周壁部を膨出させることによって該ダクトに一体成形されていることを特徴とする車両用空調装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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