車両用衝撃低減バンパー装置
【課題】第1に、エネルギーアブソーバーが衝撃位置依存性のなく、常にどの部位に歩行者等の脚部等のインパクターが衝接したとしても均等な衝撃吸収量が得るように成し、第2に、衝撃を受けて圧潰したエネルギーアブソーバーのみの交換により補修可能に構成して補修費用の低減を図った。た車両用衝撃低減バンパー装置を提供する。
【解決手段】エネルギーアブソーバー7が、板材を断面略U字状に折曲形成すると共に車体1の左右方向に延在する衝撃吸収部7aと、衝撃吸収部7aの上下各端部に車体1の上下方向に向かって張り出し形成された取付けフランジ部7bとを有して構成し、取付けフランジ部7bをバンパーレインフォース4における車体1の前方側に対向する前面辺部に締着具としてのクリップ又はボルト8およびナット9を用いて装着した。
【解決手段】エネルギーアブソーバー7が、板材を断面略U字状に折曲形成すると共に車体1の左右方向に延在する衝撃吸収部7aと、衝撃吸収部7aの上下各端部に車体1の上下方向に向かって張り出し形成された取付けフランジ部7bとを有して構成し、取付けフランジ部7bをバンパーレインフォース4における車体1の前方側に対向する前面辺部に締着具としてのクリップ又はボルト8およびナット9を用いて装着した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の車体サイドメンバーにバンパーステーを介してバンパーレインフォースを連結設置すると共に、該バンパーレインフォースにエネルギーアブソーバーを装着して構成する車両用衝撃低減バンパー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来の技術は、例えば、特許文献1及び特許文献2に記載されたものがある。
【0003】
先ず、特許文献1に記載の車両用衝撃低減バンパー装置は、側面視略U字状に形成した歩行者安全プレート(エネルギーアブソーバー)の両端部を、車両フレームレール(車体サイドメンバー)にサイドブラケット(バンパーステー)を介して設置されたバンパービーム(バンパーレインフォース)の上下両面にそれぞれ溶接によって装着して構成している。
【0004】
特許文献2に記載の車両のフロントバンパー構造(車両用衝撃低減バンパー装置)は、車体のフロント部に、メインバンパー(バンパーレインフォース)と該メインバンパーの前方下方部位に補助バンパー(エネルギーアブソーバー)を設けて構成しており、該補助バンパーが、車幅方向に延設された本体メンバーの前側に板材を屈曲形成したアブソーバーを設けて構成するもので、アブソーバーの両端を本体メンバーの上下両面に溶接することによって連結している。
【0005】
上記従来の技術について、更に明確にするため、図9を用いて更に概略構成について更に説明する。
【0006】
即ち、図9において、断面例えば段付き略U字状に形成されたエネルギーアブソーバーaは、その両端部がバンパーレインフォースbの上下両面に溶接によって装着して、構成している。
【0007】
かかる構成において、図10に示すように、例えば歩行者の脚部等のインパクターcが衝突したような場合、段付き略U字状部を圧潰して、インパクターcの衝撃を吸収し、インパクターcを保護することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−285704号公報
【特許文献2】特開2007−131150号公報
【特許文献3】特開2008−265738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
かかる従来の技術によれば、エネルギーアブソーバーaの両端部をバンパーレインフォースbの上下両面にそれぞれ溶接によって装着して構成していることから、エネルギーアブソーバーaに歩行者の脚部等のインパクターcが衝接して衝撃力が入力された場合、当該衝撃力はバンパーレインフォースbの上下面における溶接部に直接伝達されることになって、溶接部に大きな負荷がかかることになってしまう。
【0010】
そこで、エネルギーアブソーバーaのバンパーレインフォースbへの溶接を、例えばスポット溶接などのような高い結合構造を呈する溶接方法によって行うことになるが、かかるスポット溶接等によって形成された溶接部は、断続間欠溶接となっていることから、溶着された部位と溶着されていない部位との間で、衝突時のエネルギー吸収量に差が生じやすくなってしまう。
【0011】
かかる結果、図11に示すように、インパクターcが、エネルギーアブソーバーaにおけるバンパーレインフォースbへの溶接部位に衝接した場合(x)と非溶接部位に衝接した場合(y)とでは、エネルギーアブソーバーaの変形ストロークに対してバンパーレインフォースbへの反力(衝撃吸収量)の差が出てきてしまい、衝撃吸収位置の依存性が発生しやすくなってしまう。
【0012】
また、エネルギーアブソーバーaを溶接によりバンパーレインフォースbに装着した場合、エネルギーアブソーバーaのみが衝撃を受けて圧潰した場合においても、バンパーレインフォースbを含めた全体を交換することになって、補修費用が嵩むことになる。
【0013】
なお、上記において、特許文献1および2の他に記載した特許文献3に記載された車両用金属製エネルギーアブソーバーが知られており、かかる車両用金属製エネルギーアブソーバーは、断面略ハット形に形成し、その上部ウエブ及び下部ウエブの車両前後方向に複数個の凹状又は凸状のビードを有して構成し、上部ウエブ及び下部ウエブの各端部にそれぞれ折曲形成された上部フランジ及び下部フランジを有して構成しており、その前面に配置されたバンパーフェーシアと、その後面に配置されるレインフォースとの間に設けられるものであるとしているが、レインフォースへの具体的な装着構成についてはなんら開示されていないことから、上記従来における技術の技術課題を解決すべき示唆を成しているものではない。
【0014】
そこで、本発明は、第1に、エネルギーアブソーバーにおいて衝撃位置依存性がなく、常にどの部位に歩行者等の脚部等のインパクターが衝接したとしても均等な衝撃吸収量が得るように成した車両用衝撃低減バンパー装置を提供することを目的としている。
【0015】
また、本発明は、第2に、エネルギーアブソーバーが衝撃を受けて圧潰したような場合に、エネルギーアブソーバーのみの交換により補修が可能にして、補修費用の低減を図った車両用衝撃低減バンパー装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係る車両用衝撃低減バンパー装置は、車体の前後方向に延在する少なくとも一対の車体サイドメンバーと、該各サイドメンバーにそれぞれ設置したバンパーステーと、該バンパーステーに連結設置されたバンパーレインフォースと、該バンパーレインフォースに装着されたエネルギーアブソーバーとを有して構成された車両用衝撃低減バンパー装置において、前記エネルギーアブソーバーが、板材を断面略U字状に折曲形成すると共に前記車体の左右方向に延在する衝撃吸収部と、該衝撃吸収部の上下各端部に前記車体上下方向に向かって張り出し形成された取付けフランジ部とを有して構成し、該取付けフランジ部を前記バンパーレインフォースにおける車体前方側に対向する前面辺部に装着したことを特徴とするものである。
【0017】
かかる構成を有する本発明によれば、エネルギーアブソーバーが板材を断面略U字状に折曲形成した衝撃吸収部の上下各端部に取付けフランジ部を張り出し形成し、該取付けフランジ部をバンパーレインフォースの車体前方向に対向する前面辺部に装着して構成したことから、衝撃吸収部にインパクターが衝接して、かかる衝撃力を衝撃吸収部が変形しながら吸収する際に、当該衝撃力は、取付けフランジ部を介してバンパーレインフォースの前面辺部に伝達されて、バンパーレインフォースにより受け止められることになり、かかる結果、衝撃吸収部が衝撃位置依存性なく、常にどの部位にインパクターが衝接したとしても均等な衝撃吸収量を発揮して衝撃の吸収機能を果たし得ることになる。
【0018】
また、本発明係る車両用衝撃低減バンパー装置は、車体の前後方向に延在する少なくとも一対の車体サイドメンバーと、該各サイドメンバーにそれぞれ設置したバンパーステーと、該バンパーステーに連結設置されたバンパーレインフォースと、該バンパーレインフォースに装着されたエネルギーアブソーバーとを有して構成された車両用衝撃低減バンパー装置において、前記エネルギーアブソーバーが、板材を断面略U字状に折曲形成すると共に前記車体の左右方向に延在する衝撃吸収部と、該衝撃吸収部の上下各端部に前記車体上下方向に向かって張り出し形成された一対の当接部と、該両当接部の各端部にそれぞれ前記車体の後部方向に向かって折曲形成した取付けフランジ部とを有して構成し、前記当接部を前記バンパーレインフォースにおける車体前方向側に対向する前面辺部に当接された状態で、前記取付けフランジ部を前記バンパーレインフォースにおける車体上下両方向側にそれぞれ対向する上下両面辺部にそれぞれ装着したことを特徴とするものである。
【0019】
かかる構成により、エネルギーアブソーバーが、板材を断面略U字状に折曲形成した衝撃吸収部の上下各端部に一対の当接部を張り出し形成し、更に、該両当接部の各端部に取付けフランジ部を折曲形成して、たとえ取付けフランジ部をバンパーレインフォースの上下両面辺部に装着するように構成しても、一対の当接部がバンパーレインフォースの前面辺部に当接させて構成したことから、衝撃吸収部にインパクターが衝接して、かかる衝撃力を衝撃吸収部が変形しながら吸収する際に、当該衝撃力は、両当接部を介してバンパーレインフォースの前面辺部に伝達されて、バンパーレインフォースにより受け止められることになり、かかる結果、衝撃吸収部が衝撃位置依存性なく、常にどの部位にインパクターが衝接したとしても均等な衝撃吸収量を発揮して衝撃の吸収機能を果たし得ることになる。
【0020】
また、本発明に係る車両用衝撃低減バンパー装置は、前記取付けフランジ部を前記バンパーレインフォースに溶接により装着して構成することができる。
【0021】
かかる構成により、取付けフランジ部のバンパーレインフォースへの溶接がたとえ結合強度の高くしかも断続間欠溶接となるスポット溶接等により行われたとしても、衝撃吸収部における衝撃位置の依存性がなく、常にどの部位にインパクターが衝接したとしても均等な衝撃吸収量を発揮して衝撃の吸収機能を果たし得ることになる。
【0022】
また、本発明に係る車両用衝撃低減バンパー装置は、前記取付けフランジ部を前記バンパーレインフォースにクリップ又はボルト及びナット等の締着具により着脱可能に装着するようにしてもよい。
【0023】
かかる構成により、取付けフランジ部のバンパーレインフォースへの装着がたとえ締着具による断続間欠装着構成を採ったとしても、衝撃吸収部における衝撃位置の依存性がなく、常にどの部位にインパクターが衝接したとしても均等な衝撃吸収量を発揮して衝撃の吸収機能を果たし得ることになり、しかも、エネルギーアブソーバーが衝撃を受けて圧潰したような場合に、エネルギーアブソーバーのみを締着具を外すことによりバンパーレインフォースから取り外すことにより新品との交換補修が可能になり、補修費用の低減を果たし得ることができる。
【発明の効果】
【0024】
上記のように構成する本発明は、衝撃吸収部が衝撃位置依存性なく、常にどの部位にインパクターが衝接したとしても均等な衝撃吸収量を発揮して衝撃の吸収機能を果たし得ることになり、また、もし、エネルギーアブソーバーを締着具によりバンパーレインフォースに装着するようにすれば、補修費用の低減も図れることになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る一実施例における車両である自動車用衝撃低減バンパー装置を概略的に描画した分解斜視図である。
【図2】自動車の通常時における図1のA−A線に沿って描画した断面図である。
【図3】自動車へのインパクター衝突時における図1のA−A線に沿って描画した断面図である。
【図4】本発明に係る実施例1におけるエネルギーアブソーバーによる衝撃吸収時におけるバンパーレインフォースが受ける反力と変形ストロークとの関係を描画したグラフである。
【図5】本発明に係る実施例2における図3と同様な断面図である。
【図6】本発明に係る実施例3における図3と同様な断面図である。
【図7】本発明に係る実施例4における図3と同様な断面図である。
【図8】本発明に係る実施例5における図3と同様な断面図である。
【図9】従来の自動車用衝撃低減バンパー装置の自動車の通常時における図3と同様な断面図である。
【図10】従来の自動車用衝撃低減バンパー装置の自動車のインパクター衝突時における図4と同様な断面図である。
【図11】従来技術におけるエネルギーアブソーバーによる衝撃吸収時におけるバンパーレインフォースが受ける反力と変形ストロークとの関係を描画したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0026】
次に、図1及び図2を用いて、本発明に係る実施例1について説明する。
【0027】
先ず、図1をおいて、自動車の車体1の骨格となるべく、車体1の前後方向に延在するように、少なくとも左右一対の車体サイドメンバー2が配設されている。
【0028】
両車体サイドメンバー2における前端部には、バンパーステー3がそれぞれ複数のボルト3aにより固定され、左右の位置するバンパーステー3間には、バンパーレインフォース4が不図示のボルトなどの締着具によって橋渡し固定されている。
【0029】
バンパーレインフォース4は、例えば鋼管等の角形パイプを主体形状として構成して、車体1の上下方向に面する上下両面辺部4a、4bと車体の前面方向に面する前面辺部4cを有して構成している。
【0030】
バンパーレインフォース4の前面辺部4cに離間対向して、車体1にバンパーフェーシア5が配設されて、バンパーフェーシア5は、バンパーレインフォース4が車体前面に直接表出しないように美装している。
【0031】
そして、バンパーレインフォース4とバンパーフェーシア5との間には、車体1の前方より衝突する歩行者の脚部等のインパクター6(図3参照)の衝撃を吸収するエネルギーアブソーバー7が配設されている。
【0032】
エネルギーアブソーバー7は、図2にも示すように、鋼材等の板材を上下方向に向かって断面略U字状に折曲形成すると共に車体1の左右方向にバンパーレインフォースに沿って延在する衝撃吸収部7aと、衝撃吸収部7aの上下各両端部に車体1の上下方向に向かって張り出し形成された一対の取付けフランジ部7bとを有して構成している。
【0033】
取付けフランジ部7bは、それぞれ、バンパーレインフォース4の前面辺部4cにスポット溶接等の溶接手段を用いて溶接されて、エネルギーアブソーバー7をバンパーレインフォース4に装着している。
【0034】
上記のように構成する実施例1においては、エネルギーアブソーバー7が板材を断面略U字状に折曲形成した衝撃吸収部7aの上下各端部に取付けフランジ部7bを張り出し形成し、取付けフランジ部7bをバンパーレインフォース4の車体前方向に対向する前面辺部4cに装着して構成したことから、衝撃吸収部7aに歩行者等のインパクター6が衝接して、かかる衝撃力を衝撃吸収部7aが変形しながら吸収する際に、当該衝撃力は、取付けフランジ部7bを介してバンパーレインフォース4の前面辺部4cに伝達されて、バンパーレインフォース4により受け止められることになり、かかる結果、衝撃吸収部7aが、取付けフランジ部の前面辺部4cへの断続間欠的な取付けであっても、衝撃位置依存性なく、常にどの部位にインパクター6が衝接したとしても均等な衝撃吸収量を発揮して衝撃の吸収機能を果たし得ることになる(図3を参照)。
【0035】
この結果、図4に示すように、インパクター6が、エネルギーアブソーバー7におけるバンパーレインフォース4への溶接部位に衝接した場合(X)と非溶接部位に衝接した場合(Y)とでは、エネルギーアブソーバー7の変形ストロークに対してバンパーレインフォース4への反力(衝撃吸収量)の差がほとんどなく、衝撃吸収位置の依存性が発生しにくい構造となっていることが分かる。
【実施例2】
【0036】
次に、図5に示す本発明に係る実施例2について説明する。
【0037】
図5において、実施例2のエネルギーアブソーバー7は、板材を断面略U字状に折曲形成すると共に前記車体の左右方向に延在する衝撃吸収部7aと、衝撃吸収部7aの上下各端部に車体1の上下方向に向かって張り出し形成された一対の当接部7cと、両当接部7cの各端部にそれぞれ車体1の後部方向に向かって折曲形成した取付けフランジ部7bとを有して構成し、当接部7cをバンパーレインフォース4における車体前方向側に対向する前面辺部4cに当接された状態で、取付けフランジ部7bをバンパーレインフォース4の上下両面辺部4a、4bに当接させ、それぞれスポット溶接等の断続間欠溶接により装着して構成している。
【0038】
かかる構成により、エネルギーアブソーバー7は、板材を断面略U字状に折曲形成した衝撃吸収部7aの上下各端部にバンパーレインフォースの前面辺部4cに当接する一対の当接部7cを張り出し形成し、更に、両当接部7cの各端部に取付けフランジ部7bを折曲形成して、たとえ取付けフランジ部7bをバンパーレインフォース4の上下両面辺部4a、4bに装着するように構成しても、一対の当接部7cがバンパーレインフォース4の前面辺部4cに当接させて構成したことから、衝撃吸収部7aにインパクター6が衝接して、かかる衝撃力を衝撃吸収部7aが変形しながら吸収する際に、当該衝撃力は、両当接部7cを介してバンパーレインフォース4の前面辺部4cに伝達されて、バンパーレインフォース4により受け止められることになり、かかる結果、衝撃吸収部7aが、取付けフランジ部の上下両面辺部4a、4bへの断続間欠的な取付けであっても、衝撃位置依存性なく、常にどの部位にインパクター6が衝接したとしても均等な衝撃吸収量を発揮して衝撃の吸収機能を果たし得ることになる。
【実施例3】
【0039】
図6に示す実施例3は、図1及び図2に示す実施例1の変形例であって、取付けフランジ部7bのバンパーレインフォース4の前面辺部4cへの装着が、スポット溶接等の溶接方式を採らず、締着具、例えばクリップ又はボルト8及びナット9を使用して着脱可能状態で行った点相違する。
【0040】
かかる構成により、実施例1と同様に、エネルギーアブソーバー7の衝撃吸収機能を果すことができることに加えて、エネルギーアブソーバー7が衝撃を受けて圧潰したような場合に、クリップ又はボルト8及びナット9による締着状態を解くことによって、エネルギーアブソーバー7のみをバンパーレインフォース4から取り外すことができて、エネルギーアブソーバー7を新品と交換するだけで補修が可能になり、補修費用の低減を果たし得ることができる。
【実施例4】
【0041】
図7に示す実施例4は、図5に示す実施例2の変形例であって、取付けフランジ部7bのバンパーレインフォース4の上面辺部4aならびに下面辺部4bへの装着が、スポット溶接等の溶接方式を採らず、締着具、例えばクリップ又はボルト8及びナット9を使用して着脱可能状態で行った点相違する。
【0042】
かかる構成により、実施例2と同様に、エネルギーアブソーバー7の衝撃吸収機能を果すことができることに加えて、エネルギーアブソーバー7が衝撃を受けて圧潰したような場合に、クリップ又はボルト8及びナット9による締着状態を解くことによって、エネルギーアブソーバー7のみをバンパーレインフォース4から取り外すことができて、エネルギーアブソーバー7を新品と交換するだけで補修が可能になり、補修費用の低減を果たし得ることができる。
【実施例5】
【0043】
図8に示す実施例5は、図1及び図2に示す実施例1の別の変形例であって、バンパーレインフォース4の剛性を調整する等の理由から、バンパーレインフォース4の後面辺部dを不連続に形成した点が実施例1に対して異なる構成を有しているが、実施例1と同様な作用効果を発揮するものである。
【0044】
なお、上記いずれの実施例におけるエネルギーアブソーバー7の衝撃吸収部7aの形状を段差なし形状としたが、これに限定されるものではなく、従来の技術を示す図9の場合と同様に、一つのあるいは複数の階段状に形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0045】
以上説明したように、本発明は、衝撃吸収部が衝撃位置依存性なく、常にどの部位にインパクターが衝接したとしても均等な衝撃吸収量を発揮して衝撃の吸収機能を果たし得ることになり、また、もし、エネルギーアブソーバーを締着具によりバンパーレインフォースに装着するようにすれば、補修費用の低減も図れることになるから、自動車の車体サイドメンバーにバンパーステーを介してバンパーレインフォースを連結設置すると共に、該バンパーレインフォースにエネルギーアブソーバーを装着して構成する車両用衝撃低減バンパー装置等に好適である。
【符号の説明】
【0046】
1 車体
2 車体サイドメンバー
3 バンパーステー
4 バンパーレインフォース
4a 上面辺部
4b 下面辺部
4c 前面辺部
5 バンパーフェーシア
6 インパクター
7 エネルギーアブソーバー
7a 衝撃吸収部
7b 取付けフランジ部
7c 当接部
8 ボルト
9 ナット
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の車体サイドメンバーにバンパーステーを介してバンパーレインフォースを連結設置すると共に、該バンパーレインフォースにエネルギーアブソーバーを装着して構成する車両用衝撃低減バンパー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来の技術は、例えば、特許文献1及び特許文献2に記載されたものがある。
【0003】
先ず、特許文献1に記載の車両用衝撃低減バンパー装置は、側面視略U字状に形成した歩行者安全プレート(エネルギーアブソーバー)の両端部を、車両フレームレール(車体サイドメンバー)にサイドブラケット(バンパーステー)を介して設置されたバンパービーム(バンパーレインフォース)の上下両面にそれぞれ溶接によって装着して構成している。
【0004】
特許文献2に記載の車両のフロントバンパー構造(車両用衝撃低減バンパー装置)は、車体のフロント部に、メインバンパー(バンパーレインフォース)と該メインバンパーの前方下方部位に補助バンパー(エネルギーアブソーバー)を設けて構成しており、該補助バンパーが、車幅方向に延設された本体メンバーの前側に板材を屈曲形成したアブソーバーを設けて構成するもので、アブソーバーの両端を本体メンバーの上下両面に溶接することによって連結している。
【0005】
上記従来の技術について、更に明確にするため、図9を用いて更に概略構成について更に説明する。
【0006】
即ち、図9において、断面例えば段付き略U字状に形成されたエネルギーアブソーバーaは、その両端部がバンパーレインフォースbの上下両面に溶接によって装着して、構成している。
【0007】
かかる構成において、図10に示すように、例えば歩行者の脚部等のインパクターcが衝突したような場合、段付き略U字状部を圧潰して、インパクターcの衝撃を吸収し、インパクターcを保護することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−285704号公報
【特許文献2】特開2007−131150号公報
【特許文献3】特開2008−265738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
かかる従来の技術によれば、エネルギーアブソーバーaの両端部をバンパーレインフォースbの上下両面にそれぞれ溶接によって装着して構成していることから、エネルギーアブソーバーaに歩行者の脚部等のインパクターcが衝接して衝撃力が入力された場合、当該衝撃力はバンパーレインフォースbの上下面における溶接部に直接伝達されることになって、溶接部に大きな負荷がかかることになってしまう。
【0010】
そこで、エネルギーアブソーバーaのバンパーレインフォースbへの溶接を、例えばスポット溶接などのような高い結合構造を呈する溶接方法によって行うことになるが、かかるスポット溶接等によって形成された溶接部は、断続間欠溶接となっていることから、溶着された部位と溶着されていない部位との間で、衝突時のエネルギー吸収量に差が生じやすくなってしまう。
【0011】
かかる結果、図11に示すように、インパクターcが、エネルギーアブソーバーaにおけるバンパーレインフォースbへの溶接部位に衝接した場合(x)と非溶接部位に衝接した場合(y)とでは、エネルギーアブソーバーaの変形ストロークに対してバンパーレインフォースbへの反力(衝撃吸収量)の差が出てきてしまい、衝撃吸収位置の依存性が発生しやすくなってしまう。
【0012】
また、エネルギーアブソーバーaを溶接によりバンパーレインフォースbに装着した場合、エネルギーアブソーバーaのみが衝撃を受けて圧潰した場合においても、バンパーレインフォースbを含めた全体を交換することになって、補修費用が嵩むことになる。
【0013】
なお、上記において、特許文献1および2の他に記載した特許文献3に記載された車両用金属製エネルギーアブソーバーが知られており、かかる車両用金属製エネルギーアブソーバーは、断面略ハット形に形成し、その上部ウエブ及び下部ウエブの車両前後方向に複数個の凹状又は凸状のビードを有して構成し、上部ウエブ及び下部ウエブの各端部にそれぞれ折曲形成された上部フランジ及び下部フランジを有して構成しており、その前面に配置されたバンパーフェーシアと、その後面に配置されるレインフォースとの間に設けられるものであるとしているが、レインフォースへの具体的な装着構成についてはなんら開示されていないことから、上記従来における技術の技術課題を解決すべき示唆を成しているものではない。
【0014】
そこで、本発明は、第1に、エネルギーアブソーバーにおいて衝撃位置依存性がなく、常にどの部位に歩行者等の脚部等のインパクターが衝接したとしても均等な衝撃吸収量が得るように成した車両用衝撃低減バンパー装置を提供することを目的としている。
【0015】
また、本発明は、第2に、エネルギーアブソーバーが衝撃を受けて圧潰したような場合に、エネルギーアブソーバーのみの交換により補修が可能にして、補修費用の低減を図った車両用衝撃低減バンパー装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係る車両用衝撃低減バンパー装置は、車体の前後方向に延在する少なくとも一対の車体サイドメンバーと、該各サイドメンバーにそれぞれ設置したバンパーステーと、該バンパーステーに連結設置されたバンパーレインフォースと、該バンパーレインフォースに装着されたエネルギーアブソーバーとを有して構成された車両用衝撃低減バンパー装置において、前記エネルギーアブソーバーが、板材を断面略U字状に折曲形成すると共に前記車体の左右方向に延在する衝撃吸収部と、該衝撃吸収部の上下各端部に前記車体上下方向に向かって張り出し形成された取付けフランジ部とを有して構成し、該取付けフランジ部を前記バンパーレインフォースにおける車体前方側に対向する前面辺部に装着したことを特徴とするものである。
【0017】
かかる構成を有する本発明によれば、エネルギーアブソーバーが板材を断面略U字状に折曲形成した衝撃吸収部の上下各端部に取付けフランジ部を張り出し形成し、該取付けフランジ部をバンパーレインフォースの車体前方向に対向する前面辺部に装着して構成したことから、衝撃吸収部にインパクターが衝接して、かかる衝撃力を衝撃吸収部が変形しながら吸収する際に、当該衝撃力は、取付けフランジ部を介してバンパーレインフォースの前面辺部に伝達されて、バンパーレインフォースにより受け止められることになり、かかる結果、衝撃吸収部が衝撃位置依存性なく、常にどの部位にインパクターが衝接したとしても均等な衝撃吸収量を発揮して衝撃の吸収機能を果たし得ることになる。
【0018】
また、本発明係る車両用衝撃低減バンパー装置は、車体の前後方向に延在する少なくとも一対の車体サイドメンバーと、該各サイドメンバーにそれぞれ設置したバンパーステーと、該バンパーステーに連結設置されたバンパーレインフォースと、該バンパーレインフォースに装着されたエネルギーアブソーバーとを有して構成された車両用衝撃低減バンパー装置において、前記エネルギーアブソーバーが、板材を断面略U字状に折曲形成すると共に前記車体の左右方向に延在する衝撃吸収部と、該衝撃吸収部の上下各端部に前記車体上下方向に向かって張り出し形成された一対の当接部と、該両当接部の各端部にそれぞれ前記車体の後部方向に向かって折曲形成した取付けフランジ部とを有して構成し、前記当接部を前記バンパーレインフォースにおける車体前方向側に対向する前面辺部に当接された状態で、前記取付けフランジ部を前記バンパーレインフォースにおける車体上下両方向側にそれぞれ対向する上下両面辺部にそれぞれ装着したことを特徴とするものである。
【0019】
かかる構成により、エネルギーアブソーバーが、板材を断面略U字状に折曲形成した衝撃吸収部の上下各端部に一対の当接部を張り出し形成し、更に、該両当接部の各端部に取付けフランジ部を折曲形成して、たとえ取付けフランジ部をバンパーレインフォースの上下両面辺部に装着するように構成しても、一対の当接部がバンパーレインフォースの前面辺部に当接させて構成したことから、衝撃吸収部にインパクターが衝接して、かかる衝撃力を衝撃吸収部が変形しながら吸収する際に、当該衝撃力は、両当接部を介してバンパーレインフォースの前面辺部に伝達されて、バンパーレインフォースにより受け止められることになり、かかる結果、衝撃吸収部が衝撃位置依存性なく、常にどの部位にインパクターが衝接したとしても均等な衝撃吸収量を発揮して衝撃の吸収機能を果たし得ることになる。
【0020】
また、本発明に係る車両用衝撃低減バンパー装置は、前記取付けフランジ部を前記バンパーレインフォースに溶接により装着して構成することができる。
【0021】
かかる構成により、取付けフランジ部のバンパーレインフォースへの溶接がたとえ結合強度の高くしかも断続間欠溶接となるスポット溶接等により行われたとしても、衝撃吸収部における衝撃位置の依存性がなく、常にどの部位にインパクターが衝接したとしても均等な衝撃吸収量を発揮して衝撃の吸収機能を果たし得ることになる。
【0022】
また、本発明に係る車両用衝撃低減バンパー装置は、前記取付けフランジ部を前記バンパーレインフォースにクリップ又はボルト及びナット等の締着具により着脱可能に装着するようにしてもよい。
【0023】
かかる構成により、取付けフランジ部のバンパーレインフォースへの装着がたとえ締着具による断続間欠装着構成を採ったとしても、衝撃吸収部における衝撃位置の依存性がなく、常にどの部位にインパクターが衝接したとしても均等な衝撃吸収量を発揮して衝撃の吸収機能を果たし得ることになり、しかも、エネルギーアブソーバーが衝撃を受けて圧潰したような場合に、エネルギーアブソーバーのみを締着具を外すことによりバンパーレインフォースから取り外すことにより新品との交換補修が可能になり、補修費用の低減を果たし得ることができる。
【発明の効果】
【0024】
上記のように構成する本発明は、衝撃吸収部が衝撃位置依存性なく、常にどの部位にインパクターが衝接したとしても均等な衝撃吸収量を発揮して衝撃の吸収機能を果たし得ることになり、また、もし、エネルギーアブソーバーを締着具によりバンパーレインフォースに装着するようにすれば、補修費用の低減も図れることになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る一実施例における車両である自動車用衝撃低減バンパー装置を概略的に描画した分解斜視図である。
【図2】自動車の通常時における図1のA−A線に沿って描画した断面図である。
【図3】自動車へのインパクター衝突時における図1のA−A線に沿って描画した断面図である。
【図4】本発明に係る実施例1におけるエネルギーアブソーバーによる衝撃吸収時におけるバンパーレインフォースが受ける反力と変形ストロークとの関係を描画したグラフである。
【図5】本発明に係る実施例2における図3と同様な断面図である。
【図6】本発明に係る実施例3における図3と同様な断面図である。
【図7】本発明に係る実施例4における図3と同様な断面図である。
【図8】本発明に係る実施例5における図3と同様な断面図である。
【図9】従来の自動車用衝撃低減バンパー装置の自動車の通常時における図3と同様な断面図である。
【図10】従来の自動車用衝撃低減バンパー装置の自動車のインパクター衝突時における図4と同様な断面図である。
【図11】従来技術におけるエネルギーアブソーバーによる衝撃吸収時におけるバンパーレインフォースが受ける反力と変形ストロークとの関係を描画したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0026】
次に、図1及び図2を用いて、本発明に係る実施例1について説明する。
【0027】
先ず、図1をおいて、自動車の車体1の骨格となるべく、車体1の前後方向に延在するように、少なくとも左右一対の車体サイドメンバー2が配設されている。
【0028】
両車体サイドメンバー2における前端部には、バンパーステー3がそれぞれ複数のボルト3aにより固定され、左右の位置するバンパーステー3間には、バンパーレインフォース4が不図示のボルトなどの締着具によって橋渡し固定されている。
【0029】
バンパーレインフォース4は、例えば鋼管等の角形パイプを主体形状として構成して、車体1の上下方向に面する上下両面辺部4a、4bと車体の前面方向に面する前面辺部4cを有して構成している。
【0030】
バンパーレインフォース4の前面辺部4cに離間対向して、車体1にバンパーフェーシア5が配設されて、バンパーフェーシア5は、バンパーレインフォース4が車体前面に直接表出しないように美装している。
【0031】
そして、バンパーレインフォース4とバンパーフェーシア5との間には、車体1の前方より衝突する歩行者の脚部等のインパクター6(図3参照)の衝撃を吸収するエネルギーアブソーバー7が配設されている。
【0032】
エネルギーアブソーバー7は、図2にも示すように、鋼材等の板材を上下方向に向かって断面略U字状に折曲形成すると共に車体1の左右方向にバンパーレインフォースに沿って延在する衝撃吸収部7aと、衝撃吸収部7aの上下各両端部に車体1の上下方向に向かって張り出し形成された一対の取付けフランジ部7bとを有して構成している。
【0033】
取付けフランジ部7bは、それぞれ、バンパーレインフォース4の前面辺部4cにスポット溶接等の溶接手段を用いて溶接されて、エネルギーアブソーバー7をバンパーレインフォース4に装着している。
【0034】
上記のように構成する実施例1においては、エネルギーアブソーバー7が板材を断面略U字状に折曲形成した衝撃吸収部7aの上下各端部に取付けフランジ部7bを張り出し形成し、取付けフランジ部7bをバンパーレインフォース4の車体前方向に対向する前面辺部4cに装着して構成したことから、衝撃吸収部7aに歩行者等のインパクター6が衝接して、かかる衝撃力を衝撃吸収部7aが変形しながら吸収する際に、当該衝撃力は、取付けフランジ部7bを介してバンパーレインフォース4の前面辺部4cに伝達されて、バンパーレインフォース4により受け止められることになり、かかる結果、衝撃吸収部7aが、取付けフランジ部の前面辺部4cへの断続間欠的な取付けであっても、衝撃位置依存性なく、常にどの部位にインパクター6が衝接したとしても均等な衝撃吸収量を発揮して衝撃の吸収機能を果たし得ることになる(図3を参照)。
【0035】
この結果、図4に示すように、インパクター6が、エネルギーアブソーバー7におけるバンパーレインフォース4への溶接部位に衝接した場合(X)と非溶接部位に衝接した場合(Y)とでは、エネルギーアブソーバー7の変形ストロークに対してバンパーレインフォース4への反力(衝撃吸収量)の差がほとんどなく、衝撃吸収位置の依存性が発生しにくい構造となっていることが分かる。
【実施例2】
【0036】
次に、図5に示す本発明に係る実施例2について説明する。
【0037】
図5において、実施例2のエネルギーアブソーバー7は、板材を断面略U字状に折曲形成すると共に前記車体の左右方向に延在する衝撃吸収部7aと、衝撃吸収部7aの上下各端部に車体1の上下方向に向かって張り出し形成された一対の当接部7cと、両当接部7cの各端部にそれぞれ車体1の後部方向に向かって折曲形成した取付けフランジ部7bとを有して構成し、当接部7cをバンパーレインフォース4における車体前方向側に対向する前面辺部4cに当接された状態で、取付けフランジ部7bをバンパーレインフォース4の上下両面辺部4a、4bに当接させ、それぞれスポット溶接等の断続間欠溶接により装着して構成している。
【0038】
かかる構成により、エネルギーアブソーバー7は、板材を断面略U字状に折曲形成した衝撃吸収部7aの上下各端部にバンパーレインフォースの前面辺部4cに当接する一対の当接部7cを張り出し形成し、更に、両当接部7cの各端部に取付けフランジ部7bを折曲形成して、たとえ取付けフランジ部7bをバンパーレインフォース4の上下両面辺部4a、4bに装着するように構成しても、一対の当接部7cがバンパーレインフォース4の前面辺部4cに当接させて構成したことから、衝撃吸収部7aにインパクター6が衝接して、かかる衝撃力を衝撃吸収部7aが変形しながら吸収する際に、当該衝撃力は、両当接部7cを介してバンパーレインフォース4の前面辺部4cに伝達されて、バンパーレインフォース4により受け止められることになり、かかる結果、衝撃吸収部7aが、取付けフランジ部の上下両面辺部4a、4bへの断続間欠的な取付けであっても、衝撃位置依存性なく、常にどの部位にインパクター6が衝接したとしても均等な衝撃吸収量を発揮して衝撃の吸収機能を果たし得ることになる。
【実施例3】
【0039】
図6に示す実施例3は、図1及び図2に示す実施例1の変形例であって、取付けフランジ部7bのバンパーレインフォース4の前面辺部4cへの装着が、スポット溶接等の溶接方式を採らず、締着具、例えばクリップ又はボルト8及びナット9を使用して着脱可能状態で行った点相違する。
【0040】
かかる構成により、実施例1と同様に、エネルギーアブソーバー7の衝撃吸収機能を果すことができることに加えて、エネルギーアブソーバー7が衝撃を受けて圧潰したような場合に、クリップ又はボルト8及びナット9による締着状態を解くことによって、エネルギーアブソーバー7のみをバンパーレインフォース4から取り外すことができて、エネルギーアブソーバー7を新品と交換するだけで補修が可能になり、補修費用の低減を果たし得ることができる。
【実施例4】
【0041】
図7に示す実施例4は、図5に示す実施例2の変形例であって、取付けフランジ部7bのバンパーレインフォース4の上面辺部4aならびに下面辺部4bへの装着が、スポット溶接等の溶接方式を採らず、締着具、例えばクリップ又はボルト8及びナット9を使用して着脱可能状態で行った点相違する。
【0042】
かかる構成により、実施例2と同様に、エネルギーアブソーバー7の衝撃吸収機能を果すことができることに加えて、エネルギーアブソーバー7が衝撃を受けて圧潰したような場合に、クリップ又はボルト8及びナット9による締着状態を解くことによって、エネルギーアブソーバー7のみをバンパーレインフォース4から取り外すことができて、エネルギーアブソーバー7を新品と交換するだけで補修が可能になり、補修費用の低減を果たし得ることができる。
【実施例5】
【0043】
図8に示す実施例5は、図1及び図2に示す実施例1の別の変形例であって、バンパーレインフォース4の剛性を調整する等の理由から、バンパーレインフォース4の後面辺部dを不連続に形成した点が実施例1に対して異なる構成を有しているが、実施例1と同様な作用効果を発揮するものである。
【0044】
なお、上記いずれの実施例におけるエネルギーアブソーバー7の衝撃吸収部7aの形状を段差なし形状としたが、これに限定されるものではなく、従来の技術を示す図9の場合と同様に、一つのあるいは複数の階段状に形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0045】
以上説明したように、本発明は、衝撃吸収部が衝撃位置依存性なく、常にどの部位にインパクターが衝接したとしても均等な衝撃吸収量を発揮して衝撃の吸収機能を果たし得ることになり、また、もし、エネルギーアブソーバーを締着具によりバンパーレインフォースに装着するようにすれば、補修費用の低減も図れることになるから、自動車の車体サイドメンバーにバンパーステーを介してバンパーレインフォースを連結設置すると共に、該バンパーレインフォースにエネルギーアブソーバーを装着して構成する車両用衝撃低減バンパー装置等に好適である。
【符号の説明】
【0046】
1 車体
2 車体サイドメンバー
3 バンパーステー
4 バンパーレインフォース
4a 上面辺部
4b 下面辺部
4c 前面辺部
5 バンパーフェーシア
6 インパクター
7 エネルギーアブソーバー
7a 衝撃吸収部
7b 取付けフランジ部
7c 当接部
8 ボルト
9 ナット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の前後方向に延在する少なくとも一対の車体サイドメンバーと、該各サイドメンバーにそれぞれ設置したバンパーステーと、該バンパーステーに連結設置されたバンパーレインフォースと、該バンパーレインフォースに装着されたエネルギーアブソーバーとを有して構成された車両用衝撃低減バンパー装置において、前記エネルギーアブソーバーが、板材を断面略U字状に折曲形成すると共に前記車体の左右方向に延在する衝撃吸収部と、該衝撃吸収部の上下各端部に前記車体上下方向に向かって張り出し形成された取付けフランジ部とを有して構成し、該取付けフランジ部を前記バンパーレインフォースにおける車体前方側に対向する前面辺部に装着したことを特徴とする車両用衝撃低減バンパー装置。
【請求項2】
車体の前後方向に延在する少なくとも一対の車体サイドメンバーと、該各サイドメンバーにそれぞれ設置したバンパーステーと、該バンパーステーに連結設置されたバンパーレインフォースと、該バンパーレインフォースに装着されたエネルギーアブソーバーとを有して構成された車両用衝撃低減バンパー装置において、前記エネルギーアブソーバーが、板材を断面略U字状に折曲形成すると共に前記車体の左右方向に延在する衝撃吸収部と、該衝撃吸収部の上下各端部に前記車体上下方向に向かって張り出し形成された一対の当接部と、該両当接部の各端部にそれぞれ前記車体の後部方向に向かって折曲形成した取付けフランジ部とを有して構成し、前記当接部を前記バンパーレインフォースにおける車体前方向側に対向する前面辺部に当接させた状態で、前記取付けフランジ部を前記バンパーレインフォースにおける車体上下両方向側にそれぞれ対向する上下両面辺部にそれぞれ装着したことを特徴とする車両用衝撃低減バンパー装置。
【請求項3】
前記取付けフランジ部を前記バンパーレインフォースに溶接により装着したことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用衝撃低減バンパー装置。
【請求項4】
前記取付けフランジ部を前記バンパーレインフォースにクリップ又はボルト及びナット等の締着具により着脱可能に装着したことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用衝撃低減バンパー装置。
【請求項1】
車体の前後方向に延在する少なくとも一対の車体サイドメンバーと、該各サイドメンバーにそれぞれ設置したバンパーステーと、該バンパーステーに連結設置されたバンパーレインフォースと、該バンパーレインフォースに装着されたエネルギーアブソーバーとを有して構成された車両用衝撃低減バンパー装置において、前記エネルギーアブソーバーが、板材を断面略U字状に折曲形成すると共に前記車体の左右方向に延在する衝撃吸収部と、該衝撃吸収部の上下各端部に前記車体上下方向に向かって張り出し形成された取付けフランジ部とを有して構成し、該取付けフランジ部を前記バンパーレインフォースにおける車体前方側に対向する前面辺部に装着したことを特徴とする車両用衝撃低減バンパー装置。
【請求項2】
車体の前後方向に延在する少なくとも一対の車体サイドメンバーと、該各サイドメンバーにそれぞれ設置したバンパーステーと、該バンパーステーに連結設置されたバンパーレインフォースと、該バンパーレインフォースに装着されたエネルギーアブソーバーとを有して構成された車両用衝撃低減バンパー装置において、前記エネルギーアブソーバーが、板材を断面略U字状に折曲形成すると共に前記車体の左右方向に延在する衝撃吸収部と、該衝撃吸収部の上下各端部に前記車体上下方向に向かって張り出し形成された一対の当接部と、該両当接部の各端部にそれぞれ前記車体の後部方向に向かって折曲形成した取付けフランジ部とを有して構成し、前記当接部を前記バンパーレインフォースにおける車体前方向側に対向する前面辺部に当接させた状態で、前記取付けフランジ部を前記バンパーレインフォースにおける車体上下両方向側にそれぞれ対向する上下両面辺部にそれぞれ装着したことを特徴とする車両用衝撃低減バンパー装置。
【請求項3】
前記取付けフランジ部を前記バンパーレインフォースに溶接により装着したことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用衝撃低減バンパー装置。
【請求項4】
前記取付けフランジ部を前記バンパーレインフォースにクリップ又はボルト及びナット等の締着具により着脱可能に装着したことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用衝撃低減バンパー装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−195228(P2010−195228A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−43104(P2009−43104)
【出願日】平成21年2月25日(2009.2.25)
【出願人】(000178804)ユニプレス株式会社 (83)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月25日(2009.2.25)
【出願人】(000178804)ユニプレス株式会社 (83)
[ Back to top ]