説明

車両用表示装置

【課題】表示パネルの大型化や高価格化を避け、コスト低減を達成できる車両用表示装置を提供する。
【解決手段】走行距離情報Tod,Trdとカレンダー情報Caとを表示する表示手段7と、この表示手段7を操作する操作手段8と、この操作手段8の操作に応じて走行距離情報Todとカレンダー情報Caとを表示手段7に切り替え表示させる制御手段10とを備え、表示手段7は走行距離情報Todとカレンダー情報Caとを表示手段7の第1の表示領域(共通表示領域)71内において横一列に並ぶ数字情報として表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載される表示装置に関し、特に車両の走行距離情報とカレンダー情報とを含む各種情報を表示する車両用表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両の走行距離情報とカレンダー情報とを含む車両用表示装置として、特許文献1記載のものが知られている。この車両用表示装置は、液晶ディスプレイからなる表示手段を有し、この表示手段に走行距離情報として0リセット可能なトリップメータ情報と、年月日及び曜日かならなるカレンダー情報とを含む様々な情報をセレクトスイッチからなる操作手段の操作に応じて切り替え表示するよう構成されている。この場合、トリップメータ情報は表示手段の表示画面中、最下段(最下部)のみを用いて「A 125.5km」のように横一列に表示され、カレンダー情報は表示手段の表示画面全領域を用いて3列(最上段に西暦が「1995」、中断に月日が「12/23」、最下段に曜日が「SUN」のように)表示される。
【特許文献1】特開平09−042991号公報(図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記特許文献1によれば、走行距離情報とカレンダー情報とを共通の表示手段を用いて表示するため、走行距離情報またはカレンダー情報を表示するための専用の表示手段は不要であるが、カレンダー情報の表示時に年月日からなる数字データを複数列にて表示するため、その分、広い表示スペースを必要とする。このため、表示パネルの大型化によるコストアップや同時表示される情報の種別が制約を受けるという問題がある。また走行距離情報とカレンダー情報とを表示手段内の異なる領域を利用して異なる文字サイズで表示するため、ドットマトリックスタイプ等の高価な表示素子を必要とし、コストアップの原因となっていた。
【0004】
そこで、本発明は前述した問題点に着目し、走行距離情報とカレンダー情報とを共通の表示手段を用いて表示する場合でもコスト低減を達成し得る車両用表示装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、前記課題を解決するため、少なくとも走行距離情報とカレンダー情報とを表示する表示手段と、この表示手段を操作する操作手段と、この操作手段の操作に応じて前記走行距離情報と前記カレンダー情報とを前記表示手段に切り替え表示させる制御手段とを備え、前記表示手段は前記走行距離情報と前記カレンダー情報とを前記表示手段の共通表示領域内で横一列に並ぶ数字情報として表示することを特徴とする。
【0006】
また本発明は、前記制御手段は前記カレンダー情報となってから所定時間経過後に前記走行距離情報に切り替えることを特徴とする。
【0007】
また本発明は、前記制御手段は前記カレンダー情報を点滅表示させることを特徴とする。
【0008】
また本発明は、前記表示手段は前記共通表示領域に表示されている情報を区別する付加表示部を有し、前記制御手段は前記共通表示領域の表示情報に基づいて前記付加表示部を動作させることを特徴とする。
【0009】
また本発明は、前記共通表示領域が0から9までの各数字を切り替え表示可能な7セグメントからなるデジタル表示部を所定桁数分、横一列に配列してなることを特徴とする。
【0010】
また本発明は、前記デジタル表示部は車両のトータル走行距離を表示可能な桁数に設定され、前記制御手段は前記走行距離情報として前記デジタル表示部に前記トータル走行距離を表示させると共に前記カレンダー情報として前記デジタル表示部に年月日を表示させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、走行距離情報とカレンダー情報とを共通の表示手段を用いて表示する場合でもコスト低減を達成し得る車両用表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0013】
図1〜図4は、本発明の第1の実施形態による車両用表示装置に関するもので、図1は車両用表示装置の外観を示す斜視図、図2は同実施形態による車両用表示装置のシステム構成を示すブロック図、図3は同実施形態による車両用表示装置の動作を示すフローチャート図、図4は表示内容の推移を示す正面図である。
【0014】
図1において本実施形態による車両用表示装置1は、車両のダッシュボードに搭載されるコンビネーションメータとして採用されており、ケース2と、このケースの前面側(ユーザー側)に設けられるフロントパネル3と、このフロントパネル3の開口部4から露出するように配置された車速計5及びエンジン回転数計6と、車両の走行距離及び時刻及び日付(図4参照)を表示する例えば液晶パネルからなる表示手段7と、フロントパネル3からユーザーに向けて突出する操作部8aとを備えている。なお操作部8aは後述するスイッチ素子8bと組み合わされて操作手段8を構成する。
【0015】
ケース2内には、回路基板が収納されており、この回路基板に搭載された制御手段(後述)を通じて車速計5、エンジン回転数計6、表示手段7が動作するよう構成されると共に、当該回路基板には操作手段8に対応したスイッチ素子8b(図2参照)も搭載されており、ユーザーが操作部8aを通じてスイッチ素子8bを切り替え動作させることにより、前記制御手段に切替信号が入力され、この切替信号入力に応じて表示手段7の表示内容を切り替えたり、所定の値をゼロリセットさせるといった切り替え操作ができるように構成されている。
【0016】
表示手段7は、フロントパネル3の開口部4から露出する表示領域を有し、図4に示すように、上段側となる第1の表示領域(共通表示領域)71には、ゼロリセット不可能なトータル走行距離情報Tod(図4(a))と、ゼロリセット可能なトリップ(区間)走行距離情報Trd(図4(b))と、年データ(西暦下2桁)と月日データ(4桁)とからなるカレンダー情報Ca(図4(c))が横一列に並ぶ数字情報として切り替え表示され、下段となる第2の表示領域72には、「:」を挟んだ時分データでなる時刻情報Timが数字情報として表示される。なお図4(c)の第1の表示領域71に記載のカレンダー情報Caは「(20)06(年)02(月)26(日)」を示す(括弧内は表示されない)。またカレンダー情報Caの標記は「26(日)02(月)06(年)」でもよいし、「02(月)26(日)06(年)」でもよい。
【0017】
ここで第1の表示領域71内には、0から9までの各数字を切り替え表示可能な7セグメント(日の字形セグメント)からなるデジタル表示部Ddを6桁分、第2の表示領域71内には、0から9までの各数字を切り替え表示可能な7セグメント(日の字形セグメント)からなるデジタル表示部Ddを4桁分、それぞれ横一列に配列してなる。また第1の表示領域71に隣接するように、「ODO」,「TRIP」,「DATE」からなる付加表示部Odが用意され、これら付加表示部Odは、トータル走行距離情報Todが表示される場合、「ODO」なる付加表示部Od(図4(a))が、トリップ走行距離情報Trdが表示される場合、「TRIP」なる付加表示部Od(図4(b))が、カレンダー情報Caが表示される場合、「DATE」からなる付加表示部Od(図4(c))がそれぞれ表示されるようになっている。さらに第2の表示領域72に隣接するように「AM」,「PM」からなる付加表示部Odが用意され、表示されている時刻が午前か午後かを表示する。
【0018】
図2において本実施形態による車両用表示装置1は、制御手段10と、車両インターフェース端子11a〜11cと、インターフェース手段12と、スイッチ素子8bと、電波時計モジュール13と、標準電波を受信するアンテナ14と、表示手段7と、車速計5と、エンジン回転数計6とから構成されている。
【0019】
車両インターフェース端子11a〜11cは、車速センサ(図示しない)からの検出信号を受信する車両インターフェース端子11aと、回転センサ(図示しない)からの検出信号を受信する車両インターフェース端子11bと、イグニッションスイッチ(図示しない)からの状態信号を受信する車両インターフェース端子11cとからなり、これら車両インターフェース端子11a〜11cにて受信した各種信号は、インターフェース手段12を通じて制御手段10に出力される。
【0020】
スイッチ素子8bは、ユーザーが操作部8aを押圧することでオンオフ信号からなる切替信号を制御手段10に出力する。
【0021】
電波時計モジュール(受信手段)13は、内蔵している水晶振動子(図示しない)が生成する基準クロック信号をもとに1秒を生成し、時刻データとして保持すると共に、所定のタイミングまたは車両側からの適宜信号入力に基づいて、受信アンテナ14を通じて標準電波信号を受信し、その電波信号から時刻データ(時刻情報)やカレンダーデータ(カレンダー情報)を抽出し保持する。なお基準クロック信号を生成する水晶振動子は、電波時計モジュール13外に配置してもよい。
【0022】
制御手段10は、例えばマイクロコンピュータからなり、車両用表示装置1全体の動作を制御する。具体的には、車両インターフェース端子11c及びインターフェース手段12を通じて入力する前記イグニッションスイッチからの状態信号(オン信号)に基づいて各種コンピュータプログラムを開始する。なお各種コンピュータプログラムは図示しないROM等の記憶手段に格納されている。
【0023】
制御手段10にて実行するコンピュータプログラムとしては、車両インターフェース端子11aとインターフェース手段12を通じて入力する前記車速センサからの検出信号に基づいて車速データを求め、この車速データに基づいて車速計5を動作させる車速計制御プログラムと、車両インターフェース端子11bとインターフェース手段12を通じて入力する前記回転センサからの検出信号に基づいてエンジン回転数データを求め、このエンジン回転数データに基づいてエンジン回転計6を動作させるエンジン回転計制御プログラムと、表示手段7の動作を制御する表示制御プログラムがある。
【0024】
表示制御プログラムとしては、前記車速センサからの検出信号に基づいて車両のトータル走行距離データ及びトリップ走行距離データを求め、これら各走行距離データを表示手段7の第1の表示領域71にトータル走行距離情報Tod(図4(a)参照)あるいはトリップ走行距離情報Trd(図4(b)参照)として表示させたり、電波時計モジュール13に保持されている時刻データ(時刻情報Tim)を読み出して表示手段7の第2の表示領域72(図4(a)〜(c)参照)に表示させたり、同じく電波時計モジュール13に保持されているカレンダーデータを表示手段7の第1の表示領域71にカレンダー情報Caとして表示させたり、第1の表示領域71(図4参照)に表示される3種類のデータ(トータル走行距離データ、トリップ走行距離データ、カレンダーデータ)をスイッチ素子8bの操作に応じて切り替えたり、トリップ走行距離データの表示時にスイッチ素子8bの操作に応じてトリップ走行距離データをゼロリセットさせる処理があげられる。
【0025】
次に図3,図4に基づいて操作手段8の操作に応じた表示処理の詳細を説明する。なお時刻情報Timは操作手段8の操作に関係なく表示手段7の第2の表示領域72内に常時表示となるので説明を省略する。また説明を簡略化するために、「ODO」,「TRIP」,「DATE」からなる付加表示部Odの表示動作は省略するが、制御手段10はトータル走行距離情報Todが表示される場合、「ODO」なる付加表示部Od(図4(a))を、トリップ走行距離情報Trdが表示される場合、「TRIP」なる付加表示部Od(図4(b))を、カレンダー情報Caが表示される場合、「DATE」からなる付加表示部Od(図4(c))をそれぞれ表示されるようになっている。
まず制御手段10は、前記イグニッションスイッチのオン直後であるステップ201において、表示手段7の第1の表示領域71にトータル走行距離情報Todを表示させるオドメータ表示処理(図4(a)参照)を行う。次にステップ202でスイッチ素子8b(操作手段8)がオン操作されたか否かが判定され、オン操作なし(N)の場合、オドメータ表示処理(ステップ201)が継続する。ステップ202でスイッチ素子8bがオン操作された場合(Y)、ステップ203でオン操作の継続時間が第1の所定時間(例えば2秒)以上か否かが判定され、2秒以上のとき(Y)ステップ204においてトータル走行距離情報Todに替えてカレンダー情報Caを表示させるカレンダー表示処理(図4(c))を行う。続くステップ205ではトータル走行距離情報Todからカレンダー表示に切り替わった後、第2の所定時間(例えば5秒)以上経過したか否かが判定され、5秒以上経過していない場合(N)はステップ204が継続し、5秒以上経過した場合(Y)は自動的にステップ201に移行し、オドメータ表示処理が行われる。
【0026】
一方、ステップ203の判定が2秒未満の場合(N)、ステップ206でトリップ走行距離情報Trdを表示させるトリップメータ表示処理を行う(図4(b)参照)。次にステップ207でスイッチ素子8bがオン操作されたか否かが判定され、オン操作なし(N)の場合、トリップメータ表示処理(ステップ206)が継続する。ステップ207でスイッチ素子8bがオン操作された場合(Y)、ステップ208でオン操作の継続時間が第3の所定時間(例えば2秒)以上か否かが判定され、2秒以上のとき(Y)ステップ209においてトリップ走行距離情報Trdをゼロリセットするトリップメータリセット処理を行う。ステップ208においてスイッチ素子8bのオン操作の継続時間が2秒未満のとき(N)は、ステップ201のトリップメータ表示処理に至る。
【0027】
以上の通り本実施形態では、走行距離情報Tod,Trdとカレンダー情報Caとを表示する表示手段7と、この表示手段7を操作する操作手段8と、この操作手段8の操作に応じて走行距離情報Todとカレンダー情報Caとを表示手段7に切り替え表示させる制御手段10とを備え、表示手段7は走行距離情報Todとカレンダー情報Caとを表示手段7の第1の表示領域(共通表示領域)71内において横一列に並ぶ数字情報として表示することにより、表示パネルの大型化や高価格化を避け、コスト低減を達成できる。
【0028】
また特に本実施形態では、トータル走行距離情報Todとトリップ走行距離情報Trdとカレンダー情報Caの3種類のデータを第1の表示領域71を用いて表示するため、表示パネルをより一層小型化することができる。
【0029】
また本実施形態では、制御手段10がカレンダー情報Ca表示となってから所定時間経過後にトータル走行距離情報Todに切り替える(図3中、ステップ204〜201)ことにより、ユーザーは必要なときだけ、時限方式でカレンダー情報Caを確認でき、その後は自動的にトータル走行距離情報Todに切り替わるので、利便性、使い勝手を向上させることができる。
【0030】
また本実施形態では、表示手段7は第1の表示領域71に表示されている情報を区別する付加表示部Opを有し、制御手段10が第1の表示領域71の表示情報に基づいて付加表示部Opを動作させることにより、第1の表示領域71の表示情報をユーザーが区別もしくは識別しやすくできる。なおカレンダー情報Caの表示時に付加表示部Opを表示せずに数字データのみとする場合、カレンダー情報Caを点滅表示させることで、走行距離情報と差別化を図ってもよい。また表示手段7の都合上、本実施形態のごとく「ODO」,「TRIP」,「DATE」からなる付加表示部Odを設定できない場合、フロントパネル3に「ODO」,「TRIP」,「DATE」なる固定表示を行い、この固定表示を表示手段7にて形成される▲や→マーク等の位置可変の指示マークで指示して区別するようにしてもよい。
【0031】
また本実施形態では、0から9までの各数字を切り替え表示可能な7セグメントからなるデジタル表示部Ddを所定桁数分、横一列に配列して第1の表示領域71を構成したことで、表示素子を安価とすることができる。
【0032】
また本実施形態では、デジタル表示部Ddは車両のトータル走行距離Todを表示可能な桁数に設定し、制御手段10が走行距離情報としてデジタル表示部Ddにトータル走行距離Todを表示させると共にカレンダー情報Caとしてデジタル表示部Ddに年月日を表示させるように構成すると有利である。
【0033】
また本実施形態では、単一の操作手段8にて、トータル走行距離情報Todとトリップ走行距離情報Trdとカレンダー情報Caの3種類のデータを切り替え可能であると共にトリップ走行距離情報Trdをリセット可能であるため、別の操作手段を設ける必要がなく、この点もコストダウンに寄与している。
【0034】
図5及び図6は本発明の第2の実施形態を示すもので、図5は同実施形態による車両用表示装置の動作を示すフローチャート図、図6は表示内容の推移を示す正面図である。
【0035】
本実施形態による車両用表示装置は、表示手段7が上段に位置する第1の表示領域(共通表示領域)71と、中段に位置する第2の表示領域72と、下段に位置する第3の表示領域73とに分かれており、第1の表示領域71でトータル走行距離情報Todとカレンダー情報Caを切り替え表示可能とし(図6(a)(c)参照)、第2の表示領域72で第1、第2のトリップ走行距離情報TrdA,TrdBとを替え表示可能とし(図6(a)(b)参照)、下段の第3の表示領域73で時刻情報Timを表示可能としている(図6(a)〜(c)参照)。
【0036】
次に図5に基づいて操作手段8の操作に応じた表示処理の詳細を説明する。なお時刻情報Timはスイッチ素子8bの操作に関係なく表示手段7の第2の表示領域72内に常時表示となるので説明を省略する。
まず制御手段10は、前記イグニッションスイッチのオン直後であるステップ301において、表示手段7の第1の表示領域71にトータル走行距離情報Todを、第2の表示領域72に第1のトリップ表走行距離情報TrdAをそれぞれ表示させるオドメータ・トリップA表示処理(図6(a)参照)を行う。次にステップ302でスイッチ素子8bがオン操作されたか否かが判定され、オン操作なし(N)の場合、オドメータ・トリップA表示処理(ステップ301)が継続する。ステップ302でスイッチ素子8bがオン操作された場合(Y)、ステップ303でオン操作の継続時間が第1の所定時間(例えば2秒)以上か否かが判定され、2秒以上のとき(Y)ステップ304においてトリップ表走行距離情報TrdAをゼロリセットさせるトリップAリセット処理を行う。
【0037】
次にステップ303での判定が2秒未満のとき(N)、ステップ305でトリップ表走行距離情報TrdAに替えてトリップ表走行距離情報TrdBを表示させる(第1の表示領域71に表示されるトータル走行距離情報Todはそのまま)オドメータ・トリップB表示処理(図6(b)参照)を行う。次にステップ306でスイッチ素子8bがオン操作されたか否かが判定され、オン操作なし(N)の場合、オドメータ・トリップA表示処理(ステップ201)が継続する。ステップ306でスイッチ素子8bがオン操作された場合(Y)、ステップ307オン操作の継続時間が第1の所定時間(例えば2秒)以上か否かが判定され、2秒以上のとき(Y)ステップ308においてトリップ表走行距離情報TrdBをゼロリセットさせるトリップBリセット処理を行う。
【0038】
次にステップ307での判定が2秒未満のとき(N)、ステップ309でトータル走行距離情報Todに替えてカレンダー情報Caを表示させると共に第2の表示領域72にトリップ表走行距離情報TrdAを表示させるカレンダー・トリップA表示処理(図6(c)参照)を行う。
【0039】
次にステップ310でスイッチ素子8bがオン操作されたか否かが判定され、オン操作あり(Y)の場合、オドメータ・トリップA表示処理(ステップ301)に移行する。ステップ310での判定がオン操作なし(N)の場合、カレンダー表示が第2の所定時間(例えば5秒)以上継続したか否かが判定され、5秒以上経過したとき(Y)、オドメータ・トリップA表示処理(ステップ301)に移行する。
【0040】
かかる本実施形態によっても前記第1の実施形態と同様の効果を期待できる。
【0041】
図7〜図9は本発明の第3の実施形態としてユーザーが時刻調整(修正)を行う場合の処理例を示すもので、図7は時刻調整モードへの移行処理を示すフローチャート図、図8は年桁調整処理を示すフローチャート図、図9は分桁調整処理を示すフローチャート図である。なお当該実施形態にて例示した時刻調整モードは、カレンダー情報の調整処理も含み、操作手段8を通じて、年桁→月桁→日桁→時桁→分桁の順番で、順次調整可能に設定されている。
【0042】
まず図7のステップ401において、操作スイッチ8をオンしながら他のスイッチ(例えば前記イグニッションスイッチ)が操作されたか否かを判定し、操作スイッチ8と前記他のスイッチとが同時操作された場合(Y)、ステップ402の時刻調整モードに至り、当該時刻調整モード中は第1の表示領域71に表示されていたトータル走行距離情報Todがカレンダー情報Caに切り替わり、年桁を示すデジタル表示部Ddが点滅し、年桁調整受付状態となるが、その後の処理については、図8及び図9にて詳述する。
【0043】
ステップ401の判定が同時オン操作なしの場合(N)、ステップ403のイグニッションスイッチの単独オンか否かを経て、ステップ404の通常モード(Yのとき)か、ステップ401に戻る。なおステップ404の通常モードでは、電波時計モジュール13に保持されている時刻情報Timやカレンダー情報Caが表示される。なお時刻情報Timやカレンダー情報Ca、トリップ表走行距離情報Trd、トータル走行距離情報Todの表示処理は図3記載のステップ201〜209と同様である。
【0044】
次に図8に基づいて時刻調整モード(ステップ402)の詳細について説明する。
まず時刻調整モードとなり、年桁を示すデジタル表示部Ddが点滅状態(年桁調整受付状態)となった直後のステップ4021において、年桁調整受付状態となってから1秒以内に操作手段8がオン操作されたか否かが判定され、オン操作有りの場合(Y)、ステップ4022に進み、このステップで年桁が1ステップ(1年)進む。続くステップ4023で操作手段8がオフ操作されたか否かが判定され、オフ操作された場合(Y)、ステップ4021に戻り、以後、1ステップ送りは操作手段8のオン操作時間が1秒以内の場合に繰り返し行われる。ステップ4023の判定がオフ操作なしの場合(N)、ステップ4024に進み、ここで操作手段8が1秒以上オン操作されたか否かが判定され、1秒以上オン操作された場合(Y)、ステップ4023で操作手段8がオフ操作されるまで年桁のステップ送りの速度が所定の早さ(例えば5Hz)で送られる。
【0045】
一方、ステップ4021の判定が操作手段8のオン操作なしの場合(N)、ステップ4026に至り、このステップでは操作スイッチ8のオフ操作が年桁調整受付状態となってから所定の設定時間(例えば5秒)に達すると、ステップ4027の月桁調整処理に至り、それまで点滅していたデジタル表示部Ddに替わり、月桁を示すデジタル表示部Ddが点滅し、月桁調整受付状態となる。なお第1の表示領域71における月桁調整処理及び日桁調整処理と、第2の表示領域における時桁調整処理も、年桁調整処理と操作・動作は同様であるので、説明を省略する。
【0046】
次に図9に基づいて、分桁調整モードについて説明する。
まず、年桁→月桁→日桁→時桁の順序で調整が完了し、分桁調整受付状態となった(分桁を示すデジタル表示部Ddが点滅)直後のステップ4028において、分桁調整受付状態となってから1秒以内に操作手段8がオン操作されたか否かが判定され、オン操作有りの場合(Y)、ステップ4029に進み、このステップで分桁が1ステップ(1分)進む。続くステップ4030で操作手段8がオフ操作されたか否かが判定され、このステップでの判定がオフ操作なしの場合(N)、ステップ4031に進み、ここで操作手段8が1秒以上オン操作されたか否かが判定され、1秒以上オン操作された場合(Y)、ステップ4030で操作手段8がオフ操作されるまで分桁のステップ送りの速度が所定の早さ(例えば5Hz)で連続送りされる。一方、ステップ4030で操作手段8がオフ操作された場合(Y)、ステップ4033にて秒桁のリセット(コロン「:」表示が秒単位で点滅している場合にその点滅周期をリセットする)が行われて、ステップ4028に戻り、以後、1ステップ送りは操作手段8のオン操作時間が1秒以内の場合に繰り返し行われる。
【0047】
一方、ステップ4028の判定が操作手段8のオン操作なしの場合(N)、ステップ4034に至り、このステップでは操作スイッチ8のオフ操作が分桁調整受付状態となってから所定の設定時間(例えば5秒)に達すると、分桁を示すデジタル表示部Ddの点滅が終了し、ステップ4035でこれまで調整してきた年桁〜分桁を電波時計モジュール13に書き込みし、時刻調整モードが終了となって、図7のステップ404の通常モードに至る。
【0048】
以上の通り、本実施形態では、操作手段8と他のスイッチとの同時操作で時刻調整モードに至るように構成したことにより、時刻調整(カレンダー調整)を行うにあたり、モード変更スイッチ等の専用のスイッチ(操作手段)を設ける必要がないため、コストダウンを達成できる。
【0049】
また、本実施形態では、時刻調整(カレンダー調整)を操作手段8単独で実行できるように構成したことにより、時刻調整スイッチ等の専用のスイッチ(操作手段)を設ける必要がないため、コストダウンを達成できる。
【0050】
なお、操作手段8と他のスイッチとの同時操作で時刻調整モードに至るように構成する場合、機能兼用が可能なスイッチであれば他のスイッチは任意である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の第1の実施形態による車両用表示装置の外観を示す斜視図。
【図2】同実施形態による車両用表示装置のシステム構成を示すブロック図。
【図3】同実施形態による車両用表示装置の動作を示すフローチャート図。
【図4】同実施形態による車両用表示装置の表示内容の推移を示す正面図。
【図5】本発明の第2の実施形態による車両用表示装置の動作を示すフローチャート図。
【図6】同実施形態による車両用表示装置の表示内容の推移を示す正面図。
【図7】本発明の第3の実施形態による車両用表示装置における時刻調整モードへの移行処理を示すフローチャート図。
【図8】同実施形態による年桁調整処理を示すフローチャート図。
【図9】同実施形態による分桁調整処理を示すフローチャート図。
【符号の説明】
【0052】
1 車両用表示装置
2 ケース
3 フロントパネル
4 開口部
5 車速計
6 エンジン回転数計
7 表示手段
8a 操作部
8b スイッチ素子
8 操作手段
10 制御手段
11a〜11c 車両インターフェース端子
12 インターフェース手段
13 電波時計モジュール
14 アンテナ
71 第1の表示領域(共通表示領域)
72 第2の表示領域
73 第3の表示領域
Ca カレンダー情報
Dd デジタル表示部
Od 付加表示部
Tod トータル走行距離情報
Trd トリップ走行距離情報
TrdA 第1のトリップ表走行距離情報
TrdB 第2のトリップ表走行距離情報
Tim 時刻情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも走行距離情報とカレンダー情報とを表示する表示手段と、この表示手段を操作する操作手段と、この操作手段の操作に応じて前記走行距離情報と前記カレンダー情報とを前記表示手段に切り替え表示させる制御手段とを備え、前記表示手段は前記走行距離情報と前記カレンダー情報とを前記表示手段の共通表示領域内で横一列に並ぶ数字情報として表示することを特徴とする車両用表示装置。
【請求項2】
前記制御手段は前記カレンダー情報となってから所定時間経過後に前記走行距離情報に切り替えることを特徴とする請求項1記載の車両用表示装置。
【請求項3】
前記制御手段は前記カレンダー情報を点滅表示させることを特徴とする請求項1記載の車両用表示装置。
【請求項4】
前記表示手段は前記共通表示領域に表示されている情報を区別する付加表示部を有し、前記制御手段は前記共通表示領域の表示情報に基づいて前記付加表示部を動作させることを特徴とする請求項1記載の車両用表示装置。
【請求項5】
前記共通表示領域が0から9までの各数字を切り替え表示可能な7セグメントからなるデジタル表示部を所定桁数分、横一列に配列してなることを特徴とする請求項1記載の車両用表示装置。
【請求項6】
前記デジタル表示部は車両のトータル走行距離を表示可能な桁数に設定され、前記制御手段は前記走行距離情報として前記デジタル表示部に前記トータル走行距離を表示させると共に前記カレンダー情報として前記デジタル表示部に年月日を表示させることを特徴とする請求項5記載の車両用表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−322215(P2007−322215A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−151560(P2006−151560)
【出願日】平成18年5月31日(2006.5.31)
【出願人】(000231512)日本精機株式会社 (1,561)
【Fターム(参考)】