説明

車両発音装置

【課題】設置が容易で運用が柔軟な車両発音装置を提供する。
【解決手段】発音装置1は、発音信号に従って伸縮振動する磁歪素子が収納されており、磁歪素子の先端部に設置した磁石5が発音装置1の設置面から突出している。磁石5の周囲には、ケース2に固定された磁石4が配置されており、車両のボンネットの裏側などに磁石4、磁石5を吸着させて設置する。発音装置1は、エンジンルームなどに設置された発音駆動装置41、ハンドルなどに設置された無線スイッチ31aなどと共に発音体システムを構成している。ユーザが無線スイッチ31aや無線スイッチ31bをオンすると、無線により発音指令が発音駆動装置41に送信され、発音駆動装置41は、発音信号を生成して発音装置1に出力する。発音装置1は、当該発音信号によって磁歪素子を伸縮振動させて車体から音を出力させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両発音装置に関し、例えば、車体を振動させて音を発するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車から外部に発音する手段としてはクラクションが用いられてきたが、例えば、歩行者などに与える不快感を低減したい、「車が通ります」「左へ曲がります」「バックします」などの言語による情報を歩行者などに伝達したい、ハイブリッド自動車や電気自動車では走行音が静かなため、エンジン音の擬音を発して歩行者などに車両の接近を知らせたい、などの要望があった。
【0003】
このような車外に音を出力する装置として、特許文献1の「疑似エンジン音発生装置」がある。
この技術は、走行用の電気モータに供給される電流を検知し、これを用いて疑似エンジン音を発生させるものである。
また、発音機構としては、特許文献2の「車両用発音体システム」がある。
この技術は、音声信号によって伸縮振動する磁歪素子を発音アクチュエータとして車両の車体に取り付け、車体に音を出力させるものである。
【0004】
ところで、従来は、発音体、電源、発音スイッチ、車内のコンピュータなどが有線で結線されており、配線が複雑となっていた。
また、発音スイッチが配線箇所に固定されるため、例えば、発音スイッチの設置箇所をユーザが自由に変更したり、車外に持ち出したりなどの柔軟な運用が困難であるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−316201号公報
【特許文献2】特開2007−62540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、設置が容易で運用が柔軟な車両発音装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、発音指令装置から発音指令を無線で受信する発音指令受信手段と、前記受信した発音指令に従って発音信号を生成する発音信号生成手段と、前記生成した発音信号に従って振動体を振動させることにより車体の表面を振動させて発音させる発音手段と、を具備したことを特徴とする車両発音装置を提供する。
請求項2に記載の発明では、前記発音指令装置は、複数存在し、前記発音信号生成手段は、前記発音指令装置に応じた発音信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の車両発音装置を提供する。
請求項3に記載の発明では、発音指令には、発音内容を特定する内容特定情報が含まれており、前記発音信号生成手段は、前記内容特定情報に応じた発音信号を生成することを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の車両発音装置を提供する。
請求項4に記載の発明では、前記発音手段は、前記車体の異なる箇所に複数設置されており、前記発音指令には、前記発音手段を選択する選択情報が含まれており、前記選択情報で選択された発音手段が前記車体の表面を振動させることを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の車両発音装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、無線で駆動することにより、設置が容易で運用が柔軟な車両発音装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】発音装置の外観や設置位置などを説明するための図である。
【図2】発音装置の構造を説明するための図である。
【図3】振動デバイスの構造を説明するための図である。
【図4】車両発音システムの構成を説明するための図である。
【図5】発音データを説明するための図である。
【図6】車両発音システムの変形例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(1)実施形態の概要
発音装置1(図1(a))は、発音信号に従って伸縮振動する磁歪素子が収納されており、磁歪素子の先端部に設置した磁石5が発音装置1の設置面から突出している。
磁石5の周囲には、ケース2に固定された磁石4a〜4dが配置されており、車両のボンネットの裏側などの車体を構成する金属板に磁石4a〜4d、磁石5を吸着させることにより発音装置1を容易に設置することができる。
【0011】
発音装置1は、エンジンルームなどに設置された発音駆動装置41、ハンドルなどに設置された無線スイッチ31a、携帯可能な無線スイッチ31bなどと共に車両発音システム(図1(b))を構成している。
ユーザが無線スイッチ31aや無線スイッチ31bをオンすると、無線により発音指令が発音駆動装置41に送信され、発音駆動装置41は、発音信号を生成して発音装置1に出力する。
発音装置1は、当該発音信号によって磁歪素子を伸縮振動させて車体から音を出力させる。
【0012】
(2)実施形態の詳細
図1(a)は、発音装置1の外観を示した斜視図である。
発音装置1は、例えば、長さが60[mm]程度、端面が40×40[mm]程度の直方体形状を有しており、ケース2と底板3からなる容器に後述の振動デバイス13(図2(a))を内蔵して構成されている。
ケース2の設置面(車体に設置する端面)には、一辺が20[mm]程度の正方形の頂点に中心が位置するように4個の磁石4a〜4dが設置されている。なお、以下では、磁石4a〜4dを区別しない場合は単に磁石4と記す。
【0013】
ケース2の設置面の中心には貫通孔6が形成されており、貫通孔6から振動デバイス13によって振動する磁石5が突出している。
磁石5の外径は、貫通孔6の内径よりも小さく設定されており、磁石5は、貫通孔6内を発音装置1の長手方向に自由に移動することができる。
【0014】
磁石4a〜4dの端面は同一平面内に位置しており、磁石5の端面は、当該平面よりも若干突出している。そのため、発音装置1を車体に設置すると、磁石5が車体に適度な圧力で押圧される。
また、後述するように、磁石5には、コイルバネ15(図2(c))によって車体の方向に付勢されている。
【0015】
磁石4及び磁石5を吸着させることにより発音装置1を車体に設置した状態で、磁歪素子に発音信号を入力すると、磁歪素子が発音信号に従って伸縮振動し、更に、この振動が磁石5を介して車体に伝達するため、車体から発音信号に従った音が出力される。
【0016】
図1(b)は、車両発音システムの構成を説明するための図であり、車両10を上から見たところを示している。
車両発音システムは、発音装置1、発音駆動装置41、無線スイッチ31a、31bなどから構成されている。
【0017】
発音装置1は、ボンネットのエンジンルーム側(即ち、ボンネットの裏側)の面の中央付近の位置11aに設置してある。
この状態で発音装置1を駆動すると、ボンネットを構成する金属板が発音体として機能して発音し、主に車両10の前方付近に音が広がる。
【0018】
なお、ボンネットの裏側の位置によっても発音の状態が異なるが、発音装置1は、磁石4、及び磁石5によって容易に着脱できるため、ユーザは、発音装置1をボンネットの各所に設置しながら試しに発音させて、自分の好みの状態で発音される位置に発音装置1を設置することができる。
【0019】
発音駆動装置41は、例えば、エンジンルーム内に設置されており、信号線を介して発音装置1と接続し、また、無線スイッチ31a、31bと無線通信することができる。
なお、以下では、無線スイッチ31a、31bを区別しない場合は単に無線スイッチ31と記す。
発音駆動装置41は、無線スイッチ31から発音指令を無線にて受信すると、発音のために発音装置1を駆動する電気信号(以下、発音信号)を生成して発音装置1に出力する。
発音装置1は、当該発音信号に従って車体を構成する金属板を振動させ、発音信号に対応する音を金属板に出力させる。
【0020】
無線スイッチ31aは、ボタンによるスイッチを供え、ユーザがボタンを押下すると発音駆動装置41に発音指令を送信する。
無線スイッチ31aは、ボタン電池などのバッテリによって駆動し、配線は不要となっている。そのため、ハンドルなどの可動部分に対しても容易に設置することができる。
【0021】
無線スイッチ31bは、無線スイッチ31aと同様の構成となっており、例えば、キーホルダなどに組み込まれて車外に携帯可能となっている。
無線スイッチ31bは、200[m]程度の距離まで発音駆動装置41と通信することができ、発音装置1を遠隔から駆動することができる。
そのため、例えば、大型駐車場に駐車して自車の位置がわからなくなった場合に音を出力させて自車の位置を確認したり、自車の付近に不審者がいる場合に警告音を発して防犯に利用したりすることができる。
また、無線スイッチ31aを着脱式とし、ユーザが無線スイッチ31aを車外に携帯してもよい。
【0022】
ところで、ボンネットは、発音装置1の設置箇所の一例であって、この他に、例えば、位置11b(エンジンルームの右側)(前進方向に向かって右側、以下同様)、位置11c(エンジンルームの左側)、位置11d(右側のドア)、位置11e(左側のドア)、位置11f(天井の中央付近)、位置11g(後端部の中央付近)などにも設置可能である。
【0023】
なお、上記の例では、何れも車体を構成する金属板の内側に発音装置1を設置するものとするが、発音装置1が車外に突出してもよい場合は、車体の外側に取り付けることも可能である。
また、この他にも、磁石4が吸引する鋼板で構成された金属板部分には何れも設置可能である。
【0024】
発音装置1を位置11bに設置した場合、主に車両10の右側前方に音が広がるが、車体を伝わって車両10の右側後方にも音が広がる。このため、位置11bは、例えば、右折する際に右折側の歩行者に「右に曲がります。」などと警告音声を発するのに使用することができる。同様に、位置11cは、左折する際に「左に曲がります。」などと警告するのに使用することができる。
【0025】
位置11dは、右側ドアを中心にして車両10の右側全体に音が広がり、同様に位置11eは、左側に音が広がる。このため、例えば、ドア開閉時に「ドアが開きます。」などと歩行者などに警告するのに使用することができる。
位置11fは、天井板が全体的に振動するため、車外に発音させる用途のほか、例えば、車内で音楽を発音させたり、複数車両で団体移動している際に、無線で他車両の音声を送信させてこれを発音し、車両間のコミュニケーションを図ったりなど、車内用に発音させるのに使用することができる。
位置11gは、主に後方に音が広がるため、例えば、「バックします。」などと、後退の際に車両10の後方にいる歩行者に警告音声を発するのに使用することができる。
【0026】
以下、図2、3を用いて発音装置1の構成について説明する。
図2(a)は、発音装置1を長手方向に切断した断面を示した図である。
ケース2は、剛性を有する樹脂で形成されており、設置面に磁石4a〜4dを設置する凹部と磁石5を挿通する貫通孔6が形成されている。磁石4を設置する凹部には、磁石4をネジ止めするためのネジ穴が形成されている。
なお、ケース2は、振動デバイス13や磁石5の振動に対して発音装置1自体が振動しにくくなるように、ある程度質量の大きいものが望ましい。また、ケース2や底板3の材質として非磁性の金属を用いることもできる。
【0027】
ケース2の内部は、振動デバイス13を収納するための空洞部が形成されており、設置面側には、振動デバイス13を固定するための円筒部7が形成されている。
円筒部7の内径は、振動デバイス13の外径よりも若干大きく設定されており、振動デバイス13は、円筒部7を軸方向に移動することができる。
このため、後述するコイルバネ15(図2(c))が振動デバイス13に付勢力を及ぼすと、振動デバイス13の全体が設置面側に付勢される。
【0028】
また、円筒部7の長さは、振動デバイス13の3分の2程度となっており、振動デバイス13の後端側は円筒部7に収納されず露出している。換言すれば、円筒部7の長さは、ケース2の設置面に垂直に内蔵される振動デバイス13の長さの3分の2でもある。
これは、振動デバイス13が駆動によって発熱した場合に放熱を効率的に行うためである。なお、ヒートシンクを設けて外部に放熱するように構成してもよい。
【0029】
底板3は、ケース2と同様の樹脂によって形成されており、図示しないネジ止め機構により、ケース2の後端にネジ止めされている。
これも図示しないが、ケース2と底板3の間にはOリングが配置されており、雨の侵入などを防止している。
底板3の底面には、円筒部8が形成されており、後述のコイルバネ15などが収納されている。
【0030】
磁石4は、外径が9[mm]程度の円柱形状を有しており、ケース2の装着面から1[mm]程度突出している。
磁石4の中心にはネジを挿通するための貫通孔が形成されており、磁石4は、図示しないネジにより、凹部のネジ穴に固定されている。
磁石4のネジ穴はザグリ加工されており、ネジの端部が磁石4の端面よりも磁石4の内側に位置するようになっており、磁石4を車体に吸着させた際に、ネジの端部が車体に接触しないようになっている。この用途では皿ネジが良好である。
また、磁石4を固定するネジの材質は、磁石4の吸着力を良好に維持するために非磁性材料を使用している。
【0031】
磁石5は、磁石4と同じ材質、形状の磁石であり、振動デバイス13の振動ロッド27(図2(b))にネジ止めされている。
前述したように、磁石5の端面は、磁石4a〜4dの端面が含まれる平面よりも若干突出するように設定されており、磁石4を車体に吸着させた場合、磁石5の端面が車体に良好に付勢される。
【0032】
ここで、振動デバイス13の振動ロッド27に磁石5を設置したのは、振動デバイス13が振動に際して車体の金属板を押す方向に力を作用させるのみならず、金属板を引く方向にも力を作用させることにより、振動デバイス13が発生する振動を効率よく金属板に伝達するためである。また、発音装置1の固定能力も高まる。
磁石5を用いずに振動ロッド27を車体に当接させたのみでは、振動ロッド27がケース2の内部側に引かれる際に、振動ロッド27が車体から離れて発音能力に影響する可能性があるが、磁石5を用いると車体から離れず良好に発音させることができる。
【0033】
図2(b)は、磁石5と振動デバイス13の関係を説明するための図である。
振動デバイス13は、円柱形状を有しており、端部の中心からネジ穴が形成された振動ロッド27が突出している。
磁石5は、磁石4と同じ材質、形状の磁石であり、磁石4に使用したのと同様のネジによって、振動ロッド27にネジ止めされる。これにより、磁石5は、振動ロッド27と一体となって振動する。
【0034】
図2(c)は、振動デバイス13の付勢機構を説明するための図である。
底板3は、ネジ9、9、・・・によりケース2にネジ止めされている。ネジ9によるネジ止め箇所は、例えば、ケース2の4辺の中央、あるいは、ケース2の4隅とすることができる。
ネジ止め箇所を更に増やして底板3とケース2の接合強度を高めることもできる。
【0035】
底板3の中央には、円筒部8が形成されており、コイルバネ15が収納されている。
コイルバネ15の外径は、円筒部8の内径よりも小さく設定されており、コイルバネ15は、円筒部8の内部で自由に伸縮することができる。
コイルバネ15の一端は、円筒部8の端部から突出しており、振動デバイス13の底部を振動ロッド27側に押圧している。
コイルバネ15の他端は、円筒部8の内部に設置された振動吸収部材16に当接している。
【0036】
振動吸収部材16は、例えば、シリコンなどの柔軟性を有する部材により構成されたダンパーであって、コイルバネ15の振動を吸収する。
これにより、振動デバイス13の振動がコイルバネ15を介してケース2に伝達されるのを軽減することができ、発音装置1の発音効果を高めることができる。
【0037】
振動吸収部材16と円筒部8の底面の間には、付勢力調整板17が配置されている。
付勢力調整板17は、円筒部8の底部を貫通する調節ネジ18によって円筒部8の内部を中心軸方向に移動可能となっている。
これによって、コイルバネ15の長さを変化させてコイルバネ15の付勢力を調節することができる。
【0038】
調節ネジ18は、円筒部8の底部中央に設けたネジ穴に嵌合する雄ねじであって、先端が付勢力調整板17に当接している。
調節ネジ18を円筒部8の内部にねじ込むと付勢力調整板17が振動デバイス13側に移動して付勢力が高まり、逆の方向に調節ネジ18を回すと付勢力調整板17がコイルバネ15の付勢力によって円筒部8の底面側に移動して付勢力が弱まる。
ユーザは、発音が良好となる付勢力となるように調節ネジ18を調節することができる。
【0039】
図3は、振動デバイス13の断面図である。
振動デバイス13の筐体は、円筒形状を有するケース60、ケース60の底部に設置された底板61、及びケースの開口部に設置された蓋62から構成されている。
ケース60の内部には、ケース60と同軸となる円筒状の駆動コイル23が配置されている。
駆動コイル23からは信号線21が引き出されており、底板61を貫通して振動デバイス13の外部で発音駆動装置41に配線されている。
また、駆動コイル23の両端部には、駆動コイル23やケース60などに伝達する振動を減衰するための振動吸収部材22、24が配置されている。
【0040】
駆動コイル23の軸穴には、駆動コイル23と同心となる円柱状の磁歪素子29が3個直列に配設されている。
そして、各磁歪素子29の端部には、バイアス磁界を発生させるための永久磁石28が配設されている。永久磁石28には、ネオジムを用いたものなどが使用される。
磁歪素子29に予めバイアス磁界を印可しておくことにより、磁歪素子29の特性がよい磁界領域で発音信号による磁界を作用させることができる。
【0041】
振動吸収部材24の蓋62側には、振動板25が配設されている。
振動板25は、コイルバネ26によって磁歪素子29の側に付勢されており、そのため、磁歪素子29が伸縮により振動すると、振動板25も共に振動する。
即ち、振動板25は、磁歪素子29の伸張により蓋62側に移動し、磁歪素子29が収縮する場合は、コイルバネ26の付勢力によってケース60側に移動する。
【0042】
コイルバネ26は、一端が蓋62に当接し、他端が振動板25に当接しており、振動板25をケース60の側に付勢している。
振動ロッド27は、蓋62の中心に形成された貫通孔を貫通しており、当該貫通孔を自由に移動することができる。
振動ロッド27の一端は、振動板25に固定されており、他端には、磁石5を固定するネジ穴が形成されている。
振動ロッド27は、振動板25に固定されているため、磁歪素子29が発生する振動により、振動板25と共に振動デバイス13の軸線方向に振動する。
【0043】
以上のように構成された振動デバイス13において、信号線21に発音信号を入力すると駆動コイル23によって、駆動コイル23の軸穴方向に発音信号に従った磁界が生じる。
すると、当該磁界が磁歪素子29に作用して、磁歪素子29が発音信号に従って磁歪素子29の軸方向に伸縮する。
この伸縮による振動(伸縮振動)が振動板25を介して振動ロッド27に伝達し、振動ロッド27が発音信号に従って振動デバイス13の軸方向に振動する。
【0044】
以上に説明した発音装置1により、次のような効果を得ることができる。
(1)磁石4a〜4d、磁石5によって車体などを構成する金属板に発音装置1を設置するため、着脱が容易である。
(2)発音装置1は、防水機能を有するため、エンジンルーム内などの外部環境に晒される箇所にも設置することができる。
(3)磁石5の付勢力を調節することができる。
(4)振動吸収部材16を用いることにより、振動デバイス13による振動がケース2に伝わりにくくなり、良好に音を出力させることができる。
(5)振動ロッド27が磁石5を介して車体に吸着しているため、車体に引きの力を加えることもできる。
(6)車外発音用としてスピーカを装着する場合は、発音体であるコーンに防水カバーなどを装備するため、音波が防水カバーなどに吸収されるが、発音装置1は、車体を発音体とするため、発音体を遮蔽するものが無く、外部にダイレクトに音波を出力することができる。
(7)スピーカの場合、スピーカの音を伝達するための空気を遮蔽するものを削減する必要から、ボディー板金の取り付け位置に穴を開けたり、発生コーン部分を直接外に露出させたりするが、発音装置1は、車体金属板をダイレクトに音波伝達に使用し、音を出力することができる。
【0045】
以上の説明では、発音装置1を車両に設置する場合について説明したが、例えば、建築物の壁や机などの家具、あるいは、ショーウィンドウのガラスなど、振動によって音を発する対象であれば、発音装置1を設置することができる。
この場合、磁石4a〜4d、磁石5の代わりに接着剤やネジを用いるなど、設置対象に適した固定手段を採用することができる。
また、車両に対しても、ネジ止めなど磁石以外の方法によって設置することも可能である。
更に、発音用の振動体として磁歪素子を用いたが、他の素子を用いてもよい。
【0046】
次に、発音装置1を用いた車両発音システムについて説明する。
図4は、本実施の形態に係る車両発音システムの構成を示した図である。
発音駆動装置41は、電源回路45、無線機44、音声IC43、アンプ42などを備えている。
電源回路45は、車両の車載電装ボックス50から電力供給を受けて発音駆動装置41の各部に電力を供給する回路である。
なお、電力供給は、車載電装ボックス50のほかに、例えば、乾電池、充電池、アクセサリー電源としても使用されるシガーソケット、又は、これらと同等の電源供給箇所から行うこともできる。
無線機44は、無線スイッチ31などの無線送信機から無線信号による発音指令を受信し、当該発音指令に従って音声IC43に発音データの出力を指令する。
【0047】
音声IC43は、例えば、エンジン擬音、警告音、「車が通ります。」などの発音データを記憶しており、無線機44からの指令によって、当該指令に該当する発音データを読み出して、これによる発音信号をアンプ42に出力する。
アンプ42は、音声IC43が出力した発音信号を増幅して発音装置1に出力し、当該発音信号によって発音装置1を駆動する。
アンプ42の増幅率を調節することにより、発音装置1が発生させる音の音量を変化させることができる。例えば、無線スイッチ31aに増幅率調節用のボタンを供え、無線で音量を調節するように構成することもできる。
【0048】
無線スイッチ31aは、ボタン電池などのバッテリを有しており、ハンドルに着脱可能に装着されている。
無線スイッチ31aは、発音指令送信用のボタンを備えており、ユーザがボタンを押下すると、無線機44に発音指令を送信する。
【0049】
無線スイッチ31aは、配線が必要なく、また、着脱可能であり、ユーザは、ハンドルの自分の好みの箇所に設置することができる。
更に、無線スイッチ31aに各種取り付け機構を設置することにより、例えば、運転手側のドア、助手席側のドア、足下などに設置することも可能である。
【0050】
無線スイッチ31aの運用方法は、様々あり、以下では、幾つかを例示する。
例えば、無線スイッチ31aのボタンが押下された場合、発音装置1は、予め決められた発音データを固定的に再生するように構成することができる。
この場合、例えば、ユーザがボタンを押下すると、発音駆動装置41は、発音装置1に警告音を発生させる。
【0051】
また、無線スイッチ31aのボタン押下に際して、ユーザが複数の発音内容から特定のものを指定するように構成することもできる。
この場合、発音指令に、ユーザが指定した発音内容を特定する内容特定情報を含め、音声IC43は、内容特定情報で特定される発音データを再生する。
これにより、ユーザの選択に従って、例えば、警告音を発音させたり、「車が通ります。」などの音声を発音させたりすることができる。
【0052】
発音内容の特定方法としては、無線スイッチ31aに当該内容に応じた複数のボタンを備えたり、あるいは、長押しの場合は音声で短押しの場合は警告音など、1つのボタンに選択機能を備えたりすることが可能である。
更に、1回目のボタン押下でエンジン擬音を発生し、2回目のボタン押下でエンジン擬音を停止するといった使用方法も可能である。
【0053】
また、無線スイッチ31aに、センサ33aなどの他の装置からの無線信号に基づいて無線機44に発音指令を送信するように構成することも可能である。
例えば、センサ33aは、車内に設置したセンサであって、所定の対象を監視し、監視内容を無線で無線スイッチ31aに送信するように構成することができる。
監視対象としては、例えば、車速、エンジン音、エンジンのイグニション周期、ハイブリッド自動車や電気自動車の場合には、走行用モータの電流や回転数、アクセルの開度、GPS(Global Positioning Systems)信号、による現在位置、歩行者、障害物、車両に対する不審な操作などがある。
【0054】
センサ33aが車速センサで車速を検知する場合、次のようにして、発音装置1にエンジン擬音を自動的に出力させることができる。
まず、センサ33aは、車両の発車を車速により検知すると、無線スイッチ31aに発車を検知した旨の通知を送信する。
すると、無線スイッチ31aは、エンジン擬音を発生させる発音指令を生成して発音駆動装置41に送信する。これにより、発音装置1からエンジン擬音が出力される。
【0055】
そして、センサ33aは、車速が所定値以上(例えば、[20Km/h]以上)となったことを検知すると、その旨の通知を無線スイッチ31aに送信する。
すると、無線スイッチ31aは、エンジン擬音を停止させる指令を生成して発音駆動装置41に指令する。これにより、エンジン擬音が停止する。
あるいは、エンジン擬音の発生から所定時間後にエンジン擬音を自動的に停止するように発音駆動装置41を構成してもよい。
センサ33aで、エンジン音、イグニション周期、走行用のモータの電流や回転数、アクセルの開度、GPS信号などを検出し、車速を間接的に検出するように構成することもできる。
【0056】
また、センサ33aが障害物センサであって、歩行者などを検知する場合、センサ33aは、歩行者が車両の前方の所定距離の範囲に存在することを検知すると、その旨を無線スイッチ31aに通知する。
無線スイッチ31aは、当該通知を受信すると、発音駆動装置41に「車が通ります。ご注意下さい。」などの音声を発する指令を送信する。
更に、センサ33aが防犯センサの場合、センサ33aは、車両に対する不審な操作を検知して無線スイッチ31aに通知し、無線スイッチ31aが発音装置1に警告音を発生させて防犯を図ることもがきる。
【0057】
なお、以上では、センサ33aは、無線スイッチ31aを介して発音指令を発音駆動装置41に送信したが、センサ33aに発音指令を送信する機能を備えて、センサ33aから無線機44に直接発音指令を送信するように構成することもできる。
【0058】
無線スイッチ31bは、ユーザが携帯可能であり、大規模駐車場での自車位置確認や、車両近傍にいる不審者や動物への警告、その他の用途に用いることができる。
ここで、無線スイッチ31a、31bを全く同じに構成することもできるが、無線スイッチ31aのボタンを押下した場合と、無線スイッチ31bのボタンを押下した場合で、発音装置1の発音が異なるように構成することができる。
【0059】
この場合、発音指令に無線スイッチ31a、無線スイッチ31bを識別する発音指令装置識別情報を付加しておき、発音駆動装置41は、発音指令識別情報に応じた発音データを再生するように構成する。
これにより、例えば、無線スイッチ31aのボタンを押下した場合は、「車が通ります。ご注意下さい。」などと音声を出力させ、無線スイッチ31bのボタンを押下した場合は、警告音を発生するように構成することができる。
【0060】
センサ33bは、車外に設置したセンサである。
例えば、センサ33bが人感センサの場合、センサ33bを車庫に設置し、不審者や動物(犬、猫、鳥など)などの車庫への侵入を監視させる。そして、センサ33bは、侵入を検知した場合、その旨を無線スイッチ31aに通知する。すると、無線スイッチ31aは、発音指令を発音駆動装置41に送信して発音駆動装置41に警告音を発生させる。
【0061】
また、ユーザが無線スイッチ31bのボタンを押下することにより、発音駆動装置41がセンサ33bの検知結果を無視するように構成することもできる。
この場合、ユーザは、センサ33bによる監視を一時停止させて車庫に出入りすることができる。
【0062】
センサ33cは、センサ33bと同様に車外に設置したセンサである。
センサ33cは、発音指令を生成して無線機44に送信する機能を有しており、対象を検知すると、無線機44に発音指令を直接送信することができる。その他の構成はセンサ33bと同様である。
【0063】
マイク35は、携帯型のマイクロフォンであり、ユーザの音声信号を発音駆動装置41に送信する。
この場合、発音駆動装置41は、無線機44で音声信号を受信すると、これをアンプ42で増幅して発音装置1に出力するように構成されている。
このため、ユーザがマイク35に対して発話すると、その音声が発音装置1によって出力される。
【0064】
マイク35は、例えば、ユーザが車両を運転しており、歩行者に左によって欲しい場合に、「もう少し左によってください。」などと、発話内容を車体から発音して歩行者に言語による情報伝達を行うことができる。
【0065】
また、2台の車両が発音装置1を装備している場合、発音装置1は、車外に直接発音するため、ユーザは車内でも容易に相手の発話を聞くことができる。そのため、ユーザは、例えば、駐車場に停車している2台の車両に乗ったまま会話することができる。
【0066】
更に、ユーザが複数の車両に分乗して移動する場合に、マイク35によって1の車両の音声を他の車両に送信するように構成すると、複数の車両に分乗した状態のままユーザ全員で会話することができる。この場合、発音装置1を位置11f(図1(b))に設置するなどして、車内で出力音を聞けるようにする。
【0067】
なお、無線スイッチ31aにマイク機能を内蔵させてもよい。この場合、ユーザは、無線スイッチ31aのボタン押下によって規定の発音データを出力させるほか、自分の発話も出力させることができ、車外に対するコミュニケーション機能を高めることができる。
【0068】
図5は、音声IC43が記憶する発音データの例を示した図である。
発音データには、001、002、・・・などの固有のデータ番号が設定されており、001番は、エンジン擬音、002番は、警告音、003番は、「車が通ります。ご注意下さい。」なる音声データ、・・・などとなっている。
音声IC43は、発音指令で指定された発音データを読み出して発音信号を生成することにより、複数の中から所定の内容の音を車体に発生させることができる。
【0069】
これらの発音データは、予め音声IC43に記憶しておくほか、例えば、ネットワーク上のサーバからダウンロードして記憶したり、あるいは、ユーザが録音した音声を記憶することも可能である。これにより、例えば、ユーザの好みのエンジン擬音や警告音(ブザー音やメロディーなど)、あるいは音声などを出力させることが可能となる。
この場合、発音駆動装置41にネットワーク接続機能を備え、直接ダウンロードしてもよいし、発音駆動装置41に着脱式の記憶媒体を備え、PC(Personal Computer)などを用いて記憶媒体にダウンロードしてもよい。
【0070】
図6(a)は、車両発音システムの変形例を説明するための図である。
本変形例は、複数の発音装置1a、1b、1cを備えている。発音装置1aは、位置11a(図1(b))に設置してあり、発音装置1bは、位置11bに設置してあり、発音装置1cは、位置11cに設置してある。
【0071】
図示しないが、無線スイッチ31aは、発音装置1a、1b、1cに対応する3つのボタン(それぞれ、中央ボタン、右側ボタン、左側ボタンとする)を有しており、無線スイッチ31aは、ボタンが押されると、ボタン識別情報を含む発話指令を生成して発音駆動装置41に送信する。
【0072】
これに対し、無線機44は、無線スイッチ31aから発話指令を受信し、これを音声IC43に出力する。
音声IC43には、ボタンに対応する音声データが記憶されている。例えば、中央ボタンに対しては「車が通ります。ご注意下さい。」、右側ボタンに対しては「右側に曲がります。ご注意下さい。」、左側ボタンに対しては「左に曲がります。ご注意下さい。」なる音声データが発話データとして記憶されている。
そして、音声IC43は、発音指令に含まれるボタン識別情報に対応する発音データを読み出して発音信号を生成し、アンプ42に出力する。
【0073】
アンプ42は、これを増幅して切替回路47に出力する。そして、切替回路47は、増幅された発音信号をボタン識別情報に対応する発音装置1に送出する。
このようにして、例えば、ユーザが中央ボタンを押下した場合は、「車が通ります。ご注意下さい。」などと、ボタンに対応した音を、ボタンに対応した車体の位置から発生させることができる。このようにボタン識別情報は、発話内容を特定する内容特定情報としての機能を有するほか、発音させる位置を特定する発音位置特定情報としても機能している。
【0074】
また、車載電装ボックス50から車速を音声IC43に入力し、車速に応じたエンジン擬音を、発音装置1から出力させるように構成することもできる。出力させる発音装置1は、発音装置1a〜1cの何れでもよい。
エンジン擬音は、例えば、車速が0〜20[Km/h]の間で出力し、車速が早いほど音程を高くして、歩行者に車両の走行状態を聴覚で知らせるようにすることができる。
【0075】
更に、例えば、エンジン擬音を出力している際に、ユーザが無線スイッチ31aを押下した場合に、エンジン擬音を出力している発音装置1において、「左に曲がります。ご注意下さい。」などの音声をエンジン擬音に重畳して出力することも可能である。
【0076】
図6(b)は、車両発音システムの他の変形例を説明するための図である。
本変形例では、発音装置1の内部に発音駆動装置41を収納する。そのため、発音装置1は、電源ラインを車載電装ボックス50に接続すれば、発音用信号を配線せずに使用することができる。
【0077】
図の例では、発音装置1を3個用い、先の変形例と同様に、発音装置1a、1b、1cが位置11a、11b、11cに設置されている。
無線スイッチ31aは、中央ボタン、右側ボタン、左側ボタンを有しており、無線スイッチ31aは、ボタンが押されると、ボタン識別情報を含む発音指令を生成して発音装置1a、1b、1cに送信する。
【0078】
発音装置1a、1b、1cは、発音指令が自己宛のものであった場合に、これを用いて車体に発音させる。発音内容は、先の変形例と同様である。
発音指令が自己宛か否かを判断する方法は、例えば、発音装置1a、1b、1cが、発音指令に含まれるボタン識別情報により識別してもよいし、あるいは、発音装置1a、1b、1cごとに異なった通信周波数を割り当てるなどしてもよい。
【0079】
以上に説明した車両発音システムにより、次のような効果を得ることができる。
(1)無線通信により発音装置1に発音させることができる。
(2)無線通信を利用するため配線が必要なく、無線スイッチ31aをユーザが好む箇所に設置することができ、また、ハンドルなどの可動部分にも設けることが可能である。
(3)車両発音システムを車両に後付けする場合、既に構築されている車内の信号処理ネットワークに手を加えずに構築することができる。また、このため後付けで設置しやすい。
(4)センサ33などから様々な情報のフィードバックが容易となり、高機能な車両発音システムを構築することができる。
【0080】
以上に説明した車両発音システムで使用する発音装置1により、次の構成を提供することができる。
振動デバイス13は、振動装置として機能しており、振動ロッド27及び磁石5は、発音信号に従って振動する先端部として機能している。また、ケース2、底板3は、振動デバイス13を収納し、磁石5が外部に突出している。
このため、発音装置1は、発音信号に従って振動体の先端部を振動させる振動装置と、前記先端部を外部に突出させて前記振動装置を収納する容器を備えている。
車体を構成する金属板は、発音体として機能し、磁石4a〜4dは、当該金属板に吸着してケース2を固定するため、発音装置1は、音を発生する発音体の表面に前記容器を固定する固定手段を備えている。
コイルバネ15は、振動デバイス13を車体に付勢するため、発音装置1は、前記容器に収納され、前記振動装置を前記発音体の方向に付勢することにより前記振動体の先端部を前記発音体の表面に付勢する付勢手段を備えている。
【0081】
コイルバネ15と底板3の間には振動吸収部材16が設けてあるため、発音装置1は、前記付勢手段と前記容器の間に配置された振動吸収部材を備えている。
【0082】
磁石5は、車体を構成する金属板に吸着し、振動ロッド27の引く力を金属板に作用させることができるため、発音装置1は、前記先端部が前記発音体を前記振動装置の方に引く力を作用させる引込手段を備えている。
【0083】
磁石4は、複数存在し、磁石5の先端部は、磁石4a〜4dの端面を含む平面よりも発音体側に突出しているため、前記固定手段は、複数存在し、前記先端部は、前記複数の固定手段の端面を含む平面よりも突出している。
【0084】
磁石4は、固定手段として機能しており、前記固定手段は、磁石で構成されている。
【0085】
磁石5は、発音体に吸着して発音体を発音装置1の方に引く力を及ぼすことができるため、前記引込手段は、前記先端部に設けた磁石により構成されている。
【0086】
コイルバネ15の付勢力は、付勢力調整板17と調節ネジ18により調節することができるため、発音装置1は、前記付勢手段の付勢力を調節する調節手段を備えている。
【0087】
無線スイッチ31aなどは、無線で発音指令を送信し、無線機44がこれを受信するため、発音駆動装置41は、発音指令装置から発音指令を無線受信する発音指令受信手段を備えている。
音声IC43は、発音指令に従って発音信号を生成し、アンプ42がこれを増幅するため、発音駆動装置41は、前記受信した発音指令に従って発音信号を生成する発音信号生成手段を備えている。
振動デバイス13は、磁歪素子29を発音信号に従った振動をさせて車体の表面を振動させるため、発音装置1は、前記生成した発音信号に従って振動体を振動させることにより車体の表面を振動させて発音させる発音手段を備えている。
このように、発音駆動装置41及び発音装置1は、これら要素を備えた車体発音装置として機能している。
【0088】
また、発音指令装置は、無線スイッチ31a、31b、センサ33cなど複数存在し、これら発音指令装置に応じた音を発音装置1に出力させることができるため、前記発音指令装置は、複数存在し、前記発音信号生成手段は、前記発音指令装置に応じた発音信号を生成している。
【0089】
また、ユーザが無線スイッチ31aで発音内容を指定して発音駆動装置41に送信することもでき、この場合、発音指令には、発音内容を特定する内容特定情報が含まれており、前記発音信号生成手段は、前記内容特定情報に応じた発音信号を生成する。
【0090】
また、複数の発音装置1a〜1cを、異なる位置11a〜11cに設置し、ユーザが駆動する発音装置1を選択することもできるため、前記発音手段は、前記車体の異なる箇所に複数設置されており、前記発音指令には、前記発音手段を選択する選択情報が含まれており、前記選択情報で選択された発音手段が前記車体の表面を振動させる。
【0091】
また、マイク35から音声を発音駆動装置41に送信する場合、マイク35から発音駆動装置41に送信される音声信号が発音指令として機能している。
【0092】
また、無線スイッチ31aは、センサ33bから信号を受けた場合に、発音駆動装置41に発音指令を送信するため、所定の対象を検知するセンサから、検知対象が検知された旨の信号を受信する検知信号受信手段と、前記検知信号を受信した場合に、発音指令装置から発音指令を無線受信する発音指令受信手段と、前記受信した発音指令に従って発音信号を生成する発音信号生成手段と、前記生成した発音信号に従って振動体を振動させることにより車体の表面を振動させて発音させる発音手段と、を備えた車両発音装置に発音指令を無線送信する発音指令送信手段と、を備えている。
【符号の説明】
【0093】
1 発音装置
2 ケース
3 底板
4 磁石
5 磁石
6 貫通孔
7 円筒部
8 円筒部
9 ネジ
10 車両
11 位置
13 振動デバイス
15 コイルバネ
16 振動吸収部材
17 付勢力調整板
18 調節ネジ
21 信号線
22 振動吸収部材
23 駆動コイル
24 振動吸収部材
25 振動板
26 コイルバネ
27 振動ロッド
28 永久磁石
29 磁歪素子
31 無線スイッチ
33 センサ
35 マイク
41 発音駆動装置
42 アンプ
43 音声IC
44 無線機
45 電源回路
47 切替回路
50 車載電装ボックス
60 ケース
61 底板
62 蓋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発音指令装置から発音指令を無線で受信する発音指令受信手段と、
前記受信した発音指令に従って発音信号を生成する発音信号生成手段と、
前記生成した発音信号に従って振動体を振動させることにより車体の表面を振動させて発音させる発音手段と、
を具備したことを特徴とする車両発音装置。
【請求項2】
前記発音指令装置は、複数存在し、前記発音信号生成手段は、前記発音指令装置に応じた発音信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の車両発音装置。
【請求項3】
発音指令には、発音内容を特定する内容特定情報が含まれており、
前記発音信号生成手段は、前記内容特定情報に応じた発音信号を生成することを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の車両発音装置。
【請求項4】
前記発音手段は、前記車体の異なる箇所に複数設置されており、
前記発音指令には、前記発音手段を選択する選択情報が含まれており、
前記選択情報で選択された発音手段が前記車体の表面を振動させることを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の車両発音装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−91591(P2012−91591A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−238911(P2010−238911)
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【出願人】(305018823)盛岡セイコー工業株式会社 (51)
【出願人】(592166182)株式会社アイソニック (5)
【Fターム(参考)】