説明

車両識別タグ及び車両識別タグの有効性を検証する方法

本発明は、車両識別タグ及び車両識別タグの有効性を検証する方法に関する。一実施形態は、高周波識別(「RFID」)タグを有する第1の部分と第2の部分とを含む車両識別タグを提供し、第1の部分の情報及び第2の部分の情報は、車両識別タグが有効な車両識別タグであることをユーザーが検証するのを助ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両識別タグ及び車両識別タグの有効性を検証する方法に関する。本発明は、より詳細には、高周波識別(「RFID:radio frequency identification」)タグを有する第1の部分と第2の部分とを含む車両識別タグに関し、第1の部分の情報及び第2の部分の情報は、車両識別タグが有効な車両識別タグであることをユーザーが検証するのを助ける。
【背景技術】
【0002】
電子車両登録(「EVR:Electronic Vehicle Registration」)は、当該技術分野では、一般に、通常は無線高周波識別(「RFID」)技術を使用して、車両情報を示すためのRFID読取装置とRFIDタグとを使用して車両準拠状況を自動的に識別する、車両登録のための自動化された準拠審査方法として知られている。通常、RFIDタグは、車両、普通はウインドシールドに取り付けられる。ユーザーは、RFIDタグに格納された固有番号を得るために、RFIDスキャナを使用して、車両に関連付けられたRFIDタグに問合せることができる。この固有番号は、車両に割り当てられた固有の登録番号、製造中にRFIDタグに割り当てられた固有のシリアル番号、又は車両に関連付けることのできるRFIDタグに格納された他の何らかの固有番号であってよい。RFIDタグから得られる固有番号を使用して、ユーザーは、通常は他の場所に格納されたデータベースにアクセスして、そのRFIDが割り当てられた車両に関する準拠関連情報をダウンロードする。準拠関連情報の例としては、車両登録、排気、保険、機械的安全性、又は他の因子、並びに、車両が様々な国家、州、又は地方規制に準拠しているかどうかを挙げることができる。一部のEVRシステムは、非準拠車両には自動的に強制処置又は違反を処理する。EVRタグは、通常、従来の車両ナンバープレートを補足し、登録準拠を強化する追加の自動化された方法を提供する。
【0003】
当該技術分野において、EVRシステム又は関連RFIDタグのいくつかの既知例は、米国特許第6,894,615号、米国特許第6,758,405号、米国特許第5,661,473号、米国特許第5,554,984号、米国特許第6,366,222号、米国特許第6,876,296号、米国特許第6,121,880号、米国特許第6,888,509号、及び米国特許出願公開第2002/0044069号に記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方の部材が実質的に永久的に取り付けられ、他方の部材が取り外し可能に取り付けられる、2部分の重ね合わせ配置の一例が、米国特許第5,847,378号に記載されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、車両識別タグを提供する。一実施形態では、車両識別タグは、第1の情報が格納された高周波識別(「RFID」)タグを含む第1の部分と、第2の情報を含む第2の部分と、を含み、RFIDタグに格納された第1の情報は、第2の部分の第2の情報と相関して、車両識別タグが有効な車両識別タグであるとユーザーが判定することを可能とする。上記の車両識別タグの一実施形態では、車両識別タグの第2の部分は、タグの更新可能部分である。この実施形態の一態様では、車両識別タグの第1の部分は、タグの実質的に永久的な部分である。
【0006】
上記の車両識別タグの他の実施形態では、第2の情報は、英数字情報を含む。上記の車両識別タグの他の実施形態では、RFIDタグに格納された第1の情報が、第2の部分の第2の英数字情報と相関するかどうかを判定するために、別個のデータベースが使用される。上記の車両識別タグの他の実施形態では、RFIDタグに格納された第1の情報は、第2の部分の第2の情報と同一である。上記の車両識別タグの他の実施形態では、タグは、車両識別タグの第1の部分に取り付けられた第1の接着強度を有する接着剤の第1の部分と、車両識別タグの第2の部分に取り付けられた第2の接着強度を有する接着剤の第2の部分と、をさらに含み、第1の接着強度は第2の接着強度よりも大きい。この実施形態の一態様では、第1の接着強度は、車両識別タグの第1の部分が後で車両から取り外されたときに、RFIDタグに損傷を与えるのに十分な強度を有する。この実施形態の他の態様では、タグは、第3の接着強度を有する接着剤の第3の部分をさらに含み、RFIDタグは、第1の主要表面と第1の主要表面の反対側の第2の主要表面とを含む基板と、基板の第1の主要表面に取り付けられた高周波識別アンテナと、アンテナに取り付けられた集積回路と、を含み、第3の接着強度は、第1の接着強度よりも大きく、接着剤の第3の部分は、集積回路に取り付けられ、第3の接着強度は、車両識別タグが後で車両から取り外されたときに、RFIDタグに損傷を与えるのに十分な強度を有する。
【0007】
上記の車両識別タグの他の実施形態では、車両識別タグは、車両と組み合わせられ、車両識別タグの第1の部分は、車両に実質的に永久的に取り付けられ、車両識別タグの第2の部分は、車両に取り外し可能に取り付けられる。上記の車両識別タグの他の実施形態では、タグの第2の部分は、再帰反射シートを含む。この実施形態の一態様では、再帰反射シートは、第2の情報の印刷されたしるしを含む。上記の車両識別タグの他の実施形態では、高周波識別タグは、第1の情報の印刷されたしるしを含む。上記の車両識別タグのさらに他の実施形態では、RFIDタグは、タンパーエビデント(tamper evident)である。
【0008】
本発明の他の態様は、有効な車両識別タグを検証する方法を提供する。一実施形態では、該方法は、第1の情報が格納された高周波識別(「RFID」)タグを含む第1の部分と、第2の情報を含む第2の部分と、を含む車両識別タグを提供する工程と、RFIDタグに格納された第1の情報を得るために、RFIDタグに問合せする工程と、第2の部分の第2の情報を読み取る工程と、RFIDタグに格納された第1の情報が、第2の部分の第2の情報と相関することを検証する工程と、を含む。上記の方法の他の実施形態では、RFIDタグに格納された第1の情報が第2の部分の第2の情報と相関しない場合、車両識別タグが有効ではないと判定する。以上の方法の他の実施形態では、第2の情報は、英数字情報を含む。上記の方法の他の実施形態では、車両識別タグの第2の部分は、タグの更新可能部分である。上記の方法の他の実施形態では、車両識別タグの第1の部分は、タグの実質的に永久的な部分である。
【0009】
上記の方法の他の実施形態では、該方法は、車両識別タグを車両に取り付ける工程と、タグの更新可能部分を取り外す工程と、第2の更新可能部分を車両に取り付ける工程と、をさらに含む。この実施形態の一態様では、タグの第2の更新可能部分は、タグの第1の更新可能部分の情報とは異なる情報を含む。この実施形態の他の態様では、該方法は、第2の更新可能部分の情報と相関するように、RFIDタグに格納された第1の情報を変更する工程を含む。
【0010】
上記の方法の他の実施形態では、該方法は、RFID問合せ器を提供する工程をさらに含み、RFID問合せ器は、問合せ工程及び検証工程を実行する。この実施形態の他の態様では、RFID問合せ器は、読取り工程を実行する。上記の方法の他の実施形態では、別個のデータベースが、第1の情報と第2の情報との間の相関情報を格納し、該データベースは、検証工程を実行する。上記の方法の他の実施形態では、RFIDタグに格納された第1の情報は、第2の部分の第2の情報と同一である。
【0011】
上記の方法の他の実施形態では、車両識別タグは、車両識別タグの第1の部分に取り付けられた第1の接着強度を有する接着剤の第1の部分と、車両識別タグの第2の部分に取り付けられた、第2の接着強度を有する接着剤の第2の部分とをさらに含み、第1の接着強度は、第2の接着強度よりも大きい。上記の方法の他の実施形態では、第1の接着強度は、車両識別タグの第1の部分が後で車両から取り外されたときに、RFIDタグに損傷を与えるのに十分な強度を有する。上記の方法の他の実施形態では、該方法は、車両識別タグを車両に取り付ける工程をさらに含み、車両識別タグの第1の部分は、車両に実質的に永久的に取り付けられ、車両識別タグの第2の部分は、車両に取り外し可能に取り付けられる。
【0012】
説明及び特許請求の範囲で特定の用語が使用されており、大部分は周知であるが、いくらか説明を必要とする場合がある。「車両」に言及するときには、これが、人又は物を輸送するいかなるデバイス又は構造、例えば、自動車、トラック、オートバイ、セミトラック、トラクター、又は同様のいかなる輸送機関をも指すことを理解すべきである。
【0013】
添付の図面を参照して本発明を更に説明するが、幾つかの図面を通して同様な構造は同様な数字により参照される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、本発明の車両識別タグ10の一実施形態を示す。車両識別タグ10は、背景技術の項で簡単に記載される、電子車両登録システムと併せて有用である。具体的には、車両識別タグ10は、車両識別タグが有効な車両識別タグであることをユーザーが検証又は認証するのを助けることができる。用語「有効」は、車両識別タグが、地方、州、又は連邦政府機関によって適正に発行されていること、及び上記タグが、当該車両に継続して関連付けられているか、さもなければ当該車両に取り付けられることを意味する。通常、車両識別タグは、車両所有者が彼らの車両をそのような機関に登録した後で、該所有者に発行される。車両所有者は、車両の窓又はナンバープレート上など、車両上のどこかに車両識別タグを適用する。そのような車両識別タグが所有者の車両から盗まれ、次いで、例えば盗難車両のような他の車両に再び適用されて、その結果、それが発行された車両とは異なる車両にそのタグが取り付けられるので、そのタグがもはや有効なタグではなくなることが知られている。本発明の車両識別タグ10は、ユーザー、通常は法執行機関職員に、車両識別タグ10が確かに有効な車両識別タグ10であること、及びそれが発行された車両に該タグが取り付けられていることを検証する方法を提供することを目的とする。本発明の車両識別タグ10はまた、車両識別タグ10の一部分を、そのタグが発行された年など、より最新の情報を含む部分に更新又は交換する方法を提供する。これを達成するために、車両IDタグ10は、タグの交換可能な第2の部分よりも長い期間にわたって車両にとどまることが意図される第1の部分から構成される。ゆえに、タグ10は、タグ10の寿命にわたって維持するのにあまり費用がかからない。ゆえに、本発明の下では、製造により費用がかかる車両IDタグの第1の部分は、さほど頻繁に交換される必要はない。
【0015】
図1及び図2に示される車両識別タグ10は、対象物12に取り付けられる。ここに示される実施形態では、対象物12は、車両のガラス窓の一部分であり、したがって、ユーザーは、以下でより詳細に説明するように、ガラスを通して見て、視覚的に又はRFID問合せ器によって車両識別タグ10から情報を読み取ることができる。ただし、車両識別タグ10は、車両のどこに取り付けられてもよい。
【0016】
図1及び図2に示される車両識別タグ10は、第1の部分14と第2の部分16とを含む。第1の部分14は、高周波識別(「RFID」)タグ18を含む。RFIDタグ18は、第1の主要表面と、第1の主要表面の反対側の第2の主要表面とを有する基板24を含む。基板24は、様々な表面に適合し、対象物の周りで容易に曲がるように、十分な可撓性を有することができる。例えば、一実施形態では、基板24は、好ましくは厚さ25〜100ミクロンの範囲にあり、ポリエステル、ポリエチレンナフタネート(polyethylene naphthanate)、ポリイミド、ポリプロピレン、紙、又は当業者に明らかな他の可撓性材料などの、可撓性材料で作製される。
【0017】
RFID素子が、基板24の主要表面の1つに取り付けられる。RFID素子は、通常、2つの主要構成要素、すなわち、集積回路22とアンテナ20とを含む。一部のRFIDタグは、性能を改善するためにバッテリを含む。これらは、一般に「能動(active)」タグと呼ばれる。受動タグは、バッテリを含まない。本発明は、いずれのタイプのタグとも適合性がある。本明細書の残りの部分では、特に記載のない限り、受動タグを想定する。集積回路22は、1次識別機能を提供する。この集積回路は、タグ識別情報及び他の望ましい情報を永久的に格納し、問合せハードウェアから受け取ったコマンドを解釈して処理し、問合せ器による情報要求に応答し、多数のタグが同時に問合せに応答する結果として生ずる衝突をハードウェアが解決するのを助けるための、ソフトウェア及び回路を含む。所望により、集積回路は、単に情報を読み上げる(読み出し専用)のとは対照的に、そのメモリに格納された情報の更新(読み出し/書き込み)を提供してもよい。RFIDタグ18で使用するのに好適な集積回路としては、とりわけ、テキサス・インスツルメンツ(Texas Instruments)(商標名TIRIS又はTAG−ITの系列製品)、フィリップス(Philips)(商標名I−CODE、MIFARE、及びHITAGの系列製品)から入手可能なものが挙げられる。
【0018】
アンテナ20の幾何学形状及び特性は、RFIDタグ18の所望の動作周波数によって決まる。例えば、915MHz又は2.45GHzのRFIDタグ18は、通常、線状ダイポールアンテナ又は折返しダイポールアンテナなどのダイポールアンテナを含むことがある。13.56MHz(又は相当の)RFIDタグ18は、通常、らせん又はコイルアンテナを使用する。しかし、他のアンテナの設計が、当業者にとって既知である。いずれの場合も、アンテナ20は、RFID読取装置など、問合せソースによって発せられる高周波エネルギーを傍受する。この信号エネルギーは、電力及びコマンドの両方をRFIDタグ18に運ぶ。アンテナにより、RF応答素子は、集積回路22に電力供給するのに十分なエネルギーを吸収し、それによって応答を提供できるようになる。このように、アンテナの特質は、それが組み込まれるシステムに適合する必要がある。
【0019】
好適なRFIDタグ18の一例は、ペンシルバニア州ハリスバーグ(Harrisburg)所在のトランスコアLP(TransCore LP)から「eGo」ブランドで市販されている。
【0020】
ユーザーは、RFID読取装置又は問合せ器を使用して、RFIDタグ18から情報を読み取る、又はRFIDタグ18に情報を書き込むことができる。RFID読取装置は、当該技術分野において周知である。例えば、市販のRFID読取装置は、セントポール(St. Paul)に拠点を置く3M社(3M Company)から、モデル番号702、703、802、及び803のような3M(登録商標)デジタル・ライブラリ・アシスタントとして入手可能である。市販のRFID読取装置の他の例は、ワシントン州エバレット(Everett)のインターメック・テクノロジーズ社(Intermec Technologies Corporation)から入手可能なインターメック(Intermec)(登録商標)700シリーズのモバイルコンピュータに付属のモデルIP3ポータブルRFID(UHF)読取装置である。
【0021】
一実施形態では、車両識別タグ10の第2の部分16は、車両識別タグ10の第1の部分14に接触しているか、又は第1の部分14にかぶさる。ただし、他の実施形態では、タグ10の第2の部分16は、代わりに第1の部分14を取り囲んでもよい。この実施形態では、車両識別タグ10の両方の部分が、両側から見える。車両識別タグ10の第1の部分14及び第2の部分16は、別個の不連続部分であってもよいし、連結された又は一体化された部分であってもよい。実際、第1の部分14及び第2の部分16は、後述するように、それらが、車両識別タグ10が有効であることを検証するのを助けるように第1及び第2の情報を含む限り、いかなる構成又は配置であってもよい。
【0022】
車両識別タグ10の第2の部分16は、多種多様な材料で作製されてよい。一実施形態では、第2の部分は、米国特許第5,725,935号及び同第4,664,966号に記載のシートなどの再帰反射シートから、又はミネソタ州セントポール(St. Paul)に拠点を置く3M社(3M Company)から3M(登録商標)スコッチライト(Scotchlite)(登録商標)ラベルシートシリーズ5330として市販されているシートから作製される。
【0023】
車両識別タグ10の第1の部分14及び第2の部分16は、それぞれ、第1及び第2の部分が同じ車両上で互いに属することが意図されること、並びにそれらが併せて有効な車両識別タグ10を形成することを検証するのを助ける情報を含む。タグ10の第1の部分14のRFIDタグ18は、「第1の情報」と呼ばれる情報を含む。この第1の情報は、RFIDタグの集積回路22に格納されてよい。第1の情報は、RFIDタグが初めに製造されるときにRFIDタグに格納される固有のシリアル番号であってよい。或いは、第1の情報は、RFID問合せ器によってRFIDタグに書き込まれる情報であってもよい。第1の情報は、英数字情報、すなわち、文字、数字、句読点、数学記号若しくは他の標準記号、又はそれらの組み合わせから成る、又はそれらを使用する、英数字情報を含んでよい。第1の部分14は、図1に参照番号32で「ABR10266」として示されるような第1の情報の印刷されたしるしをタグ10上に含んでよい。第1の情報の印刷されたしるしは、RFID読取装置若しくは問合せ器によってRFIDタグ18の第1の情報を読み取るのではなく、又は読み取ることに加えて、ユーザーによって視覚的に点検されてよい。
【0024】
タグ10の第2の部分16は、「第2の情報」と呼ばれる情報を含む。この第2の情報は、いかなる形態又はフォーマットで第2の部分16に含まれてもよい。図1に示される実施形態では、第2の情報は、参照番号34で「ABR10266」としての印刷されたしるしの形態である。
【0025】
車両識別タグ10が有効な車両識別タグ10であることをユーザーが検証したいときには、タグ10の第1の部分14の第1の情報が第2の部分16の第2の情報と相関するかどうか確認することができる。特許請求の範囲を含め、本明細書で使用するとき、用語「相関する」又は「相関」は、第1の情報と第2の情報との間に何らかの形態の関係又は関連が存在することを意味する。この関係又は関連は、多くの方法で規定されてよい。例えば、第1の情報及び第2の情報は、図1に示されるように同一の情報であってよい。或いは、第1の情報は、第2の情報の一部分を含むことができ、逆もまた同様である。例えば、第1の情報は、「ABR10266」であることができ、第2の情報は、「01050ABR10266」であることができる。さらに別の代替形態として、RFID問合せ器に格納された、又は州警察署などの異なる場所にある別個のデータベースが、車両のリスト並びに個々の各車両についての第1及び第2の情報を含むこともできる。したがって、執行官などのユーザーは、車両識別タグ10の第1の部分14のRFIDタグ18から第1の情報をスキャンすることができる。次いで、その第1の情報を、データベース内のエントリに対して相互参照することができ、データベースは、第1の情報と相関する第2の情報を提供することができる。第2の情報を受け取った後、ユーザーは、データベースから得られた第2の情報が車両識別タグ10上の第2の情報の印刷されたしるし34と合致する場合、そのタグ10が有効であることを検証することができる。或いは、RFID問合せ器によってRFIDタグ18から第1の情報をスキャンした後、ユーザーは、キーパッドを介してRFID問合せ器に第2の情報を入力することもでき、RFID問合せ器上又は別の場所にあるデータベースは、第1の情報と第2の情報とが相関することを検証し、タグが有効であるという信号をユーザーに送信することができる。第1の情報と第2の情報とが相関しない場合、タグが有効ではないという信号がユーザーに送信される。さらに他の代替形態として、第1の情報がやはり印刷されたしるし32の形態である場合、ユーザーは、RFIDタグ18を読み取るためのRFID問合せ器を必要とすることなく、印刷されたしるし32を視覚的に点検し、それが第2の情報の印刷されたしるし34と何らかの形で相関しているかどうかを確認することができる。対照的に、従来技術のEVR関連タグは、通常、タグ上に固有のシリアル番号を含むRFIDタグを含むが、EVRタグの残りの部分は、その特定のタグに固有の、又は該タグが発行された特定の車両に固有の、いかなる「第2の情報」も含まない。代わりに、タグ上に通常含まれるその他の情報は、発行局又はタグが発行された年など、様々な車両に対して発行される任意の数のタグ上に含まれ得る情報である。この場合、「第1の情報」と「第2の情報」とは、相関しない。
【0026】
車両識別タグ10が車両の所有者によって当該車両に取り付けられた後、所有者は、来年度用の車両の登録及び認可を受け取るたびに、年に一回、定期的に、更新可能な第2の部分16を更新することができる。これを行うために、所有者は、タグ10の更新可能部分16を取り外し、第2の更新可能部分16を車両に取り付ける。第2の更新可能部分16は、取り外された第1の部分16と同じ「第2の情報」を含んでよく、そのように、第1の部分14及び第2の更新可能部分16は、併せて、有効な車両識別タグ10を形成する。ただし、タグの第2の更新可能部分16がタグの第1の更新可能部分16の「第2の情報」とは異なる「第2の情報」を含む場合、ユーザーは、RFIDタグ18に格納された第1の情報を、第2の更新可能部分16の情報と相関するように変更することができる。これは、RFID問合せ器によってRFIDタグ18に新しい情報を書き込むことにより、達成される。RFID問合せ器によってRFIDタグ18に情報を書き込む機能は、当該技術分野において周知である。
【0027】
車両識別タグ10は、いずれかの目的を果たすことのできる他の印刷されたしるしを含んでよい。例えば、車両識別タグ10は、図1に示されるように、「コロンビア特別区」など、タグ10の供給元(source)、及び2005年12月を示す「D02005」など、該タグが発行された年を指定する、しるしを含むことができる。
【0028】
図2は、車両識別タグ10を対象物12に取り付けるための接着剤について説明するのに好都合である。車両識別タグ10と接着剤との組み合わせにより、車両識別シールが提供される。一実施形態では、車両識別タグ10の第1の部分14及び第2の部分16を取り付けるための接着剤は、同一の接着剤であってよい。他の実施形態では、図2に示されるように、車両識別タグ10の第1の部分14及び第2の部分16のための接着剤は、2種類の異なる接着剤で作製されてよい。この実施形態では、第1の部分14を対象物12に取り付けるために第1の接着剤26が使用され、第2の部分16を対象物12に取り付けるために第2の接着剤28が使用される。第1の接着剤26及び第2の接着剤28は、接着剤の連続層であってもよいし、又は接着剤の2つの不連続な部分であってもよい。この実施形態の一態様では、第1の接着剤及び第2の接着剤は、異なる接着強度を有してよい。例えば、第1の接着剤は、第1の接着強度を有してよく、第2の接着剤は、第2の接着強度を有してよい。第1の接着強度を、第2の接着強度よりも強くして、対象物12からタグ10の第2の部分16を引っ張ることに比べて、該対象物からタグ10の第1の部分14を引っ張ることをより困難にしてもよい。この実施形態は、第1の部分14が車両に取り付けられたままであることが意図され、第2の部分16が交換可能であることが意図される車両識別タグ10を提供するのに有用である。例えば、車両の所有者は、最新の登録を示すために、タグ10の第2の部分16を毎年新しい部分16と交換してよい。新しい部分16は、タグ10を有効なタグとして検証するのを助けるための以前の部分16と同じ情報を含んでよい。第1の部分14は、タグ10の実質的に永久的な部分と見なされる。すなわち、車両に一度取り付けられると、それが長期間にわたって車両にとどまることが意図される。対照的に、第2の部分16は、上述のように、タグ10の更新可能部分であってよい。したがって、第2の部分16に比べて製造により費用がかかる、車両識別タグ10の第1の部分14は、さほど頻繁に交換する必要がなく、高価でない部分である第2の部分16は、定期的に交換されてよく、その結果、効率的で費用効果の高い車両識別タグがもたらされる。
【0029】
接着剤の第1及び第2の部分26、28は、また、車両識別タグ10をタンパーエビデント(tamper evident)にする、さらなる目的を果たすことができる。特許請求の範囲を含め、本明細書全体を通して用語「タンパーエビデント」を使用するとき、それは、車両識別タグ10が改ざんされた、ないしは別の方法で損なわれたことをユーザーに示す特定の機能を、その車両識別タグが含むことを意味する。この態様は、タグが有効なタグではないことを示すのを助けるのに、ユーザー、特に法執行機関員にとって有用である。車両識別タグ10をタンパーエビデントにするための一方法は、車両識別タグ10が後で車両から取り外されたときに、RFIDタグ18に損傷を与えるのに十分な接着強度を有する接着剤を含むことである。例えば、第1の接着剤26は、車両識別タグの第1の部分が後で車両から取り外されたときに、RFIDタグに損傷を与えるのに十分な強度を有する第1の接着剤を含んでよい。車両識別タグ10をタンパーエビデントにするための他の方法は、集積回路22と接触している接着剤の第3の部分30を含むことである。この実施形態では、第3の接着剤30は、第1の接着剤26の第1の接着強度よりも大きい接着強度を有する。そうすれば、車両識別タグ10が後で対象物12から取り外されるとき、集積回路22は、対象物12にとどまる傾向があり、RFIDタグ18の残りの部分は、対象物から取り外される傾向があり、ゆえにRFIDタグ18に損傷を与える。
【0030】
代替的なタンパーエビデント機能を、米国特許第6,416,857号及び米国特許第6,888,509号に記載の特徴などの車両識別タグ10に組み込んでもよく、それらの特許すべては参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0031】
接着剤26、28、30として使用するのに好適な接着剤は、車両の表面、例えばガラス、並びに車両識別シール10の諸部分に対するそれらの接着強度に基づいて選択されることができる。所与の基材に対する接着剤の接着強度は、当業者には既知のように、接着剤を配合するために使用される構成成分によって異なり得る。本発明で有用な接着剤は、米国特許第5,725,935号に記載されており、第1の接着剤26に使用するのに好適な接着剤の一例は、セントポール(St. Paul)に拠点を置く3M社(3M Company)から製品番号927で市販されている。第2の接着剤28に使用するのに好適な接着剤の一例は、セントポール(St. Paul)に拠点を置く3M社(3M Company)から製品番号9457で市販されている。第3の接着剤30に使用するのに好適な接着剤の一例は、セントポール(St. Paul)に拠点を置く3M社(3M Company)から製品番号9469で市販されている。ただし、当該技術分野において既知の任意の数の接着剤が車両識別タグ10とともに使用されてよい。
【0032】
図2は、車両識別タグ10を接着剤で対象物に取り付ける様子を示すが、車両識別タグ10は、当該技術分野において既知のいかなる方法で表面に取り付けられてもよい。例えば、車両識別タグ10は、ウインドシールドのガラス又は従来のナンバープレートに埋め込まれるなど、車両構成要素に組み込まれてよい。
【0033】
タグ10は、本明細書では車両識別タグとして記載されるが、タグ10を、車両以外の物体を識別するために使用することができる。例えば、タグ10を使用して、運転免許証、貨物用コンテナ、鉄道ボックスカード(railroad box cards)など、更新可能な書類を検証又は識別することができる。
【0034】
本発明を、幾つかの実施形態を参照して説明してきた。前述の「発明を実施するための最良の形態」及び実施例は、理解を明確化するためにのみ提示した。それらから無用の限定を解するべきでない。本明細書に引用された全ての特許及び特許出願は、参照することにより本明細書に組み込まれる。本発明の範囲から逸脱することなく、記載された実施形態において多くの変更を加えられることは、当業者には明らかである。したがって、本発明の範囲は、本明細書に記載された厳密な詳細及び構造に限定されるべきではなく、特許請求の範囲の文言による構造、及びそれらの構造の等価物によって限定される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の車両識別タグの一実施形態の平面図。
【図2】図1の車両識別タグの線2−2に沿った断面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両識別タグであって、
第1の情報が格納された高周波識別(「RFID」)タグを含む第1の部分と、
第2の情報を含む第2の部分と、を含み、
前記RFIDタグに格納された第1の情報は、前記第2の部分の第2の情報と相関して、車両識別タグが有効な車両識別タグであるとユーザーが判定することを可能とする、車両識別タグ。
【請求項2】
前記車両識別タグの第2の部分は、前記タグの更新可能部分である、請求項1に記載の車両識別タグ。
【請求項3】
前記車両識別タグの第1の部分は、前記タグの実質的に永久的な部分である、請求項2に記載の車両識別タグ。
【請求項4】
前記第2の情報は、英数字情報を含む、請求項1に記載の車両識別タグ。
【請求項5】
前記RFIDタグに格納された前記第1の情報が、前記第2の部分の第2の英数字情報と相関するかどうかを判定するために、別個のデータベースが使用される、請求項1に記載の車両識別タグ。
【請求項6】
前記RFIDタグに格納された第1の情報は、前記第2の部分の第2の情報と同一である、請求項1に記載の車両識別タグ。
【請求項7】
前記車両識別タグの第1の部分に取り付けられた第1の接着強度を有する接着剤の第1の部分と、前記車両識別タグの第2の部分に取り付けられた第2の接着強度を有する接着剤の第2の部分と、をさらに含み、前記第1の接着強度は前記第2の接着強度よりも大きい、請求項1に記載の車両識別タグ。
【請求項8】
前記第1の接着強度は、前記車両識別タグの第1の部分が後で車両から取り外されたときに、前記RFIDタグに損傷を与えるのに十分な強度を有する、請求項7に記載の車両識別タグ。
【請求項9】
第3の接着強度を有する接着剤の第3の部分をさらに含み、前記RFIDタグは、
第1の主要表面と該第1の主要表面の反対側の第2の主要表面とを含む基板と、
前記基板の第1の主要表面に取り付けられた高周波識別アンテナと、
前記アンテナに取り付けられた集積回路と、を含み、
前記第3の接着強度は、前記第1の接着強度よりも大きく、前記接着剤の第3の部分は、前記集積回路に取り付けられ、前記第3の接着強度は、前記車両識別タグが後で前記車両から取り外されたときに、前記RFIDタグに損傷を与えるのに十分な強度を有する、請求項7に記載の車両識別タグ。
【請求項10】
前記車両識別タグの第1の部分は、前記車両に実質的に永久的に取り付けられ、前記車両識別タグの第2の部分は、車両に取り外し可能に取り付けられる、車両と組み合わせた請求項1に記載の車両識別タグ。
【請求項11】
前記タグの第2の部分は、再帰反射シートを含む、請求項1に記載の車両識別タグ。
【請求項12】
再帰反射物品は、前記第2の情報の印刷されたしるしを含む、請求項11に記載の車両識別タグ。
【請求項13】
前記高周波識別タグは、前記第1の情報の印刷されたしるしを含む、請求項1に記載の車両識別タグ。
【請求項14】
前記RFIDタグは、タンパーエビデントである、請求項1に記載の車両識別タグ。
【請求項15】
有効な車両識別タグを検証する方法であって、
第1の情報が格納された高周波識別(「RFID」)タグを含む第1の部分と、第2の情報を含む第2の部分と、を含む車両識別タグを提供する工程と、
前記RFIDタグに格納された第1の情報を得るために、前記RFIDタグに問合せする工程と、
前記第2の部分の第2の情報を読み取る工程と、
前記RFIDタグに格納された第1の情報が、前記第2の部分の第2の情報と相関することを検証する工程と、を含む検証方法。
【請求項16】
前記RFIDタグに格納された前記第1の情報が前記第2の部分の第2の情報と相関しない場合、前記車両識別タグが有効ではないと判定する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第2の情報は、英数字情報を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記車両識別タグの第1の部分は、前記タグの実質的に永久的な部分である、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記車両識別タグの第2の部分は、前記タグの更新可能部分である、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記車両識別タグを車両に取り付ける工程と、
前記タグの更新可能部分を取り外す工程と、
第2の更新可能部分を前記車両に取り付ける工程と、をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記タグの第2の更新可能部分は、前記タグの第1の更新可能部分の情報とは異なる情報を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記第2の更新可能部分の情報と相関するように、前記RFIDタグに格納された第1の情報を変更する工程をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
RFID問合せ器を提供する工程をさらに含み、該RFID問合せ器は、問合せ工程及び検証工程を実行する、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
前記RFID問合せ器は、読取り工程を実行する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
別個のデータベースが、前記第1の情報と前記第2の情報との間の相関情報を格納し、該データベースは、検証工程を実行する、請求項15に記載の方法。
【請求項26】
前記RFIDタグに格納された第1の情報は、前記第2の部分の第2の情報と同一である、請求項15に記載の方法。
【請求項27】
前記車両識別タグは、前記車両識別タグの第1の部分に取り付けられた第1の接着強度を有する接着剤の第1の部分と、前記車両識別タグの第2の部分に取り付けられた、第2の接着強度を有する接着剤の第2の部分とをさらに含み、前記第1の接着強度は、前記第2の接着強度よりも大きい、請求項15に記載の方法。
【請求項28】
前記第1の接着強度は、前記車両識別タグの第1の部分が後で前記車両から取り外されたときに、前記RFIDタグに損傷を与えるのに十分な強度を有する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記車両識別タグを車両に取り付ける工程をさらに含み、前記車両識別タグの第1の部分は、前記車両に実質的に永久的に取り付けられ、前記車両識別タグの第2の部分は、前記車両に取り外し可能に取り付けられる、請求項15に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−514101(P2009−514101A)
【公表日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−537847(P2008−537847)
【出願日】平成18年10月23日(2006.10.23)
【国際出願番号】PCT/US2006/041335
【国際公開番号】WO2007/053355
【国際公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】