説明

車両運行状態情報基盤の運転集中度判断方法及びそのシステム

【課題】
車両走行中操向角の変化と前方カメラセンサを介し取得された車両運行状態情報に基づきドライバの運転集中度を判定できるインデックスを算出し、その算出結果を統計的な情報に変換してドライバの集中度を判断する車両運行状態情報基盤の運転集中度判断方法及びそのシステムを提供する。
【解決手段】操向ホイールの変位を感知する操向角センサと、前方カメラセンサと、操向角センサと前方カメラセンサから印加される信号を所定の時間間隔で格納すると共に、インデックス演算部により算出された値を累積させ標準値として管理するデータ格納部と、格納されたデータに基づき定量的インデックスを算出するインデックス演算部と、これを統計的に処理して状態情報を出力する統計処理部と、状態情報を算出し、データ格納部に記録された標準値と比べてドライバの運転集中度を判定する運転集中度判定部と、を含んで構成されたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両運行状態情報基盤の運転集中度判断方法及びそのシステムに係り、より詳しくは、車両走行中ドライバの運転集中度を判断する技術であって、特に操向角の変化と前方カメラセンサを介し取得された車両運行状態情報に基づきドライバの運転集中度を分析する車両運行状態情報基盤の運転集中度判断方法及びそのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
現代社会の必需品になった自動車の増加とともに交通事故の発生回数も急激に増加している。
交通事故の原因は、ドライバの不注意や道路環境による突発的な危険状況の発生など多様な要因が考えられるが、なかでも居眠り運転による事故の比重は毎年増加する傾向にあり、殆ど人命事故につながる大型事故を引き起こすことになるので、深刻な社会問題となっている。
【0003】
米国交通安全部(NHTSA)が1年間発生した2百50万件の交通事故を対象に研究した結果によれば、交通事故の全体発生件数の25〜56%はドライバの不注意により発生したものでありドライバの不注意は視覚注視の怠慢、心的集中の怠慢、居眠りの三つの要素が主な原因であった。
このような問題点を解消するために、主要自動車製造企業等は、車両の安全運行を補助する多様な新規システムを持続的に開発して車両に適用している。
【0004】
一方、従来の居眠り運転判定技術は、主にカメラでドライバの瞳孔状態を感知するか、センサなどを介しドライバの脈搏数をモニタリングすることにより居眠り運転の可否を判定するものが殆どである。
前者の場合、車両内部に設けられた室内カメラを介しドライバの顔を撮影してドライバのまぶた開閉程度、瞬き、瞳の動きなどを把握してこれに基づき居眠り運転の可否を判定するようになっており、後者の場合、居眠り状態ではドライバの脈搏数が低減する現象に基づき判定するようになっている。
【0005】
したがって、前述した従来技術の場合、ドライバの脈搏数を検出するためのセンサと分析アルゴリズム、又は瞳の動きを撮影するカメラと映像を処理するH/W及び分析するS/Wなど、複雑な追加的な構成が必要であるだけでなく、このような構成を全て揃えても居眠り運転による非正常運行を感知するに止まり、システムに要する費用に比べて効果が少ない問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−035125号公報
【特許文献2】特開平10−288532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記の事情に鑑みてなされたものであって、車両走行中操向角の変化と前方カメラセンサを介し取得された車両運行状態情報に基づきドライバの運転集中度を判定できるインデックスを算出し、その算出結果を統計的な情報に変換してドライバの集中度を判断する車両運行状態情報基盤の運転集中度判断方法及びそのシステムを提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を実現するための本発明に係る車両運行状態情報基盤の運転集中度判断システムは、車両ドライバの運転集中度を判定するシステムにおいて、操向ホイール(wheel)の変位を感知する操向角センサ(SAS;Steering Angle Sensor)と、車両前方の道路及び所定の領域内の物体を感知するための前方カメラセンサと、所定の制御信号に応じて前記操向角センサと前記前方カメラセンサから印加される信号を所定の時間間隔で格納すると共に、インデックス演算部により算出された値を累積させ標準値として管理するデータ格納部と、前記所定の制御信号に応じて前記データ格納部に格納されたデータに基づき車両状態を把握するための定量的インデックスを算出するインデックス演算部と、前記インデックス演算部により算出された値を統計的に処理して運転集中度を判定する指標となる状態情報を出力する統計処理部と、前記データ格納部に格納されたデータに基づき前記インデックス演算部と統計処理部を順次制御して状態情報を算出し、算出された状態情報を前記データ格納部に記録された標準値と比べてドライバの運転集中度を判定する運転集中度判定部と、を含んで構成されたことを特徴とする。
【0009】
本発明に係る運転集中度判定システムには、前記所定の制御信号に応じてドライバに危険を報知する警告メッセージを出力する警告表示部がさらに備えられ、前記運転集中度判定部は前記統計処理部の算出結果が約定された基準値以下に確認されることになれば、前記警告表示部を介し警告メッセージが出力されるように制御することを特徴とする。
【0010】
前記運転集中度判定部、前記インデックス演算部、及び前記統計処理部はECU(Electronic Control Unit)などで構成された制御部内に備えられたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る車両運行状態情報基盤の運転集中度判断方法は、車両に取り付けられた操向角センサ(SAS;Steering Angle Sensor)及び前方カメラセンサの出力データを所定の時間間隔で格納するデータ格納段階と、前記データ格納段階で格納された情報に基づき車両状態を把握するための定量的インデックスを算出するインデックス演算段階と、前記インデックス演算段階で算出された値を統計的に処理して運転集中度を判定する指標となる状態情報を出力する統計処理段階と、前記統計処理段階で算出された情報を約定された基準データと比べその比較結果に応じて運転集中度を判定する集中度判定段階とを含むことを特徴とする。
【0012】
前記基準データは、前記インデックス演算段階又は前記統計処理段階により算出された結果を所定の回数累積させ、統計化の過程により取得されたものであることを特徴とする。
【0013】
前記統計処理段階で算出された状態情報は、車両状態を細分化した少なくとも一つ以上のパラメータで構成され、前記基準データは前記パラメータと一対一で比較可能な個数に細分化されたことを特徴とする。
【0014】
前記統計処理段階で算出された情報に基づき道路の難易度を判定する道路難易度判定段階をさらに含み、前記集中度判定段階は前記道路難易度判定段階での判定結果に従い段階的に基準値を別に適用することにより、細分化された運転集中度を算定するようになっていることを特徴とする。
【0015】
前記パラメータは、操向角符号変化回数(ZERO)と道路曲律半径符号変化回数(dSignR)の差、及び操向角標準偏差(SDST)最大値の標準値であるSDSTmax_sに対する測定されたSDSTmaxの増減率(SDST%)で求められる値を含み、前記集中度判定段階はZERO−dSignR=0であり、SDST%の値が予め設定された値(V1)より小さい場合、運転集中度を最高レベルに判定する第1集中度判断段階を含むことを特徴とする。
【0016】
前記第1集中度判断段階で当該パラメータの値が最高レベルの条件に符合しない場合、前記集中度判定段階は、車線侵犯回数(LANEX)の値が約定された値(V2)より大きいと、運転集中度を最低レベルに判定する第2集中度判断段階を含むことを特徴とする。
【0017】
前記パラメータは、操向角標準偏差(SDST)の標準値であるSDSTmax_sに対する測定されたSDSTmaxの増減率(SDST%)で求められる値を含み、前記道路難易度判定段階は、SDST%値が約定された値(V3)より大きいと低い難易度、小さい場合は高い難易度の道路と判定するようになっていることを特徴とする。
【0018】
前記パラメータは、車両側面が隣接した車線までの到達予想時間(TLC)の最小値(TLCmin)と、前記最小値の標準値であるTLCmin_sに対する測定されたTLCminの増減率(TLC%)を含み、前記集中度判定段階は、前記道路難易度判定段階で難易度が低い道路と判定された状況では前記TLC%の値が所定の基準値(V4)より小さいとき、難易度が高い道路と判定された状況では前記TLC%の値が所定の基準値(V5)より小さいとき、運転集中度をレベル2に判定する第3集中度判定段階を含むことを特徴とする。
【0019】
前記パラメータは、車路内車両横変位(LP)の標準偏差(SDLP)と、前記SDLPの最大値(SDLPmax)と、前記SDLP最大値の標準値であるSDLPmax_sに対する測定されたSDLPmaxの増減率(SDLP%)とを含み、前記集中度判定段階は、前記道路難易度判定段階で難易度が低い道路と判定された状況では前記SDLP%の値が所定の基準値(V6)より大きいとき、難易度が高い道路と判定された状況では前記SDLP%の値が所定の基準値(V7)より大きいとき、運転集中度をレベル3に判定する第4集中度判定段階を含むことを特徴とする。
【0020】
前記集中度判定段階は前記第4集中度判定段階で、前記SDLP%の値が運転集中度レベル3の基準を満たすことができなければ、この時の運転集中度をレベル4に判定する第5集中度判定段階を含んでなることを特徴とする。
【0021】
前記集中度判定段階での判断結果、運転集中度がレベル4に到逹する回数を計数するレベル4計数段階と、このレベル4計数段階により計数された値が所定の値に至れば、この時のパラメータを前記基準データに再設定する基準データ再設定段階をさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、ドライバの身体的状態変化を測定するための追加的映像基盤又は生体信号基盤のセンサ情報を使用せずに、車両に既に取り付けられた操向ホイール(運転台;ハンドル)操向角センサと前方カメラセンサのみを利用してドライバの集中度を算出することができる。
また、ドライバの運転集中度を状況と症状に応じて幾多の段階に細分化することができ、ドライバの運転能力に従い個人的偏差を表すことのできる走行道路難易度が提供できる。
そして、集中度を判断する基準値は、一般に車両出庫時に設定された値で使用されるが、本発明による持続的な集中度判定を介し個別ドライバの日常状態判定値を導き出し、これを前記基準値に再設定することにより、ドライバ別の偏差に伴う集中度の差を補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の1実施形態に係る車両運行状態情報基盤の運転集中度判断システムの機能ブロック図である。
【図2】図1のシステムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】警報メッセージ出力動作を例示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図を参照して本発明に係る実施形態を詳しく説明する。
図1は、本発明の1実施形態に係る車両運行状態情報基盤の運転集中度判断システムの機能ブロック図である。
図1で符号11は、車両内部通信(CAN;Control Area Network)を介し送信される操向角センサ(SAS;Steering Angle Sensor)の感知信号と前方カメラセンサの出力信号に基づいて運転集中度を判断し、運転集中度が所定の基準値以下に低くなれば警報が発生するように制御する運転集中度判定部である。
さらに、符号12は前記操向角センサ感知信号と前方カメラセンサの出力信号に基づき車両状態を把握するための定量的インデックスを算出するインデックス演算部であり、13は前記操向角センサと前方カメラセンサから印加される信号を所定の時間間隔で格納するとともに、インデックス演算部12により算出された値を累積させ標準値として管理するデータ格納部であり、符号14はインデックス演算部12により算出された値を統計的に処理して運転集中度を判定する指標となる状態情報を出力する統計処理部である。
【0025】
一方、符号20は、運転集中度判定部11の制御に従い警告メッセージを出力する警告表示部である。
運転集中度判定部11とインデックス演算部12、統計処理部14は、ECU(Electronic Control Unit)で構成される制御部内に統合してもよく、それぞれの独立させてもよい。
次に、図2のフローチャートを参照して装置の動作を説明する。
車両内に取り付けられた各種センサは、車両の運行状態を判断するに必要な測定情報を感知してCANを介し送信するようになっている。
一方、運転集中度判定部11は、操向角センサ(SAS)と前方カメラセンサを介し検出されたデータを、例えば毎10分又は30分などの間隔でデータ格納部13に周期的に格納し(ST10〜ST11)、インデックス演算部12を制御して約定されたアルゴリズムに従い所定の時間間隔でインデックス値を算出する(ST12)。
【0026】
インデックス演算部12により算出されるインデックス値には平均横変位(MLP;Mean Lateral Position)、横変位標準偏差(SDLP;Standard Deviation of Lateral Position)、車線侵犯回数(LANEX;Number of Lane Exceedances)、最少車線到達時間(TLC;Time to Line Crossing)などが含まれる。
前述した過程により算出されたインデックスは、統計処理部14により運転集中度を判定する指標となる状態情報として加工され運転集中度判定部11に印加され(ST13)、統計処理により算出された情報には操向ホイールの操向角標準偏差(SDST)、SDSTの最大値(SDSTmax)、標準値であるSDSTmax_sに対する測定されたSDSTmaxの増減率(SDST%)、車路内車両横変位(LP)の標準偏差(SDLP)、SDLPの最大値(SDLPmax)、標準値であるSDLPmax_sに対する測定されたSDLPmaxの増減率(SDLP%)、車両側面が隣接した車線まで到達予想時間(TLC)の最小値(TLCmin)、標準値であるTLCmin_sに対する測定されたTLCminの増減率(TLC%)、操向角符号変化回数(ZERO)−道路曲律半径符号変化回数(dSignR)などが含まれる。
【0027】
運転集中度判定部11は、統計処理部14から出力された状態情報を約定された基準値と比べて運転集中度を判定する。
先ず、操向角符号変化回数(ZERO)と道路曲律半径符号変化回数(dSignR)の差、即ちZERO−dSignR=0であり、SDST%の値が予め設定された値(V1)より小さい場合(ST14)、これは道路影響を除いたドライバの修正頻度が少なく、車両の横変位安全性に優れた状況であるため、現在車両を運転しているドライバの集中度を非常に高い水準のレベル5と判定し(ST15)、ST15段階での条件に符号しなければ車線侵犯回数(LANEX)の値が予め設定された値(V2)より大きいかを確認することになる(ST16)。
V1、V2を含んで以後登場する比較基準値V1〜V7は、数回の実際施行により経験的に得られた算出値である。
【0028】
ST16でLANEXの値が約定された値(V2)より大きいと確認されれば、これは居眠り又は不注意により車両の側面が車線を侵犯する状況を表すため、運転集中度判定部11は、この場合を非常に低い運転集中度としてレベル1に判定する(ST17)。その結果、警告表示部20を制御してドライバに危険を報知する警告メッセージが出力されるように制御することになる(ST25)。
侵犯時間が0.5秒以下の場合、直ちに復帰可能であったか、あるいは横車線車両との側面衝突発生の確率が高くない状態と見ることができるので、算出周期を10mSに設定する場合、V2は50程度が適正である。
【0029】
前述したように、非常に高い集中度と非常に低い集中度が分類された後、その中間レベルの集中度を分類するための手続きが行われる。
一方、道路の曲率変化が大きい道路を走行するか、速度を急激に下げなければならない状況では、同一の道路条件においてもドライバの個人別運転能力に従い対処する様相が異なるので、道路の難易度が勘案されない場合、集中度分析過程に誤謬の発生することがある。
前記の点を考慮し、ST16でLANEXの値がV2以下と確認されれば、運転集中度判定部11はSDST%の値が約定された値(V3)より大きい値を有するかを確認することになる(ST18)。
車両の横変位標準偏差は、直線道路対比曲線道路で増加し、さらに同一曲律半径道路でドライバが道路に慣れないか、運転能力に従い適応が難しい場合にも増加する。
【0030】
したがって、道路難易度が分類され、これを勘案して計算すれば、中間レベルの集中度をより細分化することができる。
ST18での確認結果、SDST%>V3であれば、運転集中度判定部11は道路の難易度を高いものと判断し(ST19)、この時のTLC%の値を基準値(V5)と比べ(ST20)、TLC%<V5であれば、運転集中度をレベル2に判定することになる(ST21)。
一方、ST20でTLC%の値が基準値(V5)以上であれば、運転集中度判定部11はSDLP%値を基準値(V7)と比べ(ST22)、比較結果SDLP%>V7であれば、この時の運転集中度をレベル3と判定し(ST23)、SDLP%がV7以下であれば、運転集中度をレベル4と判定する(ST24)。
【0031】
その反面、ST18で、SDST%値とV3を比べた結果、SDST%がV3以下の場合、運転集中度判定部11は当該道路の難易度を低い等級に判断し(ST29)、この時のTLC%の値を基準値(V4)と比べ(ST30)、TLC%<V4であれば、運転集中度をレベル2に判定することになる(ST21)。
さらに、ST30でTLC%の値が基準値(V4)以上であれば、運転集中度判定部11はSDLP%値を基準値(V6)と比べ(ST32)、比較結果SDLP%>V6であれば、この時の運転集中度をレベル3と判定し(ST23)、SDLP%がV6以下であれば、運転集中度をレベル4と判定する(ST24)。
【0032】
一方、運転集中度判定部11は、ST24で集中度がレベル4に到逹した回数(C)を計数し(ST33)、その回数が約定された基準値(V8)以上になったかを確認する(ST34)。C>=V8であればSDSTmax、SDLPmax、TLCminの平均値として比較基準である標準値をアップデートさせ、C値を初期化することにより、運転集中度判定のための1サイクル(cycle)のプロセスを終了することになる(ST35)。
【0033】
即ち、前記実施形態によれば、車両に既に取り付けられた操向ホイール(運転台;ハンドル)操向角センサと前方カメラセンサのみを利用してドライバの集中度を算出し、ドライバの運転集中度を状況と症状に応じて幾多の段階に細分化することができ、ドライバの運転能力に従い個人的偏差を表す走行道路の難易度を提供することができる。
さらに、集中度を判断する基準値は、一般に車両出庫時に設定された値で使用されるが、本発明による持続的な集中度判定を介し個別ドライバの日常状態判定値を導き出し、これを前記基準値に再設定することにより、ドライバ別の偏差に伴う集中度の差を補正することができる。
【0034】
以上、本発明に関する好ましい実施形態を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の属する技術分野を逸脱しない範囲での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0035】
10:制御部
11:運転集中度判定部
12:インデックス演算部
13:データ格納部
14:統計処理部
20:警告表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両ドライバの運転集中度を判定するシステムにおいて、
操向ホイール(wheel)の変位を感知する操向角センサ(SAS;Steering Angle Sensor)と、
車両前方の道路及び所定の領域内の物体を感知するための前方カメラセンサと、
所定の制御信号に応じて前記操向角センサと前記前方カメラセンサから印加される信号を所定の時間間隔で格納するとともに、インデックス演算部により算出された値を累積させ標準値として管理するデータ格納部と、
前記所定の制御信号に応じて前記データ格納部に格納されたデータに基づき、車両状態を把握するための定量的インデックスを算出するインデックス演算部と、
前記インデックス演算部により算出された値を統計的に処理して運転集中度を判定する指標となる状態情報を出力する統計処理部と、
前記データ格納部に格納されたデータに基づき前記インデックス演算部と前記統計処理部を順次制御して状態情報を算出し、算出された状態情報を前記データ格納部に記録された標準値と比べてドライバの運転集中度を判定する運転集中度判定部と
を含むことを特徴とする車両運行状態情報基盤の運転集中度判断システム。
【請求項2】
前記所定の制御信号に応じてドライバに危険を報知する警告メッセージを出力する警告表示部がさらに備えられ、
前記運転集中度判定部は、前記統計処理部の算出結果が約定された基準値以下に確認されることになれば、前記警告表示部を介し警告メッセージが出力されるよう制御することを特徴とする請求項1に記載の車両運行状態情報基盤の運転集中度判断システム。
【請求項3】
前記運転集中度判定部、前記インデックス演算部、前記統計処理部はECU(Electronic Control Unit)などで構成された制御部内に備えられることを特徴とする請求項1に記載の車両運行状態情報基盤の運転集中度判断システム。
【請求項4】
車両ドライバの運転集中度を判定する方法において、
車両に取り付けられた操向角センサ(SAS;Steering Angle Sensor)、及び前方カメラセンサの出力データを所定の時間間隔で格納するデータ格納段階と、
前記データ格納段階で格納された情報に基づき車両状態を把握するための定量的インデックスを算出するインデックス演算段階と、
前記インデックス演算段階で算出された値を統計的に処理して運転集中度を判定する指標となる状態情報を出力する統計処理段階と、
前記統計処理段階で算出された情報を約定された基準データと比べ、その比較結果に従い運転集中度を判定する集中度判定段階と
を含むことを特徴とする車両運行状態情報基盤の運転集中度判断方法。
【請求項5】
前記基準データは、前記インデックス演算段階又は前記統計処理段階により算出された結果を所定の回数累積させ、統計化の過程により取得されたものであることを特徴とする請求項4に記載の車両運行状態情報基盤の運転集中度判断方法。
【請求項6】
前記統計処理段階で算出された状態情報は、車両状態を細分化した少なくとも一つ以上のパラメータで構成され、
前記基準データは、前記パラメータと一対一に比較可能な個数に細分化されたことを特徴とする請求項5に記載の車両運行状態情報基盤の運転集中度判断方法。
【請求項7】
前記統計処理段階で算出された情報に基づき道路の難易度を判定する道路難易度判定段階をさらに含み、
前記集中度判定段階は、前記道路難易度判定段階での判定結果に従い段階的に基準値を別に適用することにより、細分化された運転集中度を算定するようになっていることを特徴とする請求項6に記載の車両運行状態情報基盤の運転集中度判断方法。
【請求項8】
前記パラメータは、操向角符号変化回数(ZERO)と道路曲律半径符号変化回数(dSignR)の差と、
操向角標準偏差(SDST)の標準値であるSDSTmax_sに対する測定されたSDSTmaxの増減率(SDST%)とで求められる値を含み、
前記集中度判定段階はZERO−dSignR=0であり、SDST%の値が予め設定された値(V1)より小さい場合、運転集中度を最高レベルに判定する第1集中度判断段階を含むことを特徴とする請求項6に記載の車両運行状態情報基盤の運転集中度判断方法。
【請求項9】
前記第1集中度判断段階で当該パラメータの値が最高レベルの条件に符合しない場合、
前記集中度判定段階は、車線侵犯回数(LANEX)の値が約定された値(V2)より大きい場合、運転集中度を最低レベルに判定する第2集中度判断段階を含むことを特徴とする請求項8に記載の車両運行状態情報基盤の運転集中度判断方法。
【請求項10】
前記パラメータは、操向角標準偏差(SDST)の標準値であるSDSTmax_sに対する測定されたSDSTmaxの増減率(SDST%)で求められる値を含み、
前記道路難易度判定段階は、SDST%値が約定された値(V3)より大きい場合は低い難易度、小さい場合は高い難易度の道路と判定するようになっていることを特徴とする請求項7に記載の車両運行状態情報基盤の運転集中度判断方法。
【請求項11】
前記パラメータは、車両側面が隣接した車線まで到達予想時間(TLC)の最小値(TLCmin)と、
前記最小値の標準値であるTLCmin_sに対する測定されたTLCminの増減率(TLC%)とを含み、
前記集中度判定段階は、前記道路難易度判定段階で
難易度が低い道路と判定された状況では前記TLC%の値が所定の基準値(V4)より小さい場合、
難易度が高い道路と判定された状況では前記TLC%の値が所定の基準値(V5)より小さい場合、運転集中度をレベル2に判定する第3集中度判定段階を含むことを特徴とする請求項10に記載の車両運行状態情報基盤の運転集中度判断方法。
【請求項12】
前記パラメータは、車路内車両横変位(LP)の標準偏差(SDLP)と、
前記SDLPの最大値(SDLPmax)と、
前記SDLP最大値の標準値であるSDLPmax_sに対する測定されたSDLPmaxの増減率(SDLP%)とを含み、
前記集中度判定段階は、前記道路難易度判定段階で
難易度が低い道路と判定された状況では前記SDLP%の値が所定の基準値(V6)より大きい場合、
難易度が高い道路と判定された状況では前記SDLP%の値が所定の基準値(V7)より大きい場合、運転集中度をレベル3に判定する第4集中度判定段階を含むことを特徴とする請求項11に記載の車両運行状態情報基盤の運転集中度判断方法。
【請求項13】
前記集中度判定段階は、前記第4集中度判定段階で、前記SDLP%の値が運転集中度レベル3の基準を満たすことができなければ、この時の運転集中度をレベル4に判定する第5集中度判定段階を含むことを特徴とする請求項12に記載の車両運行状態情報基盤の運転集中度判断方法。
【請求項14】
前記集中度判定段階での判断結果、運転集中度がレベル4に到逹する回数を計数するレベル4計数段階と、
このレベル4計数段階により計数された値が所定の値に至れば、この時のパラメータを前記基準データに再設定する基準データ再設定段階をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の車両運行状態情報基盤の運転集中度判断方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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