車体用弾性シール体及びステアリングギヤケースとパネルとの間の車体用弾性シール体の取付方法
【課題】円錐状リップ部をボディパネル側に倒す作業が行い難い点を解決することで、円錐状リップ部をボディパネル側に倒す作業を容易に行うことを可能にする。
【解決手段】円筒状の筒部45の先端から鍔状に円錐状リップ部47を張り出させ、この円錐状リップ部47の付け根に薄肉部46を形成し、この薄肉部46を折り曲げ支点として円錐状リップ部47を折り返し可能にした車体用弾性シール体において、円錐状リップ部46近傍の少なくとも一箇所に、円錐状リップ部47を折返すための凸部48を設けた。
【解決手段】円筒状の筒部45の先端から鍔状に円錐状リップ部47を張り出させ、この円錐状リップ部47の付け根に薄肉部46を形成し、この薄肉部46を折り曲げ支点として円錐状リップ部47を折り返し可能にした車体用弾性シール体において、円錐状リップ部46近傍の少なくとも一箇所に、円錐状リップ部47を折返すための凸部48を設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステアリングギヤケースとボディパネルとの間に介在させることで、ボディパネルをエンジンルーム側(外側)からシールする車体用弾性シール体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車体用弾性シール体として、ステアリングシャフトを室内側からエンジンルーム側に貫通させるために、ボディパネルに開けた開口をシールするものが実用に供されている。
実用の車体用弾性シール体は、ステアリングシャフトを貫通させる貫通孔と、ボディパネルの開口を覆うシール部(リップ部)を弾性体にて一体的に構成すれば実用上十分であった。
【0003】
このような車体用弾性シール体として、シール部(リップ部)を折返し自在に構成したものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特許第3356935号公報(第4頁、図6)
【0004】
特許文献1の技術を説明する。
図11(a),(b)は従来の基本構成を説明する図である。
(a)において、車体用弾性シール体100は、円筒状の筒部101と、この筒部101の外周面から鍔状に張り出した円錐状リップ部102と、この円錐状リップ部102の付け根に形成した薄肉部103と、筒部101の内周面に設けたステアリングギヤケース104に嵌合させる嵌合部105とからなる変形自在な弾性体である。
【0005】
さらに、車体用弾性シール体100は、予めステアリングギヤケース104側に円錐状リップ部102を倒し、ステアリングギヤケース104に嵌合部105を嵌合させ、パネル106の開口109の所定距離を保ちつつステアリングギヤケース104とともにセットするものである。
【0006】
(b)において、車体用弾性シール体100の円錐状リップ部102を矢印のようにパネル(ダッシュボード)106側に倒し、ステアリングギヤケース104側をパネル106側に密着させ、車室107側とエンジンルーム108側のシールを行う。
【0007】
しかし、車体用弾性シール体100では、円錐状リップ部102をパネル106側に倒し、ステアリングギヤケース104側をパネル106側に密着させる作業をエンジンルーム106側にて行う必要があった。
例えば、エンジンルーム108には、エンジン、ミッションなどが配置されるので、車体用弾性シール体100の周辺を直視できないことや作業スペースが狭いこともあり、円錐状リップ部102をパネル106側に倒す作業が行い難い場合があった。
また、車体用弾性シール体100では、パネル106に対して所定距離を確保してセットする作業をするときに、所定距離にばらつきが発生することもあった。
【0008】
すなわち、円錐状リップ部をボディパネル側に倒す作業を容易に行うことができるとともに、ボディパネルに対して所定距離を保って作業することができる車体用弾性シール体が望まれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、円錐状リップ部をボディパネル側に倒す作業が行い難い点を解決し、円錐状リップ部をボディパネル側に倒す作業を容易に行うことができる車体用弾性シール体を提供するとともに、ボディパネルに対して所定距離を確保してセットする作業にばらつきが発生する点を解決し、ボディパネルに対して所定距離を確保してセットするときのばらつきを抑えることができる車体用弾性シール体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る発明は、円筒状の筒部の先端から鍔状に円錐状リップ部を張り出させ、この円錐状リップ部の付け根に薄肉部を形成し、この薄肉部を折り曲げ支点として円錐状リップ部を折り返し可能にした車体用弾性シール体において、円錐状リップ部内周側若しくは近傍の少なくとも一箇所に、円錐状リップ部を折返すための凸部を設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項2に係る発明は、凸部を、シール時にパネルと接する高さと略同一に設定したことを特徴とする。
【0012】
請求項3に係る発明は、ステアリングギヤケースとパネルとの間の車体用弾性シール体の取付方法において、円筒状の筒部の先端から鍔状に円錐状リップ部を張り出させ、この円錐状リップ部の付け根に薄肉部を形成し、この薄肉部を折り曲げ支点として円錐状リップ部を折り返し可能にした車体用弾性シール体を準備する工程と、ステアリングギヤケースに車体用弾性シール体を嵌合させるとともに、円錐状リップ部をパネルから離れる方向に折返す工程と、ステアリングギヤケースをパネルに位置決めする工程と、パネル側から凸部を操作することで円錐状リップ部をパネル側に折り返して円錐状リップ部を弾性的にパネルに押し付ける工程と、からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明では、円錐状リップ部内周側の少なくとも一箇所に、円錐状リップ部を折返すための凸部を設けたので、凸部を内側へ摘む又は押し込むことで円錐状リップ部を折返すことができる。例えば、凸部を車室側に向けてセットすれば、車室側から円錐状リップ部を折返し作業をすることができ、多数の部品を収納するエンジンルーム側から円錐状リップ部の折返し作業をする場合に比べ円錐状リップ部の折返しを容易に行うことができる。この結果、車体用弾性シール体のセッティング作業の作業性の向上を図ることができるという利点がある。
【0014】
請求項2に係る発明では、凸部を、シール時にパネルと接する高さと略同一に設定したので、パネルに対して所定距離を確保してセットし易くすることができる。これにより、所定距離を確保してセットするときのばらつきを抑えることができる。この結果、パネルに当てるときの円錐状リップ部の変形量を均一にすることができ、シール性の均一化を図ることができるという利点がある。
【0015】
請求項3に係る発明では、パネル側から凸部を内側へ摘む又は押し込むことで円錐状リップ部をパネル側に折り返して円錐状リップ部を弾性的にパネルに押し付ける工程を設けたので、例えば、多数の部品を収納するエンジンルーム側から円錐状リップ部の折返し作業をする場合に比べ円錐状リップ部の折返しを容易に行うことができる。この結果、車体用弾性シール体のセッティング作業の作業性の向上を図ることができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る車体用弾性シール体を採用した車両のエンジンルームの斜視図であり、図中、10は車両、11は車体、12は車室、13はエンジンルーム、14はパネルとしてのダッシュボード(ダッシュパネル)、15はフロントサイドフレーム、16はミッション、17はステアリング装置、40は本発明に係る車体用弾性シール体を示す。
ダッシュボード14は、ステアリング装置17を貫通させるステアリング貫通部18を備え、ステアリング貫通部18は車体用弾性シール体40を臨ます開口19を備える。
エンジンルーム13は、ミッション16やパワーステアリング用モータ27など多数の部品を収納する部分である。
【0017】
ステアリング装置17は、車室12側に配置したステアリングホイール21と、このステアリングホイール21から延出したステアリングシャフト22と、このステアリングシャフト22に連結したシャフトジョイント23と、このシャフトジョイント23に連結したステアリングジョイント24と、このステアリングジョイント24に接続するステアリングギヤケース組立体25と、このステアリングギヤケース組立体25から水平方向に延出した左右のタイロッド26,26と、ステアリングギヤケース組立体25に付設したパワーステアリング用モータ27と、ステアリングギヤケース組立体25に嵌合させることで、エンジンルーム13と車室12をシールする車体用弾性シール体40と、を備える。
【0018】
なお、車体用弾性シール体40は、エンジンルーム13と車室12をシールするものであるが、ステアリングギヤケース組立体25とダッシュボード14とをシールするものとみることもできる。
図中、28,28は左右のブーツ、29はステアリングギヤケース組立体25側の操舵軸、32はステアリングギヤケース組立体25のステアリングギヤケースを示す。
【0019】
図2は図1の2矢視図であり、車体用弾性シール体40をステアリングギヤケース組立体25に取付けた状態を車室12側から示す。
ステアリングギヤケース組立体25は、操舵軸29の先端部31を車体用弾性シール体40から車室12側に臨ますものである。
【0020】
車体用弾性シール体40は、エンジンルーム13(図1参照)側からダッシュボード14のステアリング貫通部18に弾性的に当てることで、エンジンルーム13と車室12をシールするものである。後述するように、車体用弾性シール体40は、凸部(突起)48,48をステアリング貫通部18から車室12に臨ますものであり、これにより、車室12側から車体用弾性シール体40を操作できるようにしたものである。
【0021】
図3は本発明に係る車体用弾性シール体の車室側からの斜視図であり、図4は本発明に係る車体用弾性シール体のエンジンルーム側からの斜視図である。
車体用弾性シール体40は、ステアリングギヤケース32のケース円筒部33(図5参照)に嵌合させる基部41と、この基部41に形成することでステアリングギヤケース32のケース先端部34(図5参照)を貫通させる貫通孔42と、この貫通孔42に形成することでシール効果を増大させる鋸歯部43・・・(・・・は複数個を示す。以下同じ)と、基部41から放射状に延出した底部44と、この底部44からダッシュボード14(図1参照)側に立ち上げた円筒状の筒部(円筒部)45と、この筒部45の端部に形成することで折曲げを許容する薄肉部(折曲げ支点)46と、この薄肉部46から鍔状に延ばすことでダッシュボード14に当てる円錐状リップ部47と、筒部45に形成することで、エンジンルーム13(図1参照)側から円錐状リップ部47をエンジンルーム13側に倒すことのできる凸部(突起)48,48と、からなる。
【0022】
図5は本発明に係る車体用弾性シール体をギヤケース組立体に取付けた状態を示す側面断面図であり、車体用弾性シール体40は、円筒状の筒部45の先端から鍔状に円錐状リップ部47を張り出させ、この円錐状リップ部47の付け根に薄肉部46を形成し、この薄肉部46を折り曲げ支点として円錐状リップ部47を折り返し可能にした車体用弾性シール体において、円錐状リップ部47近傍の少なくとも一箇所に、円錐状リップ部47を折返すための凸部48を設けたものと言える。
【0023】
例えば、円錐状リップ部をボディパネル側に倒す作業を容易に行うことができるとすれば、組立作業の作業性の向上を図ることができるので好ましいことである。
【0024】
そこで、円錐状リップ部47近傍の少なくとも一箇所に、円錐状リップ部47を折返すための凸部48を設けることで、凸部48を内側へ摘む又は押し込み(引張り)、円錐状リップ部47を折返すことができる。例えば、凸部48を車室12(図1参照)側に向けてセットすれば、車室12側から円錐状リップ部47を折返す作業をすることができ、多数の部品を収納するエンジンルーム13側から円錐状リップ部47の折返し作業をする場合に比べ円錐状リップ部47の折返しを容易に行うことができる。この結果、車体用弾性シール体40のセッティング作業の作業性の向上を図ることができる。
【0025】
図6(a),(b)は本発明に係る車体用弾性シール体の取付手順の初段を示す作用説明図であり、取付手順の一例を示す。
(a)において、ステアリングギヤケース組立体25側に車体用弾性シール体40の円錐状リップ部47を倒し、ステアリングギヤケース組立体25のケース先端部34に車体用弾性シール体40を矢印a1の如く嵌め込む。このときに、円錐状リップ部47を予めステアリングギヤケース組立体25側へ倒した状態にする。
【0026】
また、車体用弾性シール体40の貫通孔42に鋸歯部43・・・(図5参照)を設けたので、この鋸歯部43・・・がステアリングギヤケース組立体25に強く噛み込み、車体用弾性シール体40を強固にステアリングギヤケース組立体25に取り付けることができる。さらに、鋸歯部43・・・がラビリンス作用を発揮するのでステアリングギヤケース組立体25とのシール性も増すことができる。
【0027】
(b)において、ダッシュボード14に車体用弾性シール体40を取付けたステアリングギヤケース組立体25を矢印a2の如く移動させ、所定位置にセットする。
【0028】
図7(a),(b)は本発明に係る車体用弾性シール体の取付手順の終段を示す作用説明図であり、取付手順の一例を示す。
(a)において、車室12側から凸部48を矢印a3,a3の如く内側へ摘み(若しくは押し込み)、薄肉部46を折曲げ支点として円錐状リップ部47を折返すことができる。例えば、多数の部品を収納するエンジンルーム13側から円錐状リップ部47の折返し作業をする場合に比べ円錐状リップ部47の折返しを容易に行うことができる。この結果、車体用弾性シール体40のセッティング作業の作業性の向上を図ることができる。
【0029】
(b)において、エンジンルーム13と車室12のシールを完了する。言い換えれば、ステアリングギヤケース組立体25とダッシュボード14とをシール完了したとも言える。
【0030】
図8は本発明に係る車体用弾性シール体の取付手順を示すフローチャートであり、ST××はステップ番号を示す(符号は図1及び図5参照)。
ST01:円筒状の筒部45の先端から鍔状に円錐状リップ部47を張り出させ、この円錐状リップ部47の付け根に薄肉部46を形成し、この薄肉部46を折り曲げ支点として円錐状リップ部47を折り返し可能にした車体用弾性シール体40を準備する。
ST02:ステアリングギヤケース32に車体用弾性シール体40を嵌合させるとともに、円錐状リップ部47をパネル(ダッシュボード)14から離れる方向に折返す。
ST03:ステアリングギヤケース32をパネル14に位置決めする。
ST04:パネル14側から凸部48を操作することで、円錐状リップ部47をパネル14側に折り返して円錐状リップ部47を弾性的にパネル14に押し付ける。
【0031】
すなわち、ステアリングギヤケース32とパネル14との間の車体用弾性シール体の取付方法は、円筒状の筒部45の先端から鍔状に円錐状リップ部47を張り出させ、この円錐状リップ部47の付け根に薄肉部46を形成し、この薄肉部46を折り曲げ支点として円錐状リップ部47を折り返し可能にした車体用弾性シール体40を準備する工程と、ステアリングギヤケース32に車体用弾性シール体40を嵌合させるとともに、円錐状リップ部47をパネル(ダッシュボード)14から離れる方向に折返す工程と、ステアリングギヤケース32をパネル14に位置決めする工程と、パネル14側から凸部48を操作することで、円錐状リップ部47をパネル14側に折り返して円錐状リップ部47を弾性的にパネル14に押し付ける工程とから構成したものと言える。
【0032】
パネル14側から凸部48を引くことで円錐状リップ部47をパネル側に折り返して円錐状リップ部47を弾性的にパネル14に押し付ける工程を設けることで、例えば、多数の部品を収納するエンジンルーム13側から円錐状リップ部47の折返し作業をする場合に比べ円錐状リップ部47の折返しを容易に行うことができる。この結果、車体用弾性シール体40のセッティング作業の作業性の向上を図ることができる。
【0033】
図9は本発明に係る第2実施例の車体用弾性シール体側面断面図である。
図中、50は車体用弾性シール体、51は基部、52は貫通孔、53は鋸歯部、54は底部、55は筒部、56は薄肉部、57は円錐状リップ部、58,58は凸部であり、車体用弾性シール体50は、凸部58,58を、シール時に図1に示すダッシュボード(パネル)14と接する高さと略同一に設定したものである。
【0034】
例えば、パネル14に対して所定距離を確保してセットするときのばらつきを抑えることができるとすれば、シール性の均一化を図ることができるので好ましいことである。
そこで、凸部58,58を、シール時にパネル14と接する高さと略同一に設定することで、パネル14に対して所定距離を確保してセットし易くすることができる。これにより、所定距離を確保してセットするときのばらつきを抑えることができる。この結果、パネル14に当てるときの円錐状リップ部57の変形量を均一にすることができ、シール性の均一化を図ることができる。
【0035】
図10は本発明に係る第3実施例の車体用弾性シール体側面断面図である。
図中、60は車体用弾性シール体、61は基部、62は貫通孔、63は鋸歯部、64は底部、65は筒部、66は薄肉部、67は円錐状リップ部、68,68は凸部であり、車体用弾性シール体60は、円錐状リップ部67内周側の少なくとも一箇所に、円錐状リップ部67を折返すための凸部68を設けたものである。
円錐状リップ部67内周側の少なくとも一箇所に、円錐状リップ部67を折返すための凸部68を設けることで、直接的に円錐状リップ部67を内側へ摘む又は押し込むことでことができる。この結果、さらなる車体用弾性シール体60の折返し作業の作業性の向上を図ることができる。
【0036】
尚、本発明に係る車体用弾性シール体は、図6に示すように、円錐状リップ部47近傍の少なくとも一箇所に、円錐状リップ部47を折返すための凸部48を設け、図10に示すように、円錐状リップ部67内周側の少なくとも一箇所に、円錐状リップ部67を折返すための凸部68を設けたが、これに限るものではなく、これらを組合せることも妨げるものではない。すなわち、円錐状リップ部内周側若しくは近傍の少なくとも一箇所に、円錐状リップ部を折返すための凸部を設けたものであればよい。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明に係る車体用弾性シール体は、多数の部品を収納するエンジンルームを有する車両に採用するのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に係る車体用弾性シール体を採用した車両のエンジンルームの斜視図である。
【図2】図1の2矢視図である。
【図3】本発明に係る車体用弾性シール体の車室側からの斜視図である。
【図4】本発明に係る車体用弾性シール体のエンジンルーム側からの斜視図である。
【図5】本発明に係る車体用弾性シール体をギヤケース組立体に取付けた状態を示す側面断面図である。
【図6】本発明に係る車体用弾性シール体の取付手順の初段を示す作用説明図である。
【図7】本発明に係る車体用弾性シール体の取付手順の終段を示す作用説明図である。
【図8】本発明に係る車体用弾性シール体の取付手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明に係る第2実施例の車体用弾性シール体側面断面図である。
【図10】本発明に係る第3実施例の車体用弾性シール体側面断面図である。
【図11】従来の基本構成を説明する図である。
【符号の説明】
【0039】
10…車両、14…パネル(ダッシュボード)、40,50,60…車体用弾性シール体、45,55,65…筒部、46,56,66…薄肉部、47,57,67…円錐状リップ部、48,58,68…凸部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステアリングギヤケースとボディパネルとの間に介在させることで、ボディパネルをエンジンルーム側(外側)からシールする車体用弾性シール体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車体用弾性シール体として、ステアリングシャフトを室内側からエンジンルーム側に貫通させるために、ボディパネルに開けた開口をシールするものが実用に供されている。
実用の車体用弾性シール体は、ステアリングシャフトを貫通させる貫通孔と、ボディパネルの開口を覆うシール部(リップ部)を弾性体にて一体的に構成すれば実用上十分であった。
【0003】
このような車体用弾性シール体として、シール部(リップ部)を折返し自在に構成したものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特許第3356935号公報(第4頁、図6)
【0004】
特許文献1の技術を説明する。
図11(a),(b)は従来の基本構成を説明する図である。
(a)において、車体用弾性シール体100は、円筒状の筒部101と、この筒部101の外周面から鍔状に張り出した円錐状リップ部102と、この円錐状リップ部102の付け根に形成した薄肉部103と、筒部101の内周面に設けたステアリングギヤケース104に嵌合させる嵌合部105とからなる変形自在な弾性体である。
【0005】
さらに、車体用弾性シール体100は、予めステアリングギヤケース104側に円錐状リップ部102を倒し、ステアリングギヤケース104に嵌合部105を嵌合させ、パネル106の開口109の所定距離を保ちつつステアリングギヤケース104とともにセットするものである。
【0006】
(b)において、車体用弾性シール体100の円錐状リップ部102を矢印のようにパネル(ダッシュボード)106側に倒し、ステアリングギヤケース104側をパネル106側に密着させ、車室107側とエンジンルーム108側のシールを行う。
【0007】
しかし、車体用弾性シール体100では、円錐状リップ部102をパネル106側に倒し、ステアリングギヤケース104側をパネル106側に密着させる作業をエンジンルーム106側にて行う必要があった。
例えば、エンジンルーム108には、エンジン、ミッションなどが配置されるので、車体用弾性シール体100の周辺を直視できないことや作業スペースが狭いこともあり、円錐状リップ部102をパネル106側に倒す作業が行い難い場合があった。
また、車体用弾性シール体100では、パネル106に対して所定距離を確保してセットする作業をするときに、所定距離にばらつきが発生することもあった。
【0008】
すなわち、円錐状リップ部をボディパネル側に倒す作業を容易に行うことができるとともに、ボディパネルに対して所定距離を保って作業することができる車体用弾性シール体が望まれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、円錐状リップ部をボディパネル側に倒す作業が行い難い点を解決し、円錐状リップ部をボディパネル側に倒す作業を容易に行うことができる車体用弾性シール体を提供するとともに、ボディパネルに対して所定距離を確保してセットする作業にばらつきが発生する点を解決し、ボディパネルに対して所定距離を確保してセットするときのばらつきを抑えることができる車体用弾性シール体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る発明は、円筒状の筒部の先端から鍔状に円錐状リップ部を張り出させ、この円錐状リップ部の付け根に薄肉部を形成し、この薄肉部を折り曲げ支点として円錐状リップ部を折り返し可能にした車体用弾性シール体において、円錐状リップ部内周側若しくは近傍の少なくとも一箇所に、円錐状リップ部を折返すための凸部を設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項2に係る発明は、凸部を、シール時にパネルと接する高さと略同一に設定したことを特徴とする。
【0012】
請求項3に係る発明は、ステアリングギヤケースとパネルとの間の車体用弾性シール体の取付方法において、円筒状の筒部の先端から鍔状に円錐状リップ部を張り出させ、この円錐状リップ部の付け根に薄肉部を形成し、この薄肉部を折り曲げ支点として円錐状リップ部を折り返し可能にした車体用弾性シール体を準備する工程と、ステアリングギヤケースに車体用弾性シール体を嵌合させるとともに、円錐状リップ部をパネルから離れる方向に折返す工程と、ステアリングギヤケースをパネルに位置決めする工程と、パネル側から凸部を操作することで円錐状リップ部をパネル側に折り返して円錐状リップ部を弾性的にパネルに押し付ける工程と、からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明では、円錐状リップ部内周側の少なくとも一箇所に、円錐状リップ部を折返すための凸部を設けたので、凸部を内側へ摘む又は押し込むことで円錐状リップ部を折返すことができる。例えば、凸部を車室側に向けてセットすれば、車室側から円錐状リップ部を折返し作業をすることができ、多数の部品を収納するエンジンルーム側から円錐状リップ部の折返し作業をする場合に比べ円錐状リップ部の折返しを容易に行うことができる。この結果、車体用弾性シール体のセッティング作業の作業性の向上を図ることができるという利点がある。
【0014】
請求項2に係る発明では、凸部を、シール時にパネルと接する高さと略同一に設定したので、パネルに対して所定距離を確保してセットし易くすることができる。これにより、所定距離を確保してセットするときのばらつきを抑えることができる。この結果、パネルに当てるときの円錐状リップ部の変形量を均一にすることができ、シール性の均一化を図ることができるという利点がある。
【0015】
請求項3に係る発明では、パネル側から凸部を内側へ摘む又は押し込むことで円錐状リップ部をパネル側に折り返して円錐状リップ部を弾性的にパネルに押し付ける工程を設けたので、例えば、多数の部品を収納するエンジンルーム側から円錐状リップ部の折返し作業をする場合に比べ円錐状リップ部の折返しを容易に行うことができる。この結果、車体用弾性シール体のセッティング作業の作業性の向上を図ることができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る車体用弾性シール体を採用した車両のエンジンルームの斜視図であり、図中、10は車両、11は車体、12は車室、13はエンジンルーム、14はパネルとしてのダッシュボード(ダッシュパネル)、15はフロントサイドフレーム、16はミッション、17はステアリング装置、40は本発明に係る車体用弾性シール体を示す。
ダッシュボード14は、ステアリング装置17を貫通させるステアリング貫通部18を備え、ステアリング貫通部18は車体用弾性シール体40を臨ます開口19を備える。
エンジンルーム13は、ミッション16やパワーステアリング用モータ27など多数の部品を収納する部分である。
【0017】
ステアリング装置17は、車室12側に配置したステアリングホイール21と、このステアリングホイール21から延出したステアリングシャフト22と、このステアリングシャフト22に連結したシャフトジョイント23と、このシャフトジョイント23に連結したステアリングジョイント24と、このステアリングジョイント24に接続するステアリングギヤケース組立体25と、このステアリングギヤケース組立体25から水平方向に延出した左右のタイロッド26,26と、ステアリングギヤケース組立体25に付設したパワーステアリング用モータ27と、ステアリングギヤケース組立体25に嵌合させることで、エンジンルーム13と車室12をシールする車体用弾性シール体40と、を備える。
【0018】
なお、車体用弾性シール体40は、エンジンルーム13と車室12をシールするものであるが、ステアリングギヤケース組立体25とダッシュボード14とをシールするものとみることもできる。
図中、28,28は左右のブーツ、29はステアリングギヤケース組立体25側の操舵軸、32はステアリングギヤケース組立体25のステアリングギヤケースを示す。
【0019】
図2は図1の2矢視図であり、車体用弾性シール体40をステアリングギヤケース組立体25に取付けた状態を車室12側から示す。
ステアリングギヤケース組立体25は、操舵軸29の先端部31を車体用弾性シール体40から車室12側に臨ますものである。
【0020】
車体用弾性シール体40は、エンジンルーム13(図1参照)側からダッシュボード14のステアリング貫通部18に弾性的に当てることで、エンジンルーム13と車室12をシールするものである。後述するように、車体用弾性シール体40は、凸部(突起)48,48をステアリング貫通部18から車室12に臨ますものであり、これにより、車室12側から車体用弾性シール体40を操作できるようにしたものである。
【0021】
図3は本発明に係る車体用弾性シール体の車室側からの斜視図であり、図4は本発明に係る車体用弾性シール体のエンジンルーム側からの斜視図である。
車体用弾性シール体40は、ステアリングギヤケース32のケース円筒部33(図5参照)に嵌合させる基部41と、この基部41に形成することでステアリングギヤケース32のケース先端部34(図5参照)を貫通させる貫通孔42と、この貫通孔42に形成することでシール効果を増大させる鋸歯部43・・・(・・・は複数個を示す。以下同じ)と、基部41から放射状に延出した底部44と、この底部44からダッシュボード14(図1参照)側に立ち上げた円筒状の筒部(円筒部)45と、この筒部45の端部に形成することで折曲げを許容する薄肉部(折曲げ支点)46と、この薄肉部46から鍔状に延ばすことでダッシュボード14に当てる円錐状リップ部47と、筒部45に形成することで、エンジンルーム13(図1参照)側から円錐状リップ部47をエンジンルーム13側に倒すことのできる凸部(突起)48,48と、からなる。
【0022】
図5は本発明に係る車体用弾性シール体をギヤケース組立体に取付けた状態を示す側面断面図であり、車体用弾性シール体40は、円筒状の筒部45の先端から鍔状に円錐状リップ部47を張り出させ、この円錐状リップ部47の付け根に薄肉部46を形成し、この薄肉部46を折り曲げ支点として円錐状リップ部47を折り返し可能にした車体用弾性シール体において、円錐状リップ部47近傍の少なくとも一箇所に、円錐状リップ部47を折返すための凸部48を設けたものと言える。
【0023】
例えば、円錐状リップ部をボディパネル側に倒す作業を容易に行うことができるとすれば、組立作業の作業性の向上を図ることができるので好ましいことである。
【0024】
そこで、円錐状リップ部47近傍の少なくとも一箇所に、円錐状リップ部47を折返すための凸部48を設けることで、凸部48を内側へ摘む又は押し込み(引張り)、円錐状リップ部47を折返すことができる。例えば、凸部48を車室12(図1参照)側に向けてセットすれば、車室12側から円錐状リップ部47を折返す作業をすることができ、多数の部品を収納するエンジンルーム13側から円錐状リップ部47の折返し作業をする場合に比べ円錐状リップ部47の折返しを容易に行うことができる。この結果、車体用弾性シール体40のセッティング作業の作業性の向上を図ることができる。
【0025】
図6(a),(b)は本発明に係る車体用弾性シール体の取付手順の初段を示す作用説明図であり、取付手順の一例を示す。
(a)において、ステアリングギヤケース組立体25側に車体用弾性シール体40の円錐状リップ部47を倒し、ステアリングギヤケース組立体25のケース先端部34に車体用弾性シール体40を矢印a1の如く嵌め込む。このときに、円錐状リップ部47を予めステアリングギヤケース組立体25側へ倒した状態にする。
【0026】
また、車体用弾性シール体40の貫通孔42に鋸歯部43・・・(図5参照)を設けたので、この鋸歯部43・・・がステアリングギヤケース組立体25に強く噛み込み、車体用弾性シール体40を強固にステアリングギヤケース組立体25に取り付けることができる。さらに、鋸歯部43・・・がラビリンス作用を発揮するのでステアリングギヤケース組立体25とのシール性も増すことができる。
【0027】
(b)において、ダッシュボード14に車体用弾性シール体40を取付けたステアリングギヤケース組立体25を矢印a2の如く移動させ、所定位置にセットする。
【0028】
図7(a),(b)は本発明に係る車体用弾性シール体の取付手順の終段を示す作用説明図であり、取付手順の一例を示す。
(a)において、車室12側から凸部48を矢印a3,a3の如く内側へ摘み(若しくは押し込み)、薄肉部46を折曲げ支点として円錐状リップ部47を折返すことができる。例えば、多数の部品を収納するエンジンルーム13側から円錐状リップ部47の折返し作業をする場合に比べ円錐状リップ部47の折返しを容易に行うことができる。この結果、車体用弾性シール体40のセッティング作業の作業性の向上を図ることができる。
【0029】
(b)において、エンジンルーム13と車室12のシールを完了する。言い換えれば、ステアリングギヤケース組立体25とダッシュボード14とをシール完了したとも言える。
【0030】
図8は本発明に係る車体用弾性シール体の取付手順を示すフローチャートであり、ST××はステップ番号を示す(符号は図1及び図5参照)。
ST01:円筒状の筒部45の先端から鍔状に円錐状リップ部47を張り出させ、この円錐状リップ部47の付け根に薄肉部46を形成し、この薄肉部46を折り曲げ支点として円錐状リップ部47を折り返し可能にした車体用弾性シール体40を準備する。
ST02:ステアリングギヤケース32に車体用弾性シール体40を嵌合させるとともに、円錐状リップ部47をパネル(ダッシュボード)14から離れる方向に折返す。
ST03:ステアリングギヤケース32をパネル14に位置決めする。
ST04:パネル14側から凸部48を操作することで、円錐状リップ部47をパネル14側に折り返して円錐状リップ部47を弾性的にパネル14に押し付ける。
【0031】
すなわち、ステアリングギヤケース32とパネル14との間の車体用弾性シール体の取付方法は、円筒状の筒部45の先端から鍔状に円錐状リップ部47を張り出させ、この円錐状リップ部47の付け根に薄肉部46を形成し、この薄肉部46を折り曲げ支点として円錐状リップ部47を折り返し可能にした車体用弾性シール体40を準備する工程と、ステアリングギヤケース32に車体用弾性シール体40を嵌合させるとともに、円錐状リップ部47をパネル(ダッシュボード)14から離れる方向に折返す工程と、ステアリングギヤケース32をパネル14に位置決めする工程と、パネル14側から凸部48を操作することで、円錐状リップ部47をパネル14側に折り返して円錐状リップ部47を弾性的にパネル14に押し付ける工程とから構成したものと言える。
【0032】
パネル14側から凸部48を引くことで円錐状リップ部47をパネル側に折り返して円錐状リップ部47を弾性的にパネル14に押し付ける工程を設けることで、例えば、多数の部品を収納するエンジンルーム13側から円錐状リップ部47の折返し作業をする場合に比べ円錐状リップ部47の折返しを容易に行うことができる。この結果、車体用弾性シール体40のセッティング作業の作業性の向上を図ることができる。
【0033】
図9は本発明に係る第2実施例の車体用弾性シール体側面断面図である。
図中、50は車体用弾性シール体、51は基部、52は貫通孔、53は鋸歯部、54は底部、55は筒部、56は薄肉部、57は円錐状リップ部、58,58は凸部であり、車体用弾性シール体50は、凸部58,58を、シール時に図1に示すダッシュボード(パネル)14と接する高さと略同一に設定したものである。
【0034】
例えば、パネル14に対して所定距離を確保してセットするときのばらつきを抑えることができるとすれば、シール性の均一化を図ることができるので好ましいことである。
そこで、凸部58,58を、シール時にパネル14と接する高さと略同一に設定することで、パネル14に対して所定距離を確保してセットし易くすることができる。これにより、所定距離を確保してセットするときのばらつきを抑えることができる。この結果、パネル14に当てるときの円錐状リップ部57の変形量を均一にすることができ、シール性の均一化を図ることができる。
【0035】
図10は本発明に係る第3実施例の車体用弾性シール体側面断面図である。
図中、60は車体用弾性シール体、61は基部、62は貫通孔、63は鋸歯部、64は底部、65は筒部、66は薄肉部、67は円錐状リップ部、68,68は凸部であり、車体用弾性シール体60は、円錐状リップ部67内周側の少なくとも一箇所に、円錐状リップ部67を折返すための凸部68を設けたものである。
円錐状リップ部67内周側の少なくとも一箇所に、円錐状リップ部67を折返すための凸部68を設けることで、直接的に円錐状リップ部67を内側へ摘む又は押し込むことでことができる。この結果、さらなる車体用弾性シール体60の折返し作業の作業性の向上を図ることができる。
【0036】
尚、本発明に係る車体用弾性シール体は、図6に示すように、円錐状リップ部47近傍の少なくとも一箇所に、円錐状リップ部47を折返すための凸部48を設け、図10に示すように、円錐状リップ部67内周側の少なくとも一箇所に、円錐状リップ部67を折返すための凸部68を設けたが、これに限るものではなく、これらを組合せることも妨げるものではない。すなわち、円錐状リップ部内周側若しくは近傍の少なくとも一箇所に、円錐状リップ部を折返すための凸部を設けたものであればよい。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明に係る車体用弾性シール体は、多数の部品を収納するエンジンルームを有する車両に採用するのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に係る車体用弾性シール体を採用した車両のエンジンルームの斜視図である。
【図2】図1の2矢視図である。
【図3】本発明に係る車体用弾性シール体の車室側からの斜視図である。
【図4】本発明に係る車体用弾性シール体のエンジンルーム側からの斜視図である。
【図5】本発明に係る車体用弾性シール体をギヤケース組立体に取付けた状態を示す側面断面図である。
【図6】本発明に係る車体用弾性シール体の取付手順の初段を示す作用説明図である。
【図7】本発明に係る車体用弾性シール体の取付手順の終段を示す作用説明図である。
【図8】本発明に係る車体用弾性シール体の取付手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明に係る第2実施例の車体用弾性シール体側面断面図である。
【図10】本発明に係る第3実施例の車体用弾性シール体側面断面図である。
【図11】従来の基本構成を説明する図である。
【符号の説明】
【0039】
10…車両、14…パネル(ダッシュボード)、40,50,60…車体用弾性シール体、45,55,65…筒部、46,56,66…薄肉部、47,57,67…円錐状リップ部、48,58,68…凸部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状の筒部の先端から鍔状に円錐状リップ部を張り出させ、この円錐状リップ部の付け根に薄肉部を形成し、この薄肉部を折り曲げ支点として前記円錐状リップ部を折り返し可能にした車体用弾性シール体において、
前記円錐状リップ部内周側若しくは近傍の少なくとも一箇所に、円錐状リップ部を折返すための凸部を設けたことを特徴とする車両用弾性シール体。
【請求項2】
前記凸部は、シール時にパネルと接する高さと略同一に設定したものであることを特徴とする請求項1記載の車体用弾性シール体。
【請求項3】
円筒状の筒部の先端から鍔状に円錐状リップ部を張り出させ、この円錐状リップ部の付け根に薄肉部を形成し、この薄肉部を折り曲げ支点として前記円錐状リップ部を折り返し可能にした車体用弾性シール体を準備する工程と、
ステアリングギヤケースに前記車体用弾性シール体を嵌合させるとともに、円錐状リップ部をパネルから離れる方向に折返す工程と、
前記ステアリングギヤケースをパネルに位置決めする工程と、
前記パネル側から前記凸部を操作することで前記円錐状リップ部をパネル側に折り返して円錐状リップ部を弾性的にパネルに押し付ける工程と、
からなることを特徴とするステアリングギヤケースとパネルとの間の車体用弾性シール体の取付方法。
【請求項1】
円筒状の筒部の先端から鍔状に円錐状リップ部を張り出させ、この円錐状リップ部の付け根に薄肉部を形成し、この薄肉部を折り曲げ支点として前記円錐状リップ部を折り返し可能にした車体用弾性シール体において、
前記円錐状リップ部内周側若しくは近傍の少なくとも一箇所に、円錐状リップ部を折返すための凸部を設けたことを特徴とする車両用弾性シール体。
【請求項2】
前記凸部は、シール時にパネルと接する高さと略同一に設定したものであることを特徴とする請求項1記載の車体用弾性シール体。
【請求項3】
円筒状の筒部の先端から鍔状に円錐状リップ部を張り出させ、この円錐状リップ部の付け根に薄肉部を形成し、この薄肉部を折り曲げ支点として前記円錐状リップ部を折り返し可能にした車体用弾性シール体を準備する工程と、
ステアリングギヤケースに前記車体用弾性シール体を嵌合させるとともに、円錐状リップ部をパネルから離れる方向に折返す工程と、
前記ステアリングギヤケースをパネルに位置決めする工程と、
前記パネル側から前記凸部を操作することで前記円錐状リップ部をパネル側に折り返して円錐状リップ部を弾性的にパネルに押し付ける工程と、
からなることを特徴とするステアリングギヤケースとパネルとの間の車体用弾性シール体の取付方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−223378(P2007−223378A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−44227(P2006−44227)
【出願日】平成18年2月21日(2006.2.21)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月21日(2006.2.21)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]