説明

車外情報表示装置

【課題】光を用いて車外とのコミュニケーションが図れる車体情報表示装置を提供する。
【解決手段】車両状態情報、車両周辺情報、車室内情報の少なくとも1つを用いてユーザの状態を認識し、それに基づき、光を用いて車外にメッセージなどの情報表示を行う。例えば、ワイヤレスECU21にて、ワイヤレスキーからドアのアンロック指示信号が入力されたときに、キースイッチがオフで、かつ、ドアがロック状態である場合には、ユーザが車両2に乗り込もうとしている状態であると判定し、照射方向指示装置13に対して、“Welcome”というメッセージを示すことを指示する照射指示フレームを伝える。そして、このメッセージの照射を停止するときには、照射方向指示装置13に対して、メッセージの照射停止を指示する照射指示フレームを伝える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源から発せられる光により車外への情報表示を行う車外情報表示装置に関するものであり、例えば、レーザ光を光源とするレーザポインタを用いて情報表示を行う車外情報表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1において、進路方向や進路変更地点などの進路情報を車内に視線を移さずに認識できるようにするナビゲーション装置が提案されている。このナビゲーション装置では、レーザ光をカルバノミラーにて反射させ、カルバノミラーを走査することによりレーザ光にて車両前方の路面を照射し、車両の進路方向や進路変更地点などの進路情報を表示している。
【特許文献1】特開平9−210716号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に示されるナビゲーション装置は、レーザ光にて単に車両の進路方向や進路変更地点などの進路情報を示すだけのものであり、車外とのコミュニケーションを図ることができるものではない。
【0004】
例えば、車外とのコミュニケーションの一例として、ワイヤレスキー(リモートキー)システムによる車両ドアのロック/アンロック操作をユーザに認識ささせるために、ロック/アンロック操作に対応してハザードランプを点滅させるアンサーバックがある。しかしながら、ハザードランプの点滅では情報量が不足しており、車外との良好なコミュニケーションを取ることが難しい。また、音声による情報提供を行うことも考えられるが、周辺環境の騒音ロバスト性が低いという問題もある。
【0005】
本発明は上記点に鑑みて、光を用いて車外とのコミュニケーションが図れる車体情報表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明では、車両(2)の外部に可視光ビームを照射する可視光ビーム照射装置(11)と、可視光ビーム照射装置(11)が照射する可視光ビームの角度を調整する光方向調整装置(12)と、光方向調整装置(12)に対して可視光ビームの角度の調整に用いる照射方向および照射パターンのデータを出力する照射方向指示装置(13)とを備え、車両状態情報、車両周辺情報、車室内情報の少なくとも1つに基づいてユーザの状態を認識する電子制御装置(20)から、認識したユーザの状態に応じたメッセージの内容を照射方向指示装置(13)に対して伝え、該電子制御装置(20)から伝えられたメッセージの内容に基づき、照射方向指示装置(13)が光方向調整装置(12)に照射方向および照射パターンのデータを出力し、光方向調整装置(12)にて、可視光ビーム照射装置(11)が照射する可視光ビームの角度を調整し、可視光ビームの照射により車両(2)の外部にメッセージを表示することを特徴としている。
【0007】
このように、車両状態情報、車両周辺情報、車室内情報の少なくとも1つを用いてユーザの状態を認識し、それに基づき、光を用いて車外にメッセージなどの情報表示を行うことで、車外とのコミュニケーションを図ることが可能となる。
【0008】
例えば、電子制御装置(20)は、ドアのロック指示信号もしくはアンロック指示信号、キースイッチのオンオフを示す信号、ドアがロック状態であるかアンロック状態であるかを示す信号を取得し、ドアのアンロック指示信号が入力されたときに、キースイッチがオフで、かつ、ドアがロック状態である場合には、ユーザが車両(2)に乗り込もうとしている状態であると判定し、照射方向指示装置(13)に対してユーザが車両(2)に乗り込む際のメッセージの内容を伝えることができる。
【0009】
また、電子制御装置(20)は、窓の開閉状態を示す信号、キースイッチのオンオフを示す信号、ドアがロック状態であるかアンロック状態であるかを示す信号を取得し、窓が開状態であり、キースイッチがオフで、かつ、ドアがロック状態である場合には、ユーザが車両(2)から降りようとしているときに窓を閉め忘れている状態であると判定し、照射方向指示装置(13)に窓の閉め忘れを注意するメッセージの内容を伝えることができる。
【0010】
このような車外情報表示装置における光方向調整装置(12)および照射方向指示装置(13)を、例えば、運転席側のドアミラー(3)に搭載することができる。また、光方向調整装置(12)および照射方向指示装置(13)をバックドアミラー(4)に搭載しても良い。さらに、光方向調整装置(12)および照射方向指示装置(13)と共に、可視光ビーム照射装置(11)を一体化した光照射モジュールとしても良い。
【0011】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
【0013】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。図1および図2は、本実施形態にかかる車外情報表示装置を示した図である。図1は、車外情報表示装置における光照射モジュール1の車両への搭載形態の一例を示した図であり、図1(a)は、車両後方から視たときの模式図、図1(b)は、車両側方から視たときの模式図である。また、図2は、光照射モジュール1を含めた車外情報表示装置のブロック構成を示した図である。
【0014】
図1(a)、(b)に示すように、車両2の運転席側のドアミラー3に車外情報表示装置における照射モジュールが内蔵されている。光照射モジュール1は、可視光ビームを車体の外板もしくは地面に向けて照射するものである。この光照射モジュール1により照射される可視光ビームにて車外への情報表示が行われることで、ユーザに対して情報を提供することが可能となり、車外ともコミュニケーションが図れるようになっている。
【0015】
光照射モジュール1は、図2に示すように、可視光ビーム照射装置11、光方向調整装置12および照射方向指示装置13が一体化された構成とされている。
【0016】
可視光ビーム照射装置11は、ドアミラー3から車体の外板、例えばドアに対して可視光ビームを照射するためのものであり、例えば、可視光ビームとしてレーザを発光するレーザ発光装置により構成される。勿論、可視光ビームとしてはレーザ以外のもの、例えばLEDや白熱灯の発する可視光を集光して情報の表示ができる形態にしたようなものであれば、他の可視光ビームを照射する可視光ビーム照射装置11であっても構わない。
【0017】
光方向調整装置12は、可視光ビーム照射装置11に対して可視光ビームの照射を要求する要求信号を出力すると共に、可視光ビーム照射装置11が照射する可視光ビームを様々な角度に反射もしくは屈曲させて可視光ビームの向きを調整するものであり、例えばカルバノミラーやプロジェクタなどの分野において用いられているTexas Instruments(TI)社製のDLP(登録商標)方式のデジタルプロジェクタなどで構成される。
【0018】
照射方向指示装置13は、光方向調整装置12に対して可視光ビームの調整すべき向きを指示する指示信号を出力するものである。この照射方向指示装置13は、例えばCPU、ROM、RAM、I/Oなどを備えた周知のマイクロコンピュータによって構成され、ROMなどに記憶されたプログラムに従って可視光ビームの発光による車外への情報表示を要求する照射指示フレームを受信し、この照射指示フレームに示された内容に則した指示信号を光方向調整装置12に伝える。例えば、照射指示フレームには、情報表示して欲しいメッセージの内容と共にメッセージ照射を開始することを指示するフレームや、メッセージ照射を停止することを指示するフレームが含まれているため、これらを実現するための指示信号が照射方向指示装置13から出力されるようになっている。
【0019】
このような構成により、照射方向指示装置13からの指示信号が光方向調整装置12に入力されると、光方向調整装置12から可視光ビーム照射装置11に向けて可視光ビームの照射を要求する要求信号が出力され、可視光ビーム照射装置11からの可視光ビームの発光に伴って光方向調整装置12がその可視光ビームの反射もしくは屈曲させる向きを調整する。これにより、可視光ビームにより、文字、記号、絵柄などの情報が表示され、ユーザに対して所望の情報を提供することが可能となる。なお、このような光照射モジュール1は、例えば、上述した特許文献1に示されたレーザによる車外表示出力部等において公知なものであるため、具体的な構造などに関しては説明を省略する。
【0020】
また、図2に示すように、光照射モジュール1は、車両2に備えられた各種制御や情報入力を実行する電子制御装置(以下、ECUという)20とケーブルもしくは無線による車両LAN30を通じて接続されており、車両LAN30を通じて各ECU20から照射方向指示装置13に対し、情報表示に必要な各種情報が伝えられる構成とされている。
【0021】
具体的には、各ECU20では、各種センサや操作SW、もしくは入力信号に基づき、車両状態情報や車両周辺情報さらには車室内情報などを取得している。このため、各種ECU20は、取得した各種情報の少なくとも1つに基づいて照射指示フレームを作成し、車両LAN30を通じて、その照射指示フレームを照射方向指示装置13に伝えるように構成されている。このとき、照射指示フレームが照射方向指示装置13で実行して欲しい内容を格納したフレームであるということを照射方向指示装置13側で認識できるように、照射方向指示装置13で実行すべき内容であることを示すノード(アドレスに相当するものであり、以下、自ノードという)を添付して、情報表示して欲しいメッセージの内容やメッセージ照射を開始することもしくはメッセージ照射を停止することを指示する内容を格納した照射指示フレームを伝えている。
【0022】
続いて、本実施形態の車外情報表示装置の作動について説明する。図3は、照射方向指示装置13にて実行される情報表示処理のフローチャートである。この情報表示処理は、上述した照射方向指示装置13に記憶されたプログラムに相当するものであり、例えば、イグニッションスイッチのオン、オフに関わらず、所定の演算周期毎に定期的に実行される。
【0023】
まず、ステップ100では、車両LAN30を通じて自ノード宛てフレームを受信する。すなわち、車両LAN30には様々なデータが格納されたフレームが伝達されているが、その中から照射方向指示装置13に宛てて送られたフレームを自ノードが付されているか否かを確認することにより判別し、受信する。
【0024】
続く、ステップ110では、受信したフレームに、メッセージ照射開始指示フレームが含まれているか否かを判定する。メッセージ照射開始指示フレームとは、各種ECU20から伝えられた照射指示フレームにメッセージ照射開始を指示する内容が含まれたフレームのことである。メッセージ照射開始指示フレームを受信した場合には、本ステップで肯定判定され、受信していない場合には、本ステップで否定判定される。そして、本ステップで肯定判定された場合にはステップ120に進み、否定判定された場合にはそのまま処理を終了する。
【0025】
ステップ120では、メッセージ照射開始指示フレームに格納されたメッセージに対応する照射方向、照射パターンのデータをテーブルより引き当て決定する。この照射方向や照射パターンのテーブルは、照射方向指示装置13のROMなどに予め記憶されており、例えばメッセージの内容と対応して、そのメッセージを表示するための可視光ビームの角度や可視光ビームの照射長さ、照射タイミング等の関係がデータとして示されている。
【0026】
次に、ステップ130に進み、ステップ120で決定した照射方向および照射パターンのデータに従い、光方向調整装置12に対して指示信号を出力する。これにより、光方向調整装置12から可視光ビーム照射装置11に向けて可視光ビームの照射を要求する要求信号が出力されることで、所望の可視光ビームが照射され、光方向調整装置12にてその可視光ビームの角度が調整されることで、照射指示フレームに格納された内容のメッセージが情報表示される。
【0027】
そして、ステップ140に進み、受信したフレームにメッセージ照射停止指示フレームが含まれているか否かを判定する。メッセージ照射停止指示フレームとは、各種ECU20から伝えられた照射指示フレームにメッセージ照射停止を指示する内容が含まれたフレームのことである。メッセージ照射停止指示フレームを受信した場合には、本ステップで肯定判定され、受信していない場合には、本ステップで否定判定される。そして、本ステップで肯定判定された場合にはステップ150に進み、否定判定された場合にはそのまま処理を終了する。
【0028】
この後、ステップ150において、ビーム照射停止を指示すべく、光方向調整装置12に対して指示信号を出力する。これにより、メッセージの照射が終了となる。
【0029】
以上のような車外情報表示装置の具体的な適用例について説明する。図4は、車外情報表示装置の適用例を示したブロック図であり、この図を参照して、本実施形態の車外情報表示装置の作動例について説明する。
【0030】
図4に示すように、ここでは上述した各種ECU20として、ワイヤレスキー(リモートキー)のドアのロック/アンロックを制御するワイヤレスECU21およびドアの開閉状態や窓の開閉状態の認識および制御を行うドアECU22を用いる場合を例に挙げる。これらワイヤレスECU21やドアECU22からの要求に基づく車外への情報表示は、以下のように行っている。
【0031】
具体的には、ワイヤレスECU21は、ワイヤレスキーから電波にて送られてくるドアのロック指示信号もしくはアンロック指示信号を受信したり、キースイッチ(イグニッションキーのことであり、スマートキーシステムにおけるプッシュスイッチの場合には、イグニッションキーに相当する情報が該当する)のオンオフを示す信号を取得したり、ドアがロック状態であるかアンロック状態であるかを示す信号を取得している。これらのうち、ドアのロック指示信号もしくはアンロック指示信号、キースイッチのオンオフを示す信号、ドアがロック状態であるかアンロック状態であるかを示す信号が車両状態情報となる。これらの信号に基づいて、ワイヤレスECU21は、ワイヤレスキーからドアのアンロック指示信号が入力されたときに、キースイッチがオフで、かつ、ドアがロック状態である場合には、ユーザが車両2に乗り込もうとしている状態であると判定し、照射方向指示装置13に対して、“Welcome”というメッセージを示すことを指示するメッセージ照射開始指示フレームを伝える。そして、このメッセージの照射を停止するとき、例えば、メッセージ照射開始指示フレームを伝えてから所定時間経過したときなどに、照射方向指示装置13に対して、メッセージの照射停止を指示するメッセージ照射停止指示フレームを伝える。
【0032】
また、ドアECU22は、窓の開閉状態を示す信号を取得したり、キースイッチのオンオフを示す信号を取得したり、ドアがロック状態であるかアンロック状態であるかを示す信号を取得している。これらのうち、キースイッチのオンオフを示す信号、窓の開閉情報やドアがロック状態であるかアンロック状態であるかを示す信号が車両状態情報となる。このため、ドアECU22は、これらの信号に基づいて、例えば、左後方のドアの窓が開状態であり、キースイッチがオフで、かつ、ドアがロック状態である場合には、ユーザが車両2から降りようとしているときに左後方の窓を閉め忘れている状態であると判定し、照射方向指示装置13に対して、左後方の窓の閉め忘れを意味する“RR Open”というメッセージを示すことを指示するメッセージ照射開始指示フレームを伝える。そして、このメッセージの照射を停止するとき、例えば、メッセージ照射開始指示フレームを伝えてから所定時間経過したときなどに、照射方向指示装置13に対して、メッセージの照射停止を指示するメッセージ照射停止指示フレームを伝える。
【0033】
このような照射指示フレームが伝えられると、照射方向指示装置13にて、その照射指示フレームに格納されたメッセージの内容やメッセージ照射開始の指示およびメッセージ照射停止の指示が認識される。これにより、照射パターンのテーブルから、“Welcome”もしくは“RR Open”のメッセージを表示するための可視光ビームの角度や可視光ビームの照射長さ、照射タイミング等の関係が決定され、図4に示すように、可視光ビーム照射装置11から照射される可視光ビームの方向が光方向調整装置12にて調整され、“Welcome”もしくは“RR Open”というメッセージが表示される。例えば、図1(b)に示されるように、ドアの外板に“Welcome”というメッセージが表示される。
【0034】
以上説明したように、本実施形態の車外情報表示装置によれば、例えば車両状態情報、車両周辺情報、車室内情報の少なくとも1つを用いてユーザの状態を認識し、それに基づき、光を用いて車外にメッセージなどの情報表示を行うことで、車外とのコミュニケーションを図ることが可能となる。
【0035】
(他の実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。上記実施形態では、光照射モジュール1をドアミラー3に搭載する場合について説明したが、1BOXタイプの車両2などに備えられるバックドアミラー4に対して光照射モジュール1を搭載しても良い。図5は、バックドアミラー4に対して光照射モジュール1を搭載した場合を示した図であり、図5(a)は、車両後方から視たときの模式図、図5(b)は、車両側方から視たときの模式図である。この図に示すように、バックドアミラー4に光照射モジュール1を搭載し、バックドアの外板や路面に対して、光照射モジュール1にて情報表示を行うこともできる。例えば、キースイッチがONの状態のまま運転席以外の座席のドアが開閉した後、再び車両2が走行するような場合に、図5(a)に示すように“Thank You”等のメッセージを表示することができる。
【0036】
勿論、光照射モジュール1は、ドアミラー3やバックドアミラー4に限るものではなく、例えばバスなどの大型車両2のフロントミラーに搭載したり、車両2の他の場所に搭載しても構わない。
【0037】
また、上記実施形態では、ユーザが車両2に乗り込む際のメッセージとして“Welcome”を表示したり、ユーザが車両2から降りる際のメッセージとして窓の閉め忘れの注意メッセージである“RR Open”や乗車ありがとうなどの感謝メッセージである“Thank You”を示したが、これらも単なる一例であり、どのようなメッセージであっても良い。
【0038】
また、上記実施形態では、車両状態情報、車両周辺情報、車室内情報の少なくとも1つを用いてユーザの状態を認識する一例として、ワイヤレスECU21やドアECU22での処理を上げて説明したが、これらは単なる一例を示したものに過ぎず、他のECUや他の処理により車外情報表示装置での情報表示を行っても良い。
【0039】
また、上記実施形態では、可視光ビーム照射装置11を備えた光照射モジュール1としたが、光照射モジュール1を構成する個々の装置を別体として構成しても良い。そして、可視光ビーム照射装置11を車室内の過度に高温にならない場所(例えばトランクルーム内)に搭載するようにしても良い。可視光ビーム照射装置11は、熱に弱いため、過度に高温になるような場所は好ましくない。このため、可視光ビーム照射装置11を車室内の過度に高温にならない場所に配置すると好ましい。このように可視光ビーム照射装置11を光方向調整装置12などと異なる場所に配置する場合、可視光ビーム照射装置11から照射される可視光ビームを光ファイバなどで光方向調整装置12側に導くようにすれば良い。ただし、上記各実施形態のように、可視光ビーム装置11がドアミラー2やバックドアミラー4に搭載される場合には、過度に高温にならないため、これらの場所であっても問題ない。
【0040】
上記では、車両状態情報として、ドアのロック指示信号もしくはアンロック指示信号、キースイッチのオンオフを示す信号、ドアがロック状態であるかアンロック状態であるかを示す信号、窓の開閉情報を示す信号を例に挙げたが、その他のものを利用しても良い。また、車両周辺情報や車室内情報を用いた具体的な情報表示について記載していないが、障害物の有無、照度、天候、交通情報など、自車両以外の周辺情報を車両周辺情報として用いることができ、乗員の有無、乗員の状態、車室内温度等、車室内で発生する情報を車室内情報として用いることができる。
【0041】
なお、各図中に示したステップは、各種処理を実行する手段に対応するものである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる車外情報表示装置に備えられた光照射モジュール1の車両への搭載形態の一例を示した図であり、(a)は、車両後方から視たときの模式図、(b)は、車両側方から視たときの模式図である。
【図2】光照射モジュール1を含めた車外情報表示装置のブロック構成を示した図である。
【図3】照射方向指示装置にて実行される情報表示処理のフローチャートである。
【図4】車外情報表示装置の適用例を示したブロック図である。
【図5】他の実施形態で説明するバックドアミラーに対して光照射モジュール1を搭載した場合を示した図であり、(a)は、車両後方から視たときの模式図、(b)は、車両側方から視たときの模式図である。
【符号の説明】
【0043】
1…光照射モジュール、2…車両、3…ドアミラー、4…バックドアミラー、11…可視光ビーム照射装置、12…光方向調整装置、13…照射方向指示装置、20…ECU、21…ワイヤレスECU、22…ドアECU、30…車両LAN。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(2)の外部に可視光ビームを照射する可視光ビーム照射装置(11)と、
前記可視光ビーム照射装置(11)が照射する前記可視光ビームの角度を調整する光方向調整装置(12)と、
前記光方向調整装置(12)に対して前記可視光ビームの角度の調整に用いる照射方向および照射パターンのデータを出力する照射方向指示装置(13)とを備え、
車両状態情報、車両周辺情報、車室内情報の少なくとも1つに基づいてユーザの状態を認識する電子制御装置(20)から、認識した前記ユーザの状態に応じたメッセージの内容を前記照射方向指示装置(13)に対して伝え、該電子制御装置(20)から伝えられた前記メッセージの内容に基づき、前記照射方向指示装置(13)が前記光方向調整装置(12)に前記照射方向および照射パターンのデータを出力し、前記光方向調整装置(12)にて、前記可視光ビーム照射装置(11)が照射する前記可視光ビームの角度を調整し、前記可視光ビームの照射により前記車両(2)の外部に前記メッセージを表示することを特徴とする車外情報表示装置。
【請求項2】
前記電子制御装置(20)は、ドアのロック指示信号もしくはアンロック指示信号、キースイッチのオンオフを示す信号、前記ドアがロック状態であるかアンロック状態であるかを示す信号を取得し、前記ドアのアンロック指示信号が入力されたときに、前記キースイッチがオフで、かつ、前記ドアがロック状態である場合には、前記ユーザが前記車両(2)に乗り込もうとしている状態であると判定し、前記照射方向指示装置(13)に対して前記ユーザが前記車両(2)に乗り込む際のメッセージの内容を伝えることを特徴とする請求項1に記載の車外情報表示装置。
【請求項3】
前記電子制御装置(20)は、窓の開閉状態を示す信号、キースイッチのオンオフを示す信号、ドアがロック状態であるかアンロック状態であるかを示す信号を取得し、前記窓が開状態であり、前記キースイッチがオフで、かつ、前記ドアがロック状態である場合には、前記ユーザが車両(2)から降りようとしているときに前記窓を閉め忘れている状態であると判定し、前記照射方向指示装置(13)に前記窓の閉め忘れを注意するメッセージの内容を伝えることを特徴とする請求項1または2に記載の車外情報表示装置。
【請求項4】
前記光方向調整装置(12)および前記照射方向指示装置(13)は、運転席側のドアミラー(3)に搭載されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車外情報表示装置。
【請求項5】
前記光方向調整装置(12)および前記照射方向指示装置(13)は、バックドアミラー(4)に搭載されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車外情報表示装置。
【請求項6】
前記光方向調整装置(12)および前記照射方向指示装置(13)と共に、前記可視光ビーム照射装置(11)が一体化された光照射モジュール(1)とされていることを特徴とする請求項4または5に記載の車外情報表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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