説明

車載無線通信装置

【課題】ユーザが所持する通信器からの無線信号を受信して、車輌のドアの施錠/開錠、及び開閉等を行う際に、盗難防止及び防犯等の信頼性が高く、また、開制御したドアが付近の人又は他車輌等接触又は衝突する虞のない安全性の高い車載無線通信装置を提供する。
【解決手段】車載無線通信装置3は、受信アンテナ37の向きを向き調整部36にて調整することにより、受信範囲の切り替えを行う。各受信範囲での通信器1からの無線信号の受信可否、及び受信した無線信号の強度を基に、位置推定部39が通信器1の位置を推定する。制御部31は、推定結果に応じてドアロック制御部34及びドア開閉制御部35によりドア機構50を動作させ、車輌のドアの施錠/開錠、及び開閉を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが所持する可搬型の通信器から無線信号を受信して、車輌のドアの施錠/開錠等を制御することができる車載無線通信装置を提供する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが所持するキーホルダ型などの通信器から車両へ無線信号を送信することによって、車輌のドアの施錠/開錠を遠隔操作することができるシステム、所謂キーレスエントリシステムが普及している。また、近年においては、車輌のドアの施錠/開錠のみでなく、車輌のドアの開閉を通信器の遠隔操作により自動的に行うことができるシステムも実用化されている。このシステムでは、ユーザは機械的な鍵を鍵穴に差し込んで施錠/開錠の操作を行う必要がないため、特に夜間などにおいて利便性が高い。
【0003】
しかし、上述のシステムでは、ユーザが車輌から離れた位置でドアの開錠を行うことができるため、ユーザが通信器を誤操作して車輌のドアが開錠された場合に、ユーザが開錠に気付かない虞がある。また、このシステムでは、通信器の操作によって車輌に設けられた全てのドアが開錠される場合が多い。よって、これらのシステムでは、盗難防止及び防犯等に対する信頼性が低いという問題があった。また、通信器の操作によりドアの開閉を自動的に行うシステムでは、例えば車輌後部のドアが通信器の誤操作により自動的に開いた場合に、ドア付近の人又は後方の他車輌等にドアが接触又は衝突する虞があり、安全性に問題があった。
【0004】
特許文献1においては、遠隔操作用送信機を所持する使用者と車輌との間の距離に応じて制御動作を切り替えることができる遠隔操作用車載装置が提案されている。この遠隔操作用車載装置は、送信機から無線送信される指令信号に応じてドアの施錠・開錠及びバックドアの開駆動を自動的に行うが、受信機にて受信した指令信号の信号強度をRSSI(Received Signal Strength Indicator)回路を用いて検出し、信号強度が大きく使用者が車輌付近にいるときは、ドアの施錠・開錠の制御結果をブザーにて報知する。信号強度が小さく使用者が車輌から離れているときには、ドアの施錠・開錠の制御結果をハザードランプの点滅にて報知する。また、ドアの開駆動は、指令信号の信号強度が大きく、使用者が車輌付近にいるときにのみ許可する。
【特許文献1】特開2002−129794号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の遠隔操作用車載装置は、遠隔操作用送信機を所持する使用者と車輌との間の距離に応じてドアの施錠・開錠の報知方法を切り替えるため、遠隔操作用送信機の誤操作によりドアが開錠された場合であっても、使用者が誤操作に気付く可能性が高く、盗難防止及び防犯等に対する信頼性を高めることができる。また、バックドアが誤って開駆動されることが防止されるため、安全性を高めることができる。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の遠隔操作用車載装置は、使用者と車輌との間の距離のみで制御動作を切り替える構成であり、使用者が車輌から離れた場所にいる場合であってもドアの開錠が行われるため、盗難防止及び防犯等に対する信頼性の向上には不十分であった。また、車輌の前方に使用者がいる場合であっても、使用者が車輌付近にいればバックドアが開駆動されるため、安全性の向上についても不十分であった。
【0007】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、ユーザが所持する通信器からの無線信号を受信する受信手段の受信範囲を切り替え、各受信範囲での受信結果に応じて通信器の位置を推定し、推定結果に応じて車載機器の動作を制御する構成とすることにより、ユーザによる通信器の誤操作に伴って行われる車載機器の誤動作による信頼性及び安全性の低下を低減できる車載無線通信装置を提供することにある。
【0008】
また本発明の他の目的とするところは、無線信号を受信するアンテナの向き又は位置を調整して、無線信号の受信範囲を変化させる構成とすることにより、受信手段の受信範囲の切り替えを確実に行うことができる車載無線通信装置を提供することにある。
【0009】
また本発明の他の目的とするところは、無線信号を受信するアンテナが車輌に複数設けられている場合に、複数のアンテナを切り替えて利用し、無線信号の受信を行う構成とすることにより、受信手段の受信範囲の切り替えを容易に行うことができる車載無線通信装置を提供することにある。
【0010】
また本発明の他の目的とするところは、無線信号の受信範囲を切り替えて、各受信範囲での通信器からの無線信号の受信可否、及び/又は受信した無線信号の強度に応じて、車輌に対する通信器の位置を推定する構成とすることにより、通信器の位置を精度よく推定することができる車載無線通信装置を提供することにある。
【0011】
また本発明の他の目的とするところは、車輌に対する通信器の位置を推定して、推定した位置に応じて車輌のドアの施錠/開錠、又はドアの開閉を制御する構成とすることにより、通信器の位置、即ちユーザの位置に適したドアの制御を行うことができる車載無線通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1発明に係る車載無線通信装置は、車輌に搭載され、可搬型の通信器から送信される無線信号を受信する受信手段と、該受信手段が受信した無線信号に応じて前記車輌に搭載された機器の動作を制御する制御手段とを備える車載無線通信装置において、前記受信手段が無線信号を受信することができる受信範囲を、複数の受信範囲から切り替える切替手段と、該切替手段により切り替えられた各受信範囲での受信結果に応じて、前記車輌に対する前記通信器の位置を推定する位置推定手段とを備え、前記制御手段は、前記位置推定手段が推定した前記通信器の位置に応じて前記機器の動作を制御するようにしてあることを特徴とする。
【0013】
本発明においては、ユーザが所持する通信器の無線信号を受信する受信手段を備えて、車載無線通信装置が受信した無線信号に応じて車輌に搭載された種々の機器の制御を行う。この場合に、車載無線通信装置は、受信手段が無線信号を受信可能な範囲を複数の受信範囲に切り替える。異なる受信範囲に切り替えて、各受信範囲における無線信号の受信可否などの受信結果を基に、いずれの受信範囲に通信器が存在するかを調べることによって、通信器の位置を推定することができる。これにより、車載無線通信装置は、通信器の位置、即ちこれを所持するユーザの位置に応じて、車輌の機器を制御することができる。
【0014】
また、第2発明に係る車載無線通信装置は、前記受信手段が、無線信号を受信するアンテナを有し、前記切替手段は、前記アンテナの向き又は位置を調整して受信範囲の切り替えを行うようにしてあることを特徴とする。
【0015】
本発明においては、無線信号を受信するアンテナの向き又は位置を調整することによって、受信手段の受信範囲の切り替えを行う。車載無線通信装置が有するアンテナが1つの場合であっても、受信範囲を変化させて通信器の位置を推定することができる。
【0016】
また、第3発明に係る車載無線通信装置は、前記受信手段が、無線信号を受信するアンテナを複数有し、前記切替手段は、受信に用いるアンテナを切り替えて受信範囲の切り替えを行うようにしてあることを特徴とする。
【0017】
本発明においては、無線信号を受信するアンテナを車輌に複数搭載し、無線信号の受信に用いるアンテナを切り替えることによって受信手段の受信範囲を切り替える。車載無線通信装置は、容易な処理で確実に通信器の位置を推定することができる。
【0018】
また、第4発明に係る車載無線通信装置は、前記位置推定手段が、前記切替手段により切り替えられた各受信範囲にて、前記受信手段による無線信号の受信の可否及び/又は受信した無線信号の強度に応じて、前記車輌に対する前記通信器の位置を推定するようにしてあることを特徴とする。
【0019】
本発明においては、受信手段の受信範囲を切り替え、各受信範囲における通信器からの無線信号の受信の可否、及び/又は受信した無線信号の強度を調べる。異なる複数の受信範囲のいずれにて無線信号が受信されるかにより、通信器がいずれの受信範囲内に位置するかを判断することができる。また、受信した無線信号の強度を調べることにより、受信手段から通信器までの距離を算出することができる。これらの受信結果から、通信器の位置を精度よく推定することができる。
【0020】
また、第5発明に係る車載無線通信装置は、前記制御手段が、前記位置推定手段が推定した前記通信器の位置に応じた前記車輌のドアの施錠/開錠、又はドアの開閉を制御するようにしてあることを特徴とする。
【0021】
本発明においては、推定した通信器の位置に応じて、車輌のドアの施錠/開錠、又はドアの開閉を制御する。推定した通信器の位置はユーザの位置と考えられるため、例えばユーザの位置に最も近いドアの施錠/開錠、又はドアの開閉を行うなど、ユーザの位置に応じてドアの制御を行うことができる。
【発明の効果】
【0022】
第1発明による場合は、通信器からの無線信号を受信する受信手段の受信範囲を切り替え、各受信範囲での受信結果に応じて通信器の位置を推定し、推定結果に応じて車載機器の動作を制御する構成とすることにより、通信器の位置、即ちこれを所持するユーザの位置に応じて、車輌の機器を制御することができる。よって、車載無線通信装置の利便性を向上することができる。また、例えば制御として車輌のドアの施錠/開錠、又は開閉等を行う場合には、ユーザの位置に応じたドアの開錠/施錠、又は開閉を行うことができるため、盗難防止及び防犯等に対する信頼性の向上及び安全性の向上を実現することができる。
【0023】
また、第2発明による場合は、無線信号を受信するアンテナの向き又は位置を調整して、無線信号の受信範囲を切り替える構成とすることにより、車載無線通信装置が有するアンテナが1つの場合であっても、確実に受信範囲を変化させることができるため、通信器の位置の推定を確実に行うことができる。
【0024】
また、第3発明による場合は、無線信号を受信するアンテナを車輌に複数搭載し、無線信号の受信に用いるアンテナを切り替えることによって受信手段の受信範囲を切り替える構成とすることにより、容易且つ確実に受信範囲を変化させることができるため、通信器の位置の推定を容易且つ確実に行うことができる。
【0025】
また、第4発明による場合は、無線信号の受信範囲を切り替えて、各受信範囲での通信器からの無線信号の受信可否、及び/又は受信した無線信号の強度に応じて、車輌に対する通信器の位置を推定する構成とすることにより、通信器がいずれの受信範囲内に位置するかを判断することができ、また、受信手段から通信器までの距離を算出することができるため、通信器の位置を精度よく推定することができる。よって、車載無線通信器の利便性、信頼性及び安全性等を確実に向上することができる。
【0026】
また、第5発明による場合は、推定した通信器の位置に応じて、車輌のドアの施錠/開錠、又はドアの開閉を制御する構成とすることにより、ユーザの位置に応じてドアの制御を行うことができる。よって、ユーザが車輌から離れた場所にいる場合に気付かずにドアの開錠が行われるなどの誤操作を防止することができるため、盗難防止及び防犯等に対する信頼性を向上することができる。また、ユーザが車輌の前方にいる場合にバックドアが開駆動されるなどの誤操作を防止することができ、ドア付近の人又は車輌等にドアが接触又は衝突することを防止できるため、安全性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
(実施の形態1)
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る車載無線通信装置の構成を示すブロック図である。図において3は車載無線通信装置であり、車輌60(図2にて図示する)の適所に搭載されている。車載無線通信装置3は、ユーザが所持する通信器1から無線信号により送信されるドアの開錠/施錠の要求、又はドアの開閉の要求等を受信し、受信内容に応じてドア機構50の制御を行うようにしてある。
【0028】
通信器1は、例えば車輌60のキー又はこのキーに取り付けられたキーホルダ等に内蔵されており、一又は複数のスイッチで構成される操作部11をユーザが操作することによって、車輌60の車載無線通信装置3との間で無線通信を行い、車輌60からはなれた場所からドアの施錠/開錠、又はドアの開閉を行うものである。通信器1は、操作部11、制御部12、ROM(Read Only Memory)13、送信部14及び送信アンテナ15等を有している。
【0029】
上述のように、操作部11は、例えば車輌60のドアの施錠スイッチ、開錠スイッチ、及びドアの開閉スイッチ等のスイッチを有している。操作部11は、これらのスイッチに対するユーザの操作を検知し、ユーザの操作がなされた場合には、操作されたスイッチに応じた電気信号を検知結果として制御部12へ出力するようにしてある。なお、通信器1の操作部11に設けるスイッチは上記のものに限らない。
【0030】
制御部12は、小規模なCPU(Central Processing Unit)などで構成されるものであり、操作部11から与えられるスイッチ操作の検知結果に応じて、送信部14の動作を制御して無線信号の送信を行うようにしてある。制御部12は、操作部11に対するユーザの操作内容に応じた制御命令と、通信器1に付されたID(IDentifier)とを、予め定められた暗号鍵情報を基に暗号化して送信データを作成して送信部14へ与えるようにしてある。なお、ID及び暗号鍵情報等はROM13に予め記憶してある。ROM13は、例えばマスクROM又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)等で構成されている。
【0031】
送信部14は、制御部12から与えられた送信データを所定周波数(例えば300MHz程度)の無線信号として送信アンテナ15から送信する処理を行うようにしてある。図示は省略するが、送信部14は、送信データを所定周波数の信号に変調する変調回路、及び変調された信号を増幅して送信アンテナ15から出力するための出力アンプ等を有している。なお、ユーザが操作部11を操作した場合に、制御部12は送信データを一定の期間に繰り返し送信部14から無線送信するようにしてある。
【0032】
車輌60に搭載される車載無線通信装置3は、制御部31、ROM32、RAM(Random Access Memory)33、ドアロック制御部34、ドア開閉制御部35、向き調整部36、受信アンテナ37、受信部38及び位置推定部39等を備えている。制御部31は、車載無線通信装置3の各部の動作を制御するものである。具体的には、制御部31はCPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)等により構成してあり、ROM32に予め記憶されたプログラム及びデータを読み出して実行することにより、種々の制御処理及び演算処理等を行うようにしてある。
【0033】
ROM32は、EEPROM又はフラッシュメモリ等の書換可能な不揮発性のメモリ素子により構成してあり、車載無線通信装置3の動作に必要な種々のソフトウェアプログラムが予め記憶してあるとともに、通信器1との通信に必要なID又は暗号鍵情報等が予め記憶してある。また、RAM33は、制御部31が制御処理又は演算処理等を行う際に発生する一時的なデータを記憶するものであり、SRAM(Static RAM)又はDRAM(Dynamic RAM)等の書き換え可能な大容量のメモリ素子により構成してある。
【0034】
また、車輌60にはドアの施錠/開錠、及び開閉(開のみであってもよい)等を行うドア機構50が搭載してある。ドア機構50は、図示しないアクチュエータ又は歯車機構等を備えると共に、通信線などを介して車載無線通信装置3と通信を行う機能を備えており、車載無線通信装置3から与えられる動作命令に従ってアクチュエータ又は歯車機構等を動作させ、ドアの施錠/開錠、及び開閉等を行うようにしてある。
【0035】
制御部31は、ドアロック制御部34により通信線を介してドア機構50へドアの施錠命令/開錠命令を与えることによって、車輌60のドアの施錠/開錠を行うようにしてある。同様に、制御部31は、ドア開閉制御部35により通信線を介してドア機構50へドアの開命令/閉命令を与えることによって、車輌60のドアの開閉を行うようにしてある。なお、車載無線通信装置3は、ドアロック制御部34を備えてドア開閉制御部35を備えない構成としてもよく、この場合にはユーザは通信器1により車両60の施錠/開錠のみを行うことができる。
【0036】
受信アンテナ37は、例えば車輌60の運転席近傍の天井付近などに設置され、通信器1から送信される無線信号を受信するためのものである。詳細は後述するが、受信アンテナ37が通信器1からの無線信号を受信可能な受信範囲は予め限られた範囲に設定してある。また、車載無線通信装置3には受信アンテナ37の向きを調整する向き調整部36が備えてあり、向き調整部36が受信アンテナ37の向きを調整することによって、受信アンテナ37の受信範囲を変更することができるようにしてある。向き調整部36は、アクチュエータ又は歯車機構等により構成されており、制御部31の制御に応じてアクチュエータ又は歯車機構等を動作させるようにしてある。受信アンテナ37にて受信された無線信号は受信部38へ与えられる。なお、本実施の形態においては受信アンテナ37を車輌60の天井付近に設置する構成とするが、これに限るものではなく、例えば車輌60のインストルメントパネル内、ルームミラー、又はピラー等の他の位置に受信アンテナ37を搭載する構成としてもよい。
【0037】
受信部38は、受信アンテナ37により受信された所定周波数の信号を増幅する増幅回路、及び増幅された信号を復調して通信器1からの送信データを取得する復調回路等を有しており、復調したデータを制御部31へ与えるようにしてある。また、受信部38は、受信アンテナ37の受信範囲を変更した場合の各受信結果を位置推定部39へ与えると共に、受信した無線信号の信号強度を検出し、検出結果をRSSI(Received Signal Strength Indicator)信号として位置推定部39へ与えるようにしてある。
【0038】
図2は、本発明の実施の形態1に係る車載無線通信装置3の位置推定部39による通信器1の位置推定方法を説明するための模式図である。なお、図2においては、図の上側を車輌60の前方とし、下側を後方とする。また、図3は、本発明の実施の形態1に係る車載無線通信装置の位置推定部39による通信器1の位置推定方法を説明するための図表であり、受信部38から位置推定部39へ与えられる受信結果(各受信範囲での受信可否、及びRSSI値)と、通信器1の位置の推定結果と、この推定結果に基づく車輌60のドアに係る制御内容とが対応付けて記載してある。なお、本実施の形態においては、通信器1により車輌60のドアの施錠/開錠と、ドアの開動作とをユーザが行うことができ、ドアの閉動作は行わない構成とするが、これに限るものではなく、ドアの閉動作を通信器1の操作により行うことができる構成としてもよい。
【0039】
車載無線通信装置3の受信アンテナ37は、車輌60の右前側座席(運転席)近傍の天井部分に搭載してある。受信アンテナ37は、上述のように受信範囲が限られていると共に、向き調整部36が向きを調整することによって受信範囲を変更することができるようにしてある。図示の車載無線通信装置3では、受信アンテナ37の受信範囲を破線で示す受信範囲Aと、一点鎖線で示す受信範囲Bとの2つの範囲に切り替えることができるようにしてある。受信範囲Aは、車輌60の前後左右をカバーする範囲であるが、車輌60の左側方を広くカバーし、右側方を若干狭くカバーする範囲にしてある。受信範囲Bは、車輌60の右側方のみを広くカバーする範囲にしてある。受信範囲A及び受信範囲Bは、一方の範囲が他方の範囲を全て包含するのではなく、一部が重複するように又は全く重複しないように設定する。
【0040】
向き調整部36は周期的に受信アンテナ37の向きを調整して無線信号の受信範囲を切り替えるようにしてある。受信部38は、受信範囲A又は受信範囲Bのいずれか一方の範囲で無線信号を受信した場合、更に他方の範囲での無線信号を行い、受信範囲A及び受信範囲Bの各範囲での受信の可否、及び受信した無線信号に係るRSSI信号を位置推定部39へ与える。
【0041】
位置推定部39は、受信部38から与えられる受信範囲Aの場合の受信結果及び受信範囲Bの場合の受信結果を基に、通信器1が車輌60の周囲のいずれに位置しているかを推定し、推定結果を制御部31へ与えるようにしてある。まず、位置推定部39は、受信範囲Aでの受信の可否及び受信範囲Bでの受信の可否から、通信器1が車輌60の右側近辺に位置しているか、右側遠方に位置しているか、又は車輌60の前・左・後側に位置しているかを推定する。
【0042】
受信範囲Aにおいて受信アンテナ37にて通信器1からの無線信号を受信し、且つ、受信範囲Bにおいて通信器1からの無線信号を受信した場合、位置推定部39は通信器1が車輌60の右側近辺に位置すると推定することができる。受信範囲Aにおいて通信器1からの無線信号を受信したが、受信範囲Bにおいて通信器1からの無線信号を受信しない場合、位置推定部39は通信器1が車輌60の前・左・後側に位置すると推定することができる。受信範囲Bにおいて通信器1からの無線信号を受信したが、受信範囲Aにおいて通信器1からの無線信号を受信しない場合、位置推定部39は通信器1が車輌60の右側遠方に位置すると推定することができる。位置推定部39は推定結果を制御部31へ与えるようにしてあり、制御部31は与えられた推定結果に応じて車輌60のドアの制御を行うようにしてある。
【0043】
また、位置推定部39は、受信部38から与えられるRSSI信号の値を基に通信器1のより詳細な位置を推定するようにしてある。位置推定部39は、受信する無線信号の信号強度(RSSI信号の値)と、受信アンテナ37から通信器1までの距離とが対応付けられたテーブルを予め記憶しており、受信部38から与えられたRSSI信号の値からこのテーブルを参照し、受信アンテナ37から通信器1までの距離を取得するようにしてある。なお、位置推定部39は、受信アンテナ37が受信範囲Aの受信を行う場合と、受信範囲Bの受信を行う場合とでそれぞれ別のテーブルを用いるようにしてある。
【0044】
例えば、本実施形態の車載無線通信装置の位置推定部39は、受信範囲A及び受信範囲Bでのむ線信号の受信の可否から、通信器1が車輌60の前・左・後側に位置すると推定した場合に、RSSI信号に基づく距離の取得を行って、予め定められた閾値と通信器までの距離との比較を行うようにしてあり、比較結果を制御部31へ与えるようにしてある。制御部31は、与えられた比較結果を基に、通信器1が受信アンテナ37から所定距離以内の近距離に位置する場合と、所定距離を越える遠距離に位置する場合とで、車輌60のドアに対して異なる制御を行うようにしてある。
【0045】
例えば、車輌60のドアの開錠制御において、受信範囲Aにて無線信号が受信され、受信範囲Bにて無線信号が受信されなかった場合で、且つ、RSSI信号による距離が近距離の場合、即ち通信器1が車輌60の前・左・後側近辺に位置すると推定される場合、制御部31は車輌60の左側のドア及び後側のドアの開錠を行う。受信範囲Aにて無線信号が受信され、受信範囲Bにて無線信号が受信されなかった場合で、且つ、RSSI信号による距離が遠距離の場合、即ち通信器1が車輌60の前・左・後側遠方に位置すると推定される場合、制御部31は車輌60の左側のドアの開錠を行う。受信範囲Aにて無線信号が受信されず、受信範囲Bにて無線信号が受信された場合、即ち通信器1が車輌60の右側遠方に位置すると推定される場合、制御部31は車輌60の右側のドアの開錠を行う。また、受信範囲A及び受信範囲Bにて無線信号が受信された場合、即ち通信器1が車輌60の右側近辺に位置すると推定される場合、制御部31は車輌60の全てのドアの開錠を行う。
【0046】
車輌60のドアの施錠制御において、受信範囲A又は受信範囲Bのいずれかで無線信号を受信した場合、即ち通信器1が受信範囲A又は受信範囲Bの範囲内に位置すると推定される場合には、制御部31は車輌60の全てのドアの施錠を行うようにしてある。また、車輌60のドアの開制御において、通信器1が車輌60の前・左・後側近辺に位置すると推定される場合、又は通信器1が車輌60の右側近辺に位置すると推定される場合、制御部31は車輌32の後側ドアの開制御を行うようにしてある。
【0047】
図4は、通信器1が行う送信処理の手順を示すフローチャートである。まず、通信器1の制御部12は、操作部11にユーザの操作がなされたか否かを調べる(ステップS1)。操作部11に対する操作がなされていない場合(S1:NO)、制御部12は操作がなされるまで待機する。操作部11に対する操作がなされた場合(S1:YES)、制御部12は、操作部11に対する操作内容に応じた制御命令と、ROM13に記憶されたIDとを含む送信データを作成し(ステップS2)、作成した送信データをROM13に記憶された暗号鍵情報を基に暗号化する(ステップS3)。
【0048】
次いで、制御部12は、暗号化された送信データを送信部14へ与えて変調し(ステップS4)、送信アンテナ15から無線送信する(ステップS5)。送信完了後、制御部12はこの送信データの無線送信を所定回数行ったか否かを調べ(ステップS6)、所定回数行っていない場合には(S6:NO)、所定時間待機した後(ステップS7)、ステップS5へ戻って無線送信を繰り返し行う。無線送信を所定回数行った場合(S6:YES)、制御部12は送信処理を終了する。なお、図示のフローチャートの処理は通信器1に電力が供給されている間は常に繰り返し行われており、実際には送信処理終了後に制御部12はステップS1に戻って、上述の処理を繰り返し行うようにしてある。
【0049】
図5乃至図7は、本発明の実施の形態1に係る車載無線通信装置3が行う受信処理の手順を示すフローチャートである。なお、本フローチャートにおいては、車載無線通信装置3が車輌60のドアの開錠処理を行う場合のみを図示し、ドアの施錠処理及び開処理については同様の処理であるため図示を省略してある。まず、車載無線通信装置3の制御部31は、向き調整部36により受信アンテナ37の向きを調整して受信範囲を図2に示す受信範囲Aに切り替える(ステップS21)。次いで、制御部31は、受信範囲Aにて通信器1からの無線信号を受信したか否かを調べ(ステップS22)、無線信号を受信していない場合には(S22:NO)、更に受信範囲Aに切り替えてから所定時間が経過したか否かを調べる(ステップS23)。所定時間が経過していない場合には(S23:NO)、ステップS22へ戻って受信範囲Aによる受信を繰り返し行う。
【0050】
受信範囲Aに切り替えてから所定時間が経過した場合(S23:YES)、制御部31は、向き調整部36により受信アンテナ37の向きを調整して受信範囲を受信範囲Bに切り替える(ステップS24)。次いで、制御部31は、受信範囲Bにて通信器1からの無線信号を受信したか否かを調べ(ステップS25)、無線信号を受信していない場合には(S25:NO)、更に受信範囲Bに切り替えてから所定時間が経過したか否かを調べる(ステップS26)。所定時間が経過していない場合には(S26:NO)、ステップS25へ戻って受信範囲Bによる受信を繰り返し行う。受信範囲Bに切り替えてから所定時間が経過した場合(S26:YES)、制御部31はステップS21へ戻って、無線信号を受信するまで上述の処理を繰り返し行う。
【0051】
ステップS22にて受信範囲Aにて通信器1からの無線信号を受信した場合(S22:YES)、制御部31は、向き調整部36により受信アンテナ37の向きを調整して受信範囲を受信範囲Bに切り替えて(ステップS31)、受信範囲Bにて通信器1からの無線信号を受信したか否かを調べる(ステップS32)。無線信号を受信していない場合には(S32:NO)、制御部31は、受信範囲Bに切り替えてから所定時間が経過したか否かを調べる(ステップS33)。所定時間が経過していない場合(S33:NO)、制御部31はステップS32へ戻って受信範囲Bによる受信を繰り返し行う。受信範囲Bにて通信器1からの無線信号を受信した場合(S32:YES)、位置推定部39にて通信器1の位置は車輌60の右側近辺と推定されるため(ステップS34)、制御部31は車輌60の全てのドアの開錠を行って(ステップS35)、受信処理を終了する。
【0052】
受信範囲Bに切り替えてから所定時間が経過した場合(S33:YES)、制御部31は、受信範囲Aにて受信した無線信号の信号強度(RSSI信号)を受信部38から位置推定部39に取得させて(ステップS36)、位置推定部39にてテーブルを参照することにより、受信アンテナ37から通信器1までの距離を取得する(ステップS37)。
【0053】
次いで、制御部31は、位置推定部39にて通信器1までの距離と予め定めた閾値との比較を行って、通信器1までの距離が閾値以下であるか否かを調べる(ステップS38)。通信器1までの距離が閾値以下の場合(S38:YES)、位置推定部39にて通信器1の位置は車輌60の前・左・後側近辺と推定されるため(ステップS39)、制御部31は車輌60の左側のドア及び後側のドアの開錠を行って(ステップS40)、受信処理を終了する。通信器1までの距離が閾値を越える場合(S38:NO)、位置推定部39にて通信器1の位置は車輌60の前・左・後側遠方と推定されるため(ステップS41)、制御部31は車輌60の左側のドアの開錠を行って(ステップS42)、送信処理を終了する。
【0054】
ステップS25にて受信範囲Bにて通信器1からの無線信号を受信した場合(S25:YES)、制御部31は、向き調整部36により受信アンテナ37の向きを調整して受信範囲を受信範囲Aに切り替えて(ステップS51)、受信範囲Aにて通信器1からの無線信号を受信したか否かを調べる(ステップS52)。無線信号を受信していない場合には(S52:NO)、制御部31は、受信範囲Aに切り替えてから所定時間が経過したか否かを調べる(ステップS53)。所定時間が経過していない場合(S53:NO)、制御部31はステップS52へ戻って受信範囲Aによる受信を繰り返し行う。
【0055】
受信範囲Aにて通信器1からの無線信号を受信した場合(S52:YES)、位置推定部39にて通信器1の位置は車輌60の右側近辺と推定されるため(ステップS54)、制御部31は車輌60の全てのドアの開錠を行って(ステップS55)、受信処理を終了する。受信範囲Aに切り替えてから所定時間が経過した場合(S53:YES)、位置推定部39にて通信器1の位置は車輌60の右側遠方と推定されるため(ステップS56)、制御部31は車輌60の右側のドアの開錠を行って(ステップS57)、受信処理を終了する。なお、図示のフローチャートの処理は車載無線通信装置3に電力が供給されている間は常に繰り返し行われており、実際には受信処理終了後に制御部31はステップS21に戻って、上述の処理を繰り返し行うようにしてある。
【0056】
以上の構成の車載無線通信装置3においては、向き調整部36により受信アンテナ37の向きを調整し、無線信号の受信範囲を切り替えることによって、各受信範囲での受信の可否から通信器1の位置、即ちユーザの位置を推定することができる。また、受信した無線信号の強度を基に、受信アンテナ37から通信器1までの距離を取得することにより、通信器1の位置をより精度よく推定することができる。
【0057】
また、推定した位置に応じて、車載無線通信装置3が車輌60のドアの施錠/開錠、及び開閉等を制御することによって、ユーザの位置に応じてドアの制御を行うことができる。例えば、ユーザが車輌60から離れた場所にいる場合に、通信器1を誤操作して車輌60のドアの開錠が行われるなどの誤動作を防止することができるため、盗難防止及び防犯等に対する信頼性を向上することができる。また例えば、ユーザが車輌60の前方にいる場合に、車輌の後部のドアが開駆動されるなどの誤動作を防止することができ、ドア付近の人又は他の車輌等にドアが接触又は衝突することを防止できるため、安全性を向上することができる。
【0058】
なお、本実施の形態においては、車載無線通信装置3が受信アンテナ37の向きを調整することによって受信範囲の切り替えを行う構成としたが、これに限るものではなく、例えば、車輌60における受信アンテナ37の位置を移動するなどの他の方法により受信範囲を切り替える構成としてもよい。また、車載無線通信装置3は、各受信範囲での受信可否と、受信した無線信号の強度との2種の受信結果を基に通信器1の位置を推定する構成としたが、これに限るものではなく、各受信範囲での受信可否又は無線信号の強度のいずれか一方のみを基に通信器1の位置を推定する構成としてもよい。また、車載無線通信装置3は、受信範囲A及び受信範囲Bの2つの受信範囲に切り替えを行う構成としたが、これに限るものではなく、3つ以上の受信範囲に切り替える構成であってもよい。また、図2に示す受信範囲A及び受信範囲Bは一例であってこれに限るものではない。また、図3に示す受信結果と推定結果とドアの制御内容との対応は一例であってこれに限るものではない。
【0059】
(実施の形態2)
実施の形態1の車載無線通信装置3は、1つの受信アンテナ37の受信範囲を切り替える構成であるが、これに限るものではなく、複数の受信アンテナを切り替えて受信を行う構成としてもよい。図8は、本発明の実施の形態2に係る車載無線通信装置103の構成を示すブロック図である。なお、図8においては、ユーザが所持する通信器1は図1と同様の構成であるため、図示を省略してある。実施の形態2に係る車載無線通信装置103は、第1受信アンテナ141及び第2受信アンテナ142の2つのアンテナを有しおり、第1受信アンテナ141及び第2受信アンテナ142は切替部143に接続してある。切替部143は、制御部31の制御に応じて、第1受信アンテナ141又は第2受信アンテナ142のいずれかを切り替えて受信部38に接続するようにしてある。なお、第1受信アンテナ141及び第2受信アンテナ142は、それぞれ車輌60の異なる場所に設置してあり、それぞれの受信範囲が異なるようにしてある。
【0060】
図9は、本発明の実施の形態2に係る車載無線通信装置103の受信範囲を示す模式図である。車載無線通信装置3の第1受信アンテナ141は車輌60の右前側座席近傍の天井部分に搭載してあり、第2受信アンテナ142は左後側座席近傍の天井部分に搭載してある。第1受信アンテナ141の受信範囲Cは車輌60の前方及び右側方を広くカバーする範囲にしてあり、第2受信アンテナ142の受信範囲Dは車輌60の左側方及び後方を広くカバーする範囲にしてある。
【0061】
図10は、本発明の実施の形態2に係る車載無線通信装置103による車輌60のドアの制御内容を示す図表であり、受信部38から位置推定部39へ与えられる受信結果(各受信範囲での受信可否、及びRSSI値)と、通信器1の位置の推定結果と、この推定結果に基づく車輌60のドアに係る制御内容とが対応付けて記載してある。
【0062】
例えば、車輌60のドアの開錠制御において、受信範囲Cにて無線信号が受信され、RSSI信号による距離が近距離の場合、位置推定部39にて通信器1は車輌60の前・右側近辺に位置すると推定され、制御部31は車輌60の全てのドアの開錠を行う。受信範囲Cにて無線信号が受信され、RSSI信号による距離が遠距離の場合、位置推定部39にて通信器1は車輌60の前・右側遠方に位置すると推定され、制御部31は車輌60の右側のドアの開錠を行う。
【0063】
また、受信範囲Dにて無線信号が受信され、RSSI信号による距離が近距離の場合、位置推定部39にて通信器1は車輌60の左・後側近辺に位置すると推定され、制御部31は車輌60の左側のドア及び後側のドアの開錠を行う。受信範囲Dにて無線信号が受信され、RSSI信号による距離が遠距離の場合、位置推定部39にて通信器1は車輌60の左・後側遠方に位置すると推定され、制御部31は車輌60の左側のドアの開錠を行う。
【0064】
車輌60のドアの施錠制御において、受信範囲C又は受信範囲Dのいずれかで無線信号を受信し、位置推定部39にて通信器1が受信範囲C又は受信範囲Dの範囲内に位置すると推定された場合には、制御部31は車輌60の全てのドアの施錠を行うようにしてある。また、車輌60のドアの開制御において、通信器1が車輌60の左・後側近辺に位置すると推定される場合に、制御部31は車輌60の後側ドアの開制御を行うようにしてある。
【0065】
以上の構成の実施の形態2に係る車載無線通信装置103は、受信アンテナを複数備えることによって、受信アンテナの向きなどを調整することなく、複数の受信範囲での受信を行うことができ、通信器1の位置を推定することができる。なお、本実施の形態においては、車載無線通信装置103が第1受信アンテナ141及び第2受信アンテナ142を切替部143にて切り替える構成としたが、これに限るものではなく、車載無線通信装置に2つの受信部を搭載し、2つの受信アンテナをそれぞれ別の受信部に接続し、2つの受信部を切り替えて位置推定部が利用することにより、2つの受信範囲での受信及び位置の推定を行う構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施の形態1に係る車載無線通信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る車載無線通信装置の位置推定部による通信器の位置推定方法を説明するための模式図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る車載無線通信装置の位置推定部による通信器の位置推定方法を説明するための図表である。
【図4】通信器が行う送信処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態1に係る車載無線通信装置が行う受信処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態1に係る車載無線通信装置が行う受信処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態1に係る車載無線通信装置が行う受信処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態2に係る車載無線通信装置の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る車載無線通信装置の受信範囲を示す模式図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係る車載無線通信装置による車輌のドアの制御内容を示す図表である。
【符号の説明】
【0067】
1 通信器
3 車載無線通信装置
11 操作部
12 制御部
14 送信部
15 送信アンテナ
31 制御部(制御手段)
34 ドアロック制御部
35 ドア開閉制御部
36 向き調整部(切替手段)
37 受信アンテナ(アンテナ)
38 受信部(受信手段)
39 位置推定部(位置推定手段)
50 ドア機構
60 車輌
103 車載無線通信装置
141 第1受信アンテナ(アンテナ)
142 第2受信アンテナ(アンテナ)
143 切替部(切替手段)
A〜D 受信範囲

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輌に搭載され、可搬型の通信器から送信される無線信号を受信する受信手段と、該受信手段が受信した無線信号に応じて前記車輌に搭載された機器の動作を制御する制御手段とを備える車載無線通信装置において、
前記受信手段が無線信号を受信することができる受信範囲を、複数の受信範囲から切り替える切替手段と、
該切替手段により切り替えられた各受信範囲での受信結果に応じて、前記車輌に対する前記通信器の位置を推定する位置推定手段と
を備え、
前記制御手段は、前記位置推定手段が推定した前記通信器の位置に応じて前記機器の動作を制御するようにしてあること
を特徴とする車載無線通信装置。
【請求項2】
前記受信手段は、無線信号を受信するアンテナを有し、
前記切替手段は、前記アンテナの向き又は位置を調整して受信範囲の切り替えを行うようにしてあること
を特徴とする請求項1に記載の車載無線通信装置。
【請求項3】
前記受信手段は、無線信号を受信するアンテナを複数有し、
前記切替手段は、受信に用いるアンテナを切り替えて受信範囲の切り替えを行うようにしてあること
を特徴とする請求項1に記載の車載無線通信装置。
【請求項4】
前記位置推定手段は、前記切替手段により切り替えられた各受信範囲にて、前記受信手段による無線信号の受信の可否及び/又は受信した無線信号の強度に応じて、前記車輌に対する前記通信器の位置を推定するようにしてあること
を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の車載無線通信装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記位置推定手段が推定した前記通信器の位置に応じた前記車輌のドアの施錠/開錠、又はドアの開閉を制御するようにしてあること
を特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の車載無線通信装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2009−24339(P2009−24339A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−186051(P2007−186051)
【出願日】平成19年7月17日(2007.7.17)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】