説明

車載用スピーカユニット

【課題】スピーカの存在を乗員に感じさせ難く又は感じさせることなく意匠性を向上できるとともに、内装基材に対するスピーカの固定強度を高めることができる車載用スピーカユニットを提供する。
【解決手段】本ユニットは、車両の内装材(天井)に設けられる車載用スピーカユニット1であって、表皮2と、芯材3と、複数の穴4aが設けられたグリル部材4と、が重ねられて型締めすることで成形される内装基材(天井基材5)と、内装基材に取り付けられるスピーカ6と、を備え、グリル部材は、型締めにより接着される表皮と芯材との間に挟み込まれることで表皮に覆われた状態で保持され、スピーカは、芯材のグリル部材と重なる部分の一部を切り抜くことで形成される取り付け穴7に臨むように芯材に取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用スピーカユニットに関し、さらに詳しくは、スピーカの存在を乗員に感じさせ難く又は感じさせることなく意匠性を向上できるとともに、内装基材に対するスピーカの固定強度を高めることができる車載用スピーカユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車載用スピーカユニットとして、表皮とパッド材との間にスピーカネット(グリル部材)を挟み込んで型締めすることで成形されるドアトリム(内装基材)と、このドアトリムに取り付けられるスピーカと、を備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このように、スピーカネットを表皮とパッド材との間に挟み込んでドアトリムを成形することで、ドアトリム等の組立成形時に同時にスピーカグリルも一体に構成できる。また、上記特許文献1には、スピーカネットを表皮に形成された開口を介して室内側に露出させることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭56−111632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1の技術では、スピーカネットを表皮に形成された開口を介して室内側に露出させているので、スピーカの存在を乗員が認識し易く、意匠性の低いものであった。
【0005】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、スピーカの存在を乗員に感じさせ難く又は感じさせることなく意匠性を向上できるとともに、内装基材に対するスピーカの固定強度を高めることができる車載用スピーカユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、請求項1に記載の発明は、車両の内装材に設けられる車載用スピーカユニットであって、表皮と、芯材と、複数の穴が設けられたグリル部材と、が重ねられて型締めすることで成形される内装基材と、前記内装基材に取り付けられるスピーカと、を備え、前記グリル部材は、前記型締めにより接着される前記表皮と前記芯材との間に挟み込まれることで前記表皮に覆われた状態で保持され、前記スピーカは、前記芯材の前記グリル部材と重なる部分の一部を切り抜くことで形成される取り付け穴に臨むように前記芯材に取り付けられていることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載において、前記取り付け穴は、前記型締めにより前記内装基材を成形した後で、前記芯材の前記グリル部材と重なる部分の一部を切り抜くことで形成されていることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載において、前記グリル部材の前記芯材と接する部分には、前記穴より大きな開口が形成され、前記開口を介して前記表皮と前記芯材とが接着されていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の車載用スピーカユニットによると、グリル部材は、型締めにより接着される表皮と芯材との間に挟み込まれることで表皮に覆われた状態で保持され、スピーカは、芯材のグリル部材と重なる部分の一部を切り抜くことで形成される取り付け穴に臨むように芯材に取り付けられているので、スピーカの存在を乗員に感じさせ難く又は感じさせることなく意匠性を向上することができる。また、グリル部材によりその近傍の内装基材の強度が高められ、天井基材に対するスピーカの固定強度を高めることができる。さらに、表皮及び芯材の接着力を利用してグリル部材を挟持しているので、グリル部材を固定するための接着材を必要とせず、コストダウンを図ることができる。
また、前記取り付け穴が、前記型締めにより前記内装基材を成形した後で形成されている場合は、グリル部材に対する取り付け穴の位置のバラツキを抑制することができる。特に、天井基材のような比較的大きな内装基材であっても、取り付け穴の位置のバラツキを抑制できる。
さらに、前記グリル部材の前記芯材と接する部分に、前記穴より大きな開口が形成され、前記開口を介して前記表皮と前記芯材とが接着されている場合は、内装基材に対するグリル部材の固定強度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
【図1】実施例に係る車載用スピーカユニットの分解斜視図である。
【図2】上記車載用スピーカユニットの縦断面図である。
【図3】実施例に係るグリル部材の斜視図である。
【図4】上記車載用スピーカユニットの製造方法を説明するための説明図であり、(a)は型締め前の状態を示し、(b)は型締め状態を示す。
【図5】上記車載用スピーカユニットの製造方法を説明するための説明図であり、(a)は取り付け穴の形成状態を示し、(b)は取り付け穴の形成後の状態を示し、(c)はスピーカを取り付けた状態を示す。
【図6】その他の形態の車載用スピーカユニットの製造方法を説明するための説明図である。
【図7】その他の形態の車載用スピーカユニットを説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここで示される事項は例示的なものおよび本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
【0010】
1.車載用スピーカユニット
本実施形態1.に係る車載用スピーカユニットは、車両の内装材に設けられる車載用スピーカユニット(1)であって、表皮(2)と、芯材(3)と、複数の穴(4a)が設けられたグリル部材(4)と、が重ねられて型締めすることで成形される内装基材(5)と、内装基材に取り付けられるスピーカ(6)と、を備え、グリル部材は、型締めにより接着される表皮と芯材との間に挟み込まれることで表皮に覆われた状態で保持され、スピーカは、芯材のグリル部材と重なる部分の一部を切り抜くことで形成される取り付け穴(7)に臨むように芯材に取り付けられていることを特徴とする(例えば、図2等参照)。なお、上記「内装基材」とは、車両の内装材を構成する基材を意図する。
【0011】
本実施形態1.に係る車載用スピーカユニットとしては、例えば、上記取り付け穴(7)は、型締めにより内装基材(5)を成形した後で、芯材(3)のグリル部材(4)と重なる部分の一部を切り抜くことで形成されている形態(例えば、図4及び図5等参照)を挙げることができる。
【0012】
本実施形態1.に係る車載用スピーカユニットとしては、例えば、上記グリル部材(4)の芯材(3)と接する部分には、穴(4a)より大きな開口(9)が形成され、開口を介して表皮と芯材とが接着されている形態(例えば、図2等参照)を挙げることができる。上記穴(4a)は、通常、型締めにより表皮及び芯材が通過しない大きさに形成されている。なお、上記穴(4a)の面積としては、例えば、約1mm2を挙げることができる。また、上記開口(9)の面積としては、例えば、4〜16mm2を挙げることができる。
【0013】
本実施形態1.に係る車載用スピーカユニットとしては、例えば、上記表皮(2)のグリル部材(4)と接する部分及びその周囲近傍の部分は連続する面状に形成されている形態(例えば、図2等参照)を挙げることができる。これにより、表皮で覆われたグリル部材の存在を乗員に感じさせ難く又は感じさせることなく意匠性を更に向上できる。
【0014】
本実施形態1.に係る車載用スピーカユニットとしては、例えば、上記芯材(3)は、吸音機能を発揮する発泡材料からなる形態を挙げることができる。これにより、芯材によりスピーカの振動で発生するビビリ音を吸収して低減できる。
【0015】
本実施形態1.に係る車載用スピーカユニットとしては、例えば、上記芯材(3)のグリル部材(4)と接する部分は、芯材のグリル部材と接しない部分より高密度に圧縮された圧縮部(3a)とされ、圧縮部の表面の取り付け穴(7)の周囲には平坦なスピーカ取付面(3b)が形成されている形態(例えば、図2等参照)を挙げることができる。これにより、内装基材の強度が更に高められるとともに、スピーカを安定的且つ容易に取り付けることができる。よって、天井基材に対するスピーカの固定強度が更に高められる。
【0016】
2.車載用スピーカユニットの製造方法
本実施形態2.に係る車載用スピーカユニットの製造方法は、車両の内装材に設けられる車載用スピーカユニットの製造方法であって、表皮(2)と、芯材(3)と、複数の穴(4a)が設けられたグリル部材(4)と、が重ねられて型締めすることで内装基材(5)を成形する工程と、型締めにより内装基材を成形した後で、芯材のグリル部材と重なる部分の一部を切り抜くことで取り付け穴(7)を形成する工程と、内装基材にスピーカ(6)を取り付ける工程と、を備え、上記内装基材を成形する工程では、グリル部材は、型締めにより接着される表皮と芯材との間に挟み込まれることで表皮に覆われた状態で保持され、上記スピーカを取り付ける工程では、スピーカは、芯材の取り付け穴に臨むように芯材に取り付けられることを特徴とする(例えば、図4及び図5等参照)。なお、本実施形態2.に係る車載用スピーカユニットの製造方法では、例えば、上記実施形態1.に係る車載用スピーカユニットで説明した各種形態を適用できる。
【実施例】
【0017】
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。なお、本実施例では、車両の天井(本発明に係る「車両の内装材」として例示する。)に設けられる車載用スピーカユニットを例示する。
【0018】
本実施例に係る車載用スピーカユニット1は、図1及び図2に示すように、表皮2、芯材3及びグリル部材4を備える天井基材5(本発明に係る「内装基材」として例示する。)と、この天井基材5に取り付けられるスピーカ6と、を備えている。なお、上記表皮2は、ポリエステル等の合成樹脂材料からなり、車室内空間Rに接して意匠面としての機能を発揮する。また、芯材3は、ウレタン等の合成樹脂材料(発泡材料)からなり、断熱機能及び吸音機能を発揮する。また、グリル部材4は、パンチングメタル等の多数の穴4aが形成された金属材料からなる。さらに、上記スピーカ6は、フレーム6a内に内蔵された複数のコイル(図示省略)に対向する振動板6bを有する平面波スピーカである。
【0019】
上記天井基材5は、表皮2と芯材3とグリル部材4とが重ねられて型締めすることで成形されている。このグリル部材4は、型締めにより接着される表皮2と芯材3との間に挟み込まれることで表皮2に覆われた状態で保持されている。また、上記型締めにより、芯材3の溶融並びに表皮2及び芯材3の間に介在される接着層(図示省略)により表皮2及び芯材3が接着されている。また、上記芯材3のグリル部材4と接する部分は、グリル部材4と接しない部分より高密度に圧縮された圧縮部3aとされている。この圧縮部3aの表面には、平坦なスピーカ取付面3bが形成されている。さらに、上記表皮2のグリル部材4と接する部分及びその周囲近傍の部分は連続する面状に形成されている。
【0020】
上記型締めにより天井基材5を成形した後に、芯材3のグリル部材4と平面視で重なる部分の一部を切り抜くことにより、芯材3には取り付け穴7が貫通形成される。上記スピーカ6は、取り付け穴7に臨むように接着層8(例えば、接着材、両面テープ等)を介して芯材3の表面のスピーカ取付面3bに取り付けられている。
【0021】
上記グリル部材4には、図2及び図3に示すように、芯材3と接する部分に複数の開口9が形成されている。これら各開口9の面積(例えば、約4mm2)は、上記各穴4aの面積(例えば、約1mm2)より大きな値とされている。そして、上記各開口9を介して表皮2と芯材3とが接着されている。
【0022】
(2)車載用スピーカユニットの製造方法
次に、上記構成の車載用スピーカユニット1の製造方法について説明する。なお、本実施例では、図4に示すように、固定型である下型11aと、この下型11aに対して近接・離反可能な可動型である上型11bと、を備える成形型11を用いて天井基材5を成形する。
【0023】
先ず、図4(a)に示すように、下型11a及び上型11bの間に表皮2、芯材3及びグリル部材4を配置する。次に、図4(b)に示すように、下型11aに対して上型11bを近接させて型締めする。すると、芯材3の溶融等により表皮2及び芯材3が接着されるとともに、グリル部材4は、表皮2及び芯材3の間に挟み込まれることで両者2、3に覆われた状態で保持される。また、グリル部材4の開口9を介して表皮2及び芯材3が接着される。さらに、芯材3には、圧縮部3a及びスピーカ取付面3bが形成される。さらに、表皮2のグリル部材4と接する部分及びその周囲近傍の部分は連続する面状に形成される。
【0024】
次いで、図5(a)(b)に示すように、適当な切断手段12(例えば、ウォータジェット加工機、レーザ切断機等)を用いて、芯材3のグリル部材4と重なる部分の一部を切り抜くことで取り付け穴7を形成する。その後、図5(c)に示すように、スピーカ6を、その振動板6bが取り付け穴7に臨むようにスピーカ取付面3bに取り付けて、車載用スピーカユニット1が得られる。なお、上記車載用スピーカユニット1の使用状態では、スピーカ6からの音は表皮2を介して車室内空間Rに伝わる。
【0025】
(3)実施例の効果
以上より、本実施例の車載用スピーカユニット1によると、グリル部材4は、型締めにより接着される表皮2と芯材3との間に挟み込まれることで表皮2に覆われた状態で保持され、スピーカ6は、芯材3のグリル部材4と重なる部分の一部を切り抜くことで形成される取り付け穴7に臨むように芯材3に取り付けられているので、スピーカ3の存在を乗員に感じさせ難く又は感じさせることなく意匠性を向上することができる。また、グリル部材4によりその近傍の天井基材5の強度が高められ、天井基材5に対するスピーカ6の固定強度が高められる。さらに、表皮2及び芯材3の接着力を利用してグリル部材4を挟持しているので、グリル部材4を固定するための接着材を必要とせず、コストダウンを図ることができる。
【0026】
また、本実施例では、取り付け穴7は、型締めにより天井基材5を成形した後で形成されているので、グリル部材4に対する取り付け穴7の位置のバラツキを抑制することができる。これに対して、天井基材5を成形する前に芯材3に予め取り付け穴7を形成しておく場合(例えば、上記特許文献1参照)には、表皮2、芯材3及びグリル部材4の積層時にグリル部材4に対する取り付け穴7の位置がバラついてしまう恐れがある。
【0027】
また、本実施例では、グリル部材4の芯材3と接する部分に、穴4aより大きな開口9が形成され、開口9を介して表皮2と芯材3とが接着されているので、天井基材5に対するグリル部材4の固定強度を高めることができる。
【0028】
さらに、本実施例では、表皮2のグリル部材4と接する部分及びその周囲近傍の部分は連続する面状に形成されているので、表皮2で覆われたグリル部材4の存在を乗員に感じさせ難く又は感じさせることなく意匠性を更に向上できる。
【0029】
また、本実施例では、芯材3は、吸音機能を発揮する発泡材料からなるので、芯材3によりスピーカ6の振動で発生するビビリ音を吸収して低減できる。
【0030】
さらに、本実施例では、芯材3のグリル部材4と接する部分は、グリル部材4と接しない部分より高密度に圧縮された圧縮部3aとされ、この圧縮部3aの表面の取り付け穴7の周囲には平坦なスピーカ取付面3bが形成されているので、天井基材5の強度が更に高められるとともに、スピーカ6を安定的且つ容易に取り付けることができる。よって、天井基材5に対するスピーカ6の固定強度が更に高められる。
【0031】
尚、本発明においては、上記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。すなわち、上記実施例では、型締めにより天井基材5を成形した後で取り付け穴7を形成するようにしたが、これに限定されず、例えば、図6に示すように、予め取り付け穴7を形成した芯材3を用意し、この芯材3、表皮2及びグリル部材4を重ねて型締めすることで天井基材5を成形するようにしてもよい。
【0032】
また、上記実施例では、開口9を有するグリル部材4を例示したが、これに限定されず、例えば、図7に示すように、開口9を有しないグリル部材4’を採用し、このグリル部材4’を表皮2及び芯材3の間に挟持するようにしてもよい。
【0033】
また、上記実施例では、芯材3の取り付け穴7上に配置されるスピーカ6を例示したが、これに限定されず、例えば、取り付け穴7内に一部又は全部が挿入されて取り付け穴7に臨むスピーカを採用してもよい。
【0034】
また、上記実施例では、平面波スピーカ6を例示したが、これに限定されず、例えば、球面波スピーカを採用してもよい。また、上記実施例では、下型11aに対して上型11bを近接させて型締めするようにしたが、これに限定されず、例えば、上型に対して下型を近接させて型締めするようにしてもよい。さらに、上記実施例では、金属製のグリル部材4を例示したが、これに限定されず、例えば、樹脂製のグリル部材としてもよい。
【0035】
また、上記実施例では、型締めにおいて、芯材3が溶融すること、並びに表皮2及び芯材3の間に接着層を介在させることにより表皮2及び芯材3が接着されるようにしたが、これに限定されず、例えば、接着層を用いずに芯材3が溶融することのみで表皮2及び芯材3が接着されたり、芯材3を溶融させずに表皮2及び芯材3の間に接着層を介在させることのみで表皮2及び芯材3が接着されたりしてもよい。
【0036】
さらに、上記実施例では、天井(車両内装材)に設けられる車載用スピーカユニット1を例示したが、これに限定されず、例えば、ドアトリム、ルーフトリム、フロアトリム、ラゲージトリム、トランクトリム、リヤサイドトリム、リヤパーセルシェルフ、インストルメントパネル、パッケージトレー、ピラーガーニッシュ、スイッチベース、クオーターパネル、アームレスト、シートバックボード等の車両内装材に設けられる車載用スピーカユニットとしてもよい。
【0037】
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲または精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
【0038】
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形または変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0039】
乗用車、バス、トラック等の他、列車、汽車等の鉄道車両、建設車両、農業車両、産業車両などの車両の内装材に設けられる車載用スピーカユニットに関する技術として広く利用される。
【符号の説明】
【0040】
1;車載用スピーカユニット、2;表皮、3;芯材、4,4’;グリル部材、5;天井基材、6;スピーカ、7;取り付け穴、9;開口。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の内装材に設けられる車載用スピーカユニットであって、
表皮と、芯材と、複数の穴が設けられたグリル部材と、が重ねられて型締めすることで成形される内装基材と、
前記内装基材に取り付けられるスピーカと、を備え、
前記グリル部材は、前記型締めにより接着される前記表皮と前記芯材との間に挟み込まれることで前記表皮に覆われた状態で保持され、前記スピーカは、前記芯材の前記グリル部材と重なる部分の一部を切り抜くことで形成される取り付け穴に臨むように前記芯材に取り付けられていることを特徴とする車載用スピーカユニット。
【請求項2】
前記取り付け穴は、前記型締めにより前記内装基材を成形した後で、前記芯材の前記グリル部材と重なる部分の一部を切り抜くことで形成されている請求項1記載の車載用スピーカユニット。
【請求項3】
前記グリル部材の前記芯材と接する部分には、前記穴より大きな開口が形成され、前記開口を介して前記表皮と前記芯材とが接着されている請求項1又は2に記載の車載用スピーカユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−111988(P2013−111988A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−256759(P2011−256759)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】