説明

車載用中継接続ユニット

【課題】非常に簡単な構成で中継接続ユニットの現在の中継方式を表示する。
【解決手段】ECUが接続された複数のバス13と接続されECU間でのメッセージフレームの送受信を中継する車載用の中継接続ユニット10であって、受信部11と、送信部14と、メッセージフレームのアービトレーションフィールドを受信すると送信を開始するカットスルー方式と、メッセージフレームを最後まで受信して送信を開始するストア&フォワード方式のいずれかで送信部からメッセージフレームを送信する中継処理部と、カットスルー方式でメッセージフレームを送信部へ送る第1送信路16Aと、ストア&フォワード方式でメッセージフレームを送信部に送る第2送信路16Bと、第1送信路と接続され該第1送信路から送信部へのメッセージフレーム送信時に点灯する第1光源17aと、第2送信路と接続され該第2送信路から送信部へのメッセージフレーム送信時に点灯する第2光源17bとを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中継接続ユニットに関し、詳しくは、電子制御ユニットが接続された複数のバスと接続され、前記電子制御ユニット間でのメッセージの送受信を中継する車載用の中継接続ユニットにおいて、現在の中継方式がカットスルー方式またはストア&フォアード方式のいずれであるかを表示するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に搭載される機器を制御する電子制御ユニット(ECU)を多重通信用のバス(通信線)に接続すると共に、該複数のバスを中継接続ユニットに接続し、異なるバスに属するECU間で送受信されるメッセージを該中継接続ユニットが中継している車載用通信システムが採用されている。
【0003】
前記中継接続ユニットのメッセージの中継方式として、ストア&フォワード方式及びカットスルー方式が知られている。
ストア&フォワード方式は、中継接続ユニットがメッセージフレームを最後まで受信した後、アービトレーションフィールドからメッセージ識別子を読み出し、該メッセージ識別子に対応する中継送信先のバスを判別し、該バスに送信を開始する方式である。
中継接続ユニットはメッセージフレームを全て受信しているので、受信したメッセージフレームにエラーが発生していた場合には、該エラーを検知してメッセージフレームの送信を停止することができる。しかし、メッセージフレームを最後まで受信してから他のバスへの送信を開始しているので、後述するカットスルー方式に比べてメッセージフレームの受信を開始してから送信を開始するまでの時間が長くなる。
【0004】
一方、カットスルー方式は、中継接続ユニットが、メッセージフレームのうちメッセージ識別子が書き込まれたアービトレーションフィールドまでを受信した時点で、該メッセージ識別子に対応する中継送信先のバスを判別し、該バスに送信を開始する方式である。
メッセージフレームにエラーが存在していても、中継接続ユニットはアービトレーションフィールドを受信した時点で既に他のバスへの送信を開始しているので、該エラーを含むメッセージフレームの送信を停止することができない。
しかし、メッセージフレームを最後まで受信せずにバスに送信を開始しているので、ストア&フォワード方式に比べてメッセージフレームの受信を開始してから送信を開始するまでの時間が短くなり、中継処理を高速化することができる。
【0005】
中継接続ユニットは、前述したカットスルー方式とストア&フォワード方式を切り替えてメッセージフレームの中継を行っている。例えば、中継送信先のバスが混雑しておらず他のECU等からメッセージフレームが送信されていない場合にはアービトレーションフィールドまで受信したメッセージフレームを直ちに中継送信先のバスに送信することができるため、カットスルー方式でのメッセージの中継を行うが、バスが混雑しておりバスに他のECU等からメッセージフレームが送信されている場合にはストア&フォワード方式で中継を行っている。また、受信するメッセージフレームのエラーの発生状況によって、カットスルー方式とストア&フォワード方式とを切り替えてメッセージフレームの中継を行っている。
このような場合に、中継接続ユニットの現在の中継方式を表示させて通信システムの設計者等に混雑状況やエラー発生状況等の通信状況を知らせ、通信システムや中継接続ユニットの通信状況の改良に役立てることが望まれている。
【0006】
例えば、特開2006−295383号公報(特許文献1)には、携帯通信端末において通信状況を表示する方法が提案されている。携帯通信端末のCPUは、チャネル情報を取得してチャネル及び伝送レートの変更を判定し、該取得したチャネル情報が報知チャネル、呼出チャネル、共通チャネル、個別チャネルのいずれであるかに応じてLEDの点滅パターン及び色を制御している。
【0007】
【特許文献1】特開2006ー295383号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1ではCPUがチャネル情報を取得してチャネルの変更を判定し、さらにLEDを制御しなくてはならず、判定や制御のために高度な処理が必要となるという問題がある。
【0009】
本発明は、前記問題に鑑みてなされたもので、中継接続ユニットの現在の中継方式がカットスルー方式とストア&フォワード方式のいずれであるかを非常に簡単な構成で表示することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するため、本発明は、電子制御ユニットが接続された複数のバスと接続され、前記電子制御ユニット間でのメッセージフレームの送受信を中継する車載用の中継接続ユニットであって、
前記バスからメッセージを受信する受信部と、
前記バスへメッセージを送信する送信部と、
前記受信部で受信するメッセージフレームを、アービトレーションフィールドを受信すると送信を開始するカットスルー方式と、メッセージフレームを最後まで受信して送信を開始するストア&フォワード方式のいずれかで前記送信部からメッセージフレームを送信する中継処理部と、
前記カットスルー方式でメッセージを前記送信部へ送る第1送信路と、
前記ストア&フォワード方式でメッセージを前記送信部に送る第2送信路と、
前記第1送信路と接続され、該第1送信路から前記送信部へのメッセージ送信時に点灯する第1光源と、
前記第2送信路と接続され、該第2送信路から前記送信部へのメッセージ送信時に点灯する第2光源と、
を備えていることを特徴とする車載用の中継接続ユニットを提供している。
【0011】
中継接続ユニットがカットスルー方式でメッセージフレームを中継している場合、中継接続ユニットの受信部が受信したメッセージフレームは第1送信路から送信部に送信される。このとき、第1送信路と接続された第1光源にもメッセージフレームが送信される。メッセージフレームはH(ハイレベル)とL(ローレベル)からなる信号で構成されており、HとLはそれぞれ所定の電圧値で表されているため、第1光源に電圧が入力されることで第1光源は点灯する。
【0012】
中継処理部がストア&フォワード方式でメッセージフレームを中継している場合、中継接続ユニットの受信部が受信したメッセージフレームは第2送信路から送信部に送信される。このとき、第2送信路と接続された第2光源にもメッセージフレームが送信され、第2光源に電圧が入力されて第2光源が点灯する。
【0013】
このように、送信部にメッセージフレームを送る送信路をカットスルー方式とストア&フォワード方式で別に設けて各送信路に光源を接続しており、中継処理部がカットスルー方式でメッセージフレームを中継している場合は第1光源が点灯し、ストア&フォワード方式で中継している場合は第2光源が点灯する。
従って、CPUなどを用いた判断処理部での判定や光源の制御等の複雑な処理を用いることなく、各送信路に光源を接続するだけの非常に簡単な構成でメッセージフレームの中継方式の表示を行うことができる。
【0014】
また、バスのエラー発生状況や混雑状況によって中継方式は切り替わるため、メッセージフレームの中継方式の表示を行うことで、通信システムの設計者等はバスのエラーの発生状況や混雑状況を把握することができ通信状況の改善対策等に役立てることができる。
【0015】
具体的には、前記中継処理部は、前記受信部から受信するメッセージフレームを先頭から順次記憶する一時記憶部と、該一時記憶部でメッセージフレームを最後まで記憶した後に該メッセージフレーム全体が一時記憶部から転送されるメイン記憶部とに接続し、かつ、
前記一時記憶部を前記第1送信路と接続すると共に、前記メイン記憶部を前記第2送信路と接続している。
【0016】
中継接続ユニットがカットスルー方式でメッセージフレームを中継している場合、一時記憶部がメッセージフレームのアービトレーションフィールドまで記憶すると、中継処理部は一時記憶部にメッセージフレームの送信を開始させる。一時記憶部は第1送信路と接続されているので、第1送信路から送信部へメッセージフレームが送られると同時に第1光源が点灯する。
中継接続ユニットがストア&フォワード方式でメッセージフレームを中継している場合、一時記憶部がメッセージフレーム全体を記憶すると、該メッセージフレームをメイン記憶部に転送し、中継処理部はメイン記憶部に該メッセージフレームの送信を開始させる。メイン記憶部は第2送信路と接続されているので、第2送信路からメッセージフレームが送られると同時に第2光源が点灯する。
【0017】
前記表示部の第1光源と第2光源がLEDからなり、該LEDが中継接続ユニットのケース外面に取り付けられていることが好ましい。
前記構成により、通信システムの設計者は自動車の内部に搭載された中継接続ユニットのケース外部から視覚的に現在の中継方式を把握することができる。
【発明の効果】
【0018】
前述したように、本発明の車載用の中継接続ユニットによれば、送信部にメッセージフレームを送信する送信路をカットスルー方式とストア&フォワード方式で別に設けており、各送信路に光源を接続して、中継処理部がカットスルー方式でメッセージフレームを中継している場合は第1光源を点灯させ、ストア&フォワード方式で中継している場合は第2光源を点灯させているので、各送信路に光源を接続するだけの非常に簡単な構成でメッセージフレームの中継方式の表示を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図7は本発明の第1実施形態を示す。
本発明の車載用の中継接続ユニット10は、電子制御ユニット(ECU)30が接続された複数のバス31と接続され、ECU30間でのメッセージフレームmの送受信を中継するものである。
本実施形態では、中継接続ユニット10に2本のバス31A、31Bを接続し、各バス31にそれぞれ1つのECU30A、30Bを接続しており、通信プロトコルはCANプロトコルである。
【0020】
図1に示すように、中継接続ユニット10は、受信部を構成する受信ポート11と、受信ポート11と接続し一時記憶部を構成する一時メモリ12と、一時メモリ12と接続しメイン記憶部を構成するメインメモリ13と、一時メモリ12及びメインメモリ13と接続し送信部を構成する送信ポート14と、一時メモリ12及びメインメモリ13と接続し中継処理部を構成する判断処理部15と、一時メモリ12と送信ポート14を接続する第1送信路16Aと、メインメモリ13と送信ポート14を接続する第2送信路16Bと、第1送信路16A及び第2送信路16Bに接続される表示部17と、判断処理部15と接続したROM18を備えている。
表示部17は、第1送信路16Aと接続し第1光源を構成する第1LED17aと、第2送信路16Bと接続し第2光源を構成する第2LED17bを備えている。
【0021】
受信ポート11はバス31と接続して、該バス31に接続したECU30が送信するメッセージフレームmを受信している。なお、受信ポート11はバス31毎に夫々備えているが、図1ではバス31Aからのメッセージフレームmを受信するための受信ポート11のみを示しており、バス31Bに接続されている受信ポート11は図示していない。
【0022】
一時メモリ12は、受信ポート11を介してバス31から受信したメッセージフレームmを先頭から順次記憶している。また、一時メモリ12はデュアルポートであり、カットスルー方式でのメッセージフレームmの中継の場合には、受信ポート11を介してメッセージフレームmを受信すると同時に、既に記憶されたメッセージフレームmを送信する。
メインメモリ13には、一時メモリ12が前記先頭から最後までメッセージフレームmを記憶した後に一時メモリ12から転送される該メッセージフレームm全体を記憶する。
一時メモリ12とメインメモリ13は同じRAM等で構成されているのではなく、別体のメモリとして設けている。
【0023】
判断処理部15は受信したメッセージフレームmの中継を行っている。図2(A)のように、SOF41とアービトレーションフィールド42とデータ部43からなるメッセージフレームmのうち、メッセージフレームmのアービトレーションフィールド42からメッセージの識別子を読み出し、ROM18に記憶したルーティングマップを参照する。ルーティングマップからメッセージの識別子に対応する該メッセージフレームmの中継送信先を判別し、メッセージフレームmを該中継送信先に送信するよう指令を出す。
【0024】
判断処理部15はカットスルー方式とストア&フォワード方式の2つの方式のいずれかでメッセージフレームmの中継を行っている。
カットスルー方式の場合、判断処理部15は一時メモリ12が該メッセージフレームmを最後まで受信していなくても、直ちに一時メモリ12に指令を出してメッセージフレームmの送信を開始させる。図2(A)及び図2(B)に示すように、メッセージフレームmを最後まで受信するA点よりも前であるB点からメッセージフレームmの送信を開始させる。
ストア&フォワード方式の場合、一時メモリ12はメッセージフレームmを最初から最後まで受信した後、メインメモリ13に該メッセージフレームmを記憶させ、判断処理部15はメインメモリ13に指令を出してメッセージフレームmの送信を開始させる。図2(A)及び図2(C)に示すように、判断処理部15はメッセージフレームmを最後まで受信するA点よりも後であるC点からメインメモリ13にメッセージフレームmの送信を開始させる。
【0025】
また、判断処理部15がカットスルー方式でメッセージフレームmの中継を行う場合に、中継送信先のバス31に他のECU30からメッセージフレームmが送信されているときは、中継接続ユニット10はメッセージフレームmを中継することができない。このとき、メッセージフレームmは一時メモリ12に最後まで記憶された後、メインメモリ13に転送され、判断処理部15はメインメモリ13に指令を出してメッセージフレームmの送信を開始させる。即ち、ストア&フォワード方式と同様に、判断処理部15はメッセージフレームmを最後まで受信する図2(A)のA点よりも後である図2(C)のC点からメインメモリ13にメッセージフレームmの送信を開始させる。
【0026】
第1送信路16Aは判断処理部15がカットスルー方式でメッセージフレームの中継を行う場合に用いられる送信路であり、一時メモリ12と送信ポート14を接続して、一時メモリ12から送信されるメッセージフレームを送信ポート14に送っている。
第2送信路16Bは判断処理部15がストア&フォワード方式でメッセージフレームの中継を行う場合に用いられる送信路であり、メインメモリ13と送信ポート14を接続して、メインメモリ13から送信されるメッセージフレームを送信ポート14に送っている。
【0027】
表示部17の第1LED17a及び第2LED17bは第1送信路16A及び第2送信路16Bを介してメッセージフレームmを受信している。
メッセージフレームmはH(ハイレベル)とL(ローレベル)からなる信号で表わされ、HとLは夫々所定の電圧値を持つため、第1LED17a及び第2LED17bに該電圧値の電圧が印加されることで各LEDは点灯する。
【0028】
図3はLEDの表示例を示しており、図3(A)で中継接続ユニット10がメッセージフレームmの中継を行っていない場合は、第1LED17a、第2LED17b共に消灯している。図3(B)で、カットスルー方式でメッセージフレームmの中継を行っている場合、第1LED17aが点灯している。図3(C)でストア&フォワード方式でメッセージフレームmの中継を行っている場合、第2LED17bが点灯している。なお、本実施形態では第1LED17aを赤、第2LED17bを青とし、LEDの色を変えているが、同じ色のLEDを用いてもよい。
また、図4もLEDの表示例であり、第1LED17aと第2LED17bを一体として1つの光源としている。
【0029】
また、第1LED17a及び第2LED17bは、例えば図5に示すように、中継接続ユニットのケース33の外面に取り付けられている。
なお、Lの電圧値ではLEDが点灯しない場合には、各LEDはメッセージフレームmのHの信号のときにのみ点灯し、メッセージフレームmの信号のHとLによって点灯と消灯を繰り返すことになるが、点灯と消灯の繰り返しはビットごとに高速に行われるため人間には消灯は視認できず、中継方式の把握に影響はない。
【0030】
送信ポート14はバス31と接続して、該バス31にメッセージフレームmを送信している。なお、送信ポート14はバス31毎に夫々備えているが、図1ではバス31Bへメッセージフレームmを送信するための送信ポート14のみを示しており、バス31Aに接続されている送信ポート14は図示していない。
【0031】
図6は中継接続ユニット10がカットスルー方式でメッセージフレームmの中継を行っている場合の動作を示すフローチャートである。
例として、バス31Aに接続されたECU30Aから送信されたメッセージフレームmが、中継接続ユニット10を介してバス31Bに接続されたECU30Bに中継される場合を説明する。
ステップS10で、中継接続ユニット10の受信ポート11はECU30Aからメッセージフレームmを受信している。
ステップS11で、該メッセージフレームmを一時メモリ12に記憶している。
【0032】
ステップS12で、判断処理部15は一時メモリ12にアクセスし、アービトレーションフィールド42の識別子を読み込み、ROM18のルーティングマップから中継送信先を判別する。
ステップS13で、判断処理部15は一時メモリ12にメッセージフレームmの送信の指令を出し、一時メモリ12からメッセージフレームmを送信する。
ステップS14で、一時メモリ12が送信したメッセージフレームmを表示部17が受信して第1LED17aが点灯する。同時に、送信ポート14を介してバス31Bに中継される。
【0033】
図7は中継接続ユニット10がストア&フォワード方式でメッセージフレームmの中継を行っている場合の動作を示すフローチャートである。カットスルー方式の場合と同様に、バス31Aに接続されたECU30Aから送信されたメッセージフレームmが、中継接続ユニット10を介してバス31Bに接続されたECU30Bに中継される場合を説明する。
ステップS20からステップS22まではステップS10からステップS12と同様である。
ステップS23で、一時メモリ12はメッセージフレームmを最後まで受信している。
【0034】
ステップS24で、一時メモリ12はメインメモリ13にメッセージフレームmを転送し、メインメモリ13がメッセージフレームmを記憶している。
ステップS25では、判断処理部15はメインメモリ13にメッセージフレームmの送信の指令を出し、メインメモリ13からメッセージフレームmを送信する。
ステップS26で、メインメモリ13が送信したメッセージフレームmを表示部17が受信して第2LED17bが点灯する。同時に、送信ポート14を介してバス31Bに中継される。
【0035】
前記構成によれば、カットスルー方式とストア&フォワード方式で送信部にメッセージフレームmが送信される送信路が異なり、各送信路にLEDを接続しているため、判断処理部15がカットスルー方式でメッセージフレームmを中継している場合は第1LED17aが点灯し、ストア&フォワード方式で中継している場合は第2LED17bが点灯する。
従って、各送信路に光源を接続するだけの非常に簡単な構成でメッセージフレームの中継方式の表示を行うことができ、判断処理部15での判定やLEDの制御等の複雑な処理を不要とすることができる。
【0036】
なお、表示部17をLEDに変えて、デジタルパネルを用いてもよい。第1送信路16Aと表示部17の間及び第2送信路16Bと表示部17の間にコンデンサを並列に接続し、各メッセージフレームmの信号の電圧値の積分を行い、所定時間における該積分値を、所定時間におけるカットスルー方式及びストア&フォワード方式の割合としてデジタルパネルに表示させてもよい。
また、メインメモリ13と一時メモリ12を一体のメモリとしてもよい。
【0037】
図8は本発明の第2実施形態を示す。
本実施形態では、中継接続ユニット10に3本のバス31A、31B、31Cを接続しており、バス31Aからバス31Bへのメッセージフレームmの中継に加え、バス31Aからバス31Cへのメッセージフレームmの中継を行っている。
また、バス31Aとバス31Bとの間の中継方式がカットスルー方式かストア&フォワード方式かを表示する表示部17Bに加え、バス31Aとバス31Cとの間の中継方式を表示する表示部17Cを備えている。
さらに、バス31Cと接続する送信ポート14Cを備え、該送信ポート14Cは一時メモリ12及びメインメモリ13と第1送信路16A−2、第2送信路16B−2により接続している。表示部17Cの第1LED17a−2は第1送信路16A−2と接続し、第2LED17b−2は第2送信路16B−2と接続している。
【0038】
判断処理部15は、バス31Aとバス31Bとの間のメッセージフレームmの中継と、バス31Aとバス31Cとの間のメッセージフレームmの中継を、夫々の通信状況に適した中継方式で行っており、バス31Aとバス31Cの間の中継方式とバス31Aとバス31Bとの間の中継方式が異なっていてもよい。
このため、バス31毎に表示部17を設けることで、各バス31ごとの中継方式を表示することができる。
なお、他の構成および作用効果は第1実施形態と同様のため、同一の符号を付して説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明である中継接続ユニットの第1実施形態を示す構成図である。
【図2】カットスルー方式及びストア&フォワード方式の説明図である。
【図3】表示部の例を示す図である。
【図4】表示部の例を示す図である。
【図5】中継接続ユニットのケースの斜視図である。
【図6】カットスルー方式での動作を示すフローチャートである。
【図7】ストア&フォワード方式での動作を示すフローチャートである。
【図8】第2実施形態を示す構成図である。
【符号の説明】
【0040】
10 中継接続ユニット
12 一時メモリ
13 メインメモリ
14 送信ポート
15 判断処理部
16A 第1送信路
16B 第2送信路
17 表示部
17a 第1LED
17b 第2LED
30(30A、30B) 電子制御ユニット(ECU)
31(31A、31B、31C) バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子制御ユニットが接続された複数のバスと接続され、前記電子制御ユニット間でのメッセージフレームの送受信を中継する車載用の中継接続ユニットであって、
前記バスからメッセージを受信する受信部と、
前記バスへメッセージを送信する送信部と、
前記受信部で受信するメッセージフレームを、アービトレーションフィールドを受信すると送信を開始するカットスルー方式と、メッセージフレームを最後まで受信して送信を開始するストア&フォワード方式のいずれかで前記送信部からメッセージフレームを送信する中継処理部と、
前記カットスルー方式でメッセージを前記送信部へ送る第1送信路と、
前記ストア&フォワード方式でメッセージを前記送信部に送る第2送信路と、
前記第1送信路と接続され、該第1送信路から前記送信部へのメッセージ送信時に点灯する第1光源と、
前記第2送信路と接続され、該第2送信路から前記送信部へのメッセージ送信時に点灯する第2光源と、
を備えていることを特徴とする車載用の中継接続ユニット。
【請求項2】
前記中継処理部は、前記受信部から受信するメッセージフレームを先頭から順次記憶する一時記憶部と、該一時記憶部でメッセージフレームを最後まで記憶した後に該メッセージフレーム全体が一時記憶部から転送されるメイン記憶部とに接続し、かつ、
前記一時記憶部を前記第1送信路と接続すると共に、前記メイン記憶部を前記第2送信路と接続している請求項1に記載の車載用の中継接続ユニット。
【請求項3】
前記第1光源と前記第2光源はLEDからなり、該LEDが中継接続ユニットのケース外面に取り付けられている請求項1または請求項2に記載の車載用の中継接続ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−258874(P2008−258874A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−98062(P2007−98062)
【出願日】平成19年4月4日(2007.4.4)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】