説明

車載用表示装置

【課題】センタークラスターに配置されているモニタに表示された映像を後部座席の乗員にとっても見易いものとすること。
【解決手段】車載用表示装置4は、各種情報を表示可能なモニタ30と、このモニタ30の表面に配置されたタッチセンサーと、を備え、センタークラスター3に配置されている。この車載用表示装置4は、スマートフォン40に対して通信可能となっている。そして、モニタ30で表示されている映像をリアルタイムにスマートフォン40のモニタ42にも表示可能となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用表示装置に関し、詳しくは、各種情報を表示可能なモニタと、このモニタの表面に配置されたタッチセンサーと、を備え、センタークラスターに配置される車載用表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種情報を表示可能なモニタを有する車載用表示装置をセンタークラスターに配置する技術が既に知られている。ここで、下記特許文献1には、モニタの表面にタッチセンサーを有する、いわゆる、タッチパネルから成る車載用表示装置が開示されている。これにより、モニタを操作する操作スイッチを別途に設ける必要がないため、センタークラスターの意匠性を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−238294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来技術では、例えば、後部座席の乗員にとって、モニタに表示された映像が見難いものとなっていた。
【0005】
本発明は、このような課題を解決しようとするもので、その目的は、センタークラスターに配置されているモニタに表示された映像を後部座席の乗員にとっても見易いものとすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の目的を達成するためのものであって、以下のように構成されている。
請求項1に記載の発明は、各種情報を表示可能なモニタと、このモニタの表面に配置されたタッチセンサーと、を備え、センタークラスターに配置される車載用表示装置であって、スマートフォンに対して通信可能となっており、モニタで表示されている映像をリアルタイムにスマートフォンのモニタにも表示可能となっていることを特徴とする構成である。
この構成によれば、例えば、助手席の乗員の設定したリア用エアコンの温度を後部座席の乗員自身のスマートフォンのモニタで確認できる。したがって、モニタに表示された映像(この場合、リア用エアコンの設定温度)を後部座席の乗員にとっても見易いものにできる。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車載用表示装置であって、スマートフォンのモニタに表示されている映像をリアルタイムにモニタにも表示可能となっていることを特徴とする構成である。
この構成によれば、例えば、後部座席の乗員が自身のスマートフォンで設定したリア用エアコンの温度をモニタで確認できる。したがって、スマートフォンのモニタに表示された映像(この場合、リア用エアコンの設定温度)を助手席の乗員にとっても見易いものにできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本発明の車載用表示装置を適用した車内を示す図である。
【図2】図2は、図1において、リア用のエアコンを操作しているときを示す図である。
【図3】図3は、図1において、オーディオを操作しているときを示す図である。
【図4】図4は、図1において、エアコンの吹き出し状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜4を用いて説明する。まず、図1を参照して、本発明の実施例に係る車両1の内部の概略構成を説明する。この車両1には、図1に示すように、運転席10と、助手席12と、後部座席14とが設けられている。また、この車両1のインストルメントパネル2の中央にはセンタークラスター3が設けられている。このセンタークラスター3には、車載用表示装置4が設けられている。
【0010】
この車載用表示装置4は、各種情報(例えば、リア用エアコン情報、オーディオ情報)を表示可能なモニタ30と、このモニタ30の表面に配置されたタッチセンサー(図示しない)とから構成されている。このタッチセンサーは、シート状の電極から構成されており、人体の静電容量の変化を検出可能になっている。そのため、この車載用表示装置4は、車両1の乗員がモニタ30の所定の部位をタッチすると(指で触ると)、電極が割り付けられた所定のスイッチが電気的にONする構成、いわゆる、公知のタッチパネルとなっている。
【0011】
また、この車載用表示装置4は、モニタ42を有するスマートフォン40に対して相互にリアルタイムに通信可能となっている。ここで言う相互に通信とは、モニタ30で表示されている映像をリアルタイムにスマートフォン40のモニタ42にも表示可能となっていることであり、これとは逆に、スマートフォン40のモニタ42に表示されている映像をリアルタイムにモニタ30にも表示可能となっていることである。
【0012】
そのため、これら車載用表示装置4およびスマートフォン40には、相互に通信させるためのソフトウエァおよび各種情報を操作するために必要なソフトウエァが予め記憶されている。なお、この通信は、例えば、Wi−Fi、Bluetooth(登録商標)等の無線通信またはHDMIケーブル等の有線通信によって行われている。
【0013】
続いて、これら車載用表示装置4とスマートフォン40とを利用して、リア用エアコンとオーディオとの操作例を個別に説明する。はじめに、リア用エアコンの操作例から説明する。まず、助手席12の乗員は、モニタ30の所定の部位をタッチしてリア用エアコンの画面を起動させる。また、後部座席14の乗員も、自身のスマートフォン40を操作してリア用エアコンの画面を起動させる。
【0014】
次に、助手席12の乗員は、自身の所望する温度に設定する。例えば、図2は、車室内の温度が20.5℃になるように設定した例である。このとき、既に説明したように、モニタ30で表示されている映像をリアルタイムにスマートフォン40のモニタ42にも表示可能となっているため、スマートフォン40のモニタ42も20.5℃表記に切り替わる。このようにして助手席12の乗員の設定したリア用エアコンの温度を後部座席14の乗員自身のスマートフォン40のモニタ42で確認できる。
【0015】
この温度の設定は、スマートフォン40からも行うことができる。そのため、この温度の設定をスマートフォン40から行った場合でも、上記の説明と同様に、スマートフォン40のモニタ42に表示されている映像をリアルタイムにモニタ30にも表示可能となっているため、モニタ30も20.5℃表記に切り替わる。このようにして後部座席14の乗員の設定したリア用エアコンの温度をモニタ30で確認できる。
【0016】
なお、温度の設定を例に説明したが、これに限られるものでなく、風量の設定も同様に行うことができる。リア用エアコンは、このように操作できる。
【0017】
次に、オーディオの操作例を説明する。まず、後部座席14の乗員は、スマートフォン40を操作してオーディオのソフトウェアを起動させる。次に、後部座席14の乗員は、スマートフォン40を操作して自身の所望するラジオ番組に設定する。例えば、図3は、Zip FM(77.8MHz)になるように設定した例である。このようにして後部座席14の乗員の設定したラジオ番組をモニタ30で確認できる。
【0018】
なお、このモニタ30は、エアコンの吹出口の何処からエアが吹き出されているかの表示もできるようになっている。例えば、図4は、エアコンのエアが、正面の左右の吹出口2a、2aと、足元の左右の吹出口2b、2bと、フロントガラス霜取りの吹出口2cから吹き出されている例を示している。
【0019】
本発明の実施例に係る車載用表示装置4は、上述したように構成されている。この構成によれば、モニタ30で表示されている映像をリアルタイムにスマートフォン40のモニタ42にも表示可能となっている。そのため、例えば、助手席12の乗員の設定したリア用エアコンの温度を後部座席14の乗員自身のスマートフォン40のモニタ42で確認できる。したがって、モニタ30に表示された映像(この場合、リア用エアコンの設定温度)を後部座席14の乗員にとっても見易いものにできる。
【0020】
また、この構成によれば、スマートフォン40のモニタ42で表示されている映像をリアルタイムにモニタ30にも表示可能となっている。そのため、例えば、後部座席14の乗員が自身のスマートフォン40で設定したリア用エアコンの温度をモニタ30で確認できる。したがって、スマートフォン40のモニタ42に表示された映像(この場合、リア用エアコンの設定温度)を助手席12の乗員にとっても見易いものにできる。
【0021】
上述した内容は、あくまでも本発明の一実施の形態に関するものであって、本発明が上記内容に限定されることを意味するものではない。
実施例では、モニタ30の表示する各種情報の例として、リア用エアコン情報、オーディオ情報を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、ナビゲーション情報、テレビ情報等であっても構わない。なお、ナビゲーション情報の場合、モニタ30の映像を指でスクロールさせると、これに連動して、スマートフォン40のモニタ42の映像もスクロールすることとなる。これと同様に、スマートフォン40のモニタ42の映像を指でスクロールさせると、これに連動して、モニタ30の映像もスクロールすることとなる。
【符号の説明】
【0022】
3 センタークラスター
4 車載用表示装置
30 モニタ
40 スマートフォン





【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種情報を表示可能なモニタと、このモニタの表面に配置されたタッチセンサーと、を備え、センタークラスターに配置される車載用表示装置であって、
スマートフォンに対して通信可能となっており、
モニタで表示されている映像をリアルタイムにスマートフォンのモニタにも表示可能となっていることを特徴とする車載用表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車載用表示装置であって、
スマートフォンのモニタに表示されている映像をリアルタイムにモニタにも表示可能となっていることを特徴とする車載用表示装置。






【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−112165(P2013−112165A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260172(P2011−260172)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(308013436)小島プレス工業株式会社 (386)
【Fターム(参考)】