説明

車載装置およびアプリケーション停止制御方法

【課題】車載装置で利用できないアプリケーションが動作し続けることによるスマートフォンでの無駄な電池消費を回避できる「車載装置およびアプリケーション停止制御方法」を提供する。
【解決手段】車載装置100に対して携帯端末200が接続されたときに、携帯端末200において動作中であり、かつ、車載装置100で利用できないアプリケーションがあるか否かを判定し、そのようなアプリケーションがある場合には動作停止制御部109が動作停止命令を発生して携帯端末200に送信することにより、アプリケーションを実行中の携帯端末200を車載装置100に接続したときに、そのアプリケーションが車載装置100で利用できないものである場合にはそのアプリケーションの動作が停止するようにして、車載装置100で利用できないアプリケーションが携帯端末200で動作し続ける無駄を防ぐ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載装置およびアプリケーション停止制御方法に関し、特に、携帯端末と連携して携帯端末側のアプリケーションの機能を利用可能になされた車載装置に用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話の機能と携帯情報端末(PDA)の機能とを融合させた携帯端末が提供されている。この種の携帯端末は、スマートフォンと呼ばれており、通常の通話機能だけでなく、PDAが得意とする各種のアプリケーション機能を持っている。多くのスマートフォンは、タッチパネル画面を備えている。このタッチパネル画面には、通話を含む複数のアプリケーションを利用するための操作キー(アイコン)が表示され、当該アイコンのタッチ操作によって所望のアプリケーションを簡単に起動できるようになされている。
【0003】
一方、USB(Universal Serial Bus)等の有線あるいはブルートゥース等の無線によってスマートフォンと連携し、スマートフォンにインストールされたアプリケーションの機能を利用可能になされた車載装置も提供されつつある。この種の車載装置では、車載装置が対応するリソースの1つにスマートフォンを割り当て、リソース選択画面でスマートフォンを選択することにより、スマートフォンのアプリケーションに対する操作を車載装置において行うことができるようになされている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
なお、特許文献1に記載の車載装置では、無線通信が確立された複数の携帯端末上でそれぞれ提供されるデータのうち、「実行回数が最も多いアプリ」、「最近1週間で最も実行された回数が多いアプリ」、「最近1カ月で最も実行された回数が多いアプリ」、「接続回数が最も多い携帯端末で実行されているアプリ」など、予め指定された条件に一致するデータのみを取得して表示するようになされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−130674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
スマートフォンと連携可能になされた車載装置において、スマートフォンのタッチパネル画面に表示されている複数のアイコンのうち、車載装置で実際に利用可能なアプリケーションに対応するアイコンのみを車載装置の画面に表示させる技術も提案されている。この技術を用いれば、車載装置で利用できないアプリケーションのアイコンは車載装置に表示されないので、アイコンを操作しているのにアプリケーションが起動しないといった不都合を回避することができる。
【0007】
しかしながら、スマートフォン側で何れかのアプリケーションを起動して実行しているときにスマートフォンと車載装置とを接続した場合には、以下のような問題が生じることがある。すなわち、スマートフォン側で実行中のアプリケーションは、それが車載装置で利用できるものであるか否かによらず動作し続ける。そのため、実際にはスマートフォンと連携して車載装置で利用できないアプリケーションであっても動作状態が継続し、スマートフォンの電池を無駄に消費してしまうという問題を生じる。
【0008】
なお、スマートフォンと連携して車載装置側で利用できないアプリケーションの動作を停止するには、スマートフォン側で動作停止の操作をする必要がある。ところが、スマートフォン側の操作画面を見ても、車載装置で利用できないアプリケーションであるか否かは判断できない。そのため、車載装置で利用できないアプリケーションだけを選択してスマートフォン側で動作停止の操作をすることは困難である。
【0009】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、アプリケーションを実行中のスマートフォンと車載装置とを接続した場合に、車載装置で利用できないアプリケーションが動作し続けることによるスマートフォンでの無駄な電池消費を回避できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記した課題を解決するために、本発明の車載装置では、携帯端末が接続されたときに携帯端末側で動作中であり、かつ、車載装置で利用できないアプリケーションがあるか否かを判定し、そのようなアプリケーションがある場合には、そのアプリケーションの動作を停止させるための動作停止命令を発生して携帯端末に送信するようにしている。
【発明の効果】
【0011】
上記のように構成した本発明によれば、アプリケーションを実行中の携帯端末を車載装置に接続したときに、そのアプリケーションが車載装置で利用できないものである場合には、携帯端末側で何ら操作を行わなくても、そのアプリケーションの動作が停止される。そのため、車載装置で利用できないアプリケーションが携帯端末で動作し続ける状態を防ぎ、携帯端末での無駄な電池消費を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態による車載装置を含むアプリケーション実行システムの機能構成例を示すブロック図である。
【図2】車載装置の表示部および携帯端末の表示部に表示される画面の例を示す図である。
【図3】本実施形態による車載装置の動作例を示すフローチャートである。
【図4】本実施形態による動作停止確認画面の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態による車載装置を含むアプリケーション実行システムの機能構成例を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態のアプリケーション実行システムは、車載装置100とスマートフォン等の携帯端末200とを有線または無線により接続して構成されている。本実施形態の車載装置100は、携帯端末200と連携して携帯端末200側のアプリケーションプログラム(以下、単にアプリケーションという)の機能を利用可能に成されている。
【0014】
車載装置100は、通信部101、操作部102、表示部103、画面表示制御部104、利用可否判定部105、アプリケーション管理テーブル106、指示判定部107、動作実行制御部108、動作停止制御部109、動作状態判定部110および確認画面表示制御部111を備えて構成されている。また、携帯端末200は、通信部201、操作部202、表示部203、画面表示制御部204、アプリケーション記憶部205、アイコン記憶部206、動作制御部207および連携処理部208を備えて構成されている。
【0015】
車載装置100の通信部101および携帯端末200の通信部201は、車載装置100と携帯端末200とが接続された状態において、相互に各種のデータを通信する。例えば、通信部101,201は、携帯端末200にインストールされているアプリケーションの識別情報(例えば、ファイル名など)、携帯端末200においてアプリケーションが動作中であるか否かを示すステータス情報、アプリケーション起動用のアイコン、アプリケーションの実行結果を示す画面情報(以下、アプリケーション画面という)などを携帯端末200から車載装置100に通信する。また、通信部101,201は、携帯端末200にインストールされているアプリケーションの起動命令、動作実行命令、動作停止命令などのコマンド情報を車載装置100から携帯端末200に通信する。
【0016】
通信部101,201は、車載装置100と携帯端末200とが接続状態にあるか否かを検出する機能を有している。すなわち、通信部101,201は、車載装置100と携帯端末200とがケーブル等の有線で繋がれたときに、相互に所定の通信を行うことによって接続状態が確立したか否かを検出する。車載装置100と携帯端末200とをブルートゥース等により無線接続する形態の場合は、通信部101,201は、車載装置100と携帯端末200とが無線通信圏内に入ったときに、相互に所定の通信を行うことによって接続状態が確立したか否かを検出する。接続状態にあることを検出した場合、通信部101は、その旨を動作状態判定部110および利用可否判定部105に通知する。
【0017】
車載装置100の操作部102は、ユーザが車載装置100に対して各種の指示を行うためのものであり、例えばタッチパネルにより構成される。なお、操作部102はタッチパネルである必要はなく、例えばリモコンであってもよい。表示部103は、各種情報を表示するためのものであり、例えば液晶ディスプレイにより構成される。この表示部103には、携帯端末200から送られてくるアイコン、アプリケーション画面、アプリケーションの動作を停止するか否かの動作停止確認画面(詳しくは後述する)などが表示される。
【0018】
画面表示制御部104は、表示部103に対する上述した各種情報の表示を制御する。本実施形態において画面表示制御部104は、携帯端末200から送られてくるアイコンを表示部103に表示するときに、車載装置100で利用できるアプリケーションに対応するアイコンのみを表示し、車載装置100で利用できないアプリケーションに対応するアイコンは表示しないように制御する。
【0019】
車載装置100で利用できるアプリケーションか否かの判定は、利用可否判定部105が行う。その利用可否判定には、アプリケーション管理テーブル106に記憶されている管理情報を用いる。アプリケーション管理テーブル106は、車載装置100で利用できるアプリケーションの識別情報(ファイル名)をあらかじめ記憶している。利用可否判定部105は、通信部101が携帯端末200から受信したアプリケーションの識別情報と、アプリケーション管理テーブル106に記憶されているアプリケーションの識別情報とを比較することにより、携帯端末200にインストールされているアプリケーションのうち車載装置100で利用できるアプリケーションと利用できないアプリケーションとを判別する。
【0020】
利用可否判定部105は、車載装置100で利用できるアプリケーションを画面表示制御部104に通知する。この通知を受けた画面表示制御部104は、通信部101が携帯端末200から受信したアイコンのうち、車載装置100で利用できるアプリケーションに対応するアイコンのみを表示部103に表示するように制御する。なお、利用可否判定部105で判定した結果を、通信部101を介して携帯端末200に通知することにより、車載装置100で利用できるアプリケーションに対応するアイコンのみを携帯端末200から車載装置100に送信し、それを画面表示制御部104が表示部103に表示するように制御してもよい。
【0021】
指示判定部107は、操作部102への操作を通じて車載装置100に対して行われた指示の種類を判定する。例えば、指示判定部107は、操作部102に対する操作(表示部103に表示されたアイコンの押下操作)を通じて、携帯端末200にインストールされているアプリケーションの起動指示が行われたか否かを判定する。起動指示が行われたと判定した場合、指示判定部107はその旨を動作実行制御部108に通知する。この通知を受けた動作実行制御部108は、通信部101を介して携帯端末200に対して該当するアプリケーションの起動命令を送信する。この起動命令には、命令の対象とするアプリケーションの識別情報が含まれている。
【0022】
また、指示判定部107は、操作部102に対する操作(表示部103に表示されたアプリケーション画面に設けられている各種操作ボタンの押下操作)を通じて、携帯端末200にインストールされているアプリケーションに対する動作実行指示が行われたか否かを判定する。動作実行指示が行われたと判定した場合、指示判定部107はその指示の内容を動作実行制御部108に通知する。この通知を受けた動作実行制御部108は、通信部101を介して携帯端末200に対して動作実行命令を送信する。この動作実行命令には、命令の対象とするアプリケーションの識別情報が含まれている。
【0023】
また、指示判定部107は、操作部102に対する操作(表示部103に表示されたアプリケーション画面に設けられているシャットダウンボタンの押下操作、あるいは、上述の動作停止確認画面に設けられている動作停止ボタンの押下操作)を通じて、携帯端末200にインストールされているアプリケーションに対する動作停止指示が行われたか否かを判定する。動作停止指示が行われたと判定した場合、指示判定部107はその旨を動作停止制御部109に通知する。この通知を受けた動作停止制御部109は、通信部101を介して携帯端末200に対して該当するアプリケーションの動作停止命令を送信する。この動作停止命令には、命令の対象とするアプリケーションの識別情報が含まれている。
【0024】
動作状態判定部110は、車載装置100に対して携帯端末200が接続されたことが通信部101より通知されたときに、携帯端末200側で動作中のアプリケーションを判定する。具体的には、動作状態判定部110は、車載装置100に対して携帯端末200が接続されたときに通信部101が携帯端末200から受信するステータス情報に基づいて、携帯端末200にインストールされているアプリケーションのうちどのアプリケーションが動作中であるかを判定する。
【0025】
確認画面表示制御部111は、動作状態判定部110により携帯端末200側で動作中であると判定され、かつ、利用可否判定部105により車載装置100で利用できないと判定されたアプリケーションが存在する場合に、当該アプリケーションの動作を停止させるか否かをユーザに選択させるための動作停止確認画面を表示部103に表示するように制御する。
【0026】
上述のように、指示判定部107は、確認画面表示制御部111により表示部103に表示された動作停止確認画面への操作を通じてアプリケーションの動作を停止させるための指示が行われたか否かを判定する。そして、その判定の結果を動作停止制御部109に通知する。動作停止制御部109は、アプリケーションの動作停止指示が行われた旨の通知を指示判定部107から受けたときに、該当するアプリケーションの動作を停止させるための動作停止命令を発生して携帯端末200に送信する。
【0027】
携帯端末200の操作部202は、ユーザが携帯端末200に対して各種の指示を行うためのものであり、例えばタッチパネルにより構成される。表示部203は、各種情報を表示するためのものであり、例えば液晶ディスプレイにより構成される。この表示部203には、携帯端末200にインストールされているアプリケーションのアイコンやアプリケーション画面などが表示される。画面表示制御部204は、表示部203に対する上述した各種情報の表示を制御する。
【0028】
アプリケーション記憶部205は、携帯端末200にインストールされているアプリケーションを記憶する。アイコン記憶部206は、携帯端末200にインストールされているアプリケーションに対応するアイコンを記憶する。アイコン記憶部206に記憶されているアイコンは、画面表示制御部204に供給されて表示部203に表示される。また、当該アイコンは、連携処理部208により取得され、通信部201を介して車載装置100に送信される。そして、車載装置100に送信されたアイコンのうち車載装置100で利用できるアプリケーションに対応するものが、画面表示制御部104により表示部103に表示される。
【0029】
動作制御部207は、操作部202に対してユーザにより行われる操作に応じて、アプリケーション記憶部205に記憶されているアプリケーションの携帯端末200での動作を制御する。例えば、動作制御部207は、押下されたアイコンに対応するアプリケーションの起動、アプリケーションが有する機能の実行、アプリケーションの動作停止などを制御する。機能実行の結果として生成されるアプリケーション画面は、画面表示制御部204に出力されて表示部203に表示される。また、当該アプリケーション画面は、連携処理部208により取得され、通信部201を介して車載装置100に送信される。そして、車載装置100に送信されたアプリケーション画面は、画面表示制御部104により表示部103に表示される。
【0030】
連携処理部208は、車載装置100が携帯端末200と連携して携帯端末200側のアプリケーションの機能を利用する際に必要な情報を、通信部201を介して車載装置100に提供する。すなわち、連携処理部208は、アイコン記憶部206からアイコンを取得し、車載装置100に提供する。また、連携処理部208は、アプリケーション記憶部205からアプリケーションの識別情報を取得し、車載装置100に提供する。また、連携処理部208は、動作制御部207からアプリケーション画面を取得し、車載装置100に提供する。さらに、連携処理部208は、動作制御部207によるアプリケーションの動作状態を確認することにより、アプリケーションのステータス情報を生成して車載装置100に提供する。
【0031】
また、連携処理部208は、車載装置100から起動命令、動作実行命令、動作停止命令などのコマンド情報が送られてきたときは、そのコマンド情報を動作制御部207に供給する。動作制御部207は、連携処理部208から受け取ったコマンド情報に従って、携帯端末200の動作を制御する。
【0032】
図2は、車載装置100の表示部103および携帯端末200の表示部203に表示される画面の例を示す図である。図2(a)は、携帯端末200の表示部203に表示される画面の例を示す。図2(b)は、車載装置100の表示部103に表示される画面の例を示す。ここでは、車載装置100と携帯端末200とを接続したときに表示される画面の例を示している。
【0033】
図2(a)に示すように、携帯端末200の表示部203には、複数のアイコン21,22および操作ボタン23が表示されている。斜線を付していないアイコン21は、車載装置100で利用可能なアプリケーションに対応するものである。一方、斜線を付してあるアイコン22は、車載装置100で利用できないアプリケーションに対応するものである。
【0034】
このようなアイコン21,22の表示は、アイコン記憶部206に記憶されているアイコンを用いて画面表示制御部204によって行われる。なお、ここでは説明の都合上、車載装置100で利用可能なアプリケーションか否かによってアイコン21,22の表記を区別しているが、実際の画面上ではこのような区別はない。
【0035】
ユーザが操作ボタン23を押下すると、小画面24が立ち上がり、携帯端末200において現在動作中のアプリケーションのアイコンが集約して一覧表示されるようになっている。図2(a)の例では、車載装置100で利用可能なアプリケーションが1個、車載装置100で利用できないアプリケーションが3個、携帯端末200において現在動作中であり、これら4個のアプリケーションに対応するアイコンが小画面24内に一覧表示されている。
【0036】
一方、図2(b)に示すように、携帯端末200が接続された車載装置100の表示部103には、携帯端末200にインストールされているアプリケーションのうち、車載装置100で利用可能なアプリケーションに対応するアイコン21のみが表示される。このような表示の制御は、利用可否判定部105および画面表示制御部104によって行われる。
【0037】
また、携帯端末200で動作中であり、かつ、車載装置100で利用できないという条件を満たすアプリケーションが存在する場合には、アイコン21に加えて動作停止確認画面30が表示される。この動作停止確認画面30を表示するための制御は、利用可否判定部105、動作状態判定部110および確認画面表示制御部111によって行われる。
【0038】
図2(b)に示すように、動作停止確認画面30には、上述の条件を満たすアプリケーションが存在することをユーザに知らせるメッセージ31と、当該アプリケーションの動作を停止させるか否かをユーザに選択させるための指示ボタン32,33とが表示される。「はい」と表記された動作停止ボタン32は、アプリケーションの動作を停止させることを指示するためのボタンである。「いいえ」と表記された動作継続ボタン33は、アプリケーションの動作を停止せず動作中の状態を継続させることを指示するためのボタンである。
【0039】
ユーザが動作停止ボタン32を押下すると、そのことを指示判定部107が検知し、動作停止制御部109に通知する。この通知を受けて動作停止制御部109は、該当するアプリケーションの動作を停止させるための動作停止命令を発生し、通信部101を介して携帯端末200に送信する。携帯端末200では、この動作停止命令を受信して動作制御部207に供給することにより、動作中であったアプリケーションのうち車載装置100で利用できないアプリケーションの動作を停止させる。
【0040】
図3は、上記のように構成した本実施形態による車載装置100の動作例を示すフローチャートである。図3に示すフローチャートは、車載装置100と携帯端末200との接続時に実行される。図3において、通信部101は、携帯端末200が接続されたか否かを判定する(ステップS1)。携帯端末200が接続されたと判断した場合、通信部101は、携帯端末200にインストールされている各アプリケーションの識別情報、ステータス情報、アイコンを携帯端末200から受信する(ステップS2)。
【0041】
利用可否判定部105は、通信部101が携帯端末200から受信したアプリケーションの識別情報と、アプリケーション管理テーブル106に記憶されているアプリケーションの識別情報とを比較することにより、携帯端末200にインストールされているアプリケーションのうち車載装置100で利用できるアプリケーションと利用できないアプリケーションとを判別する(ステップS3)。そして、利用可否判定部105は、車載装置100で利用できるアプリケーションを画面表示制御部104に通知するとともに、車載装置100で利用できないアプリケーションを確認画面表示制御部111に通知する。
【0042】
画面表示制御部104は、利用可否判定部105からの通知を受けて、携帯端末200から受信したアイコンのうち、車載装置100で利用できるアプリケーションに対応するアイコン21のみを表示部103に表示させる(ステップS4)。
【0043】
次に、動作状態判定部110は、ステップS2で携帯端末200から受信したステータス情報に基づいて、携帯端末200にインストールされているアプリケーションのうちどのアプリケーションが動作中であるかを判定する(ステップS5)。そして、動作状態判定部110は、携帯端末200で動作中のアプリケーションを確認画面表示制御部111に通知する。
【0044】
確認画面表示制御部111は、ステップS3における利用可否判定部105の判定結果およびステップS4における動作状態判定部110の判定結果に基づいて、携帯端末200で動作中であり、かつ、車載装置100で利用できないという条件を満たすアプリケーションが存在するか否かを判定する(ステップS6)。条件を満たすアプリケーションが存在すると判断した場合、確認画面表示制御部111は、アイコン21に加えて動作停止確認画面30を表示部103に表示させる(ステップS7)。一方、条件を満たすアプリケーションが存在しないと確認画面表示制御部111にて判断した場合、図3に示すフローチャートの処理は終了する。
【0045】
確認画面表示制御部111によって動作停止確認画面30が表示された場合、指示判定部107は、当該動作停止確認画面30に設けられた動作停止ボタン32が押下されたか否かを判定する(ステップS8)。ここで、動作停止ボタン32が押下されたと判断した場合、指示判定部107は、その旨を動作停止制御部109に通知する。この通知を受けた動作停止制御部109は、通信部101を介して携帯端末200に対して該当するアプリケーションの動作停止命令を送信する(ステップS9)。そして、図3に示すフローチャートの処理は終了する。一方、動作停止ボタン32が押下されていない、つまり動作継続ボタン33が押下されたと判断した場合、図3に示すフローチャートの処理は終了する。
【0046】
以上詳しく説明したように、本実施形態の車載装置100では、携帯端末200が接続されたときに、携帯端末200において動作中であり、かつ、車載装置100で利用できないアプリケーションがあるか否かを判定する。そして、そのようなアプリケーションがある場合には動作停止確認画面30を表示し、動作停止ボタン32が押下されたことを確認して、該当するアプリケーションの動作を停止させるための動作停止命令を発生して携帯端末200に送信するようにしている。
【0047】
このように構成した本実施形態によれば、アプリケーションを実行中の携帯端末200を車載装置100に接続したときに、そのアプリケーションが車載装置100で利用できないものである場合には、動作停止ボタン32の操作を通じたユーザの意思確認のもと、アプリケーションの動作が停止される。そのため、車載装置100で利用できないアプリケーションが、ユーザの気がつかないまま携帯端末200で動作し続ける状態を防ぎ、携帯端末200での無駄な電池消費を回避することができる。
【0048】
なお、上記実施形態では、携帯端末200において動作中であり、かつ、車載装置100で利用できないという条件を満たすアプリケーションがある場合には動作停止確認画面30を表示し、動作停止ボタン32が押下されたときに動作停止命令を車載装置100から携帯端末200に送信する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、上述の条件を満たすアプリケーションが存在する場合に、動作停止確認画面30を表示することなく、動作停止命令を車載装置100から携帯端末200に自動的に送信するようにしてもよい。
【0049】
また、上記実施形態では、上述の条件を満たすアプリケーションが1以上存在する場合に、当該1以上のアプリケーションを全て動作停止とする例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、上述の条件を満たす1以上のアプリケーションを動作停止確認画面にて提示し、動作を停止させるアプリケーションをユーザが選択できるようにしてもよい。
【0050】
この場合、確認画面表示制御部111は、動作状態判定部110により携帯端末200で動作中であると判定され、かつ、利用可否判定部105により車載装置100で利用できないと判定された1以上のアプリケーションを動作停止確認画面にて提示する。指示判定部107は、動作停止確認画面への操作を通じて何れのアプリケーションの動作を停止させるための指示が行われたかを判定する。動作停止制御部109は、指示判定部107により動作停止指示が行われたと判定されたアプリケーションの動作を停止させるための動作停止命令を発生して携帯端末200に送信する。
【0051】
図4は、この場合に確認画面表示制御部111により表示される動作停止確認画面40の例を示す図である。なお、この図4において、図2(b)に示した構成要素と同一の機能を有する構成要素には同一の符号を付している。図4に示す動作停止確認画面40には、メッセージ31と、上述の条件を満たす各アプリケーションに対応する1以上のアイコン41と、当該各アプリケーションの動作停止を選択するためのチェックボックス42と、動作停止の指示を実行するための実行ボタン43とが表示されている。
【0052】
ユーザは、動作を停止させたいアプリケーションのアイコン41の下に表示されているチェックボックス42にチェックを入れた後、実行ボタン43を押す。すると、指示判定部107は、どのチェックボックス42にチェックが入った状態で実行ボタン43が押下されたかによって、何れのアプリケーションの動作を停止させるための指示が行われたかを判定する。そして、動作停止制御部109は、動作停止指示が行われたと判定されたアプリケーションの動作を停止させるための動作停止命令を発生して携帯端末200に送信する。
【0053】
このようにすれば、車載装置100で利用できないアプリケーションであっても、携帯端末200において常駐的に動作させておきたいアプリケーションについてはそのまま動作を継続させつつ、それ以外のアプリケーションについてのみ動作を停止させて携帯端末200での無駄な電池消費を回避することができる。
【0054】
また、上記実施形態では、携帯端末200でアプリケーションが動作中であるか否かの判定と、車載装置100で利用できないアプリケーションであるか否かの判定とを並列的に行う例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、まず、携帯端末200から通知された各アプリケーションが動作中であるか否かを判定し、動作中のアプリケーションのみを対象として、それが車載装置100で利用できるか否かを判定するようにしてもよい。逆に、携帯端末200から通知された各アプリケーションが車載装置100で利用できるか否かをまず判定し、利用できないアプリケーションのみを対象として、それが携帯端末200で動作中であるか否かを判定するようにしてもよい。
【0055】
また、上記実施形態において、動作制御部207が連携処理部208から動作停止命令を受けてアプリケーションの動作を停止させた場合は、停止させたアプリケーションの識別情報を記憶しておく。そして、車載装置100から携帯端末200が外されたことを通信部201が検知したときに、動作制御部207が、記憶しておいた識別情報に基づいて、車載装置100との接続時に停止されたアプリケーションを自動的に起動するようにしてもよい。
【0056】
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0057】
100 車載装置
105 利用可否判定部
107 指示判定部
109 動作停止制御部
110 動作状態判定部
111 確認画面表示制御部
200 携帯端末
207 動作制御部
208 連携処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末と連携して携帯端末側のアプリケーションの機能を利用可能になされた車載装置であって、
上記携帯端末が接続されたときに、上記携帯端末側で動作中のアプリケーションを判定する動作状態判定部と、
上記携帯端末が接続されたときに、上記携帯端末にインストールされているアプリケーションのうち上記車載装置で利用できないアプリケーションを判定する利用可否判定部と、
上記動作状態判定部により上記携帯端末側で動作中であると判定され、かつ、上記利用可否判定部により上記車載装置で利用できないと判定されたアプリケーションの動作を停止させるための動作停止命令を発生して上記携帯端末に送信する動作停止制御部とを備えたことを特徴とする車載装置。
【請求項2】
上記動作状態判定部により上記携帯端末側で動作中であると判定され、かつ、上記利用可否判定部により上記車載装置で利用できないと判定されたアプリケーションが存在する場合に、当該アプリケーションの動作を停止させるか否かをユーザに選択させるための動作停止確認画面を表示させる確認画面表示制御部と、
上記確認画面表示制御部により表示された上記動作停止確認画面への操作を通じて上記アプリケーションの動作を停止させるための指示が行われたか否かを判定する指示判定部とを更に備え、
上記動作停止制御部は、上記指示判定部により上記アプリケーションの動作を停止させるための指示が行われたと判定されたときに、上記アプリケーションの動作を停止させるための動作停止命令を発生して上記携帯端末に送信することを特徴とする請求項1に記載の車載装置。
【請求項3】
上記確認画面表示制御部は、上記動作状態判定部により上記携帯端末側で動作中であると判定され、かつ、上記利用可否判定部により上記車載装置で利用できないと判定された1以上のアプリケーションを上記動作停止確認画面にて提示し、
上記指示判定部は、上記確認画面表示制御部により表示された上記動作停止確認画面への操作を通じて何れのアプリケーションの動作を停止させるための指示が行われたかを判定し、
上記動作停止制御部は、上記指示判定部により指示が行われたと判定されたアプリケーションの動作を停止させるための動作停止命令を発生して上記携帯端末に送信することを特徴とする請求項2に記載の車載装置。
【請求項4】
携帯端末と連携して携帯端末側のアプリケーションの機能を利用可能になされた車載装置におけるアプリケーション停止制御方法であって、
上記携帯端末が接続されたときに、上記車載装置が、上記携帯端末側で動作中のアプリケーションを判定する動作状態判定ステップと、
上記携帯端末が接続されたときに、上記車載装置が、上記携帯端末にインストールされているアプリケーションのうち上記車載装置で利用できないアプリケーションを判定する利用可否判定ステップと、
上記車載装置が、上記動作状態判定ステップにて上記携帯端末側で動作中であると判定され、かつ、上記利用可否判定ステップにて上記車載装置で利用できないと判定されたアプリケーションの動作を停止させるための動作停止命令を発生して上記携帯端末に送信する動作停止制御ステップとを有することを特徴とするアプリケーション停止制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−252402(P2012−252402A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122552(P2011−122552)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】