説明

軌道の構造物情報検出装置

【課題】 車両が走行する軌道の周辺構造物に関する情報を、安価且つ高精度で検出するのに有効な技術を提供する。
【解決手段】 構造物情報検出装置を構成する測定用車両200は、軌道に沿って走行可能な走行台車210上にスライドテーブル241を備え、また当該スライドテーブル241の基準部位を軌道の軌道中心L上に設定するべく、当該スライドテーブル241の左右方向へのスライド移動を許容するセンタリング機構250を備えるとともに、軌道中心LないしレールRの外周面を基点とした建築限界内の任意の周辺構造物を直接検知する接触式の検知装置220を備える構成とされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両が走行する軌道の周辺に存在する周辺構造物に関する情報を検出する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電車等の車両が走行する軌道の周辺には、車両への乗り降りのためのプラットホームやその屋根、トンネル、信号機、標識をはじめ、各種の周辺構造物が建築されている。これらの周辺構造物の設置に関しては、車両や旅客の安全を確保するべく車両限界に対応した建築限界が設定され、当該建築限界に基づいて周辺構造物の軌道からの距離や高さが規定されている。また、軌道の保守点検時などにおいても、この建築限界と周辺構造物との位置関係を定期或いは不定期に測定したり、建築限界内に侵入している障害物を検知する作業が適宜行われる。
そこで、従来より、車両や旅客の安全を確保するべく、軌道の周辺に存在する周辺構造物と建築限界との位置関係を検出しようとする種々の方法が提案されている。例えば、下記特許文献1には、建築限界内に侵入している障害物を非接触にて検知しようとする光学式の検知装置を走行台車に搭載した第1の構成が記載されている。また、その他の装置として、走行台車側に固定された矢ないし棒状の検知部材を、建築限界内に侵入している障害物に接触させて検知しようとする第2の構成が知られている。
【特許文献1】特開平5−288519号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載の上記第1の構成のように、高価な光学式の検知装置を走行台車に搭載する構成は、設備コストが高くなるという問題を抱えている。また、上記第2の構成のように、走行台車側に検知部材を固定する構成は、第1の構成に比して設備コストを抑えることは可能であるものの、検知部材が走行台車側に固定されているため、軌道と車両(走行台車)との相対的なズレがそのまま検知誤差や測定誤差の要因となり得る。従って、第2の構成を用いる技術は、周辺構造物の検知精度や測定精度を高めるのに限界がある。
そこで、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、車両が走行する軌道の周辺構造物に関する情報を、安価且つ高精度で検出するのに有効な技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を達成するため、各請求項記載の発明が構成される。これら各請求項に記載の発明は、各種の車両が走行する軌道において、当該軌道の周辺構造物に関する情報を検出する技術に適用され得る。
なお、本明細書における「車両」には、旅客や貨物等を運ぶために、軌道に沿って走行する各種の車両が広く包含される。具体的には、電車、電気車、内燃車、蒸気車、旅客車、貨物車、内燃動車、特殊車などの普通車両や、モノレール車両、磁気浮上車両(リニアモーターカー)などの車両が、本発明における「車両」に該当する。従って、本発明の「軌道」には、車両進行方向に沿ってほぼ平行状に延在する2本タイプのレール(線路)により構成される軌道のみならず、例えばモノレール車両が走行する1本タイプのレール(線路)により構成される軌道をも含まれる。
また、本発明における「周辺構造物」には、軌道の周辺に建築される各種の構造物(建造物)が包含される。具体的には、車両への乗り降りのためのプラットホームやその屋根、トンネル、信号機、標識、その他の建築物が、本発明における周辺構造物に該当する。
また、本発明における「軌道の周辺構造物に関する情報を検出する」との形態としては、建築限界内の任意の周辺構造物を直接検知する形態や、建築限界と所定の周辺構造物との間の距離を計測する形態などが含まれる。このような情報の検出によって、建築限界内の障害物の存在を認識したり、建築限界との距離が計測された周辺構造物が侵入物になるか否かを認識することが可能となる。
【0005】
(本発明の第1発明)
前記課題を解決する本発明の第1発明は、請求項1に記載の軌道の構造物情報検出装置である。この構造物情報検出装置は、走行台車、基台、スライド機構、検知手段を少なくとも備える。
本発明の走行台車は、軌道に沿って走行可能な台車として構成される。この走行台車は、軌道に沿って走行することができれば足り、普通車両のような車輪を備える構成であってもよいし、或いは磁気浮上車両(リニアモーターカー)のような車輪以外の構造を備える構成であってもよい。
本発明の基台は、走行台車上に設けられた台として構成される。この基台は、走行台車に対する左右方向へのスライド移動が、本発明のスライド機構を介して許容されるように構成されている。このスライド機構は、基台の基準部位を軌道の軌道中心上に設定する機能を有する。すなわち、軌道と走行台車との相対的なズレが発生したとしても、スライド機構によって基台が左右方向へスライド移動することで、基台の基準部位は常に軌道中心上に維持されることとなる。なお、ここでいう「軌道の軌道中心」はまさしく軌道の中心の位置する部位であって、車両進行方向に沿ってほぼ平行状に延在する2本のレール(線路)が平行状に延在する軌道にあっては、両レールの左右方向に関する中間点が軌道中心に相当し、車両進行方向に沿ってほぼ平行状に延在する1本のレール(線路)が延在する軌道にあっては、当該レールの両外周面の中間点が軌道中心に相当する。
本発明の検知手段は、基台に取り付けられ、基台の基準部位、すなわち軌道の軌道中心を基点とした建築限界内の周辺構造物に直接接触することで当該周辺構造物を検知する構成とされる。この検知手段の具体的な構成としては、検知時における周辺構造物との接触によって検知部材が押圧されて台車後方へ向けて回動する回動式の構成や、検知時における周辺構造物との接触によって検知部材が押圧されて走行台車後方へ向けて弾性変形する構成などを種々採用することができる。
また、本発明でいう「建築限界」は、該当する車両や軌道に対するその周辺構造物の相対的な位置限界を規定するものであり、車両の走行時の動揺や偏移(偏り)などを考慮して予め規定された車両限界に対し、更にその車両限界の外方に適切な距離を加算することで確定される。この建築限界内に存在する周辺構造物は車両に対し障害物となり得るところ、任意の周辺構造物を接触式の検知手段によって直接検知することによって、作業者は障害物の存在を認識することが可能となる。
【0006】
従って、請求項1に記載の構造物情報検出装置のこのような構成によれば、周辺構造物を検知する手段として接触式の検知手段を用いることで、検知手段を光学式の検知センサを用いる構成に比して安価(簡便)に構成することが可能となる。また、軌道と走行台車との相対的なズレに対応してスライド可能な基台に検知手段を取り付ける構成によって、軌道の軌道中心を基点とした建築限界内にある周辺構造物の検知精度を高めることが可能となる。具体的には、実際には建築限界内に周辺構造物が侵入しているのにもかかわらず当該周辺構造物が検知されなかったり、実際には建築限界内に周辺構造物が侵入していないのにもかかわらず当該周辺構造物が誤って検知されるのを防止することが可能となる。従って、本発明によれば、車両が走行する軌道の周辺構造物に関する情報を安価且つ高精度で検出することが可能とされる。
【0007】
(本発明の第2発明)
前記課題を解決する本発明の第2発明は、請求項2に記載の軌道の構造物情報検出装置である。この構造物情報検出装置は、請求項1に記載の構成において、更に計測手段を備える構成とされる。すなわち、本発明の構造物情報検出装置では、検知手段及び計測手段の両方が設けられている。
本発明の計測手段は、基台に取り付けられ、基台の基準部位と周辺構造物との間の距離を測定する手段、要するに軌道の軌道中心と周辺構造物との間の距離を測定する手段として構成される。この計測手段は、検出手段と同様に、軌道と走行台車との相対的なズレに対応してスライド可能な基台に取り付けられるため、この計測手段を用いることによって、基台の基準部位と周辺構造物との間の距離に関する計測精度を高めることが可能となる。
従って、請求項2に記載の構造物情報検出装置のこのような構成によれば、検知手段を用いることによって、建築限界内にある任意の周辺構造物を精度よく検知することが可能となる一方、計測手段を用いることによって、所定の周辺構造物と基準部位(軌道中心)との距離を精度よく計測することができ、当該距離が適正であるか否かを認識することが可能となる。この構造物情報検出装置は、検知手段による検知機能と計測手段による計測機能の両機能を兼ね備えるため合理的である。
【0008】
(本発明の第3発明)
前記課題を解決する本発明の第3発明は、請求項3に記載の軌道の構造物情報検出装置である。この構造物情報検出装置は、請求項1に記載の構成要素である走行台車、基台、スライド機構と実質的に同様の構成要素を少なくとも備える。更に、本発明の構造物情報検出装置は、基台に取り付けられ、基台の基準部位と周辺構造物との間の距離を測定する計測手段を備える構成とされる。この計測手段は、軌道と走行台車との相対的なズレに対応してスライド可能な基台に取り付けられるため、この計測手段を用いることによって、基台の基準部位と周辺構造物との間の距離に関する計測精度を高めることが可能となる。
従って、請求項3に記載の構造物情報検出装置のこのような構成によれば、計測手段を用いることによって、所定の周辺構造物と基準部位(軌道中心)との距離を精度よく計測することができ、当該距離が適正であるか否かを認識することが可能となる。
【0009】
(本発明の第4発明)
前記課題を解決する本発明の第4発明は、請求項4に記載の軌道の構造物情報検出装置である。この構造物情報検出装置では、請求項2または請求項3に記載の計測手段は、伸縮部材及びスケール目盛を備える構成とされる。
本発明の伸縮部材は、基台と当該基台の側方ないし上方の周辺構造物との間で伸縮可能な長尺状の部材として構成される。本発明のスケール目盛りは、基台の基準部位と伸縮部材の先端部との間の距離を示す目盛りとして構成される。このような構成において、伸縮部材をその先端部が所定の周辺構造物に突き当たるまで伸長させたとき、基台の基準部位と当該周辺構造物との間の距離がスケール目盛りによって示されることとなる。
従って、請求項4に記載の構造物情報検出装置のこのような構成によれば、計測手段の構成に関し、伸縮部材及びスケール目盛りを用いることによって、所定の周辺構造物と基準部位(軌道中心)との距離を簡便に計測することが可能となる。
【0010】
(本発明の第5発明)
前記課題を解決する本発明の第5発明は、請求項5に記載の軌道の構造物情報検出装置である。この構造物情報検出装置では、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のスライド機構は、左右一対の転動車輪、左右一対のリンク機構、弾性部材を少なくとも備える。
本発明の左右一対の転動車輪は、軌道外周面に沿って転動可能な転動車輪として構成される。なお、本明細書中でいう「軌道外周面」は、軌道の外周部分を構成する部位であって、車両進行方向に沿ってほぼ平行状に延在する2本のレール(線路)が平行状に延在する軌道にあっては、各レールの外側の面が軌道外周面に相当し、車両進行方向に沿ってほぼ平行状に延在する1本のレール(線路)が延在する軌道にあっては、当該レールの両外周面が軌道外周面に相当する。
本発明の左右一対のリンク機構は、各転動車輪と基準部位との間の距離が左右で合致するように、これら各転動車輪及び基準部位を複数の関節部材を介して接続する機構として構成される。
本発明の弾性部材は、左右一対の転動車輪を互いに近接する方向へ弾性付勢する部材として構成される。典型的には、弾性バネを弾性部材として用いる。本発明におけるリンク機構及び弾性部材の協働によれば、軌間にかかわらず、基準部位と各転動車輪との間の距離は常に左右で合致し、また各転動車輪が常に軌道外周面に押し付けられるため、基準部位が常に軌道の軌道中心上に位置するように調整されることとなる。
従って、請求項5に記載の構造物情報検出装置のこのような構成によれば、基台のためのスライド機構を、リンク機構及び弾性部材を用いて簡便に構成することが可能となる。
なお、左右一対の転動車輪の構成に関し、車両進行方向に沿ってほぼ平行状に延在する2本のレール(線路)が平行状に延在する軌道にあっては、一方のレールの外周面を一方の転動車輪が転動し、他方のレールの外周面を他方の転動車輪が転動する構成を採用することができる。また、車両進行方向に沿ってほぼ平行状に延在する1本のレール(線路)が延在する軌道にあっては、当該レールの一方の外周面を一方の転動車輪が転動し、当該レールの他方の外周面を他方の転動車輪が転動する構成を採用することができる。
【0011】
(本発明の第6発明)
前記課題を解決する本発明の第6発明は、請求項6に記載の軌道の構造物情報検出装置である。この構造物情報検出装置は、請求項1に記載の構成要素である走行台車と実質的に同様の構成要素を少なくとも備える。更に、本発明の構造物情報検出装置は、スライド部材及び検知手段を備える。
本発明のスライド部材は、軌道外周面の少なくとも一方に追随して、走行台車に対し左右方向へスライド移動可能な部材として構成される。本発明では、軌道外周面の一方のみにスライド部材が追随してもよいし、或いは軌道外周面の両方にスライド部材が追随してもよい。軌道外周面の両方にスライド部材が追随する構成を採用する場合には、一方の軌道外周面に沿って転動可能な転動車輪に一方のスライド部材を取り付け、他方の軌道外周面に沿って転動可能な転動車輪に他方のスライド部材を取り付けたうえで、両スライド部材を、それらの間隔が軌道の間隔に追随して可変とされるリンク機構によって連結する構成を採用することができる。
本発明の検知手段は、スライド部材に取り付けられ、軌道外周面の少なくとも一方を基点とした建築限界内の周辺構造物に接触することで当該周辺構造物を検知する構成とされる。この検知手段の具体的な構成としては、検知時における周辺構造物との接触によって検知部材が押圧されて走行台車後方へ向けて回動する回動式の構成や、検知時における周辺構造物との接触によって検知部材が押圧されて台車後方へ向けて弾性変形する構成などを種々採用することができる。この検知手段は、請求項1に記載の検知手段と同様の構成要素を有してもよいし、或いは全てが異なる構成要素によって構成されていてもよい。また、本発明では、軌道外周面の少なくとも一方を基点とした建築限界内の周辺構造物に接触することで当該周辺構造物を検知する検知手段に、更に請求項1に記載の基台、スライド機構、及び基台の基準部位を基点とした建築限界内の周辺構造物に接触することで当該周辺構造物を検知する検知手段を追加した構成を採用することもできる。
【0012】
従って、請求項6に記載の構造物情報検出装置のこのような構成によれば、周辺構造物を検知する手段として接触式の検知手段を用いることで、検知手段を光学式の検知センサを用いる構成に比して安価(簡便)に構成することが可能となる。また、軌道外周面の少なくとも一方に追随して走行台車に対し左右方向へスライド移動可能なスライド部材に検知手段を取り付ける構成によって、軌道外周面の少なくとも一方を基点とした建築限界内にある周辺構造物の検知精度を高めることが可能となる。具体的には、実際には建築限界内に周辺構造物が侵入しているのにもかかわらず当該周辺構造物が検知されなかったり、実際には建築限界内に周辺構造物が侵入していないのにもかかわらず当該周辺構造物が誤って検知されるのを防止することが可能となる。従って、本発明によれば、車両が走行する軌道の周辺構造物に関する情報を安価且つ高精度で検出することが可能とされる。
【0013】
(本発明の第7発明)
前記課題を解決する本発明の第7発明は、請求項7に記載の軌道の構造物情報検出装置である。この構造物情報検出装置では、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の検知手段は、建築限界に沿って連続状に配置された複数の検知部材を備える構成とされる。そして、各検知部材が独立して周辺構造物を検知するように構成されている。すなわち、本発明では、建築限界に相当する領域を複数に区画したうえで、各区画に検知部材を連続状に配置することで、検知部材同士の間隔を抑えるようにしている。
従って、請求項7に記載の構造物情報検出装置のこのような構成によれば、検知手段の構成に関し、建築限界に沿って連続状に配置された複数の検知部材同士の間隔を抑えることによって、周辺構造物の検知漏れを防止することが可能となる。
【0014】
(本発明の第8発明)
前記課題を解決する本発明の第8発明は、請求項8に記載の軌道の構造物情報検出装置である。この構造物情報検出装置では、請求項7に記載の検知手段は、複数の検知部材が独立して回転可能な回動式に構成される。また、この検知手段は、各検知部材が周辺構造物との接触によって押圧され所定量回転したことを検出する検出スイッチを備える構成とされる。そして、検出スイッチの検出によって、建築限界内に侵入している周辺構造物があることが認識されることとなる。なお、各検知部材の回転量は必要に応じて適宜設定することができる。
従って、請求項8に記載の構造物情報検出装置は、検知手段の構成に関し、回動式の検知部材と周辺構造物との接触抵抗を極力減らすことによって、走行台車の走行を妨げることなく検知作業を遂行するのに有効である。
【0015】
(本発明の第9発明)
前記課題を解決する本発明の第9発明は、請求項9に記載の軌道の構造物情報検出装置である。この構造物情報検出装置では、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の検知手段は、軌道よりも下方に形成される建築限界内の周辺構造物を検知する構成とされる。すなわち、本発明の構造物情報検出装置は、高架線路のように地面よりも上方に配置された軌道に対して用いられるものである。このような軌道においては、その軌道の下方領域に大きな空間が形成されるため、軌道の上方領域や側方領域のみならず、軌道の下方領域が建築限界を規定するうえで重要となる。
従って、請求項9に記載の構造物情報検出装置は、軌道の一部または全部が地上に配置される場合において、軌道の下方領域に存在する周辺構造物に関する情報を精度よく検出するのに有効である。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明によれば、車両が走行する軌道の周辺構造物に関する情報を検出する技術において、特に、軌道に沿って走行可能な走行台車上に設けた基台の基準部位を、軌道の軌道中心に設定するとともに、当該基台に取り付けられた接触式の検知手段或いは測定手段を用いることによって、車両が走行する軌道の周辺構造物に関する情報を安価且つ高精度で検出することが可能となった。
また、本発明によれば、車両が走行する軌道の周辺構造物に関する情報を検出する技術において、軌道外周面の少なくとも一方に追随して、走行台車に対し左右方向へスライド移動可能なスライド部材を設けるとともに、当該スライド部材取り付けられた接触式の検知手段を用いることによって、車両が走行する軌道の周辺構造物に関する情報を安価且つ高精度で検出することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明の実施の形態につき、図面を参照しながら説明する。
【0018】
本発明における「軌道の構造物情報検出装置」の一実施の形態である構造物情報検出装置10の概略構成が図1に示される。
図1に示す構造物情報検出装置10は、該当する車両が走行する軌道の周辺構造物に関する情報を検出する装置であって、軌道上を走行可能な走行用車両100及び測定用車両200に大別される。この構造物情報検出装置10を、構造物情報検出用の車両と云うこともできる。これら走行用車両100及び測定用車両200は、連結機構114によって互いに連結されており、測定用車両200の車両後方或いは車両前方に走行用車両100が配置される。
なお、本実施の形態における軌道は、該当する車両としての磁気浮上車両(リニアモーターカー)のための軌道として構成される。従って、この磁気浮上車両が、本発明における「車両」に相当し、この磁気浮上車両が走行する左右のレールRによって、本発明における「軌道」が構成される。また、特に図示しないものの、このレールRは、磁気浮上車両の車体側に設けられた電磁石に対向する導体を構成するものであり、電磁石の通電時にレールRと電磁石との間に生じる吸引力によって車体が浮上するようになっている。
【0019】
走行用車両100は、駆動源としてのモータないしエンジン(図示省略)を搭載しており、この駆動原によって車輪112が駆動されることで、レールRからなる軌道上を車両前方あるいは車両後方へ走行可能となっている。走行用車両100の駆動源による自走に伴って、測定用車両200がレールRからなる軌道上を走行する構成とされる。この軌道は、車両進行方向に沿ってほぼ平行状に延在する延在する2本タイプのレールRによって構成される。
【0020】
測定用車両200は、走行車輪212を備えた走行台車210を有し、この走行台車210が連結機構114を介して走行用車両100に接続されている。この走行台車210は、軌道に沿って走行可能な台車であり、本発明における「走行台車」に対応している。詳細については後述するが、この走行台車210上には、検知装置220及び計測装置260が搭載されている。検知装置220は、概して軌道の建築限界内にある任意の周辺構造物を直接検知することによって、当該周辺構造物に関する構造物情報を検出する装置として構成される。一方、計測装置260は、軌道の軌道中心(2本のレールRの左右方向に関する中間点)を基点として、軌道の所定の周辺構造物までの距離を計測することによって、当該周辺構造物に関する構造物情報を検出する装置として構成される。したがって、測定用車両200は、概して周辺構造物に関する情報を、検知装置220及び計測装置260を用いて検出する車両であり、具体的には建築限界内にある周辺構造物を検知する構造物検知用の車両であるとともに、且つ周辺構造物までの距離を測定する寸法測定用の車両である。また、特に図示しないものの、測定用車両200の走行台車210には、特に計測装置260を用いた計測作業を行う作業者用の安全柵、手押し操作用のグリップ、牽引用金具、ブレーキ(ストッパー)などが設置されている。
【0021】
ここで、上記測定用車両200の具体的な構成を図2〜図8を参照しながら説明する。
【0022】
図2には、図1中の測定用車両200を車両前方からみた正面図が示され、図3には、図1中の測定用車両200を車両側方からみた側面図が示される。
図2及び図3に示すように、測定用車両200の走行台車210には、軌道上を走行するための走行車輪212に加え、案内車輪214及び補助車輪216が設けられている。案内車輪214は、レールRの側面に対し所定のクリアランスを有し、補助車輪216は、レールRの下部に対し所定のクリアランスを有する。これにより、走行台車210が軌道に対し左右方向及び上下方向へと相対移動した際の走行安定性が確保されることとなる。
【0023】
図2及び図3に示す検知装置220は、走行台車210の上方に配置されたスライドテーブル241、走行台車210とスライドテーブル241との間に介在するセンタリング機構250、スライドテーブル241或いはセンタリング機構250側に取り付けられた第1〜第8検知部材、後述するリミットスイッチ230を主体に構成されている。詳細については後述するが、スライドテーブル241は、センタリング機構250によって、走行台車210に対し左右方向にスライド動作可能とされる。このスライドテーブル241は、走行台車210上に設けられ、また検出装置220及び計測装置260が取り付けられる構成のものであり、本発明における「基台」に相当する。
【0024】
検知装置220を構成する第1〜第8検知部材は、各検知部材の外縁部(最外部)が該当する車両の建築限界(図2中の二点鎖線で示す建築限界A)に沿って連続状に配置されており、当該建築限界内に侵入している周辺構造物(「障害物」ともいう)に対し接触(当接)することで、当該周辺構造物の有無を検知可能な手段として構成される。すなわち、本実施の形態では、建築限界を検知部材の外縁部(最外部)によって規定している。また、当該建築限界に相当する領域を複数に区画したうえで、各区画に第1〜第8検知部材を連続状に配置することで、検知部材同士の間隔を抑えるようにしている。これにより、周辺構造物の検知漏れを防止することが可能となる。
なお、図2中に示す上記建築限界Aは、該当する車両に対するその周辺構造物の相対的な位置限界を規定するものであり、当該車両の走行時の動揺や偏移(偏り)などを考慮して規定された車両限界に対し、更にその車両限界の外方に適切な距離を加算することで確定される。この建築限界Aが、本発明における「建築限界」に相当する。
【0025】
具体的には、この検知装置220は、左右一対の第1検知部材221,221、左右一対の第2検知部材222,222、左右一対の第3検知部材223,223、左右一対の第4検知部材224,224、第5検知部材225、左右一対の第6検知部材226,226、左右一対の第7検知部材227,227、左右一対の第8検知部材228,228を備える。また、これら第1〜第8検知部材は、いずれも板状部材ないしフレーム枠状部材であり、各々が独立して回転可能な回動式に構成されている。従って、この検知装置220が、本発明における「検知手段」を構成し、この検知装置220の第1〜第8検知部材が、本発明における「複数の検知部材」に相当する。
各第1〜第5検知部材221,222,223,224,225、及び各第7検知部材227は、いずれも対応するスライドテーブル241(基台)に取付けられ、各第6検知部材226及び各第8検知部材228は、いずれも対応するスライド部材254(本発明における「スライド部材」に相当する)に取付けられる。
【0026】
なお、本実施の形態の検知部材を構成する板状部材として、好ましくは多孔板(パンチングプレート)や網状板(メッシュプレート)を用いる。このような多孔板の構成により、平板を用いる場合に比して板状部材の軽量化を図ることが可能となるとともに、板状部材が車両走行時や強風時に受ける風圧によって誤動作するのを防止することが可能となる。
【0027】
各第1検知部材221は、検知装置220の最上部において左右方向に延在するように配置されており、この第1検知部材221から下方に向けて、各第2検知部材222、各第3検知部材223、各第4検知部材224、各第6検知部材226、各第7検知部材227及び各第8検知部材228が順次配置されている。特に、各第2検知部材222は、各第1検知部材221の下方に連接して傾斜状に延在するように配置されている。また、各第3検知部材223は、各第2検知部材222の下方に連接して上下方向に延在するように配置されている。また、各第4検知部材224は、各第3検知部材223の下方に連接して上下方向に延在するように配置されている。なお、第5検知部材225は、走行台車210の下方において左右方向に関し中央位置に配置されている。
【0028】
また、検知装置220の右側及び左側において、第1検知部材221、第2検知部材222、第3検知部材223は、スライドテーブル241に対し左右方向へとスライド移動可能な共通フレーム229に各々取り付けられており、この共通フレーム229を必要に応じて適宜(詳細については後述する)スライド移動されることで、これら第1〜第3検知部材221,222,223は一体的に移動するように構成されている。また、これら第1〜第3検知部材221,222,223を保持する共通フレーム229は、スライドテーブル241に対して取り外し可能とされ、必要に応じて(適宜詳細については後述する)取り外される。
更に、検知装置220の右側及び左側において、第4検知部材224及び第7検知部材227は、いずれも独立してスライドテーブル241に対し左右方向へとスライド移動可能とされており、必要に応じて適宜(詳細については後述する)スライド移動される。
なお、上記構成では、第1〜第8検知部材を建築限界に沿って連続状に配置する場合について記載したが、本発明では対象となる周辺構造物の位置(配置領域)や数等に応じて、第1〜第8検知部材の一部を間引くように構成することもできる。
また、本発明では、
【0029】
ここで、上記検知装置220における第1〜第8検知部材の具体的な構成を、図4〜図6を参照しながら説明する。なお、本実施の形態において、第1〜第8検知部材の基本構成は実質的に同一であるため、ここでは各検知部材の構成を第5検知部材225を例にして説明する。図4には、初期状態(通常状態)にある図1中の第5検知部材225の一部を車両正面からみた図が示され、図5には、図4中の第5検知部材225を車両側方からみた図が示される。また、図5中の第5検知部材225が周辺構造物Wを検出したときの構造物検知状態が図6に示される。
【0030】
図4に示すように、平板状に構成された第5検知部材225は、走行台車210側の固定部225aにヒンジ(蝶番)225bを介して取り付けられている。この第5検知部材225は、復帰バネ225dによって図5に示す基準位置(初期位置)に復帰するように弾性付勢された状態で、回動軸225cを中心にして図5中の矢印10及び矢印12方向へ回転動作可能とされた回動式である。この第5検知部材225の回動軸225cには、円柱状のカムベース231に取り付けられており、第5検知部材225の回転動作に伴ってカムベース231も回転動作する構成になっている。このカムベース231の上方には、リミットスイッチ230が配置されており、このリミットスイッチ230からカムベース231側へ向けて弾性バネ233によって弾性付勢された係合部材232が突出する一方、カムベース231の外周部の一部には、この係合部材232が係合可能(嵌まり込み可能)な凹部231aが形成されている。このリミットスイッチ230は、各検知部材が周辺構造物との接触によって所定量回転したことを検出するスイッチであり、本発明における「検出スイッチ」に相当する。
【0031】
図5に示すように、第5検知部材225が基準位置(初期位置)にあるときのように、リミットスイッチ230の係合部材232がカムベース231の凹部231aに嵌まり込んでいるときは、リミットスイッチ230はオフ(OFF)の状態とされ、制御部(図示省略)に対し検知信号が出力されない。図5に示すこの初期状態では、制御部は、周辺構造物を検知していないと判定する。
【0032】
これに対し、図6に示すように、走行時の測定用車両200が軌道の周辺に存在する周辺構造物Wに近接し、接触(当接)した当該周辺構造物Wによって第5検知部材225が押圧されることによって、当該周辺構造物Wが制御部によって検知される。すなわち、周辺構造物Wによって押圧された第5検知部材225が車両後方側(図6中の矢印10方向)へ所定量回転し、これに伴ってリミットスイッチ230の係合部材232とカムベース231の凹部231aとの係合が外れるまでカムベース231が所定量回転すると、リミットスイッチ230はオン(ON)の状態とされ、制御部に対し検知信号が出力される。図6に示すこの構造物検知状態では、制御部は、周辺構造物を検知した或いは検知していると判定する。周辺構造物を検知した或いは検知していると判定した場合には、当該判定結果を、音(音声、ブザーなど)、表示(ランプ、数字、文字など)等の出力手段によって報知するのが好ましい。これにより、周辺構造物の位置(配置領域)や数などの情報が作業者によって認識される。
【0033】
図2及び図3に示す計測装置260は、本発明における「計測手段」を構成するものであり、走行台車210の上方に配置されたスライドテーブル241に取付けられている。この計測装置260は、垂直方向(上下方向)に延在しスライドテーブル241に対し固定された左右一対の固定側部材261,261、水平方向(左右方向)に延在し固定側部材261,261に対し固定された固定側部材262を備える。
【0034】
各固定側部材261には、当該固定側部材261に対し車両上下方向に伸縮動作(スライド移動)可能な長尺状の伸縮部材263が設けられるとともに、各伸縮部材263には、基準軸251に合致する軌道中心L(2本のレールRの左右方向に関する中間点)からL字状の先端部263aまでの距離を直接読み取ることができるスケール目盛り263bが設けられている。
従って、軌道の軌道中心Lを基点として、車両上方に存在する所定の建築物(周辺構造物)までの距離を測定する場合、作業者は各伸縮部材263をその先端部263aが車両上方に存在する建築物に突き当たるまで上方へと伸長(スライド)させる。そして、このときのスケール目盛り263bの目盛りを読み取ることによって、軌道中心Lと当該建築物との間の距離を計測することができる。
【0035】
同様に、固定側部材262には、当該固定側部材262に対し左右方向に伸縮動作(スライド移動)可能な長尺状の伸縮部材264が設けられるとともに、伸縮部材264には、基準軸251に合致する軌道中心LからL字状の先端部264aまでの距離を直接読み取ることができるスケール目盛り264bが設けられている。
従って、軌道の軌道中心Lを基点として、車両側方に存在する建築物(周辺構造物)までの距離を測定する場合、作業者は伸縮部材264をその先端部264aが車両側方に存在する建築物に突き当たるまで外方へと伸長(スライド)させる。そして、このときのスケール目盛り264bの目盛りを読み取ることによって、軌道中心Lと当該建築物との間の距離を計測することができる。
【0036】
このように、本実施の形態の計測装置260を構成する伸縮部材263,264は、スライドテーブル241の側方ないし上方の周辺構造物との間で伸縮可能な長尺状の部材であり、本発明における「伸縮部材」に相当する。また、起動中心Lと伸縮部材263,264の先端部との間の距離を示すスケール目盛り263b,264bが、本発明における「スケール目盛り」に相当する。なお、本実施の形態では、スライドテーブル241の側方ないし上方の周辺構造物との間に延在する部材を伸縮式(スライド式)の構成としたが、本発明ではこの構成にかえて折り畳み式の長尺部材を用い、計測時に当該長尺部材を折り出したうえでスケール目盛りを読み取るようにしたり、或いは巻き取り式の長尺部材を用い、計測時に当該長尺部材を巻き出したうえでスケール目盛りを読み取るようにすることもできる。
【0037】
次に、図2及び図3に示すセンタリング機構250の具体的な構成及び作用を、図7及び図8を参照しつつ説明する。
【0038】
本発明における「センタリング機構」の一実施の形態であるセンタリング機構250及びその周辺構造を車両上方からみた平面図が、図7に示される。
図7に示すように、本実施の形態のセンタリング機構250は、スライドテーブル241の左右方向に関する中間位置に連結された基準軸251、基準軸251のまわりに回転動作可能な回動部材252、この回動部材252の両端部252a,252bに接続部材253を介して接続されたスライド部材254、各スライド部材254の左右方向(図7中の矢印20及び矢印22方向)へのスライド動作を許容する一対のガイド部材255,255、回動部材252の端部252aを図7中の矢印24方向へと弾性付勢するセンタリングスプリング(引張りバネ)256、回動部材252の端部252bを図7中の矢印26方向へと弾性付勢するセンタリングスプリング(引張りバネ)257、各スライド部材254に接続されレールRの外周面Rsを当該レールRに沿って転動可能なセンタリング用車輪258を主体として構成されている。
【0039】
上記回動部材252及び左右一対の接続部材253,253は、各スライド部材254を基準軸251に接続する複数の関節部材を構成しており、本発明における「リンク機構」を構成する。また、上記基準軸251は、回動部材252の両端部252a,252bの中間に配置されており、また端部252aと一方のスライド部材254とを接続する接続部材253の長さと、端部252bと他方のスライド部材254とを接続する接続部材253の長さは合致するように構成されている。
【0040】
また、センタリングスプリング256の図7中の矢印24方向への弾性付勢力、及びセンタリングスプリング257の図7中の矢印26方向への弾性付勢力により、回動部材252には図7中の反時計回り方向の回転力が作用することとなる。これにより、各スライド部材254には、接続部材253を介して基準軸251側へと向かう引張り力が作用し、当該引張り力によって左右のセンタリング用車輪258,258が互いに近接する方向へ弾性付勢される。従って、左右のセンタリング用車輪258,258は、2本のレールRの左右方向に関する距離(軌間)の変化に追随して、常にレールRの外周面Rsに押し付けられた状態となる。従って、この左右のセンタリング用車輪258,258が、本発明における「左右一対の転動車輪」に相当し、センタリングスプリング256及びセンタリングスプリング257が、本発明における「左右一対の転動車輪を互いに近接する方向へ弾性付勢する弾性部材」を構成する。また、レールRの外周面Rsが、本発明における「軌道外周面」に相当する。
【0041】
上記リンク機構及びセンタリングスプリング256の協働によれば、2本のレールRの間の距離(軌間)にかかわらず、基準軸251と各センタリング用車輪258との間の距離は常に左右で合致し、これにより基準軸251が常に軌道の軌道中心L上に位置するように調整されることとなる。すなわち、センタリング機構250は、本発明における「基準部位」としての基準軸251の自動調芯機構を構成する。
一方で、図7中の二点鎖線で示すスライドテーブル241は、基準軸251に連結され、また走行台車210上に設けられた一対のガイド部材218,218によって左右方向(図7中の矢印20及び矢印22方向)への移動が許容されており、基準軸251に追随して左右方向へと動作する。このように、センタリング機構250は、スライドテーブル241の基準軸251を軌道中心L上に設定するべく、走行台車210に対するスライドテーブル241の左右方向へのスライド移動を許容する機能を有するものであり、本発明における「スライド機構」に相当する。
【0042】
前述のように、各第1〜第5検知部材221,222,223,224,225、及び各第7検知部材227は、いずれも対応するスライドテーブル241(基台)に取付けられており、軌道中心Lを基点とした建築限界内の周辺構造物を検知する場合に用いる。また、計測装置260も同様に、スライドテーブル241(基台)に取付けられており、軌道中心Lを基点として、当該軌道中心Lと所定の建築物との間の距離を計測する場合に用いる。これに対し、各第6検知部材226及び各第8検知部材228は、いずれも対応するスライド部材254に取付けられており、レールRの外周面Rs(軌道外周面)を基点とした建築限界内の周辺構造物を検知する場合に用いる。
なお、本実施の形態では、計測装置260をスライドテーブル241に取付ける場合について記載したが、本発明では、この計測装置260と同様の計測装置を、スライド部材254に取付けた構成を採用することもできる。このような構成によれば、レールRの外周面Rs(軌道外周面)を基点として、当該外周面Rsと所定の建築物との間の距離を計測することが可能となる。
【0043】
ここで、図7に示すセンタリング機構250に関し軌間が拡幅するときの動作を説明する図が図8に示される。
通常、軌道の左右方向に関する間隔(「軌間」ともいう)は場所によって異なり、例えば直線部分とカーブ(曲線部分)とでは軌道の間隔が異なることが想定される。そこで、一例として、図8に示すように、測定用車両200の走行中に2本のレールRからなる軌道の間隔がs1からs2へと拡幅された場合(拡幅距離△s)を考える。この場合には、レールRの外周面Rsを当該レールRに沿って転動する左右のセンタリング用車輪258,258は、センタリングスプリング256の弾性付勢力に抗して外側へと移動し、これに伴い各スライド部材254は、ガイド部材255によって案内されつつ外側へと移動する。例えば、図8中右側のセンタリング用車輪258及びスライド部材254にあっては、当該センタリング用車輪258及びスライド部材254は、図8中の二点鎖線で示す位置から実線で示す位置まで矢印22方向へと移動することとなる。このとき、回転部材252は、センタリングスプリング256,257の弾性付勢力に抗して基準軸251を中心に図8中の矢印28方向へと回転し、センタリングスプリング256,257は、この回転部材252の回転に伴って伸長する。
【0044】
このように、本実施の形態のセンタリング機構250によれば、2本のレールRの間隔が変化しても、スライドテーブル241が連結された基準軸251は常に軌道の軌道中心Lに維持され、この基準軸251を基点として前記第1〜第8検知部材の位置が定まる。従って、スライドテーブル241の各部位のうち、レールRの外周面Rsを基点として定まる建築限界に相当する位置に、前記第1〜第8検知部材を設置することで、当該建築限界内の周辺構造物を確実に検知することが可能とされる。
なお、回転部材252の回転動作を円滑化するためには、本実施の形態の如く、当該回転部材252を弾性付勢するセンタリングスプリングとしてセンタリングスプリング256及びセンタリングスプリング256の両方を設置するのが好ましいが、必要に応じては、これらセンタリングスプリング256及びセンタリングスプリング257のいずれか一方を省略することもできる。
【0045】
上記検知装置220は、前述のようにスライド可能ないし取り外し可能な検知部材を有しており、これら各検知部材の設定形態は、実際に計測作業を行う場所に応じて適宜変更される。以下、検知装置220を構成する各検知部材の具体的な設定形態を図9〜図14を参照しながら具体的に説明する。なお、これら図9〜図14においては、図2及び図3中の計測装置260の記載を便宜上省略している。
【0046】
図9には、本実施の形態の構造物情報検出装置10を用いてトンネル部の一般部直線区間において検知作業を行う際の検知部材の設定形態が示される。この設定形態は、トンネル部の直線区間、すなわち各第1〜第4検知部材221,222,223,224、及び各第7検知部材227に相当する部位が基準位置にある区間を想定したものである。従って、図9に示す設定形態では、各第1〜第3検知部材221,222,223、各第4検知部材224、及び各第7検知部材227は、いずれも基準状態に設定される。この基準状態においては、左右の第3検知部材223,223に関する外縁間隔は距離d1とされ、また左右の第4検知部材224,224に関する外縁間隔は距離d1とされる。また、左右の第7検知部材227,227に関する外縁間隔は距離d2とされる。この設定形態において、軌道に沿って測定用車両200を走行させたとき、トンネル部の一般部直線区間に存在する周辺構造物は、各検知部材に当接することで検知されることとなる。
【0047】
図10には、本実施の形態の構造物情報検出装置10を用いてトンネル部の一般部拡幅区間において検知作業を行う際の検知部材の設定形態が示される。この設定形態は、トンネル部の各区間のうち、各第1〜第4検知部材221,222,223,224に相当する部位が車幅方向外方へと拡張された区間を想定したものである。従って、図10に示す設定形態では、各第1〜第3検知部材221,222,223は、各共通フレーム229を図9中の基準位置(図10中の二点鎖線で示す位置)よりも外方へとスライド移動させることで、各々の設定位置が図9に示す設定形態よりも車幅方向外方へと移動された拡幅状態に設定される。また、各第4検知部材224は、その設定位置が図9中の基準位置(図10中の二点鎖線で示す位置)よりも車幅方向外方へと移動された拡幅状態に設定される。また、各第7検知部材227は、その設定位置が図9中の基準位置に維持される。
この設定形態においては、左右の第3検知部材223,223に関する外縁間隔は距離d3(>d1)とされ、また左右の第4検知部材224,224に関する外縁間隔は距離d3(>d1)とされる。また、左右の第7検知部材227,227に関する外縁間隔は距離d1に維持される。従って、この設定形態において、軌道に沿って測定用車両200を走行させたとき、トンネル部の一般部拡幅区間に存在する周辺構造物は、各検知部材に当接することで検知されることとなる。
【0048】
図11には、本実施の形態の構造物情報検出装置10を用いてトンネル部の乗降区間において検知作業を行う際の検知部材の設定形態が示される。この設定形態は、トンネル部の各区間のうち、各第4検知部材224及び各第4検知部材227に相当する部位が駅のホームによって車幅方向内方へと縮小された区間を想定したものである。従って、図11に示す設定形態では、各第1〜第3検知部材221,222,223は、図9中の基準位置に維持される。また、各第4検知部材224は、その設定位置が図9に示す基準位置(図11中の二点鎖線で示す位置)よりも車幅方向内方へと移動された縮幅状態に設定される。また、各第7検知部材227は、その設定位置が図9に示す基準位置(図11中の二点鎖線で示す位置)よりも車幅方向内方へと移動された縮幅状態に設定される。
この設定状態においては、左右の第3検知部材223,223に関する外縁間隔は距離d1とされ、また左右の第4検知部材224,224に関する外縁間隔は距離d4(<d1)とされる。また、左右の第7検知部材227,227に関する外縁間隔は距離d4(<d2)とされる。従って、この設定形態において、軌道に沿って測定用車両200を走行させたとき、トンネル部の乗降区間に存在する周辺構造物は、各検知部材に当接することで検知されることとなる。
【0049】
図12には、本実施の形態の構造物情報検出装置10を用いて一般部直線区間において検知作業を行う際の検知部材の設定形態が示される。この設定形態は、一般部(トンネル部以外)の直線区間、すなわち各第4検知部材224、及び各第7検知部材227に相当する部位が基準位置にある区間を想定したものである。従って、図12に示す設定形態では、各第1〜第3検知部材221,222,223を共通フレーム229ごと、スライドテーブル241から取り外す。また、各第4検知部材224ないし各第7検知部材227は、その設定位置が図9中の基準位置に維持される。
この設定形態においては、左右の第4検知部材224,224に関する外縁間隔は距離d1とされ、また、左右の第7検知部材227,227に関する外縁間隔は距離d2とされる。従って、この設定形態において、軌道に沿って測定用車両200を走行させたとき、一般部の直線区間に存在する周辺構造物は、各検知部材に当接することで検知されることとなる。
【0050】
図13には、本実施の形態の構造物情報検出装置10を用いて一般部拡幅区間において検知作業を行う際の検知部材の設定形態が示される。この設定形態は、一般部(トンネル部以外)の拡幅区間、すなわち各第4検知部材224、及び各第7検知部材227に相当する部位が車幅方向外方へと拡張された区間を想定したものである。従って、図13に示す設定形態では、各第1〜第3検知部材221,222,223を共通フレーム229ごと、スライドテーブル241から取り外す。また、各第4検知部材224は、その設定位置が図9中の基準位置(図13中の二点鎖線で示す位置)よりも車幅方向へ移動された拡幅状態に設定される。また、各第7検知部材227は、その設定位置が図9中の基準位置に維持される。
この設定形態においては、左右の第4検知部材224,224に関する外縁間隔は距離d3(>d1)とされ、また、左右の第7検知部材227,227に関する外縁間隔は距離d2とされる。従って、この設定形態において、軌道に沿って測定用車両200を走行させたとき、一般部の拡幅区間に存在する周辺構造物は、各検知部材に当接することで検知されることとなる。
【0051】
図14には、本実施の形態の構造物情報検出装置10を用いて一般部乗降区間において検知作業を行う際の検知部材の設定形態が示される。この設定形態は、一般部(トンネル部以外)の乗降区間、すなわちトンネル部の各区間のうち、各第4検知部材224及び各第4検知部材227に相当する部位が駅のホームによって車幅方向内方へと縮小された区間を想定したものである。従って、図14に示す設定形態では、各第1〜第3検知部材221,222,223を共通フレーム229ごと、スライドテーブル241から取り外す。また、各第4検知部材224は、その設定位置が図8中の基準位置(図14中の二点鎖線で示す位置)よりも車幅方向内方へと移動された縮幅状態に設定される。また、各第7検知部材227は、その設定位置が図9中の基準位置(図14中の二点鎖線で示す位置)よりも車幅方向内方へと移動された縮幅状態に設定される。
この設定形態においては、左右の第4検知部材224,224に関する外縁間隔は距離d4(<d1)とされ、また、左右の第7検知部材227,227に関する外縁間隔は距離d4(<d2)とされる。従って、この設定形態において、軌道に沿って測定用車両200を走行させたとき、一般部の乗降区間に存在する周辺構造物は、各検知部材に当接することで検知されることとなる。
【0052】
以上のように、本実施の形態によれば、構造物情報検出装置10を用いることによって、軌道の周辺構造物に関する情報を安価且つ高精度で検出することが可能とされる。すなわち、建築限界内の周辺構造物を接触式の検知部材を用いて検出する構成を採用することによって、光学式の検知センサを用いる構成に比して安価(簡便)に構成することが可能となる。また、軌道と走行台車との相対的なズレに対応してスライド可能な基台に検知装置220及び計測装置260を取り付ける構成によって、周辺構造物の検知精度及び計測精度を高めることが可能となる。特に、検知装置220に関しては、実際には建築限界内に周辺構造物が侵入しているのにもかかわらず当該周辺構造物が検知されなかったり、実際には建築限界内に周辺構造物が侵入していないのにもかかわらず当該周辺構造物が誤って検知されるのを防止することが可能となる。また、本実施の形態の構造物情報検出装置10は、検知装置220による検知機能と計測装置260による計測機能の両機能を兼ね備えるため合理的である。
また、本実施の形態によれば、検知装置220の構成に関し、建築限界に沿って連続状に配置された複数の検知部材同士の間隔を抑えることによって、周辺構造物の検知漏れを防止することが可能となる。
また、本実施の形態によれば、検知装置220の構成に関し、回動式の検知部材と周辺構造物との接触抵抗を極力減らすことによって、走行台車210の走行を妨げることなく検知作業を遂行するのに有効である。
また、本実施の形態によれば、軌道の一部または全部が地上に配置される場合において、軌道の下方領域に形成される空間に存在する周辺構造物に関する情報を検出するのに有効である。
また、本実施の形態によれば、計測装置260の構成に関し、伸縮部材263,264及びスケール目盛り263b,264bを用いることによって、所定の周辺構造物と基準軸251(軌道中心L)との距離を簡便に計測することが可能となる。
また、本実施の形態によれば、スライドテーブル241のためのセンタリング機構250をリンク機構(回転部材252、接続部材253等)、センタリングスプリング256,257及びセンタリング用車輪258を用いて簡便に構成することが可能となる。
【0053】
(他の実施の形態)
なお、本発明は上記の実施の形態のみに限定されるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。例えば、上記実施の形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
【0054】
上記実施の形態では、検知装置220の構成として第1〜第8検知部材を用いる場合について記載したが、本発明では、検知部材の数、形状、設置位置等は、対象となる周辺構造物の位置(配置領域)や数等に応じて適宜変更可能である。
また、これら第1〜第8検知部材をいずれも回動式の構成とし、検知時における周辺構造物との接触によって検知部材が押圧されて車両後方側へと回動する場合について記載したが、本発明では、これら第1〜第8検知部材の全部または一部を回動式以外の構成とすることもできる。例えば、検知時における周辺構造物との接触によって検知部材が押圧されて車両後方側へと弾性変形する構成を採用することもできる。
【0055】
また、上記実施の形態では、検知装置220及び計測装置260を搭載する測定用車両200について記載したが、本発明では、検知装置220の計測装置260のいずれか一方を必要に応じて適宜省略することもできる。
【0056】
また、上記実施の形態では、スライドテーブル241(基台)に取り付けた検知部材によって、軌道中心Lを基点とした建築限界内の周辺構造物を検知する第1の構成、及びスライド部材254に取り付けた検知部材によって、レールRの外周面Rs(軌道外周面)を基点とした建築限界内の周辺構造物を検知する第2の構成の両方を搭載した測定用車両200について記載したが、本発明では、必要に応じて第1の構成及び第2の構成の少なくとも一方を測定用車両に搭載することができる。
【0057】
また、上記実施の形態では、該当する車両が磁気浮上車両(リニアモーターカー)である場合における構造物情報の検出装置について記載したが、本発明では、構造物情報の検出装置の対象となる車両は磁気浮上車両に限定されるものではなく、他の車両が走行する軌道において構造物情報を検出する技術に本発明を適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明における「軌道の構造物情報検出装置」の一実施の形態である構造物情報検出装置10の概略構成を示す図である。
【図2】図1中の測定用車両200を車両前方からみた正面図である。
【図3】図1中の測定用車両200を車両側方からみた側面図である。
【図4】初期状態(通常状態)にある図1中の第5検知部材225の一部を車両正面からみた図である。
【図5】図4中の第5検知部材225を車両側方からみた図である。
【図6】図5中の第5検知部材225が周辺構造物Wを検出したときの構造物検知状態を示す図である。
【図7】本発明における「センタリング機構」の一実施の形態であるセンタリング機構250及びその周辺構造を車両上方からみた平面図である。
【図8】図7に示すセンタリング機構250に関し軌間が拡幅するときの動作を説明する図である。
【図9】本実施の形態の構造物情報検出装置10を用いてトンネル部の一般部直線区間において検知作業を行う際の検知部材の設定形態を示す図である。
【図10】本実施の形態の構造物情報検出装置10を用いてトンネル部の一般部拡幅区間において検知作業を行う際の検知部材の設定形態を示す図である。
【図11】本実施の形態の構造物情報検出装置10を用いてトンネル部の乗降区間において検知作業を行う際の検知部材の設定形態を示す図である。
【図12】本実施の形態の構造物情報検出装置10を用いて一般部直線区間において検知作業を行う際の検知部材の設定形態を示す図である。
【図13】本実施の形態の構造物情報検出装置10を用いて一般部拡幅区間において検知作業を行う際の検知部材の設定形態を示す図である。
【図14】本実施の形態の構造物情報検出装置10を用いて一般部乗降区間において検知作業を行う際の検知部材の設定形態を示す図である。
【符号の説明】
【0059】
10…構造物情報検出装置
100…走行用車両
101…車体構成部
102…フロント部
200…測定用車両
210…走行台車
212…走行車輪
214…案内車輪
216…補助車輪
218…ガイド部材
220…検知装置
221…第1検知部材
222…第2検知部材
223…第3検知部材
224…第4検知部材
225…第5検知部材
226…第6検知部材
227…第7検知部材
228…第8検知部材
230…リミットスイッチ
241…スライドテーブル
250…センタリング機構
251…基準軸
252…回転部材
253…接続部材
254…スライド部材
255…ガイド部材
256,257…センタリングスプリング
258…センタリング用車輪
260…計測装置
263,264…伸縮部材
263a,264a…先端部
263b,264b…スケール目盛り
R…レール
Rs…外周面
W…周辺構造物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が走行する軌道の周辺構造物に関する情報を検出する、軌道の構造物情報検出装置であって、
軌道に沿って走行可能な走行台車と、
前記走行台車上に設けられた基台と、
前記基台の基準部位を前記軌道の軌道中心上に設定するべく、前記走行台車に対する当該基台の左右方向へのスライド移動を許容するスライド機構と、
前記基台に取り付けられ、前記基台の基準部位を基点とした建築限界内の周辺構造物に接触することで当該周辺構造物を検知する検知手段と、
を備えることを特徴とする、軌道の構造物情報検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の軌道の構造物情報検出装置であって、
更に、前記基台に取り付けられ、前記基台の基準部位と周辺構造物との間の距離を測定する計測手段を備えることを特徴とする、軌道の構造物情報検出装置。
【請求項3】
車両が走行する軌道の周辺構造物に関する情報を検出する、軌道の構造物情報検出装置であって、
軌道に沿って走行可能な走行台車と、
前記走行台車上に設けられた基台と、
前記基台の基準部位を前記軌道の軌道中心上に設定するべく、前記走行台車に対する当該基台の左右方向へのスライド移動を許容するスライド機構と、
前記基台に取り付けられ、前記基台の基準部位と周辺構造物との間の距離を測定する計測手段と、
を備えることを特徴とする、軌道の構造物情報検出装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の軌道の構造物情報検出装置であって、
前記計測手段は、前記基台と当該基台の側方ないし上方の周辺構造物との間で伸縮可能な長尺状の伸縮部材と、前記基台の基準部位と前記伸縮部材の先端部との間の距離を示すスケール目盛りとを備え、前記伸縮部材をその先端部が周辺構造物に突き当たるまで伸長させたとき、前記基台の基準部位と当該周辺構造物との間の距離が前記スケール目盛りによって示される構成であることを特徴とする、軌道の構造物情報検出装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の軌道の構造物情報検出装置であって、
前記スライド機構は、軌道外周面に沿って転動可能な左右一対の転動車輪と、各転動車輪と前記基準部位との間の距離が左右で合致するように、これら各転動車輪及び基準部位を複数の関節部材を介して接続する左右一対のリンク機構と、左右一対の転動車輪を互いに近接する方向へ弾性付勢する弾性部材と、
を備える構成であることを特徴とする、軌道の構造物情報検出装置。
【請求項6】
車両が走行する軌道の周辺構造物に関する情報を検出する、軌道の構造物情報検出装置であって、
軌道に沿って走行可能な走行台車と、
軌道外周面の少なくとも一方に追随して、前記走行台車に対し左右方向へスライド移動可能なスライド部材と、
前記スライド部材に取り付けられ、前記軌道外周面の少なくとも一方を基点とした建築限界内の周辺構造物に接触することで当該周辺構造物を検知する検知手段と、
を備えることを特徴とする、軌道の構造物情報検出装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の軌道の構造物情報検出装置であって、
前記検知手段は、車両の建築限界に沿って連続状に配置された複数の検知部材を備え、各検知部材が独立して周辺構造物を検知するように構成されていることを特徴とする、軌道の構造物情報検出装置。
【請求項8】
請求項7に記載の軌道の構造物情報検出装置であって、
前記検知手段は、前記複数の検知部材が独立して回転可能な回動式に構成されるとともに、各検知部材が周辺構造物との接触によって押圧され所定量回転したことを検出する検出スイッチを備える構成であることを特徴とする、軌道の構造物情報検出装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の軌道の構造物情報検出装置であって、
前記検知手段は、軌道よりも下方に形成される建築限界内の周辺構造物を検知する構成であることを特徴とする、軌道の構造物情報検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−347448(P2006−347448A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−178094(P2005−178094)
【出願日】平成17年6月17日(2005.6.17)
【出願人】(391016303)中部エイチ・エス・エス・ティ開発株式会社 (3)
【Fターム(参考)】