説明

軌道分岐部の異物除去装置

【課題】軌道分岐部のクロッシング部のレール間において異物を除去することを可能にする、軌道分岐部の異物除去装置を提供する。
【解決手段】ノズルユニット14は、軌道分岐部100のクロッシング部Cに配置され、圧縮空気を噴射する。空気源装置11は、ノズルユニット14に圧縮空気を供給する。ノズルユニット14は、クロッシング部Cにおける前方側に配置され、クロッシング部Cにおける後方側に向かって圧縮空気を噴射するように開口形成された噴射口が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基本レールとこの基本レールに対して当接及び離間可能なトングレールとを有する軌道分岐部において設けられ、圧縮空気を噴射することでレールとレールとの間に落下した異物を除去する、軌道分岐部の異物除去装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、降雪地方では、鉄道の軌道分岐部において、電熱式、熱風式、温水式等の融雪装置が用いられている。しかし、このような融雪装置によると、車両が軌道分岐部を通過する際にその振動によって落とされる落下雪氷を短時間で溶かすことが難しく、また、雪氷がバラスト(軌道において敷き詰められた砕石や砂利)上に落下した際の衝撃による飛石等を除去することはできない。そこで、圧縮空気を噴射することで軌道分岐部における基本レールとトングレールとの間に落下した異物を除去する異物除去装置が提案されている(特許文献1乃至特許文献6参照)。
【0003】
特許文献1乃至特許文献6に開示された異物除去装置においては、ノズルが設けられた配管ユニットの取り付け構成が異なっている。まず、特許文献1及び特許文献2においては、配管ユニットがレールに対してそのレールの腹部に設けた孔にボルトを挿通させて取り付けられる異物除去装置が開示されている。また、特許文献3においては、レールの底面に沿って配置される特殊な構造の挟持金具を用いるとともにレールストッパの取付ボルトを利用することで、配管ユニットがレールに対して取り付けられた異物除去装置が開示されている。また、特許文献4乃至特許文献6においては、配管ユニットをレールに固定する取り付け用の部材(ボルトやねじ等)が中空構造で設けられ、その内部が圧縮空気を配管ユニットに供給する供給通路として構成されている異物除去装置が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開平6−240605号公報(第2−3頁、第1図、第3図)
【特許文献2】特開平7−54317号公報(第2−3頁、第1−2図)
【特許文献3】特開2000−144602号公報(第3頁、第1−7図)
【特許文献4】特開2000−144670号公報(第3頁、第1−2図、第5図)
【特許文献5】特開平7−54318号公報(第3頁、第1−2図)
【特許文献6】特開2001−131935号公報(第4頁、第2−3図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1乃至特許文献6に開示された異物除去装置は、いずれも、軌道分岐部における基本レールとトングレールとが当接可能な前方側に位置する前方部にノズルが設けられている。即ち、これらの特許文献においては、軌道分岐部における前方部のレール間(基本レールとトングレールとの間)において異物を除去する異物除去装置の構成が開示されている。したがって、上記の特許文献1乃至特許文献6に開示された異物除去装置では、軌道分岐部における前方部とは反対側の後方側に位置してレールが交差するクロッシング部において異物を除去することができない。
【0006】
また、上記の特許文献1乃至特許文献6に開示された異物除去装置を軌道分岐部のクロッシング部のレール間での異物除去装置として適用しようとする場合、ノズルが設けられた配管ユニットをクロッシング部のレール間に取り付ける必要がある。しかしながら、クロッシング部のレール間は、非常に間隔が狭いため、ノズルをクロッシング部に配置するように配管ユニットを取り付けることが困難である。とくに、新幹線用の線路構造などに設けられる大型の軌道分岐部におけるクロッシング部では、レールが交差する部分に位置するとともに前後方向に開いた形状に形成された翼レールとこれに当接及び離間可能な可動レールとが設けられており、この翼レールと可動レールとの間の間隔が極めて狭く構成されている。このため、特許文献1乃至特許文献6に開示された異物除去装置のようなノズルが設けられた配管ユニットをクロッシング部における翼レールと可動レールとの間に取り付けることができない。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みることにより、軌道分岐部のクロッシング部のレール間において異物を除去することを可能にする、軌道分岐部の異物除去装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための第1発明に係る軌道分岐部の異物除去装置は、基本レールと当該基本レールに対して当接及び離間可能なトングレールとを有する軌道分岐部に対して設けられ、圧縮空気を噴射することでレールとレールとの間に落下した異物を除去する、軌道分岐部の異物除去装置であって、前記軌道分岐部において前記基本レールと前記トングレールとが当接可能な前方側に位置する前方部とは反対側の後方側に位置してレールが交差するクロッシング部に配置され、圧縮空気を噴射するノズルユニットと、前記ノズルユニットに圧縮空気を供給する空気源装置と、を備え、前記ノズルユニットは、前記クロッシング部における前方側に配置され、前記クロッシング部における後方側に向かって圧縮空気を噴射するように開口形成された噴射口が設けられていることを特徴とする。
【0009】
この発明によると、圧縮空気を噴射するノズルユニットがクロッシング部における前方側に配置される。このため、レール間の間隔が狭い領域を含んでいるクロッシング部においてレールと干渉することを防止するようにノズルユニットを配置することができる。そして、ノズルユニットは、クロッシング部における後方側に向かって圧縮空気を噴射する噴射口が設けられているため、クロッシング部における間隔の狭いレール間に対して前方側から圧縮空気を噴射して異物を後方側に吹き飛ばして除去することができる。
従って、本発明によると、軌道分岐部のクロッシング部のレール間において異物を除去することを可能にする、軌道分岐部の異物除去装置を提供することができる。
【0010】
第2発明に係る軌道分岐部の異物除去装置は、第1発明の軌道分岐部の異物除去装置において、前記ノズルユニットは、前記クロッシング部にてレールが交差する部分に位置するとともに前後方向に開いた形状に形成された翼レールにおいて前方側に向かって開くように延びる一対の前方開放レール部の間に配置され、前記翼レールにおいて後方側に向かって開くように延びる一対の後方開放レール部にその内側で当接及び離間可能な可動レールに向かって圧縮空気を噴射することを特徴とする。
【0011】
この発明によると、ノズルユニットは、一対の後方開放レール部に対して可動レールが当接及び離間する翼レールにおける一対の前方開放レール部の間に配置される。このため、ノズルユニットが、翼レール及び可動レールと干渉することがなくクロッシング部において配置される。そして、ノズルユニットは、一対の後方開放レール部の内側で当接及び離間する後方側の可動レールに向かって圧縮空気を噴射するため、翼レールと可動レールとの間に落下した異物を後方側に向かって吹き飛ばして除去することができる。
【0012】
第3発明に係る軌道分岐部の異物除去装置は、第2発明の軌道分岐部の異物除去装置において、前記噴射口は、複数設けられるとともに、前記一対の前方開放レール部の間において前記翼レールの長手方向と垂直な面に沿って広がって配置されていることを特徴とする。
【0013】
この発明によると、翼レールにおける一対の前方開放レール部の間で面方向に広がって配置された噴射口から圧縮空気が可動レールに向かって噴射されるため、翼レールの内側と可動レールとの間の領域に圧縮空気が十分に広がって流動することになる。このため、翼レールと可動レールとの間の領域において異物をより万遍なく除去することができる。
【0014】
第4発明に係る軌道分岐部の異物除去装置は、第1発明乃至第3発明のいずれかの軌道分岐部の異物除去装置において、前記噴射口は、複数設けられるとともに、前記ノズルユニットにおいて同心状に配置されていることを特徴とする。
【0015】
この発明によると、ノズルユニットにおいて、複数設けられた噴射口が同心状に配置されている。このため、多くの噴射口から噴射される圧縮空気をより密集した状態で噴射することができ、高い異物除去能力を発揮して効率よくクロッシング部のレール間の異物を除去することができる。
【0016】
第5発明に係る軌道分岐部の異物除去装置は、第1発明乃至第4発明のいずれかの軌道分岐部の異物除去装置において、前記噴射口は、前記クロッシング部における後方側で且つ斜め下方に向かって圧縮空気を噴射するように開口形成されていることを特徴とする。
【0017】
この発明によると、噴射口から圧縮空気が後方側で且つ斜め下方に向かって噴射される。このため、下方に向かって噴射された圧縮空気が軌道に対して跳ね返るように流動し、これに伴い、軌道に落下している異物が跳ね上げられるようにして除去されることになる。これにより、軌道分岐部のクロッシング部において、落下した異物を跳ね上げるようにして効率よく除去することができる。
【0018】
第6発明に係る軌道分岐部の異物除去装置は、第1発明乃至第5発明のいずれかの軌道分岐部の異物除去装置において、加熱して温めた加熱空気を前記ノズルユニットに供給する温風供給装置を更に備え、前記ノズルユニットは、前記クロッシング部における後方側に向かって前記加熱空気を吹き出すように開口形成された温風吹出口が更に設けられていることを特徴とする。
【0019】
この発明によると、ノズルユニットからクロッシング部における後方側に向かって加熱空気が吹き出されるため、ノズルユニットにより、クロッシング部において、圧縮空気を用いた異物除去機能に加えて加熱空気を用いた融雪機能も果たすことができる。そして、温風吹出口がノズルユニットを利用して設けられているため、クロッシング部において、圧縮空気を噴射する構成と温風を吹き出す構成とを両方備えるコンパクトな構造のノズルユニットを配置して異物を除去することができる。
【0020】
第7発明に係る軌道分岐部の異物除去装置は、第6発明の軌道分岐部の異物除去装置において、前記ノズルユニットにおける前記噴射口及び前記温風吹出口が設けられている端部において、前記温風吹出口が前記端部の中心部分に配置され、前記噴射口が前記温風吹出口の周囲に複数配置されていることを特徴とする。
【0021】
この発明によると、ノズルユニットの端部において、温風吹出口が中心部分に配置されて周囲に噴射口が配置される。このため、干渉させることなく温風吹出口と噴射口とを密集して配置することができ、圧縮空気を噴射する構成と温風を吹き出す構成とを両方備えるよりコンパクトな構造のノズルユニットを実現することができる。また、加熱空気を吹き出す温風吹出口は、圧縮空気を噴射する噴射口よりも口径が大きいことが要求されるが、この温風吹出口が中心部分に配置されるため、より大口径の温風吹出口を容易に形成することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によると、軌道分岐部のクロッシング部のレール間において異物を除去することを可能にする、軌道分岐部の異物除去装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。尚、本発明の実施形態に係る軌道分岐部の異物除去装置は、軌道分岐部において設けられて圧縮空気を噴射することでレールとレールとの間に落下した異物を除去する軌道分岐部の異物除去装置として広く適用できるものである。
【0024】
[第1実施形態]
(軌道分岐部の構成)
図1は、本発明の第1実施形態に係る軌道分岐部の異物除去装置1(以下、単に「異物除去装置1」という)とこの異物除去装置1が設けられた軌道分岐部100とを模式的に示す平面図である。図1に示す軌道分岐部100は、例えば、新幹線用の線路構造における軌道(路盤上に配置されるレール、まくらぎ、道床などの構造物)に設けられている。
【0025】
図1に示すように、軌道分岐部100においては、一対の基本レール101、101、一対のトングレール102、102、リードレール103、翼レール(ウィングレール)104、可動レール105、固定部106、主レール107、などが設置されている。図1に示すように、一対の基本レール101、101は、所定の間隔を離間した状態で配設され、この一対の基本レール101、101間に、一対のトングレール102、102が配設されている。また、基本レール101及びトングレール102は、図示を省略するが、まくらぎ上に床板やベアリング床板を介して配設されており、トングレール102はベアリング床板により移動可能に構成されている。これにより、各トングレール102は、各基本レール101に対して当接及び離間可能に設けられている。
【0026】
ここで、軌道分岐部100において基本レール101とトングレール102とが当接可能な側を前方側とし、軌道分岐部100におけるその反対側を後方側とする。図1では、軌道分岐部100における前方の方向を矢印Aで、後方の方向を矢印Bで示している。通常、軌道分岐部100に対して前方側から進入した車両が、軌道分岐部100において進行方向を規定され、軌道分岐部100の後方側へと走行していくことになる。
【0027】
また、図1に示すように、軌道分岐部100は、軌道方向において破線で区分けした各領域(ポイント部P、リード部L、クロッシング部C)に分けて把握することができる。ポイント部Pは、軌道分岐部100の前方側において基本レール101とトングレール102とが当接する部分を含む領域として構成されている。クロッシング部Cは、軌道分岐部100の後方側において翼レール104、可動レール105、及び固定部106が配置された領域として構成されている。リード部Lは、ポイント部Pとクロッシング部Cとの間でポイント部Pとクロッシング部Cとを結ぶ部分でリードレール103が配置された領域として構成されている。本実施形態では、これらの領域のうちのポイント部P及びリード部Lが、軌道分岐部100において前方側に位置する前方部を構成しており、クロッシング部Cは、この前方部とは反対側の後方側に位置してレールが交差する部分を含む領域として構成されている。
【0028】
図2は、軌道分岐部100のクロッシング部Cにおける翼レール104とその近傍の領域を示す平面図である。図1及び図2に示すように、翼レール104は、クロッシング部Cにおいてレールが交差する部分に位置するとともに前後方向に開いた形状に形成されている。そして、この翼レール104は、前方側に向かって開くように延びる一対の前方開放レール部108、108と、後方側に向かって開くように延びる一対の後方開放レール部109、109とを備えて構成されている。
【0029】
また、図1及び図2に示すように、可動レール105は、前方側が尖るように細くなるとともに後方側が二股に開いた形状に形成されている。そして、可動レール105は、その二股部分が、略三角形状に尖ったような先端部分を有する固定部106に当接して揺動可能に配置されている。また、可動レール105は、その前方側の端部が、この可動レール105の揺動動作に伴い、翼レール104における一対の後方開放レール部109、109に対してその内側で当接及び離間可能に構成されている。
【0030】
上述した軌道分岐部100においては、各トングレール102の前方側における端部同士は、図示しない転轍機に備えられる転轍棒によって一定間隔が維持された状態で連結されている。そして、図示しない制御装置からの指令に基づいて転轍機が作動することにより、基本レール101に対してトングレール102が当接又は離間する方向に移動し、軌道分岐部100における走行レールの切り換え動作(ポイントの切り換え動作)が行われるようになっている。また、このとき、クロッシング部Cの可動レール105は、転轍機の作動に伴いトングレール102と連動して変位するように構成され、固定部106を支点構造として揺動するように変位し、その前方側の端部が翼レール104に対して当接又は離間するように構成されている。
【0031】
(異物除去装置の構成)
次に、第1実施形態に係る異物除去装置1の構成について説明する。異物除去装置1は、上述した軌道分岐部100に設けられ、圧縮空気を噴射することでレールとレールとの間に落下した雪や飛石などの異物を除去するために設置される。図1及び図2に示すように、異物除去装置1は、空気源装置11、メインタンク12、サブタンク13、ノズルユニット14、前方部圧縮空気噴射機構15、空気配管16、タンク間配管17、ノズル配管18、電磁切換弁19等を備えて構成されている。
【0032】
図1及び図2に示す空気源装置11は、コンプレッサとして構成されており、メインタンク12及びサブタンク13を介してノズルユニット14に圧縮空気を供給する圧縮空気供給源として設けられている。空気源装置11とメインタンク12とは空気配管16を介して接続されており、空気源装置11にて生成された圧縮空気は、空気配管16を介してメインタンク12に供給されて貯留される。
【0033】
図1及び図2に示すように、メインタンク12は、サブタンク13よりも容量の大きい大型のタンクとして設けられている。このメインタンク12は、サブタンク13に対してタンク間配管17を介して接続し、サブタンク13に圧縮空気を供給するように構成されている。また、タンク間配管17は、途中から分岐しており、基本レール101とトングレール102との間の異物を圧縮空気の噴射により除去する機構として設けられた前方部圧縮空気噴射機構15にも接続している。即ち、ノズルユニット14に対して圧縮空気を供給する圧縮空気供給源である空気源装置11及びメインタンク12は、前方部圧縮空気噴射機構15の圧縮空気供給源としても用いられている。
【0034】
また、図1及び図2に示すように、サブタンク13は、ノズル配管18を介してノズルユニット14に圧縮空気を供給するタンクとして設けられている。サブタンク13の容量は、例えば、ノズルユニット14において異物除去能力の観点から要求されるノズル噴射圧力にて所定の噴射量を少なくとも1回分確保するだけの容量が確保されるように設定されている。尚、小型のサブタンク13は軌道分岐部100におけるクロッシング部Cの近傍に配置され、空気源装置11及び大型のメインタンク12は軌道分岐部100に対して遠方に配置される。例えば、軌道分岐部100が、新幹線用の線路構造のように、地上より高い位置に架け渡された高架式軌道に配置されている場合であれば、軌道分岐部100の周辺での設置スペースの確保が困難なため、空気源装置11及びメインタンク12が高架式軌道の下方の地上に配置される。そして、小型のサブタンク13が軌道分岐部100のクロッシング部Cの近傍に配置される。このように、サブタンク13がクロッシング部Cの近傍に配置されることで、ノズル配管18の配管長さが長くなって圧力損失が増大してしまうことを抑制でき、ノズルユニット14における噴射圧力を確保し易くすることができる。
【0035】
図3は、図2において破線Dで囲んだ領域を拡大して示す拡大図(図3(a))と、図2のE−E線矢視断面図(図3(b))とを示したものである。図1乃至図3に示すように、ノズル配管18は、ノズルユニット14とサブタンク13とを接続する配管として設けられている。そして、ノズル配管18においてノズルユニット14に接続する先端側は、翼レール104における一対の前方開放レール部108、108の間で延びるとともに後方側に向かって延びるように配置されている。また、ノズル配管18には、その途中において電磁切換弁19が設けられており、図示しない制御装置からの指令に基づいてこの電磁切換弁19の作動が切り換えられるように構成されている。このため、ノズル配管18は電磁切換弁19により連通状態及び遮断状態のいずれかに切り換えられることになる。これにより、ノズル配管18を介したノズルユニット14への圧縮空気の供給が制御され、ノズルユニット14から噴射される圧縮空気の噴射動作が制御されるように構成されている。
【0036】
図1乃至図3に示すように、圧縮空気を噴射するノズルユニット14は、軌道分岐部100におけるクロッシング部Cに配置されている。また、このノズルユニット14は、クロッシング部Cにおける前方側で翼レール104の一対の前方開放レール部108、108の間に配置されている。そして、ノズルユニット14は、ノズル配管18の先端側の部分とともに、一対の前方開放レール部108、108の間の領域において、車両の車輪と干渉することのない下方のスペースに配置されている(図3(b)参照)。
【0037】
図4は、ノズルユニット14のみを示した図であり、ノズルユニット14の正面図(図4(b))、平面図(図4(a))、及び右側面図(図4(c))を示している。図2乃至図4に示すように、ノズルユニット14は、一端側がノズル配管18に接続された筒状部材20と、筒状部材20の他端側に取り付けられた平板状の蓋部材21と、を備えて構成されている。筒状部材20は、その内部に中空部20aが形成されている。蓋部材21は、一対の前方開放レール部108、108の間で可動レール105の前方側の先端に対向するように配置されている。
【0038】
また、蓋部材21には、開口面積が大きい大径噴射口22と開口面積が小さい小径噴射口23とがそれぞれ複数設けられている。これらの大径噴射口22及び小径噴射口23は、クロッシング部Cにおける後方側に向かって圧縮空気を噴射し、これにより、可動レール105の先端に向かって圧縮空気を噴射するように、蓋部材21において開口形成されている。また、大径噴射口22及び小径噴射口23は、クロッシング部Cにおける後方側で且つ少し斜め下方に向かって圧縮空気を噴射するように開口形成されている。
【0039】
また、大径噴射口22は、ノズルユニット14の他端側の端部における中心側である蓋部材21の中心側に配置され、小径噴射口23は、大径噴射口22の周囲に配置されるように、それぞれ形成されている。このように形成されることで、これらの大径噴射口22及び小径噴射口23がノズルユニット14において同心状に配置されている。また、大径噴射口22及び小径噴射口23は、平板状の蓋部材21に形成されることで、一対の前方開放レール部108、108の間において翼レール104の長手方向と垂直な面に沿って広がって配置されている。
【0040】
(異物除去装置の作動)
上述した異物除去装置1においては、空気源装置11にて圧縮空気が生成され、この圧縮空気が空気配管16を介してメインタンク12に供給されて貯留されている。また、メインタンク12からタンク間配管17を介してサブタンク13及び前方部圧縮空気噴射機構15に対して圧縮空気が供給されている。このとき、サブタンク13においては、メインタンク12に貯留されている圧縮空気とほぼ同程度の圧力の圧縮空気が貯留されている。また、サブタンク13においては、前述のように、ノズルユニット14において異物除去能力の観点から要求されるノズル噴射圧力にて所定の噴射量を少なくとも1回分確保するだけの容積の圧縮空気が貯留されている。
【0041】
そして、上述した状態において、図示しない制御装置が、例えば、異物の落下検知センサ(図示せず)や降雪センサ(図示せず)等の各種センサでの検知結果、或いは転轍機(図示せず)の動作信号(ポイントの切り換え信号)等の各種機器の動作指令信号などに基づいて、電磁切換弁19の切り換え指令を発してこの電磁切換弁19を作動させることで、異物除去動作が行われることになる。また、上記のポイント切り換え信号に伴って、トングレール102の前方側の端部が基本レール101に対して当接又は離間し、可動レール105が翼レール104における一対の後方開放レール部109、109に対して当接又は離間する。
【0042】
尚、車両運行中の時間帯等の異物除去動作が必要となる可能性のある時間帯においては、空気源装置11から供給される圧縮空気は、メインタンク12を介してサブタンク13に貯留されている。この状態から、前述のように、制御装置からの指令に基づいて電磁切換弁19が切り換えられることで、サブタンク13に貯留された圧縮空気がノズル配管18を介してノズルユニット14に流動する。そして、ノズルユニット14における大径噴射口22及び小径噴射口23から圧縮空気が噴射され、この圧縮空気により、軌道分岐部100のクロッシング部Cにおける翼レール104と可動レール105との間に落下した異物が後方側に吹き飛ばされて除去されることになる。
【0043】
上述した圧縮空気の噴射動作が完了した後は、電磁切換弁19が切り換えられてノズル配管18が遮断され、メインタンク12から供給された圧縮空気がサブタンク13に充填されて次回の噴射に備えて貯留されることになる。
【0044】
(異物除去装置の効果)
以上説明した異物除去装置1によると、圧縮空気を噴射するノズルユニット14がクロッシング部Cにおける前方側に配置される。このため、レール間の間隔が狭い領域を含んでいるクロッシング部Cにおいてレールと干渉することを防止するようにノズルユニット14を配置することができる。尚、クロッシング部Cにおける翼レール104と可動レール105との間の間隔(一対の後方開放レール部109、109の一方と可動レール105との間隔)は、約6mm程度と非常に狭い場合が一般的となっている。しかし、このようにレール間の間隔が狭い領域を含んでいるクロッシング部Cにおいても、レールと干渉することを防止するようにノズルユニット14をクロッシング部Cの前方側に配置することができる。そして、ノズルユニット14は、クロッシング部Cにおける後方側に向かって圧縮空気を噴射する大径噴射口22及び小径噴射口23が設けられているため、クロッシング部Cにおける間隔の狭いレール間に対して前方側から圧縮空気を噴射して異物を後方側に吹き飛ばして除去することができる。
【0045】
従って、本実施形態によると、軌道分岐部100のクロッシング部Cのレール間において異物を除去することを可能にする異物除去装置1を提供することができる。
【0046】
また、異物除去装置1によると、ノズルユニット14は、一対の後方開放レール部109、109に対して可動レール105が当接及び離間する翼レール104における一対の前方開放レール部108、108の間に配置される。このため、ノズルユニット14が、翼レール104及び可動レール105と干渉することがなくクロッシング部Cにおいて配置される。そして、ノズルユニット14は、一対の後方開放レール部109、109の内側で当接及び離間する後方側の可動レール105に向かって圧縮空気を噴射するため、翼レール104と可動レール105との間に落下した異物を後方側に向かって吹き飛ばして除去することができる。
【0047】
また、異物除去装置1によると、翼レール104における一対の前方開放レール部108、108の間で面方向に広がって配置された大径噴射口22及び小径噴射口23から圧縮空気が可動レール105に向かって噴射されるため、翼レール104の内側と可動レール105との間の領域に圧縮空気が十分に広がって流動することになる。このため、翼レール104と可動レール105との間の領域において異物をより万遍なく除去することができる。
【0048】
また、異物除去装置1によると、ノズルユニット14において、複数設けられた大径噴射口22及び小径噴射口23が同心状に配置されている。このため、多くの噴射口(22、23)から噴射される圧縮空気をより密集した状態で噴射することができ、高い異物除去能力を発揮して効率よくクロッシング部Cのレール間の異物を除去することができる。
【0049】
また、異物除去装置1によると、大径噴射口22及び小径噴射口23から圧縮空気が後方側で且つ斜め下方に向かって噴射される。このため、下方に向かって噴射された圧縮空気が軌道に対して跳ね返るように流動し、これに伴い、軌道に落下している異物が跳ね上げられるようにして除去されることになる。これにより、軌道分岐部100のクロッシング部Cにおいて、落下した異物を跳ね上げるようにして効率よく除去することができる。
【0050】
[第2実施形態]
(異物除去装置の構成)
次に、本発明の第2実施形態に係る軌道分岐部の異物除去装置2(以下、単に「異物除去装置2」という)について説明する。第2実施形態の異物除去装置2は、第1実施形態と同様に、軌道分岐部100に対して設けられ、圧縮空気を噴射することでレールとレールとの間に落下した雪や飛石などの異物を除去するために設置される。尚、以下の説明においては、第1実施形態と同様の構成要素については、第1実施形態の説明での符号を引用して又は図面において同一の符号を付して説明を省略する。また、軌道分岐部100の構成も第1実施形態と同様であり、説明を省略する。
【0051】
図5は、異物除去装置2が設けられた軌道分岐部100のクロッシング部Cにおける翼レール104とその近傍の領域を示す平面図である。異物除去装置2は、第1実施形態の異物除去装置1と同様に、空気源装置11、メインタンク12、サブタンク13、前方部圧縮空気噴射機構15、空気配管16、タンク間配管17、ノズル配管18、電磁切換弁19等を備えて構成されている(図1参照)。ただし、図5に示すように、異物除去装置2は、第1実施形態では設けられていない温風供給装置25及び温風配管26を更に備えるとともに、第1実施形態とは異なる構成のノズルユニット24を備えている。
【0052】
図5に示す温風供給装置25は、加熱して温めた加熱空気をノズルユニット24に供給する装置として設けられており、ファン及び加熱用ヒータ(図示せず)を備えて構成されている。この温風供給装置25は、まず、回転するファンにより周囲の空気を吸い込み、この吸い込んだ空気を加熱用ヒータで加熱して温めて加熱空気を生成し、更にこの加熱空気を上記ファンにより温風配管26に送風するように構成されている。一方、温風配管26は、ノズルユニット24に接続している。これにより、温風供給装置25から送風された加熱空気(温風)が温風配管26を介してノズルユニット24に供給されるようになっている。
【0053】
図6は、図5において破線Fで囲んだ領域を拡大して示す拡大図(図6(a))と、図5のG−G線矢視断面図(図6(b))とを示したものである。図5及び図6に示すように、ノズル配管18の先端側に接続されて圧縮空気を噴射するノズルユニット24は、第1実施形態と同様に、軌道分岐部100におけるクロッシング部Cに配置されている。また、このノズルユニット24は、クロッシング部Cにおける前方側で翼レール104の一対の前方開放レール部108、108の間に配置されている。そして、ノズルユニット24は、ノズル配管18の先端側の部分とともに、一対の前方開放レール部108、108の間の領域において、車両の車輪と干渉することのない下方のスペースに配置されている(図6(b)参照)。
【0054】
図7は、ノズルユニット24を温風配管26の一部とともに示した図であり、ノズルユニット24の正面図(図7(a))、平面図(図7(b))、及び右側面図(図7(c))を示している。なお、図7(c)では、ノズル配管18の一部も二点鎖線で示している。図5乃至図7に示すように、ノズルユニット24は、一端側がノズル配管18に接続されるとともに内部が中空の直方体状の部材として形成されている。
【0055】
ノズルユニット24における他端側の平面状に形成された端部には、開口面積が大きい大径噴射口27と開口面積が小さい小径噴射口28とがそれぞれ複数設けられている。これらの大径噴射口27及び小径噴射口28は、クロッシング部Cにおける後方側に向かって圧縮空気を噴射し、これにより、可動レール105の先端に向かって圧縮空気を噴射するように、ノズルユニット24の他端側の端部において開口形成されている。また、大径噴射口27及び小径噴射口28は、クロッシング部Cにおける後方側で且つ少し斜め下方に向かって圧縮空気を噴射するように開口形成されている。また、小径噴射口28は、大径噴射口27の周囲に配置されるように形成されている。また、大径噴射口27及び小径噴射口28は、ノズルユニット24における平面状の端部に形成されることで、一対の前方開放レール部108、108の間において翼レール104の長手方向と垂直な面に沿って広がって配置されている。
【0056】
また、ノズルユニット24は、その下部において温風供給口30が開口形成されており、その内部において温風供給口30に連通する温風通路31が形成されている。温風供給口30は温風配管26に接続しており、温風通路31が温風配管26に対して連通している。これにより、温風供給装置25で生成された加熱空気が温風配管26を介して温風通路31に流入することになる。そして、ノズルユニット24の他端側の端部には、大径噴射口27及び小径噴射口28に加え、温風吹出口29が更に設けられている。この温風吹出口29は、温風通路31に連通しており、クロッシング部Cにおける後方側に向かって上記加熱空気を吹き出すように開口形成されている。また、ノズルユニット24における大径噴射口27、小径噴射口28及び温風吹出口29が設けられている端部において、温風吹出口29がその中心部分に配置され、複数の大径噴射口27及び小径噴射口28が温風吹出口29の周囲に配置されている。尚、ノズルユニット24の内部においては、ノズル配管18から大径噴射口27及び小径噴射口28へと連通し圧縮空気が通過する領域と、上記加熱空気が通過する領域である温風通路31とが、温風通路31を区画する管状の壁部で仕切られた状態に構成されている。
【0057】
(異物除去装置の作動)
上述した異物除去装置2においては、温風供給装置25にて前述の加熱空気が生成され、この加熱空気が、温風配管26を介してノズルユニット24に供給され、温風吹出口29からクロッシング部Cにおける後方側に向かって温風として吹き出されている。この温風吹き出し動作は、ノズルユニット24における圧縮空気の噴射動作が行われていないときには、継続的に行われている。また、温風吹き出し動作が行われているときには、第1実施形態と同様に、圧縮空気がサブタンク13に供給されて貯留されている。
【0058】
上述した状態において、図示しない制御装置が、ポイントの切り換え信号等の各種機器の動作指令信号などに基づいて、電磁切換弁19の切り換え指令を発してこの電磁切換弁19を作動させることで、圧縮空気の噴射動作が行われることになる。即ち、制御装置からの指令に基づいて電磁切換弁19が切り換えられることで、サブタンク13に貯留された圧縮空気がノズル配管18を介してノズルユニット24に流動する。そして、ノズルユニット24における大径噴射口27及び小径噴射口28から圧縮空気が噴射され、この圧縮空気により、軌道分岐部100のクロッシング部Cにおける翼レール104と可動レール105との間に落下した異物が後方側に吹き飛ばされて除去されることになる。そして、圧縮空気の噴射動作のために電磁切換弁19が切り換えられるときには、温風供給装置25におけるファンの運転が停止される。このため、圧縮空気の噴射動作中に温風吹出口29からの温風吹き出し動作が停止されることになる。
【0059】
上述した圧縮空気の噴射動作が完了した後は、電磁切換弁19が切り換えられてノズル配管18が遮断され、メインタンク12から供給された圧縮空気がサブタンク13に充填されて次回の噴射に備えて貯留されることになる。また、温風供給装置25のファンの運転が開始され、温風吹き出し動作が開始されることになる。
【0060】
(異物除去装置の効果)
以上説明した異物除去装置2によると、第1実施形態と同様に、軌道分岐部100のクロッシング部Cのレール間において異物を除去することができ、翼レール104と可動レール105との間に落下した異物を後方側に向かって吹き飛ばして除去することができる。
【0061】
そして、異物除去装置2によると、ノズルユニット24からクロッシング部Cにおける後方側に向かって加熱空気が吹き出されるため、ノズルユニット24により、クロッシング部Cにおいて、圧縮空気を用いた異物除去機能に加えて加熱空気を用いた融雪機能も果たすことができる。そして、温風吹出口29がノズルユニット24を利用して設けられているため、クロッシング部Cにおいて、圧縮空気を噴射する構成と温風を吹き出す構成とを両方備えるコンパクトな構造のノズルユニット24を配置して異物を除去することができる。
【0062】
また、異物除去装置2によると、ノズルユニット24の端部において、温風吹出口29が中心部分に配置されて周囲に大径噴射口27及び小径噴射口28が配置される。このため、干渉させることなく温風吹出口29と噴射口(27、28)とを密集して配置することができ、圧縮空気を噴射する構成と温風を吹き出す構成とを両方備えるよりコンパクトな構造のノズルユニット24を実現することができる。また、加熱空気を吹き出す温風吹出口29は、圧縮空気を噴射する噴射口(27、28)よりも口径が大きいことが要求されるが、この温風吹出口29が中心部分に配置されるため、より大口径の温風吹出口29を容易に形成することができる。
【0063】
また、異物除去装置1によると、ノズルユニット24が、直方体状に形成されているため、翼レール104における一対の前方開放レール部108、108の間の空間を有効活用し、より容積の大きいノズルユニット24を形成することができる。このため、圧縮空気が通過する領域と加熱空気が通過する領域とを内部に確保し易いノズルユニット24を実現することができる。
【0064】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができるものである。例えば、次のような変形例を実施することができる。
【0065】
(1)本実施形態においては、圧縮空気を噴射する構成が軌道分岐部のクロッシング部だけでなく前方部にも配置されている場合を例にとって説明したが、必ずしもこの通りでなくてもよく、圧縮空気を噴射する構成がクロッシング部のみに設けられている異物除去装置であってもよい。また、軌道分岐部の前方部において圧縮空気を噴射する構成とは別個独立に構成されるものであってもよい。
【0066】
(2)ノズルユニットの形態については、本実施形態において例示したものに限らず、種々変更して実施することができる。図8及び図9は、ノズルユニットの変形例を説明するための図であって、図8(a)及び図9(a)は、第1実施形態の図3(a)及び第2実施形態の図6(a)に対応する図であり、図8(b)及び図9(b)は、第1実施形態の図3(b)及び第2実施形態の図6(b)に対応する図である。尚、図8及び図9においては、第1及び第2実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付して説明を省略する。
【0067】
図8に示す変形例に係るノズルユニット32においては、ノズルユニット32における本体の部材に対して複数のノズル部材33が設けられている。そして、この複数のノズル部材33には、クロッシング部Cにおける後方側に向かって圧縮空気を噴射するように開口形成された噴射口がそれぞれ設けられている。そして、複数のノズル部材33はノズルユニット32において同心状に配置されており、これにより、複数のノズル部材33のそれぞれに設けられた噴射口も同心状に配置されている。このように、噴射口がそれぞれ形成されたノズル部材が設けられた構成のノズルユニットを実施することもできる。
【0068】
図9に示す変形例に係るノズルユニット34においては、クロッシング部Cにおける後方側に向かって圧縮空気を噴射するように開口形成された複数の噴射口35が水平に並んで配置されるように設けられている。このように水平に配置された噴射口35から圧縮空気が噴射されることにより、一対の前方開放レール部108、108の間の領域において圧縮空気が水平な方向に広がって流動することになる。このため、より少ない個数の噴射口35を効率よく配置して異物を除去することができる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、軌道分岐部に設けられ、圧縮空気を噴射することでレールとレールとの間に落下した異物を除去する、軌道分岐部の異物除去装置として、広く適用することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の第1実施形態に係る軌道分岐部の異物除去装置とこの異物除去装置が設けられた軌道分岐部とを模式的に示す平面図である。
【図2】図1に示す軌道分岐部のクロッシング部における翼レールとその近傍の領域を示す平面図である。
【図3】図2における一部拡大図及び図2のE−E線矢視断面図である。
【図4】図3に示すノズルユニットを示す正面図、平面図、及び右側面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る軌道分岐部の異物除去装置が設けられた軌道分岐部のクロッシング部における翼レールとその近傍の領域を示す平面図である。
【図6】図5における一部拡大図及び図5のG−G線矢視断面図である。
【図7】図6に示すノズルユニットを示す正面図、平面図、及び右側面図である。
【図8】ノズルユニットの変形例を示す図である。
【図9】ノズルユニットの変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0071】
1 軌道分岐部の異物除去装置
11 空気源装置
14 ノズルユニット
22 大径噴射口
23 小径噴射口
100 軌道分岐部
101 基本レール
102 トングレール
104 翼レール
105 可動レール
C クロッシング部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基本レールと当該基本レールに対して当接及び離間可能なトングレールとを有する軌道分岐部に対して設けられ、圧縮空気を噴射することでレールとレールとの間に落下した異物を除去する、軌道分岐部の異物除去装置であって、
前記軌道分岐部において前記基本レールと前記トングレールとが当接可能な前方側に位置する前方部とは反対側の後方側に位置してレールが交差するクロッシング部に配置され、圧縮空気を噴射するノズルユニットと、
前記ノズルユニットに圧縮空気を供給する空気源装置と、
を備え、
前記ノズルユニットは、前記クロッシング部における前方側に配置され、前記クロッシング部における後方側に向かって圧縮空気を噴射するように開口形成された噴射口が設けられていることを特徴とする、軌道分岐部の異物除去装置。
【請求項2】
請求項1に記載の軌道分岐部の異物除去装置であって、
前記ノズルユニットは、前記クロッシング部にてレールが交差する部分に位置するとともに前後方向に開いた形状に形成された翼レールにおいて前方側に向かって開くように延びる一対の前方開放レール部の間に配置され、前記翼レールにおいて後方側に向かって開くように延びる一対の後方開放レール部にその内側で当接及び離間可能な可動レールに向かって圧縮空気を噴射することを特徴とする、軌道分岐部の異物除去装置。
【請求項3】
請求項2に記載の軌道分岐部の異物除去装置であって、
前記噴射口は、複数設けられるとともに、前記一対の前方開放レール部の間において前記翼レールの長手方向と垂直な面に沿って広がって配置されていることを特徴とする、軌道分岐部の異物除去装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の軌道分岐部の異物除去装置であって、
前記噴射口は、複数設けられるとともに、前記ノズルユニットにおいて同心状に配置されていることを特徴とする、軌道分岐部の異物除去装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の軌道分岐部の異物除去装置であって、
前記噴射口は、前記クロッシング部における後方側で且つ斜め下方に向かって圧縮空気を噴射するように開口形成されていることを特徴とする、軌道分岐部の異物除去装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の軌道分岐部の異物除去装置であって、
加熱して温めた加熱空気を前記ノズルユニットに供給する温風供給装置を更に備え、
前記ノズルユニットは、前記クロッシング部における後方側に向かって前記加熱空気を吹き出すように開口形成された温風吹出口が更に設けられていることを特徴とする、軌道分岐部の異物除去装置。
【請求項7】
請求項6に記載の軌道分岐部の異物除去装置であって、
前記ノズルユニットにおける前記噴射口及び前記温風吹出口が設けられている端部において、前記温風吹出口が前記端部の中心部分に配置され、前記噴射口が前記温風吹出口の周囲に複数配置されていることを特徴とする、軌道分岐部の異物除去装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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