説明

軟エックス線顕微鏡装置

【課題】ターゲット破片の影響がなく、長時間連続使用でき、小型化が可能な軟エックス線顕微鏡装置。
【解決手段】テーブル10と;テーブルの上端に設けられ、内部に分離隔壁22が形成されたハウジング20と;ハウジングの分離隔壁より下側に設けられ、高圧で噴射される液体に光源を照射してプラズマを形成する光源チェンバー30と;ハウジングの分離隔壁より上側に設けられ、生体試料が貯蔵されるホルダ部420の上下側に、各々第1および第2ミラー部410、430が設けられ、光源チェンバーで形成されたプラズマによって生成された軟エックス線が生体試料を照明し、生体試料を透過した軟エックス線を増幅してこれを撮像チェンバーで映像が獲得されるようにするミラーチェンバー40と;ハウジングの上端に設けられ、ミラーチェンバーで増幅された光映像信号を増幅し、外部で識別できるように外部画面に撮像する撮像チェンバー50と;で構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軟エックス線顕微鏡装置に関し、より詳しくは、ターゲット破片の影響がなく、単色性の優れた液体ターゲットを用いて実験室などで有用に使用でき、100nm以下の空間分解能を有する軟エックス線顕微鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、顕微鏡装置とは物体(以下、‘試料’と称する)の微細な部分を拡大して観察する装置であって、電子を光源として用いる電子顕微鏡と、可視光線を光源とする光学顕微鏡装置などがある。
電子顕微鏡装置の場合、試料を真空中に設置し、且つ、試料への物理、化学的な前処理過程が必須的なので、生きている生物細胞などのような生体試料の観察が不可能だという問題点がある。一方、光学顕微鏡装置の場合、生体試料の観察は可能であるが、光源として可視光を用いるため、現存の技術では光源の回折限界によって、分解能が約200nm程度に限られる問題点があった。
近年、‘水の窓(λ=2.3〜4.4nm)’と呼ばれるエックス線波長領域を用いた軟エックス線顕微鏡装置が研究されている。前記‘水の窓’領域では、水と生体試料を構成する蛋白質とのエックス線吸収差が大きいので、数ミクロンの厚さの水分層を通しても蛋白質観察ができ、エックス線の透過性質によって生体試料の内部観察が可能だという長所がある。
前記の軟エックス線顕微鏡装置は、タンタル製の固体ターゲットで構成される光源チェンバーと、生体試料にエックス線が照射されるように、前記固体ターゲットにパルス光を集光して、エックス線を発生させる光源と、生体試料が設置されるサンプルチェンバーと、試料を透過したエックス線を撮像手段の方向に誘導するミラーチェンバーと、生体試料によって散乱される透過したエックス線を撮影する撮像手段と、で構成される。
このように構成される軟エックス線顕微鏡装置の作動状態を説明する。光源から固体ターゲットに向かってパルス光が照射されると、パルス光がターゲットにぶつかってから所定のエックス線を発生させる。発生されたエックス線はサンプルチェンバーに設けられた生体試料に照射されて散乱、透過される。この散乱、透過された光を撮像手段が撮影して、前記生体試料を観察できるようになる。
しかしながら、パルス光が照射されるターゲットは固体で形成されているため、パルス光が照射される部位で微細な破片が発生する。発生した破片は、固体ターゲットが設けられた真空状態を維持する光源チェンバーの内部面に吸着されて前記真空度を破壊する。特に光源チェンバー内部面に吸着された破片は、精密なエックス線発生を妨害する主要因として作用して、長時間の反復使用が難しくなるという問題点がある。
さらに、前記パルス光の照射で損傷した固体ターゲットは、精密なエックス線発生のために頻繁に交換し、且つ、前記固体ターゲットが設けられた光源チェンバーの真空状態の解除および再設定の手段により、作業時間が長引くという問題点に、維持補修費用が増加するという問題点があった。
なお、光源チェンバーで発生したエックス線が生体試料を透過するように誘導するミラーチェンバーは、従来は生体試料の両側に各々のミラー、すなわちパルス光が生態試料を透過する前に、前記生体試料を照明するための照明ミラーと、前記照明ミラーを通して照明され生体試料を透過した光を、撮像手段で拡大増幅する増幅ミラーとで構成され、光源チェンバーで発生したエックス線が、前記ミラーを通して照明、拡大され前記生体試料を透過すると、これを撮像手段が撮影して映像を獲得する構成になっている。
しかし、前記の場合、光学拡大倍率公式にしたがって、生体試料を透過した光を撮像手段に拡大撮影されるようにするために、サンプルチェンバーから撮像手段までの距離は平均3〜4m程度の距離を維持し、なお、倍率は286倍程度で、解像度は光学顕微鏡と同じ程度の200nm程度である。
前述したように、高倍率の映像を獲得するために、サンプルチェンバーと撮像手段との距離間隔が平均3〜4mで維持されることによって、エックス線顕微鏡装置は垂直より水平式に設けられるのが一般的で、なおエックス線顕微鏡装置の使用面積が拡大され、これによる作業場空間の効率性が下がるという問題点があった。
したがって、前記エックス線顕微鏡装置は、専用の作業場を別途に備えるという設置の不便さと空間の非効率性という問題点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記の問題点を解消するための本発明の目的は、ターゲット破片が発生せず、単色性(λ/Δλ=1000)の優れた液体ターゲット、すなわち液化窒素を用いて、100nm以下の空間分解能力を有し、且つ、長時間連続使用の可能な軟エックス線顕微鏡装置を提供することにある。
本発明のほかの目的は、二重の楕円形で形成された照明ミラーと回折輪帯板とで構成されたミラーチェンバーを形成して、前記照明ミラーを通して生体試料に光を照明し、前記生体試料を透過した光は回折輪帯板を通して撮像手段で増幅獲得され、100nm以下の分解能と倍率1000x以上の映像拡大と共に、ミラーチェンバーと撮像手段までの距離間隔を最小化することで、エックス線装置の小型化を達成できるようにする軟エックス線顕微鏡装置を提供することにある。
本発明のまたほかの目的は、各構成を垂直に設けて、軟エックス線顕微鏡装置の設置空間を最小化することで、空間効率性の極大化およびこれによる適用範囲の拡大と共に、設置が簡単になる軟エックス線顕微鏡装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記の目的を達成するための本発明の一実施例による軟エックス線顕微鏡装置は、テーブルと、前記テーブルの上端に設けられ、内部に分離隔壁が形成されたハウジングと、前記ハウジングの分離隔壁を基準に下側に設けられ、高圧で噴射される液体に光源を照射してプラズマを形成する光源チェンバーと、前記ハウジングの分離隔壁を基準に上側に設けられ、生体試料が貯蔵されるホルダ部の上、下側に各々第1および第2ミラー部が設けられ、前記光源チェンバーで形成されたプラズマによって生成された軟エックス線が前記生体試料を照明し、前記生体試料を透過した軟エックス線を増幅して、撮像チェンバーで映像として獲得されるようにするミラーチェンバーと、前記ハウジングの上端に設けられ、前記ミラーチェンバーを通して増幅された光映像信号を増幅し、これを外部で識別できるように外部画面に撮像する撮像チェンバーと、で構成されることを特徴とする。
本発明において、光源チェンバーの一側面には高圧の液体に光源が照射され、これを通してプラズマが形成される過程などを外部で確認できるように、さらに望遠顕微鏡で構成されることが好ましい。
本発明において、光源チェンバーは、外部から供給される液化窒素を高圧でジェット噴射するノズル部と、前記ノズル部の対称方向に設けられ、噴射される液化窒素を吸入して外部に放出する排出部と、前記ノズル部からジェット噴射される液化窒素に光源を照射して、プラズマが形成されるようにする光源部と、前記光源チェンバーが設けられるハウジング内部を真空にするか維持させる光源真空ポンプと、で構成されることが好ましい。
本発明において、ノズル部は、外部から高圧の窒素ガスを供給されハウジング内部にジェット噴射する毛細管と、前記毛細管を包んで、外部から高圧の液化窒素を供給され充填され、前記毛細管を通してジェット噴射される窒素ガスを液化させる外形管体とで構成されることが好ましい。
本発明において、光源部は平均12W、反復比率300Hz、ダイオードポンプ固体レーザであることが好ましい。
本発明において、光源真空ポンプは500L/S以上の真空度を有するターボ分子ポンプ(TMP、turbo molecular pump)で構成されることが好ましい。
本発明において、ミラーチェンバーは、ハウジングの分離隔壁上端に締結固定され、中央に第1透過孔が形成された第1ベース板と、第1ベース板の上面に第1移送手段が設けられ、前記第1移送手段の中央には光を増幅させ生体試料を照明するコンデンサミラーで構成された第1ミラー部と、前記第1ミラー部の上側に位置し、多数の支持棒によって第1ベース板と間隔を維持するように支えられ、中央に第2透過孔が形成された第2ベース板と、前記第2ベース板の上面に第2移送手段が設けられ、前記第2移送手段の中央に生体試料が貯蔵されたホルダを分離、結合するカップリングが形成されたホルダ部と、前記第2ベース板の上面に第3移送手段が設けられ、前記ホルダの上側に位置するように前記第3移送手段の中央に設けられる回折輪帯板が形成された第2ミラー部と、前記ミラーチェンバーが形成されたハウジング内部の真空を維持するための真空手段と、で構成されることが好ましい。
本発明において、ミラーチェンバーの一側面にはミラーチェンバーの真空を破壊せず維持された状態で、外部で生体試料が貯蔵されたホルダをホルダ部のカップリングに分離、結合されるように、前記ホルダを移送するさらにロードロックチェンバーで構成されることが好ましい。
本発明において、コンデンサミラーの一側面には、第1ミラー部と、ホルダ部、および第2ミラー部が、光軸方向の直線上に位置したかを確認して整列する光学整列手段がさらに構成されることが好ましい。
本発明において、コンデンサミラーの光軸方向長さは136mmで、長さ方向両端にφ50mmの内径で42mmの深さを有する楕円形面体が対称に形成され、前記長さ方向の中央にはピンホールが形成されており、前記楕円形面体は長さ方向の中央を一焦点Pとし、別の焦点P'までの距離が160mmで、前記中央焦点を基準に対称に形成された楕円によって形成されることが好ましい。
本発明において、ホルダ部は、生体試料の両端をカバーし、厚さ80〜120nmの窒化シリコン膜(Si)で形成された試料窓に、前記試料窓の両端をカバーするバイトン板で形成されたサンプル部と、前記サンプル部が設置され、中央部に透過孔が形成されており、一側面にフックが形成されたサンプル板と、前記サンプル部が設置された上面をカバーし、中央に透過孔が形成されたカバー板と、前記サンプル板とカバー板との間の密閉力を維持するためのO−リングとで構成されたホルダと;前記ホルダのサンプル板外周縁を支持するための前記支持板が形成され、前記ホルダが分離できるように、一側面が開放されるように形成されたカップリングと;前記カップリングの一側面に設けられ、モータの動力によってX、Y、Z軸の3軸方向に移送される第2移送手段と;で構成されることが好ましい。
本発明において、第2ミラー部の回折輪帯板は、窒化シリコン膜(Si)基板上に厚さ100〜160nmの金(Au)が形成された輪帯板で、最外角幅(outmost zone width)は30〜40、直径は60〜70、輪帯板の数は200〜300個が形成されることが好ましい。
本発明において、ロードロックチェンバーには、ミラーチェンバーに生体試料が貯蔵されたホルダを分離、結合するとき、前記ミラーチェンバーに形成された真空が破壊されないように真空手段が形成されており、前記真空手段は60L/Sのターボ分子ポンプと30L/Sのインポンプで構成されることが好ましい。
本発明において、真空部は少なくとも一つ以上の210L/Sのターボ分子ポンプと少なくとも一つ以上の120L/Sイオンポンプで構成されることが好ましい。
本発明において、第1ベース板の底面には光源チェンバーで形成されたプラズマを通してミラーチェンバーに伝達される光をフィルターリングし、前記光源チェンバーとミラーチェンバーの真空を分離するフィルタが形成されており、前記フィルタはチタニウム(Ti)で形成されることが好ましい。
本発明において、第2ベース板の底面には、コンデンサミラーを通して照明された光が生体試料に照明されるとき、前記コンデンサミラーを通して増幅されていない直射光が前記生体試料に直接照明されることを遮断するための遮蔽膜手段がさらに形成される。前記遮蔽膜手段には、第4移送手段に支持される支持プレートに通孔が形成され、前記通孔中央には直射光を遮断するための焦点遮断板が形成されることが好ましい。
本発明において、撮像チェンバーは、第2ミラー部で増幅された光を通して獲得される光映像信号を電気的信号に変換する光増幅板(MCP)と、前記光増幅板を介して変換された電気的信号を増幅し、これを蛍光体によって可視光に変換し、変換された可視光を、光学レンズを通して外部画面に結像させる撮像素子と、で構成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、ターゲット破片を発生せず、単色性(λ/Δλ=1000)の優れた液体ターゲット、すなわち、液化窒素を用いて、100nm以下の空間分解能を有し、且つ、長時間の連続使用が可能である。
さらに、二重の楕円形で形成された照明ミラーと回折輪帯板で構成されたミラーチェンバーを形成して、前記照明ミラーを通して生体試料に光を照明し、前記生体試料を透過した光は、回折輪帯板によって撮像手段に増幅され、100nm以下の分解能と倍率1000x以上の映像拡大と共に、ミラーチェンバーから撮像手段までの距離間隔を最小化することによって、エックス線装置の小型化を図ることができる。
なお、各構成を垂直に設けて、軟エックス線顕微鏡装置の設置空間を最小化することによって、空間効率性の極大化および、これによる適用範囲の拡大と共に設置が簡単になる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、添付の図面を参照して本発明を詳細に説明する。
軟エックス線顕微鏡装置は、光源から照射された光を通して軟エックス線波長領域を生成する光源チェンバーと、前記光源チェンバーの一側面に設けられ、前記光源チェンバーで形成された軟エックス線によって生体試料を照明し、前記生体試料に照明された光を拡大して、撮像チェンバーで映像が獲得されるように構成されたミラーチェンバーと、前記ミラーチェンバーの一側面に設けられ、前記ミラーチェンバーを通して獲得された映像を外部で識別されるように変換する撮像チェンバーと、で構成される。前記各光源チェンバー、ミラーチェンバーおよび撮像チェンバーの作動は統合駆動プログラムおよび光学整列アルゴリズムによって制御される。
図1は、本発明による軟エックス線顕微鏡装置の概略的な外観図であって、図2は、軟エックス線顕微鏡装置の断面図である。前記の図面を参照すると、軟エックス線顕微鏡装置は、テーブル10と、前記テーブル10に設けられるハウジング20と、前記ハウジング20内部の下側に設けられる光源チェンバー30と、前記光源チェンバー30の上側に設けられるミラーチェンバー40と、前記ハウジング20の上端に設けられる撮像チェンバー50と、で構成されている。
そして、前記軟エックス線顕微鏡装置は垂直型で設置、構成されることで、従来の水平型に比べて、設置半径が最適化し、設置空間の効率性が極大化する。
テーブル10は、外部の振動から影響を受けない手段であれば、どれでも使用でき、この場合揺籃タイプ(cradle type)の光学テーブルで構成されることが好ましい。
ハウジング20は円筒形で内部が中空で、所定の深さに分離隔壁22が形成されている。
さらに、前記ハウジング20は、図示されたように、所定の高さの外周縁にフッキング突起24が設けられ、前記フッキング突起24に締結固定される羽片26が形成され、前記羽片26の底面には多数の間隔維持部材12が締結固定され、前記多数の間隔維持部材12によって、前記テーブル10とハウジング20とが離隔した状態が維持されるように構成することが好ましい。これはテーブル10の上面にハウジング20を設けるが、振動による影響を最小化するためである。
光源チェンバー30は、ハウジング20の分離隔壁22を基準に下側に設けられる。前記ハウジング20の分離隔壁22はミラーチェンバー40の第1ベース板440によって閉鎖され、前記ハウジング20の底面は光源真空ポンプ340によって閉鎖される。よって、前記光源チェンバー30が形成されるハウジング20の内部は、真空状態を維持できる。
図3は、光源チェンバーの平面図である。図3を参照すると、光源チェンバー30は、一側面に設けられるノズル部310およびその一直線上に設けられる排出部320と、前記ノズル部310と排出部320との間に光源を照射する光源部330と、前記ノズル部310と排出部320および光源部330の作動状態などを外部で確認できる望遠顕微鏡60とで構成される。
前記ノズル部310は、高圧の液体を噴射して液体ターゲットを形成する構成で、外部から供給される窒素ガスをハウジング20の内部にジェット噴射する毛細管312と、前記毛細管312の外周を包み、外部から高圧の液化窒素を供給され充填され、前記毛細管312を通してジェット噴射される窒素ガスを液化する外形管体314と、で構成されることが好ましい。もちろん、場合によっては液化窒素だけを使用することもできる。
なお、光源部330は、高出力レーザを使うことが好ましく、平均12W、反復比率300Hz、ダイオードポンピングレーザを使うことが好ましい。
すなわち、前記ノズル部310の毛細管312を通して噴射される液化窒素は、媒質の役割をする液体ターゲットとなり、前記光源部330からレーザが前記液体ターゲットに照射され、2.3〜4.4nmの波長領域を有する軟エックス線のプラズマが生成される。
一方、前記ハウジング20の底面を閉鎖した光源真空ポンプ340によって、前記ハウジング20の内部が真空を維持でき、この場合前記光源真空ポンプ340は500L/S以上の真空度を有するターボ分子ポンプ(TMP、turbo molecular pump)で構成されることが好ましい。
さらに、前記ハウジング20には、少なくとも一つ以上の透視窓24が設けられ、外部から前記ハウジング20の内部を肉眼で識別できる。
図4は、第1ベース板と第1ミラー部の分離斜視図であって、図5は、ハウジング内に設けられたミラーチェンバーの水平断面図である。ミラーチェンバー40はハウジング20の分離隔壁22を基準に上側に設けられ、前記分離隔壁22の上端に締結固定される第1ベース板440と、前記第1ベース板440の上面に設けられる第1ミラー部410と、前記第1ミラー部410の上側に設けられる第2ベース板450と、前記第2ベース板450の上面に設けられるホルダ部420と、前記第2ベース板450の上面に設けられ、前記ホルダ部420の上側に位置する第2ミラー部430と、で構成される。
前記第1ベース板440は、ハウジング20の分離隔壁22の上端に多数の締結手段を介して締結固定され、中央には第1透過孔442が形成され、前記第1透過孔442を通して、光源チェンバー30からプラズマ生成による軟エックス線波長が通過することができ、前記第1ベース板440の底面、すなわち第1透過孔の下側には、フィルタ740が形成され、前記フィルタ740を通して軟エックス線の波長がフィルタリングされ、前記光源チェンバー30とミラーチェンバー40との真空を分離する。
さらに、前記フィルタ470はチタニウム(Ti)で形成され、約100〜200nmの厚さで形成されることが好ましく、特に交換できるように構成されることが好ましい。
前記第1ミラー部410は前記第1ベース板440の上面に設けられる第1移送手段412と、前記第1移送手段412に設けられ位置が補正されるコンデンサミラー414とで構成される。
さらに、前記第1移送手段412はX、Y、Z軸の多軸方向に位置調整されるもので、前記各軸の移送ができるように各軸に別途のモータで構成されることが好ましい。
図6はコンデンサミラーの拡大断面図である。コンデンサミラー414は、光源チェンバー30で生成されたプラズマを通して得られた軟エックス線波長を増幅し、生体試料を照明する照明ミラーの一種で、対称の楕円面体を用いて、軟エックス線波長を増幅して生体試料を照明する。
前記コンデンサミラー414の光軸方向の長さは136mmで、長さ方向の両端にφ50mmの内径で42mmの深さを有する第1および第2楕円形面体414a、414bが対称に形成され、前記長さ方向の中央にはピンホール414cが形成されている。
さらに、前記第1および第2楕円形面体414a、414bは、長さ方向の中央を一焦点Pとし、別の焦点P'、P”までの距離が160mmとなり、前記中央焦点Pを基準として対称の楕円で形成されることが好ましい。
図6を参照すると、楕円はどの位置でも一つの焦点を通過して楕円に反射されて別の焦点に跨る線分の長さは全て同一だという原理を用いて、図示されたように、両焦点P−P'、P−P”を通過する線分の長さは全て同一だということが分かる。
前記の原理を用いたコンデンサミラー414は、一焦点P'を第1ベース板440の第1透過孔442に整列し、対称方向の別の焦点P”は生体試料に整列させることが好ましい。
前記第1透過孔442を通る軟エックス線波長が、一焦点P'を通って第1楕円形面体414aに反射されてから、中心焦点Pを通って対称の第2楕円形面体414bに再反射され別の焦点P”に集中され、これによって前記焦点P”に位置した生体試料を照明する。
さらに、前記軟エックス線は、第1および第2楕円形面体414a、414bを通して反射されることで波長が増幅され、コンデンサミラー414の中央に形成されたピンホール414cによって一焦点P'または第1および第2楕円形面体414a、414bに反射されない軟エックス線の波長を遮断する。
なお、前記ピンホール414cを通る直射光は、後術する第2ベース板450の底面に形成された遮蔽膜手段480によって遮断される。
図7は、第2ベース板とホルダ部および第2ミラー部の分離斜視図である。第2ベース板は、中央に第2透過孔454が形成されており、下端を支える支持棒452が多数締結固定されており、前記多数の支持棒452によって第1ベース板440との一定間隔を維持する。
前記第2ベース板450の底面、すなわち第2透過孔454が位置する下側には、遮蔽膜手段480が形成される。
前記遮蔽膜手段480は、第4移送手段482によって支持される支持プレート484に通孔484aが形成され、前記通孔484aの中央には直射光を遮断するための焦点遮断板480が形成される。
前記焦点遮断板486は、支持プレート484の通孔484aの中央に位置するように形成し、前記通孔484aに焦点遮断板486が固定されるように多数の固定ピン488が形成されることが好ましい。
一方、前記第2ベース板450の上面には、ホルダ部420と、第2ミラー部430が設けられる。
図8はホルダ部の分解斜視図である。ホルダ部420は、第2ベース板450の上面に設けられる第2移送手段422と、生体試料を貯蔵するホルダ424および前記第2移送手段422に設けられ、前記ホルダ424を分離、結合するカップリング426とで構成される。
前記ホルダ424は、生体試料の両端をカバーし、厚さ80〜120nmの窒化シリコン膜(Si)で形成された試料窓4212および前記試料窓4212の両端をカバーするバイトン板4214で構成されたサンプル部4210と、前記サンプル部4210が設置され、中央部に透過孔4222が形成されており、一側面にフッキング突起4224が形成されたサンプル板4220と、前記サンプル板4220にサンプル部4210が設置された上面をカバーし、中央に透過孔4232が形成されたカバー板4230と、前記サンプル板4220とカバー板4230との間の密閉力を維持するためのO−リング4240とで構成されることで、前記生体試料に含まれている水分が真空中に蒸発することを防止して、生体試料を保護することができる。
前記カップリング426は、前記ホルダ424のサンプル板4220の外周縁を支持する多数のボールプランジャ426bで構成された支持板426aが形成される。前記多数のボールプランジャ246bによって支持されるホルダ424がどちらか一方向に分離、結合できるように、支持板426aには多数のボールプランジャ426bが干渉しない開放部が形成されており、一側面に設けられる前記開放部方向は、後述するロードロックチェンバー70によってホルダ424が移送される軸方向であることが好ましい。
なお、前記第2移送手段422は、カップリング426の一側面に設けられ、モータの動力によってX、Y、Z軸の3軸方向に移送されることが好ましい。
図9は、ロードロックチェンバーの側面図である。ロードロックチェンバー70は、ハウジング20の一側面に設けられ、前記ハウジング20に形成されたミラーチェンバー40の真空を破壊せず、外部から生体試料が貯蔵されたホルダ424がホルダ部420のカップリング426に分離、結合されるように、前記ホルダ424を移送できるように構成されている。
さらに、前記ロードロックチェンバー70には、生体試料が貯蔵されたホルダ424をミラーチェンバー40に分離結合するとき、前記ミラーチェンバー40に形成された真空が破壊されないように、真空手段72が形成されている。前記真空手段72は、60L/Sのターボ分子ポンプと30L/Sのイオンポンプで構成されることが好ましい。
前記ロードロックチェンバー70は、ハウジング20の一側面に設けられたフランジと締結固定されるチェンバー74と、前記チェンバー74の内側に設けられ駆動手段76bによって前進、後進し、一端にホルダ424の一側面が固定されるようにロッキング部76aが形成されているロード軸76と、前記チェンバー74の一側面に設けられ、前記チェンバー74の内部を真空するか維持する真空手段72とで構成されている。
特に、前記チェンバー74の一側面には、開閉可能な開閉窓78が形成されており、前記開閉窓78を介して前記ロード軸76のロッキング部76aにホルダ424を結合または分離することができ、前記開閉窓78には透明の表示窓が設けられる。
第2ミラー部430は、前記第2ベース板450の上面に設けられる第3移送手段432と、前記第3移送手段432の中央に設けられ、前記ホルダ424の上側に位置するように回折輪帯板434が設置されている支持板436とで構成されている。
前記回折輪帯板434は、通常ゾーンプレート(zone plate)と呼ばれ、窒化シリコン膜(Si)基板の上に厚さ100〜160nmの金(Au)が形成された輪帯板の最外角幅(outmost zone width)は30〜40、直径は60〜70、輪帯板の数は200〜300個が形成されることが好ましい。

なお、前記回折輪帯板434はホルダ424に貯蔵された生体試料と0.8mmの間隔が維持されるように設け、さらに、前記回折輪帯板434と撮像チェンバー50との間隔は800mmで設けることが好ましい。光学拡大率公式

にしたがって前記生体試料と回折輪帯板との距離と、前記回折輪板と撮像チェンバーとの距離間隔の差によって、拡大率が異なる。前記の場合1000x倍率を有する拡大率を得られることが分かる。
一方、前記ミラーチェンバー40の一側面には、光学整列手段80がさらに形成されている。これは第1ミラー部410と、ホルダ部420および第2ミラー部430が光軸方向の直線上に位置するかを確認し、自動整列させる。
前記光学整列手段80は可視光を照射し、照射された可視光は対物レンズを通して屈折し、下側に位置した第2ミラー部430と、ホルダ部420および第1ミラー部410に照射され、再反射された可視光は前記対物レンズを通して光学整列手段に入力され、これを数値計算して自動整列するようになる。
なお、光学整列手段80の一側面には、外部の画面で可視光の経路および自動整列が行われる過程などを見られるように、撮像素子カメラが形成されている。
さらに、ミラーチェンバー40が形成されたハウジング20には真空手段460が形成される。前記真空手段460は少なくとも一つ以上の210L/Sのターボ分子ポンプと、少なくとも一つ以上の120L/Sのイオンポンプで構成されることが好ましい。
撮像チェンバー50は、ハウジング20の上端を閉鎖し、多数の締結手段によって締結固定される蓋板50と、前記蓋番540の上端に光増幅板510および撮像素子520で構成されている。
そして、前記光増幅板(MCP、multi channel plate)510は、第2ミラー部430で増幅された光を通して獲得される光映像信号を電気的信号に変換する。
さらに、撮像素子(CCD)520は、前記光増幅板510を通して変換された電気的信号を増幅し、これを蛍光体によって可視光に変換して、変換された可視光を光学レンズを通して外部画面に結像されるようにする。
この場合、前記撮像チェンバー50の光増幅板510と回折輪帯板434との間隔を維持するための真空チェンバー530が形成されることが好ましい。
以下、前記のように構成された軟エックス線顕微鏡装置の作動状態を説明する。
図10は、軟エックス線顕微鏡装置のフローチャートである。図10を参照すると、まず、光学整列段階S10は、ミラーチェンバーに形成された第2ミラー部と、ホルダ部および第1ミラー部が光軸方向に整列されたかを確認すると共に、整列されていない場合は自動で整列する段階である。これはミラーチェンバー40の一側面に形成された光学整列手段80によって行われる。
すなわち、光学整列手段80から照射された可視光が対物レンズを通して下側に屈折し、前記屈折した可視光が第2ミラー部430の回折輪帯板434と、ホルダ部420のホルダ424、および第1ミラー部410のコンデンサミラー414を通過しつつ、位置を測定し、この測定された数値を計算して、補正が必要な場合、統合駆動プログラムに信号を伝送し、前記各装置に形成されている移送手段によって各装置が光軸方向に自動整列される。
もちろん、前記の自動整列は、光学整列手段80の一側面に設けられた撮像素子を通して外部で観察できる。
生体試料設置段階S20は、生体試料を軟エックス線顕微鏡装置の内部に設置する段階であって、ミラーチェンバー40の一側面に設けられたロードロックチェンバー70によって行われる。
この場合、まず、一定の大きさの生体試料を複数の試料窓4212の間に位置させてから、前記複数の試料窓4212を重ね、前記複数の試料窓4212外周に複数のバイトン板4214を重ねる。
このように形成されたサンプル部4210は、サンプル板4220の上面に位置し、前記サンプル板4220の上端にカバー板4230を締結する。
このとき、前記サンプル板4220とカバー板4230との間にはO−リングが設けられ、密閉力を維持できるので、前記生体試料の水分が真空中に蒸発されるのを最小化することができる。
前記作業によって生体試料が貯蔵されたホルダ424は、ロードロックチェンバー70の開閉窓78を開放し、ロード軸76の端部に形成されたロッキング部76aに、前記ホルダ424のフック4224を掛けて固定する。
以降、前記開放された開閉窓78を閉鎖し、前記ロードロックチェンバー70に形成された真空手段72によって内部を真空させる。これは、ミラーチェンバー40と光源チェンバー30で構成されたハウジング20は真空状態を維持しているため、前記ハウジング20に形成された真空を破壊しない状態で、生体試料が貯蔵されたホルダ424をハウジング20のミラーチェンバー40に移送するためである。
もちろん、図示または説明されていないが、ロードロックチェンバー70とハウジング20との間には遮蔽膜が形成されており、この遮蔽膜を介して前記ロードロックチェンバー70とハウジング20との間には別途の真空を維持し、さらに、ロードロックチェンバー70からホルダ424をハウジング20に移送するときは自動に開放され、これは一般の技術的思想である。
前記ロードロックチェンバー70で真空が完了すると、遮蔽膜が開放され、駆動手段76aによってロード軸76がハウジング20の内部に前進し、ミラーチェンバー40に形成されたホルダ部420のカップリング426にホルダ424が設置される。前記カップリング426に形成された多数の支持板426a内側にホルダ424が位置し、前記支持板426aに形成されたボールプランジャ426bを介して前記ホルダ424を支持する。
そして、前記ホルダ424を移送したロード軸76は、駆動手段76aによって逆方向に移送され、ロードロックチェンバー70に位置する。
ミラーチェンバー40に生体試料が貯蔵されたホルダ424が設置されると、生体試料を観察するための軟エックス線顕微鏡装置が作動する。場合によっては、光学整列手段80を介してミラーチェンバー40の整列状態を再確認することもできる。
プラズマ生成段階S30は、液体ターゲットにレーザを照射して、軟エックス線波長領域を有するプラズマを生成する段階である。これは、光源チェンバー30に形成されたノズル部310の毛細管312を通して窒素ガスがジェット噴射され、前記毛細管312を包む外形管体314に充填された液化窒素によって、前記ジェット噴射される窒素ガスは液化され、液体ターゲットを形成する。
そして、光源部330の高出力レーザが前記液体ターゲットに照射されてプラズマが形成さる。このとき形成されるプラズマは2.3〜4.4nmの軟エックス線波長を有することになる。
なお、前記ノズル部310からジェット噴射される液化窒素は、排出部320に吸入され外部に放出されることによって、前記液化窒素によって光源チェンバー30が形成されたハウジング20内部の汚染を防止して、連続再生が可能である。
これは、従来の固体ターゲットを用いる場合、レーザが照射された固体ターゲットで微細な固体破片が形成され、この形成された固体ターゲット破片が光源チェンバーの内部に吸着され、前記吸着された破片によって光源チェンバーの軟エックス線生成を妨害するだけでなく、チェンバーの故障の原因を提供すると共に連続使用を制限するなどの問題点が解消される。
生体試料照明段階S40は、光源チェンバーで形成された軟エックス線波長を増幅して、生体試料の下側を照明する段階である。これは、光源チェンバー30の液体ターゲットを通して、単色性の優れた軟エックス線波長が第1ベース板440の底面に設けられたフィルタ470によってフィルタリングされ、前記第1ベース板440の第1透過孔412を透過する光がコンデンサミラー414の複数の楕円形面体414a、414bを経て増幅された光によって、生体試料を照明する。
さらに、前記コンデンサミラー414によって軟エックス線波長が増幅される作用は、前述したコンデンサミラー414の説明に記載されたように一焦点P'を経て、また対称方向の楕円形面体414bに反射され、別の一焦点P”に位置した生体試料を照明する。
この場合、コンデンサミラー414の焦点P'、P、P”を経ていない光は、ピンホール414cまたは遮蔽膜手段480によって遮断され、光源チェンバー30で生成されたプラズマの直射光が生体試料を照明することを予防し、これによって前記コンデンサミラー414による生体試料の照明効率が向上する。
光拡大段階S50は、生態試料に照明された光を増幅、拡大して撮像チェンバーで生体試料の像を得るための段階である。これは、第1ミラー部410のコンデンサミラー414を通して増幅された軟エックス線が生体試料を照明し、前記照明された光を拡大して、撮像チェンバー50に形成された光増幅板510に像が獲得されるようにする。
よって、第2ミラー部430に形成された回折輪帯板434によって光を増幅、拡大することができ、前記回折輪帯板434に形成された200〜300個の輪帯板によって、生体試料を透過した光が回折され焦点距離に集束される。
すなわち、生体試料と回折輪帯板434とは0.8mmの間隔を維持し、回折輪帯板434と撮像チェンバー50とは800mmの間隔を維持することで、前記生体試料に照明された光を通して最大1000xの倍率を有する像が撮像チェンバー50で獲得できる。
像獲得段階S60は、回折輪帯板を介して拡大された光映像を電気的信号に変換して、画面で視聴またはプリントできる段階である。これは、第2ミラー部430の回折輪帯板434を介して、最大1000xの倍率で増幅された光映像が集束される光増幅板510によって、前記光映像を電気的信号に変換する。
前記変換された電気的信号は、撮像素子520を介して前記電気的信号を増幅し、これを蛍光体によって可視光に変化させ、光学レンズを通して外部の画面に結像させ、外部で生体試料の像を観察できるようになる。
場合によって、前記撮像素子520を介して獲得される生体試料の像は、モニタ画面またはコンピュータファイルおよび紙にプリントして観察できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明による軟エックス線顕微鏡装置の概略的な外観図である。
【図2】本発明による軟エックス線顕微鏡装置の断面図である。
【図3】本発明による光源チェンバーの平面図である。
【図4】本発明による第1ベース板と第1ミラー部の分離斜視図である。
【図5】本発明によるハウジング内に設けられたミラーチェンバーの水平断面図である。
【図6】本発明によるコンデンサミラーの拡大断面図である。
【図7】本発明による第2ベース板とホルダ部および第2ミラー部の分離斜視図である。
【図8】本発明によるホルダ部の分解斜視図である。
【図9】本発明によるロードロックチェンバーの側面図である。
【図10】本発明による軟エックス線顕微鏡装置のフローチャートである。
【符号の説明】
【0008】
10:テーブル 20:ハウジング
30:光源チェンバー 40:ミラーチェンバー
50:撮像チェンバー 60:テレマイクロスコープ
70:ロードロックチェンバー 80:光学整列手段
310:ノズル部 320:排出部
330:光源部 340:光源真空ポンプ
410:第1ミラー部 420:ホルダ部
430:第2ミラー部 440、450:第1および第2ベース板
510:光増幅板 520:撮像素子




【特許請求の範囲】
【請求項1】
テーブル(10)と、
前記テーブル(10)の上端に設けられ、内部に分離隔壁(22)が形成されたハウジング(20)と、
前記ハウジング(20)の分離隔壁(22)を基準に下側に設けられ、高圧で噴射される液体に光源を照射して、プラズマを形成する光源チェンバー(30)と、
前記ハウジング(20)の分離隔壁(22)を基準に上側に設けられ、生体試料が貯蔵されるホルダ部(420)の上、下側に各々第1および第2ミラー部(410、430)が設けられ、前記光源チェンバー(30)で形成されたプラズマによって生成された軟エックス線が前記生体試料を照明し、前記生体試料を透過した軟エックス線を増幅して、撮像チェンバーで映像が獲得されるようにするミラーチェンバー(40)と、
前記ハウジング(20)の上端に設けられ、前記ミラーチェンバー(40)を通して増幅された光映像信号を増幅し、これを外部で識別できるように外部画面に撮像する撮像チェンバー(50)と、で構成されることを特徴とする軟エックス線顕微鏡装置。
【請求項2】
光源チェンバー(30)の一側面には、
前記高圧の液体に光源が照射され、これを通してプラズマが形成される過程などを外部で確認できるように、望遠顕微鏡(60)がさらに構成されることを特徴とする請求項1に記載の軟エックス線顕微鏡装置。
【請求項3】
前記光源チェンバー(30)は、
外部から供給される液化窒素を高圧でジェット噴射するノズル部(310)と、
前記ノズル部(310)の対称方向に設けられ、噴射される液化窒素を吸入して外部に放出する排出部(320)と、
前記ノズル部(310)からジェット噴射される液化窒素に光源を照射して、プラズマが形成されるようにする光源部(330)と、
前記光源チェンバー(30)が設けられるハウジング(20)内部を真空または維持する光源真空ポンプ(340)と、で構成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の軟エックス線顕微鏡装置。
【請求項4】
前記ノズル部(310)は、
外部から高圧の窒素ガスを供給され、ハウジング(20)内部にジェット噴射する毛細管(312)と、
前記毛細管(312)の外周を包み、外部から高圧の液化窒素を供給されて充填され、前記毛細管(312)を通してジェット噴射される窒素ガスを液化させる外形管体(314)と、で構成されることを特徴とする請求項3に記載の軟エックス線顕微鏡装置。
【請求項5】
前記光源部(330)は、
平均12W、反復比率300Hz、ダイオードポンプ固体レーザであることを特徴とする請求項3に記載の軟エックス線顕微鏡装置。
【請求項6】
前記光源真空ポンプ(340)は、
500L/S以上の真空度を有するターボ分子ポンプ(TMP、turbo molecular pump)で構成されることを特徴とする請求項3に記載の軟エックス線顕微鏡装置。
【請求項7】
前記ミラーチェンバー(40)は、
ハウジング(20)の分離隔壁(22)上端に締結固定され、中央に第1透過孔(442)が形成された第1ベース板(440)と、
第1ベース板(440)の上面に第1移送手段(412)が設けられ、前記第1移送手段(412)の中央には、光を増幅させ生体試料を照明するコンデンサミラー(414)が設けられた第1ミラー部(410)と、
前記第1ミラー部(410)の上側に位置し、多数の支持棒(452)によって第1ベース板(440)との間隔を維持するように支えられ、中央に第2透過孔(454)が形成された第2ベース板(450)と、
前記第2ベース板(450)の上面に第2移送手段(422)が設けられ、前記第2移送手段(422)の中央に生体試料が貯蔵されたホルダ(424)を分離、結合するカップリング(426)が形成されたホルダ部(420)と、前記第2ベース板(450)の上面に第3移送手段(432)が設けられ、前記ホルダ(424)の上側に位置するように前記第3移送手段(432)の中央に設けられる回折輪帯板(434)が形成された第2ミラー部(430)と、
前記ミラーチェンバー(40)が形成されたハウジング(20)内部の真空を維持するための真空手段(460)と、で構成されることを特徴とする請求項1に記載の軟エックス線顕微鏡装置。
【請求項8】
前記ミラーチェンバー(40)の一側面には、
前記ミラーチェンバー(40)の真空を破壊せず維持されている状態で、外部で生体試料が貯蔵されたホルダ(424)をホルダ部(420)のカップリング(426)に分離、結合されるように、前記ホルダ(424)を移送するロードロックチェンバー(70)がさらに構成されることを特徴とする請求項1または請求項7に記載の軟エックス線顕微鏡装置。
【請求項9】
前記ミラーチェンバー(40)の一側面には、
第1ミラー部(40)と、ホルダ部(420)、および第2ミラー部(430)が光軸方向の直線上に位置したか確認および整列する光学整列手段(80)がさらに構成されることを特徴とする請求項1または請求項7に記載の軟エックス線顕微鏡装置。
【請求項10】
前記コンデンサミラー(414)は、
光軸方向長さは136mmで、長さ方向両端にφ50mmの内径で42mmの深さを有する楕円形面体(414a、414b)が対称に形成され、前記長さ方向の中央にはピンホール(414c)が形成されており、
前記楕円形面体(414a、414b)は長さ方向の中央を一焦点(P)とし、別の焦点(P'、P”)までの距離が160mmで、前記中央焦点(P)を基準に対称に形成された楕円によって形成されることを特徴とする請求項7に記載の軟エックス線顕微鏡装置。
【請求項11】
前記ホルダ部(420)は、
生体試料の両端をカバーし、厚さ80〜120nmの窒化シリコン膜(Si)で形成された試料窓(4212)に、前記試料窓(4212)の両端をカバーするバイトン板(4214)で構成されたサンプル部(4210)と、前記サンプル部(4210)が設置され、中央部に透過孔(4222)が形成されており、一側面にフック(4224)が形成されたサンプル板(4220)と、前記サンプル板(4220)に前記サンプル部(4210)が設置された上面をカバーし、中央に透過孔(4232)が形成されたカバー板(4230)と、前記サンプル板(4220)とカバー板(4230)との間の密閉力を維持するためのO−リング(4240)とで構成されたホルダ(424)と、
前記ホルダ(424)のサンプル板(4220)外周縁を支持するためのボールプランジャ(426b)が形成された支持板(426a)が形成され、前記ホルダ(424)が分離できるように、一側面が開放されるように形成されたカップリング(426)と、
前記カップリング(426)の一側面に設けられ、モータの動力によってX、Y、Z軸の3軸方向に移送される第2移送手段(422)と、で構成されることを特徴とする請求項1または請求項7に記載の軟エックス線顕微鏡装置。
【請求項12】
前記第2ミラー部(430)の回折輪帯板(434)は、
窒化シリコン膜(Si)基板上に厚さ100〜160nmの金(Au)が形成された輪帯板で、最外角幅(outmost zone width)は30〜40、直径は60〜70、輪帯板の数は200〜300個が形成されることを特徴とする請求項7に記載の軟エックス線顕微鏡装置。
【請求項13】
前記真空部(460)は、
少なくとも一つ以上の210L/Sのターボ分子ポンプと、少なくとも一つ以上の120L/Sのイオンポンプで構成されることを特徴とする請求項7に記載の軟エックス線顕微鏡装置。
【請求項14】
前記ロードロックチェンバー(70)には、
ミラーチェンバー(40)に生体試料が貯蔵されたホルダ(424)を分離、結合するとき、前記ミラーチェンバー(40)に形成された真空が破壊されないように真空手段(72)が形成されており、
前記真空手段(72)は、60L/Sのターボ分子ポンプと30L/Sのインポンプで構成されることを特徴とする請求項8に記載の軟エックス線顕微鏡装置。
【請求項15】
前記第1ベース板(440)の底面には、
光源チェンバー(30)で形成されたプラズマを通してミラーチェンバー(40)に伝達される光をフィルターリングし、前記光源チェンバー(30)とミラーチェンバー(40)の真空を分離するフィルタ(470)が形成されており、
前記フィルタ(470)はチタニウム(Ti)で形成されることを特徴とする請求項7に記載の軟エックス線顕微鏡装置。
【請求項16】
前記第2ベース板(450)の底面には、コンデンサミラー(414)を通して照明された光が生体試料に照明されるとき、前記コンデンサミラー(414)を通して増幅されていない直射光が前記生体試料に直接照明されることを遮断するための遮蔽膜手段(480)がさらに形成され、
前記遮蔽膜手段(480)は、第4移送手段(482)に支持される支持プレート(484)に通孔(484a)が形成され、前記通孔(484a)中央には直射光を遮断するための焦点遮断板(486)で構成されることを特徴とする請求項7に記載の軟エックス線顕微鏡装置。
【請求項17】
前記撮像チェンバー(50)は、
第2ミラー部(430)で増幅された光を通して獲得される光映像信号を電気的信号に変換する光増幅板(MCP)(510)と、前記光増幅板(510)を介して変換された電気的信号を増幅し、これを蛍光体によって可視光に変換し、変換された可視光を光学レンズを通して外部画面に結像させる撮像素子(520)で構成されることを特徴とする請求項1に記載の軟エックス線顕微鏡装置。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−64973(P2007−64973A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−221670(P2006−221670)
【出願日】平成18年8月15日(2006.8.15)
【出願人】(506278738)ウォンクワン ユニバーシティー センター フォー インダストリー−アカデミー コーポレーション (2)
【氏名又は名称原語表記】Wonkwang University Center for Industry−Academy Cooperation
【Fターム(参考)】