説明

軟組織の向き付けおよび画像化をガイドするシステムならびに方法

画像化および/または手順(例えば、生検もしくは切除)の精度増強のために、軟組織(例えば、乳房組織)を向き付けするためのシステムおよび方法が開示される。軟組織の向きを向き付けし、維持するためのシステムは、通常、開口部を規定するフレーム(52)(このフレームは、この開口部の一側に位置決めされた軟組織の領域を向き付けして、不動化させる)、軟組織のこの領域によってかもしくは軟組織のこの領域を覆う皮膚表面によって規定される取り付け領域にこのフレームを固定して、軟組織のこの領域を向き付けし、そして不動化することを容易にする取り付け機構、および軟組織のこの領域を画像化するための画像化デバイス(54)、を備える。この開口部は、軟組織の画像走査のために、画像化デバイスのプローブ(56)もしくはこの画像化デバイスによって伝達される画像化エネルギーを、その中で可動にさせ得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、広くは、軟組織の領域を所望の向きに位置決めし、そして維持して、画像化および軟組織における手順の遂行を容易にするためのシステムおよび方法に関する。より具体的には、画像化および/または手順(例えば、生検もしくは切除)の精度の増強のために、軟組織(例えば、乳房組織)を向き付けするためのシステムおよび方法が開示される。
【背景技術】
【0002】
(関連技術の記載)
生きている被験体の乳房組織内の病変が、適切に標的され得て処置され得る前に、乳房組織は、その病変を位置測定し、そして輪郭を描くため、しばしば画像化される。一旦この病変の位置が決定された場合、この病変を標的するため、侵襲デバイス(例えば、ガイドワイヤー)を乳房組織内に挿入することが、しばしば必要である。理想的には、このガイドワイヤーは、乳房組織内の病変の近くに配置される。このガイドワイヤーは、手術手順の間、外科医を病変に導くのに役立つ。
【0003】
ガイドワイヤーを用いるこのような手順において、いくつかの欠点がある。例えば、ガイドワイヤーを用いることは、面倒な、時間のかかるプロセスである。この術前でのガイドワイヤー配置は、代表的に、手術手順とは別の部門で行われ、しばしば数時間をさらに要する。加えて、ガイドワイヤーは、手術手順が行われる前に乳房内を移動し得る。さらに、皮膚切開を行う前には、乳房組織内のガイドワイヤーの先端の実際の位置の大まかな見積もりのみが行われ得、このことは、しばしば不正確もしくは過剰な組織切除の原因となる。
【0004】
手術手順と同時の画像化プロセスは、術前でのガイドワイヤー配置の必要性をなくし、病変のより正確な標的を可能にする。
【0005】
画像化の開始および病変を位置付けする位置測定のプロセスから、この病変を処置するための手順の完了まで、乳房組織は、この全プロセスの間、所望の向きに最適に位置決めされ、そして維持される。例えば、乳房組織が画像化による病変の位置測定後および手順の前に移動する場合、手順の部分は、病変の領域ではない可能性がある。したがって、画像化を必要とする乳房に対する低侵襲的デバイスおよび手順は、しばしば乳房の不動化を必要とする。
【0006】
従来の乳房不動化デバイスは、マンモグラフィーの技術から作られた。この場合、乳房は、二つの硬い平行な板の間で圧縮されて、固定状態を保つ。マンモグラフィーを使用して乳房内で病変を位置測定した後、乳房は二つの圧縮板の間に圧縮され、固定されたままで、そこから診断手順を行うための土台を提供する。したがって、乳房は、位置測定および生検手順全体の間、圧縮されたままである。しかし平行な圧縮板の使用には、多くの欠点がある。例えば、このような乳房圧縮デバイスおよび関連する手順は、患者にとって不快で、やりにくく、苦痛である。特に、患者は、板の間に乳房を適合させるために、しばしば不快な体勢をとることを要求され、そしてこの様式で乳房を適切に安定化させるために必要な圧縮の程度は、大きい。加えて、圧縮は、乳房の最初の構造を歪め、この手順の精度および有効性を危うくする。従来の乳房不動化デバイスはまた、手順を行うために、皮膚切開に適切な部位を提供する助けになる様式で、組織を方向付けない。
【0007】
断層撮影による病変の位置測定は、試料採取および切除のために乳房組織内の病変を標的するために使用される、別の方法である。例えば、医師は、細針吸引、針生検(core biopsy)、または吸引式針生検(vacuum assisted core biopsy)をガイドするために、超音波を使用し得る。このような手順においては、乳房を圧縮するよりもむしろ、超音波変換器が、代表的に、乳房を画像化して病変を位置付けするために使用される。超音波によってガイドされる生検において、医師は、乳房を安定化させ、超音波変換器を保持し、そして超音波変換器の画像化平面内に針を維持しながら、病変から組織を得るのに十分に正確に生検を行うことを、同時に必要とする。医師にとって、この手順を行うことを手伝う助手を得ることは困難である;なぜなら、超音波変換器および生検デバイスは、この生検デバイスが超音波変換器上で見えるようにされるべきであることから、精密な配置にあることを必要とするためである。さらに、乳房はわずかな圧力または患者の動き(例えば、咳もしくは患者の心拍にさえ起因する)に対してさえ動く。このような動きは、乳房における手順の間の病変の画像化および標的化を困難にし得、そしてまた、生検デバイスおよび超音波変換器の誤配置の原因となり得る。
【0008】
それにもかかわらず、このような断層撮影による画像化、および圧縮されない乳房上での手順は、一般に、患者にとってより快適であり、より多くの外科手術デバイスの選択肢を認め、その自然な状態での乳房からの組織の切除を提供する。乳房の超音波検査の一例は、Teboulの米国特許第5,709,206号(その全体が、本明細書中に参考として援用される)に記載される。特に、Teboulは、病変、およびそれが発生する管とのその関連を研究するために、内部の乳房の解剖学的構造の超音波検査を利用することを記載した。軸方向での管の超音波走査を用いることによって、病変の同定および特徴化、葉の中での位置、ならびにその管もしくは複数の管内に広がる可能性、および/もしくは罹患した葉の中での他の病変(例えば、多病巣性癌)の同定が、生検手順もしくは処置手順の前に示され得る。管の同定および特徴化を容易にするため、この管は、理想的には、管のできる限り多くの長さがこの変換器の画像化平面内にあるように、超音波変換器の長さに対して直線的配置にあるべきである。管は、少なくとも6cmの長さで変換器を用いてわずかな圧力を適用することによって、手動でまっすぐにされ得る。侵襲的手順の間できる限りまっすぐに管を維持することは、その手順の精度および容易さを促進する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、乳房領域の軟組織もしくは他の軟組織を向き付けし、そしてその軟組織を所望の向きに維持もしくは不動化して、画像化および/もしくは手順の精度を増強させるシステムおよび方法に対する必要性がある。理想的には、このシステムおよび方法は、その手順の有効性および精度の改善のために行われるかのように、手順の画像化を可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の要旨)
画像化および/もしくは手順(例えば、生検もしくは切除)の精度を増強させるために、軟組織(例えば、乳房組織)の向き付けのためのシステムおよび方法が、開示される。
【0011】
本発明が、多くの手段(プロセスとして、装置として、システムとして、デバイスとして、または方法としての手段を含む)で実行され得ることを、理解すべきである。本発明のいくつかの工夫に富んだ実施形態は、以下に記載される。
【0012】
軟組織の向き付けのためのシステムは、一般的に、軟組織を位置決めし、所望の向きに維持するためのフレーム、画像化デバイス、そしてこのフレームによって規定される開口部(向き付けされ、かつ画像化されるべき軟組織の領域の輪郭を大まかに決める)を備える。軟組織の領域は、所望の向きに位置決めされ、そしてフレームによってその向きに不動化される。このフレームは、減圧、接着、および/またはクリップもしくはフックによって、軟組織もしくは皮膚に取り付けられ、そして固定され得る。固定された持ち上げ部材は、フレームに接続され得、それによって、フレーム、そしてフレームが取り付けられた軟組織を持ち上げる。軟組織の持ち上げはさらに、外来の動きに対して軟組織を不動化し、また組織分離デバイスを用いた組織分離プロセスを改善および増強する。開口部は画像化デバイスのプローブまたは画像化デバイスの画像化エネルギーを受け得る。フレームの開口部は、軟組織の画像走査のため、その中でプローブを可動にさせるように、大きさを決められる。このプローブ(例えば、超音波変換器)は、このフレームの中で回転され得、それによって、このプローブはフレーム内を、好ましくは、二つの直行する方向のいずれにも走査する。フレーム開口部の大きさを調節し、それによって、フレーム開口部内でのプローブ(もしくは画像化デバイスの画像化エネルギー)の走査および位置決めを容易にするために、このフレームは、少なくとも一方向に調節され得る。あるいは、画像化ビームはこのフレームを通過し得るか、もしくはこのフレームの下を通り得る。コネクタは、画像化デバイスを組織分離デバイスに接続し、画像化デバイスの画像化平面内に組織分離デバイスの一部を維持して、組織分離プロセスをさらに改善および増強し得る。
【0013】
軟組織を向き付けし、そして画像化する方法は、一般的に、画像化デバイスによって軟組織を走査する工程、目的の軟組織の領域を決定する工程、向き付け装置のフレームを軟組織の領域もしくは軟組織のこの領域を覆う皮膚表面に配置する工程、および所望の向きに軟組織を位置決めする工程、を包含する。さらに、フレームを持ち上げて、取り付けられた軟組織の領域が伸ばされて基底構造から離れるようにするために、持ち上げ部材が使用され得る。これは、さらなる不動化を提供し、そして組織分離プロセスを増強し得る。一実施形態において、画像化プローブは、フレームによって規定された開口部中に位置決めされる。ここで、このフレームは、二つの直行する方向のいずれかでの軟組織の領域の画像走査のため、このプローブが、その中で向きを変化することが可能であるように、必要に応じて大きさを決められる。あるいは、開口部内でプローブを位置決めすることよりもむしろ、画像化デバイスは、この開口部の外側に位置決めされ得、それによって、画像化デバイスによって伝達され、かつ/または受け取られる画像化ビームもしくは画像化エネルギーは、フレームの開口部を通過するか、フレーム自身を通過するか、またはフレームの下を通って、軟組織の領域の画像化を可能にする。
【0014】
向き付けされるべき軟組織の領域を決定する工程は、好ましくはこの軟組織の画像化(すなわち、フレームなし)を包含する。フレームを軟組織に固定する前に、このフレームは、軟組織の領域上、およびフレームの正しい配置を確実にするために画像化デバイスによって再走査された軟組織上に、(例えば、手動で)不動化され得る。軟組織の領域は、フレームを取り付ける前に所望の向きに位置決めされ得るか、あるいは、フレームが、軟組織の領域を所望の向きに位置決めする前に取り付けられ得る。後者において、フレームは、軟組織の領域もしくはそれを覆う皮膚表面に取り付けられる場合、一つ以上の寸法において調節されて、軟組織の領域を所望の向きに位置決めし得る。
【0015】
軟組織を向き付けし、画像化する方法は、組織切断プロセスに適合され得るか、または組み込まれ得る。加えて、組織切断プロセスは、軟組織中に組織分離デバイスを挿入する工程、画像化によってガイドされる組織分離デバイスを位置決めする工程、および画像化によってガイドされる組織分離デバイスを移動させて、軟組織を分離する工程、を包含する。
【0016】
本装置は、軟組織の向きを維持して望ましくない動きを防止する一方で画像化プローブ(例えば、超音波変換器)を保持し得る、有効な構成システムを提供する。このような装置は、軟組織の領域をよりよい幾何学的配置に位置決めすること(例えば、管の方向に沿って組織を伸ばして、管を真っ直ぐにすること)によって、画像化、および組織分離手順を改善する。さらに加えて、本装置は、軟組織を他の方向に伸ばして(例えば、乳房を持ち上げ、胸板から離して)牽引力および向牽引力を提供することによって、組織分離手順を改善する。一旦目的の軟組織領域が、所望の向きになった場合、本装置は、画像化および組織分離手順の間、この目的の領域を所望の向きに不動化し、そして維持する。
【0017】
本発明の、これらの、そして他の特性および利点は、以下の詳細な説明、および添付の、本発明の基本を例として説明する図において、より詳細に提示される。
【0018】
(図面の簡単な説明)
本発明は、添付の図に関連する以下の詳細な説明によって、容易に理解される。ここで、同じ参照番号は、同じ構造要素を示す。
【0019】
(具体的実施形態の説明)
画像化および/または手順(例えば、生検もしくは切除)の精度の増強のため、乳房組織のような軟組織の向き付けのシステムおよび方法が開示される。以下の記述は、当業者が本発明を製作し、そして使用することを可能にするために提示される。具体的実施形態の記述および用途は、例としてのみ提供され、そして種々の改変は、当業者に容易に理解される。本明細書中で定義される大体の基本は、本発明の精神および範囲から離れることなく、他の実施形態および用途に適用され得る。したがって、本発明は、本明細書中に開示された基本および特性に一致する多数の変更、改変および同等物を含む広範な範囲を認められるべきである。明確化の目的のため、本発明の技術分野において公知の技術的材料に関する詳細は、本発明を不必要にあいまいにしないために、詳細には記載されていない。
【0020】
図1は、軟組織(例えば、乳房もしくは乳房の所定の領域)を位置決めし、そして不動化するのに特に適切な向き付けデバイス50の、例示的実施形態の透視図である。例で示されるように、好ましい用途は、乳房における画像化および手順のためであるが、使用する組織部位は乳房に限定されない。本明細書中に記載される実施形態および方法は、他の組織(例えば、他の皮下組織、心臓、および肝臓で使用され得る(限定ではない)。向き付けデバイス50は、一般的に、開口部を規定するフレーム52を備えて、そこを通じて、画像化装置54(例えば、超音波変換器)を用いて軟組織の領域の画像化を可能にする。本発明で提示される例は超音波を利用するが、任意の他の適切な画像化方法が利用され得ることが、理解されるべきである。画像化装置54は、好ましくは、プローブ56、ハンドル58、および画像データを、例えば、データ処理と表示のためのコンピュータシステム(示されない)に伝達するための伝達機構60を備える。伝達機構60は、示されるように、ケーブル接続であり得るか、ワイヤレスであり得るか、または他の任意の適切な機構であり得る。
【0021】
図1に示される実施形態において、プローブ56は、フレーム52の開口部内に位置決めされる。しかし、画像化装置54がフレーム52の外側に位置決めされ得、それによって、画像化装置54によって伝達されかつ/または受け取られる画像化ビームもしくは画像化エネルギーが、フレーム52の開口部を通過し、それを通して軟組織の画像化が可能となること、あるいは伝達される画像化ビームもしくは画像化エネルギーが、フレーム52の開口部の下を通るかまたはフレーム52を通過して、フレーム52の開口部の下で軟組織の画像化を可能にし得るということが、理解されるべきである。このような構造は、例えば、MRI(磁気共鳴画像法)、CT(コンピュータ断層撮影法)、PET(陽電子放射断層撮影法)、核医学、およびX線画像化デバイスによる画像化の場合に利用され得る。さらなる実施形態において、画像化装置54は、軟組織の領域の3次元画像を作製するように構成され得る。
【0022】
フレーム52は、X方向64におけるその長さに沿って、二つのほぼ平行な横材62を備え、そしてY方向68におけるその幅に沿って二つの接続ストリップ66を備える。接続ストリップ66は、二つの平行な横材62を接続して、ほぼ長方形のフレーム52を形成する。横材62および接続ストリップ66は、プラスチック、金属、もしくはセラミックスのような任意の適切な材料で製作され得るか、またはプラスチック、金属、もしくはセラミックスのような材料の組み合わせで製作され得る。別個の部品として示されるが、横材62および接続ストリップ66は、一体化して形成され得る。
【0023】
横材62および/もしくは接続ストリップ66は、好ましくは、フレーム52を乳房もしくは検査されるべき他の領域に取り付けるかまたは接着するための機構を提供する。一旦フレーム52が所望の領域に取り付けられた場合、フレーム52は、それが取り付けられた皮膚もしくは軟組織に対して位置を固定された状態のままとなる。適切な取り付け機構の例としては、接着剤、減圧、および/またはフックもしくはクリップが挙げられる。図2は、フレーム52の下面図であり、例として、乳房もしくは検査されるべき他の領域への向き付けデバイスの取り付けを容易にするための減圧口80を示す。はっきり分かるように、減圧が使用される場合、減圧口は、好ましくは患者の皮膚もしくは軟組織と接する横材62の表面上に提供される。フレーム52は、減圧チューブ81を用いて外部減圧供給源(示されない)に接続される。同様に、接着剤が使用される場合、接着剤は、好ましくは、患者の皮膚もしくは軟組織と接する横材62の表面上に適用される。横材62は、接続ストリップ66よりも広い表面領域を提供する。フックが利用される場合、フックは、好ましくは、フレーム52の周囲の少なくとも一部に沿って提供される。
【0024】
図1に示される実施形態において、横材62は、その相対的大きさに起因して、フレーム52に対して、接続ストリップ66よりも高い寸法安定性を提供する。図3A〜図3Iは、フレームの種々の他の例示的構造を示す透視図である。例えば、フレームは、フレームの3つもしくは4つの面上に横材を提供し得、そしてそれぞれ、一つのみの接続ストリップを提供し得るか、もしくは接続ストリップを提供し得ない。加えて、複数の横材が、接続ストリップによって互いに連結され得る。別の例として、四角のもしくは円形のU形のフレーム、または卵円形のフレームが提供され得る。接続ストリップは、横材に対して同じ平面にあり得るか、または異なる平面にあり得る。加えて、患者の皮膚に接するフレームの底面は、平らである必要はなく、皮膚もしくは軟組織に対してよりよい接触を実現するため、および/もしくはよりしっかりと取り付けられるために所望されるように、形を合わせられ得る。
【0025】
再度図1を参照すると、画像化装置54はフレーム52内で可動であり、それによって、画像化装置54は、フレーム52の制限の中で、組織領域を走査し得る。図1に示された構造では、プローブ56は、フレーム52の内側の幅とほぼ同一の長さを有し、それによって、画像化装置54は、フレーム52内を、横材62の間でX方向64に沿って、一方、プローブ56が横材62にほぼ直行した状態にある場合、接続ストリップ66の間で、スライド式に可動である。
【0026】
フレーム52および/もしくは画像化装置54が、フレーム内での画像化装置54の動きを容易にする任意の適切な機械的機構を提供し得ることに、注意すべきである。例えば、横材62の一つもしくは両方は、溝70(点線で示される)を備え得、プローブ56の一つもしくは両方の端は、溝70内をスライドする、対応する嵌合した突出部を提供し得る。プローブ56によって提供される突出部は、例えば、対応する溝への各突出部の挿入を容易にするために、格納式および/もしくは可撓性であり得る。別の例として、加えてもしくはあるいはプローブ56は、横材62の外側面上でプローブ56をフレーム52に固定するクリップを提供する。さらなる例のように、フレーム52は、プローブ56をフレーム52内に保持するためのホルダー(示されない)を提供し得る。このホルダーは、フレーム52の開口部内で可動であり得、それによって、プローブ56がホルダーによって保持される場合、プローブ56は、ホルダーに沿って、フレーム52に対して、かつフレーム52内を、可動である。同様の機構が、画像化デバイスがフレーム52の開口部の外側に位置決めされる場合、フレーム52に対する画像化装置54の動きを容易にするために、提供され得る。
【0027】
上記のように、プローブ56は、フレーム52の開口部内に位置決めされ得、そしてこのフレーム内を手動で動かされ得る。しかし、画像化デバイス54、はフレーム内に限定される必要はなく、むしろ画像化デバイス54は、フレーム52の外側に位置決めされて取り付けられ得、それによって、画像化デバイス54によって伝達され、かつ/または受け取られる画像化ビームもしくは画像化エネルギーは、フレーム52の開口部を通過するか、フレーム52を通過するか、またはフレーム52の下を通って、フレーム52の開口部の下で軟組織の画像化を可能にする。このような構造は、例えば、MRI、CT、PET、核医学、およびX線画像化デバイスによって利用され得る。フレーム52の開口部内にあるプローブよりもむしろ走査エネルギーによって、開口部の一寸法は、好ましくは、画像化デバイス54の走査長と少なくとも同一の一寸法に大きさを決められる。
【0028】
フレーム52は、大きさを固定され得るか、または一もしくは二方向に調節可能であり得る。図1に示されるように、フレーム52の内側幅は、プローブ56の長さとほぼ同一であり、したがって、プローブ56は、このフレーム内をX方向64に、スライド式に可動である。しかし、画像化装置54は、フレーム52に対して90°回転され得、そしてフレーム52は、プローブ56の長さとほぼ同一の内側長を有するように調整され得、したがって、プローブ56は、このフレーム内をY方向68に、スライド式に可動である。
【0029】
一実施形態において、フレーム52は、横材62の固定部分に格納可能であり、かつ横材62の固定部分から伸展可能な、一つ以上の伸縮部分を有することによって、長さ(X方向64)を調整可能であり得る。あるいは、もしくは加えて、一つもしくは両方の接続ストリップ66は、横材62の内側長に沿ってスライド可能であり得、それによって、フレーム52の長さを調節する。同様に、あるいはもしくは加えてフレーム52は、幅を調節可能である。フレーム52の幅調節は、任意の適切な様式(例えば、プローブ56の長さ調節に関して上記に記載されたように)で提供され得る。例えば、接続ストリップ66は、接続ストリップ66の固定部分に格納可能であり、かつ接続ストリップ66の固定部分から伸展可能な、一つ以上の伸縮部分を提供し得る。あるいはもしくは加えて、一つもしくは両方の横材62は、接続ストリップ66の長さに沿ってスライド可能であり得、それによって、フレーム52の幅を調節する。なお別の例として、一つもしくは両方の横材62は、接続ストリップ66に取り外し可能に取り付けられ得、それによって、取り外し可能な横材62は、取り外され得、かつ異なる位置で、接続ストリップ66に再取り付けされ得る。フレーム52の長さおよび幅の調節についての具体的な例が本明細書中で提示されたが、フレーム52の長さおよび/もしくは幅の調節は、任意の適切な様式で提示され得る。例えば、フレーム52の寸法を調節するよりもむしろ、プローブ56の大きさが調節され得るか、プローブ56が、アダプターの内部に配置され得、そしてフレーム52内に位置決めされ得るか、またはプローブが、異なる大きさのプローブに置き換えられ得る。
【0030】
向き付けデバイス50の一つの好ましい用途は、乳房の領域を位置決めし、不動化し、そして超音波で画像化すること、そして、必要に応じて、内部の乳房の解剖の超音波画像によってガイドされる、生検もしくは他の組織分離手順および組織切除手順を行うことである。生検は、好ましくは、病変もしくは病変の一部の除去を含む。向き付けデバイス50の別の好ましい用途は、乳房の領域を位置決めし、不動化し、そして超音波で画像化して、癌性病変の切除を行うことである。これは、好ましくは、癌性病変の切除、および乳房の葉全体もしくは葉の一部を含むための、罹患した管内の癌のあらゆる拡大部の切除を含む。
【0031】
癌性病変全体、および罹患した管内の可能性ある癌の拡大部を含むため、フレーム52の内側寸法は、好ましくは、長さ5cm〜10cm、そして幅4cm〜8cmである。乳房の画像化に使用される一次元超音波変換器(Linear array ultrasound transducer)は、他の大きさ(代表的に4cm〜8cm)が利用され得るが、代表的に、長さ4cmである。さらに、超音波変換器の画像化平面は、代表的に、幅約1mmである。
【0032】
図4A〜図4Dは、乳房90内に発生した病変94、ならびに病変94を含む乳房90の領域を不動化し、走査するための向き付けデバイス50の位置決めおよび固定を示す。特に、図4Aは、乳房90の管92における病変94を、模式的に示す。示されるように、病変94は、葉93の管92中で発生し、そして病変拡大部95は、管92内で乳頭/乳輪複合体98方向へ増殖している。好ましくは、乳房90にフレームを取り付ける前に、葉93を含む軟組織の領域は、図4Bに示されるように、(例えば、手動で)伸展され、それによって、管92および管92を含む葉93は、引き伸ばされて、管92を真っ直ぐにする。特に、軟組織の領域は、好ましくは、例えば、病変および/もしくは管のよりよい画像化および標的化のため、フレームの配置前に方向64に真っ直ぐにされる。
【0033】
図4Cは、乳房90に固定されて軟組織の領域の向きを伸展された状態で不動化し、そして維持するフレーム52を、模式的に示す。示されるように、フレーム52は、管92および葉93を含む軟組織の領域上に、ほぼ位置決めされる。加えて、フレーム52下にない管92の部分は、もはや伸展もしくは真っ直ぐにされないため、伸展から解放され、したがってその自然の状態に戻っている。対照的に、フレーム52下にある管92の部分は、伸展され、かつ真っ直ぐにされた向きで維持される。
【0034】
プローブ56は、管92、葉93、および/もしくは病変94を画像化するために、フレーム52内に位置決めされる。図4Cでは、病変94は、プローブ56の下に隠れている。示されるように、プローブ56は、ほぼ管92と平行に、かつ接続ストリップ66と直行して位置決めされ、それによって、プローブ56は、管92とほぼ平行な方向64に、または管92とほぼ直行する方向68に移動し得る。プローブ56はまた、下にある軟組織に対して角度をなし、任意の一方向にプローブを動かすことなく画像平面を変化し得る。
【0035】
明らかに、プローブ56は、病変94、管92、もしくは葉93に対して任意の方向に位置決めされ得る。代表的に、プローブ56は、例えば、プローブ56の所望の走査経路に依存して、フレーム52内の二つの方向うちの一つに位置決めされる。例えば、プローブ56は、病変94の近くの組織分離デバイスの挿入および位置決めの間に、図4Cに示される配置に位置決めされ、一方で、一旦組織分離デバイスが適切に配置された場合、プローブ56は、図4Dに示される配置に位置決めされる。
【0036】
図4Dは、ほぼ接続ストリップ66に平行に、かつ管92に直行して位置決めされたプローブ56を模式的に示す。これによって、プローブ56は、管92の長さに沿った方向64に移動し得る。例えば、プローブ56は、内部の乳房の解剖の超音波画像化によってガイドされる生検を行う組織分離デバイスとともに、移動し得る。プローブ56は、好ましくは、組織分離デバイスが動かされる場合(すなわち、組織分離手順の間)、組織分離デバイスの少なくとも一部をプローブ56の画像化平面内に維持するため、組織分離デバイスとともに移動する。
【0037】
図5は、例示的組織分離デバイス100および持ち上げ部材110とともに使用される安定化ホルダーデバイス50を模式的に示す。示されるように、組織分離デバイス100は、切開部104を通じて、向き付けデバイス50および病変94近く、そして好ましくは乳頭/乳輪複合体98の境界部で乳房に挿入される。組織分離デバイス100の分離端もしくは作業端102は、周辺組織からの病変94の分離に備えて乳房内に位置決めされ得る(これは、プローブ56による超音波走査を用いてガイドされる)。組織分離デバイス100の作業端102は、例えば、切断用ループであり得、そして高周波(RF)もしくは他のエネルギー源によってエネルギーを与えられ得るか、または鋭い刃であり得る。
【0038】
プローブ56は、作業端102とともに移動することによって、病変の分離の間、組織分離デバイス100のガイドを助け得、それによって、作業端102は、組織分離手順の間、連続的にプローブ56の画像化平面内にある。作業端102をプローブ56の画像化平面内に維持することを容易にするため、コネクタ106が、プローブ56を組織分離デバイス100に接続し得る。コネクタ106は、任意の適切な構造を取り得、そして、例えばハンドル58を介して、プローブ56に取り付けられ得る。
【0039】
上記のように、病変および/もしくは他の組織のよりよい画像化および標的化のため、軟組織の領域は、好ましくは、フレーム52に固定される前に、方向64に伸展される。方向64での位置決めは、軟組織の領域中の環92を真っ直ぐにして、画像化および組織分離を容易にする。あるいは、軟組織の領域は、一つ以上の寸法でフレームが調節されることによってフレーム52が固定された後に、所望の向きに位置決めされ得る。例えば、フレーム52が固定された後、軟組織の領域は、フレーム52を広げ、かつ/もしくは伸ばして、それに一つ以上の方向に軟組織の領域を広げることによって、所望の向きに位置決めされ得る。乳房もまた、好ましくは、方向69に(例えば、1cm〜10cm)持ち上げられて、胸板から離される。このような持ち上げによる位置決めは、病変94および/もしくは管92と、それを覆う皮膚およびその下の胸板との距離を増加させ、これは、牽引力および反牽引力を提供することによって、組織分離手順を増強および改善する。
【0040】
持ち上げは、一端が向き付けデバイス50のフレーム52に取付けられ、かつ他の端が動かない固定構造(示されない)に取付けられた持ち上げ部材110の使用によって、実現され得る。持ち上げ部材110は、下にある構造から離れた方向に軟組織の領域を伸展するため、向き付けデバイス50を(例えば、1cm〜10cm)持ち上げる。例えば、持ち上げ部材110の持ち上げは、乳房の領域を、胸板から離して伸展させる。持ち上げ部材11の一端が取り付けられた静止した対象は、例えば寝台もしくはテーブルであり得、そして持ち上げ部材110のために固定支持体および梃子を提供する。
【0041】
図6は、向き付けデバイスを利用した画像化および組織分離プロセス200の例を示す、フローチャートである。工程202で、超音波走査、好ましくは軸方向での管の走査は、乳房上で行われ、標的組織(すなわち、病変、ならびにその病変の発生した管および/もしくは葉)を位置付けする。好ましくは、この工程は、向き付けデバイス50を使用することなしに、フリーハンドで行われる。軸方向での管の超音波走査は、好ましくは、病変、罹患した管および/もしくは葉、管および/もしくは葉内の病変の位置、ならびに罹患した葉内の他の病変(例えば、多病巣性癌)および/もしくは管内での広がりの可能性を同定し、輪郭を描く手順の前に行われる。超音波画像法は、超音波造影剤(同時係属中の、表題が「Ultrasound Imaging Og Breast Tissue Using Ultrasound Contrast Agent」であり、2002年6月11日に出願された、米国特許出願第10/167,017号(その全体が、本明細書中に参考として援用される)に記載される)の使用によって増強され得る。
【0042】
一旦、病変、管、および/もしくは病変が発生した葉が位置付けされる場合、工程204で、向き付けデバイスは、病変、管、および/もしくは葉を含む軟組織の領域上で、患者の乳房上に位置決めされる。その上に向き付けデバイスが位置決めされる乳房の領域は、好ましくは、所望の方向に手動で伸展されて、その上に向き付けデバイスが位置決めされる前に管および/もしくは葉を伸展する。この向き付けデバイスおよび超音波変換器は、図4Cに示されるのと同様に、管もしくは葉に対して位置決めされ得る。言い換えると、このデバイスのフレームの長さは、管もしくは葉の長さに渡ってほぼ位置決めされ、一方、プローブの長さは、管もしくは葉の長さとほぼ平行に位置決めされ、それによって、プローブは、管もしくは葉とほぼ平行な方向に移動し得る。同じ超音波変換器もしくは異なる超音波変換器のいずれかが、工程202で使用されるように、この向き付けデバイスで使用され得る。
【0043】
工程206では、この向き付けデバイスは、軟組織の領域の再走査が行われてこの向き付けデバイスの正しい配置を確実にする間、手動で位置を保持され得る。次いで、工程208では、この向き付けデバイスは、減圧、接着剤、および/またはフックもしくはクリップによって乳房に固定され、軟組織の領域を胸板から離れた方向に伸展するために、持ち上げ部材を用いて持ち上げられ得る。
【0044】
工程210では、組織分離デバイスが、乳房の切開部を通して挿入される。好ましくは、この切開部は、病変、管、および/もしくは組織分離手順が行われるべき葉に対して比較的非常に近位に、かつ向き付けデバイスによって保持される領域の外側に(例えば、乳頭/乳輪複合体の境界に)作られる。この組織分離デバイス刃、例えば、生検針もしくは組織切断デバイス(例えば、表題が「Devices And Methods For Tissue Severing And Removal」であり、2002年3月12日に出願された、同時係属中の米国特許出願第10/097,412号(その全体が、本明細書中に参考として援用される)に記載される)であり得る。
【0045】
工程212では、超音波走査を用いてガイドされる組織分離デバイスは、周辺組織から病変、管、および/もしくは葉を分離することに備えて、位置決めされる。好ましくは、病変全体、関連する管の一部もしくは全部、または葉全体もしくは病変を含む葉の一部が、標的される。一旦組織分離デバイスが適切に乳房組織内に位置決めされる場合、プローブは、向き付けデバイスのフレーム内を、標的された組織に対してかもしくは図4Dに示されるのと同様のフレームに対して回転される。言い換えると、所望の乳房の領域の配置および不動化が維持されている間、向き付けデバイスのフレームは、標的された組織に対して同じ向きのままである(すなわち、フレームの長さは、管もしくは葉の長さに渡ってほぼ向き付けされている)。加えて、プローブの長さは、管もしくは葉の長さにほぼ直行して向き付けられ、それによって、プローブは、管もしくは葉にほぼ平行な方向に移動し得る。プローブのこのような向きは、画像化平面内にあるべき病変、管、葉、もしくは他の目的の領域の幅を許容する。
【0046】
明らかに、一旦、向き付けデバイスが、工程202で位置付けられた軟組織の領域上で、乳房に対して位置決めされ、そして固定される場合、この向き付けデバイスは、固定されて、軟組織の領域の位置決め、不動化および画像化、ならびに組織分離手順のガイドを容易にする。したがって、この向き付けデバイスの乳房への固定は、プローブに対する軟組織の領域の動きを防止し、それによって、より正確かつ有効な走査、病変標的化、および組織分離手順を確実にする。
【0047】
工程214では、組織分離デバイスはプローブに接続され得、それによって、一旦この組織分離デバイスが、プローブの画像化平面に整列化される場合、この組織分離デバイスの作業端は、組織分離手順の間、画像化平面内にとどまる。言い換えると、組織分離デバイスのプローブへの接続は、プローブと同じ向きに組織分離デバイスを維持することによって、組織分離デバイスをガイドすることを助ける。
【0048】
工程216では、作業端およびプローブは一緒に動き、それによって、作業端は、組織分離手順の間、プローブの画像化平面内にとどまる。作業端が、切断環の場合、この環は、持ち上げられて、病変、管、葉もしくは他の標的された組織を囲み、そして引かれるかもしくは押されて、組織分離のために標的された組織の周囲を切断する。この切断器が標的された組織の周りで切断を完了する場合、プロセス200が完了する。さらなる実施形態において、切断された組織は、組織収集デバイス内に捕捉されて、患者からの除去を容易にする。
【0049】
明らかに、向き付けデバイス、およびこの向き付けデバイスを用いてガイドされる画像化および組織分離プロセスは、画像化、および手順において精度の増強、したがって有効性の増強をもたらす。
【0050】
本明細書中において、本発明の好ましい実施形態が記載され、かつ図示されたが、それらが説明のみであること、そして本発明の精神および範囲から離れることなくこれらの実施形態に対して改変が行われ得ることが、理解される。したがって、本発明は、以下の特許請求の範囲に関してのみ定義されるということを、意図される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1は、軟組織(例えば、乳房もしくは乳房の所定の領域)を安定化させるために特に適切な安定化ホルダーデバイスの、例示的実施形態の透視図である。
【図2】図2は、安定化ホルダーデバイスのフレームの下面図であり、例として、乳房もしくは他の検査されるべき領域への安定化ホルダーデバイスの取り付けを容易にするための減圧口を図示している。
【図3】図3A〜図3Iは、安定化ホルダーデバイスのフレームの、種々の例示的構造を示す透視図である。
【図4】図4Aは、乳房の管における病変を示す模式図である。 図4Bは、管および管の位置する葉を伸展することの効果を示す模式図である。 図4Cは、管、葉、および/もしくは病変を画像化するための、乳房に固定されて、乳房の向きを維持するフレーム内でのプローブの位置決めを示す模式図である。 図4Dは、管、葉、および/もしくは病変を画像化するための、フレーム内でのプローブの代替的位置決めを示す模式図である。
【図5】図5は、組織分離デバイスおよび持ち上げ部材とともに使用される安定化ホルダ―デバイスを示す模式図である。
【図6】図6は、安定化ホルダーデバイスを利用する画像化および組織分離プロセスを示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軟組織の向きを向き付けし、維持するための装置であって、以下:
開口部を規定するフレームであって、該フレームは、該開口部の一側に位置決めされた軟組織の領域を向き付けして、不動化させるように構成されている、フレーム;
軟組織の該領域によってか、または軟組織の該領域を覆う皮膚表面によって規定される取り付け領域に該フレームを固定して、軟組織の該領域を向き付けし、そして不動化することを容易にする取り付け機構;および
軟組織の該領域を画像化するための画像化デバイス、
を備える、装置。
【請求項2】
前記画像化デバイスが、軟組織の前記領域の画像走査のために透過画像化エネルギーを伝達し、前記フレームおよび前記開口部が、該透過画像化エネルギーが該開口部を通過して、軟組織の該領域の該画像走査を容易にするように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記画像化デバイスが、軟組織の前記領域の画像走査のために透過画像化エネルギーを伝達し、前記フレームおよび前記開口部が、該透過画像化エネルギーが該フレームの下を通るかもしくは該フレームを通過して、軟組織の該領域の該画像走査を容易にするように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記画像化デバイスが、軟組織の前記領域の画像走査のために透過画像化エネルギーを伝達し、該画像化デバイスが、該透過画像化エネルギーが前記フレームに対して可動であるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記画像化デバイスが、該画像化デバイスから得られた画像データを処理するためおよび該処理された画像データを表示するために、システムと連絡する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記処理された画像データが、軟組織の前記領域の3次元画像を表示するために適合される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記画像化デバイスが、超音波、磁気共鳴画像法、コンピュータ断層撮影法、陽電子放射断層撮影法、X線画像法、および核医学造影法の中の一つである、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記画像化デバイスが、前記開口部中で可動であるように構成されたプローブを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記画像化デバイスの前記プローブが、超音波変換器である、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
請求項9に記載の装置であって、前記プローブが、走査長を有し、そして前記開口部が、第一の方向に、少なくとも該プローブの該走査長と同一な第一の寸法を有して、該第一の方向においてかもしくは該第一の方向と直行する第二の方向において、該開口部内の該走査の動きをガイドすることを容易にする、装置。
【請求項11】
請求項10に記載の装置であって、前記開口部が、前記第二の方向に第二の寸法を有し、前記フレームが、該第二の方向に調節可能であって、それによって、該開口部が、該第二の方向に、少なくとも前記プローブの前記走査長と同一な大きさを有して、該第一の方向においてかもしくは該第二の方向において、該開口部内の該走査の動きをガイドすることを容易にする、装置。
【請求項12】
前記フレームが、固定部分、および該固定部分に格納可能であり、かつ該固定部分から伸展可能な伸縮可能部分を有して、前記第二の方向に該フレームの大きさを調節する機能を提供する、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記フレームが、前記第一の方向に大きさを調節可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記フレームが、それらの表面上にガイド部材を備えて、前記プローブを、該ガイド部材に沿ったその動きにおいてガイドする、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記ガイド部材が、突出部および溝の中の一つであり、そして前記プローブが、前記フレームの該ガイド部材に嵌合して該フレームに沿った該プローブの動きをガイドすることを容易にするために、対応する溝および突出部の一つをそれぞれ提供する、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記ガイド部材が、前記プローブのホルダーであって、該ホルダーが、前記フレームの前記開口部内に装着され、かつ該開口部内で可動であって、該フレームに対する該プローブの動きをガイドすることを容易にする、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記取り付け機構が、前記フレーム上に、減圧供給源と接続可能な減圧口を備え、該減圧口が、前記取り付け領域に該フレームを取り付けることを容易にする、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記取り付け機構が、前記取り付け領域に前記フレームを取り付けることを容易にするための、該レームの表面に対する接着剤の適用である、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記取り付け機構が、前記取付け領域にクリップされるように調節されたクリップを備えて、該取り付け領域に該フレームを取り付けることを容易にする、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記フレームに接続される持ち上げ部材をさらに備え、該持ち上げ部材が、固定され、そして調節されて、該フレーム、ならびに該フレームが取り付けられる前記皮膚表面および軟組織の前記領域の中の少なくとも一つを持ち上げる、請求項1に記載の装置。
【請求項21】
前記持ち上げ部材が、調節されて、前記フレーム、ならびに前記皮膚表面および軟組織の前記領域の中の少なくとも一つを、約1cm〜約10cm持ち上げる、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記画像化デバイスを組織分離デバイスに接続するコネクタをさらに備え、該コネクタが、該画像化デバイスの画像化平面中に、該組織分離デバイスの少なくとも一部を維持することを容易にする、請求項1に記載の装置。
【請求項23】
前記画像化デバイスが、前記開口部中で可動であるように構成されるプローブを備え、該画像化デバイスが、前記フレームに対する該プローブの位置決めを容易にするために、ハンドルをさらに備え、前記コネクタが、該画像化デバイスの該ハンドルに接続される、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記画像化デバイスによって画像化される前記組織分離デバイスの前記一部が、該組織分離デバイスの組織分離器部分である、請求項22に記載の装置。
【請求項25】
軟組織を向き付けおよび不動化する方法であって、該方法は、以下:
該軟組織を画像化デバイスによって走査する工程;
向き付けされ、そして不動化されるべき該軟組織の領域を決定する工程;
向き付けし、そして不動化する装置のフレームを軟組織の該領域上に配置する工程;ならびに
軟組織の該領域を、該領域を所望の向きに位置決めすることによって、向き付けする工程、
を包含する、方法。
【請求項26】
前記画像化デバイスが、軟組織の前記領域の3次元画像を作製するように構成される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
軟組織の前記領域によってか、または軟組織の該領域を覆う皮膚表面によって規定される取り付け領域に、接着剤、減圧、およびクリップの中の少なくとも一つを前記フレームと該取り付け領域との間に適用することによって、該フレームを固定する工程をさらに包含する、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記フレームが、該フレームによって提供される減圧口を用いた減圧によって前記取付け領域に固定される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記フレームを前記取り付け領域に固定する前および間に、軟組織の前記領域を所望の向きに位置決めする工程をさらに包含する、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記フレームを前記取り付け領域に固定する工程の後に、該フレームの少なくとも一つの寸法の大きさを調節することによって軟組織の前記領域を所望の向きに位置決めする工程を、さらに包含する、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記取付け領域に固定された前記フレームを、該フレームに接続された持ち上げ部材によって持ち上げる工程を、さらに包含する、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
前記持ち上げる工程が、前記フレームを約1cm〜約10cm持ち上げる、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記画像化デバイスが、プローブを備える、請求項25に記載の方法。
【請求項34】
前記画像化デバイスが、超音波である、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
請求項33に記載の方法であって、前記プローブが、走査長を有し、そして前記開口部が、第一の方向に、少なくとも該プローブの該走査長と同一な第一の寸法を有して、該第一の方向においてかもしくは該第一の方向と直行する第二の方向において、該プローブによる該走査の動きをガイドすることを容易にする、方法。
【請求項36】
請求項35に記載の方法であって、前記開口部が、前記第二の方向に第二の寸法を有し、前記フレームが、該第二の方向に調節可能であって、それによって、該開口部が、前記走査長と同一な該第二の寸法の大きさを有して、該第一の方向においてかもしくは該第二の方向において、該プローブによる該走査の動きをガイドすることを容易にする、方法。
【請求項37】
前記フレームが、固定部分、および該固定部分に格納可能であり、かつ該固定部分から伸展可能な伸縮可能部分を有して、それによって、前記第二の方向に大きさを調節する機能を提供する、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記フレームが、前記第一の方向に調節可能である、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
軟組織において、画像化し、位置決めし、不動化し、そして組織切断手順を実行するための方法であって、該方法は、以下:
該軟組織を画像化デバイスによって走査する工程;
向き付けされ、そして不動化されるべき軟組織の領域を決定する工程;
向き付けし、そして不動化する装置のフレームを軟組織の該領域上に配置する工程;
軟組織の該領域を、該領域を所望の向きに位置決めすることによって、向き付けする工程、
組織分離デバイスを、軟組織の該領域内に挿入する工程;
該走査を用いてガイドされる該組織分離デバイスを位置決めする工程;および、
軟組織の該領域の少なくとも一部を分離するために、該走査を用いてガイドされる該組織分離デバイスを移動させる工程、
を包含する、方法。
【請求項40】
軟組織の前記領域によってか、または軟組織の該領域を覆う皮膚表面によって規定される取り付け領域に前記フレームを固定する工程を、さらに包含する、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
軟組織の前記領域を所望の向きに位置決めする工程の後、前記フレームが、前記取り付け領域に固定される、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記フレームが、該フレームの少なくとも一つの寸法の大きさを調節することによって前記取り付け領域に固定された後、軟組織の前記領域が所望の向きに位置決めされる、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
前記組織分離デバイスを、コネクタを介して前記画像化デバイスに接続し、前記組織分離デバイスを移動させる工程および前記走査する工程を容易にし、該組織分離デバイスの少なくとも一部を、該画像化デバイスの画像化平面内に維持する工程をさらに包含する、請求項39に記載の方法。
【請求項44】
前記画像化デバイスによって画像化される前記組織分離デバイスの前記一部が、該組織分離デバイスの組織分離器部分である、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記画像化デバイスが、ハンドルを含むプローブを備えて前記フレーム内の該プローブの位置決めを容易にし、そして前記コネクタが、該ハンドルを介して該画像化デバイスに接続される、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記画像化デバイスが、超音波である、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記画像化デバイスが、軟組織の前記領域の3次元画像を作製するように構成される、請求項39に記載の方法。
【請求項48】
前記フレームに接続される持ち上げ部材を用いて、該フレームおよび前記取り付け領域を持ち上げる工程をさらに包含し、該持ち上げ部材が動かない固定構造に固定される、請求項39に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2006−504488(P2006−504488A)
【公表日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−550163(P2004−550163)
【出願日】平成15年10月29日(2003.10.29)
【国際出願番号】PCT/US2003/034228
【国際公開番号】WO2004/041093
【国際公開日】平成16年5月21日(2004.5.21)
【出願人】(504096642)マノア メディカル, インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】