説明

転位転換メカニズム及びアクチュエーター

転位転換メカニズムは、二つの入れ子にされたコイルスプリング(1、11)のアッセンブリ(23)を備え、二つの入れ子にされたコイルスプリング(1、11)は、それらの対向面にカム手段(2、3;12、13)を有し、前記カム手段は、コイルアッセンブリの長さの変化に関連した移動転位で互いに対して前記コイルスプリングの回転転位を連結するために、前記コイルスプリングの湾曲部で作用するように配置されている、転位転換メカニズム。アクチュエーターは、互いに対してスプリングの一方を回転可能に駆動する駆動モーターと転位転換メカニズムを組み合わせることによって形成される。代替的なメカニズムは、傾斜面を有する駆動円盤状エレメント及び被動円盤状エレメントを含むアッセンブリを備え、傾斜面は相補的な形状で対向しており、完全に相互係合したときに最小の長さのアッセンブリを形成する。外部的にかけられた力による駆動エレメントの回転転位が相互係合した傾斜面のカム作用によってエレメントを分離し、被動エレメントの比例線形転位を生じるようにエレメントは取り付けられる。被動エレメントに連結された弾性力を付勢する手段は、外部的にかけられた力がないときにアッセンブリを最小の長さに戻す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、転位転換メカニズムに関し、特に、移動転位に対する回転の転換及びそのようなメカニズムを使用するアクチュエーターに関する。
【背景技術】
【0002】
駆動される部材の機械的転位を生じるアクチュエーターは、広く様々なアプリケーションで産業を通して使用される。これらは、ほんの少数の例をあげれば、バルブ、リンク装置、ロボティックス、補綴学、カメラ光学、ポンプ、ブレーキ、電動ツールを含む機構制御メカニズムを含む。必要な転位は、回転、直線、叉は他の伝達であり、短い叉は長いストロークである。スプリングなどの別々のリターンメカニズムを有する一方向性あるいは往復運動を含む双方向性にすることができる。特定のアプリケーションに対するアクチュエーターの選択は、しばしば、使用される環境に依存する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
駆動される対象物の線形叉は他の移動転位を生じるためのアクチュエーターの多くの形態が従来技術で知られている。これらは、まっすぐに動く空気圧及び油圧ピストン装置、及び、ゴム製の内袋の膨張が生きた筋収縮に類似した方法で外側の金属壁の収縮を生じる
“空気筋肉(air muscles)”として知られる最近開発された装置を含む。リニアアクチュエーターの他の形態は、ソレノイド及びボイスコイルモーターのような電磁気である。そのような装置は、拡張の可能性を制限する。
【0004】
ステッパーモーターまたはサーボモーターなどの電気モーターは、アクチュエーター装置のための便利なドライバーであるが、直線転位を生じるためにそれらの回転アウトプットは、適当な転換メカニズムによって直線運動に変わらなければならない。多くのそのようなメカニズムは、ラック及びピニオンメカニズム及びリードスクリューなどこの目的のために利用された。後者の場合、短いねじ付ナットはモーターによって回転される長い
ねじ付シャフトに沿って移動され、プリントキャリッジなどの駆動される部材に連結される。適当なねじピッチの選択叉は追加の伝動装置の使用によって、この種のメカニズムの機械的利点は、小さな回転に対して比較的大きな拡張を生じるために増加されることができる。
【0005】
また、リターンスプリングによって付勢されたカムシャフト及び従動部は、特に従来のエンジンで往復運動する線形運動を生じるために広く使用され、同様のカム従動部及びスプリング構成は、従来の電気モーター駆動シャフトから往復運動を生じるために電動ツールで使用される。
【0006】
しかしながら、制限された回転角度に対する大きな拡張を生じることができ、対立的な環境に寛容であるのに十分に強固である移動運動転換メカニズムに対するシンプルな回転に限界があります。本発明は、このようなメカニズムを提供する。
【0007】
また、相補的に形状付けられた円盤状のくさびまたはカムの相対的な回転による所望の静的線形転位を生じるための調節可能なシムまたはスペーサー装置が従来技術で知られている。そのような装置は、“調整可能な拡張−カムシム”に対する米国特許第4433879号(J.C. Morris)及び“くさびとその装置”に対する英国公開特許出願第2331568号(A.Szmidla)に開示される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1態様によれば、転位転換メカニズムは、二つの入れ子にされたコイルスプリングのアッセンブリを備え、二つの入れ子にされたコイルスプリングは、それらの対向面にカム手段を有し、前記カム手段は、コイルアッセンブリの長さの変化に関連した移動転位で互いに対して前記コイルスプリングの回転転位を連結するために、前記コイルスプリングの湾曲部で作用するように配置されている、転位転換メカニズムが提供される。
【0009】
創作性のあるメカニズムの熟考した使用は、制限された角度回転インプットを移動、例えば、直線、転位への転換であり、理論上は、移動インプット転位が制限された角度回転転位アウトプットを生じるように、逆にメカニズムを作動することができる。
【0010】
しかしながら、本発明の好適な形態では、コイルスプリングの駆動される相対的な回転転位は、カム手段がコイルスプリングの湾曲部のピッチと係合すると共にコイルスプリングの湾曲部のピッチを変え、それによって、アッセンブリの長さを変えて関連した移動転位を生じる。
【0011】
単一の増量の回転によって生じた移動転位が単に単一のカムの移動動作でなくすべてのカムの転位の累積総量であるので、このメカニズムは、相当な機械的利点を有する。換言すれば、その効果は、コイルの湾曲部の数によって増やされ、スプリングアッセンブリを2倍の長さにできる。
【0012】
好適なメカニズムは、アッセンブリの長さを拡張するようにテンションスプリングを利用するが、アッセンブリの長さがスプリングの相対回転で収縮されるように圧縮スプリングを同様に利用できる。
【0013】
スプリングコイルは一体の材料で形成され、コイルの湾曲部は、カム手段を提供する部分で輪郭付けられているのが好ましい。基部分は、より強い強度のために円形叉は正方形にすることができ、プレスなどの適当な手段によって輪郭付けられた形状に形成されることができる。金属材料及びプラスチック材料の双方が荷重及びアプリケーションに依存してスプリングを形成するのに使用されることができる。スプリング鋼は、タングステンカーバイドのような適当な金属材料である。ナイロンなどのポリアミドは、適当なプラスチック材料である。
【0014】
好適なカム手段は、少なくとも一つのスプリングの湾曲部の面に傾斜したカム面を含む。そのような傾斜したカム面は、理論上、コイル及びそれぞれのコイルの反対のスロープの双方の対向部分に利用される。しかしながら、代替的に、スタッドなどの単一のカム従動部は、湾曲部の一方に使用されることができる。最大の転位に対し、傾斜したカム面は、湾曲部の面の全高にわたって伸びる。
【0015】
また、好ましくは、相対的な制御が必要である場合には、カム面のスロープ叉は表面は均一である。しかしながら、湾曲及び他の直線でないカム面を利用できるということを理解されるべきである。
【0016】
好適な均一なスロープカム面は、湾曲部の一つの面のレリーフに形成された三角形の縁部によって提供されるのが好ましいが、形成された隆起部叉はフランジのように形成されることもできる。
【0017】
また、荷重を押し広げるため及び機械的な利点を増加するために、いくつかの歯叉は
傾斜したカム面がコイルの各湾曲部に提供されることができる。コイルの湾曲部ごとの歯の数は、これがカム面の傾斜角度を画定する限り、回転角度のごとのパーセントの拡張に関してメカニズムの機械的利点を画定する。カム面が湾曲部の全高にわたって伸びる場合、コイルの一部分の回転は、アッセンブリの完全な拡張を生じることができる。
【0018】
線形転位の場合では、複数のカム面は、同一である。しかしながら、例えば、カム面は、二重のコイルアッセンブリの直線でない湾曲した移動を生じるために一方側の面が他方側の面よりも低いように異なって形成されることができる。
【0019】
好ましくは、一方のスプリングだけが駆動シャフトによって回転され、他方のスプリングが回転に抗して抑制される。この好適な構成では、駆動スプリングは、好ましくは被動スプリングの内部にあるが、必須ではない。
【0020】
好ましくは、駆動シャフトは、駆動コイルスプリングの一方の端部湾曲部を同軸的に支持するための環状部材で終端するハブの一部であり、駆動コイルスプリングの端部は、スプリングの端部及び環状部材の整合された穴に配置されたピンによって環状部材に連結され、穴は、駆動シャフトによって駆動されるときにスプリングの撓み応力を軽減するためにスプリングの端部の十分な自由移動を許容する。
【0021】
同様に、好ましくは、被動コイルスプリングは、それぞれの環状部材の端部湾曲部によって同軸的に支持され、スプリング端部の整合された穴に配置されたそれぞれのピンによって環状部材に連結され、穴は、駆動コイルスプリングの回転によって駆動されるときにスプリングの撓み応力を軽減するためにスプリングの端部の十分な自由移動を許容する。
【0022】
これらの両方の場合では、そのようなひずみ応力は、拡張した際のスプリングの直径の収縮によって及びスプリングの端部がねじれるような回転によって生じるかもしれない。
最も大きな構造上の剛性及び転位のコントロールのために、転位転換メカニズムは、ハウジングアッセンブリを含み、被動コイルスプリングはその一端部がハウジングアッセンブリに固定的に取り付けられ、ハウジングアッセンブリは、一端部においてコイルスプリングを取り囲む固定ケージ構造と、その自由端部において被動コイルスプリングを取り囲みかつ被動コイルスプリングに取り付けられた筒状のカバーとを含み、固定ケージ構造は、軸線方向に伸びる複数の脚部で形成され、複数の脚部は、筒状のカバーの相補的な溝と係合し、それによって、被動コイルスプリングを直線移動に制限するのが好ましい。
【0023】
しかしながら、あるアプリケーションに対しは、スプリングの転位は、独立して強制される必要がないかもしれない。これは、スプリングの材料の強度及びカム手段のデザインが滑り叉は非係合を防止する程度に依存する。
【0024】
筒状のカバーは、メカニズムからロード出力を伝達するために、駆動される対象物が連結されるエンドキャプが提供される。
スプリングの過拡張を防止するために、ハウジングアッセンブリのケージは、ディスク環状部材に終端し、筒状のカバーは、その内側において外方に曲がったフランジを有し、フランジのディスク環状部材との係合は、軸方向における被動コイルスプリングの移動を制限するのに供される。
【0025】
第2の態様では、本発明は、また、上述した移動転位メカニズムに対するロータリーを互いに対してスプリングの一方を回転可能に駆動するための駆動モーターと組み合わせるアクチュエーターを提供する。
【0026】
駆動モーターは、例えば、出力シャフトが駆動コイル用の駆動シャフトを直接形成する
ステップモーター叉はサーボモーターにすることができる。これは、軽い荷重のアプリケーションに対して適当である。代替的に、より重い荷重のアプリケーションに対しては、駆動手段は、例えば、マルチローブカムを通して間接的に駆動シャフトを駆動するモーターにすることができる。この場合、駆動シャフトに取り付けられた従動部は、カムのローブに従って駆動シャフトを回転するであろう。
【0027】
さらなる態様では、本発明は、また、回転から直線への転位転換メカニズムは、共通の中心軸線をもつ駆動円盤状エレメント及び被動円盤状エレメントを含むアッセンブリであって、各円盤状エレメントは傾斜面を有し、二つの前記エレメントの傾斜面は相補的に形状付けられて対向されており、相互係合したときに最小限の長さのアッセンブリを形成する、アッセンブリと、外部の力によって回転のための駆動エレメントを取り付けるための駆動エレメント取り付け手段と、前記共通の中心軸線を中心とした被動円盤状エレメントの回転を防止しながら前記共通の中心軸線に沿った移動を許容し、それによって外部的にかけられた力による回転転位がエレメントを相互係合した傾斜面のカム作用によって離れさせて被動円盤状エレメントの直線転位を生じるように、被動円盤状エレメントを取り付けるための被動エレメント取り付け手段と、外部的にかけられた力がないときにアッセンブリを最小の長さに戻すように被動円盤状エレメントに連結された弾性力を付勢する手段とを備える。
【0028】
このような装置は、本質的に変化せず、ガイドシステム叉はリターンメカニズムを有しないUS4433879及びGB2331568の従来の装置と比較して、非常にコンパクトであり丈夫であり、ポジションアクチュエーターなどの多くの力学的精密なアプリケーション叉は投薬や燃料ディスペンサーのための洗浄器などの正確に調整されたストロークの流体伝達装置に適当である。
【0029】
好ましくは、アッセンブリは、互いに離れたスタックを形成するために前記共通の中心軸線上に交互に取り付けられた複数の駆動円盤状エレメント及び複数の被動円盤状エレメントと、駆動円盤状エレメントの傾斜した面と隣接する被動円盤状エレメントの傾斜した面との係合によって離れてカム係合されたときに前記軸線に沿って駆動円盤状エレメントを分離することを許容しながら、前記外部力によって前記軸線を中心に互いに回転するために駆動円盤状エレメントを連結するための連結手段とを備える。
【0030】
エレメントのスタックの使用は、付与された回転に対しより大きくて累積的な拡張を考慮し、駆動エレメントを直線的な分離を許容しながら、回転のための駆動エレメントの連結によって可能である。
【0031】
これは、少なくとも被動円盤状エレメントの中間にある前記スタックの端部が、軸方向に整合された穴が提供されることによって実行され、各駆動円盤状エレメントは、一方の面から軸方向に伸びる突出部を有し、突出部は、その隣接した被動円盤状エレメントの穴を貫通し、それと共に鍵がかけられた摺動可能な係合で隣接した駆動円盤状エレメントの凹部に配置し、回転駆動力は、軸方向の関連した摺動運動を許容しながら駆動円盤状エレメント間で伝達されることができる。
【0032】
好ましくは、各駆動円盤状エレメントの凹部は、駆動円盤状エレメントを通る穴の一部であり、前記突出部は、その対応する駆動円盤状エレメントの穴の内面に形成された少なくとも一つのリブの一部であり、そのリブは、その駆動円盤状エレメントから外方に突出し、前記隣接した駆動円盤状エレメントの穴の少なくとも一つの相補的に配向されたリブ部分と係合して前記鍵がかけられた摺動可能な係合を提供する。
【0033】
他の構成が可能であるが、好適な構成は、各中間にある駆動円盤状エレメントの穴は、各々が穴の弧の90度にわたって伸びる二つの正反対に対向したリブが提供され、前記リブは、前記最初に記載した一対のリブに90度で配向された隣接する駆動円盤状エレメントの同様の一対のリブと係合して鍵がかけられる、穴である。
【0034】
被動エレメントの回転を防止する好適な方法は、被動円盤状エレメントの各々に複数の外縁突出部を提供し、メカニズムが、突出部が回転を防止するために配置するスタックを取り囲む溝付きガイド手段を含むことである。
【0035】
複数のディスクバージョンに対し、駆動円盤状エレメントは、スタックの一端部に配置されるのが好ましく、外部ドライブ及び内部傾斜面に連結されるようになった外部分を有し、被動円盤状エレメントは、スタックの他端部に配置され、伝達ロード力を伝達するようになった外面と、傾斜内面とを有し、中間にある駆動円盤状エレメント及び被動円盤状エレメントは、両面に傾斜面を有する。好ましくは、エンド駆動エレメントは、外部ドライブに連結するために外面にねじが付された、外方に伸びる軸線シャフトに固定して取り付けられる。
【0036】
このような構成では、転位転換メカニズムは、スタックのためのハウジングアッセンブリを含み、ハウジングアッセンブリは、被動エレメント取り付け手段を形成し、終端の被動円盤状エレメントが固定される一端部にスタックのための筒状カバーを備え、筒状カバーの他端部はスロット付フランジに終端するのが好ましい。ハウジングアッセンブリは、更に、筒状カバーを取り囲む固定ケージ構造を備え、固定ケージ構造は、軸方向に伸びると共に固定ケージ構造を直線移動に制限するために筒状カバーのフランジのスロットを通過する複数の脚部で形成される。付加的に、筒状カバーは、外面溝が提供され、ガイド脚部は、内面溝が提供され、その両方において外縁突出部が伝達を許容しながら回転に抗して被動円盤状エレメントを抑制する動作で配置する。
【0037】
他の好適な特徴は、弾性力を付勢する手段は、筒状カバーのフランジとケージの端部との間に取り付けられたコイルスプリングであることである。
本発明の第3の態様の他の好適な特徴は、駆動円盤状エレメント及び被動円盤状エレメントが、各々、均一に離間した位置で外周に配置された、傾斜した表面ごとに複数の傾斜面を有することである。これは、単一の360度の傾斜部を有する場合よりも回転角度に対する転位率が均一で大きくできる。
【0038】
単一のストロークアプリケーションに対し、カム作用する傾斜面は円盤状エレメントの平面に対して比較的浅い角度で起立する平らな面であることが好ましい。
連続的に回転するアプリケーションに対し、傾斜面の起立する面及び降下する面の双方は、同じ角度にすることができ、あるいは、ピークで不連続しない形態で滑らかなうねりにすることができる。後者の構成は、拡張されていない状態でよりコンパクトである。
【0039】
単一のストロークアプリケーションに対し、転位転換メカニズムは、傾斜面によって画定された弧を超えて駆動円盤状エレメントが回転するのを防止するストップ部を含むことができる。
【0040】
駆動エレメントを回転可能に駆動するための駆動メカニズムが提供された場合、転位転換メカニズムはアクチュエーターになる。駆動メカニズムは、モーター叉は手動で操作されるクランクにすることができる。連続的に回転した駆動エレメントは、往復運動する直線的な出力を生じる。
【0041】
このような駆動エレメントを回転可能に駆動するための回転可能なクランクを含む転位転換メカニズムからの出力は、転位転換メカニズムを包囲し、一方方向のインレット手段を含むポンプチャンバーを形成するシールケースであって、一方方向のインレット手段は、転位転換メカニズムが収縮するときに流体がポンプチャンバーの中に引き込まれるのを許容する、シールケースと、クランクが連続的に回転して転位転換メカニズムが一方方向に伸びるときに流体をポンプチャンバーから排出することができるアウトレットとを含むハンドポンプに優れている。
【0042】
本発明は、添付の図面に図示された好適実施例に関連して単に例として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は、本発明にかかる転位転換メカニズムの一部を形成する、二つの入れ子にされたコイルからなるコイルアッセンブリを示す分解等角投影図である。
【図2】図2は、コイルの係合の原理を示す、図1のアッセンブリのコイルと同様の二つのコイルの部分を示す。
【図3】図3は、コイルの相対的な半径方向の位置を示す、図1の入れ子にされたコイルの輪郭平面図である。
【図4】図4は、拡張していない状態の入れ子にされたコイルを示す図3の線A−Aでの断面図である。
【図5】図5は、50%の拡張状態の入れ子にされたコイルを示す図3の線A−Aでの断面図である。
【図6】図6は、100%の拡張状態の入れ子にされたコイルを示す図3の線A−Aでの断面図である。
【図7】図7は、本発明にかかる転位転換メカニズム及びアクチュエーターの一部を形成する、駆動アッセンブリの輪郭平面図である。
【図8】図8は、線B−Bで切られた図7の駆動アッセンブリの部分断面図である。
【図9】図9は、転位転換メカニズム及びアクチュエーターの一部を形成する、図7及び図8の駆動アッセンブリと協働する被動アッセンブリの輪郭平面図である。
【図10】図10は、線C−Cで切られた図9の被動アッセンブリの部分断面図である。
【図11】図11は、転位転換メカニズム及びアクチュエーターを完備するための図7乃至図10の駆動及び被動アッセンブリを収容するハウジングアッセンブリの輪郭平面図である。
【図12】図12は、線D−Dで切られた図11のハウジングアッセンブリの部分断面図である。
【図13】図13は、図7乃至図12のアッセンブリから成る、組み合わされた転位転換メカニズム及びアクチュエーターの輪郭平面図である。
【図13A】図13Aは、図13と同様であるが変更したカム及び従動部を示す。
【図14】図14は、図13の線E−Eで切られた、拡張していない状態の組み合わされたアクチュエーター及びメカニズムの部分断面図である。
【図15】図15は、図13の線E−Eで切られた、50%まで拡張した状態の組み合わされたアクチュエーター及びメカニズムの部分断面図である。
【図16】図16は、図13の線E−Eで切られた、100%まで拡張した状態の組み合わされたアクチュエーター及びメカニズムの部分断面図である。
【図17】図17は、図14に示されたアクチュエーターアッセンブリ及びメカニズムの等角投影図である。
【図18】図18は、図15に示されたアクチュエーターアッセンブリ及びメカニズムの等角投影図である。
【図19】図19は、図16に示されたアクチュエーターアッセンブリ及びメカニズムの等角投影図である。
【図20】図20は、拡張していない状態の本発明にかかるアクチュエーターアッセンブリ及び転位転換メカニズムの第2実施例の等角投影図である。
【図21】図21は、部分的に拡張した状態の図20のアクチュエーターアッセンブリ及び転位転換メカニズムの等角投影図である。
【図22】図22は、完全に拡張した状態の図20のアクチュエーターアッセンブリ及び転位転換メカニズムの等角投影図である。
【図23】図23は、本発明のさらなる態様による転位メカニズムの基本原理を示す、拡張していないステップ付ディスクスタックの側面図である。
【図24】図24は、図23のスタックを作り上げるディスクの一つの端面図である。
【図25】図25は、部分的に拡張した状態の図23のディスクスタックの側面図である。
【図26】図26は、完全に拡張した状態の図23のディスクスタックの側面図である。
【図27】図27は、本発明のさらなる態様による転位メカニズムの一部を形成する駆動及び被動ステップ付ディスクのアッセンブリの分解図である。
【図28】図28は、図27のアッセンブリの一端部における二つの駆動ディスク及び一つの被動ディスクの拡大分解図である。
【図29】図29は、拡張していない状態の図27のアッセンブリの等角斜視図である。
【図30】図30は、部分的に拡張した状態の図27のアッセンブリの等角斜視図である。
【図31】図31は、完全に拡張した状態の図27のアッセンブリの等角斜視図である。
【図32】図32は、本発明のさらなる態様による代替的な転位メカニズムの原理を示す、拡張していないうねりディスクスタックの一部分の側面図である。
【図33】図33は、図32のスタックを作り上げるうねりディスクの一つを示す等角斜視図である。
【図34】図34は、部分的に拡張した状態の図32のスタックの側面図である。
【図35】図35は、完全に拡張した状態の図32のスタックの側面図である。
【図36】図36は、本発明のさらなる態様による転位メカニズムの一部を形成する駆動及び被動うねりディスクのアッセンブリの分解図である。
【図37】図37は、図36のアッセンブリの一端部における二つの駆動及び被動ディスクの拡大分解図である。
【図38】図38は、拡張していない状態の図36のアッセンブリの等角斜視図である。
【図39】図39は、部分的に拡張した状態の図36のアッセンブリの等角斜視図である。
【図40】図40は、完全に拡張した状態の図36のアッセンブリの等角斜視図である。
【図41】図41は、図27乃至図31のステップ付ディスクアッセンブリか図36乃至図40のうねりディスクのアッセンブリのどちらかを含む本発明のさらなる態様によるアクチュエーター及び転位メカニズムの分解斜視図である。
【図42】図42は、拡張していない状態の図41のアクチュエーター及び転位メカニズムを示す。
【図43】図43は、部分的に拡張した状態の図41のアクチュエーター及び転位メカニズムを示す。
【図44】図44は、完全に拡張した状態の図41のアクチュエーター及び転位メカニズムを示す。
【図45】図45は、図41に示されたアクチュエーター及び転位メカニズムのポンプアプリケーションの変形の分解斜視図である。
【図46】図46は、図36乃至図40のアッセンブリを利用するポンプの分解図である。
【図47】図47は、インレットストロークでの図46の組み合わされたポンプを示す。
【図48】図48は、アウトレットストロークでの図46の組み合わされたポンプを示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本発明による転位転換メカニズムの作動の基本的な原理が図1乃至図6に図式的に示される。まず図1及び図2を参照すると、メカニズムの主要な構成要素は、二つの巻回したコイルスプリングである駆動コイルスプリング1及び被動コイルスプリング11である。駆動コイルスプリング1が被動コイルスプリング11の内側に入れ子にされて、コイルアッセンブリ23を形成する。これらのコイルは、互いに対向した三角形のカム歯2及び12を提供するように形状付けられたテンションスプリングである。歯2は、駆動コイルスプリング1の湾曲部(turns)の外面上に配置され、歯12は、被動コイルスプリング11の湾曲部の内面上に配置される。これらの歯は、形状が互いに相補的であり、静止状態のコイルアッセンブリで、すなわち伸ばされていない状態で、互いに噛み合う。駆動スプリングの湾曲部の内面及び被動スプリングの湾曲部の外面は、それぞれ丸い背面部分4、14であり、駆動力の伝達に付加的な強さを提供する。図示のように、これらのスプリングは、巻回されたあるいは半巻回された材料から一体に形成される。代替的に、背面部分4、14は、上記歯が取り付けられた別々の細片にすることができる。
【0045】
図2によく示されるように、駆動スプリングカム歯2の右側縁部と被動スプリングカム歯12の左側縁部は、それぞれ、傾斜したカム面3、13を形成する。図1に見えるように、駆動スプリング1が反時計回りに回転する場合、被動スプリング11が回転に抗して抑制され、カム面の相互作用によって駆動スプリング歯は被動スプリング歯を離れる方向に押しつけ始め、両方のスプリング要するにコイルアッセンブリはその長さが引き伸ばされる。
【0046】
動作原理が、ゼロ、50%及び100%の拡張でコイルスプリングの相対的な位置を示す図4乃至図6に示される。図4乃至図6は、図3の概略平面図の線A−Aで切った断面図である。断面線は、重なり合うカム面の中央点で半径に対してとられている。
【0047】
図4では、二つのスプリングからなるコイルアッセンブリができるだけ圧縮されるようにカム歯2及び歯12が完全に噛み合わされる。この引き伸ばされていない状態では、唯一見ることができる駆動スプリング1の部分はカム歯2の断面である。しかしながら、カム歯2の断面に加えて、被動スプリング11の背面部分14及び両端部は見ることができる。
【0048】
駆動スプリング1が図3の矢印の方向に回転されるとき、その歯2は被動スプリングの歯12を互いに離れる方向に押しつけ、双方のスプリングは図5に示されるように伸びる。これは、駆動スプリング1の歯でない部分をさらに部分的に表すことに留意される。図示のように、45度の回転は、コイルアッセンブリの長さの50%の拡張を生じる。
【0049】
カム面がコイルの湾曲部の全高にわたるので、45度のさらなる回転は、図6に示されるように、コイルアッセンブリの長さの100%の拡張を生じる。駆動力が除かれると、両方のスプリングは収縮し、コイルアッセンブリは、図1に示されるように、その原始の状態に戻る。
【0050】
この図示の例では、4つのカム歯がコイルのターンにつき提供され、それによって、駆動コイルの90度の回転は、コイルアッセンブリの100%の拡張を生じる。コイルターンにつき歯の数は、これがカム面の傾斜角度を画定する限り、回転角度につきパーセント拡張に関してメカニズムの機械的利点を決定する。
【0051】
本発明による転位転換メカニズムの一つの特定の形態、すなわち、回転運動を往復直線移動に転換するピストンアクチュエーターの完全な動作実施が図7乃至図19に関して記載される。以下に述べるように、図示のメカニズムは、図1乃至図6に関連して述べられた原理に従って、コイルアッセンブリの伸縮を交替させることによって、直線往復運動を生じる。図7乃至図19では、図1乃至図6の部品と同一の部品に言及するのに同一の符号が用いられる。アクチュエーターは、3つのアッセンブリである駆動アッセンブリ10、被動アッセンブリ22及びハウジングアッセンブリ29とから成る。
【0052】
図7及び図8は、駆動コイルスプリング1を含むと共に支持する駆動アッセンブリ10を示す。回転駆動は、駆動ハブ6によってコイルスプリング1に加えられ、駆動ハブ6は、ハブから伸びる上部スピンドルに合わせられた振動カム従動部7によって回転される。コイルスプリング1は、その上(図8において最も左側)端部において、枢動ピン8によって、駆動ハブ6に依存するカラー5に連結される。カラー5は、駆動ハブ6の外側ねじが付いた下部への取り付けを可能にするために内側ねじが付されている。コイルスプリング1の他の下(最も右側)端部は、図1に見られるように自由端である。
【0053】
カラー5及びコイルスプリング1の上端湾曲部の双方は、ドライバー枢動ピン8を受け入れるために穴が形成される。スプリングの穴は、ピン8のヘッドが配置するさら穴を形成されるために幅が広い。ピンの反対側の端部は、座金などの保持リング9によってカラー5の内面に固定される。この構成は、バックラッシュなしで駆動力をピン8を介してコイルに伝達されるのを可能にし、その一方で、負荷中にコイルスプリング1のゆがみを考慮に入れるためにカラー及びスプリングの穴でピンがあちこちに動くのを許容する。また、スプリングは、伸びるときに回転叉は僅かにねじることができる。これは、駆動されるときにスプリングのねじれ変形を軽減するために働く。
【0054】
図9及び図10は、被動コイルスプリング11を含むと共に支持する被動アッセンブリ22を示す。駆動コイルスプリング1とは異なり、被動コイルスプリング11は、両端部が支持されており自由端を有していない。その上(最も左側)端部において、被動コイルスプリング11は、被動コイルスプリング11に合わされる取り付けリング15の下筒部分に支持されかつ取り付けられる。リング15及び被動コイルスプリング11の端部の穴を通る枢動ピン16によって取り付けられる。ピンの内部ヘッドは、拡張されてコイルスプリングにさら穴を形成され、ピンの外端は、リング17によって保持される。このピンは、伝達する駆動力によって図8のピン8と同様に機能し、その一方で、負荷中にスプリングのゆがみに対応するために自由な動きを許容する。
【0055】
被動コイルスプリング11の他の下(最も右側)端部は、カラー18の外径に配置し、他の同様の枢動ピン19及び保持リング20の構成によってカラー18に取り付けられる。カラー18は、内部にねじが切られ、エンドキャップ21の外側ねじ部分への取り付けを可能とし、それは、アクチュエーターの出力が伝達される手段である。
【0056】
アクチュエーターを構成する最後のサブアッセンブリは、図11及び図12に示されたハウジングアッセンブリ29である。このアッセンブリの目的は、回転駆動を駆動アッセンブリ10に加えると共に、被動アッセンブリ22の直線移動を許容しながら回転に抗して被動アッセンブリ22を保持するように、駆動アッセンブリ及び被動アッセンブリを取り付けることである。これは、ハウジングベースプレート24から支持された固定ピストンケージ25と、駆動アッセンブリ10及び被動アッセンブリ22を取り囲む移動可能なピストンカバー26とによって達成される。
【0057】
ピストンケージ25は、先細なガイド30から成る4つの等間隔に配置された脚部を有する。4つの脚部は、それぞれ、ピストンケージがハウジングベースプレート24及び被動スプリング取り付けリング15に固定される穴によって、各脚部の底部において突出足部32に終端する。ガイド30は、被動アッセンブリ22が直線運動することを抑制するためにピストンカバー26の相補的な形状のガイドスロット31と協働する。ピストンカバー26の直線移動は、ケージのガイド30間において外側に突出するフランジ部分33によって制限される。
【0058】
また、ハウジングベースプレート24上には、単一のローコンタクトベアリング27があり、ローコンタクトベアリング27によって、駆動アッセンブリ10が回転のためにとり取り付けられることができる。伝導は、図11及び図12に示されたマルチローブカム及びスピンドル装置28によって、駆動アッセンブリの伝導カム従動部7に提供される。このマルチローブカム及びスピンドル装置28は、実際にハウジングアッセンブリ29の部分ではない。むしろ、スピンドルは電気叉は他のモーターの出力シャフトあるいは手動的に作動するクランク(図示せず)である。
【0059】
ピストンアクチュエーターの動作は、3つの異なる拡張状態すなわち0、50%、100%の拡張におけるアクチュエーターを図示する図13乃至図19の完全なアクチュエーターアッセンブリの図面を参照して述べられる。
【0060】
アクチュエーターを構成する3つのサブアッセンブリは、図14の拡張していないアクチュエーターの部分断面図及び図13の概略平面図にもっともよく見られるように互いに連結される。ハウジングアッセンブリ29と被動アッセンブリ22が、突出足部32とハウジングアッセンブリのベースプレート24と被動アッセンブリの取り付けリング15の拡張フランジ部分とを通るボルト34によってどのように互いに固定されるかを見られることができる。駆動アッセンブリ10は、ハブ6とベアリング27を介してハウジングアッセンブリ29に回転可能に取り付けられる。アクチュエーターの出力(最も右側)端部において、被動スプリングエンドキャップ21が2本の機械ねじによってピストンカバーー26の環状ディスク部分に取り付けられる。
【0061】
動作では、マルチローブカム28は、電気モーター(図示せず)によって図13の矢印に示されるように反時計方向に駆動される。カムのローブがカム従動部7と係合すると、カム従動部は時計方向に回転され、ハブ6をベアリング27に対して回転させる。上述で詳しく述べたように、拡張していない位置(図14)から始まり、ピン8によって実行するハブは、駆動アッセンブリを回転し始め、むしろ中央が開いたコルク栓抜きの方法で駆動コイルスプリング1を回転する。被動アッセンブリ22のコイルスプリング11の歯12とのカム歯2の係合は、両方のコイルスプリングを拡張させる。図15及び図18は、45度までのカム従動部7の回転に一致する、その初期の長さの50%まで拡張されたアクチュエーターを示す。
【0062】
図16及び図19に示されるように、更なる45度までのカム従動部を動かすことは、アクチュエーターを完全に拡張する。90度を越えるカム28の回転は、カム従動部が二つのローブの間の谷にならい、スプリング1及び11の作用に基づいて緊張状態にあるその初期の位置まで戻る。電気モーターでのカム28の連続回転は、一回転につき4つの振幅率で往復運動を生じる。
【0063】
図13Aは、カム28と従動部7の変形形態を示す。従動部7は、4つのローブカム28のローブと係合するピンを有する。カム28の各ローブは、凸状面28Aを有し、凸状面28Aは、図13Aに示された位置から反時計回りのカム28の90度回転に対して図13Aに示された位置から90度時計回りに応じて従動部7を回転し、カム28が図13Aに示された位置から90度反時計方向への回転に達するときに図13に示された位置に回復(スナップバック)するために従動部7が反時計方向に回転するのを許容する凹状面28Bに続く。カム28の反時計方向への更なる回転は、カム28の次のローブが従動部7の同様の動きをしょうじさせる。
【0064】
勿論、アクチュエーターがピストンに往復駆動を提供すると同様に正確な線形位置決めに対して使用されることもできることを理解されよう。
図7乃至図19のアクチュエーター及び転位転換メカニズムは、また、図20乃至図22の複合物(ハイブリッド)に示されるようなより複雑な転位を生じるために変更されることができる。このメカニズムは、直線及び回転の転位の組み合わせを生じる。
【0065】
複合型アクチュエーターは、図7乃至図19のリニアアクチュエーターと実質的に同じ方法で構成される。従って、それは、駆動及び被動コイルスプリングを含む駆動及び被動アッセンブリを有する。駆動及び被動コイルスプリングは、互いにコイルアッセンブリ43を形成し、その一部が図21及び図22に見ることができる。二つのアセンブリは、ベースプレート44を有するハウジングアッセンブリに取り付けられる。また、ハウジングアッセンブリは、エンドキャップ41が取り付けられた被動コイルのための移動可能なカバー46を含む。ハウジングアッセンブリは、ベースプレート44にボルト留めされた4つのガイド脚部40を含むケージ45を含む。
【0066】
しかしながら、線形アクチュエーターと異なり、図20及び図21に示されるように、ガイド脚部40は、部分的な螺旋形状であり、対応するガイドスロット47に配置される。従って、このガイド構成は、被動アッセンブリを抑止し、アクチュエーターが拡張する際にエンドキャップ41を回転させる。図13のカム28に対して同様のカム機構によって駆動される場合、複合型アクチュエーターは、ボーリング叉はホーニング動作、オートメーション化した組み立て動作、あるいはバルブゲートに似た反復的な直線及びねじれ動作を生じる。代替的に、図13Aのカム構成を使用できる。
【0067】
図23乃至図26を参照すると、本発明の更なる特徴による転位メカニズムの一形態の動作原理が示される。このメカニズムは、3つの符号101、102及び103で図23に示されたディスクとして参照される、円盤状エレメントの積み重ねられたアッセンブリ100を含む。それらのディスクは平らでなく、中央穴104を囲み、一方側の傾斜面が他方側の傾斜面から45度でオフセットされた、両側の4つのセクターの4つの平らな傾斜面を提供するのに際立たされる。4つの傾斜面105−108は、左側からメカニズムの端面図で見ることができ、図24に示されるようにディスク101としてみることができる。アッセンブリ100の傾斜面の見ることができる縁は、見ることができない縁が点線であるのに対して、図23乃至図26において連続線として描かれる。見る人に最も近いディスクの縁は、図示の目的のためだけに生み出される。各傾斜面は、ディスク101の外面のケースのステップ109−112などのように急勾配なリターンステップで終端する。
【0068】
図23において、アッセンブリ100は、拡張していない状態であり、3つのディスクの傾斜面は、最小限のスペースを取るために相補的な方法でぴったりと相互に係合する。ディスク101及び103は、図24で示された矢印の方向に回転された場合、中間にあるディスク102が回転に対して抑制されながら、図25で示されるように向かい合った傾斜面のカム動作がそれらのディスクを離れる方向に押しつける。45度の回転の後、向かい合った傾斜面の縁部においてステップリターン面が互いに一致するときに、図26に示されるように最大の転位が達成される。最大の転位は、ディスク間の界面の数を乗じる傾斜面の高さの倍に等しく、それを達成するために必要な回転はディスクにつきセクターの数に依存する。この例では、最大の転位を達成するために45度の回転を必要とする。
【0069】
この原理が実用的なメカニズムに適用される方法が図28乃至図31に示される。図23乃至図26では、ディスク102の回転に対する暗黙の制限を除いてディスク間に区別はない。実用的なアプリケーションでは、駆動及び被動ディスクを様々に設計することが必要である。実際、図27のアッセンブリ120では、数種類の各々のディスクがある。これらは、入力駆動ディスク121、同一の駆動ディスク123及び124と交互に並ぶ複数の同一の中間被動ディスク122、出力被動ディスク125からなり、出力被動ディスク125で終端する。駆動ディスク123及び124は構造的に同一であるが、ディスク123は第1の配向であり、ディスク124はディスク123に対して90度に配向される。すべてのディスクは、共通の軸で互いに係合して互いに積み重ねられる。
【0070】
入力駆動ディスク121を回転させるトルクは、この図面では示されていない手段、例えばモーターや手動クランクなどによって、一体のねじ付シャフト126を介して提供される。メカニズムが拡張するために、駆動トルクは、入力駆動ディスク121から全ての駆動ディスク123及び124まで伝達されなければならない。また、被動ディスク122は、回転に対して抑制されなければならない。この抑制は、この図面に示されない外部スプライン叉は同様の溝に配置することができる各被動ディスク122の4つの突出部127によって達成される。
【0071】
駆動トルクの伝達は、アッセンブリが拡張して駆動ディスクが軸に沿って外方に動くにつれて駆動ディスク間の分離が増加するので一定の結合を通ってされることはできない。従って、駆動ディスクから被動ディスクまでのトルクの伝達は、駆動ディスクの中央ボス133内のキー穴131及び132内に形成された内部突起部分と外部のとがった先のような部分とから構成された突出リブ128、129のシステムによって生じられる。外部のとがった先のような部分は、被動ディスクの穴130を通過し、隣接する駆動ディスクのキー穴131及び132に係合する。駆動ディスク123のとがった先128及び穴132は、駆動ディスク124のとがった先129及び穴131は、同一であるが、唯一の違いは、アッセンブリスタックで互いに90度の相対的な方向をしていることである。
【0072】
その伸びるとがった先の部分が、隣の駆動ディスクの中央穴のリブとリブとの間の空間の中に実際に鍵をかけるように、各突出リブは、弧の90度にわたって伸びる。従って、駆動ディスク123、124は、一緒に回転するために鍵をかけられると共に、隣の駆動ディスクのキー穴131、132内のリブ128、129の内部部分でリブ128、129のとがった先の伸長部を係合することによって入力駆動ディスク121と共に回転するために鍵をかけられる。同時に、このとがった先と鍵穴の構成は、それらが軸方向に互いに対して摺動するのを許容し、それによって、アッセンブリが伸長することができる。
【0073】
図29、30、31は、拡張していない状態のアッセンブリ120、部分的に拡張した状態のアッセンブリ120、完全に拡張した状態のアッセンブリ120をそれぞれ示し、完全に拡張した状態は90度の回転後に再び成し遂げられる。
【0074】
本発明のさらに別の特徴による転位メカニズムの他の形態が図32乃至35に原則として示され、実用的な装置が図36乃至40に示される。図32、34、35は、3つの円盤状の要素151、152、153の積み重ねられたアッセンブリ150を示す。明快さのために、ディスクの外側縁部が図32、34、35において網状線を描かれて示される。メカニズムの動作は、図23乃至図26のメカニズムと非常に類似し、主な違いは、円盤状の要素の面のレリーフにある。
【0075】
例として、要素142の一つが、図32にある初期の方向で図33に斜視図で示される。3つの破線参照円でさまざまなポイントにけるディスクの交差を示すことによって、傾斜面の代わりにディスクが中央穴154を取り囲む滑らかな平面でないうねり(out-plane undulations)を有することを見ることができる。図33の右側からディスク152の見ることができる面をみると、これらの波形は、3つの谷間158、159、160を点在させた3つの隆起155、156、157から成る。反対の面では、隆起が逆に谷間になる。図33において、ディスクは円形ではなくくびれているように見えるが、これは、斜視図のうねりの影響であり、隆起(例えば155)が隣接する谷間(例えば158、160)に関して立ち上がったという事実によって生じるということを留意するべきである。平面に対するディスクの垂直方向の投影は、実際は円形である。
【0076】
図32は、最小限のスペースをとる相対的な回転方向におけるディスク151−153を有する拡張していない状態のアッセンブリを示す。この配向では、各ディスクの面の隆起及び谷間が隣接するディスク面の谷間及び隆起とぴったりと寄り添うように、ディスクは、完全接触でそれらのうねり表面でぴったりと接面する。この例では、全てのディスク叉は少なくともディスク151、153は、軸方向に動くことができると考えられる。さらに、ディスク152は回転し、ディスク151、153は回転に抗して抑制されると考えられる。
【0077】
図34に示されるように、ディスク152の回転作用は、互いに向き合った面の上り坂斜面が互いに押圧しながらカム作用によってディスク151及び153をディスク152から離れる方向に駆動することである。駆動ディスク152の隆起の新しい位置は、30度の回転に一致することに留意する。最後に、図35に示すように60度の完全な回転後に、アッセンブリは、うねりディスクの面の隆起が整合して完全に拡張される。
【0078】
図32乃至図35の原則に従って動作する実用的なアッセンブリ161が図36において分解斜視図で示され、そのアッセンブリの一部分が図37において拡大されて示される。ステップ付きディスク版と同様に、うねりディスクスタックは、ねじ付き入力駆動シャフト162に直接的に連結された、特有の入力駆動部分で作り上げられている。入力駆動部分は、駆動ディスク164と同様な内面に解放される。
【0079】
駆動ディスク164は、全て同じであるが、スタック状態で連続して異なる配向を有する。各駆動ディスクは、中央穴165を有する。同一の被動ディスク166は、各々の一対の駆動ディスク間に配置される。スタックは、図36の右側で見られるように、被動ディスク167で終端する。これは、一部が切除された内面を有するが、線形出力を伝達するための単調無味な外面を有する。
【0080】
駆動は、図27及び図28のとがった先及び鍵穴と同じとがった先及び鍵穴のシステムによって入力駆動シャフト162からその駆動部分を介して軸方向に分離できる駆動ディスク164まで伝達される。しかしながら、それらのディスクの奥行きが不足しているため、ステップ付きタイプに示された二つに代えて4対の短いとがった先169を有することが必要である。これらは、図36及び図37において破線の輪郭で概略的に示される。図面の中のとがった先の向きからわかるように、連続した駆動ディスクは、隣接する駆動ディスクに関して90度回転される。とがった先は、被動ディスクの中央穴を貫通し、他の駆動ディスクの穴165及びシャフト162の入力駆動部分の穴165の対応形状の凹部の中に固定される。ディスクはとても薄いため、重ね合わされた一つの隣接する駆動ディスクより多くのものを通過し、鍵がかけられる。
【0081】
被動ディスク166は、各々、被動ディスクの外周において90度間隔で配置された4つの突出部のシステムによって回転に対して抑制される。これらは、この図面に示されていないキー溝がついた外部溝に係合する。駆動ディスクが回転すると、アッセンブリは、駆動ディスクと被動ディスクとの間のカム作用に基づいて拡張する。
【0082】
図38、39、40は、拡張していない状態のアッセンブリ161、部分的に拡張した状態のアッセンブリ161、完全に拡張した状態のアッセンブリ161をそれぞれ示す。図29乃至図31のステップ付ディスクアッセンブリ120と比較すると、拡張は、レリーフの同じ量に対して同じであるが、アッセンブリ161のディスクは、拡張していない状態でより密接につめることができることに留意されよう。従って、よりずっとコンパクトなアクチュエーターがうねりディスクを使用して生産されることができ、あるいはそれ以外では、より大きな拡張を同じ初期長さのアッセンブリにより多くのディスクをつめることによって使用できる。これらの図は、より少ないうねりのディスクがステップバージョンと同じオフセットをどのように成し遂げ、その初期の拡張していない長さの200%のオフセットを成し遂げることができたかについて示す。
【0083】
図41乃至図44を参照すると、アクチュエーターの線形転位メカニズムに対する完全なロータリーへのアッセンブリ120叉は161の結合が記載される。図41は、ステップディスクアッセンブリ120かうねりディスクアッセンブリ161に対応することができる共通の構造を有するアクチュエーターの分解図を示し、ステップディスクアッセンブリ120及びうねりディスクアッセンブリ161の双方が拡張されていない状態に示される。図42乃至図44の完全に組み合わされた形態では、ステップディスクバージョンだけが示されるが、うねりディスクバージョンに交換できるということを理解されるであろう。しかしながら、以下の記述は、簡潔さのために、ステップディスクバージョンだけに言及する。
【0084】
環状ベースプレート170が、駆動シャフト126が回転のために取り付けられる二つのベヤリングレース171、172によってアクチュエーターの可動部分を支持する。駆動メカニズム173は、シャフト126に螺合されたハブ174を備え、ハブはそれ自体クランク175によって回転される。駆動メカニズム173は、ステップモーター叉はサーボモーターなどの電気モーターと同様にできる。
【0085】
アッセンブリ120は、拡張されていないアッセンブリ120と同じ長さである筒状のピストンのようなカバー180に収容される。開端部において、カバー180は、4つのスロット182が提供されたフランジ181で終端する。これらのスロットは、4つのガイド脚部183の外面上で摺動可能に配置される。4つのガイド脚部183は、その一端部がベースプレート170に固定され、他端部がカラー184にボルト留めされて、ピストンカバー180のためのケージを形成する。カバー180は、自由であり、軸方向に移動すると共に拡張されたディスクアッセンブリによって駆動されるときにカラー184を通って突き出る。ピストンカバーの他端部は、アクチュエーターの出力を伝達するためにエンドプレート185にボルト留めされる。アクチュエーターを初期の状態すなわち、アッセンブリが収縮した状態に戻すために、リターンスプリング190がピストンカバーフランジ181とカラー184との間に配置され、拡張に対して弾性的付勢力を提供する。リターンスプリングは、圧縮スプリングであり、フランジ181及びカラー184に押圧する。
【0086】
ディスクアッセンブリの被動ディスクが回転するのを防止するために、アッセンブリ120の被動ディスクの突出部127が、軸方向にピストンカバー180に沿ってはしるせまい溝191に配置する。しかしながら、拡張した状態でディスクアッセンブリはカバー180よりも非常に長いため、ガイド脚部183は、ピストンカバー上の溝191と整合した内部溝192をさらに提供される。これらの溝191及び192は、被動ディスク122の突出部127が回転を防ぐために常時係合するのを確実にする。
【0087】
アクチュエーターの動作は、図42乃至図44を見ることによりよりよく理解されることができる。図42では、アクチュエーターは拡張していない状態である。矢印方向へのクランク175の動作は、ハブ174及び駆動軸126を回転させ、ディスクアッセンブリ120の拡張を引き起こす。これは、図43に示すようにガイド脚部183によって案内されたリターンスプリング190の作用に抗してピストンカバー180を外方に押し付ける。図44では、ピストン180は、完全に拡張される。
【0088】
記載されたアクチュエーターが正確な流体量のポジショニング叉は分配などの単一のストロークを必要とするアプリケーションで使用されることになっている場合、ディスクが最大転位を超えるのを防止するために移動を制限するのが好ましい。
【0089】
図41乃至図44のアクチュエーターの転位は、図44に示すようにカラー184に抗してスプリング190を完全に圧縮するカバーフランジ181の動作によって制限される。これは、最大転位のを超えたステップディスクの回転を止め、それは、隣接ディスクのリターンステップ106が互いにスリップするような急なリターンに帰着する。ピストンカバーが僅かに長い場合、連続した回転入力でメカニズムを駆動し、往復運動を生じることが可能であろう。明らかに、これは、うねりディスクが使用される場合、これは等しく滑らかなストローク及びリターンステップを有するがリターンストロークはステップバージョンで速いので、より滑らかであろう。
【0090】
二つのタイプのディスクを比較すると、うねりバージョンの主な利点は、拡張されていないときに特にコンパクトであるということであり、従って、制限された空間を有するアプリケーションに対してより適する。
【0091】
ポンプアプリケーションのためにより適した図41乃至図44のアッセンブリの変形が図45に示される。これは、図41と大部分同じであり、同一の部分が同じ符号が付されるが、より大きいベースプレート197、第2のピストンカバー193、及びエンドキャップ185の代わりにO−リング195に載置する外側ケース194を含む。第2のピストンカバー193は、外側ケース194の端部にある凹部に固定されたO−リングを超えてスライドし、外側ピストンカバーの足部にあるフランジ196によって過拡張を防止される。従って、第2のピストンカバー193は、外側ケースによって形成されたシリンダーから漏洩しないで流体をポンプで揚げることができる。
【0092】
図46は、ポンプに対する図36乃至図40に記載されたうねりディスクアッセンブリのアプリケーションを示す。アッセンブリ161は、ポンプバレル200に取り付けられ、アウトレットバルブ202を有するバレルの端部において圧縮スプリング210に抗して駆動される。バレルの内側は、スプライン溝が付されるか、叉は、溝が付され、突出部168のその溝との係合によってアッセンブリの被動ディスクを直線移動だけに強制する。
【0093】
クランクハンドル203及びハブ204によって図41と同様な方法でアッセンブリは、駆動される。ハブ204と入力ドライブシャフト162は、アウトレットバルブに対しバレルの反対側にあるねじ付きエンドキャプ206に配置されたベアリング205に取り付けられる。バレルは、アッセンブリ161のディスクを連続的に回転するのを許容するのに十分に長いので、アッセンブリは、往復運動する方法で拡張及び収縮してポンプ作用を生じる。ディスク207は、一方方向のシールとして働き、空気叉は他のポンプされる流体がポンプバレルのアウトレット端部の中に吸い込まれるのを許容する。
【0094】
ステップ付きディスクメカニズムを使用することもできるが、うねりバージョンは、ゆっくりしたリターン動作にもかかわらずスムーズな往復運動を提供する。
図47は、アッセンブリ161が完全に収縮した状態のインレットストロークの一端におけるアッセンブリポンプを示す。図48は、アッセンブリ161が完全に拡張した状態のアウトレットストロークの一端におけるアッセンブリポンプを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
転位転換メカニズムであって、
転位転換メカニズムは、二つの入れ子にされたコイルスプリング(1、11)のアッセンブリ(23)を備え、
二つの入れ子にされたコイルスプリング(1、11)は、それらの対向面にカム手段(2、3;12、13)を有し、前記カム手段は、コイルアッセンブリの長さの変化に関連した移動転位で互いに対して前記コイルスプリングの回転転位を連結するために、前記コイルスプリングの湾曲部で作用するように配置されている、転位転換メカニズム。
【請求項2】
回転を移動転位に転換するための請求項1記載の転位転換メカニズムにおいて、
前記コイルスプリングの相対的回転転位は、前記カム手段を係合させると共に前記コイルスプリングの湾曲部のピッチを変え、それによって、前記コイルアッセンブリの長さを変化させ、その関連し移動転位を生じる、転位転換メカニズム。
【請求項3】
請求項1叉は2に記載の転位転換メカニズムにおいて、
前記コイルスプリングは、テンションスプリングである、転位転換メカニズム。
【請求項4】
請求項1乃至3のうちのいずれか一つに記載の転位転換メカニズムにおいて、
前記コイルスプリングは、一体の材料で形成され、前記コイルスプリングの湾曲部は、前記カム手段を提供する断面で形状付けられている、転位転換メカニズム。
【請求項5】
請求項1乃至4のうちのいずれか一つに記載の転位転換メカニズムにおいて、
前記カム手段は、前記コイルスプリングの少なくとも一つの湾曲部の面に傾斜したカム面(3)を含む、転位転換メカニズム。
【請求項6】
請求項5記載の転位転換メカニズムにおいて、
前記カム手段は、前記コイルスプリングの各々の湾曲部の面に傾斜したカム面(3、13)を含み、傾斜したカム面のスロープは、各々のコイルに逆向きになっている、転位転換メカニズム。
【請求項7】
請求項5叉は6に記載の転位転換メカニズムにおいて、
前記傾斜したカム面は、湾曲部の面の全高にわたって伸びる、転位転換メカニズム。
【請求項8】
請求項5乃至7のうちのいずれか一つに記載の転位転換メカニズムにおいて、
前記傾斜したカム面のスロープは、均一である、転位転換メカニズム。
【請求項9】
請求項5乃至8のうちのいずれか一つに記載の転位転換メカニズムにおいて、
前記各傾斜したカム面は、湾曲部の面の凸部に形成された三角形の歯(2、12)の縁部である、転位転換メカニズム。
【請求項10】
請求項5乃至9のうちのいずれか一つに記載の転位転換メカニズムにおいて、
前記転位転換メカニズムは、コイルの湾曲部につき複数の傾斜したカム面を有する、転位転換メカニズム。
【請求項11】
請求項10記載の転位転換メカニズムにおいて、
前記複数の傾斜したカム面は、移動転位が直線であるように、同一の形態である、転位転換メカニズム。
【請求項12】
請求項10記載の転位転換メカニズムにおいて、
前記複数の傾斜したカム面は、移動転位が曲線であるように、コイルの対向する直径で異なって形成される、転位転換メカニズム。
【請求項13】
請求項2、及び、請求項2に従属する請求項3乃至12のうちのいずれか一つに記載の転位転換メカニズムにおいて、
前記転位転換メカニズムは、他方のスプリングのためのドライバー及び回転に抗して被動される他方のスプリングを抑制するための手段として作用するために、スプリングの一つを回転するための駆動シャフトを含む、転位転換メカニズム。
【請求項14】
請求項13記載の転位転換メカニズムにおいて、
駆動シャフトは、駆動コイルスプリング(1)の一方の端部湾曲部を同軸的に支持するための環状部材(5)で終端するハブ(6)の一部であり、駆動コイルスプリングの端部は、スプリングの端部及び環状部材の整合された穴に配置されたピン(8)によって環状部材に連結され、前記穴は、駆動シャフトによって駆動されるときにスプリングの撓み応力を軽減するためにスプリングの端部の十分な自由移動を許容する、転位転換メカニズム。
【請求項15】
請求項12叉は13に記載の転位転換メカニズムにおいて、
被動コイルスプリングは、それぞれの環状部材(15、18)の端部湾曲部によって同軸的に支持され、スプリング端部の整合された穴に配置されたそれぞれのピン(16、19)によって環状部材に連結され、前記穴は、駆動コイルスプリングの回転によって駆動されるときにスプリングの撓み応力を軽減するためにスプリングの端部の十分な自由移動を許容する、転位転換メカニズム。
【請求項16】
請求項13乃至15のうちのいずれか一つに記載の転位転換メカニズムにおいて、
駆動コイルスプリングは、被動コイルスプリングの内部にある、転位転換メカニズム。
【請求項17】
請求項16記載の転位転換メカニズムにおいて、
転位転換メカニズムは、ハウジングアッセンブリ(29)を含み、被動コイルスプリングはその一端部がハウジングアッセンブリに固定的に取り付けられ、
ハウジングアッセンブリは、前記一端部においてコイルスプリングを取り囲む固定ケージ構造(25)と、その自由端部において被動コイルスプリングを取り囲みかつ被動コイルスプリングに取り付けられた筒状のカバー(26)とを含み、
固定ケージ構造は、軸線方向に伸びる複数の脚部(30)で形成され、複数の脚部は、筒状のカバーの相補的な溝(31)と係合し、それによって、被動コイルスプリングを直線移動に制限する、転位転換メカニズム。
【請求項18】
請求項17記載の転位転換メカニズムにおいて、
筒状のカバーは、転位転換メカニズムからロード出力を伝達するためのエンドキャプ(21)が提供される、転位転換メカニズム。
【請求項19】
請求項17叉は18に記載の転位転換メカニズムにおいて、
固定ケージ構造は、ディスク環状部材に終端し、筒状のカバーは、その内側において外方に曲がったフランジ(33)を有し、フランジのディスク環状部材との係合は、軸方向における被動コイルスプリングの移動を制限するのに供される、転位転換メカニズム。
【請求項20】
請求項16記載の転位転換メカニズムにおいて、
転位転換メカニズムは、被動コイルスプリングが一端部において固定的に取り付けられたハウジングアッセンブリ(40、44、46)を含み、
ハウジングアッセンブリは、前記一端部においてコイルスプリング(43)を取り囲む固定ケージ構造(45)と、その自由端部において被動コイルスプリングを取り囲みかつ被動コイルスプリングに取り付けられた筒状のカバー(46)とを含み、
固定ケージ構造は、軸線方向に螺旋状に伸びる複数の脚部(40)で形成され、複数の脚部は、筒状のカバーの相補的部分の螺旋状溝(47)と係合し、それによって、被動コイルスプリングが直線的に伸びる際に被動コイルスプリングが回転するのを制限する、転位転換メカニズム。
【請求項21】
請求項1乃至20のうちのいずれか一つに記載の転位転換メカニズムと、互いに対してスプリングの一方を回転可能に駆動するための駆動モーターとを備えるアクチュエーター。
【請求項22】
請求項13に従属する請求項21記載のアクチュエーターにおいて、
アクチュエーターは、駆動シャフトに取り付けられたカム従動部を駆動するためのマルチローブカム(28)を含み、マルチローブカムは、駆動モーターによって駆動されるように連結される、アクチュエーター。
【請求項23】
回転から直線への転位転換メカニズムであって、
共通の中心軸線をもつ駆動円盤状エレメント(101、123、164)及び被動円盤状エレメント(102、122、166)を含むアッセンブリであって、各円盤状エレメントは傾斜面(105−108、155−157)を有し、二つの前記エレメントの傾斜面は相補的に形状付けられて対向されており、相互係合したときに最小限の長さのアッセンブリを形成する、アッセンブリと、
外部の力によって回転のための駆動エレメントを取り付けるための駆動エレメント取り付け手段(126、162)と、
前記共通の中心軸線を中心とした被動円盤状エレメントの回転を防止しながら前記共通の中心軸線に沿った移動を許容し、それによって外部的にかけられた力による回転転位がエレメントを相互係合した傾斜面のカム作用によって離れさせて被動円盤状エレメントの直線転位を生じるように、被動円盤状エレメントを取り付けるための被動エレメント取り付け手段(180、183、191、192)と、
外部的にかけられた力がないときにアッセンブリを最小の長さに戻すように被動円盤状エレメントに連結された弾性力を付勢する手段(190)とを備える、転位転換メカニズム。
【請求項24】
請求項23記載の転位転換メカニズムにおいて、
前記アッセンブリは、
互いに離れたスタックを形成するために前記共通の中心軸線上に交互に取り付けられた複数の駆動円盤状エレメント(123、124;164)及び複数の被動円盤状エレメント(122、166)と、
駆動円盤状エレメントの傾斜した面と隣接する被動円盤状エレメントの傾斜した面との係合によって離れてカム係合されたときに前記軸線に沿って駆動円盤状エレメントを分離することを許容しながら、前記外部力によって前記軸線を中心に互いに回転するために駆動円盤状エレメントを連結するための連結手段(128、129、131、132)とを備える、転位転換メカニズム。
【請求項25】
請求項24記載の転位転換メカニズムにおいて、
前記少なくとも被動円盤状エレメントの中間にある前記スタックの端部は、軸方向に整合された穴(131、132)が提供され、各駆動円盤状エレメントは、一方の面から軸方向に伸びる突出部を有し、突出部は、その隣接した被動円盤状エレメントの穴を貫通し、それと共に鍵がかけられた摺動可能な係合で隣接した駆動円盤状エレメントの凹部に配置し、回転駆動力は、軸方向の関連した摺動運動を許容しながら駆動円盤状エレメント間で伝達されることができる、転位転換メカニズム。
【請求項26】
請求項25記載の転位転換メカニズムにおいて、
前記各駆動円盤状エレメントの凹部は、駆動円盤状エレメントを通る穴(131、132)の一部であり、前記突出部(128、129)は、その対応する駆動円盤状エレメントの穴の内面に形成された少なくとも一つのリブの一部であり、そのリブは、その駆動円盤状エレメントから外方に突出し、前記隣接した駆動円盤状エレメントの穴の少なくとも一つの相補的に配向されたリブ部分と係合して前記鍵がかけられた摺動可能な係合を提供する、転位転換メカニズム。
【請求項27】
請求項26記載の転位転換メカニズムにおいて、
各中間にある駆動円盤状エレメントの穴は、各々が穴の弧の90度にわたって伸びる二つの正反対に対向したリブが提供され、前記リブは、前記最初に記載した一対のリブに90度で配向された隣接する駆動円盤状エレメントの同様の一対のリブと係合して鍵がかけられる、転位転換メカニズム。
【請求項28】
請求項24乃至27のうちのいずれか一つに記載の転位転換メカニズムにおいて、
前記被動円盤状エレメントは、各々、複数の外縁突出部(127;168)を有し、被動エレメント取り付け手段は、突出部が回転を防止するために配置するスタックを取り囲む溝付きガイド手段(180、191、183、192)を含む、転位転換メカニズム。
【請求項29】
請求項24乃至28のうちのいずれか一つに記載の転位転換メカニズムにおいて、
最初の駆動円盤状エレメント(121)は、スタックの一端部に配置され、外部ドライブ及び内部傾斜面に連結されるようになった外部分を有し、
終端の被動円盤状エレメント(125)は、スタックの他端部に配置され、伝達ロード力を伝達するようになった外面と、傾斜内面とを有し、
中間にある駆動円盤状エレメント及び被動円盤状エレメントは、両面に傾斜面を有する、転位転換メカニズム。
【請求項30】
請求項28に従属する請求項29記載の転位転換メカニズムにおいて、
転位転換メカニズムは、スタックのためのハウジングアッセンブリを含み、
ハウジングアッセンブリは、被動エレメント取り付け手段を形成し、終端の被動円盤状エレメントが固定される一端部にスタックのための筒状カバー(180)を備え、筒状カバーの他端部はスロット付フランジ(181)に終端し、
ハウジングアッセンブリは、更に、筒状カバーを取り囲む固定ケージ構造を備え、固定ケージ構造は、軸方向に伸びると共に固定ケージ構造を直線移動に制限するために筒状カバーのフランジのスロット(182)を通過する複数の脚部(183)で形成され、
筒状カバーは、外面溝(191)が提供され、ガイド脚部は、内面溝(192)が提供され、その両方において外縁突出部が伝達を許容しながら回転に抗して被動円盤状エレメントを抑制する動作で配置する、転位転換メカニズム。
【請求項31】
請求項30記載の転位転換メカニズムにおいて、
弾性力を付勢する手段は、筒状カバーのフランジ(181)とケージの端部(184)との間に取り付けられたコイルスプリング(190)である、転位転換メカニズム。
【請求項32】
請求項29乃至31のうちのいずれか一つに記載の転位転換メカニズムにおいて、
最初の駆動円盤状エレメント(121)は、外部ドライブに連結するために外面にねじが付された、外方に伸びる軸線シャフト(126)に固定して取り付けられる、転位転換メカニズム。
【請求項33】
請求項23乃至32のうちのいずれか一つに記載の転位転換メカニズムにおいて、
駆動円盤状エレメント及び被動円盤状エレメントは、各々、均一に離間した位置で外周に配置された、傾斜した表面ごとに複数の傾斜面(105−108)を有する、転位転換メカニズム。
【請求項34】
請求項33記載の転位転換メカニズムにおいて、
カム作用する傾斜面(105−108)は、円盤状エレメントの平面に対して比較的浅い角度で起立する平らな面である、転位転換メカニズム。
【請求項35】
請求項33記載の転位転換メカニズムにおいて、
前記傾斜面の起立する面及び降下する面の双方は、同じ角度である、転位転換メカニズム。
【請求項36】
請求項33記載の転位転換メカニズムにおいて、
前記傾斜面は、ピーク(155−157)で不連続しない形態で滑らかなうねりである、転位転換メカニズム。
【請求項37】
請求項23乃至36のうちのいずれか一つに記載の転位転換メカニズムにおいて、
転位転換メカニズムは、傾斜面によって画定された弧を超えて駆動円盤状エレメントが回転するのを防止するストップ部を含む、転位転換メカニズム。
【請求項38】
請求項30に従属する請求項37記載の転位転換メカニズムにおいて、
ストップ部は、筒状カバーのフランジ(181)である、転位転換メカニズム。
【請求項39】
請求項23乃至38のうちのいずれか一つに記載の転位転換メカニズムと、駆動エレメントを回転可能に駆動するための駆動メカニズム(173)とを備えるアクチュエーター。
【請求項40】
請求項39記載のアクチュエーターにおいて、
駆動メカニズムは、モーターである、アクチュエーター。
【請求項41】
請求項39記載のアクチュエーターにおいて、
駆動メカニズムは、手動で操作されるクランク(175)である、アクチュエーター。
【請求項42】
請求項40叉は請求項41に記載のアクチュエーターにおいて、
転位転換メカニズムは、駆動エレメントの連続した回転に適用されるようになっている、アクチュエーター。
【請求項43】
請求項24乃至29のうちのいずれか一つに記載の転位転換メカニズムを含むポンプであって、
ポンプは、駆動エレメントを回転可能に駆動するための回転可能なクランク(203)と、
転位転換メカニズムを包囲し、一方方向のインレット手段(207)を含むポンプチャンバーを形成するシールケース(200)であって、一方方向のインレット手段(207)は、転位転換メカニズムが収縮するときに流体がポンプチャンバーの中に引き込まれるのを許容する、シールケース(200)と、
クランクが連続的に回転して転位転換メカニズムが一方方向に伸びるときに流体をポンプチャンバーから排出することができるアウトレット(202)とを含む、ポンプ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7−12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図13A】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate

【図38】
image rotate

【図39】
image rotate

【図40】
image rotate

【図41】
image rotate

【図42】
image rotate

【図43】
image rotate

【図44】
image rotate

【図45】
image rotate

【図46】
image rotate

【図47】
image rotate

【図48】
image rotate


【公表番号】特表2011−503487(P2011−503487A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−533648(P2010−533648)
【出願日】平成19年11月14日(2007.11.14)
【国際出願番号】PCT/GB2007/004338
【国際公開番号】WO2008/059235
【国際公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【出願人】(510133908)ロディア・テクノロジーズ・リミテッド (1)
【Fターム(参考)】