説明

転写シートの製造方法

【課題】目的の画像が高明度色など微小な網点で形成される色や微細な構造を含む場合であっても、トナー像を正確に被転写体に転写することが可能な転写シートの製造方法を提供する。
【解決手段】離型性を有するシート状基材1に目的とする画像のトナー像4が形成され、かつ非画像部の接着剤層6が除去された転写シートの製造方法であって、前記シート状基材1に前記目的とする画像の画像データに基づき有色トナー像4を形成する有色トナー像形成工程と、前記有色トナー像4が形成された前記シート状基材1の画像部に透明トナー層5を形成する透明トナー層形成工程と、前記透明トナー層5上のみにホットメルト性の接着剤層6を形成する接着剤層形成工程とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、転写シートの製造方法に係り、詳しくは離型性を有するシート状の基材に目的とする画像のトナー像が形成され、かつ非画像部の接着剤層が除去された転写シートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、Tシャツなどの衣類や陶磁器、プラスチックなど、一般の画像形成装置では印刷することができない素材に対して画像を形成する手段として、転写シートを用いた画像形成方法が知られている。転写シートは、一般に離型性を有するシート状の基材に対して、カラーレーザープリンタやインクジェットプリンタ等の画像形成装置で目的の画像を形成した色材層と、被転写体に色材層を定着させるための接着剤層を形成して製造される。この転写シートを対象とする被転写体に接触させた状態で加圧又は加熱することで色材層を被転写体に転写させ、その後基材を剥がすことで被転写体に目的の画像を形成する方法である。
転写シートの製造方法については既に様々な方法が提案され実用化されているが、現在非画像部の接着剤層を除去した転写シートの製造が重要な課題の一つとして認識されている。一般に接着剤層は透明であるが、経年劣化による色の変化や被転写体との光沢の差異が問題となることがあるためである。また特にTシャツ等の衣類へのプリント時には、接着剤層があると厚みが増大しごわごわ感が増すため、不要である非画像部の接着剤層は除去されていることが望ましい。
このような非画像部の接着剤層を除去した転写シートの製造方法は、大きく以下の3つに分けられる。
(1)カッティングプロッタを用いて除去する方法
(2)ネガポジの2版の画像を利用して除去する方法
(3)トナーの特性を利用してトナー上のみに接着剤層を付与する方法
【0003】
(1)は、転写シートの製造後にカッティングプロッタにより不要となる非画像部を切り取る方法であるが、専用の装置が必要になることや、目的の画像に微細な模様が含まれる場合は正確に非画像部のみを除去することが困難であるという問題がある。
(2)は、例えば特許文献1に「はじめに剥離層を支持した紙又はフィルム、接着樹脂層、無機鉱物接着樹脂層から成る2枚の転写シートの片方に画像をプリンタで印刷し、両シートを熱プレスしてトリミング転写シートを作成する。次に普通紙に印刷したネガポジのトナー画像を前記トリミング転写シートに合わせた状態で熱プレスすることで、非画像部の接着樹脂層、無機鉱物接着樹脂層がトリミング転写シートから除去され、画像部のみが残った転写シートを得ることができる」プリント方法が開示されている。ネガポジの関係にある2版の画像を作製し、2版の画像を重ね合わせて熱プレスすることで非画像部を除去するという方法である。この方法では(1)のように専用の装置は不要であるものの、一般に2版の画像を精度良く位置合わせすることは難しく、位置ずれが生じると画像部まで除去されてしまう可能性がある。特に面積の大きい画像や微細な模様が含まれる画像の場合には、非画像部のみを正確に除去することが非常に困難である。
そこで、(3)は、非画像部の接着剤層を除去した転写シートの製造方法として、注目されている。これはカラーレーザープリンタ等の色材として用いられるトナーの特性を利用して、トナー上のみに接着剤層を付与する方法であり、以下の技術が知られている。
【0004】
特許文献2の転写シート及びその製造方法では、表面に離型面を有する離型シート上に、電子写真複写機によって目的のトナー画像を形成する。このトナー画像層を加熱して半溶融状態にあるときに粉末状熱溶融接着剤を散布すると、トナーと接触している粉末状熱溶融接着剤は溶着し、トナーがなく離型面と接触している粉末状熱溶融接着剤は溶着しない状態となる。そこでトナーと接触している粉末状熱溶融接着剤が定着した後、トナーがなく離型面と接触している粉末状熱溶融接着剤を除去することで、画像部のみが保持された転写シートを得ることができる。
【0005】
また、特許文献3のトナー画像への接着剤塗付方法では、油性離型剤を塗付した離型シート上にトナー画像を形成する。このトナー画像の上面にホットメルト接着性を持つ接着剤ヒドロゾルを塗布すると、接着剤ヒドロゾルが油性離型剤との反発と自体の表面張力によりトナー画像の部分のみの表面に収斂し、トナー画像の部分のみに接着剤が塗付された転写シートを得ることができる。
【0006】
また、特許文献4のカラー転写シートの製造方法では、シート状の紙基材の表面に水溶性塗料と粘着剤層及び合成樹脂層が積層された転写用紙の表面にカラー画像を形成する。次に有機溶剤を塗布することにより非画像部の粘着剤層及び合成樹脂層を除去する。最後に剥離型粘着フィルムを重合圧接した後、紙基材を剥離する。これにより画像部のみがシート上に保持された転写シートを得ることができる。
【0007】
上記の(3)に分類の従来技術によれば、(1)のように専用の装置を使うことなく、また(2)の方法で問題となる位置ずれによる画像の劣化もなく、非画像部の接着剤層が除去されトナー上のみに接着剤層が積層された転写シートが製造可能である。しかしながら、転写しようとする画像が高明度色のように微小な網点で形成されている場合や微細な構造を持つ場合は、上記の従来技術で製造した転写シートではトナー像を正確に被転写体へ転写できないという問題が生じる。この理由について以下に説明する。
図1は、電子写真方式の画像形成装置における面積階調による網点構造を説明する図である。
電子写真方式の画像形成装置の多くは面積階調を採用しており、網点の大きさによって階調を表現している。そのため入力画像が高明度色の場合は、図1に示すように微小な網点によってトナー像が構成される。このような画像に対して従来技術を適用すると、トナー層と接着剤層との接触面積が小さいため十分な結合力が得られず、接着剤層がトナーの表面にうまく積層されなかったり、トナー上以外の余分な接着剤層を除去する際にトナー上の接着剤層まで除去されてしまったりするという問題が生じる。その場合接着剤が積層されていないトナーは被転写体に転写することができず、目的の画像が得られない。
図2は、転写シート上の高明度色の網点構造のトナー像上に接着剤層を積層した状態を表す断面図である。
また、図2のように離型層21を備えた離型性シート2上に形成された高明度色のトナー像4の表面に接着剤層5を積層した転写シート1が得られた場合であっても、やはりトナー像4を正確に図示しない被転写体に転写、定着させるのは困難である。トナー像4の上の接着剤層5の面積が小さく、被転写体によっては十分な接着強度が得らないためである。このため転写シート1を被転写体に密着させた状態で加熱・加圧後、離型性シート2を剥がす際にトナー像4が離型性シート2側にオフセットしてしまったり、被転写体に転写したとしても外部から応力がかかった際にトナー像4が剥がれてしまったりするという問題が生じる。
すなわち、従来技術では高明度色など微小な網点で形成される色や微細な構造を含む画像について、目的のトナー像を正確に被転写体に転写するのが困難であるという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、目的の画像が高明度色など微小な網点で形成される色や微細な構造を含む場合であっても、トナー像を正確に被転写体に転写することが可能な転写シートの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する手段である本発明の特徴を以下に挙げる。
本発明の転写シートの製造方法では、離型性を有するシート状基材に目的とする画像のトナー像が形成され、かつトナー像が形成する画像部以外の非画像部に形成されている接着剤層が除去された転写シートの製造方法であって、前記シート状基材に前記目的とする画像の画像データに基づき有色トナー像を形成する有色トナー像形成工程と、前記有色トナー像が形成された前記シート状基材の画像部に透明トナー層を形成する透明トナー層形成工程と、前記透明トナー層及び前記有色トナー像上のみにホットメルト性の接着剤層を形成する接着剤層形成工程とを含むことを特徴とする。
また、本発明の転写シートの製造方法では、離型性を有するシート状基材に目的とする画像のトナー像が形成され、かつトナー像が形成する画像部以外の非画像部に形成されている接着剤層が除去された転写シートの製造方法であって、前記目的とする画像の画像データに基づき前記シート状基材の画像部に透明トナー層を形成する透明トナー層形成工程と、前記透明トナー層上に前記目的とする画像の画像データに基づき有色トナー像を形成する有色トナー像形成工程と、前記透明トナー層及び前記有色トナー像上のみにホットメルト性の接着剤層を形成する接着剤層形成工程とを含むことを特徴とする。
また、本発明の転写シートの製造方法では、さらに、前記有色トナー像のトナー面積率を前記画像データの画素値に基づき算出する工程を有し、前記透明トナー層形成工程では、前記画像部のうち前記トナー面積率が所定値以下である領域に透明トナー層を形成することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の転写シートの製造方法では、さらに、前記有色トナー像は、万線基調のディザにより擬似中間調処理が施された画像データに基づき形成することを特徴とする。
また、本発明の転写シートの製造方法では、さらに、前記画像部の領域を拡大した拡大画像部を設定する工程を有し、前記透明トナー層形成工程では前記拡大画像部に透明トナー層を形成することを特徴とする。
また、本発明の転写シートの製造方法では、さらに、前記有色トナー像の前記画像データに基づき前記画像部のエッジ領域を設定する工程を有し、前記透明トナー層形成工程では前記エッジ領域に透明トナー層を形成することを特徴とする。
また、本発明の転写シートの製造方法では、さらに、ユーザーが透明トナー層を形成する透明トナー層形成領域を指定する工程を有し、前記透明トナー層形成工程では、前記透明トナー層形成領域に透明トナー層を形成することを特徴とする。
また、本発明の転写シートの製造方法では、離型性を有するシート状基材に目的とする画像のトナー像が形成され、かつトナー像が形成する画像部以外の非画像部に形成されている接着剤層が除去された転写シートの製造方法であって、前記シート状基材に前記目的とする画像の画像データに基づき有色トナー像を形成する有色トナー像形成工程と、前記有色トナー像が形成された前記シート状基材の画像部に白色トナー層を形成する白色トナー層形成工程と、前記白色トナー層上のみにホットメルト性の接着剤層を形成する接着剤層形成工程とを含むことを特徴とする。
また、本発明の転写シートの製造方法では、さらに、前記ホットメルト性の接着剤層は、ホットメルト性の接着剤層が積層された接着シートを前記シート状基材に形成されたトナー上に圧接して加熱後、前記シート状基材から剥離することで形成することで形成することを特徴とする。
また、本発明の転写シートの製造方法では、さらに、前記有色トナー像形成工程、及び前記透明トナー層形成工程又は前記白色トナー層形成工程では画像形成装置を用いて前記有色トナー像、及び前記透明トナー層又は前記白色トナー層を夫々形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
上記課題を解決する手段である本発明によって、以下のような特有の効果を奏する。
本発明の転写シートの製造方法では、接着剤層を積層する工程において、有色トナー像の網点間の隙間を透明トナー層が埋めた構造となっているため、トナー層と接着剤層が接触する面積を広くとることができ、トナー層と接着剤層と、及び接着剤層と被転写体との強い接着力が得られ、高明度色など微小な網点で形成される色や微細な構造を含む画像であっても、トナー像を正確に被転写体に転写することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】電子写真方式の画像形成装置における面積階調による網点構造を説明する図である。
【図2】転写シート上の高明度色の網点構造のトナー像上に接着剤層を積層した状態を表す断面図である。
【図3】本発明の転写シートの製造方法に使用できる画像形成装置の一例の概略構成図である。
【図4】本発明の転写シートの製造方法における手順を表すフローチャートである。
【図5】本発明の転写シートの製造方法における、有色トナー像、画像部、非画像部を説明する模式図である。
【図6】本発明の転写シートの製造方法に係る離型性シートの断面図である。
【図7】本発明の転写シートの製造方法で、離型性シートに有色トナー像を形成した状態を示す断面図である。
【図8】本発明の転写シートの製造方法で、離型性シートに透明トナー層を形成した状態を示す断面図である。
【図9】本発明の転写シートの製造方法で、接着シートに接着剤層を積層した状態を表す断面図である。
【図10】本発明の転写シートの製造方法で、離型性シートと接着シートとを重ねた状態を示す断面図である。
【図11】本発明の転写シートの製造方法で、接着シートを剥がし転写シートを製造したことを示す断面図である。
【図12】転写シートを被転写体に圧接した状態を表す断面図である。
【図13】被転写体に有色トナー像を転写した状態を表す断面図である。
【図14】本発明の転写シートの製造方法における他の手順を表すフローチャートである。
【図15】本発明の転写シートの製造方法で、離型性シートに透明トナー層を形成した状態を示す断面図である。
【図16】本発明の転写シートの製造方法で、離型性シートの透明トナー層上に有色トナー像を形成した状態を示す断面図である。
【図17】本発明の転写シートの製造方法で、離型性シートに接着剤層を重ねた状態を示す断面図である。
【図18】転写シートを被転写体に圧接した状態を表す断面図である。
【図19】被転写体にトナー像を転写した状態を表す断面図である。
【図20】本発明の転写シートで、トナー面積率の小さい高明度色とトナー面積率の大きい低明度色とにおける有色トナー像と透明トナー層の状態を示す断面図である。
【図21】本発明の転写シートの製造方法で、拡大画像部を説明する図である。
【図22】本発明の転写シートの製造方法における他の手順を表すフローチャートである。
【図23】被転写体に有色トナー像を転写した状態を表す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明はこの発明における最良の形態の例であって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
まず、本発明の転写シートの製造方法に使用できる画像形成装置及びトナーについて説明し、その後に本発明の実施例につき詳細に説明する。
【0014】
<画像形成装置>
図3は、本発明の転写シートの製造方法に使用できる画像形成装置の一例の概略構成図である。
本発明の転写シート1の製造方法において有色トナー像4の形成、透明トナー層5の形成および白色トナー層7の形成に使用できる。この画像形成装置100は、プロセスカートリッジ110としても用いることが可能な作像ユニット110を並列し、中間転写ベルト160に一旦画像を重ね合わせて、それを記録媒体に一括転写する方式である。
ここでは、画像形成装置100は、転写シート1の製造に用いられる。
画像形成装置100は、その内部の略中央に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各有色トナーに対応した4つの作像ユニット110Y、110M、110C、110Kを並列に並べたタンデム型に配列している。いずれの作像ユニット110Y、110M、110C、110Kでも同様の構成であるので、この図においては、色の区別に関係ない場合はC、M、Y、Kの表示を省略する。ここで、本発明の転写シート1の製造方法に使用できる画像形成装置100として、ブラックのトナーにおける作像ユニット110Kを透明トナーの作像ユニット110として用いることができる。また、図示しないが、透明トナー用の5つめの作像ユニット110、白色トナー用の6つめの作像ユニット110を設ける。有色トナー像4の形成、透明トナー層5の形成および白色トナー層7の形成を可能にする。
各作像ユニット110は、それぞれの感光体120を有し、各感光体120の周りには、感光体120表面に電荷を与える帯電装置130、感光体120表面に形成された潜像を各色トナーで現像してトナー像とする現像装置140、感光体120表面に、図示しない潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置、トナー像転写後の感光体120表面のクリーニングをするクリーニングブレードを備えるクリーニング装置150がそれぞれ配置されている。これで、一つの作像ユニット110を形成している。4つの作像ユニット110の上方には、ポリイミドやポリアミド等の耐熱性材料からなり、中抵抗に調整された基体からなる無端状ベルトを複数のローラに掛け回して支持し、回転駆動する中間転写ベルト160を配置している。また、4つの作像ユニット110の下方には、帯電した各感光体120の表面に各色の画像データに基づいて露光をし、潜像を形成する露光装置170が備えられている。
【0015】
中間転写ベルト160を挟んで、各感光体110と対向する位置には、感光体110上に形成されたトナー像を中間転写ベルト160上に一次転写する一次転写ローラ170がそれぞれ配置されている。一次転写ローラ170は、図示しない電源に接続されており、所定の電圧が印加される。中間転写ベルト160の支持ローラで支持された部分の外側には、二次転写ローラ180が圧接されている。二次転写ローラ180は、図示しない電源に接続されており、所定の電圧が印加される。二次転写ローラ180と中間転写ベルト160との接触部が二次転写部であり、中間転写ベルト160上のトナー像が記録媒体に転写される。中間転写ベルト160の支持ローラで支持された部分の外側には、二次転写後の中間転写ベルト160の表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーニング装置190が設けられている。二次転写部の上方には、記録媒体上のトナー像を記録媒体に半永久的に定着させる定着装置200が備えられている。定着装置200は、定着ローラ210と、これに対向し、圧接して配置される、内部にハロゲンヒータを有する加圧ローラ220とから構成されている。この他に、定着ローラの代わりに、図示しないが、内部にハロゲンヒータを有する加熱ローラ及び定着ローラに巻き掛けられた無端の定着ベルトを用いても良い。画像形成装置100の下部には、記録媒体を載置し、二次転写部に向けて記録媒体を送り出す給紙装置230が備えられている。給紙装置230は着脱可能な給紙カセットを有する。
【0016】
現像装置140は、感光体120と対向する位置に、内部に磁界発生手段を備える図示しない現像スリーブが配置されている。現像スリーブの下方には、トナーボトル240から投入されるトナーを現像剤と混合し、攪拌しながら現像スリーブへ汲み上げるための2つのスクリューが備えられている。現像スリーブによって汲み上げられるトナーと磁性キャリアからなる現像剤は、図示しないドクターブレードによって所定の現像剤層の厚みに規制され、現像スリーブに担持される。現像スリーブは、感光体120との対向位置において同方向に移動しながら、現像剤を担持搬送し、トナーを感光体120の潜像面に供給する。なお、作像ユニット110であるプロセスカートリッジは、感光体120を中心に、帯電装置130、現像装置140、クリーニング装置150及び潤滑剤塗布装置を備えている。作像ユニット110であるプロセスカートリッジ110は、少なくとも感光体120を一体に支持して、画像形成装置100に着脱可能になっている。
【0017】
<トナー>
本発明に用いる有色トナーは、少なくとも結着樹脂、ブラック着色剤、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤の少なくともいずれかの着色剤、他に所望により、電荷制御剤(CCA)、ワックス性材料、微粒子流動性改善剤、酸化防止剤等の他の成分を含有する。ワックス成分、微粒子流動性改善剤等は内添されていても外添されてもよい。トナーは、これらトナー材料の所望量を混合し、溶融混練して、得られた混練生成物を粉砕後又は粉砕と同時に、分級することによって所望の粒径のトナー母体を得ることができる。
【0018】
また、上記粉砕法のような物理的製法の他、結着樹脂を溶解した溶剤の液滴からの乾燥造粒法、水中油滴(O/W)型エマルジョンからの水性溶媒除去による固化造粒法、乳化凝集法、懸濁重合法、結着剤成分の部分重合法例えば結着剤前駆体としてのポリエステル系樹脂成分の液中伸長法等の化学的製法によっても製造することができ、さらに、物理的製法と化学的製法の組合せによっても製造することができる。
本発明の、Y、M、C、Kトナーなどの有色トナーに用いられる着色剤としては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック各色のトナーを得ることが可能な公知の顔料や染料が使用できる。
例えば、黄色顔料としては、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.Pigment yellow 180が挙げられる。
【0019】
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.Pigment red 122が挙げられる。
紫色顔料としては、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキが挙げられる。
【0020】
青色顔料としては、コバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC、C.I.Pigment blue 15:3が挙げられる。
黒色顔料としては、カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物が挙げられる。
これらは、1種又は2種以上を使用することができる。
【0021】
有色トナー中における着色剤の含有量は、1質量%〜15質量%が好ましく、3質量%〜10質量%がより好ましい。前記含有量が、1質量%未満であると、トナーの着色力が低下することがあり、15質量%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
【0022】
透明トナーとしては、有色トナーの製造に使用される結着樹脂を用いて形成する微粒子が使用される。具体的には、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル樹脂、その他のビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレア系樹脂などの一般トナー用に用いられる公知の樹脂とその重合体が使用可能である。透明トナーとしては、有色トナーと同様の材質を用いてもよいが、同じ定着条件でより溶融しやすいような構成にしてもよい。
【0023】
<画像データ>
布などの被転写体に転写する画像(目的とする画像)の画像データを、パーソナルコンピュータなどから画像形成装置、例えば電子写真方式のカラーレーザープリンタに入力する。スキャナを用いて目的とする画像の画像データをパーソナルコンピュータに取り込み、その画像データを画像形成装置に入力してもよい。画像形成装置に入力される入力画像データは、例えば、各画素についてそれぞれR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の三原色の明度を0〜255で示す8ビットのRGBデータである。RGBデータは、鏡像の画像を作製する処理、変調伝達関数(MTF)フィルタによる強調処理、カラーマッチング処理、CMYK色空間データへの変換、ガンマ補正処理、疑似中間調処理などが適宜施され、出力用画像データとして画像形成装置の制御部、露光装置140等に送られ、潜像及びトナー像の形成に用いられる。上記のような入力画像データから出力用画像データを得る処理は、パーソナルコンピュータの側で行ってもよいし、画像処理装置の側で行ってもよい。
【0024】
(実施例1)
図4は、本発明の転写シートの製造方法における手順を表すフローチャートである。
図4では、目的の画像のトナー像を形成している有色トナー層4を有する転写シート1を製造し、被転写体9に転写するまでの一連の手順を示している。
実施例1では、はじめに離型性シート2に対して有色トナー像4を形成する(ステップS1)。次に、有色トナー像4を形成している画像部上に透明トナー層5を形成する(ステップS2)。次に、透明トナー層5上に接着剤層6を形成することにより目的の画像の有色トナー像4が形成された転写シート1を製造する(ステップS3)。このときに、有色トナー層4にも接着剤層6を形成することがあってもよい。有色トナー像4に状態によっては、例えば、端部に小さい画像のみがある場合など、透明トナー層5を形成しないことがある。そのような場合は、有色トナー層4にも接着剤層6を形成することで、汚れのない接着力の強い転写シート1を製造することができる。
次に、製造した転写シート1を用いて、有色トナー像4を被転写体9への転写を行う(ステップS4)。
図5は、本発明の転写シートの製造方法における、有色トナー像、画像部、非画像部を説明する模式図である。
ここで画像部とは、図5に示すように、有色トナーによる有色トナー像4が形成される領域を指す。(a)は1種または複数種の有色トナーにより形成された顔のトナー像である。(b)は、そのトナー像が形成された領域全体を「画像部」と称することを表している。一方、画像部でない領域は、「非画像部」という。
以下、本実施例1で用いる離型性シートと各工程の詳細について説明する。
【0025】
<離型性シート>
図6は、本発明の転写シートの製造方法に係る離型性シートの断面図である。
離型性シート2は、表面に離型性を有するシート状の基材であり、シート状の透明PETフィルム21の表面に、シリコーン離型剤による離型層22を形成している。離型性シート2は表面に離型性を有し、有色トナー像4の形成に用いる画像形成装置に適用することが可能な厚さであれば他の構成でも構わない。例えば、PETフィルム21の代わりに白色のコート紙など、シリコーン離型剤の代わりにフッ素系の離型剤を用いても同様の機能を持つ離型性シート2を製造できる。
【0026】
<有色トナー像の形成工程(ステップS1)>
図7は、本発明の転写シートの製造方法で、離型性シートに有色トナー像を形成した状態を示す断面図である。
ステップS1では、図7に示すように、離型性シート2の離型層22を有する面に画像形成装置100で有色トナー像4を形成する。
本実施例1では画像形成装置100として、電子写真方式のカラーレーザープリンタを用いた。トナーはシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色の有色トナーを利用している。電子写真方式の画像形成装置では、入力画像データに基づきシート状の記録媒体にトナーを転写し、加熱・加圧することで記録媒体にトナーを定着させたトナー像を形成することができる。離型性シート2を給紙トレイにセットし、目的の画像を鏡像にした画像データをパーソナルコンピュータから印刷指示すると、入力画像データに基づき離型性シート2の離型性を有する離型層22上に有色トナー像4を形成する。ここで鏡像の画像を形成するのは、転写シート1から被転写体9に転写したときに有色トナー像4の離型層3と接する面が表面となるためである。画像データは任意の画像で良く、微小な網点を使って形成されるような高明度色が含まれていても構わない。また画像形成装置100、トナーについても離型性シート2上にトナー像を形成可能であれば別の構成の画像形成装置、トナーを用いても良い。
【0027】
<透明トナー層の形成工程(ステップS2)>
図8は、本発明の転写シートの製造方法で、離型性シートに透明トナー層を形成した状態を示す断面図である。
図8に示すように、有色トナー像4が形成された離型性シート2上の画像部に透明トナー層5を形成する。
透明トナー層5の形成は、ステップS1と同様、電子写真方式の画像形成装置100を用い、有色トナーの作像ユニット110の1つを透明トナーの作像ユニット110に交換して行った。このときに、透明トナーを用いる作像ユニット110を追加しても良い。
画像部の透明トナーに対応する色の入力値を100%とし、その他の色の入力値を0%とした画像データを、ステップS1同様に、鏡像で作製し、有色トナー像4が形成された離型性シート2に印刷すると、図8に示すように画像部に透明トナー層5が積層された離型性シート2が得られる。なお本実施例1では上記のように一旦有色トナー像4を形成した後に透明トナー層5を画像部に積層する方法を用いたが、有色トナー及び透明トナーを同時に画像形成可能な画像形成装置100を用いて、一回の印刷動作で図8に示した構成を持つシートを作製しても良い。
【0028】
<接着剤層の形成工程(ステップS3)>
ここでは、得られた離型性シート2の透明トナー層5上に接着剤層6を積層する。
図9は、本発明の転写シートの製造方法で、接着シートに接着剤層を積層した状態を表す断面図である。
図10は、本発明の転写シートの製造方法で、離型性シートと接着シートとを重ねた状態を示す断面図である。
図11は、本発明の転写シートの製造方法で、接着シートを剥がし転写シートを製造したことを示す断面図である。
ここで用いる接着シート3は、離型性シート2と同様に、図9に示すように、表面に離型性を有するシート状の基材であり、シート状の透明PETフィルム31の表面に、シリコーン離型剤による離型層32を形成している。接着シート3は表面に離型性を有し、その上に接着剤層6を形成する。接着剤層6は常温では接着性を持たないが、加熱すると溶融し接着性が発現する特性を持つ接着剤で形成され、例えばポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂などを用いれば良い。
この接着シート3の接着剤層6の面を、図10に示すように、離型性シート2の透明トナー層5面と合わせて圧接し加熱すると、接着剤層6及び透明トナー層5が溶融して接着性が発現し、画像部で透明トナー層5と接着剤層6とが結合する。
その後、図11に示すように、接着シート3を剥がすと、透明トナー層5と結合した部分の接着剤層6は転写シート1側に転写され、結合していない部分の接着剤層6は接着シート1側に残った状態となり、接着剤層6が画像部表面に積層された転写シート1を得ることができる。
このとき、高明度色で有色トナー像4が微小な網点で構成される場合でも、本実施例では透明トナー層5を画像部に形成しているため、高明度色の有色トナー像4のみのときと比較して、接着剤層6が透明トナー層5と広い面積で接触できている。これにより接着剤層6と透明トナー層5との接着力が向上し、接着剤層6を確実に離型シート2の画像部上に積層することが可能となる。また上記のように透明トナー層5のない部分では接着剤層6は接着シート3側に残るため、非画像部の接着剤層6が除去された転写シート1を得ることができる。
これによって、離型性を有するシート状基材である離型性シート2に目的とする画像の有色トナー像4が形成され、かつ有色トナー像4が形成する画像部以外の非画像部に形成されている接着剤層6が除去された転写シート1を製造することができる。
【0029】
<被転写体への転写工程(ステップS4)>
ここでは、上述したように製造された転写シート1を用いて、有色トナー像4を被転写体9への転写を行う。
図12は、転写シートを被転写体に圧接した状態を表す断面図である。
図13は、被転写体に有色トナー像を転写した状態を表す断面図である。
まず、図12に示すように、転写シート1の接着剤層6面を被転写体9に圧接し加熱する。
その後、図13に示すように、離型性シート2を剥がすと接着剤層6、透明トナー層5及び有色トナー像4が被転写体9側に転写され、目的の画像を得ることができる。有色トナー像4上だけでなく画像部全体に接着剤層6が積層されているため、被転写体9に対して強い接着力が得られ、目的の有色トナー像4を正確に被転写体9へ転写することが可能となる。
また、透明トナー層5及び接着剤層6は共に透明であるため、有色トナー像4のみを転写する場合と変わらない画像を得ることができる。被転写体9として、衣類、陶磁器の他にも、布、プラスチック、紙、木材、皮革、ガラス、金属などから成る種々の物品、製品等が挙げられる。
【0030】
このように、実施例1の転写シートの製造方法では、離型性を有するシート状の基材である離型性シート2に有色トナー像4を形成した後、さらに透明トナーを用いて画像部に透明トナー層5を形成する。このときの画像状態は、画像部に形成された有色トナー像4の網点間の隙間を透明トナー層5が埋めた構造となっている。この画像に対してホットメルト性を有する接着剤層6を重ねて加熱すると、透明トナー層5に接触している接着剤層6は透明トナー層5との間に結合力が生じ透明トナー層5上に積層される。一方、透明トナー層5に接触していない非画像部上の接着剤層6は離型性シート2側への結合力が得られないため、離型性シート2には積層されず除去される。その結果、画像部のみに接着剤層6が積層された転写シート1が得られる。
この転写シート1の製造方法では、この接着剤層6を積層する工程において、上記のように有色トナー像4の網点間の隙間を透明トナー層5が埋めた構造となっているため、微小な網点で構成される高明度色であっても透明トナー層5と接着剤層6が接触する面積を広くとることができる。よって透明トナー層5を積層しない場合と比較して強い結合力が得られ、接着剤層6がトナー層上に積層されないことを防ぐことができる。また積層される接着剤層6の面積が大きくなるため被転写体9に対しても同様に強い接着力が得られ、目的のトナー像を正確に被転写体9へ転写できる。
以上より、本発明の転写シート1の製造方法で製造された転写シート1によれば、高明度色の微小な網点で形成される画像であっても、目的の画像を有する有色トナー像4を正確に被転写体9に転写することが可能となる。
【0031】
(実施例2)
図14は、本発明の転写シートの製造方法における他の手順を表すフローチャートである。
本実施例2では、実施例1とは有色トナー像4と透明トナー層5の形成順序が異なっている。
はじめに、離型性シート2に対して透明トナー層5を形成する(ステップS11)。次に、その透明トナー層5の上に有色トナー像を形成する(ステップS12)。次に、その透明トナー層5、有色トナー像4の上に接着剤層6を形成し、これにより目的の画像を有する有色トナー像4が形成された転写シート1を製造することができる(ステップS13)。
ついで、この転写シート1を用いて被転写体9へ有色トナー像4の転写を行う(ステップS14)。
離型性シート2については実施例1と同じ構成で良い。
各工程の詳細について以下に説明する。
【0032】
<透明トナー層の形成工程(ステップS11)>
図15は、本発明の転写シートの製造方法で、離型性シートに透明トナー層を形成した状態を示す断面図である。
ステップS11では、離型性シート2の離型性を有する面でる離型層22の上に、目的とする画像の有色トナー像4を形成する領域である画像部に透明トナー層5を形成する。画像部は、目的とする画像の画像データから確定できる。透明トナー層5の形成方法は、実施例1におけるステップS2と同様であり、透明トナーが現像可能な画像形成装置100を用いて、離型性シート2の画像部に透明トナー層5を形成する。
【0033】
<有色トナー像の形成工程(ステップS12)>
図16は、本発明の転写シートの製造方法で、離型性シートの透明トナー層上に有色トナー像を形成した状態を示す断面図である。
ステップS12では、画像部に透明トナー層5を形成した離型性シート2上に、有色トナー像4を形成する。有色トナー像4の形成方法も実施例1と同様であり、透明トナー層5を形成した離型性シート2を画像形成装置100の給紙トレイ230にセットし、目的の画像を鏡像にした画像データをパーソナルコンピュータから印刷指示することで、透明トナー層4が形成された画像部上に有色トナー像4を形成する。
【0034】
<接着剤層の形成工程(ステップS13)>
図17は、本発明の転写シートの製造方法で、離型性シートに接着剤層を重ねた状態を示す断面図である。
ステップS13では、離型性シート2の上に形成した透明トナー層5及び有色トナー像4の上に接着剤層6を形成する。接着剤層6の形成方法も実施例1と同様に、離型性シート2と同じ、離型性を有するシート状の基材である接着シート3上にホットメルト性の接着剤層6を積層することで行う。有色トナー像4又は透明トナー層5と接触している接着剤層6は、トナーと接着剤との結合力によりトナー側へ転写されるため、図17に示すように、画像部全体に接着剤層6が積層された転写シート1を得ることができる。
すなわち微小な網点で構成されるような高明度色であっても、有色トナー像4の網点間の隙間を透明トナー層5が埋めた構造となっているため、接着剤層6を確実に有色トナー層と透明トナー層5との上にのみに積層することができる。
【0035】
<被転写体への転写工程(ステップS14)>
図18は、転写シートを被転写体に圧接した状態を表す断面図である。
図19は、被転写体にトナー像を転写した状態を表す断面図である。
ステップS14では、図18に示すように、得られた転写シート1を用いて、目的の画像を有する有色トナー像4を被転写体9への転写を行う。実施例1と同様に、転写シート1の接着剤層6の面を被転写体9に圧接し加熱する。
さらに、その後、図19に示すように、離型性シート2を剥がすと、接着剤層6、透明トナー層5及び有色トナー像4が被転写体9側に転写され、目的とする画像のトナー像を得ることができる。本実施例2においても有色トナー像4上だけでなく、透明トナー層5を含む画像部全体に接着剤層6が積層されているため、被転写体9に対して強い接着力が得られ、目的のトナー像を正確に被転写体9へ転写することが可能となる。
【0036】
以上説明したように、本発明の転写シート1の製造方法では、離型性シート2の画像部に透明トナーを用いて透明トナー層5を形成した後、透明トナー層5上に有色トナーを用いて目的とする画像の有色トナー像4を形成する。このときの画像状態は、画像部に形成された有色トナー像4の網点間の隙間を透明トナー層5が埋めた構造となっている。そのため、微小な網点で構成されるような高明度色であっても接着剤層6を確実に透明トナー層5,有色トナー像4上に積層することができ、トナー像を正確に被転写体9に転写することが可能となる。さらに転写シート1上で有色トナー像4が透明トナー層5上に形成されているため、被転写体9に転写された有色トナー像4は表面を透明トナー層5で覆われた状態となる。そのため有色トナー像4を外部からの損傷から保護することができる効果もある。
【0037】
(実施例3)
実施例3の転写シート1の製造方法は、実施例1又は2に記載の転写シート1の製造方法における透明トナー層5を形成する工程で、画像部のうち有色トナー像4のトナー面積率が所定値以下である領域のみに透明トナー層5を形成することを特徴とする。以下、透明トナー層5を形成する工程、及び有色トナー像4を形成する工程について説明する。他の工程については実施例1又は2と同様で良い。
【0038】
<透明トナー層の形成工程>
本実施例の透明トナー層5を形成する工程では、トナー面積率の算出、透明トナー有無の判定、透明トナー層5の形成の3つの処理を行う。
<トナー面積率の算出>
ある領域におけるトナー部の面積率を「トナー面積率」という。「トナー面積率」は、有色トナー像4の画像データの信号値に基づき算出する。CMYK4色で画像形成を行う場合、有色トナー像4の画像データは各画素がC、M、Y、Kの信号値で表されたCMYKデータに変換されている。各色の信号値をVc、Vm、Vy、Vk(各色0〜1に規格化)で表したとき、トナー面積率Sを次式で求める。
S=Vc+Vm+Vy+Vk
−(Vc×Vm+Vm×Vy+Vy×Vk+Vk×Vc)
+(Vc×Vm×Vy+Vm×Vy×Vk+Vy×Vk×Vc+Vk×Vc×Vm)
−Vc×Vm×Vy×Vk
低明度色では各色の信号値が大きいためトナー面積率が大きくなり、高明度色では各色の信号値が小さいため有色トナー面積率も小さくなる。
【0039】
<透明トナー有無の判定>
算出した有色トナー像4のトナー面積率に基づき、透明トナーを載せるかどうかを各画素について判定する。本実施例ではトナー面積率が0.8以下の画素に対して透明トナーを載せ、トナー面積率が0.8より大きい画素については透明トナーを載せない判定とした。これによりトナー面積率の小さい高明度色は透明トナー層5が積層され、トナー面積率の大きい低明度色は透明トナー層5が積層されない画像状態を形成することが可能となる。なお透明トナーを載せるかどうか判定するトナー面積率は0.8に限らず、高明度色でも確実に被転写体9に転写することが可能であれば他の値でも良い。
【0040】
<透明トナー層の形成工程>
透明トナーを載せると判定された画素に対して透明トナー層5の形成を行う。透明トナー層5の形成方法は実施例1又は2と同様で良い。
【0041】
<有色トナー像の形成工程>
有色トナー像4の形成は実施例1又は2と同様にCMYK4色による画像形成装置を用いて実施すれば良い。
【0042】
図20は、本発明の転写シートで、トナー面積率の小さい高明度色とトナー面積率の大きい低明度色とにおける有色トナー像と透明トナー層の状態を示す断面図である。
上記のように、本発明の転写シート1の製造方法では、トナー面積率の小さい高明度色は透明トナー層5が積層されて網点間の隙間が埋められ、トナー面積率の大きい低明度色は透明トナー層5が積層されないため、例えば実施例3の手順で有色トナー像4の形成及び透明トナー層5の形成を行うと、図19に示すような画像状態が得られる。この画像に対してホットメルト性を有する接着剤層6を積層すると、高明度色については透明トナー層5が形成されているため接着剤層6と透明トナー層5との十分な接触面積を確保でき、接着剤層6を確実に積層することが可能である。
一方、低明度色はトナー面積率が高いため透明トナー層5が積層されていない状態でも接着剤層6と有色トナー像4との十分な接触面積を確保でき、同様に接着剤層6を確実に積層することが可能である。
よって本実施例の転写シート1の製造方法においても、目的とする画像のトナー像を正確に被転写体9に転写することが可能な転写シート1を製造できる。さらに低明度色には透明トナー層5を積層しないため、実施例1又は2の転写シート1の製造方法と比較して透明トナーの消費量を減少でき、転写シート1の製造コストを低減することができる。
【0043】
(実施例4)
本実施例4の転写シート1の製造方法は、実施例3に記載の転写シート1の製造方法における有色トナー像4を形成する工程で、万線基調のディザにより擬似中間調処理が施された画像データに基づき有色トナー像4を形成することを特徴とする。
他の工程は実施例1又は2と同様で良い。万線基調のディザではドットをまず線状に繋がるように成長させ、線の太さを変化させることで階調表現を行う。そのため網点の大きさによって階調表現を行う網点基調のディザ方式と比較して微小面積のドットが発生しにくく、接着剤層6がより付きやすくなる。よって目的とする画像のトナー像をより正確に転写することが可能となる。さらに透明トナー層4の形成の有無を判定するためのトナー面積率の所定値の引き下げが可能になることにより、透明トナーの消費量の低減効果を高めることができる。
【0044】
<万線基調のディザによる疑似中間調処理>
画像形成装置100に入力される画像データは、写真などの階調画像では1ピクセルあたり8〜12ビットの多値データを持っている。これに対して画像形成装置100では、1ピクセルあたりで表現が可能な階調数は実質的には非常に少ない。このため、画像形成装置100では、解像度を600dpi、1200dpiなどと向上させ、複数の画素を使用して画像濃度を面積的に変調して、擬似的に中間調の画像を表示している。すなわち、単位面積当たりのドット数(密度)を制御することで階調表現を行う。この入力画像データを、擬似的な中間調画像に変換する工程で施される画像処理が、擬似中間調処理である。ディザ法はこの擬似中間調処理方法の1形態である。ディザ法の代表的なものとして組織的ディザ法とランダムディザ法がある。組織的ディザ法はn×n個の閾値からなるサブマトリクス(これをディザマトリクスという)を設定し、このディザマトリクスを入力画像に重ね合わせ、対応する各画素の濃淡レベルと閾値を比較し、入力画像の値の方が大きい場合は1、小さい場合は0として2値表示する。n×n画素の処理が済んだら、順次ディザマトリクスを次のn×n画素の位置に移動し、同じ処理を繰り返して画像を形成する。また、ランダムディザ法とは、入力画像の各画素に対して乱数を発生させ、その値を閾値とする方法であるが、ランダムディザ法による場合、一般に形成した画像はざらついた画像となり、組織的ディザ法に比べ画質向上には不向きである。
組織的ディザ法で疑似中間調処理を行った画像では、周期的な構造をもつ画像構造となる。ディザマトリクスの種類としては、ドット集中型(ドットスクリーン)、Bayer型、万線型(ラインスクリーン)などがある。
ドット集中型ディザマトリクスでは、面方向の成長順(画像濃度が大きくなるにしたがって、書きこみが行われる画素の順番)は、成長中心とよばれる画素に対して距離的に近い画素から、周辺部の画素へと順位づけが行われる。
Bayer型ディザマトリクスは、ドット集中型とは反対の性質を有するディザマトリクスであり、個々のドットをできるだけ分散させて配置するようなディザマトリクスである。
万線型ディザマトリクスでは、ドットの成長順は中心線とよばれる仮想的なラインに対して距離的に近い画素からより遠い画素へと順位づけが行なわれる。万線型ディザマトリクスを用いて行われる処理が、万線基調のディザによる疑似中間調処理である。
【0045】
(実施例5)
本実施例5の転写シート1の製造方法は、実施例1又は2に記載の転写シート1の製造方法における透明トナー層5を形成する工程で、透明トナー層5を画像部の面積を拡大した拡大画像部に形成することを特徴とする。他の工程は実施例1又は2と同様で良いため、透明トナー層5を形成する工程のみについて以下に説明する。
本実施例5では透明トナー層5を形成する工程において、拡大画像部の設定と透明トナー層5の形成を行う。
【0046】
<拡大画像部の設定>
図21は、本発明の転写シートの製造方法で、拡大画像部を説明する図である。
拡大画像部とは、図21に示すように、有色トナー像4が形成される画像部の面積を拡大した領域を表わしている。本実施例5では、画像部の境界を1mmだけ拡大させた領域を拡大画像部とした画像データを製造した。ただし画像部の拡大幅は1mmに限らず、画像データや被転写体9等に応じて適切な値を設定すれば良い。
【0047】
<透明トナー層の形成>
設定した拡大画像部に透明トナー層5を形成する。透明トナー層5の形成方法は、形成する領域を拡大画像部とする以外は実施例1又は2と同じで良い。
【0048】
上記のように、本発明の転写シート1の製造方法では、画像部の面積を拡大した拡大画像部に透明トナー層5を形成する。そのため有色トナーにより形成される有色トナー像4が高明度色など微小な網点で形成される色や文字のように微細な構造を含む場合であっても、透明トナー層5の形成により接着剤層6との十分な接触面積を確保でき、接着剤層6を確実に画像部のみに積層することが可能である。また積層される接着剤層6の面積が大きくなるため被転写体9に対しても同様に強い接着力が得られ、目的のトナー像を正確に被転写体9へ転写できる。さらに有色トナーで形成される画像部のエッジ部は被転写体9への転写後に外部から力を受けやすいが、本実施例ではこの部分を透明トナーで覆うことができるため画像部をより剥離しにくくすることができる。
【0049】
(実施例6)
本実施例6の転写シート1の製造方法は、実施例1又は2に記載の転写シート1の製造方法における透明トナー層5を形成する工程で、透明トナー層5を画像部のエッジ領域に形成することを特徴とする。他の工程は実施例1又は2と同様で良いため、透明トナー層5を形成する工程のみについて以下に説明する。
本実施例では透明トナー層5を形成する工程において、エッジ領域の設定と、透明トナー層の形成を行う。
【0050】
<エッジ領域の設定>
有色トナー像4の画像データに基づき、画像部のエッジ領域を設定する。画像部のエッジは既知の方法を用いて抽出すれば良く、例えば画像データに対してエッジ抽出用のフィルタを適用することで抽出することができる。本実施例では抽出したエッジをさらに1mmだけ太らせた領域をエッジ領域に設定した画像データを作製した。
【0051】
<透明トナー層の形成>
設定したエッジ領域に透明トナー層5を形成する。透明トナー層5の形成方法は、形成する領域をエッジ領域とする以外は実施例1又は2と同じで良い。
上記のように本実施例の転写シート1の製造方法では、画像部のエッジ領域に透明トナー層5を形成する。これによりトナー層の面積を増大することができるため、微細な構造を持つ画像に対しても接着剤層6を確実に積層することが可能となり、目的のトナー像を正確に被転写体へ転写できる。またエッジ領域を透明トナー層で覆うことができるため画像部を剥離しにくくすることができる。さらにエッジ領域以外の画像部に対しては透明トナー層を形成しないため、透明トナーの消費量を減少でき、転写シートの製造コストを低減することができる。
【0052】
(実施例7)
実施例7の転写シートの製造方法は、実施例1又は2に記載の転写シートの製造方法における透明トナー層を形成する工程で、透明トナー層をユーザーが指定した透明トナー層形成領域に形成することを特徴とする。他の工程は実施例1又は2と同様で良いため、透明トナー層を形成する工程のみについて以下に説明する。
本実施例では透明トナー層を形成する工程において、透明トナー層形成領域の設定と、透明トナー層の形成を行う。
【0053】
<透明トナー層形成領域の設定>
本実施例では透明トナー層を形成する透明トナー層形成領域をユーザーが設定する。透明トナー層を形成するための画像データを作製する際に、ユーザーが透明トナー層を形成したい領域の入力値を100%に指定することで透明トナー層形成領域を設定する。
<透明トナー層の形成>
設定した透明トナー層形成領域に透明トナー層を形成する。透明トナー層の形成方法は、形成する領域を透明トナー層形成領域とする以外は実施例1又は2と同じで良い。
【0054】
本実施例の転写シートの製造方法では、ユーザーが指定した領域に透明トナー層を形成する。そのため、ユーザーが製造される転写シートの状態や被転写体への転写状態を確認しながら透明トナー層の形成領域を指定することができ、高明度色など微小な網点で形成される色や微細な構造を含む画像など特に転写しにくい領域に対して透明トナー層を形成してトナー面積を増大させることでより正確な転写が可能となる。
【0055】
(実施例8)
実施例8の転写シートの製造方法は、実施例1の転写シートの製造方法において透明トナーの代わりに可視波長域の光を一様に反射する特性を持つ白色トナーを用いて転写シートを製造することを特徴とする。
図22は、本発明の転写シートの製造方法における他の手順を表すフローチャートである。
実施例8では、はじめに離型性シート上に有色トナー像4を形成する(ステップS21)。
次に、有色トナー像4を形成している画像部上に白色トナー層7を形成する(ステップS22)。次に、白色トナー層7上のみに接着剤層6を形成した転写シート1を製造する(ステップS23)。次に、製造した転写シート1を用いて、有色トナー像4を被転写体9へ目的の画像を有するトナー像の転写を行う(ステップS4)。
ステップS21、S23、S24の手順は実施例1と同様で良く、またステップS22も透明トナーの代わりに白色トナーを使用して同様に画像形成を行えば良い。
【0056】
本実施例8の転写シート1の製造方法は、実施例1の透明トナーの代わりに白色トナーを用いるもので、実施例1と同様の作用により高明度色など微小な網点で形成される色を含む画像であっても、有色トナー像4を正確に被転写体9に転写することが可能な転写シート1の製造が可能となる。
図23は、被転写体に有色トナー像を転写した状態を表す断面図である。
さらに、被転写体9へ転写されたときの状態は、図22に示すように、被転写体9と有色トナー像4との間に白色トナー層7が形成された構造となっている。そのため有色トナー像4による発色は被転写体9の色による影響を受けず、白色以外の色を持つ被転写体9に対しても目的画像の正確な色再現が可能となる。
【0057】
<白色トナー>
本発明に使用する白色トナーの材料としては、従来公知の結着樹脂、白色着色剤、荷電制御剤、離型剤、外添剤等を使用することができる。結着樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、エチレン系樹脂、ロジン変性樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。また、白色着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができる。具体的には、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、ケイソウ土、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 転写シート
2 離型性シート
21 シート状基材/透明PETフィルム
22 離型層
3 接着シート
31 シート状基材/透明PETフィルム
32 離型層
4 有色トナー像
5 透明トナー層
6 接着剤層
7 白色トナー層
9 被転写体
100 画像形成装置
110 作像ユニット
120 感光体
130 帯電装置
140 現像装置
150 クリーニング装置
160 中間転写ベルト
170 一次転写ローラ
180 二次転写ローラ
190 中間転写ベルトクリーニング装置
200 定着装置
210 定着ローラ
220 加圧ローラ
230 給紙装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0059】
【特許文献1】特開2010−99940号公報
【特許文献2】特開2003−154793号公報
【特許文献3】特許第4352385号公報
【特許文献4】特許第4325069号公報
【特許文献5】特許第3897217号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
離型性を有するシート状基材に目的とする画像のトナー像が形成され、かつトナー像が形成する画像部以外の非画像部に形成されている接着剤層が除去された転写シートの製造方法であって、
前記シート状基材に前記目的とする画像の画像データに基づき有色トナー像を形成する有色トナー像形成工程と、
前記有色トナー像が形成された前記シート状基材の画像部に透明トナー層を形成する透明トナー層形成工程と、
前記透明トナー層及び前記有色トナー像上のみにホットメルト性の接着剤層を形成する接着剤層形成工程とを含む
ことを特徴とする転写シートの製造方法。
【請求項2】
離型性を有するシート状基材に目的とする画像のトナー像が形成され、かつトナー像が形成する画像部以外の非画像部に形成されている接着剤層が除去された転写シートの製造方法であって、
前記目的とする画像の画像データに基づき前記シート状基材の画像部に透明トナー層を形成する透明トナー層形成工程と、
前記透明トナー層上に前記目的とする画像の画像データに基づき有色トナー像を形成する有色トナー像形成工程と、
前記透明トナー層及び前記有色トナー像上のみにホットメルト性の接着剤層を形成する接着剤層形成工程とを含む
ことを特徴とする転写シートの製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の転写シートの製造方法において、
前記有色トナー像のトナー面積率を前記画像データの画素値に基づき算出する工程を有し、
前記透明トナー層形成工程では、前記画像部のうち前記トナー面積率が所定値以下である領域に透明トナー層を形成する
ことを特徴とする転写シートの製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載の転写シートの製造方法において、
前記有色トナー像は、万線基調のディザにより擬似中間調処理が施された画像データに基づき形成する
ことを特徴とする転写シートの製造方法。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の転写シートの製造方法において、
前記画像部の領域を拡大した拡大画像部を設定する工程を有し、
前記透明トナー層形成工程では前記拡大画像部に透明トナー層を形成する
ことを特徴とする転写シートの製造方法。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の転写シートの製造方法において、
前記有色トナー像の前記画像データに基づき前記画像部のエッジ領域を設定する工程を有し、
前記透明トナー層形成工程では前記エッジ領域に透明トナー層を形成する
ことを特徴とする転写シートの製造方法。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の転写シートの製造方法において、
ユーザーが透明トナー層を形成する透明トナー層形成領域を指定する工程を有し、
前記透明トナー層形成工程では、前記透明トナー層形成領域に透明トナー層を形成する
ことを特徴とする転写シートの製造方法。
【請求項8】
離型性を有するシート状基材に目的とする画像のトナー像が形成され、かつトナー像が形成する画像部以外の非画像部に形成されている接着剤層が除去された転写シートの製造方法であって、
前記シート状基材に前記目的とする画像の画像データに基づき有色トナー像を形成する有色トナー像形成工程と、
前記有色トナー像が形成された前記シート状基材の画像部に白色トナー層を形成する白色トナー層形成工程と、
前記白色トナー層上のみにホットメルト性の接着剤層を形成する接着剤層形成工程とを含む
ことを特徴とする転写シートの製造方法。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の転写シートの製造方法において、
前記ホットメルト性の接着剤層は、ホットメルト性の接着剤層が積層された接着シートを前記シート状基材に形成されたトナー上に圧接して加熱後、前記シート状基材から剥離することで形成する
ことを特徴とする転写シートの製造方法。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載の転写シートの製造方法において、
前記有色トナー像形成工程、及び前記透明トナー層形成工程又は前記白色トナー層形成工程では画像形成装置を用いて前記有色トナー像、及び前記透明トナー層又は前記白色トナー層を夫々形成する
ことを特徴とする転写シートの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−192706(P2012−192706A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−60145(P2011−60145)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】